JP3235270U - 包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】青果物及び花卉の鮮度低下を抑制できる包装体を提供する。【解決手段】パレット6と、青果物又は花卉4が収納された収納箱5と、鮮度保持フィルムと、を含む包装体であって、収納箱が、パレット上に複数積載されており、パレット及び収納箱が、鮮度保持フィルムによって包装されており、鮮度保持フィルムは、二酸化炭素透過度が7,000cm3/m2・day・atm〜70,000cm3/m2・day・atmの範囲内であり、酸素透過度が3,000cm3/m2・day・atm〜30,000cm3/m2・day・atmの範囲内であり、収納箱の占有体積が、包装体内部の体積100体積%に対して、60体積%以上である包装体。【選択図】図1

Description

本開示は、包装体に関する。
青果物及び花卉は、包装体内に包装されて保管される場合がある。
例えば、輸送する際には、青果物及び花卉が収納された収納箱を、パレット上に複数積載して輸送することがある。このようなパレット単位での輸送では、荷崩れ防止のため、通常、通常パレットに荷を積上げ後に、全体に伸縮性のストレッチフィルムを巻付けて固定する。
例えば、特許文献1には、腐敗性産物を輸送又は貯蔵に関し、密封されたコンテナ内に電動式のファンを設け、強制的に中のガスを循環させる方法が記載されている。
特許公報3677522号公報
青果物及び花卉は、個々の生理活性の違いはあるものの、収穫後もその生理活性を維持している。しかし、収穫後における青果物及び花卉の流通過程で、長期間を経るとその生理活性に伴い品質は低下していく場合がある。
上記品質の低下としては、例えば、青果物及び花卉における微生物の増殖(例えばカビの発生)、外観劣化、枯れ・萎れ、香りの減少、味の劣化等が挙げられる。青果物及び花卉の流通過程における品質低下には、温度条件が主要因として関わっていると推測される。
これに対し、MA(Modified Atmosphere)包装をパレット単位で適用し、適正なガス濃度雰囲気下で呼吸作用を継続させることによって鮮度保持を行う方法が有効であると考えられる。
しかしながら、MA包装を行い、青果物及び花卉の呼吸作用を抑制しても、生理活性は維持されており、逐次的に呼吸熱が発生する。そして、その呼吸量は温度条件により変動する。MA包装によりパレット全体を密封する処置を行った場合、内部空間の気体の動きが抑制され、局部的に温度が上昇し鮮度の低下を引き起こすことが想定される。
本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、青果物及び花卉の鮮度低下を抑制できる包装体を提供することである。
上記課題を解決するための具体的手段は、以下の態様を含む。
<1> パレットと、青果物又は花卉が収納された収納箱と、鮮度保持フィルムと、を含む包装体であって、前記収納箱が、前記パレット上に複数積載されており、前記パレット及び前記収納箱が、前記鮮度保持フィルムによって包装されており、前記鮮度保持フィルムは、二酸化炭素透過度が7,000cm/m・day・atm〜70,000cm/m・day・atmの範囲内であり、酸素透過度が3,000cm/m・day・atm〜30,000cm/m・day・atmの範囲内であり、前記収納箱の占有体積が、包装体内部の体積100体積%に対して、60体積%以上である包装体。
<2> 前記占有体積が、包装体内部の体積100体積%に対して、95体積%以下である<1>に記載の包装体。
<3> 前記収納箱は、熱伝導率が0.01W/m・K〜300W/m・Kである<1>又は<2>に記載の包装体。
<4> 前記収納箱は、表面に撥水処理又は防水処理がされている<1>〜<3>のいずれか1つに記載の包装体。
<5> 前記パレットは、通気度が1cm/cm・s以下である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の包装体。
<6> 前記包装体内部の体積が1.0×10cm〜3.0×10cmである<1>〜<5>のいずれか1つに記載の包装体。
<7> 前記鮮度保持フィルムが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン及びα−エチレン系共重合体からなる群から選択される少なくとも1つを含むフィルムである<1>〜<6>のいずれか1つに記載の包装体。
<8> 前記鮮度保持フィルムは、最大径50μm以上の孔の個数が、1mあたり1個以下である<1>〜<7>のいずれか1つに記載の包装体。
<9> 0℃〜5℃で保管される<1>〜<8>のいずれか1つに記載の包装体。
<10> 0℃〜3℃で2週間保管した場合に、内部の二酸化炭素濃度が1.0体積%〜25.0体積%であり、酸素濃度が1.0体積%〜21.0体積%である<1>〜<9>のいずれか1つに記載の包装体。
本開示の一実施形態によれば、青果物及び花卉の鮮度低下を抑制できる包装体を提供することができる。
