JP3236326U - ロールペーパカッタ - Google Patents

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Abstract

【課題】ロールペーパから引き出されるペーパ部をきれいな切り口に切断することが可能なロールペーパカッタを提供すること。【解決手段】ロールペーパカッタ4は、ロールペーパから引き出されたペーパ部をロールの軸方向に沿って延びる先端縁への押し付けにより切断することが可能な切断歯10を有する。切断歯10は、その先端縁に沿って軸方向に連続的に並ぶ複数の歯11を有する。複数の歯11が、各々の歯先A1から歯底A2までの全領域において歯11の突出方向に凸となる凸湾曲面が連続する歯面11Aを有し、かつ、隣り合う歯11と各々の歯底A2で接する。【選択図】図6

Description

本考案は、ロールペーパカッタに関する。詳しくは、ロールペーパから引き出されたペーパ部をロールの軸方向に沿って延びる先端縁への押し付けにより切断することが可能な切断歯を有するロールペーパカッタに関する。
特許文献1には、ロールペーパから引き出されたペーパ部を切断するためのロールペーパカッタが開示されている。このロールペーパカッタは、ロールペーパの上部に被せられるカバープレートの先端に沿って長尺状に延びる形に設けられている。ロールペーパカッタは、その先端縁に沿って形成された鋸歯状の切断歯にペーパ部が押し付けられることにより、ペーパ部を切断歯の形に沿って切断する。
特許第6086242号公報
特許文献1に記載の構成では、切断歯の各歯の先端がV字状に尖った形状とされる。そのため、切断歯にペーパ部が押し付けられることで、ペーパ部が、先ず、各歯の先端において断続的に点状に切り込まれ、その後に、各歯のV字の立ち上がり面に沿ってギザギザ状に切り込まれることとなる。その結果、ペーパ部の切り口がギザギザ状に乱れた形に蛇行しやすくなる。そこで、本考案は、ロールペーパから引き出されるペーパ部をきれいな切り口に切断することが可能なロールペーパカッタを提供する。
上記課題を解決するために、本考案のロールペーパカッタは次の手段をとる。すなわち、ロールペーパカッタは、ロールペーパから引き出されたペーパ部をロールの軸方向に沿って延びる先端縁への押し付けにより切断することが可能な切断歯を有する。切断歯は、上記先端縁に沿って軸方向に連続的に並ぶ複数の歯を有する。複数の歯が、各々の歯先から歯底までの全領域において歯の突出方向に凸となる凸湾曲面が連続する歯面を有し、かつ、隣り合う歯と各々の歯底で接する。
上記構成によれば、ペーパ部が切断歯の先端縁に押し付けられた際に、各歯の歯面がペーパ部に対して各々の歯先の近傍箇所で軸方向に広く線状に当てられやすくなる。したがって、各歯の歯先の近傍箇所で、先ず、ペーパ部を軸方向に広く線状に切り込むことができる。更に、そこから、各歯の歯面が歯先の近傍箇所においては奥側への立ち上がりの少ない凸湾曲面状とされることから、ペーパ部を各歯の歯面に沿って軸方向に比較的真っ直ぐ切り込むことができる。そして、このような各歯が互いの歯底で接するように連続して並ぶことから、ペーパ部を広い範囲に亘ってギザギザ状の切り込みが少ないきれいな切り口に切断することができる。
また、本考案のロールペーパカッタは、更に次のように構成されていてもよい。複数の歯の歯面が、各々の一方の歯底から歯先を通る他方の歯底にかけて、真円の円弧状に湾曲する凸湾曲面形状とされる。
上記構成によれば、ペーパ部が切断歯の先端縁に押し付けられた際に、各歯の歯面がペーパ部に対してより適切に各々の歯先の近傍箇所で軸方向に広く線状に当てられやすくなる。また、各歯の歯先が丸まった形状となるため、ロールペーパからペーパ部を引き出す際に、ペーパ部が各歯の歯先に引掛かりにくくなる。
また、本考案のロールペーパカッタは、更に次のように構成されていてもよい。複数の歯が、各々の歯底から歯先に向かって厚さが先細りとなる形状とされる。
上記構成によれば、切断歯の基部を厚くして構造強度を確保しつつ、切断歯の先端を薄くしてペーパ部に作用させるせん断応力を高めることができる。それにより、切断歯の強度確保と切れ味確保との両立を図ることができる。
