JP3237366U - 芯なしフィルムロール用の器具 - Google Patents

Abstract

【課題】簡易な機能性を有し、低価格なディスペンサーを提供する。【解決手段】少なくとも一つの細長いスリット１０２が長手方向に形成された中空の筒状体１０１を備える、芯なしストレッチフィルム１０６の装着に用いられる器具１００、すなわち再使用可能なディスペンサーに関するものである。筒状体は右側部分１０７ａおよび左側部分１０７ｂと、左側および右側部分１０７ａ、１０７ｂの少なくともいずれかが圧縮されてフィルムロール１０６の開口部に挿入される外表面１０４とを有し、外表面は、フィルムの引き出し時にフィルムロールの内側のフィルムシートの表面を把持できるよう、開口部の内壁１０５に強固に装着される。【選択図】図１

Description

本考案は、芯なしストレッチフィルムロールからフィルムを引き出す器具に関するものである。より具体的には、本考案は芯なしストレッチフィルムロールからフィルムを引き出すために当該フィルムロールの装着に用いられる、再使用可能なディスペンサーに関するものである。

ストレッチフィルムは高い伸縮性と弾性を有する透明なプラスティックフィルムであって、梱包物、家具、その他あらゆる品物を、保管または輸送のために包装するのに用いられる。このフィルムは裂けにくく、非常に高い自己粘着性を有する。現在、様々なストレッチフィルムに適用可能な、多くの種類の再使用可能なディスペンサーが市販されている。市販のストレッチフィルムの多くには、従来のストレッチフィルムロールの厚い紙芯を支持するためのエンドカップ又はエンドハンドルが、ユーザーが何らかの品物を包装する際にフィルムロールを手で持つことに代わる手段として、用いられている。芯なしストレッチフィルムに関しては、既存のディスペンサーにおいてはフィルムを径方向に引き出すために、当該ディスペンサーの内径部の両端をユーザーの指で抑える必要がある。従来のディスペンサーでは、通常、芯なしフィルムロールの内周面に沿って芯なしストレッチフィルムロールをしっかりと装着することはできなかった。

したがって、ロールの内側の終端に近づいたフィルム層、あるいはフィルムロールの内径部に最も近いフィルム層は、ディスペンサーがフィルムロールの内径に対して緩く、又は不十分な強度で当接していることから生じる摩擦と圧力によってしわが寄ってしまい、フィルムの無駄が生じてしまう。しかも、ほとんどのディスペンサーは、その直径が変形しにくく、可撓性に欠けるため、内径の異なる芯なしフィルムロールに使用して当該芯なしフィルムロールを補強することや、さらには特にロールの内側の終端に近づいたフィルムが屈曲したりしわが寄ったりして使用不能になるのを防止することができない。その上、現在市販されている芯なしストレッチフィルム用のディスペンサーのほとんどは、高価であり製造法も複雑である。

このため、本考案は、内径が様々に異なる芯なしストレッチフィルムロールに適用可能な、より簡易な機能性を有しかつ低価格なディスペンサーを提供することにより、上記の問題の解決を図るものである。

本考案は、芯なしストレッチフィルムロールからフィルムを引き出す器具に関するものである。より具体的には、本考案は、芯なしストレッチフィルムロールからフィルムを引き出すために当該フィルムロールの装着に用いられる、再使用可能なディスペンサーに関するものである。

本考案の一つの実施形態において、少なくとも一つの細長いスリットが長手方向に形成された中空の筒状体を備える、芯なしフィルムロール用の器具が提供される。前記筒状体は左側部分および右側部分と、前記左側部分と右側部分の少なくともいずれかが前記フィルムロールの開口部に圧入される外表面とを有し、前記外表面は、フィルムの引き出し時にフィルムロールの内側のフィルムシートの表面を押さえ込むように、前記開口部の内壁に強固に装着される。

