JP3237266B2 - 低温焼成セラミックス多層配線基板の製造方法 - Google Patents

低温焼成セラミックス多層配線基板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体LSI及びチッ
プ部品等を実装し、かつそれらを銅を材料とする導体に
て相互配線した低温焼成セラミックス多層配線基板を製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体LSI及びチップ部品の高集積
化,高速化に伴って、これらを実装する基板にもより高
集積,高速なものへの対応が望まれている。このような
要求に対して、セラミックス多層配線基板は内部に3次
元的に配線できるので、限られたスペースに高密度な配
線が得られ、また配線と絶縁体とを焼成により一体化す
るため、気密性及び放熱性が高く、近年特に注目されて
いる。
【0003】従来半導体LSI、チップ部品等を実装す
るための多層配線基板として、アルミナが広く使用され
ていた。これはアルミナ基板が、卓越した絶縁性,熱伝
導性,安定性及び機械的強度を有するからである。しか
しアルミナ基板は誘電率が高く、またLSIの基板であ
るシリコンとの熱整合性が悪い上に、アルミナ基板は高
温焼成であるためその基板の導体配線の材料には高融点
金属であるタングステン(W)またはモリブデン(M
o)が用いられており、これら導体配線は導通抵抗が高
いという欠点があり、多層配線基板における高密度化,
高速化,小型化及び高周波化に限界があった。
【0004】このような問題を解決するために、導体配
線の材料として金(Au),銀(Ag),Ag−鉛(P
d),銅(Cu)等の導通抵抗が低い金属を、また基板
材料として前記金属の融点以下の温度で焼成し得るセラ
ミックス材料を用い、両者を同時に焼成することによっ
て配線基板を製造する低温焼成セラミックス多層配線基
板が開発されている。しかし導体配線の材料の内、Au
及びAg等の貴金属は、酸化性の雰囲気中で焼成できる
反面、コストが高いという欠点がある。一方Cuは安価
・低抵抗であり、耐マイグレーション性に優れているた
め、導体層間の間隔を狭くすることができ、前述した高
集積,高速化の要求に対応し得る有力な材料として、低
温焼成セラミックス多層配線基板への適用の開発が盛ん
になされている。
【0005】Cuを導体材料として用いた多層配線基板
は、Cu及び有機樹脂バインダを含有するペーストを、
Cuの融点(1083℃)以下の温度で焼成し得るセラミッ
クス材料及びバインダを含有するグリーンシートに、所
定パターンとなるように印刷し、パターンを形成してあ
るグリーンシートを複数枚積層し、これをCuの融点以
下の温度で焼結する。しかし前記焼結を酸化性雰囲気中
で行う場合、Cuが酸化され、導通抵抗が高くなるのみ
ならず、導体層が膨張するため絶縁層にクラックが生じ
るという問題があり、これを防ぐために非酸化性雰囲気
中で行う場合、グリーンシートまたはペーストを形成す
るためのバインダを燃焼焼失させること(以下脱バイン
ダという)が困難であるため、残留したバインダが炭化
して焼結を阻害して、絶縁性及び耐電圧性等の特性を劣
化させるという問題がある。
【0006】そのため特開昭60−254697号公報,特開平
2−1411458 号公報及び特開昭63−292692号公報に記載
されている如く、焼成するときの雰囲気を弱酸性雰囲気
等に微妙に制御しつつ焼成を行い、脱バインダ及びCu
酸化の防止を両立させる方法が提案されている。しかし
このような方法では、焼成雰囲気の微妙な制御が極めて
困難であり、また導体配線パターン及び多層化度等、製
品が異なると焼成時の雰囲気ガスの組成が変わるため、
連続的な生産ができない等の問題があった。
【0007】この問題に対し、特開昭61−26293 号公報
及び特公平 3−21109 号公報に記載されている如き酸化
銅を用いる方法が提案されている。これは導体配線の材
料として酸化銅を、またセラミックスの材料として銅の
融点より低い温度にて焼結するものを用い、該セラミッ
クス材料にバインダ及び可塑剤を加えてシート状に整形
した後、該シートに酸化銅のペーストの配線を印刷し、
例えば空気といった酸化雰囲気による加熱にて前記シー
ト及びペーストに含有されたバインダを分解飛散させ、
しかる後に例えば水素−窒素混合ガスといった還元雰囲
気による焼成にて前記酸化銅を金属銅に還元,焼結する