(a)青果物が収納された収納箱を含む包装体の上面図である。(b)青果物が収納された収納箱を含む包装体の側面図である。(c)青果物が収納された収納箱の概略図である。 (a)花卉が収納された収納箱を含む包装体の上面図である。(b)花卉が収納された収納箱を含む包装体の側面図である。(c)花卉が収納された収納箱の概略図である。 収納箱の外部からの冷却がなく、収納箱の外部への放熱もない場合における収納箱の内部の発熱量を説明するための概念図である。 収納箱の外部からの冷却があり、収納箱の外部への放熱もある場合における、収納箱の内部の熱変化を説明するための概念図である。 包装体の外部からの冷却があり、包装体の外部への放熱もある場合における、包装体の内部の熱変化を説明するための概念図である。
以下、本開示の包装体について、詳細に説明するが、本開示は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において、「フィルム」とは、一般的に「シート」と呼称されるものを含む概念である。本開示における「シート」とは、厚さが200μm以上の平坦物をいう。
≪包装体≫
本開示の包装体は、パレットと、青果物又は花卉(青果物等ともいう)が収納された収納箱と、鮮度保持フィルムと、を含む包装体であって、前記収納箱が、前記パレット上に複数積載されており、前記パレット及び前記収納箱が、前記鮮度保持フィルムによって包装されており、前記鮮度保持フィルムは、二酸化炭素透過度が7,000cm/m・day・atm〜70,000cm/m・day・atmの範囲内であり、酸素透過度が3,000cm/m・day・atm〜30,000cm/m・day・atmの範囲内であり、前記収納箱の占有体積が、包装体内部の体積100体積%に対して、60体積%以上である。
本開示の包装体は、上記構成を含むことで、青果物等の鮮度低下を抑制できる。
本開示の包装体は、パレットと、青果物等が収納された収納箱と、鮮度保持フィルムと、を含む包装体であって、収納箱はパレット上に複数積載されており、パレット及び収納箱は、前記鮮度保持フィルムによって包装されている。つまり、本開示の包装体は、収納箱を数段積載したパレット全体が鮮度保持フィルムで包装された形態を有する。
上記のように、パレット全体が包装された形態では、青果物等の呼吸熱による内部の温度上昇が問題となることがある。
これに対して、本開示の包装体は、上記構成を含むことで鮮度保持フィルムと収納箱との間の隙間を調整することができ、包装体内の温度上昇を抑制することができる。
また、本開示の包装体は、青果物等の呼吸熱を内部から外部へ発散できる。そのため、青果物等の鮮度低下を抑制し、長期保存することができる。
(鮮度保持フィルム)
本開示の包装体は、鮮度保持フィルムを含み、パレット及び収納箱は鮮度保持フィルムによって包装されており、鮮度保持フィルムは、二酸化炭素透過度が7,000cm/m・day・atm〜70,000cm/m・day・atmの範囲内であり、酸素透過度が3,000cm/m・day・atm〜30,000cm/m・day・atmの範囲内である。
まず、MA(Modified Atomosphere)包装について説明する。
青果物等は、肉、魚等とは異なり、収穫後も呼吸して生きている。しかし、青果物等は、冷凍すると細胞が死んでしまい、瑞々しさが損なわれる場合がある。
そのため、青果物等にはある一定量の酸素を供給して呼吸を続けさせることが、鮮度保持に繋がると考えられる。呼吸作用は生物が生きていくための生理作用であり、収穫後の青果物等はその体内にある養分を消費しながら呼吸する。青果物等の鮮度を保持するためには呼吸を冷凍などで停止させるのではなく、低温で抑制することが有効であると考えられる。
青果物等はその性質上、生存する環境に一定量の二酸化炭素が存在する場合に呼吸が抑制される傾向がある。また、低温環境において呼吸が抑制される傾向がある。この温度とガス濃度を調整し、青果物の呼吸を最低の状態に制御する条件をCA(Contoroled Atomosphere)条件と称する。流通状態など温度変化が伴う環境下では、CA条件をそのまま保つことは困難である場合が多い。
これに対して、温度に即して最適な環境条件を作り出すことが有効であると考えられる。この温度に即した最適な環境条件をMA(Modified Atomosphere)条件という。MA条件は、流通環境によって最適な条件に調整することが難しく、輸送中の事故もしばしば発生していた。
流通中のように温度が変化する環境下で、MA包装を用いて鮮度保持をする場合には、嫌気状態になることがある。例えば、MA包装中において高温に曝された際に、容器内の酸素が不足して酸素濃度が2体積%以下になり、二酸化炭素が増加して二酸化炭素濃度が20体積%を超えることがある。嫌気状態になると、青果物等は嫌気呼吸を開始する。嫌気呼吸では通常呼吸よりも養分の消費が激しくなり、青果物等の傷みが早くなる。