また、本考案のロールペーパカッタは、更に次のように構成されていてもよい。複数の歯のうち、最も外側に形成される端側の歯の歯面が、外側から切り欠かれた切欠き面を有する形状とされる。
上記構成によれば、最も外側に形成される端側の歯の歯面を、他の歯の歯面と比べて、ペーパ部を引掛けやすい角張った形状とすることができる。それにより、引き出したペーパ部を切断歯に対して軸方向の外側から斜めに押し付けるように力を掛けた際に、ペーパ部を最も外側の歯の歯面の切欠き面に引掛けてより適切に切断することが可能となる。
また、本考案のロールペーパカッタは、更に次のように構成されていてもよい。複数の歯のうち、最も外側に形成される両端側の歯を残す残りの各歯の歯先を結ぶ線分が、軸方向の両端から中央に向かって上記突出方向に張り出す形状とされる。
上記構成によれば、引き出したペーパ部を切断歯に真っ直ぐ押し付けるように力を掛けた際に、ペーパ部を先ず切断歯の中央部分の歯に押し付けて部分的に切断することができる。そして、そこから、ペーパ部を上記切断された中央部分から軸方向の両端に向かって徐々に切り込みを進行させるように円滑に切断することができる。
また、本考案のロールペーパカッタは、更に次のように構成されていてもよい。上記線分が、上記突出方向に凸となる真円の円弧状に湾曲する。上記構成によれば、切断歯の先端縁を、凸湾曲面状に丸みのある形に湾曲する見栄えの良い形に形成することができる。
また、本考案のロールペーパカッタは、更に次のように構成されていてもよい。ロールペーパカッタが、ロールペーパを保持するロールペーパホルダの構成部材に対して、切断歯が構成部材から張り出すように設けられる。複数の歯のうち、最も外側に形成される端側の歯と外側から2番目の歯との間の歯底が上記構成部材から張り出す張出長さが、2番目の歯の歯底から歯先までの歯丈よりも小さい。
上記構成によれば、切断歯の最も外側に形成される端側の歯と構成部材との間の段差を小さく抑えることができる。したがって、引き出したペーパ部が切断歯から軸方向の外側に食み出した位置から切断歯に斜めに押し付けられても、ペーパ部を比較的きれいな切り口に切断することができる。
また、本考案のロールペーパカッタは、更に次のように構成されていてもよい。複数の歯のうち、最も外側に形成される両端側の歯を残す残りの各歯の歯面が、互いに同一の形状及び大きさとされる。上記構成によれば、切断歯の形状を単純化して、構成の簡素化を図ることができる。
第1の実施形態に係るロールペーパカッタの概略構成を表す斜視図である。 カバープレートを裏側から見た斜視図である。 ロールペーパカッタを拡大して表す斜視図である。 ロールペーパカッタの正面図である。 ロールペーパカッタの側面図である。 図3のVI部拡大図である。 図3のVII部拡大図である。 図4のVIII部拡大図である。 図4のIX部拡大図である。
以下に、本考案を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
《第1の実施形態》
(ロールペーパカッタ4の概略構成)
始めに、本考案の第1の実施形態に係るロールペーパカッタ4の構成について、図1~図9を用いて説明する。なお、以下の説明において、手前、奥、上、下、左、右等の各方向を示す場合には、各図中に示されたそれぞれの方向を指すものとする。各図中に示す方向は、それぞれ、本実施形態に係るロールペーパカッタ4が適用されたロールペーパホルダ1を正面から見た方向となっている。以下の説明において、具体的な参照図を示さない場合、或いは参照図に該当する符号がない場合には、図1~図9のいずれかの図を適宜参照するものとする。
図1に示すように、本実施形態に係るロールペーパカッタ4は、トイレの壁面Wに設置されるロールペーパホルダ1に組み込まれている。ロールペーパホルダ1は、ロールペーパPを回転可能なように横向きにセットすることができる構成とされる。具体的には、ロールペーパホルダ1は、壁面Wにビス締めにより固定される樹脂製のホルダ本体2と、ホルダ本体2に上方から蓋をする形に組み付けられる樹脂製のカバープレート3と、を有する。
また、ロールペーパホルダ1は、カバープレート3の図示手前側の縁部に沿って形成される樹脂製のロールペーパカッタ4を有する。ロールペーパカッタ4は、カバープレート3との一体成形により形成されている。ロールペーパカッタ4は、ロールペーパPから引き出されるペーパ部Paを図示下方からの押し付けにより切断することができる切断歯10を備える構成とされる。ここで、カバープレート3が、本考案の「構成部材」に相当する。
