JP3237942B2 - 芳香族ニトロ化合物の製造方法 - Google Patents

芳香族ニトロ化合物の製造方法

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仁美 鈴木
幸一 前田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は芳香族ニトロ化合物の製
造方法に関する。更に詳しくは芳香族化合物を金属又は
該金属の塩を触媒とし、窒素酸化物とオゾンを含む酸素
又は空気でニトロ化することを特徴とする芳香族ニトロ
化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ニトロ化合物は有機化学品の中間
体として重要な化合物であり、一般には濃硝酸あるいは
濃硝酸と濃硫酸の混合物である混酸を用いて製造されて
いる。しかしこの従来方法では、高濃度の酸を大量に使
用するため、操作上の危険がある上に、大量の廃酸の処
理に多額の経費が必要である。また、エステル基等の酸
に弱い置換基を有する芳香族化合物のニトロ化には使用
できない。
【0003】上記方法の改良方法として本出願人等が既
に出願した特開平4−217645号公報には芳香族化
合物を有機溶媒の存在下に窒素酸化物とオゾンを含む酸
素又は空気とを作用させる芳香族ニトロ化合物の製造方
法が記載されている。また前記公報には、固相担体、カ
チオン性イオン交換樹脂又はルイス酸を触媒として反応
液中に加えることもできると記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記特
開平4−217645号公報の方法をより経済的に有利
な方法に改良すべく鋭意研究を重ねた結果、芳香族化合
物を窒素酸化物とオゾンを含む酸素又は空気でニトロ化
する際に、金属及び/又は該金属の化合物を触媒として
用いれば、反応速度が非常に速くなり、それに伴ってオ
ゾン並びに窒素酸化物の使用量を極端に少なくできるこ
とを発見し、本発明を完成させるにいたった。
【0005】本発明の目的は、芳香族化合物をオゾンを
含む酸素又は空気と窒素酸化物を作用させ、ニトロ化す
る際に、金属及び/又は該金属の化合物を触媒として用
いることにより、多量の廃酸を生成しない、経済性に優
れた芳香族ニトロ化合物の製造方法の提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は芳香族化
合物を触媒の存在下で、窒素酸化物とオゾンを含む酸素
又は空気を作用せしめニトロ化する方法において、触媒
として金属及び/又は該金属の化合物を用いることを特
徴とする芳香族ニトロ化合物の製造方法に関する。
【0007】本発明の製造方法においては反応条件を選
択することによりモノニトロ化のほかジニトロ化、トリ
ニトロ化等のポリニトロ化を任意に行なうことができ
る。
【0008】本発明の製造法において原料として用いら
れる芳香族化合物の具体例としてはベンゼン、トルエ
ン、キシレン(オルト、メタ、パラ)及びこれらのモノ
ニトロ化合物又はジニトロ化合物、炭素数1又はそれ以
上の炭素数の複数のアルキル基で置換されたベンゼン及
びこれらのモノニトロ化合物又はジニトロ化合物、モノ
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼ
ン等のハロゲン化ベンゼン及びこれらのモノニトロ化
物、又はジニトロ化物、アルキル基及びハロゲンで置換
されたベンゼン及びそれらのモノニトロ化物又はジニト
ロ化物、アルコキシ基で置換されたベンゼン及びそれら
のモノニトロ化物又はジニトロ化物、カルボニル基及び
シアノ基で置換されたベンゼン及びそれらのモノニトロ
化物又はジニトロ化物、安息香酸及びその誘導体、フェ
ノ−ルのエステル類、フェニル酢酸のエステル類、ナフ
ト−ルのエステル類、ナフタレン及びその誘導体、アン
トラセン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導
体、ピレン及びその誘導体、アルキル基、アルコキシ
基、又はハロゲンで置換されていてもよいアセトアニリ
ド誘導体、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、2
−エチルピリジン等が挙げられる。
【0009】触媒として用いる金属としては、銅、亜