このような状態にしないためには、呼吸が最も激しくなる温度で、一定量の酸素を外部から供給することが有効と考えられる。
嫌気呼吸を回避するために、必要最小限の酸素量を容器内で確保することが考えられる。必要最小限の酸素量は青果物等の種類によって異なるが、一般的には、2体積%〜5体積%程度である。
また、例外的に、二酸化炭素傷害を起こしやすい青果物等は、酸素濃度を15体積%以上としてもよく、二酸化炭素傷害を起こしにくい青果物等は、酸素濃度を1体積%〜3体積%としてもよい。
流通の温度は、同じ経路をたどれば同じように変化するが、実際には日々の気候に依存するため一定にはならない。
測定される最高温度の差が±15℃以内であれば、好ましい鮮度保持フィルムの酸素透過量は求められた値の0.8〜1.2倍の中に入る。
二酸化炭素の濃度は青果物等の呼吸抑制に影響を与える。二酸化炭素の濃度は最高温度で保持された際の濃度が最大となるが、20%を超えないことが好ましい。
また、流通中の安定した温度における酸素濃度及び二酸化炭素濃度を確認しておくことが好ましい。安定した温度における酸素濃度及び二酸化炭素濃度は、各温度での呼吸量を測定しておくことにより推定できる。
鮮度保持フィルムを用いたMA包装では包装体内のガス濃度の調整を行う。そのため、鮮度保持フィルムの材質は、密封し、計算された透過量に調整可能な材質であることが好ましい。
本開示における包装体は、パレットと、青果物又は花卉が収納された段ボールと、鮮度保持フィルムと、を含む包装体であって、前記収納箱は前記パレット上に複数積載されており、前記パレット及び前記収納箱は、前記鮮度保持フィルムによって包装されており、前記鮮度保持フィルムは、二酸化炭素透過度が30,000cm/m・day・atm〜60,000cm/m・day・atmの範囲内であり、酸素透過度が10,000cm/m・day・atm〜20,000cm/m・day・atmの範囲内であることが好ましい。
これによって、包装体内の青果物等の呼吸状態と、鮮度保持フィルムの二酸化炭素透過度及び酸素透過度と、のバランスを調整して、包装体内における酸素濃度及び二酸化炭素濃度を容易に調節することができる。
(二酸化炭素透過度)
鮮度保持フィルムの二酸化炭素透過度は、7,000cm/m・day・atm〜70,000cm/m・day・atmの範囲内である。
これによって、包装体内の青果物及び花卉の呼吸状態と鮮度保持フィルムの二酸化炭素透過度とのバランスを調整して、二酸化炭素濃度を良好に調節することができるため、青果物及び花卉における微生物の増殖抑制、及び、青果物及び花卉の黒色化の進行抑制を両立することができる。
上記同様の観点から、鮮度保持フィルムの二酸化炭素透過度は、8,000cm/m・day・atm〜65,000cm/m・day・atmの範囲内であることが好ましく、10,000cm/m・day・atm〜60,000cm/m・day・atmの範囲内であることがより好ましく、30,000cm/m・day・atm〜60,000cm/m・day・atmの範囲内であることがさらに好ましく、30,000cm/m・day・atm〜55,000cm/m・day・atmの範囲内であることが特に好ましい。
二酸化炭素透過度の測定方法については後述する。
(酸素透過度)
鮮度保持フィルムの酸素透過度は、3,000cm/m・day・atm〜30,000cm/m・day・atmの範囲内である。
これによって、包装体内の青果物及び花卉の呼吸状態と鮮度保持フィルムの酸素透過度とのバランスを調整して、酸素濃度を良好に調節することができるため、青果物及び花卉が嫌気呼吸状態になることを抑制することができる。その結果、青果物及び花卉における微生物の増殖抑制、及び、青果物及び花卉の黒色化の進行抑制を両立することに寄与する。
上記同様の観点から、鮮度保持フィルムの酸素透過度は、4,000cm/m・day・atm〜30,000cm/m・day・atmの範囲内であることが好ましく、10,000cm/m・day・atm〜20,000cm/m・day・atmの範囲内であることがより好ましい。
上記二酸化炭素透過度は、差圧法ガス透過率測定装置(例えばGTR−30XA、GTRテック(株))を使用して、23℃、0%RHの環境下、試験ガス(CO2)100%、試験面積15.2cmとして測定される値である。
上記酸素透過度は、差圧法ガス透過率測定装置(例えばGTR−30XA、GTRテック(株))を使用して、23℃、0%RHの環境下、試験ガス(O2)100%、試験面積15.2cmとして測定される値である。
(透湿度)
本開示における鮮度保持フィルムは、温度40℃、湿度90%RHの条件下における透湿度が10g/m・day〜120g/m・dayであることが好ましい。
透湿度は、水蒸気が鮮度保持フィルムを通過する程度を表す指標である。通常、鮮度保持フィルムの内部の湿度が鮮度保持フィルムの外部の湿度よりも高い場合には、鮮度保持フィルムの透湿度が高い程、鮮度保持フィルムの内部の水蒸気が鮮度保持フィルムの外部に向けて透過しやすい。
