JP3236619B2 - 橋渡しクラッチを有する流体トルクコンバータ - Google Patents

橋渡しクラッチを有する流体トルクコンバータ

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    • F16H61/04Smoothing ratio shift
    • F16H61/06Smoothing ratio shift by controlling rate of change of fluid pressure
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は請求項1の上位概念による流体トルクコンバ
ータに関する。
上記種類の流体トルクコンバータはドイツ特許DE−C1
第39 15 186号により公知である。本種類で利点となる
のは、トルクコンバータ内圧が環状ピストンを介して油
圧で操作される橋渡しクラッチの作動圧力とは関連せ
ず、作動圧力がトルクコンバータ内圧とは逆向きに環状
ピストンに作用してトルクコンバータ内圧に応じ制御さ
れ、しかもそれはトルクコンバータの供給圧と吐出圧と
からパイロット制御弁に作用する差分制御圧を生成する
方法で制御される点である。他方、このパイロット制御
弁はタービンの回転数と伝動装置の末端回転数に応じて
被制御圧力媒体管路を圧力管路またはゼロ圧ポートと連
結する継手制御弁によって押圧される。そのため作動圧
力は橋渡しクラッチが開くとゼロ圧力へ下降する。
環状ピストンを迅速に閉止圧で押圧できるようにする
ため、パイロット方式でなく閉止圧室を環状ピストンと
連結するバイパス形流量調整弁を設けている。
さらに別の種類の流体トルクコンバータがドイツ特許
DE−C2第31 30 871号で公知であって、この特許で橋渡
しクラッチは閉止方向へトルクコンバータの内圧によっ
て押圧される。したがってこのトルクコンバータ内圧は
閉止圧に等しく同時に閉止圧と関連している。圧力媒体
のトルクコンバータへの供給圧は吸気圧と運転原動機の
回転数とさらに出口回転数と潤滑油温度とに関係して制
御される。トルクコンバータの内圧はトルクコンバータ
の負荷状態、温度および粘度とともに変動するほか製造
上の許容差にも関係するので、供給圧が同じでも運転の
諸条件にしたがってさまざまな閉止圧が生じるのであ
る。
本発明は、このような技術的見地から出発して、その
橋渡しクラッチを少量のエネルギー消費で迅速にしかも
広範な運転分野に亘り精密に制御できる当初に述べた種
類の流体トルクコンバータを創出する課題に基づく。こ
の課題は本発明により請求項1の上位概念の特徴と結合
する特記部分の特徴によって解決する。
本発明によれば、クラッチ(継手)の閉止圧は、ゼロ
圧力までには下降せず、事前設定可能な量だけ下降させ
ることにより、トルクコンバータの内圧より低圧になっ
てクラッチは充分に開く。このことによって、環状ピス
トンに接する閉止圧室は圧力媒体で満たされつづけ、そ
の結果、橋渡しクラッチをふたたび切換えると、橋渡し
クラッチは圧力媒体を少量供給するだけで迅速に応答す
る。閉止圧はトルクコンバータの内圧に応じて制御され
るため、運転状態の影響を受ける変動も流れ作業に起因
する製造上の許容差も考慮に入れた上で自動的に幅広く
補償される。事前設定可能な圧力差は制限ばねを設ける
ことによって規定される。したがってこの圧力差はトル
クコンバータの可変内圧とは無関係になる。
トルクコンバータの内圧はこのような形で厳密に把握
できるので、その他の参照圧力、たとえばトルクコンバ
ータの供給圧とトルクコンバータの吐出圧とから生成す
る差分制御圧、またはそれと良好な近似を示すトルクコ
ンバータの出口圧だけでも制御に用いることができる。
便利さの面でもまた振動を減衰させるためにも、多く
の場合、橋渡しクラッチを運転状態すべてについて同じ
閉止圧を用いて切替えることは不適切である。したがっ
て、本発明を具体化することによって、トルクコンバー
タの出口圧も、それ以外の運転パラメータに応じて調整
したパイロット圧力としての制御圧力も、パイロット制
御弁に作用させることを提案する。そのような運転パラ
メータとは、特にたとえば原動機回転数、末端回転数、
駆動トルク、運転手段および環境の温度、走行路の傾
斜、横ぶれ、走行修正角、制動圧などである。このよう