ホルダ本体2は、壁面Wに当てられてビス締めされる固定板2Aと、固定板2Aの左右の縁から図示手前側に向かって立板状に張り出す左右一対の側板2Bと、を有する平面視U字板状を成す形に形成されている。各側板2Bの内側部には、それぞれ、内側に向かって張り出す支持爪2Cが設けられている。これら支持爪2Cは、ロールペーパPの図示しない筒芯に左右各側から差し込まれて筒芯を回転可能なように支持するペーパ支持部として構成される。
ホルダ本体2は、各支持爪2CにロールペーパPの筒芯がそれぞれ内側から差し込まれるようにセットされることにより、各支持爪2CによりロールペーパPの筒芯をそれぞれ回転可能なように支持する状態となる。上記ロールペーパPの組み付けにより、ホルダ本体2は、ロールペーパPの各側面を各側板2Bによりそれぞれ側方から面状に覆った状態となる。
カバープレート3は、平板状の天板部3Aと、天板部3Aの図示手前側の縁部から下方に向かって手前側に凸となる湾曲面状に延びる湾曲板部3Bと、を有する曲板形状に形成されている。カバープレート3は、次のようにホルダ本体2の各側板2Bの間に上方から蓋をする形に組み付けられている。
先ず、カバープレート3の天板部3Aの左右の各側部の後端から張り出す支軸ピン3Cを、それぞれ、ホルダ本体2の各側板2Bの後上端の内側部に形成された不図示の凹部内に内側からスナップフィット嵌合させて組み付ける。それにより、カバープレート3が、ホルダ本体2の各側板2Bの間に上方から架け渡される形にセットされる。上記カバープレート3は、ロールペーパPが上述した手順によってホルダ本体2に組み付けられることにより、ロールペーパPの上部に面状に被せられる形にセットされる。
詳しくは、カバープレート3は、上記組み付けられるロールペーパPの径に応じて、各支軸ピン3Cのまわりに上下動して、常にロールペーパPの上部に重力作用により当てられる状態となるようにロールペーパPの上部にセットされる。上記カバープレート3は、ロールペーパPのロールの端が使用者により図示手前斜め下方へと引き出される際にも、ロールペーパPから引き出されるペーパ部Paの引き出し方向に応じて、ペーパ部Paにより下方から押し上げられる形で各支軸ピン3Cのまわりに回転する。
図2に示すように、カバープレート3は、その湾曲板部3Bの曲げられた先の縁部の裏面に、左右方向の複数箇所から板状に突出するリブ3Dが形成された構成とされる。各リブ3Dは、それぞれ、左右方向に等間隔に真っ直ぐ並ぶように配置されている。各リブ3Dは、互いに同一の形状及び大きさに形成されている。
具体的には、各リブ3Dは、それぞれ、図1で前述したロールペーパPのペーパ部Paの引き出し方向に沿って真っ直ぐ延びるようにカバープレート3の裏面から突出する形状とされる。図2に示すように、各リブ3Dは、それぞれ、それらの延びる方向に上り斜面と下り斜面とを有する山状に突出する形に形成されている。それにより、カバープレート3は、図1で前述したロールペーパPからペーパ部Paが図示手前斜め下方へと引き出される際に、各リブ3Dがペーパ部Paとそれぞれ線状に接触する構成とされる。
上記線状の接触により、カバープレート3は、その裏面とペーパ部Paとの接触面積が低減される。詳しくは、図5に示すように、各リブ3Dが、上記山状に突出するように延びる形状とされることから、ペーパ部Paを山の図示奥側の上り斜面に沿ってスムーズに乗り上がらせつつ引き出し方向にスムーズに摺動させられるように案内することができる構成とされる。
また、ペーパ部Paが各リブ3D上に乗り上がることで、ペーパ部Paがカバープレート3の先端のロールペーパカッタ4から図示奥側に引き離される。それにより、ペーパ部Paをロールペーパカッタ4に接触させにくい態様でロールペーパPから図示手前斜め下方へとスムーズに引き出すことができる。
また、各リブ3Dは、それらの山の図示手前側に下り斜面を有する形状とされる。したがって、ロールペーパPから引き出されたペーパ部Paを上に持ち上げてロールペーパカッタ4の切断歯10の先端縁に押し付けて切断する際には、ペーパ部Paを各リブ3Dの山の下り斜面に沿って切断歯10の先端縁に図示奥側から適切に近付けて、切断歯10の先端縁に図示下方から適切に押し付けることができる。