好ましくは、前記筒状体の前記外表面は、前記フィルムロールを押さえ込むために前記フィルムロールの前記開口部の内壁を均一に覆うことにより、もっとも内側のフィルム層の正常な状態を維持する。

好ましくは、中空の前記筒状体は、当該筒状体の直径を小さくするよう手で圧縮することが可能であり、圧縮から解放されると、ストレッチフィルムロールの内周面に当接して、当該ストレッチフィルムロールが強固に装着される。

好ましくは、前記器具は芯なしフィルムロール用の芯としての役割を果たし、ストレッチフィルムロールの引き出しを調節するための、取り外し可能な芯なしフィルムロールディスペンサーに適用することが可能である。

好ましくは、中空の前記筒状体は、安定化ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、金属、弾力的プラスティック材料、ゴム、ゴム引きファブリック、コルク、又は弾性を有する材料で形成されている。

好ましくは、中空の前記筒状体は、芯なしストレッチフィルムロール、紙ロール、壁紙ロール、テキスタイルロール、または粘着性材料を装着することが可能である。

好ましくは、中空の前記筒状体の直径は、前記芯なしフィルムロールの内壁と同じか、それよりも大きい。

好ましくは、中空の前記筒状体の直径は、前記芯なしフィルムロールの前記開口部と同じか、それよりも大きい。

好ましくは、中空の前記筒状体は、芯なしストレッチフィルムに挿入可能な管状の構造を有するシート状のプラスティック材料からなり、当該シートの対向する端部は互いに重なり合い、細長い部分の前記外表面は、前記フィルムの引き出し時により適切な摩擦を生じるよう、前記芯なしストレッチフィルムの内壁に密着する。

本考案の別の実施形態において、芯なしフィルムロール用の器具の製造方法が提供される。当該方法は、弾性を有する中空の筒状体を取得することと、中空の前記筒状体の長手方向に直線状のスリットを形成することとを含む。前記筒状体は、フィルムロールの開口部に挿入するため圧縮される左側部分および右側部分を有し、前記筒状体の外表面は、フィルムの引き出し時に前記フィルムロールの内側のシートの表面を押さえ込むために前記開口部の内壁に強固に装着されることによって、引き出し時にもっとも内側のフィルム層の正常な状態を維持する。

本考案は、その本質的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な態様で実施することができる。下記の実施形態は、あらゆる面において限定ではなく一例としての実施形態に過ぎない。したがって、本考案の範囲は、上記の説明ではなく、実用新案登録請求の範囲により示される。請求項と均等の趣旨および範囲に含まれるあらゆる変更は、本考案の範疇に包含される。

本考案のいくつかの実施形態の様々な態様を更に明らかにするため、添付の図面に示された具体的な実施形態に基づき、本考案をさらに詳細に説明する。これらの図面は本考案の代表的な実施形態のみを表すものであり、したがって本考案の範囲を限定するものではないことを理解されたい。本考案は、以下の添付図面を通じて、より具体的かつ詳細に説明される。
芯なしストレッチフィルムロールの装着に用いられる再使用可能なディスペンサーを表す図である。 芯なしストレッチフィルムロールの装着に用いられる再使用可能なディスペンサーの別の実施形態を表す図である。

芯なしストレッチフィルムロール用のディスペンサーに関する上記の問題点に鑑み、本考案は、芯なしストレッチフィルムロールの装着に用いられる再使用可能なディスペンサーを製造するための材料と設計の改変に関するものである。

以下、本考案による芯なしストレッチフィルム用のディスペンサーを、図１および図２を参照しつつ、好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。本考案の好ましい実施形態のみを説明するが、それは単に本考案に関する論考を容易にするためであって、本考案は実用新案登録請求の範囲による定義の範囲から逸脱することなく様々な態様で実施可能であることが理解されるべきである。