のと同時にセラミックスを焼結させて多層配線基板を製
造するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところでこのような従
来法においては、加熱または焼成時の導体配線部とセラ
ミックス部との体積収縮量に差があるため、基板が変形
する、或いは導体配線が断線する等の問題があった。即
ち導体配線部の体積収縮量は、酸化銅が金属銅へ還元す
る段階で略44%であり、これに金属銅の焼結による体
積収縮量が加わるのに対して、セラミックス部の収縮は
焼結時にのみ生じ、その体積収縮量は一般に40〜45
%である。従って導体配線部の体積収縮量がセラミック
ス部の体積収縮量より大きい場合は、導体配線部の断線
またはセラミックス部の変形が生じ、一方前述した場合
と逆の場合は、導体配線部の変形が生じる。また導体配
線部の酸化銅を還元する場合において、多層となされた
セラミックス部は未焼結であり、ポーラスな状態となっ
ているため、雰囲気ガスが内部へ浸透して酸化銅を還元
するのであるが、この状態のセラミックス部は極めて脆
く、酸化銅の還元による体積収縮にて生じる応力によっ
て、セラミックス部にクラックが発生する虞がある。
【0009】一方特開平 3−285408号公報では、酸化銅
にMgO,Al2 3 ,SnO,TiO2 及びMnO2
等の酸化金属を添加して、導体配線部とセラミックス部
との体積収縮量を整合させて焼成する方法が開示されて
いるが、前記添加物は導体配線部の導電性を低下させる
という問題があった。本発明はかかる事情に鑑みてなさ
れたものであって、その目的とするところは、導体配線
の酸化銅の原料に0.1μm以下の粒径の酸化銅粉末を
添加することにより、導体配線の導電性を低下させるこ
となく導体配線部とセラミックス部との体積収縮量を整
合させた低温焼成セラミックス多層配線基板を製造する
方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る低温焼成
セラミックス多層配線基板の製造方法は、銅の融点より
低い温度で焼結し得るセラミックス原料にバインダを加
えて整形したグリーンシートに、酸化銅を含有するペー
ストにてパターンを形成し、パターン形成済グリーンシ
ートを複数枚積層し、酸化雰囲気にて加熱することによ
って脱バインダを行った後、還元雰囲気にて前記酸化銅
を還元し、還元された銅及び前記セラミックス原料を焼
結して低温焼成セラミックス多層配線基板を製造する方
法において、前記ペーストに含有される酸化銅は、粒径
が0.5μmから10μmの酸化銅粉末と、粒径が0.
1μm以下の酸化銅粉末とから構成されており、それら
の割合は、前者が99.5重量%から98重量%、後者
が0.5重量%から2重量%であることを特徴とする。
【0011】また第2発明に係る低温焼成セラミックス
多層配線基板の製造方法は、第1発明に加えて前記ペー
ストは、前記酸化銅粉末と、軟化点が銅の融点以下であ
るガラス粉末とを含有しており、それらの割合は、前者
が99.5重量%から96重量%、後者が0.5重量%
から4重量%であることを特徴とする。そして第3発明
に係る低温焼成セラミックス多層配線基板の製造方法
は、第1発明に加えて前記ペーストは、前記酸化銅粉末
と、粒径が0.2μm以下であり、融点が銅の融点以上
であるセラミックス粉末または軟化点が銅の融点以上で
あるガラス粉末とを含有しており、それらの割合は、前
者が99.5重量%から98重量%、後者が0.5重量
%から2重量%であることを特徴とする。
【0012】更に第4発明に係る低温焼成セラミックス
多層配線基板の製造方法は、第1発明に加えて前記ペー
ストは、前記酸化銅粉末と、軟化点が銅の融点以下であ
るガラス粉末と、粒径が0.2μm以下であり、前記融
点が銅の融点以上であるセラミックス粉末または軟化点
が銅の融点以上であるガラス粉末とを含有しており、そ
れらの割合は、前記酸化銅粉末が99重量%から94重
量%、軟化点が銅の融点以下であるガラス粉末が0.5
重量%から4重量%、前記粒径が0.2μm以下であ
り、融点が銅の融点以上であるセラミックス粉末または
軟化点が銅の融点以上であるガラス粉末が0.5重量%
から2重量%であることを特徴とする。
【0013】
【作用】第1発明の低温焼成セラミックス多層配線基板
の製造方法にあっては、粒径が0.5μmから10μm
の酸化銅粉末をベースとして用いるが、このベース酸化