図2に示すように、カバープレート3は、その裏面の左右各側の縁部に、各縁部に沿って板状に張り出すガイド3Eが形成されている。これらガイド3Eは、カバープレート3の裏面に当てられるロールペーパPの左右方向の移動を規制する規制部として機能する。
これらガイド3Eにより、ロールペーパPは、ペーパ部Paを図示手前斜め下方に引き出す際に、ペーパ部Paがカバープレート3から左右方向に食み出さないようにカバープレート3に対する左右方向の移動が規制される。したがって、引き出したペーパ部Paを持ち上げてロールペーパカッタ4に図示下方から押し付ける際に、ペーパ部Paを左右方向の広い範囲に亘ってロールペーパカッタ4に下方から適切に押し付けることができる。
(ロールペーパカッタ4の具体的な構成)
図3~図5に示すように、ロールペーパカッタ4は、カバープレート3の湾曲板部3Bの先端面から張り出す切断歯10を備える構成とされる。切断歯10は、カバープレート3の湾曲板部3Bの先端面に沿って左右方向に連続的に並ぶ複数の歯11を備える構成とされる。上記歯11の並び方向となる左右方向は、図1で前述したロールペーパPのロールの軸方向と平行な方向とされる。
切断歯10は、左右対称な形に形成されている。切断歯10は、カバープレート3の湾曲板部3Bの先端面の左右の端までは形成されておらず、左右の端から僅かに内側に入った領域において左右方向に連続的に延びる形に形成されている。
図6~図7に示すように、切断歯10を構成する各歯11は、それぞれ、カバープレート3の湾曲板部3Bの先端面から凸湾曲面状に突出する歯面11Aを有する形に形成されている。各歯11の歯面11Aは、それぞれ、真円の円弧状に湾曲する形に形成されている。詳しくは、図8~図9に示すように、各歯11の歯面11Aは、各々の歯先A1から歯底A2までの全領域において、互いに同一の曲率で延びる真円の円弧状に湾曲する形に形成されている。
そして、各歯11は、隣り合う歯11と各々の歯底A2で接するように左右方向に連続的に並ぶ形に形成されている。図3~図4に示すように、上記各歯11のうち、右端と左端に並ぶ両端側の各歯11は、それらの歯面11Aが外側から斜め内向きに切り欠かれた切欠き面11Bを有する形に形成されている(図7及び図9参照)。それにより、両端の歯11は、それらの歯面11Aが、他の歯11の歯面11Aと比べて、ペーパ部Paを外側から引掛けやすい角張った形状とされている。
また、図6及び図8に示すように、その他の各歯11の歯面11Aは、それぞれ、各々の一方の歯底A2から歯先A1を通る他方の歯底A2にかけて、一定の曲率で延びる真円の円弧状に湾曲する形に形成されている。上記両端以外の各歯11の歯面11Aは、各々の突出する向きが僅かに異なるものの、互いに同一の形状及び大きさに形成されている。
図4に示すように、上記切断歯10は、上記両端以外の各歯11の歯先A1を結ぶ線分Dが、左右方向の両端から中央に向かって各歯11の突出方向に湾曲する形に形成されている。具体的には、上記線分Dは、切断歯10の左右方向の中心を頂点とする真円の円弧状に湾曲する形状とされる。両端の歯11は、それらの歯面11Aに切欠き面11Bが切り欠かれた構成により、上記線分Dの延長線よりも引っ込んだ形状とされる。両端の歯11は、それらの歯面11Aに切欠き面11Bが仮に切り欠かれていなければ、他の歯11と同様、それらの歯面11Aを延長した先の歯先(不図示)が上記線分D上を通る形状とされる。
図5に示すように、上記切断歯10は、その奥側の歯裏面11Cと手前側の歯表面11Dとの間の厚さTが、カバープレート3の湾曲板部3Bから張り出す基部から先端にかけて、漸次先細りとなる形状とされる。具体的には、切断歯10は、その奥側の歯裏面11Cが、カバープレート3の湾曲板部3Bの先端面から湾曲板部3Bの延びる方向に沿って真っ直ぐ延び出る形に形成されている。切断歯10の歯裏面11Cは、左右方向に平坦状に延びる平坦面とされる。