上記透湿度が10g/m・day以上であることで、微生物の増殖を抑制することができる。
上記透湿度が120g/m・day以下であることで、青果物の枯れを抑制することができる。また、保存時間が経過するに従って、青果物が有する成分(主に水分)を喪失することによる青果物の質量の減少を良好に抑制することができる。
上記の点から、上記透湿度が10g/m・day〜60g/m・dayであることが好ましく、25g/m・day〜45g/m・dayであることがより好ましい。
上記透湿度は、差圧法ガス透過率測定装置(GTR−30XA、GTRテック(株)を使用して、40℃、90%RHの環境下、試験ガス(O2)100%、試験面積15.2cm2として測定される値である。
本開示の包装体は、0℃〜3℃で2週間保管した場合に、内部の二酸化炭素濃度が1.0体積%〜25.0体積%であることが好ましく、2.0体積%〜20.0体積%であることがより好ましく、3.0体積%〜15.0体積%であることがさらに好ましい。
本開示の包装体は、0℃〜3℃で2週間保管した場合に、内部の酸素濃度が1.0体積%〜21.0体積%であることが好ましく、1.5体積%〜18体積%であることがより好ましく、2.0体積%〜15.0体積%であることがさらに好ましい。
本開示の包装体は、例えば、0℃〜3℃で2週間保管した場合に、内部の二酸化炭素濃度が1.0体積%〜25.0体積%であり、酸素濃度が1.0体積%〜21.0体積%であることが好ましい。
鮮度保持フィルムの材質には、特に制限は無い。
例えば、鮮度保持フィルムとして、従来の青果物包装用のフィルム用いられる高分子を適宜使用することができる。
鮮度保持フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ナイロン(ポリアミド)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリ乳酸等の樹脂を含むフィルムを挙げることができる。
また、例えば、セロハン等の天然高分子を用いることもできる。
上記の中でも、前記鮮度保持フィルムが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン及びα−エチレン系共重合体からなる群から選択される少なくとも1つを含むフィルムであることが好ましい。
加工の容易さやコストの観点からは、上記鮮度保持フィルムの材質は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン等のα−オレフィンの単独重合体又は共重合体が挙げられる。具体的には、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレンなどのエチレン系重合体、プロピレン単独重合体、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、プロピレンブロック共重合体などのプロピレン系重合体、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル・1−ペンテンなどのポリオレフィンが挙げられる。また、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体又はその鹸化物、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アイオノマー、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート等の生分解性樹脂、あるいはこれらの混合物等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等が剛性、透明性に優れるため好ましい。また、熱可塑性樹脂としては、エチレン系重合体、プロピレン系重合体が軽量でフィルム加工性に優れるためより好ましく、柔軟性、透明性の観点からプロピレン系重合体がさらに好ましい。
<プロピレン系重合体>
前記プロピレン系重合体としては、ポリプロピレンの名称で製造、販売されているプロピレン単独重合体(ホモPPとも呼ばれている)、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(ランダムPPとも呼ばれている)、プロピレン単独重合体と、低結晶性又は非晶性のプロピレン・エチレンランダム共重合体との混合物(ブロックPPとも呼ばれている)などのプロピレンを主成分とする結晶性の重合体が挙げられる。また、プロピレン系重合体は、分子量が異なるプロピレン単独重合体の混合物であってもよく、プロピレン単独重合体と、プロピレンとエチレン又は炭素数4から10のα−オレフィンとのランダム共重合体との混合物であってもよい。
