JP3236489B2 - 微細貫通孔を有するセラミック部材の製造方法 - Google Patents

微細貫通孔を有するセラミック部材の製造方法

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JP3236489B2 JP33170895A JP33170895A JP3236489B2 JP 3236489 B2 JP3236489 B2 JP 3236489B2 JP 33170895 A JP33170895 A JP 33170895A JP 33170895 A JP33170895 A JP 33170895A JP 3236489 B2 JP3236489 B2 JP 3236489B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、複数の微細貫通
孔を有するセラミック部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 従来から、エンコーダ、高精度微細電
界シャッタ、イオン流制御ヘッド、スケール等の微細貫
通孔を有する部材には、加工の容易性から金属、合成樹
脂等が使われてきた。上記の応用製品において、セラミ
ック部材の微細貫通孔は、気体、液体、微粒子固体、光
等を通過させたり、通過させなかったりすることにより
位置を検知、又は記録するため等に用いられている。こ
れらの微細貫通孔を有する部材には、近年、高密度化、
高精度化、高信頼性が要求されるようになってきた。し
かし、従来使われている金属、合成樹脂等では、これら
の要求を十分満足することができないため、従来と異な
る素材によるものの出現が期待されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、かかる事
情を背景としてなされたものであって、その解決課題と
するところは、耐熱性、耐摩耗性、低熱膨張性の材料か
らなる微細貫通孔を有する部材を提供し、エンコーダ、
高精度微細電界シャッタ、イオン流制御ヘッド、スケー
ル等の機器の高密度化、高精度化、信頼性の向上の要求
に応えるものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】 かかる課題を解決する
ため、本発明の第1の発明は、(1) 薄肉のセラミック板
用の第1のグリーンシートを作製する工程と、(2) 第1
のグリーンシートに複数の微細貫通孔を形成する工程
と、(3) セラミック基板用の第2のグリーンシートを作
製する工程と、(4) 第2のグリーンシートに少なくとも
一つの窓部を形成する工程と、(5) 少なくとも一つの窓
部を有する第2のグリーンシートに対して、その窓部部
位に複数の微細貫通孔部分が合うように第1のグリーン
シートを積層し、一体的な積層物とする工程と、(6) 該
積層物を焼成して一体的な焼結体とする工程とを含み、
(7) 前記微細貫通孔の孔径は、前記薄肉のセラミック板
において150μm以下であって、且つ (8) 前記セラ
ミック基板の窓部の短手方向の幅wが次式 w(mm)≧10/微細貫通孔間隔(焼成後)(μm) を満足することを特徴とするものである。
【0005】 また、第2の発明は、(1) 薄肉のセラミ
ック板用の第1のグリーンシートを作製する工程と、
(2) セラミック基板用の第2のグリーンシートを作製す
る工程と、(3) 第2のグリーンシートに少なくとも一つ
の窓部を形成する工程と、(4) 少なくとも一つの窓部を
有する第2のグリーンシートに対して、その窓部部位を
覆蓋するように第1のグリーンシートを積層し、一体的
な積層物とする工程と、(5) 該積層物の窓部部位に対応
する第1のグリーンシート部分に複数の微細貫通孔を形
成する工程と、(6) 該積層物を焼成して一体的な焼結体
とする工程とを含み、(7) 前記微細貫通孔の孔径は、前
記薄肉のセラミック板において150μm以下であっ
て、且つ (8) 前記セラミック基板の窓部の短手方向の
幅wが次式 w(mm)≧10/微細貫通孔間隔(焼成後)(μm) を満足することを特徴とするものである。
【0006】 上記した発明に従う好ましい態様には次
のものがある。前記薄肉のセラミック板の主成分が部分
安定化ジルコニアであること。前記薄肉の部分安定化ジ
ルコニアを主成分とする板の結晶粒子径が2μm以下で
あること。前記薄肉の部分安定化ジルコニアを主成分と
する板が2〜6mol%の酸化イットリウムで部分安定