そして、切断歯10の各歯11の歯面11Aは、切断歯10の歯裏面11Cと直角を成す形に形成されている。上記歯裏面11Cに対し、切断歯10の歯表面11Dは、カバープレート3の湾曲板部3Bの先端面から、切断歯10の各歯11の歯面11Aに対して、鈍角の角度を成すように斜めに真っ直ぐ延び出る形に形成されている。切断歯10の歯表面11Dは、切断歯10の各歯11の出っ張り位置に応じて、カバープレート3の湾曲板部3Bからの延び出し長さが異なる形状とされる。
また、切断歯10の歯表面11Dは、切断歯10の各歯11の出っ張り位置に応じて、カバープレート3の湾曲板部3Bの先端面から延び出る厚さ方向の位置、すなわち歯裏面11Cからの離間寸法(歯裏面11Cとの間の厚さT)が異なる形状とされる。具体的には、切断歯10の歯表面11Dは、各歯11の並びの中央、すなわち各歯11の出っ張りが大きくなる中央にいくほど、歯裏面11Cから厚さ方向に大きく離間した位置から、各歯11の歯先A1に向かって長く延び出る形に形成されている。
反対に、切断歯10の歯表面11Dは、各歯11の並びの両端、すなわち各歯11の出っ張りが小さくなる両端にいくほど、歯裏面11Cに対して厚さ方向に接近した位置から、各歯11の歯先A1に向かって短く延び出る形に形成されている。このような構成により、切断歯10は、各歯11の出っ張りが大きくなる中央の領域の構造強度も適切に確保された構成とされる。そしてその上で、切断歯10は、各歯11の歯面11Aの厚さTが薄く形成されて、ペーパ部Paに作用させるせん断応力を適切に高めることができる構成とされる。すなわち、切断歯10の強度確保と切れ味確保との両立が図られている。
図3~図4に示すように、上記切断歯10は、上述したように両端以外の各歯11の歯先A1を結ぶ線分Dが真円の円弧状を描く湾曲した形に形成されている。それに伴い、切断歯10は、図7に示すように、両端の歯11とこれらの内側に並ぶ2番目の各歯11との間の歯底A2が、カバープレート3の湾曲板部3Bの先端面にかなり接近した配置とされている。
具体的には、図9に示すように、切断歯10のカバープレート3からの張り出し形状は、カバープレート3の湾曲板部3Bの先端面から上述した両端側の各歯底A2まで張り出す各張出長さLが、2番目の各歯11の歯底A2から歯先A1までの歯丈Hよりも小さくなる大きさに設定されている。それにより、切断歯10の両端の各歯11とカバープレート3の湾曲板部3Bの先端面との間の段差Sが小さく抑えられている。
図5に示すように、上記構成のロールペーパカッタ4は、次のようにロールペーパPから引き出されたペーパ部Paを上に持ち上げることにより、ペーパ部Paを切断歯10の先端縁に下方から押し付けて切断することができる。すなわち、先ず、使用者が、ロールペーパPからペーパ部Paを図示下方に引き出した後、カバープレート3を上から手で押さえながらペーパ部Paを上に持ち上げて切断歯10の先端縁に図示下方から押し付ける。
それにより、ペーパ部Paが、切断歯10の各歯11の歯面11Aに押し付けられて、先ず、押し付けられた各歯11の歯先A1の近傍箇所において、各歯11の凸湾曲面状に延びる歯面11Aに沿って左右方向に広く線状に切り込まれる。更に、そこから、各歯11の歯面11Aが歯先A1の近傍箇所においては奥側への立ち上がりの少ない凸湾曲面状とされることから、ペーパ部Paが各歯11の歯面11Aに沿って奥側への蛇行を伴うことなく左右方向に比較的真っ直ぐ切り込まれる。そして、このような各歯11が互いの歯底A2(図5~図6参照)で接するように連続して並ぶことから、ペーパ部Paを広い範囲に亘ってギザギザ状の切り込みが少ないきれいな切り口に切断することができる。
その際、ペーパ部Paがロールペーパカッタ4に対して図示下方から真っ直ぐ当てられた場合には、ペーパ部Paは、先ず、切断歯10の各歯11のうち、出っ張りが最も大きい中央部分の各歯11(図3~図4参照)に当てられて、中央部分が先行して切断される。そして、そこから、ペーパ部Paは、上記切断された中央部分から左右の端に向かって徐々に切り込みを進行させるように円滑に切断される。
また、ペーパ部Paがロールペーパカッタ4に対して左右に捩られるように図示下方から斜めに引張られて当てられる場合には、ペーパ部Paは、先ず、切断歯10のどちらか一方の端の歯11に当てられる。それにより、ペーパ部Paは、上記端の歯11に形成された切欠き面11Bの角張った角部に引掛けられて、そこから先行して切断される。そして、そこから、ペーパ部Paは、上記切断された一方の端から他方の端に向かって徐々に切り込みを進行させるように円滑に切断される。