鉛、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、パラジウム
等の遷移金属や、錫、アンチモン、鉛、ビスマス等の金
属も使用される。触媒として、金属単体としても使用さ
れるし、また、前記金属の化合物も触媒として使用され
る。
【0010】触媒として用いる金属化合物としては、酸
化物、水酸化物、塩類等が挙げられる。金属塩類として
は、塩化物、臭化物等のハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩
等の塩類が挙げられる。更に金属の錯体等も使用しても
良い。これらの触媒は単独で又は2種以上混合して用い
ることも可能である。錯体及び塩類の場合、硝酸又は窒
素酸化物でニトロ化されるもの、或いは酸化される有機
化合物は避けることが望ましい。
【0011】これらの、金属及び金属化合物の中で、鉄
はコストが低く経済的であり、反応促進効果でも極めて
良い結果が得られるので好ましい。鉄化合物としては、
塩化第一鉄、塩化第二鉄、硝酸第一鉄、硝酸第二鉄、硫
酸第一鉄、硫酸第二鉄等の無機塩類、鉄(III) アセチル
アセトネート、鉄(III) フタロシアニン等の有機の鉄化
合物等が挙げられる。
【0012】触媒の使用量は原料の芳香族化合物に対し
5モル%以下で充分である。更には原料の芳香族化合物
に対し0.1モル%以下、より好ましくは0.08モル
%以下の使用量が経済的に有利であり反応後の触媒の除
去工程が実質上必要でなくなるので好ましい。
【0013】窒素酸化物としてはNO,NO2 ,N2
3 ,N2 4 ,N2 5 等単独又は混合して使用でき
る。窒素酸化物の使用量は上記窒素酸化物の種類又はそ
の混合組成比によって若干異なるが原料の芳香族化合物
に対してモノニトロ化の場合は窒素原子換算で2〜5モ
ル倍で充分である。
【0014】オゾンは酸素又は空気を無声放電管を通過
させることによって得られ、該混合ガスを反応系に吹込
む方法で使用される。オゾンの使用量は原料の芳香族化
合物に対してモノニトロ化の場合1〜2モル倍で充分で
ある。
【0015】出発原料が固体の場合は有機溶媒を用いる
ことが望ましい。有機溶媒としては、本発明の反応条件
で安定であるもの、例えば、ハロゲン化脂肪族化合物、
スルホラン、アセトニトリル等の有機溶媒が挙げられ
る。ハロゲン化脂肪族化合物としては、塩化メチレン、
クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、
1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタ
ン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロ
ロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,3−ジクロ
ロプロパン、1,2,3−トリクロロプロパン、1,
1,2,3−テトラクロロプロパン、1,1,3,3−
テトラクロロプロパン、1,1,1,2,2,3,3−
ヘプタクロロプロパン、1,1,1,2,3,3,3−
ヘプタクロロプロパン、1,2−ジクロロブタン、1,
4−ジクロロブタン等が挙げられる。これらは単独で又
は2種以上混合して用いても良く、原料の芳香族化合物
に対して通常1〜200重量倍、好ましくは3〜100
重量倍である。
【0016】反応温度は−30℃〜100℃、好ましく
は−20℃〜30℃である。反応時間は反応条件により
異なり特定できないが液体クロマトグラフィ−等により
反応液を分析することによって決定できる。反応は常圧
でもよく、加圧でもよい、また回分あるいは連続でもよ
い。反応は例えば次のようにして行なわれる。原料の芳
香族化合物、触媒、必要に応じて有機溶媒の存在する反
応容器中へ窒素酸化物とオゾンを含む酸素又は空気を連
続的に吹込む。この方法の場合はオゾンをより有効に使
用するために窒素酸化物とオゾンの吹込み組成をオゾン
1モルに対して窒素酸化物を窒素原子換算で2モル以上
になるように調節するのが好ましい。
【0017】また、原料の芳香族化合物、触媒、必要に
応じて有機溶媒の存在する反応容器中へ予め窒素酸化物
を仕込んでおき、次いでオゾンを含む酸素又は空気を連
続的に吹込む方法も取り得る。
【0018】反応後、必要により反応液を中和した後、
水洗や蒸留や晶析等の通常の方法に依って効率よく目的