化したものからなること。前記微細貫通孔径が、一般に
は150μm以下、好ましくは70μm以下であるこ
と。前記薄肉のセラミック板の厚さが一般には100μ
m以下、好ましくは50μm以下であること。前記セラ
ミック基板の厚さが80μm以上、好ましくは100μ
m以上であること。前記微細貫通孔間隔(焼成後)が、
一般には150μm以下、好ましくは70μm以下であ
ること。
【0007】 ここで、微細貫通孔径とは、微細貫通孔
の形状が円の場合は直径、矩形の場合は長辺、楕円の場
合は長径、多角形の場合は最も長い対角線長さをいう。
また、微細貫通孔の形状は上記記載形状及びそれらを組
み合わせた形状が採用される。尚、微細貫通孔径は、薄
肉のセラミック板の表面の測定値と裏面の測定値との平
均値とする。また、微細貫通孔間隔dは、図6に示すよ
うに隣接する微細貫通孔間の最短の壁の厚さである。
【0008】
【発明の実施の形態】 以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明は、微細貫通孔を有するセラミック部材の製
造にあたり、セラミック基板用の第2のグリーンシート
と微細貫通孔を形成した薄肉の第1のグリーンシートと
の積層体を焼成して、一体的な焼結体とするものであ
る。ここで、微細貫通孔を形成するには、孔径のばらつ
き低減、生産性向上、形成の困難性等の理由により、第
1のグリーンシートの厚みをある程度薄くする必要があ
り、そのため第2のグリーンシートを積層し、部材とし
ての剛性を高めることによって実用的なものとする。
【0009】 しかしながら、本発明のような、複数の
微細貫通孔を有する積層体を一体的に形成する際、焼成
時に発生する応力によって微細貫通孔間やその周辺部に
クラックが発生する。そこで、このような問題を解決す
るためには、窓部の短手方向の幅wと微細貫通孔間隔d
とが以下の関係を満足することが必要である。 w(mm)≧10/微細貫通孔間隔d(μm)(焼成後
の値) なお、好ましくは、w(mm)≧25/微細貫通孔間隔
d(μm)で、より好ましくは、w(mm)≧50/微
細貫通孔間隔d(μm)である。
【0010】 また、窓部の短手方向の幅wが10mm
以上となると、生積層体の取扱性の低下、焼成後の薄肉
セラミック板部の強度低下、焼成後の薄肉セラミック板
部の平坦性の低下等の問題が発生するので好ましくな
い。又、第2のグリーンシート(焼成後、セラミック基
板となる)は、単に部材の剛性を向上させるだけでな
く、焼成後の寸法安定性を向上させるという効果もあ
る。これは、薄肉セラミック板部は複数の微細貫通孔を
有するため、これを単独で焼成すると、焼成収縮によっ
て歪みを生じやすいためである。
【0011】 本発明において、薄肉のセラミックの素
材は部分安定化ジルコニアが好ましい。部分安定化ジル
コニアは熱膨張係数が金属に較べて小さく、高温環境下
での孔位置精度の向上を図ることができる。また、部分
安定化ジルコニアはセラミックの中でも強度が大きいた
め、取扱性、耐久性、信頼性が良く、更に、耐腐食性、
耐摩耗性、耐熱性に優れているため、温度、媒体の適用
可能範囲を広くすることができる。
【0012】 薄肉の部分安定化ジルコニアを主成分と
する板の結晶粒子径は2μm以下、好ましくは1μm以
下である。これは、薄肉の部分安定化ジルコニアを主成
分とする板の強度、耐摩耗性、耐腐食性を向上させるた
めである。
【0013】 ジルコニアの部分安定化剤としては、酸
化イットリウムが2〜6mol%、好ましくは2.5〜
4.0mol%含有するものである。これは、薄肉の部
分安定化ジルコニアを主成分とする板の強度、耐摩耗性
を向上させるためである。
【0014】 本発明による微細貫通孔を有する部材
は、微細貫通孔間隔(焼成後)が、一般には150μm
以下、好ましくは70μm以下である。このことによ
り、高密度化対応が可能となり、また、素材がセラミッ
クであるため信頼性も確保できる。また、微細貫通孔径
は、一般には150μm以下、好ましくは70μm以下
である。これは、高密度化、高精度化に応えるためであ
る。なお、微細貫通孔径を150μm以下とするために
は、セラミックの素材が部分安定化ジルコニアであるこ
とが好ましい。
【0015】 前記薄肉のセラミック板の厚さは、一般
には100μm以下、好ましくは70μm以下、より好
ましくは50μm以下である。薄くすることで微細貫通
孔の形成を容易にする。すなわち、金型/NCパンチン
グの打ち抜きの際のピン折れ防止、打ち抜きの精度向上
