JP3236490B2 - 微細貫通孔を有するセラミック部材の製造方法 - Google Patents

微細貫通孔を有するセラミック部材の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の微細貫通孔
を有するセラミック部材の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、エンコーダ、高精度微細電界
シャッタ、イオン流制御ヘッド、スケール等の微細貫通
孔を有する部材には、加工の容易性から金属、合成樹脂
等が使われてきた。上記の応用製品において、本発明の
セラミック部材の微細貫通孔は、気体、液体、微粒子固
体、光等を通過させたり、通過させなかったりすること
により位置を検知、又は記録するためなどに用いられて
いる。これらの微細貫通孔を有する部材には、近年、高
密度化、高精度化、高信頼性が要求されるようになって
きた。しかし、従来使われている金属、合成樹脂等で
は、これらの要求を十分満足することができないため、
従来と異なる素材によるものの出現が期待されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
を背景としてなされたものであって、その解決課題とす
るところは、耐熱性、耐磨耗性、低熱膨張性の材料から
なる微細貫通孔を有する部材を提供し、エンコーダ、高
精度微細電界シャッタ、イオン流制御ヘッド、スケール
等の機器の高密度化、高精度化、信頼性の向上の要求に
応えるものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、本発明の第1の発明は、(1)薄肉のセラミック板
用の第1のグリーンシートを作製する工程と、(2)第
1のグリーンシートに焼成後の孔径が70μm以下で、
焼成後の孔間隔が70μm以下の複数の微細貫通孔を形
成する工程と、(3)セラミック基板用の第2のグリー
ンシートを作製する工程と、(4)第2のグリーンシー
トに少なくとも一つの窓部を形成する工程と、(5)少
なくとも一つの窓部を有する第2のグリーンシートに対
して、その窓部部位に複数の微細貫通孔部分が合うよう
に第1のグリーンシートを積層し、一体的な積層物とす
る工程と、(6)該積層物を焼成して一体的な焼結体と
する工程とを含むことを特徴とするものである。また、
第2の発明は、(1)薄肉のセラミック板用の第1のグ
リーンシートを作製する工程と、(2)セラミック基板
用の第2のグリーンシートを作製する工程と、(3)第
2のグリーンシートに少なくとも一つの窓部を形成する
工程と、(4)少なくとも一つの窓部を有する第2のグ
リーンシートに対して、その窓部部位を覆蓋するように
第1のグリーンシートを積層し、一体的な積層物とする
工程と、(5)該積層物の窓部部位に対応する第1のグ
リーンシート部分に焼成後の孔径が70μm以下で、焼
成後の孔間隔が70μm以下の複数の微細貫通孔を形成
する工程と、(6)該積層物を焼成して一体的な焼結体
とする工程とを含むことを特徴とするものである。上記
した発明に従う好ましい態様には次のものがある。前記
薄肉のセラミック板の主成分が部分安定化ジルコニアで
あること。前記薄肉の部分安定化ジルコニアを主成分と
する板の結晶粒子径が2μm以下であること。前記薄肉
の部分安定化ジルコニアを主成分とする板が2〜6mo
l%の酸化イットリウムで部分安定化したものからなる
こと。前記微細貫通孔径が70μm以下であること。前
記薄肉のセラミック板の厚さが50μm以下であるこ
と。また、前記セラミック基板の厚さが80μm以上で
あること
【0005】ここで、微細貫通孔径とは、微細貫通孔の
形状が円の場合は直径、矩形の場合は長辺、楕円の場合
は長径、多角形の場合は最も長い対角線長さをいう。ま
た、微細貫通孔の形状は上記記載形状及びそれらを組み
合わせた形状が採用される。なお、微細貫通孔径は、薄
肉のセラミック板の表面の測定値と裏面の測定値との平
均値とする。また、微細貫通孔間隔dは、図6に示すよ
うに隣接する微細貫通孔間の最短の壁の厚さである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の微細貫通孔を有する部材
は、微細貫通孔間隔が70μm以下であるため、高密度
化対応が可能となる。また、素材がセラミックであるた
め信頼性も確保できる。
【0007】薄肉のセラミックの素材は部分安定化ジル
コニアが好ましい。部分安定化ジルコニアは熱膨張係数
が金属に較べて小さく、高温環境下での孔位置精度の向