図１は、本考案による芯なしストレッチフィルムロール（１０６）の装着に用いられる再使用可能なディスペンサー（１００）を表している。再使用可能なディスペンサーは、長手方向に形成された少なくとも一つの細長いスリット（１０２）を有する中空の筒状体（１０１）からなり、Ｃ字型の断面（１０３）を有する。細長いスリットによって、中空の筒状体（１０１）の長手方向に沿って、図１における左側部分（１０７ｂ）および右側部分（１０７ａ）が形成され、Ｃ字型の断面（１０３）の一方の端部と他方の端部の間がスリットとなっている。

再使用可能なディスペンサー（１０１）の断面図（１０３）に示すように、筒状体（１０１）の外表面（１０４）は芯なしストレッチフィルムロール（１０６）の内周面（１０５）に密着し、当該フィルム（１０６）の引き出し時により適切な摩擦を与える。筒状体（１０１）は、芯なしストレッチフィルムロール（１０６）の内周面（１０５）の、径方向の歪みを補正する。また中空の筒状体（１０１）は、芯なしフィルムロール（１０６）の長手方向とその内周面（１０５）の全面に沿って装着されることにより、芯なしストレッチフィルムロール（１０６）のもっとも内側の層の密着性を損なうことなく維持するのに充分な表面積を有する。

再使用可能なディスペンサー（１００）の中空の筒状体（１０１）は、芯なしストレッチフィルムロール（１０６）の内周面（１０５）に当接させるために、筒の直径を小さくするよう手で圧縮することができる。

中空の筒状体（１０１）の直径を小さくするには、左側部分（１０７ｂ）または右側部分（１０７ａ）の少なくともいずれかを、フィルムロール（１０６）の開口部に挿入できるよう押圧する。こうして挿入すると、中空の筒状体の外表面（１０４）が開口部の内壁（１０５）に強固に装着されて、フィルムロールの引き出し時に当該フィルムのもっとも内側部分の表面を押さえ込むことができる。

再使用可能なディスペンサー（１０１）はその弾力性のゆえに、圧縮から解放されると、ばねのように、元の形状および直径に戻ろうとする。これにより、中空の筒状体（１０１）の外表面（１０４）が内壁（１０５）に強固に密着する。筒状体の外表面（１０４）はフィルムロールの開口部の内壁（１０５）全体を均一に覆い、フィルムロール（１０６）を押さえ込んでそのもっとも内側のフィルム層の正常な状態を維持する。

芯なしフィルムロール（１０６）の開口部の内壁（１０５）は、もっとも内側のフィルム層からなる。フィルムロールが引き出されていくにつれ、芯なしフィルムロール（１０６）の形状を維持する力は、フィルムロールの直径が小さくなるほど弱まっていく。フィルムロールには芯がないので、厚い紙芯やその他の芯がなければ、もっとも内側のフィルム層は簡単にしわが寄ってしまったり損傷したりする。

図２は、芯なしストレッチフィルム（２０６）の装着に用いられる再使用可能なディスペンサー（２００）の別の実施形態を表している。再使用可能なディスペンサー（２００）は、長手方向に形成された少なくとも一つの細長いスリット（２０２）を有する中空の筒状体（２０１）であり、細長いスリットの長手方向に沿った、図２における左側部分（２０７ｂ）および右側部分（２０７ａ）は互いに重なって、螺旋状の断面（２０３）を形成している。再使用可能なディスペンサー（２０１）の断面図（２０３）に示すように、筒状体（２０１）の外表面（２０４）は芯なしストレッチフィルムロール（２０６）の内周面（２０５）に密着し、当該フィルム（２０６）の引き出し時により適切な摩擦を与える。

再使用可能なディスペンサー（２００）の中空の筒状体（２０１）は、芯なしストレッチフィルムロール（２０６）の内周面（２０５）に当接させるために、その径方向に上記弾力性を有し、筒の直径を小さくするよう手で圧縮することができる。