(シートの表/裏の孔径ばらつきの低減)、打ち抜き面
のバリ発生防止、レーザ加工の場合には、上記ピン折れ
以外の項目と加工時間の低減をすることができる。又、
薄くすることで微細貫通孔に粉体、液体等を通過させる
場合、その通過抵抗を小さくすることができる。一方、
薄肉セラミック板の厚さが100μmより厚いと、微細
貫通孔の形成性が悪化するので好ましくない。なお、薄
肉のセラミック板の厚さを100μm以下とするために
は、素材が部分安定化ジルコニアを主成分とすることが
強度、靱性、耐摩耗性の点で望ましい。
【0016】 セラミック基板はセラミック部材全体の
剛性を高めるために用いる。セラミック基板の厚さは8
0μm以上、好ましくは100μm以上である。セラミ
ック基板の厚さが80μmより薄いと、部材としての剛
性が不足するため好ましくない。また、セラミック基板
は剛性を高めるために用いるだけでなく、機能を有して
いてもよい。さらに、セラミック基板は単一層であって
も、複数層であってもよい。複数層の場合、全ての層が
同一形状である必要はなく、また、それぞれの層が別々
の機能を持っていてもよい。なお、図2のセラミック基
板10は窓部を有しないものである。
【0017】 さらに、薄肉のセラミック板とセラミッ
ク基板とは、その厚さが薄肉のセラミック板厚さ<セラ
ミック基板の厚さの関係を満足することが好ましい。薄
肉のセラミック板がセラミック基板より厚いと、焼成後
のセラミック部材の寸法安定性が低下して、好ましくな
い。
【0018】 図1〜3は、それぞれ本発明の製造方法
により得られる微細貫通孔を有するセラミック部材の具
体例を示すものである。図1は、微細貫通孔1を有する
薄肉のセラミック板7が、窓部3を有するセラミック基
板9と一体となった積層焼結体であるセラミック部材を
示している。図2は、セラミック基板9に、窓部を有さ
ないセラミック基板10をさらに積層し一体化したセラ
ミック部材で、図3は、窓部3の形状が各々相違する3
層のセラミック基板9を微細貫通孔1を有する薄肉のセ
ラミック板7に積層一体化したセラミック部材を示すも
のである。
【0019】 第1の発明及び第2の発明において、薄
肉のセラミック板用の第1のグリーンシート及びセラミ
ック基板用の第2のグリーンシートの作製方法は次の通
りである。上記各々のグリーンシート作製用スラリーま
たはペーストは、従来と同様に、セラミック粉末に適当
なバインダ、可塑剤、分散剤、焼結助剤、有機溶媒など
が配合されて、調製される。そのようなスラリーやペー
ストを用いて、ドクターブレード法、カレンダー法、印
刷法、リバースロールコータ法等の従来から公知の手法
に従って、所定の厚みのセラミックグリーンシートが成
形される。そして、その後必要に応じて、切断、切削、
打ち抜き、微細貫通孔の形成等の加工を施したり、複数
枚のグリーンシートが積層され、熱圧着等によって、一
体的な積層物とされたりして、所定形状及び厚さの成形
物とされる。なお、微細貫通孔は金型/NCパンチン
グ、エキシマレーザ加工等により形成される。また、微
細貫通孔の形成は、グリーンシート単体の状態で行って
も、積層後行ってもよい。
【0020】 上記の薄肉のセラミック板として、部分
安定化ジルコニアを主成分とするものを使用する場合に
は、部分安定化ジルコニア粉末に対して30重量%以下
の助剤、例えば、アルミナ、シリカ、遷移金属酸化物、
粘土、ムライト、コージェライト、スピネル、チタニア
等及びこれらの混合物を添加してもよい。
【0021】 かかる成形物に対して焼成操作が実施さ
れ、これにより、該積層物を一体的な焼結体とする。こ
の時の焼成温度は、一般に、1200〜1700℃程
度、好ましくは1300〜1600℃程度の温度が採用
されることになる。なお、焼結後の前記積層物に反りが
ある場合には、平滑なセラミック製の重し等を載せて、
焼成温度近傍の温度で再焼成し、反りを修正することも
有利に採用されうる。
【0022】 薄肉のセラミック板用グリーンシートの
粉末粒子径は、本発明における微細貫通孔及び微細貫通
孔間隔を達成するためには、次に示す二つの条件を満た
すことが望ましい。グリーンシートの機械打ち抜き、エ
キシマレーザ加工による微細貫通孔の形成は焼成基板加
工とは異なり、粒内を切断することができない。従っ
て、粉末粒子径が大きいと、加工面を精度良く形成でき
ず、加工面の平滑度が悪くなり、バリが生じる等の問題
が発生する。また、粉末粒子径を小さくすることで、微
細貫通孔加工等の取扱時におけるグリーンシートの伸び