銅粉末の粒径が0.5μm未満では還元・焼結の際の体
積収縮量が大きく、グリーンシートの体積収縮量との整
合が極めて困難となり、またベース酸化銅粉末の粒径が
10μmを越えるとグリーンシートにペーストにてパタ
ーンを形成しにくくなるため、ベース酸化銅粉末の粒径
を0.5μmから10μmとすることによって、グリー
ンシートに所要のパターンを形成し得、しかも酸化銅を
含有するペーストとグリーンシートとの体積収縮量の整
合が可能となる。
【0014】そしてこの体積収縮量の整合はベース酸化
銅粉末に、粒径が0.1μm以下の酸化銅粉末を前記ベ
ース酸化銅粉末に対し0.5重量%から2重量%混合す
ることによってなされる。粒径が0.1μm以下の酸化
銅粉末は、その微少な粒径のため充填密度が極めて低い
粉末であり、該粉末をベース酸化銅粉末に混合するとベ
ース酸化銅粉末の充填度を下げて、還元・焼成工程にお
ける体積収縮を抑制する。即ち混合した酸化銅の粒子に
よって、ベース酸化銅粉末の粒子間距離が混合しない場
合に比べて大きくなるため、還元・焼成工程において緻
密化しなくなり、これによって体積収縮が抑制されるの
である。
【0015】粒径が0.1μm以下の酸化銅粉末を混合
する量は、ベース酸化銅粉末に対し0.5重量%から2
重量%とする。これは0.5重量%未満では体積収縮の
抑制効果が無く、2重量%を越えると体積収縮を抑制効
果が大きくてグリーンシートの体積収縮と整合しなくな
るためである。一方ベース酸化銅への混合物は酸化銅で
あるため、還元・焼成工程にて還元されて金属銅とな
り、ベース酸化銅が還元されてなる金属銅粒子間のネッ
クとなって導電ネットワークを形成するため、導体配線
の導電性を損ねることはない。
【0016】また第2発明の低温焼成セラミックス多層
配線基板の製造方法にあっては、第1発明における酸化
銅に、軟化点が銅の融点以下であるガラス粉末を混合し
たペーストを用いるため、これがグリーンシートの焼成
の際に溶融して導体配線部とセラミックス部とを接着す
る。この場合、混合量は0.5重量%から4重量%であ
る。これは0.5重量%未満では接着性が弱く、4重量
%を越えると導体配線の導通抵抗が高くなるためであ
る。
【0017】そして第3発明の低温焼成セラミックス多
層配線基板の製造方法にあっては、第1発明における酸
化銅に、融点が銅の融点以上であるセラミックス粉末ま
たは軟化点が銅の融点以上であるガラス粉末を混合した
ペーストを用いるため、グリーンシートの焼成によって
は溶融せずにそのまま残存し、それが導体配線部におい
て骨剤的作用を示して導体配線部の体積収縮を抑制す
る。またこれらの混合物はその粒径が小さいほど酸化銅
ペーストに均一分散して体積収縮の抑制が大きくなり、
最適な粒径は0.2μm以下である。そしてその混合量
が0.5重量%から2重量%であるため、導体配線の導
電性を損ねることなく所要の抑制作用を得ることができ
る。
【0018】更に第4発明の低温焼成セラミックス多層
配線基板の製造方法にあっては、第1発明における酸化
銅に、前述した軟化点が銅の融点以下であるガラス粉
末、及び粒径が0.2μm以下で、融点が銅の融点以上
であるセラミックス粉末または軟化点が銅の融点以上で
あるガラス粉末を混合したペーストを用いるため、前述
した両作用を合わせ持つ。
【0019】
【実施例】以下本発明を具体的に説明する。まず低温焼
成セラミックス部となるグリーンシートを作製する。ア
ルミナ粉末及びホウケイ酸系ガラス粉末をそれぞれ50
重量%となるように調合し、粉砕混合してセラミックス
原料とした。このセラミックス原料69重量%に、有機
バインダとしてメタクリル酸エステル樹脂を9重量%、
溶剤としてトルエンを9重量%及びイソプロピルアルコ
ールを10重量%、可塑剤としてジオクチルフタレート
(DOP)を3重量%並びに分散剤としてオクタデシル
アミンを極微量加え、ボールミルで湿式微粉砕混合して
セラミックススラリーを調製した。このスラリーを真空
脱泡機にて脱泡した後、ドクターブレード法により厚さ
250μmのグリーンシートを作製し、所定面積へ切断
した後、スルーホールを形成した。
【0020】なお本発明に使用可能なセラミックス原料
は銅の融点以下の温度で焼成し得るセラミックスであ
り、ガラス及び無機フィラを混合したガラス複合セラミ
ックス,結晶ガラス系セラミックス及び非ガラス系セラ
ミックスが挙げられ、一般的に前述した如くホウケイ酸