また、ペーパ部Paは、上記斜めの引張りにより、切断歯10のどちらか一方の端の歯11に先行して当てられる際に、ペーパ部Paが切断歯10の端の歯11よりも外側に食み出した位置、すなわちカバープレート3の先端面に押し付けられることがあったとしても、カバープレート3の先端面と端の歯11との間の段差S(図9参照)が小さいことから、ペーパ部Paのより端に近い領域を端の歯11の切欠き面11Bに引掛けることができる。したがって、上記のような場合でも、ペーパ部Paを端から比較的きれいに切断することができる。
また、ペーパ部Paは、上記斜めの引張りにより、端の歯11以外の各歯11に先行して当てられることがあっても、各歯11の歯先A1を結ぶ線分Dが中央に向かって凸湾曲状に張り出す形状とされることから、各歯11に対して横滑りを生じにくい態様で押し付けられて切断される。すなわち、切断歯10は、各歯11の歯先A1が上記のような張り出しを伴わない真横に真っ直ぐ延びる直線状や凹湾曲を描く形に並ぶような構成と比べて、ペーパ部Paを図示下方から斜めに押し付ける力に対してペーパ部Paを横滑りさせにくい態様で押し付けることができる構成とされる。
以上をまとめると、第1の実施形態に係るロールペーパカッタ4は、次のような構成となっている。なお、以下において括弧書きで付す符号は、上記実施形態で示した各構成に対応する符号である。
すなわち、ロールペーパカッタ(4)は、ロールペーパ(P)から引き出されたペーパ部(Pa)をロールの軸方向に沿って延びる先端縁への押し付けにより切断することが可能な切断歯(10)を有する。切断歯(10)は、上記先端縁に沿って軸方向に連続的に並ぶ複数の歯(11)を有する。複数の歯(11)が、各々の歯先(A1)から歯底(A2)までの全領域において歯(11)の突出方向に凸となる凸湾曲面が連続する歯面(11A)を有し、かつ、隣り合う歯(11)と各々の歯底(A2)で接する。
上記構成によれば、ペーパ部(Pa)が切断歯(10)の先端縁に押し付けられた際に、各歯(11)の歯面(11A)がペーパ部(Pa)に対して各々の歯先(A1)の近傍箇所で軸方向に広く線状に当てられやすくなる。したがって、各歯(11)の歯先(A1)の近傍箇所で、先ず、ペーパ部(Pa)を軸方向に広く線状に切り込むことができる。更に、そこから、各歯(11)の歯面(11A)が歯先(A1)の近傍箇所においては奥側への立ち上がりの少ない凸湾曲面状とされることから、ペーパ部(Pa)を各歯(11)の歯面(11A)に沿って軸方向に比較的真っ直ぐ切り込むことができる。そして、このような各歯(11)が互いの歯底(A2)で接するように連続して並ぶことから、ペーパ部(Pa)を広い範囲に亘ってギザギザ状の切り込みが少ないきれいな切り口に切断することができる。
また、複数の歯(11)の歯面(11A)が、各々の一方の歯底(A2)から歯先(A1)を通る他方の歯底(A2)にかけて、真円の円弧状に湾曲する凸湾曲面形状とされる。上記構成によれば、ペーパ部(Pa)が切断歯(10)の先端縁に押し付けられた際に、各歯(11)の歯面(11A)がペーパ部(Pa)に対してより適切に各々の歯先(A1)の近傍箇所で軸方向に広く線状に当てられやすくなる。また、各歯(11)の歯先(A1)が丸まった形状となるため、ロールペーパ(P)からペーパ部(Pa)を引き出す際に、ペーパ部(Pa)が各歯(11)の歯先(A1)に引掛かりにくくなる。
また、複数の歯(11)が、各々の歯底(A2)から歯先(A1)に向かって厚さ(T)が先細りとなる形状とされる。上記構成によれば、切断歯(10)の基部を厚くして構造強度を確保しつつ、切断歯(10)の先端を薄くしてペーパ部(Pa)に作用させるせん断応力を高めることができる。それにより、切断歯(10)の強度確保と切れ味確保との両立を図ることができる。
また、複数の歯(11)のうち、最も外側に形成される端側の歯(11)の歯面(11A)が、外側から切り欠かれた切欠き面(11B)を有する形状とされる。上記構成によれば、最も外側に形成される端側の歯(11)の歯面(11A)を、他の歯(11)の歯面(11A)と比べて、ペーパ部(Pa)を引掛けやすい角張った形状とすることができる。それにより、引き出したペーパ部(Pa)を切断歯(10)に対して軸方向の外側から斜めに押し付けるように力を掛けた際に、ペーパ部(Pa)を最も外側の歯(11)の歯面(11A)の切欠き面(11B)に引掛けてより適切に切断することが可能となる。