前記プロピレン系重合体としては、具体的には、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ペンテン共重合体、プロピレン・1−ヘキセン共重合体、プロピレン・1−オクテン共重合体などのプロピレンを主要モノマーとし、これとエチレン及び炭素数4から10のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種類以上との共重合体が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
前記プロピレン系重合体の密度は、0.890〜0.930g/cmであることが好ましく、0.900〜0.920g/cmであることがより好ましい。また、前記プロピレン系重合体のMFR(ASTM D1238 荷重2160g、温度230℃)は、0.5〜60g/10分が好ましく、0.5〜10g/10分がより好ましく、1〜5g/10分がさらに好ましい。
<エチレン系重合体>
エチレン系重合体としては、エチレンの単独重合体、エチレンを主要モノマーとし、それと炭素数3から8のα−オレフィンの少なくとも1種類以上との共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、そのケン化物及びアイオノマーが挙げられる。
上記の中でも、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であるα−オレフィン系共重合体が好ましい。α−オレフィンとしては、例えば、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
エチレン系重合体としては、具体的には、ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ペンテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体等が挙げられる。
これらの共重合体中のα−オレフィンの割合は、1モル%〜15モル%であることが好ましい。
また、エチレン系重合体としては、ポリエチレンの名称で製造・販売されているエチレンの重合体が挙げられる。具体的には、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及び高密度ポリエチレン(HDPE)が好ましく、LLDPEがより好ましい。
LLDPEは、エチレンと、少量のプロピレン、ブテン−1、ヘプテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチル−ペンテン−1等との共重合体である。また、前記エチレン系重合体は、エチレンの単独重合体であってもよく、LLDPE等のエチレンを主体とする重合体であってもよい。
前記エチレン系重合体の密度は0.910g/cm〜0.940g/cmが好ましく、0.920g/cm〜0.930g/cmがより好ましい。
密度が0.910g/cm以上であることにより、ヒートシール性が向上する。また、密度が0.940g/cm以下であることにより、加工性および透明性が向上する。
鮮度保持フィルムは、上記の内いずれかの材質を単独で用いても良く、上記の内複数の材質をブレンドして、及び/又はラミネートして用いてもよい。
なお、ブレンド、及び/又はラミネートは、上記の高分子のうちのいずれか同士のブレンド、及び/又はラミネートであってもよく、また上記の高分子のうちのいずれかと、高分子以外の材料とのブレンド、及び/又はラミネートであってもよい。
すなわち、鮮度保持フィルムは、高分子以外の素材、例えば耐熱安定剤(酸化防止剤)、耐候安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、スリップ剤、核剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、染料等の他、タルク、シリカ、珪藻土などの各種フィラー類を含んでいてもよいし、鮮度保持フィルムと金属箔、紙、不織布等とのラミネートであってもよい。
本開示における鮮度保持フィルムは、無延伸フィルム、延伸フィルムのいずれであってもよい。
機械的強度等の観点からは、各種高分子の延伸フィルムを好適に用いることができる。
特に、プロピレン系重合体を用いた延伸フィルム(例えば延伸ポリプロピレンフィルム)は、機械的強度、透明性、耐熱性等に優れるため、本開示において、特に好ましく使用することができる。
また、エチレン系重合体を用いたフィルム(例えばポリエチレン系フィルム)も、無延伸フィルム、延伸フィルムのいずれであってもよいが、ヒートシール性等の観点から、無延伸フィルムを、特に好ましく使用することができる。
本開示における鮮度保持フィルムとして特に好適なものの例として、延伸ポリプロピレンフィルム、ポリエチレン系フィルム、及び延伸フィルムとポリエチレン系フィルムとの積層体を挙げることができる。
<延伸ポリプロピレンフィルム>