を効果的に小さくすることができる。
【0023】(粉末粒子径の条件1)薄肉のセラミック
板用グリーンシート中のバインダ、可塑剤、分散剤等の
有機物成分を除去するために、500℃、2時間の熱処
理を行い、測定試料を作製する。この試料のBET比表
面積値を測定し、粉末粒子径の球相当径DBET を算出す
る。DBET を下式の範囲とすることで、微細貫通孔の形
成時の加工性、取扱性を向上させることができる。 0.02≦DBET ≦0.2 [μm] ここで、DBET =6/ρS [μm] ρ:粉末理論密度 [g/cm3 ] S:粉末BET比表面積値 [m2 /g] DBET が0.02以下では、均一なグリーンシートの成
形が困難である。
【0024】(粉末粒子径の条件2)グリーンシート成
形前のスラリーを、スラリー化した溶剤にて希釈後、ホ
リバ製レーザ回折式粒度測定装置LA−700を使用
し、平均粒子径を測定する。この平均粒子径は0.8μ
m以下、好ましくは0.6μm以下である。この平均粒
子径が小さいほど、打ち抜き加工面、エキシマレーザ加
工面の平滑度が向上する。
【0025】 薄肉のセラミック板用グリーンシート中
のセラミック粉末占有率及び有機物成分占有率が以下に
示す式の範囲とすることで、微細貫通孔の加工精度向
上、加工面の平滑度改善、ボロ発生の低減、グリーンシ
ートの伸びの低減をさせることができる。ここで、有機
物成分とは、バインダ、可塑剤、分散剤等をいう。 0.80≦A+B≦0.98 0.40≦A≦0.55 A=GD×[a/(a+b)]×1/ρce B=GD×Σ{[bi /(a+b)]×1/ρi } ここで、 A:セラミック粉末占有率 B:有機物成分占有率 a:セラミック粉末重量部 b:有機物成分重量部(b=Σbi ) bi :各有機成分重量部 GD:グリーンシートの生密度 [g/cm3 ] ρce:セラミック粉末理論密度 [g/cm3 ] ρi :各有機物成分の理論密度 [g/cm3 ] を表す。
【0026】 微細貫通孔を有する薄肉のセラミック板
の部分安定化ジルコニアの結晶相は、主として正方晶、
もしくは主として立方晶、正方晶、単斜晶の内、少なく
とも2種以上の結晶相からなる混晶とすることで部分安
定化されたジルコニアを主成分とする材料が好ましく使
用される。これは、強度と靱性とが優れているためであ
る。
【0027】 グリーンシート間に接着補助層を設ける
ことも有利に採用される。接着補助層を設けることによ
り、積層圧力を低減させることができる。積層圧力は1
00Kg/cm2 以下が好ましく、40Kg/cm2
下がより好ましい。積層圧力が大きいと微細貫通孔間の
間隔が狭いため、クラックが生じやすくなる。接着補助
層の材料としては、グリーンシート作製用スラリー、ペ
ースト、バインダ、可塑剤、溶剤、又は、これらの混合
物等が用いられる。接着補助層は、塗布、印刷、噴霧等
により形成することが好ましい。
【0028】 薄肉のセラミック板用のグリーンシート
の焼成収縮カーブとセラミック基板用のグリーンシート
の焼成収縮カーブとは、以下の条件を満たすことが望ま
しい。 −50℃≦T(薄板)−T(基板)≦+50℃ より好ましくは −20℃≦T(薄板)−T(基板)≦+20℃ また、特に、焼成収縮初期のカーブを一致させることが
望ましい。ここで、T(薄板)、T(基板)は、それぞ
れ、薄肉のセラミック板用のグリーンシート、セラミッ
ク基板用のグリーンシートを単独で前記積層物の焼成温
度と同じ温度で焼成した際の、面方向の長さの収縮率S
(薄板)、S(基板)の50%に達するときの温度
(℃)を表している。上記の条件を満たさないと、シー
トが薄いため、焼成時に発生する応力により、薄肉のセ
ラミック板にシワ、ヘコミが発生し易くなる。また、微
細貫通孔間隔が狭いため、孔間のセラミック部にクラッ
クが発生し易くなる。
【0029】
【実施例】 次に、本発明を実施例に基づいて説明す
る。まず、薄肉のグリーンシートを次のようにして作製
した。Y23 3mol%含有部分安定化ジルコニア粉
末(DBET =0.1μm)100重量部、ポリビニルブ
チラール樹脂(バインダ)8重量部、DOP(可塑剤)
3重量部、ソルビタン系分散剤2重量部、キシレン(溶
剤)35重量部、1−ブタノール(溶剤)35重量部を
ボールミルにて30時間混合し、粘度2000cpsの
グリーンシート成形用スラリーを得た。このスラリーを
真空脱泡処理し、粘度を4000cpsに調整し、ドク
ターブレード装置によって焼成後の厚さが30μmとな
るようにグリーンシートを形成した。