また、複数の歯(11)のうち、最も外側に形成される両端側の歯(11)を残す残りの各歯(11)の歯先(A1)を結ぶ線分(D)が、軸方向の両端から中央に向かって上記突出方向に張り出す形状とされる。上記構成によれば、引き出したペーパ部(Pa)を切断歯(10)に真っ直ぐ押し付けるように力を掛けた際に、ペーパ部(Pa)を先ず切断歯(10)の中央部分の歯(11)に押し付けて部分的に切断することができる。そして、そこから、ペーパ部(Pa)を上記切断された中央部分から軸方向の両端に向かって徐々に切り込みを進行させるように円滑に切断することができる。
また、上記線分(D)が、上記突出方向に凸となる真円の円弧状に湾曲する。上記構成によれば、切断歯(10)の先端縁を、凸湾曲面状に丸みのある形に湾曲する見栄えの良い形に形成することができる。
また、ロールペーパカッタ(4)が、ロールペーパ(P)を保持するロールペーパホルダ(1)の構成部材(3)に対して、切断歯(10)が構成部材(3)から張り出すように設けられる。複数の歯(11)のうち、最も外側に形成される端側の歯(11)と外側から2番目の歯(11)との間の歯底(A2)が上記構成部材(3)から張り出す張出長さ(L)が、2番目の歯(11)の歯底(A2)から歯先(A1)までの歯丈(H)よりも小さい。
上記構成によれば、切断歯(10)の最も外側に形成される端側の歯(11)と構成部材(3)との間の段差(S)を小さく抑えることができる。したがって、引き出したペーパ部(Pa)が切断歯(10)から軸方向の外側に食み出した位置から切断歯(10)に斜めに押し付けられても、ペーパ部(Pa)を比較的きれいな切り口に切断することができる。
また、複数の歯(11)のうち、最も外側に形成される両端側の歯(11)を残す残りの各歯(11)の歯面(11A)が、互いに同一の形状及び大きさとされる。上記構成によれば、切断歯(10)の形状を単純化して、構成の簡素化を図ることができる。
《その他の実施形態について》
以上、本考案の実施形態を1つの実施形態を用いて説明したが、本考案は上記実施形態のほか、以下に示す様々な形態で実施することができるものである。
1.本考案のロールペーパカッタは、ロールペーパを保持するロールペーパホルダのカバープレートの他、ロールペーパホルダのホルダ本体に設けられる構成であっても良い。また、ロールペーパカッタは、ロールペーパから引き出されたペーパ部を下方から押し付けて切断するものの他、ペーパ部を上方又は前後から押し付けて切断するものであっても良い。また、ロールペーパカッタは、キッチンロールペーパ(ロール状のキッチンペーパ)等のトイレットロールペーパ(ロール状のトイレットペーパ)以外のロールペーパを切断する用途にも適用することができるものである。
2.切断歯を構成する各歯の歯面は、真円の円弧以外の形、すなわち、領域によって曲率が変化する形に湾曲する形状から成るものであっても良い。また、各歯の歯面は、必ずしも互いに同一の形状および大きさから成るものでなくても良く、大小様々な大きさや一部が他と異なる形状から成るものであっても良い。
また、切断歯を構成する各歯は、各々の歯底から歯先に向かって厚さが先細りとなるものの他、厚さが一定の寸胴な形から成るものであってもよい。また、各歯は、それらの歯表面と歯裏面との両面が、歯面に対してそれぞれ鈍角の角度を成すように斜めに延び出る先細り形状とされたものであっても良い。また、各歯は、それらの歯表面及び/又は歯裏面が、歯面に対して凸湾曲面状或いは凹湾曲面状に延び出る先細り形状とされたものであっても良い。また、各歯は、ロールペーパカッタが取り付けられる取付部材(ロールペーパホルダの構成部材等)から各々の歯底までが寸胴に張り出し、歯底から歯先にかけて先細りとなる形状から成るものであっても良い。