本開示における延伸ポリプロピレンフィルムは、少なくとも一方向に延伸されたフィルムから構成されていてもよいし、延伸ポリプロピレンフィルム自体が少なくとも一方向に延伸されていてもよい。また、延伸ポリプロピレンフィルムとして二軸延伸フィルムを得る場合には、例えば逐次又は同時二軸延伸することにより容易に製造することも可能である。
延伸ポリプロピレンフィルムとして二軸延伸フィルムを得る場合には、通常、縦方向に5〜8倍延伸し、続いて横方向にテンター機構を用いて8〜10倍延伸し、フィルムの厚さを最終的に20μm〜40μmとする方法、縦方向及び横方向にそれぞれ5倍〜10倍(又は面倍率で25倍〜100倍)延伸する方法等を用いることができる。
<ポリエチレン系フィルム>
本開示におけるポリエチレン系フィルムは、前記エチレン系重合体を含むフィルムである。ポリエチレン系フィルムは種々の公知の成型方法を用いることができるが、エクストルーダーによる押出によるキャスト成型が、生産効率の観点から好ましい。
<延伸フィルムとポリエチレン系フィルムとの積層体>
本開示における延伸フィルムとポリエチレン系フィルムとの積層体は、上記ポリエチレン系フィルムの層と延伸フィルムの層とを積層して得られる。
(延伸フィルム)
延伸フィルムとしては、ナイロン6、ナイロン66等からなるポリアミドフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートに代表されるポリエステルからなるフィルム、ポリカーボネートフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリオレフィン(例えばポリプロピレンなど)とポリ乳酸(例えばポリL乳酸、ポリD乳酸、ポリL乳酸とポリD乳酸など)とを精密に配位したステレオコンプレックス晶ポリ乳酸等の一軸又は二軸延伸フィルムが挙げられる。
ポリエチレン系フィルムは一方向又は二方向に延伸されていてもよいが、包装体の機械的強度の安定性の観点から、無延伸フィルムであることが好ましい。
予め作製された延伸フィルムとポリエチレン系フィルムとを接着剤により貼着させるドライラミネーションを行う場合、接着安定性の観点から、接着剤を塗布する延伸フィルム表面にはコロナ処理をしておくことが好ましい。
具体的には、コロナ処理後のフィルム表面の表面張力は、接着安定性の観点から、35mN/m以上が好ましく、40mN/m以上がより好ましい。
また、これらの鮮度保持フィルムは、延伸加工、防曇加工、印刷等が施されていてもよいし、銀、銅のような無機系抗菌剤、キチン、キトサン、アリルイソチオシアネートのような有機系抗菌剤などが塗布されていてもよいし、これらがフィルム中に練り込まれていてもよい。
青果物等の鮮度保持の観点からは、上記鮮度保持フィルムが、少なくとも1種の抗菌剤を含有することが好ましい。
鮮度保持フィルムは、上記鮮度保持フィルムの少なくとも一方の表面に特定の界面活性剤が特定量存在する又は上記鮮度保持フィルムが特定の界面活性剤を特定量含むことで、抗菌機能を有していてもよい。
これにより、鮮度保持フィルムの表面での結露が抑制され、雑菌の繁殖が抑制されることにより、結露(ドリップ)中での雑菌の増殖が抑制され、抗菌機能が発揮される。
例えば、界面活性剤としては、パルミチルジエタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン、グリセリンモノラウレートおよびジグリセリンモノラウレートからなる群から選択される少なくとも一種の化合物が好ましい。
鮮度保持フィルムの少なくとも一方の表面に界面活性剤が存在する場合、界面活性剤が、鮮度保持フィルムの少なくとも一方の表面に、0.002g/m〜0.5g/m存在することが好ましい。
鮮度保持フィルムが界面活性剤を含む場合、界面活性剤の含有量が、鮮度保持フィルムの全質量を100質量部として、0.001質量部〜3質量部であることが好ましい。
透明性、可撓性、コスト等の観点からは、鮮度保持フィルムとして、従来から広く用いられていた延伸ポリプロピレンフィルム、又は延伸ポリプロピレンフィルムとポリエチレン系フィルムとの積層体を用いることが好ましい。これらのフィルムは一般にヒートシール性に優れるため、生産性が良好である。
延伸プロピレンフィルム単体で用いる場合は、厚さが10μm〜100μmであることが好ましい。
延伸ポリプロピレンフィルムとポリエチレン系フィルムとの積層体を用いる場合には、延伸ポリプロピレンフィルムの厚さが10μm〜50μm、ポリエチレン系フィルムの厚さが10μm〜120μmであることが好ましい。
なお、ヒートシールに必ずしも適さない鮮度保持フィルムを用いる場合には、鮮度保持フィルムの全部又は一部にシーラント層をラミネートあるいはコーティングすることで形成すればよい。例えば、アクリル樹脂をコーティングしたセロハンフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)に線状低密度ポリエチレン(LLDPE)ポリスチレンとEVAをラミネートしたフィルムが挙げられ、これらを好適な鮮度保持フィルムとして用いることができる。