上を図ることができる。また、部分安定化ジルコニアは
セラミックの中でも強度が大きいため、取扱性、耐久
性、信頼性が良く、さらに、耐腐食性、耐磨耗性、耐熱
性に優れているため、温度、媒体の適用可能範囲を広く
することができる。
【0008】薄肉の部分安定化ジルコニアを主成分とす
る板の結晶粒径は2μm以下、好ましくは1μm以下で
ある。これは、薄肉の部分安定化ジルコニアを主成分と
する板の強度、耐磨耗性、耐腐食性を向上させるためで
ある。
【0009】ジルコニアの部分安定化剤としては、酸化
イットリウムが2〜6mol%、好ましくは2.5〜
4.0mol%含有するものである。これは、薄肉の部
分安定化ジルコニアを主成分とする板の強度、耐磨耗性
を向上させるためである。
【0010】微細貫通孔径は70μm以下である。高密
度化、高精度化に応えるためである。なお、微細貫通孔
径が70μm以下とするためには、セラミックの素材が
部分安定化ジルコニアであることが好ましい。
【0011】前記薄肉のセラミック板の厚さは、50μ
m以下、好ましくは40μm以下、より好ましくは30
μm以下である。薄くすることで微細貫通孔の形成を容
易にする。すなわち、金型/NCパンチングの打ち抜き
の際のピン折れ防止、打ち抜きの精度向上(シートの表
/裏の孔径ばらつきの低減)、打ち抜き面のバリ発生防
止、レーザ加工の場合には、上記ピン折れ以外の項目と
加工時間の低減をすることができる。また、薄くするこ
とで微細貫通孔に粉体、液体等を通過させる場合、その
通過抵抗を小さくすることができる。なお、薄肉のセラ
ミック板の厚さを50μm以下とするためには、素材が
部分安定化ジルコニアを主成分とすることが強度、靱
性、耐磨耗性の点で望ましい。
【0012】セラミック基板はセラミック部材全体の剛
性を高めるために用いる。セラミック基板の厚さは80
μm以上、好ましくは100μm以上である。また、セ
ラミック基板は剛性を高めるために用いるだけでなく、
機能を有していてもよい。さらに、セラミック基板は単
一層であっても、複数層であってもよい。複数層の場
合、全ての層が同一形状である必要はなく、また、それ
ぞれの層が別々の機能を持っていてもよい。なお、図2
のセラミック基板(10)は窓部を有しないものであ
る。
【0013】
【0014】図1〜3は、それぞれ本発明の製造方法に
より得られる微細貫通孔を有するセラミック部材の具体
例を示すものである。図1は、微細貫通孔(1)を有す
る薄肉のセラミック板(7)が、窓部(3)を有するセ
ラミック基板(9)と一体となった積層焼結体であるセ
ラミック部材を示している。図2は、セラミック基板
(9)に、窓部を有さないセラミック基板(10)をさ
らに積層し一体化したセラミック部材で、図3は、窓部
(3)の形状が各々相違する3層のセラミック基板
(9)を微細貫通孔(1)を有する薄肉のセラミック板
(7)に積層一体化したセラミック部材を示すものであ
る。
【0015】第1の発明および第2の発明において、薄
肉のセラミック板用の第1のグリーンシートおよびセラ
ミック基板用の第2のグリーンシートの作製方法は次の
通りである。上記各々のグリーンシート作製用スラリー
やペーストは、従来と同様に、セラミック粉末に適当な
バインダ、可塑剤、分散剤、焼結助剤、有機溶媒などが
配合されて、調製される。そのようなスラリーやペース
トを用いて、ドクターブレード法、カレンダー法、印刷
法、リバースロールコータ法等の従来から公知の手法に
従って、所定の厚みのセラミックグリーンシートが成形
される。そして、その後必要に応じて、切断、切削、打
ち抜き、微細貫通孔の形成等の加工を施したり、複数枚
のグリーンシートが積層され、熱圧着等によって、一体
的な積層物とされたりして、所定形状および厚さの成形
物とされる。なお、微細貫通孔は金型/NCパンチン
グ、エキシマレーザ加工等により形成される。また、微
細貫通孔の形成は、グリーンシート単体の状態で行って
も、積層後行ってもよい。
【0016】上記の薄肉のセラミック板として、部分安
定化ジルコニアを主成分とするものを使用する場合に
は、部分安定化ジルコニア粉末に対して、30重量%以
下の助剤、たとえば、アルミナ、シリカ、遷移金属酸化
物、粘土、ムライト、コージェライト、スピネル、チタ
ニア等およびこれらの混合物を添加してもよい。
【0017】かかる成形物に対して焼成操作が実施さ
れ、これによって、該積層物を一体的な焼結体とする。
この時の焼成温度は、一般に、1200〜1700℃程