中空の筒状体（２０１）の直径を小さくするには、左側部分（２０７ｂ）または右側部分（２０７ａ）の少なくともいずれかを、フィルムロール（２０６）の開口部に挿入できるよう押圧する。こうして挿入すると、中空の筒状体の外表面（２０４）が開口部の内壁（２０５）に強固に装着されて、フィルムロールの引き出し時に当該フィルムのもっとも内側部分の表面を押さえ込むことができる。

芯なしストレッチフィルムの装着に用いられる再使用可能なディスペンサーは、芯なしフィルムロール用の芯として用いることができ、またストレッチフィルムロールの引き出しを調節するための、取り外し可能なハンドルやストッパーなどの代表的なストレッチフィルムディスペンサーに適用することも可能である。

異なる実施形態において、中空の筒状体（２０１）は、芯なしストレッチフィルム（２０６）に挿入可能な管状の構造を有するシート状のプラスティック材料からなり、当該シートの対向する端部（２０７ａ、２０７ｂ）は互いに重なり合い、筒状体の外表面（２０４）は、フィルムの引き出し時により適切な摩擦を生じるよう、芯なしストレッチフィルム（２０６）の内壁に密着する。

ストレッチフィルムの材料としては、包装又は類似の目的に使用できる、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、エチレンビニルアセテート、エチレンメチルアセテート、一般に直鎖状低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）と称される、α－オレフィンを多く含むエチレン共重合体、その他さまざまなプラスティックフィルムが挙げられる。プラスティックフィルムは、強度を増すためにプレストレッチされてもよく、ストレッチなしでもよい。ただし、プレストレッチされていないある種のフィルムは、当業者には周知のように、芯なしプラスティックフィルムロールとして形成される前にエイジングさせると良い効果が得られることが判っている。ここで言うプラスティックフィルムの「エイジング」とは、プラスティックフィルムの元ロールを保存して、製造の際に生じた残留物質をフィルムから放散させることを指す。エイジングを行う場合、元ロールは典型的には３週間程度保存される。

本開示による器具の好ましい実施形態では、当該器具は、弾性を有する材料、例えば安定化ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）又はその既知の変種、弾力的プラスティック材料、ゴム、ゴム引きファブリック、コルク等で形成される。ＰＶＣは様々な用途に有用な機械的物性を有することで知られている。硬質ＰＶＣの弾性率は３０００ＭＰａに達することもあるが、軟質ＰＶＣの場合は著しく低く、最高でも１５ＭＰａ程度である。例えば金属などの、他の弾性を有する材料を用いてもよい。さらに、Ｃ字型の細長い部材を形成する構成材料としては、対象とする材料の性質により異なるが、紙ロール、壁紙ロール、テキスタイルロール等の紙製品、または他の粘着性材料が挙げられる。Ｃ字型の細長い部材は、対象とする材料の物性に適応できるよう、様々な直径および長さで製造することができる。

本考案による芯なしストレッチフィルムロール（１０６）用の器具（１００）の直径は、芯なしフィルムロール（１０６）の内壁（１０５）の内径と同じかそれよりも大きく、装着対象である芯なしロールのさまざまな直径に対応できるようになっている。上記のとおり、器具の直径は圧縮することで小さくでき、それにより中空の筒状体を芯なしフィルムロールの開口部に挿入することができる。圧縮から解放されると、器具の外表面（１０４）が内壁（１０５）全体を均一に覆い、もっとも内側のフィルム層を強固に支持することになる。

本開示はまた、芯なしフィルムロール用の器具の製造方法を提供する。当該方法は、弾性を有する中空の筒状体（１０１）を取得することと、当該中空の筒状体（１０１）の長手方向に直線状のスリット（１０２）を形成することとを含む。直線状のスリット（１０２）により、圧縮されてフィルムロール（１０６）の開口部に挿入される左側部分および右側部分（１０７ａ、１０７ｂ）が形成され、筒状体の外表面（１０５）は、フィルムの引き出し時にフィルムロールの内側のフィルムシートの表面を押さえ込むために開口部の内壁（１０５）に強固に装着されることによって、引き出し時にもっとも内側のフィルム層の正常な状態を維持する。