物の純度を高めることができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を更に詳細に説
明する。
【0020】実施例1 パイレックス製フラスコに1,2−ジクロロエタン52
g、アントラキノン5.2g(25mmol),及び塩
化第二鉄0.20g(1.2mmol)を仕込みアント
ラキノンの懸濁液を得、該懸濁液に2℃において攪拌
下、二酸化窒素ガスとオゾンを含む酸素ガスを一定の流
速で3時間吹込み反応を行なった。
【0021】二酸化窒素の吹込み速度は40mmol/
時間であり、オゾンの吹込み速度は10mmol/時間
であった。
【0022】該反応終了後の反応液の液体クロマトグラ
フィ−による分析結果を後述の表1に示す。
【0023】実施例2 塩化第二鉄の仕込み量を0.01g(0.06mmo
l)に換えた以外実施例1と同様の方法で反応を行なっ
た。
【0024】該反応終了後の反応液の液体クロマトグラ
フィ−による分析結果を後述の表1に示す。
【0025】実施例3 塩化第二鉄の仕込み量を0.0004g(0.0025
mmol)に、二酸化窒素の吹込み速度を22mmol
/時間に換えた以外実施例1と同様の方法で反応を行な
った。
【0026】該反応終了後の反応液の液体クロマトグラ
フィ−による分析結果を後述の表1に示す。
【0027】実施例4 パイレックス製フラスコに1,2−ジクロロエタン52
g、アントラキノン5.2g(25mmol),塩化第
二鉄0.0004g(0.0025mmol)及び二酸
化窒素5.5g(120mmol)を仕込みアントラキ
ノンの懸濁液を得、該懸濁液に2℃において攪拌下、オ
ゾンを含む酸素ガスを一定の流速で3時間吹込み反応を
行なった。オゾンの吹込み速度は10mmol/時間で
あった。該反応終了後の反応液の液体クロマトグラフィ
−による分析結果を後述の表1に示す。
【0028】比較例1 塩化第二鉄をメタンスルホン酸1.2g(13mmo
l)に換えた以外実施例1と同様の方法で反応を行なっ
た。
【0029】該反応終了後の反応液の液体クロマトグラ
フィ−による分析結果を後述の表1に示す。
【0030】比較例2 塩化第二鉄を95%硫酸1.25g(H2 SO4 :12
mmol)に換えた以外実施例1と同様の方法で反応を
行なった。
【0031】該反応終了後の反応液の液体クロマトグラ
フィ−による分析結果を後述の表1に示す。
【0032】比較例3 反応時間を5時間に換えた以外比較例2と同様の方法で
反応を行なった。該反応終了後の反応液の液体クロマト
グラフィ−による分析結果を後述の表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】比較例に比べ実施例の反応速度が非常に速
いことがわかる。それに伴って、窒素酸化物及びオゾン
の必要量が比較例に比べて格段に少なくてすむこともわ
かる。
【0035】
【効果】窒素酸化物とオゾンを含む酸素又は空気からな
る系をニトロ化剤とし、芳香族化合物をニトロ化する際
に、金属及び/又は金属化合物を触媒として用いること
により、反応促進効果が優れ、窒素酸化物及びオゾンの
使用量を減らしても、高収率で芳香族ニトロ化合物を得
る方法を確立した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 都丸 淳一郎 東京都北区志茂3丁目26番8号 日本化 薬株式会社 化学品研究所内 (56)参考文献 特開 平4−217645(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 201/08 C07C 205/47 C07B 61/00 300

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族化合物を触媒の存在下で、窒素酸
    化物とオゾンを含む酸素又は空気を作用せしめニトロ化
    する方法において、触媒として塩化第二鉄を用いること
    を特徴とする芳香族ニトロ化合物の製造方法。
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CN106631810B (zh) * 2016-12-21 2019-01-15 湘潭大学 一种固载型路易斯酸硝化催化剂制备芳香硝基化合物的方法

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