な直接的運転パラメータのほかにもそれに相当する量定
または計算可能な参照パラメータやそのn次時間微分
(nは1と無限大との間の整数)も使えることは自明で
ある。
トルクコンバータの出口圧は閉止圧とトルクコンバー
タ内圧との間に開口を調節するのに充分な圧力差を与え
るためのパイロット圧力として供給され、それ以外の運
転パラメータによって調整される制御圧力の方は橋渡し
クラッチを運転パラメータの在りように対応して完全ま
たは幾分洩れ気味に閉じるまで閉止圧をさらに高める。
パイロット制御弁としては特に請求項3による制御弁
が好適である。押圧される作用面は弁ばねと適合させて
あるので、橋渡しクラッチの遮断時に閉止圧が一定値分
トルクコンバータの出口圧より低くなり、またトルク伝
達の開始時には閉止圧はトルクコンバータの出口圧と等
しくなる。
パイロット方式の作動流体を広範な運転分野に亘りそ
の他の運転パラメータに応じて調整するとともに、大量
の作動流体を使わずまたそれに伴うエネルギー損失をも
招かないようにするため、本発明のさらに別の実施形で
は定流量制御弁を設けて制御圧力を調整した圧力媒体の
流れを低いレベルで一定に維持させることによって漏洩
損失を低く押えている。
請求項中には提起した課題を解決できる特徴事項の組
合せも提示してある。当業者であればこの説明を読んで
ただちに特徴事項を別な形で有意に組合せれば提起され
た課題が解決すると考えるはずである。
図には本発明の実施例が描出してある。図示はつぎの
通り、第1図は付属制御装置を備えた流体トルクコンバ
ータの模式的な構造図であり、第2図は第1図によるパ
イロット制御弁の長手方向の断面図である。
流体トルクコンバータ1は立ち入って図示の無い原動
機と伝動自在に連結したポンプ2と案内車3とタービン
4とを有する。このような構造様式のトルクコンバータ
は広く普及しており一般に当業者にとって公知である。
タービン4とポンプ2との間に環状ピストン6で作動
する継手機構たる橋渡しクラッチ5を設けてある。環状
ピストン6はポンプハウジング7とともに閉止圧室8を
囲繞する。
供給管路11と吐出管路12とを介してトルクコンバータ
1は圧力媒体の供給を受けている。供給管路11内の圧力
とトルクコンバータ1の出口での圧力、すなわち出口圧
とに対応してトルクコンバータ1内に運転条件、作業媒
体の温度と粘度、それに製造許容差と関連するトルクコ
ンバータ内圧が生じ、この内圧はまた環状ピストン6の
第1作用面9をも押圧する。圧力管路13を介して閉止圧
は環状ピストン6の第2作用面10に働く。この閉止弁
は、パイロット圧力として制御弁14を押圧するトルクコ
ンバータ1の出口圧力とそれ以外の運転パラメータで調
整された制御圧力との双方に反応するパイロット制御弁
14によって制御される。
図示の無い電子解析装置によって通例通り制御される
電磁式制御圧力調整弁15によって制御圧力は運転パラメ
ータに応じて調整される。パイロット流体は主圧力媒体
管路16によって分岐し定流量制御弁17によって通常の様
式で一定に保たれる。定流量制御弁17には減衰スロット
ル18と定スロットル19とが含まれる。定スロットル19で
の圧力低下は定流量制御弁17の制御ばね20によって規定
される。定スロットル19で圧力低下が一定に制御される
ことによって制御圧力調整弁15へ通じる制御管路22内に
圧力媒体の定常流が生じる。
制御弁14には密閉板24と25とを備えたバルブハウジン
グ23が含まれる。バルブハウジング23はスライド26を軸
方向に摺動自在に案内している。スライド26は制御溝2
9、30、31と協働する制御フランジ27と28とを有する。
制御溝31は主圧力媒体管路16と、制御溝30は閉止圧室8
に通じる圧力媒体管路13と、制御溝29は油受け32とにそ
れぞれ連結している。
スライド26内は2個の同型のピストン33と34とを軸方
向に案内している。第1ピストン33は第1制御ばね35に
よって密閉板25に向い、第2ピストン34は第2制御ばね
36によって密閉板24に向いそれぞれ押圧されている。ス
ライド26内の側壁37は制御ばね35と36とを支持し、それ
ら制御ばねのばね室を互いに隔離している。制御ばね35
に属する第1ばね室38はスロットル孔39を介して制御フ
ランジ27と28との間の溝40と連結している。第2制御ば
ね36に属する第2ばね室41は孔42を介してトルクコンバ