本開示における鮮度保持フィルムは、最大径50μm以上の孔の個数が、1mあたり1個以下であることが好ましい。
鮮度保持フィルムとしては、樹脂層に不織布層が積層されたフィルムであってもよい。
例えば、PE(ポリエチレン)の樹脂層にPEの不織布層が積層されたフィルム等が挙げられる。
樹脂層に不織布層が積層されたフィルムは、機械強度に優れる。
このようなフィルムとしては、具体例として、下記の形態が挙げられる。
樹脂層に不織布層が積層された鮮度保持フィルムは、例えば、線状低密度ポリエチレンLLDPE(三井化学東セロ株式会社製TUX FCD−NP、平均厚み20μm)を含む樹脂層の片面に、MFR60g/10分のプロピレン単独重合体を用いて成形した、繊維径21μmの網目状構造を有するスパンボンド不織布(目付量30g/m、不織布PPSBともいう。)を含む不織布層を、ポリオレフィン系ホットメルト接着剤(塗布量:5g/m)で貼り合わせることで得られる。
上記不織布層は、上記樹脂層の片面に積層されてもよく、両面に積層されてもよい。
(包装体の容積)
本開示の包装体は、包装体内部の体積(包装体の容積ともいう)が1.0×10cm〜3.0×10cmであることが好ましい
包装体の容積が1.0×10cm〜3.0×10cmであることで、1つの包装体で、より大量の青果物等を保管することができる。そして、1つの包装体で、より大量の青果物等を保管する場合においても、本開示の包装体によれば、包装体内の環境条件を調整することが可能であり、青果物等の鮮度低下を抑制できる。
≪収納箱≫
本開示の包装体は、青果物又は花卉が収納された収納箱を含み、前記収納箱の占有体積は、包装体内部の体積100体積%に対して、60体積%以上である。
なお、本開示において、収納箱の占有体積は、収納箱の内部が詰まっていると仮定して得られる占有体積を意味する。つまり収納箱の内部の体積も、収納箱の占有体積に含まれる。
例えば、包装体の容積が1.0×10cmであり、収納箱の合計の体積が0.6×10cmである場合、収納箱の占有体積は60体積%である。
具体的には、収納箱の占有体積は、(すべての収納箱の合計体積/包装体の体積)×100で計算される。
収納箱の占有体積は、青果物及び花卉の鮮度低下を抑制する観点から、包装体内部の体積100体積%に対して、60体積%以上であり、70体積%以上であることが好ましく、80体積%以上であることがより好ましい。
包装体を密封した場合、包装体内部の空気層は循環し難い状況となる。空気の熱伝導率は比較的低いため、包装体内に含まれる空気の体積が大きい場合、包装体外部からの冷却に対して断熱効果が働き、収納箱内の青果物及び花卉類の冷却が妨げられる。
収納箱の占有体積が上記範囲を満たすことで、包装体内部の空気の体積が抑制される。その結果、包装体外部からの冷却が得られ易くなる。
パレット及び収納箱を鮮度保持フィルムによって包装する際の操作性の観点から、占有体積は、包装体内部の体積100体積%に対して、95体積%以下であることが好ましく、90体積%以下であることがより好ましい。
パレット及び収納箱を鮮度保持フィルムによって包装する際の操作性とは、例えば、袋状の鮮度保持フィルムを用いてパレット及び収納箱を覆う際の覆い易さ等が挙げられる。
青果物又は花卉を収納した収納箱をパレット上に積載し、鮮度保持フィルムで包装した後に得られる包装体は、空気相の厚み(つまり収納箱最外面−包装体間の長さ)が、3cm以下であることが好ましい。
収納箱の占有体積は、パレットサイズ、鮮度保持フィルムのサイズ等を適宜設定して調整すればよい。
収納する青果物又は花卉の量に応じて、空の収納箱をダミーとして積載してもよい。
包装体を密封した後、側面に穴を設け、吸引により包装体体積を調整した後、穴を封止してもよい。
収納箱は、熱伝導率が0.01W/m・K以上であることが好ましく、0.05W/m・K以上であることがより好ましい。
収納箱は、熱伝導率が300W/m・K以下であることが好ましく、100W/m・K以下であることがより好ましい。
収納箱の材質としては、木材、金属、樹脂、紙、グラスウールなどが挙げられる。
上記の中でも、木材及び紙が好ましく、紙が質量の点でより好ましい。
収納箱としては、具体的には、段ボール、木箱等が挙げられ、厚みが薄く、軽量であり、強度があり、熱伝導率が比較的高く、さらにリサイクル性に優れる観点から、段ボールであることが好ましい。
段ボールとは、板紙が多層に積層されている構造を有する紙製品を指す。
段ボールとしては、段ボールのライナを1枚だけ貼り合わせた「片面段ボール」、両側を貼り合わせた「両面段ボール」、強度を高めた2層の「複両面段ボール」、3層の「複々両面段ボール」などが挙げられる。
段ボールは、中心のフルートの高さにより厚みを変えることができる。熱伝導率及び強度の観点から、段ボールは、中心のフルートの高さが、0.5mm〜15mmの範囲内であることが好ましく、1mm〜7mmの範囲内であることがより好ましい。