本明細書を通じ、文脈により異なる解釈が必要である場合を除き、「備える、含む」との用語又はその活用形は、記述されたステップ又は要素又は完全体、もしくは一群のステップ又は複数の要素又は複数の完全体を含んでいることを指すものであり、他のいかなるステップ又は要素又は完全体、もしくは一群のステップ又は複数の要素または複数の完全体をも排除するものではないと解釈されるべきである。したがって本明細書の文脈においては、「備える、含む」との用語は包含しているとの意味合いであり、「必ずしもそれのみを含むのではなく、それを主として含む」と解釈されるべきである。

Claims (8)

1. 少なくとも一つの細長いスリット（１０２）が長手方向に形成され、Ｃ字型の断面（１０３）を有し、当該Ｃ字型の断面（１０３）の一方の端部と他方の端部の間が前記スリット（１０２）である、弾性力を有する中空の筒状体（１０１）を備え、
   前記筒状体（１０１）は、前記筒状体（１０１）の直径は、前記芯なしの前記フィルムロール（１０６）の内壁（１０５）と同じか、それよりも大きく、前記筒状体（１０１）の直径を小さくするように前記一方の端部及び前記他方の端部の少なくともいずれかが押圧されることで圧縮可能とされ、
   前記筒状体（１０１）は、フィルムロール（１０６）の開口部に挿入されたときに、前記筒状体（１０１）の外表面（１０４）は、フィルムの引き出し時に前記フィルムロール（１０６）の内側のフィルムシートの表面を把持できるよう、前記圧縮から解放されたときの前記筒状体（１０１）の前記弾性力により、前記開口部の内壁（１０５）に強固に装着される、芯なしフィルムロール（１０６）用の器具（１００）。
2. 前記筒状体（１０１）の前記外表面（１０４）は、前記フィルムロール（１０６）を把持するために前記フィルムロール（１０６）の前記開口部の内壁（１０５）を均一に覆うことにより、もっとも内側のフィルム層の正常な状態を維持する、請求項１に記載の器具。
3. 中空の前記筒状体（１０１）は、圧縮から解放されると、ストレッチフィルムロール（１０６）の内周面に当接して、当該ストレッチフィルムロールが強固に装着される請求項１に記載の器具。
4. 前記器具は芯なしの前記フィルムロール（１０６）用の芯としての役割を果たし、ストレッチフィルムロールの引き出しを調節するための、取り外し可能な芯なしフィルムロールディスペンサーに適用することが可能である、請求項１に記載の器具。
5. 中空の前記筒状体（１０１）は、安定化ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、金属、弾力的プラスティック材料、ゴム、ゴム引きファブリック、コルク、又は弾性を有する材料で形成されている、請求項１に記載の器具。
6. 中空の前記筒状体（１０１）は、芯なしストレッチフィルムロール、紙ロール、壁紙ロール、テキスタイルロール、または粘着性材料を装着することが可能である、請求項１に記載の器具。
7. 中空の前記筒状体（１０１）の直径は、前記芯なしの前記フィルムロール（１０６）の開口部と同じか、それよりも大きい、請求項１に記載の器具。
8. 中空の前記筒状体（１０１）は、芯なしの前記ストレッチフィルム（１０６）に挿入可能な管状の構造を有するシート状のプラスティック材料からなり、前記Ｃ字型の断面（１０３）の一方の端部と他方の端部は互いに重なり合い、前記筒状体（１０１）の前記外表面（２０４）は、前記フィルムの引き出し時により適切な摩擦を生じるよう、前記芯なしストレッチフィルムの前記内壁（１０５）に密着する、請求項１に記載の器具。
   
   

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