3.また、上記実施形態では、両端の歯の歯面に外側から切り欠かれた切欠き面が形成された構成を例示したが、切欠き面のない構成であっても良い。また、両端の歯の歯面に切欠き面が形成される場合において、両端の歯の歯面が、両端から2番目の歯の歯面よりも大きく突出するように形成されていても良い。それにより、ペーパ部を斜めに引張って端の歯に押し付ける際に、ペーパ部を端の歯の切欠き面により角張った角部に更に引掛けやすくすることができる。また、両端の歯の歯面は、切欠き面を有するか否かに関わらず、それらの実際の歯先が、両端以外の各歯の歯先を結ぶ線分の延長線上を通る形に形成されたものであっても良い。
4.切断歯は、その各歯の歯先を結ぶ線分が、軸方向の両端から中央に向かって歯の突出方向に凸となる真円の円弧状に湾曲するものの他、真円の円弧以外の形、すなわち、領域によって曲率が変化する形に湾曲する形状から成るものであっても良い。また、上記線分は、軸方向の両端から中央に向かって歯の突出方向に直線状に張り出すように延びるV字形状や、歯の突出方向とは反対方向に凹む形に湾曲したり直線状に延びたりする形状から成るものであっても良い。切断歯は、樹脂の他、金属から成るものであっても良い。
1 ロールペーパホルダ
2 ホルダ本体
2A 固定板
2B 側板
2C 支持爪
3 カバープレート(構成部材)
3A 天板部
3B 湾曲板部
3C 支軸ピン
3D リブ
3E ガイド
4 ロールペーパカッタ
10 切断歯
11 歯
11A 歯面
11B 切欠き面
11C 歯裏面
11D 歯表面
A1 歯先
A2 歯底
H 歯丈
T 厚さ
L 張出長さ
W 壁面
P ロールペーパ
Pa ペーパ部
D 線分
S 段差

Claims (8)

  1. ロールペーパから引き出されたペーパ部をロールの軸方向に沿って延びる先端縁への押し付けにより切断することが可能な切断歯を有するロールペーパカッタであって、
    前記切断歯が、前記先端縁に沿って前記軸方向に連続的に並ぶ複数の歯を有し、
    複数の前記歯が、各々の歯先から歯底までの全領域において前記歯の突出方向に凸となる凸湾曲面が連続する歯面を有し、かつ、隣り合う前記歯と各々の歯底で接するロールペーパカッタ。
  2. 請求項1に記載のロールペーパカッタであって、
    複数の前記歯の前記歯面が、各々の一方の前記歯底から前記歯先を通る他方の前記歯底にかけて、真円の円弧状に湾曲する凸湾曲面形状とされるロールペーパカッタ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のロールペーパカッタであって、
    複数の前記歯が、各々の前記歯底から前記歯先に向かって厚さが先細りとなる形状とされるロールペーパカッタ。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のロールペーパカッタであって、
    複数の前記歯のうち、最も外側に形成される端側の前記歯の前記歯面が、外側から切り欠かれた切欠き面を有する形状とされるロールペーパカッタ。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のロールペーパカッタであって、
    複数の前記歯のうち、最も外側に形成される両端側の前記歯を残す残りの各前記歯の前記歯先を結ぶ線分が、前記軸方向の両端から中央に向かって前記突出方向に張り出す形状とされるロールペーパカッタ。
  6. 請求項5に記載のロールペーパカッタであって、
    前記線分が、前記突出方向に凸となる真円の円弧状に湾曲するロールペーパカッタ。
  7. 請求項5又は請求項6に記載のロールペーパカッタであって、
    当該ロールペーパカッタが、前記ロールペーパを保持するロールペーパホルダの構成部材に対して、前記切断歯が前記構成部材から張り出すように設けられ、
    複数の前記歯のうち、最も外側に形成される端側の前記歯と外側から2番目の前記歯との間の前記歯底が前記構成部材から張り出す張出長さが、2番目の前記歯の前記歯底から前記歯先までの歯丈よりも小さいロールペーパカッタ。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載のロールペーパカッタであって、
    複数の前記歯のうち、最も外側に形成される両端側の前記歯を残す残りの各前記歯の前記歯面が、互いに同一の形状及び大きさとされるロールペーパカッタ。
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