度、好ましくは1300〜1600℃程度の温度が採用
されることになる。なお、焼成後の前記積層物に反りが
ある場合には、平滑なセラミック製の重し等を載せて、
焼成温度近傍の温度で再焼成し、反りを修正することも
有利に採用されうる。
【0018】薄肉のセラミック板用グリーンシートの粉
末粒子径は、微細貫通孔及び微細貫通孔間隔を達成する
ためには、次に示す二つの条件を満たすことが望まし
い。グリーンシートの機械打ち抜き、エキシマレーザ加
工による微細貫通孔の形成は焼成基板加工とは異なり、
粒内を切断することができない。したがって、粉末粒子
径が大きいと、加工面を精度よく形成できなく、加工面
の平滑度が悪くなり、バリが生ずる等の問題が発生す
る。また、粉末粒子径を小さくすることで、微細貫通孔
加工等の取扱時におけるグリーンシートの伸びを効果的
に小さくすることができる。粉末粒子径の条件1薄肉の
セラミック板用グリーンシート中のバインダ、可塑剤、
分散剤等の有機物成分を除去するために、500℃、2
時間の熱処理を行い、測定試料を作製する。この試料の
BET比表面積値を測定し、粉末粒子径の球相当径D
BET を算出する。DBET を下式の範囲とすることで、微
細貫通孔の形成時の加工性、取扱性を向上させることが
できる。 0.02≦DBET ≦0.2 〔μm〕 ここで、DBET =6/ρS 〔μm〕 ρ:粉末理論密度 〔g/cm3 〕 S:粉末BET比表面積値〔m2 /g〕 DBET が0.02以下では、均一なグリーンシートの成
形が困難である。 粉末粒子径の条件2 グリーンシート成形前のスラリーを、スラリー化した溶
剤にて希釈後、ホリバ製レーザ回折式粒度測定装置LA
−700を使用し、平均粒子径を測定する。この平均粒
子径は0.8μm以下、好ましくは0.6μm以下であ
る。この平均粒子径が小さいほど、打ち抜き加工面、エ
キシマレーザ加工面の平滑度が向上する。
【0019】薄肉のセラミック板用グリーンシート中の
セラミック粉末占有率及び有機物成分占有率が以下に示
す式の範囲とすることで、微細貫通孔の加工精度向上、
加工面の平滑度改善、ボロ発生の低減、グリーンシート
の伸びの低減をさせることができる。有機物成分とは、
バインダ、可塑剤、分散剤等をいう。 0.80≦A+B≦0.98 0.40≦A≦0.55 A=GD×〔 a/(a+b)〕×1/ρce B=GD×Σ{〔bi /(a+b)〕×1/ρi } ここで、 A:セラミック粉末占有率 B:有機物成分占有率 a:セラミック粉末重量部 b:有機物成分重量部(b=Σbi ) bi :各有機物成分重量部 GD:グリーンシートの生密度 〔g/cm3 〕 ρce:セラミック粉末理論密度 〔g/cm3 〕 ρi :各有機物成分の理論密度 〔g/cm3 〕 を表す。
【0020】微細貫通孔を有する薄肉のセラミック板の
部分安定化ジルコニアの結晶相は、主として正方晶、も
しくは主として立方晶、正方晶、単斜晶の内、少なくと
も2種以上の結晶相からなる混晶とすることで部分安定
化されたジルコニアを主成分とする材料が好ましく使用
される。これは、強度と靱性とが優れているためであ
る。
【0021】グリーンシート間に接着補助層を設けるこ
とも有利に採用される。接着補助層を設けることによ
り、積層圧力を低減させることができる。積層圧力は1
00Kg/cm2 以下が好ましく、40Kg/cm2
下がより好ましい。積層圧力が大きいと微細貫通孔間の
間隔が狭いため、クラックが生じやすくなる。接着補助
層の材料としては、グリーンシート作製用スラリー、ペ
ースト、バインダ、可塑剤、溶剤、または、これらの混
合物等が用いられる。接着補助層は、塗布、印刷、噴霧
等により形成することが好ましい。
【0022】薄肉のセラミック板用のグリーンシートの
焼成収縮カーブとセラミック基板用のグリーンシートの
焼成収縮カーブとは、以下の条件を満たすことが望まし
い。 −50℃≦T(薄板)−T(基板)≦+50℃ より好ましくは −20℃≦T(薄板)−T(基板)≦+20℃ また、特に、焼成収縮初期のカーブを一致させることが
望ましい。ここで、T(薄板)、T(基板)は、それぞ
れ、薄肉のセラミック板用のグリーンシート、セラミッ
ク基板用のグリーンシートを単独で前記積層物の焼成温
度と同じ温度で焼成した際の、面方向の長さの収縮率S
(薄板)、S(基板)の50%に達するときの温度
(℃)を表わしている。上記の条件を満たさないと、シ
ートが薄いため、焼成時に発生する応力により、薄肉の
セラミック板にシワ、ヘコミが発生し易くなる。また、
微細貫通孔間隔が狭いため、孔間のセラミック部にクラ