系ガラスにアルミナ,ムライト及びフォルテライト等の
無機フィラを複合化したセラミックスが用いられてい
る。またセラミックス原料への添加物は前述した物の
他、溶剤にはアルコール,アセトン,メチルエチルケト
ン及びトリクロルエチレンまたはこれらの混合物並びに
水等が、また有機バインダにはアクリル酸エステル−メ
タクリル酸エステル共重合体,α−メチルスチレン重合
体及びテトラフルオロエチレン重合体等の易熱分解性の
有機バインダが、そして分散剤にはグリセリンモノオレ
ート及びソルビタンモノオレート等が、更に可塑剤には
ジブチルフタレート(DBP),ポリエチレングリコー
ル及びグリセリン等が用いられる。但し有機バインダと
して広く用いられているポリビニルブチラール及び酢酸
ビニル等は、脱バインダに高温を要するため好ましくな
い。
【0021】次に酸化銅を含有するペーストを調製す
る。ベースとなる粒径0.5μmから10μmの酸化銅
粉末に粒径0.1μm以下の酸化銅粉末を0.5重量%
から2重量%混合し、これをエチルセルロース5%,テ
ルピネオール55%及びジブチルフタレート40%から
なるビヒクルに分散させて、3本ロールミルにて混練す
ることによりペースト化した。なお前記ビヒクルの成分
には、樹脂としてエチルセルロースに代わってアクリル
樹脂を用いてもよい。
【0022】このペーストには更に、接着剤として、軟
化点が銅の融点以下であるガラス粉末を0.5重量%か
ら4重量%、収縮抑制剤として、粒径が0.2μm以下
で,融点が銅の融点以上のセラミックスまたは軟化点が
銅の融点以上のガラス粉末を0.5重量%から2重量
%、並びに前記接着剤及び前記収縮抑制剤をそれぞれ前
述した量となるように添加してもよい。その場合、形状
及び接着強度が更に向上した低温焼成セラミックス多層
配線基板を製造することができる。
【0023】なお前記軟化点が銅の融点以下であるガラ
ス粉末には、鉛ホウケイ酸系ガラス(軟化点S.P.=50
0℃)が好ましい。また融点が銅の融点以上のセラミッ
クスには、アルミナ,ジルコニア,マグネシア及びシリ
カ等の酸化物または窒化物を用い得るが、コストを考慮
するとアルミナが好ましい。更に軟化点が銅の融点以上
のガラス粉末には、酸化雰囲気における加熱及び還元雰
囲気における還元・焼成に対して安定であればよく、例
えばAl2 3 −SiO2 −CaO系ガラス(軟化点S.
P.=1200℃)が好ましい。
【0024】そしてこのようにして調製したペーストを
前記グリーンシート上に、スクリーン印刷により膜厚が
略24μmとなるように印刷して配線パターンを形成す
ると共に、グリーンシートに形成したスルーホールをペ
ーストで充填した。なお前記ペーストの印刷面積はグリ
ーンシートの略60%とした。
【0025】配線パターンを形成したグリーンシートを
所望枚数重ね合わせた後、100℃の温度で30MPa
の圧力にて圧着し一体化した。図1は圧着後の未焼成多
層体の断面図であり、図中1はグリーンシート、2は導
体配線、3は前記グリーンシート1に形成したスルーホ
ールである。図1の如く各層に形成した導体配線2は、
グリーンシート1に形成したスルーホール3を介して接
続されている。
【0026】次に前記未焼成多層体の脱バインダを行
う。未焼成多層体をベルト炉内に搬入し、これを大気中
にてピーク温度600℃,ピーク保持時間90分を含む
3時間のプロフィールで加熱した。脱バインダ後の未焼
成多層体の炭素量は50ppm以下であり、銅及びグリ
ーンシートの焼結または基板特性に影響を及ぼすことが
ない量であった。
【0027】脱バインダ後の未焼成多層体を1%水素−
窒素の還元雰囲気に調整されたベルト炉内に搬入し、ピ
ーク温度900℃,ピーク保持時間30分を含む1.5
時間の加熱プロフィールで、酸化銅の還元並びに還元さ
れた金属銅及びグリーンシートの焼結を行った。このと
き焼結後の導体配線の厚さは20μmであった。
【0028】最後に焼成後のセラミックスの表層に、銅
ペーストを所定パターンとなるように印刷し、窒素雰囲
気にて900℃で焼結することによって、低温焼成セラ
ミックス多層配線基板を製造した。なお本実施例では酸
化銅の還元及び焼結を一工程にて行ったが、400℃程
度の温度にて酸化銅を還元した後、窒素ガスといった中
性雰囲気中800℃から1050℃の温度にて焼結を行
っても本発明の効果は変わらない。
【0029】次に本発明方法における導体配線の酸化銅
粉末,収縮抑制剤及び接着剤の粒径または組成量を前述