ータ1の吐出孔44に通じる制御管路43のポートと常時連
結している。制御管路22中の調整済み圧力はスライド26
の溝45を介して第2制御ばね36と第2ピストンを囲繞す
るスライド26の作用面46に抗して第2ピストン34に働
く。
運転の当初、スライド26は図示の位置に在る、と云う
のは第1制御ばね35が第2制御ばね36よりも強力に設計
され、しかも端面に作用する圧力がゼロまたは僅少だか
らである。トルクコンバータ1の吐出孔44での圧力が次
第に高まるに伴い第2ばね室41内の圧力も上昇してスラ
イド26が第1制御ばね35の弾力に抗して左へ移動し、そ
の結果、溝40を介して主圧力媒体管路16が圧力媒体管路
13と連結する。この時、スロットル孔39を介して圧力媒
体管路13の圧力が第1ばね室38内でスライド26に働く。
ばね室38、39内の作用面が等しい場合、スライド26は主
圧力媒体管路を再度閉止するが、その時まさに圧力媒体
管路13中の圧力と第1制御ばねの弾力とがトルクコンバ
ータ1の吐出孔44での圧力に第2制御ばね36の弾力と管
路33中の制御圧力とをプラスした力に等しくなってい
る。制御圧力と制御ばね35、36の弾力差とに圧力差が付
与されてあり、この圧力差ぶん圧力管路13中の圧力は制
御管路43中の圧力より低い。吐出圧がそれぞれの運転環
境に応じてどのように変化しようともそれとは無関係に
この圧力差は常時保ち続けられる。
上記橋渡しクラッチ5がより広範な運転パラメータに
応じて閉止することになるとすれば、圧力媒体管路13中
の閉止圧は制御圧力調整弁15により制御管路22中の制御
圧力が高まることによって上昇する。制御圧力に対応し
てさらに高い閉止圧が生じるまでの間、圧力媒体管路13
を主圧力媒体管路16と連結させているように制御圧力が
スライド26へ働く。
トルクコンバータ1の吐出孔44の圧力が減少するか、
あるいは制御圧力管路22中の制御圧力が低下すれば、所
望の圧力差が閉止圧とトルクコンバータ内圧との間に再
度生じるまでの間、圧力媒体管路13は油受けと連結して
いる。こうすることによって、製造時の流れ作業方式と
は関係なく橋渡しクラッチ5の閉止力を狭い許容範囲内
に制御するとともに、簡単な制御手段でそれぞれの運転
需要に迅速に対応することができるのである。
橋渡しクラッチ5の作動には極めて少量の圧力媒体し
か要しないが、それは閉止圧室8が橋渡しクラッチの開
放時には常時満たされたままであって、閉止圧は事前設
定可能なレベルでトルクコンバータ1の内圧以下に保た
れているからである。このレベルから制御圧力弁15は制
御する。したがって制御圧力弁15は制御範囲を狭く設計
することが許され、この制御範囲は最大閉止圧と最小閉
止圧との間にある追加制御対象差圧に相当する。
本発明にしたがい、クラッチを構成する継手の閉止圧
を事前設定可能な値に下降させるよう橋渡しクラッチを
作動させることを提案する。この値は継手が閉止する閾
値以下に在る。したがって、継手の開放継続は保障され
る。継手の閉止圧室は所定量の圧力媒体で満たされ続け
る。閉止圧をしきい値以上に高めて継手を閉止するため
には、僅かな量の圧力媒体の追加を要するにすぎない。
そこで、この継手は僅かな圧力媒体を補給しさえすれば
迅速に応答できるのである。
その他の様式の継手についてもこれに対応して作動さ
せることができる。
継手とは以下のように、空気圧または油圧方式により
圧力媒体を供給することによって開閉し得る、たとえば
クラッチのような、それぞれの様式の脱着自在な連結手
段と解されるべきである。
このような継手では、たとえば継手が開くと閉止圧が
同じ様式で低下する。継手が閉じると開き圧力もそれに
対応して低下させることができる。継手操作用圧力室に
は、継手に現行の切換え状態を変化させない量の圧力媒
体が丁度そのままになっている。残存圧力媒体は継手を
確実に現行の切換え状態に保持することを保障する。
継手の切換え状態が変化することになるには、継手を
開閉するため別に圧力媒体を少量要するにすぎない。そ
うすることによって継手の迅速な応答が達せられるので
ある。