【0030】 真空脱泡処理後のスラリーをキシレン/
1−ブタノール溶剤(重量比1:1)にて希釈し、平均
粒子径を測定した結果、0.58μmであった。なお、
測定装置は、ホリバ製レーザ回折式粒度測定装置LA−
700を使用した。また、このようにして得られたグリ
ーンシート中のセラミック粉末占有率は49%、溶剤を
除いた有機成分占有率とセラミック粉末占有率との合計
は88%であった。次に、上記薄肉のグリーンシートに
NCパンチングマシンを用いて、焼成後、図5に示すよ
うに、微細貫通孔1(直径40μm、孔間隔36.7μ
m)を2832個(708孔/列×4列)形成し、更に
外形(230×20mm)切断を行った。
【0031】 次に、上記薄肉のグリーンシート成形用
スラリーを用い、ドクターブレード装置によって焼成後
の厚さが150μmとなるようにグリーンシートを形成
した。次に、このセラミック基板用のグリーンシート上
への接着補助層の形成を次の通り行った。Y23 3m
ol%含有部分安定化ジルコニア粉末(DBET =0.1
μm)100重量部、ポリビニルブチラール樹脂(バイ
ンダ)13重量部、DOP(可塑剤)5重量部、2−エ
チルヘキサノール(溶剤)50重量部をトリロールミル
にて混練し、粘度20000cpsの接着補助層用ペー
ストを得た。このペーストをスクリーン印刷装置を用い
て、セラミック基板用のグリーンシート上に印刷し、乾
燥後の厚さが6μmである接着補助層を形成した。
【0032】 次に、このようにして得られた接着補助
層付きグリーンシートを切断及び打ち抜きをし、図5に
示す形状(窓部の大きさ201×0.95mm)とし
た。次に、前記薄肉のグリーンシートと前記接着補助層
付きグリーンシートとを重ね合わせ、30Kg/cm
2 、80℃、1分の条件下で熱圧着し、積層一体化物を
作製した。次に、前記積層一体化物を1500℃、3時
間にて焼成した。更に、この焼成物を2mm厚の多孔質
のアルミナ平板で挟み込み、1500℃、5時間にて再
焼成して反りを修正した。薄肉部のセラミック粒子の平
均結晶粒径は、0.7μmであった。以上のように、微
細貫通孔1を有する薄肉のセラミック板7が、窓部3を
有するセラミック基板9と一体となって積層焼結された
セラミック部材が得られるが、このセラミック部材の上
面に金電極13を形成した電界シャッターの一例を図5
に示す。
【0033】 また、このようにして作製された微細貫
通孔を有するセラミック部材の応用例として、セラミッ
ク部材をイオン流制御ヘッド部材として用いた場合につ
いて、図4に基づいて説明する。微細貫通孔1を有する
薄肉のセラミック板7が、窓部3を有するセラミック基
板9と一体となって積層焼結されたセラミック部材に対
し、このセラミック部材の上面に電界シャッター用電極
15(金電極、厚さ0.3μm)を形成したものと、誘
電体薄板21の表裏にライン電極11とフィンガー電極
12を設けたイオン発生源と、誘電体ドラム19とを組
み合わせることにより、図4に示すイオン流制御ヘッド
を構成することができる。なお当然ながら、本発明は、
イオン流制御ヘッドに限るものではなく、薄肉部に微細
貫通孔を有する部材が要求される他の適当なものでも構
わない。
【0034】
【発明の効果】 以上の説明から明らかなように、本発
明に従う部材にあっては、微細貫通孔を有する薄肉部の
セラミックが耐熱性、耐摩耗性、耐蝕性、低熱膨張性の
材料からなるため、部材の使用可能温度範囲の拡大、適
用可能な媒体の種類の範囲を広くすることができ、かつ
位置寸法精度、耐久性のよい微細貫通孔を有する部材と
なる。従って、広範囲の機器に適用できるため、本発明
は極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a) 本発明に従う微細貫通孔を有する部
材の一例 (b) (a)のA−A断面図 (c) (a)のB−B断面図
【図2】 (a) 本発明に従う微細貫通孔を有する部
材の他の例 (b) (a)のA−A断面図 (c) (a)のB−B断面図
【図3】 (a) 本発明に従う微細貫通孔を有する部
材の更に別の例 (b) (a)のA−A断面図 (c) (a)のB−B断面図
【図4】 イオン流制御ヘッドの構成例
【図5】 (a) 電界シャッター用電極構成例 (b) (a)のA−A断面図 (c) (a)のB−B断面図
【図6】 微細貫通孔間隔dの説明図
【符号の説明】
1 微細貫通孔、3 窓部、7 薄肉のセラミック板、
9、10 セラミック基板、11 ライン電極、12