ックが発生し易くなる。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて説明する。
先ず、薄肉のグリーンシートを次のようにして作製し
た。Y2033mol%含有部分安定化ジルコニア粉末(DBET
=0.1μm)100重量部、ポリビニルブチラール樹
脂(バインダ)8重量部、DOP(可塑剤)3重量部、
ソルビタン系分散剤2重量部、キシレン(溶剤)35重
量部、1−ブタノール(溶剤)35重量部をボールミル
にて30時間混合し、粘度2000cpsのグリーンシ
ート成形用スラリーを得た。このスラリーを真空脱泡処
理し、粘度を4000cpsに調整し、ドクターブレー
ド装置によって焼成後の厚さが30μmとなるようにグ
リーンシートを形成した。真空脱泡処理後のスラリーを
キシレン/1−ブタノール溶剤(重量比1:1)にて希
釈し、平均粒子系を測定した結果、0.58μmであっ
た。なお、測定装置は、ホリバ製レーザ回折式粒度測定
装置LA−700を使用した。また、このようにして得
られたグリーンシート中のセラミック粉末占有率は49
%、溶剤を除いた有機成分占有率とセラミック粉末占有
率との合計は88%であった。次に、上記薄肉のグリー
ンシートにNCパンチングマシンを用いて、焼成後、図
5に示すように微細貫通孔(1)(直径40μm、孔間
隔36.7μm)を2832個(708孔/列×4列)
形成し、さらに外形(230×20mm)切断を行っ
た。
【0024】次に、上記薄肉のグリーンシート成形用ス
ラリーを用い、ドクターブレード装置によって焼成後の
厚さが150μmとなるようにセラミック基板用のグリ
ーンシートを形成した。次に、このセラミック基板用の
グリーンシート上への接着補助層の形成を次の通り行っ
た。Y2033mol%含有部分安定化ジルコニア粉末(DBET
=0.1μm)100重量部、ポリビニルブチラール樹
脂(バインダ)13重量部、DOP(可塑剤)5重量
部、2−エチルヘキサノール(溶剤)50重量部をトリ
ロールミルにて混練し、粘度20000cpsの接着補
助層用ペーストを得た。このペーストをスクリーン印刷
装置を用いて、セラミック基板用のグリーンシート上に
印刷し、乾燥後の厚さが6μmである接着補助層を形成
した。次に、このようにして得られた接着補助層付きグ
リーンシートを切断及び打ち抜きをし、図5に示す形状
(窓部の大きさ201×0.95mm)とした。次に、
前記薄肉のグリーンシートと前記接着補助層付きグリー
ンシートとを重ね合わせ、30Kg/cm2 、80℃、
1分の条件下で熱圧着し、積層一体化物を作製した。次
に、前記積層一体化物を1500℃、3時間にて焼成し
た。さらに、この焼成物を2mm厚の多孔質のアルミナ
平板で挟み込み、1500℃、5時間にて再焼成して反
りを修正した。薄肉部のセラミック粒子の平均結晶粒径
は、0.7μmであった。
【0025】また、このようにして作製された微細貫通
孔を有するセラミック部材の応用例として、セラミック
部材をイオン流制御ヘッド部材として用いた場合につい
て、図4に基づいて説明する。この微細貫通孔(1)を
有するセラミック板(7)が、窓部(3)を有するセラ
ミック基板(9)と一体となって積層焼結されたセラミ
ック部材に対し、このセラミック部材の上面に電界シャ
ッター用電極(15)(金電極、厚さ0.3μm)を形
成したものと、誘電体薄板(21)の表裏にライン電極
(11)とフィンガー電極(12)を設けたイオン発生
源と、誘電体ドラム(19)とを組み合わせることによ
り図4に示すイオン流制御ヘッドを構成することができ
る。本発明はイオン流制御ヘッドに限るものではない。
薄肉部に微細貫通孔を有する部材が要求される他の適当
なものでも構わない。
【0026】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う部材にあっては、微細貫通孔を有する薄肉部のセ
ラミックが耐熱性、耐磨耗性、耐蝕性、低熱膨張性の材
料からなるため、部材の使用可能温度範囲の拡大、適用
可能な媒体の種類の範囲を広くすることができ、かつ位
置寸法精度、耐久性のよい微細貫通孔を有する部材とな
る。したがって、広範囲の機器に適用できるため、本発
明は極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)本発明に従う微細貫通孔を有する部材
(例1) (b)(a)のA−A断面図 (c)(a)のB−B断面図
【図2】 (a)本発明に従う微細貫通孔を有する部材