関連符号対照表 1 トルクコンバータ 24 密閉板 2 ポンプ 25 密閉板 3 案内車 26 スライド 4 タービン 27 制御フランジ 5 橋渡しクラッチ 28 制御フランジ 6 環状ピストン 29 制御溝 7 ポンプハウジング 30 制御溝 8 閉止圧室 31 制御溝 9 第1作用面 32 油受け 10 第2作用面 33 第1ピストン 11 供給管路 34 第2ピストン 12 吐出管路 35 第1制御ばね 13 圧力媒体管路 36 第2制御ばね 14 制御弁 37 側壁 15 制御圧力調整弁 38 第1ばね室 16 主圧力媒体管路 39 スロットル孔 17 定流量制御弁 40 溝 18 減衰スロットル 41 第1ばね室 19 定スロットル 42 孔 20 制御ばね 43 制御管路 21 − 44 トルクコンバータ吐出孔 22 制御管路 45 溝 23 バルブハウジング 46 作用面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−74674(JP,A) 特開 昭57−12128(JP,A) 実開 平2−6850(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 61/14

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状ピストンによって作動する橋渡しクラ
    ッチ(5)を有する流体トルクコンバータ(1)であっ
    て、該ピストンの第1作用面(9)は開放方向にトルク
    コンバータ(1)の内圧により押圧され、また該ピスト
    ンの第2作用面(10)は閉止方向に閉止圧により押圧さ
    れており、パイロット制御弁(14)が橋渡しクラッチ
    (5)の閉止過程と閉止状態時とに閉止圧をトルクコン
    バータ(1)の内圧より大きい値に調整する前記流体ト
    ルクコンバータにおいて、 パイロット制御弁(14)が橋渡しクラッチ(5)の開放
    段階中は閉止圧を事前設定可能な圧力量だけトルクコン
    バータの内圧以下に維持することを特徴とする前記流体
    トルクコンバータ。
  2. 【請求項2】請求項1による流体トルクコンバータであ
    って、 トルクコンバータ(1)の出口圧力とそれ以外の運転パ
    ラメータに応じて調整される制御圧力とのいずれもがパ
    イロット圧力としてパイロット制御弁(14)へ作用する
    ことを特徴とする請求項1による前記流体トルクコンバ
    ータ。
  3. 【請求項3】請求項1による流体トルクコンバータであ
    って、 制御弁(14)がバルブハウジング(23)内に制御フラン
    ジ(27、28)付きのスライド(26)を有し、その際、ス
    ライド(26)内には制御弁(14)の両端面に向って等し
    く弾発的に負荷を印加する2個のピストン(33、34)が
    共軸的に案内されており、両ピストン中第2ピストン
    (34)は、端面側では調整した制御圧力により押圧され
    ばね側ではトルクコンバータ(1)の出口圧力によって
    押圧されており、その際、端面側でピストンへ作用する
    力はばね側でピストンへ働く力より常に小さく、また第
    1ピストン(33)はスロットル(39)を介して閉止圧に
    よって押圧され端面側では油受け(32)と連結して制御
    圧力を最低に調整するとトルクコンバータ(1)の内圧
    が閉止圧を一定値だけ超えるようスライド(26)の作用
    面と制御ばね(35、36)とを調整してあることを特徴と
    する請求項1による前記流体トルクコンバータ。
  4. 【請求項4】請求項1、2、3のいずれか1請求項によ
    る流体トルクコンバータであって、 定流量制御弁(17)が調整した制御圧力の圧力媒体の流
    れを事前設定可能なレベルに一定に維持することを特徴
    とする請求項1、2、3のいすれか1請求項による前記
    流体トルクコンバータ。
  5. 【請求項5】車両のトルク伝達要素、とりわけ車両伝動
    装置のトルク伝達要素間の切換え自在な継手であって、 圧力媒体で押圧される圧力チャンバを介して、該要素と
    連結した開閉状態と、連結を遮断された連結可能な要素
    の開閉状態の間を交互に切換え自在な前記継手におい
    て、継手の開閉状態それぞれの間に圧力チャンバ内にあ
    る圧力を事前設定可能な値だけ別な開閉状態それぞれへ
    の始動圧力以下に据え置くことを特徴とする前記継手。
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