フィンガー電極、13 金電極、15 電界シャッター
用電極、19 誘電体ドラム、21 誘電体薄板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B28B 1/00 C04B 35/48 - 35/493 EPAT(QUESTEL) WPI/L(QUESTEL)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄肉のセラミック板用の第1のグリーン
    シートを作製する工程と、 第1のグリーンシートに複数の微細貫通孔を形成する工
    程と、 セラミック基板用の第2のグリーンシートを作製する工
    程と、 第2のグリーンシートに少なくとも一つの窓部を形成す
    る工程と、 少なくとも一つの窓部を有する第2のグリーンシートに
    対して、その窓部部位に複数の微細貫通孔部分が合うよ
    うに第1のグリーンシートを積層し、一体的な積層物と
    する工程と、 該積層物を焼成して一体的な焼結体とする工程とを含
    み、前記微細貫通孔の孔径は、前記薄肉のセラミック板にお
    いて150μm以下であって、且つ 前記セラミック基板の窓部の短手方向の幅wが次式 w(mm)≧10/微細貫通孔間隔(焼成後)(μm) を満足することを特徴とする微細貫通孔を有するセラミ
    ック部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 薄肉のセラミック板用の第1のグリーン
    シートを作製する工程と、 セラミック基板用の第2のグリーンシートを作製する工
    程と、 第2のグリーンシートに少なくとも一つの窓部を形成す
    る工程と、 少なくとも一つの窓部を有する第2のグリーンシートに
    対して、その窓部部位を覆蓋するように第1のグリーン
    シートを積層し、一体的な積層物とする工程と、 該積層物の窓部部位に対応する第1のグリーンシート部
    分に複数の微細貫通孔を形成する工程と、 該積層物を焼成して一体的な焼結体とする工程とを含
    み、前記微細貫通孔の孔径は、前記薄肉のセラミック板にお
    いて150μm以下であって、且つ 前記セラミック基板の窓部の短手方向の幅wが次式 w(mm)≧10/微細貫通孔間隔(焼成後)(μm) を満足することを特徴とする微細貫通孔を有するセラミ
    ック部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記薄肉のセラミック板の主成分が部分
    安定化ジルコニアである請求項1又は2に記載の微細貫
    通孔を有するセラミック部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記薄肉の部分安定化ジルコニアを主成
    分とする板の結晶粒子径が2μm以下である請求項3に
    記載の微細貫通孔を有するセラミック部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記薄肉の部分安定化ジルコニアを主成
    分とする板が2〜6mol%の酸化イットリウムで部分
    安定化したものからなる請求項3又は4に記載の微細貫
    通孔を有するセラミック部材の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記微細貫通孔径が70μm以下である
    請求項1〜5のいずれかに記載の微細貫通孔を有するセ
    ラミック部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記薄肉のセラミック板の厚さが50μ
    m以下である請求項1〜6のいずれかに記載の微細貫通
    孔を有するセラミック部材の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記セラミック基板の厚さが80μm以
    上である請求項1〜7のいずれかに記載の微細貫通孔を
    有するセラミック部材の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記微細貫通孔間隔(焼成後)が70μ
    m以下である請求項1〜8のいずれかに記載の微細貫通
    孔を有するセラミック部材の製造方法。
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