JP3236604B2 - 無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

無方向性電磁鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、電動機や、発電機等の回転機器用の鉄心
材料として、特に優れた適性を示す無方向性電磁鋼板の
製造方法に関するものである。
(従来の技術) 特開平1−92318号公報では、鋼帯の長さ方向と巾方
向の冷間圧延を行なうことにより、磁気異方性を低減す
る無方向性電磁鋼板の製造方向が開示されているが、巾
方向圧延を行なうことは実用的でなく、工業生産への応
用は難しい。
また、特開昭62−102507号公報では、仕上焼鈍時の通
板張力の適性範囲を仕上焼鈍温度と均熱時間の関数で規
定して、圧延方向とそれに直角な方向での磁性方向比が
小さな磁気特性の優れた無方向性けい素鋼板を短時間焼
鈍により得る方法が開示されている。しかしながらこの
方法は、通板張力の範囲を規定したものであって、更に
適格な最適通板張力を求めることは不可能であり、その
上、素材のS等不純物の変動などによっても焼鈍時の粒
成長が異ることなどあり、成分組成によって最適通板張
力が変動するが、この現象に対する考慮がなされていな
いなどの問題点がある。
(発明が解決しようとする課題) この発明は、無方向性電磁鋼板の製造方法において、
最終の仕上焼鈍を適切に行なうことにより磁気特性の改
善を計ることを目的とするもので、鉄損値に大きく影響
する仕上焼鈍時の長手方向鋼板張力を最適化すること、
さらには、成分組成、製造条件によって変動する最適鋼
板張力に対応可能とすることにある。
(課題を解決するための手段) この発明は、鋼板の長手方向とその横断方向との鉄損
の平均値が最小となるように、最終の仕上げ焼鈍におけ
る長手方向の鋼板張力を、成分組成および製造条件によ
り変動する最適鋼板張力に適合するよう調整制御するも
ので、その要旨は、 1.無方向性電磁鋼板用熱延板を素材として、1回又は中
間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施して最終板厚に加工し
た後に、仕上げ焼鈍を鋼板の長手方向の張力下で施すに
あたって、仕上げ焼鈍を経た鋼板の鉄損を、該鋼板の長
手方向(L)とその横断方向(C)について計測したデ
ーターから鉄損比C/Lを求めること、仕上げ焼鈍中鋼板
に作用する張力を、成分組成および製造条件により、あ
らかじめ求められている該鋼板の仕上げ焼鈍後の各方向
鉄損の平均値が最小となる鉄損比C/Lに、上記計測に基
く鉄損比C/Lを一致させるように上記張力を制御するこ
とからなる無方向性電磁鋼板を製造方法。
である。
ここに、長手方向とその横断方向の鉄損の平均値、あ
るいは各方向鉄損の平均値は、 長手方向鉄損値……IR L 長手方向と直角をなす横断方向……IR C90 長手方向と45゜の角をなす横断方向……IR C45 とする場合、 上記(1),(2)式の様に算出してもよく、さらに
は長手方向となす角度を変えた横断方向の鉄損値を用い
ること、角度を変えた横断方向の多くの鉄損値を用いて
もよい。
また、鉄損比C/Lは、 横断方向鉄損÷長手方向鉄損 を表わすもので、横断方向は長手方向となす角が90゜の
場合である。
この発明の方法は、無方向性電磁鋼板用熱延板の成分
組成に関し、C≦0.05wt% Si+Al≦4.5wt%,Mn≦1.5w
t%を含み、また場合によってはP:0.05〜0.20wt%を含
有して、残部はFe及び不可避不純物よりなるような素材
について有利に適合する。
ここにC>0.05wt%のとき、Cによる磁気時効を防止
するための脱炭処理に長時間を要し、生産コスト、生産
能率等の実用上で不利があり、またSi+Al>4.5wt%で
は、冷間圧延時の加工性に問題があるため不適であり、
さらにMn>1.5wt%では、電磁特性の向上よりも、生産
コストの上昇が大きく、実用上の問題によって適合しな
い。Pについては最終成品の硬度を調整する目的のた
め、0.05〜0.20wt%が好適である。
(作 用) 無方向性電磁鋼板の製造において、仕上焼鈍時の鋼板
張力は鉄損値に大きく影響し、長手方向に張力が作用す
る場合、長手方向の鉄損値は減少し、その横断方向、特
に長手方向に対し直角をなす方向の鉄損値は増加する傾
向を示す。そして長手方向とその横断方向との鉄損の平
均値が最小となる張力すなわち最適張力が存在する。第
2図はこれらの関係を示すもので、長手方向に対し直角
をなす横断方向の場合である。横軸に鋼板張力、縦軸に
鉄損値をとり、長手方向鉄損値(IR L)、横断方向鉄損
値(IR C90)、鉄損の平均値(IR L+IR C90/2)をパラ
メーターとして示すもので、鉄損の平均値が最小となる
最適鋼板張力が存在することがわかる。
つぎに、長手方向とその横断方向の鉄損の平均値と、
鉄損比(C/L)の間にも、鉄損の平均値を最小とする鉄
損比(C/L)が存在する。第3図にこれらの関係を、長
手方向と長手方向に対し直角をなす横断方向の場合につ
いて示したものである。横軸に鉄損比:C90/L、縦軸に鉄
損の平均値:IR L+IR C90/2をとったもので、鉄損の平
均値が最小となる鉄損比が存在している。
一方、前記したように鉄損値を低減するための最適鋼