(例2) (b)(a)のA−A断面図 (c)(a)のB−B断面図
【図3】 (a)本発明に従う微細貫通孔を有する部材
(例3) (b)(a)のA−A断面図 (c)(a)のB−B断面図
【図4】 イオン流制御ヘッドの構成例
【図5】 (a)電界シャッター用電極構成例 (b)(a)のA−A断面図 (c)(a)のB−B断面図
【図6】 微細貫通孔間隔dの説明図
【符号の説明】
1 微細貫通孔 3 窓部 7 薄肉のセラミック板 9、10 セラミック基板 11 ライン電極 12 フィンガー電極 13 金電極 15 電界シャッター用電極 19 誘電体ドラム 21 誘電体薄板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B28B 1/00 C04B 35/48 - 35/493 EPAT(QUESTEL) WPI/L(QUESTEL)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄肉のセラミック板用の第1のグリーン
    シートを作製する工程と、 第1のグリーンシートに焼成後の孔径が70μm以下
    で、焼成後の孔間隔が70μm以下の複数の微細貫通孔
    を形成する工程と、 セラミック基板用の第2のグリーンシートを作製する工
    程と、 第2のグリーンシートに少なくとも一つの窓部を形成す
    る工程と、 少なくとも一つの窓部を有する第2のグリーンシートに
    対して、その窓部部位に複数の微細貫通孔部分が合うよ
    うに第1のグリーンシートを積層し、一体的な積層物と
    する工程と、 該積層物を焼成して一体的な焼結体とする工程とを含む
    ことを特徴とする微細貫通孔を有するセラミック部材の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 薄肉のセラミック板用の第1のグリーン
    シートを作製する工程と、 セラミック基板用の第2のグリーンシートを作製する工
    程と、 第2のグリーンシートに少なくとも一つの窓部を形成す
    る工程と、 少なくとも一つの窓部を有する第2のグリーンシートに
    対して、その窓部部位を覆蓋するように第1のグリーン
    シートを積層し、一体的な積層物とする工程と、 該積層物の窓部部位に対応する第1のグリーンシート部
    分に焼成後の孔径が70μm以下で、焼成後の孔間隔が
    70μm以下の複数の微細貫通孔を形成する工程と、 該積層物を焼成して一体的な焼結体とする工程とを含む
    ことを特徴とする微細貫通孔を有するセラミック部材の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記薄肉のセラミック板の主成分が部分
    安定化ジルコニアである特許請求の範囲第1項または第
    2項に記載の微細貫通孔を有するセラミック部材の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記薄肉の部分安定化ジルコニアを主成
    分とする板の結晶粒子径が2μm以下である特許請求の
    範囲第3項に記載の微細貫通孔を有するセラミック部材
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記薄肉の部分安定化ジルコニアを主成
    分とする板が2〜6mol%の酸化イットリウムで部分
    安定化したものからなる特許請求の範囲第3項または第
    4項に記載の微細貫通孔を有するセラミック部材の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記微細貫通孔径が70μm以下である
    特許請求の範囲第1項〜第5項の何れかに記載の微細貫
    通孔を有するセラミック部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記薄肉のセラミック板の厚さが、50
    μm以下である特許請求の範囲第1項〜第6項の何れか
    に記載の微細貫通孔を有するセラミック部材の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記セラミック基板の厚さが80μm以
    上である特許請求の範囲第1項〜第7項の何れかに記載
    の微細貫通孔を有するセラミック部材の製造方法。
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