の範囲とした根拠について説明する。第1表(その1〜
その3)は本発明方法の前記範囲にて製造した低温焼成
セラミックス多層配線基板及び比較例として前記範囲外
で製造した低温焼成セラミックス多層配線基板につい
て、基板の変形,基板内部のシート抵抗及び導体配線部
とセラミックス部との間隙を比較した結果を示すもので
ある。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】第1表(その1〜その3)から明らかな如
く、本発明方法の前記範囲にて製造した低温焼成セラミ
ックス多層配線基板は、基板の変形が生じず、導電性が
良好であり、更に導体配線部とセラミックス部との界面
も略密着している。これに対し比較例では、基板のフク
レまたはワレ,導電性の低下,及び導体配線部とセラミ
ックス部との界面の間隙が大きくなる等の不都合が発生
している。
【0034】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明の低温焼成セラ
ミックス多層配線基板の製造方法にあっては、導電性を
低下させるとなく導体配線部及びセラミックス部の体積
収縮量が整合されるため、高集積化した基板を高品質に
製造し得、それによって小型電子部品を高密度に実装す
ることが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧着後の未焼成多層体の断面図である。
【符号の説明】
1 グリーンシート 2 導体配線 3 スルーホール

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅の融点より低い温度で焼結し得るセラ
    ミックス原料にバインダを加えて整形したグリーンシー
    トに、酸化銅を含有するペーストにてパターンを形成
    し、パターン形成済グリーンシートを複数枚積層し、酸
    化雰囲気にて加熱することによって脱バインダを行った
    後、還元雰囲気にて前記酸化銅を還元し、還元された銅
    及び前記セラミックス原料を焼結して低温焼成セラミッ
    クス多層配線基板を製造する方法において、 前記ペーストに含有される酸化銅は、粒径が0.5μm
    から10μmの酸化銅粉末と、粒径が0.1μm以下の
    酸化銅粉末とから構成されており、それらの割合は、前
    者が99.5重量%から98重量%、後者が0.5重量
    %から2重量%であることを特徴とする低温焼成セラミ
    ックス多層配線基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ペーストは、前記酸化銅粉末と、軟
    化点が銅の融点以下であるガラス粉末とを含有してお
    り、それらの割合は、前者が99.5重量%から96重
    量%、後者が0.5重量%から4重量%である請求項1
    記載の低温焼成セラミックス多層配線基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ペーストは、前記酸化銅粉末と、粒
    径が0.2μm以下であり、融点が銅の融点以上である
    セラミックス粉末または軟化点が銅の融点以上であるガ
    ラス粉末とを含有しており、それらの割合は、前者が9
    9.5重量%から98重量%、後者が0.5重量%から
    2重量%である請求項1記載の低温焼成セラミックス多
    層配線基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ペーストは、前記酸化銅粉末と、軟
    化点が銅の融点以下であるガラス粉末と、粒径が0.2
    μm以下であり、融点が銅の融点以上であるセラミック
    ス粉末または軟化点が銅の融点以上であるガラス粉末と
    を含有しており、それらの割合は、前記酸化銅粉末が9
    9重量%から94重量%、前記軟化点が銅の融点以下で
    あるガラス粉末が0.5重量%から4重量%、前記粒径
    が0.2μm以下であり、融点が銅の融点以上であるセ
    ラミックス粉末または軟化点が銅の融点以上であるガラ
    ス粉末が0.5重量%から2重量%である請求項1記載
    の低温焼成セラミックス多層配線基板の製造方法。
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