板張力は、成分組成、製造条件などによって変動する。
したがって、最適鋼板張力で仕上焼鈍を行うためには、
仕上焼鈍を終えた鋼板の鉄損を測定し、この結果をフィ
ードバックすることが最も確実な方法である。
すなわち、鋼板張力を制御するにあたって、上記第2
図の関係から、仕上焼鈍直後にオンラインで測定した鉄
損の平均値を最低とするように、鋼板張力値をダイナミ
ックにフィードバック制御することによって効果的に達
成される。
また、上記第3図に示した関係から、鉄損の平均値が
最小となる鉄損比を用いて鋼板張力を制御することもで
きる。実際の生産設備におけるオンライン計測において
は、鉄損値の絶対値を求めることはその校正が困難であ
ることから、絶対値の校正不要な鉄損比を用いることが
有利である。
なお、無方向性電磁鋼板の特性として、回転機として
使用される場合が多く、回転むらを小さくするためには
鉄損比(C/L)を小さくすることが望ましいわけである
が、この発明においては鉄損の平均値を最小とする方法
をとっている。これは大型回転機や連続長時間運転する
回転機においては、回転むらもさることながらエネルギ
ーロスが重要である。鉄損比(C/L)最小が必ずしもエ
ネルギーロス最小でなく、このエネルギーロスを最小と
するためには鉄損の平均値を最小とすれば、達成できる
ためである。
以下、仕上げ連続焼鈍を、鉄損比を用いて張力制御す
る場合について述べる。
第1図は、制御系統を示す仕上げ連続焼鈍炉の側面図
である。最終板厚に冷延された鋼板は矢印の方向に左か
ら右に連続的に移動する。鋼板1は、仕上げ連続焼鈍炉
2を通過することにより仕上げ焼鈍が施される。そし
て、仕上げ連続焼鈍炉2の出側に設置した長手方向とそ
の横断方向の鉄損測定器4と5により鉄損が測定され
る。これらの測定データーは計算器6に送られ、ここで
鉄損比(C/L)が計算され、成分組成、製造条件などに
よって定まる鉄損平均値が最小となる最適鉄損比(C/
L)との差が検出される。そして、この検出結果をもと
に鋼板張力の増減指示が、張力制御回路7へ出力され、
この張力制御回路7から張力制御用ブライドルロール3
を介して鋼板張力が調整され、鉄損の平均値が最小とな
るように制御される。
(実施例) 転炉で溶製した後、RH脱ガス処理を施して化学成分組
成を C :0.004wt% Si:3.1 wt% Mn:0.3 wt% Al:0.4 wt% S :0.005wt% P :0.05 wt% に調整し、連続鋳造により製造した珪素鋼スラブを、熱
間圧延により板厚2.4mmの熱延板とし、1000℃の温度で
1分間の焼鈍を施した後、最終板厚0.5mmに冷間圧延を
行なった。
最終仕上焼鈍は、1000℃の温度で30秒間行なったもの
で、実際の生産工程に適用する場合に有利な鉄損比を用
いて、鋼板張力を調整制御した。
第3図は、成分組成、製造条件によって求まる該鋼板
の鉄損比:C90/Lと、鉄損の平均値(W15/50):L+C90/2
W/kgの関係を示しており、鉄損の平均値が最小となる最
適鉄損比は1.10となることを示している。
この最適鉄損比を用いて、鋼板張力を調整制御した。
すなわち、仕上焼鈍開始当初の鉄損比は1.21であったた
め、最適鉄損比1.10になるように鋼板張力を減少させ調
整制御した。さらに念のため鋼板張力を減少させ鉄損比
を1.06まで減少させた。これらの場合の鉄損の平均値、
鋼板張力を表1に示す。この表から明らかなように、最
適鉄損比1.10で鉄損の平均値は最小になっており、成分
組成、製造条件より求めた値とよい一致を示している。
(発明の効果) この発明は、鉄損値の優れた無方向性電磁鋼板の製造
において、仕上焼鈍時の鋼板張力を、成分組成と製造条
件により求まる鉄損の平均値が最小となる鉄損比を用
い、これを実測しながら上記張力を調整制御するもの
で、この技術は、今後の無方向性電磁鋼板の生産に有利
に活用できるものである。
【図面の簡単な説明】 第1図は制御系統を示す仕上焼鈍炉側面図、 第2図は鋼板張力と鉄損値の関係を示す。 第3図は互に異なる方向の鉄損比と平均鉄損値の関係を
示す。 1……鋼板、2……仕上連続焼鈍炉 3……張力制御用ブライドルロール 4……鉄損測定器(長手方向) 5……鉄損測定器(横断方向) 6……計算機、7……張力制御回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無方向性電磁鋼板用熱延板を素材として、
    1回又は中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施して最終板
    厚に加工した後に、仕上げ焼鈍を鋼板の長手方向の張力
    下で施すにあたって、仕上げ焼鈍を経た鋼板の鉄損を、
    該鋼板の長手方向(L)とその横断方向(C)について
    計測したデーターから鉄損比C/Lを求めること、仕上げ
    焼鈍中鋼板に作用する張力を、成分組成および製造条件
    により、あらかじめ求められている該鋼板の仕上げ焼鈍
    後の各方向鉄損の平均値が最小となる鉄損比C/Lに、上
    記計測に基く鉄損比C/Lを一致させるように上記張力を
    制御することからなる無方向性電磁鋼板の製造方法。
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