収納箱は、表面に撥水処理又は防水処理がされていることが好ましい。
青果物又は花卉を収納箱に収納した後、補強のため、収納箱全体をPPバンドなどにより固定化してもよい。
青果物及び花卉は、任意の青果物及び花卉であってもよい。
青果物の例としては、ブドウ、柿、桃、柑橘類、レモン、イチゴ、ブロッコリー、トウモロコシ、アスパラガス、サツマイモ、オオバ、ホウレンソウ、コマツナ、ミズナ、ミブナ、クウシンサイ、レタス、タイム、セージ、パセリ、イタリアンパセリ、パクチー、ローズマリー、オレガノ、レモンバーム、チャイブ、ラベンダー、サラダバーネット、ラムズイヤー、ロケット、ダンディライオン、ナスタチューム、バジル、ルッコラ、クレ
ソン、モロヘイヤ、セロリ、ケール、ネギ、タマネギ、キャベツ、ハクサイ、シュンギク、サラダナ、サンチュ、フキ、ナバナ、チンゲンサイ、ミツバ、セリ、メキャベツ、カリフラワー、ミョウガ、ダイコン、ニンジン、ゴボウ、ラディッシュ、カブ、ジャガイモ、ナガイモ、ヤマイモ、サトイモ、ジネンジョ、ヤマトイモ、ピーマン、パプリカ、シシトウ、キュウリ、ナス、トマト、ミニトマト、カボチャ、ゴーヤ、オクラ、ラディキオ、スィートコーン、エダマメ、サヤエンドウ、サヤインゲン、ソラマメ、菌茸類、りんご、ナシ、ブルーベリー、柿、桜桃、マンゴー、マンゴスチン、ドラゴンフルーツ、ライチ、イチジク、メロン、スイカ、パイナップル、バナナ、アンズ、カット野菜、カットフルーツなどを挙げることができる。
上記の中でも、青果物としては、ブドウ、柿、桃、柑橘類、レモン、イチゴ、ブロッコリー、トウモロコシ、アスパラガス及びサツマイモからなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。
なお、本開示における青果物はこれらのみに限定されない。
花卉の例としては、菊、カーネーション、チューリップ、バラ、ユリ、ストックりんどう(竜胆)、カスミソウ洋ラン類、スターチスガーベラ、トルコギキョウ、アルストロメリアなどを挙げることができる。
上記の中でも、花卉としては、菊、カーネーション、チューリップ、バラ及びユリからなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。
なお、花卉はこれらのみに限定されない。
<パレット>
本開示の包装体は、パレットを含み、本開示における収納箱はパレット上に複数積載されている。
本開示の青果物又は花卉が収納された収納箱の積載方法(パレットパターンともいう。)は、収納箱の形状および荷崩れ防止を考慮して選択することができる。
パレットパターンとしては、例えば、荷物をブロックのように並べて積み上げる「ブロック積み」、ブロック積みを一段ずつ90度向きを変えて積む「交互列積み」、荷物を風車の形のように縦横に組み合わせた「ピンホール積み(風車型積み付け)」、ピンホール積みの発展型で、中央の隙間部分を2つにした「ダブルピンホール積み」、1つの段で縦横方向に向きを変えて積む方法で、棒積みのようにならないよう、各段で180度ずつ向きを変えて積み上げる「レンガ積み」、レンガ積みの応用形でレンガ積みの特徴である横向きの部分に隙間(スプリットともいう。)をつくる「スプリット積み」、レンガ積みの横向きの部分を2列に増やし、各段で180度向きを変えて互い違いに重ねていく「窓積み」等が挙げられる。
収納箱をパレット上に配置した後、側面に転倒防止治具を配置する、荷崩れ防止ベルト、ストレッチフィルムを用いて固定する、等により、包装体内部における収容箱の位置を保持することができる。
これによって、例えば、輸送の際に発生する小さな衝撃によって荷崩れを起こす事を防ぐことができる。
包装体の密封方法としては、
i)まず収納箱をパレット上に積上げ、その後、予め製袋された鮮度保持フィルムを上部から被せ、包装体の端面をパレットの面にテープ等で固定する方法、
ii)パレット上に予め製袋された鮮度保持フィルムを配置し、その中に収納箱を積上げ、その後、上部をテープ等で密封する方法、等が挙げられる。
なお、包装体による密封方法はこれらの方法に限定されない。
青果物等を収納した収納箱は、パレット表面における占有率(表面占有率ともいう)が、パレットの面積を100%とした場合、好ましくは80%〜100%、より好ましくは90%〜100%、さらに好ましくは95%〜100%である。
なお、表面占有率は、収納箱が積載されるパレットの表面に対して、パレットと収納箱とが接する部分が占める面積の割合を意味する。
具体的には、表面占有率は、(パレットと収納箱とが接する部分の面積/パレットの収納箱が積載される面の表面積)×100で計算される。
本開示の青果物又は花卉の保管方法に用いられるパレットとしては、特に制限はない。例えば、木製パレット、合成樹脂製パレット、金属製パレット、紙製パレット等が挙げられる。
なお、本開示においてパレットとは、平板形状の部材の平面の少なくとも一部と、他の平板形状の部材の平面の少なくとも一部とが、脚部を介して連結されている部材を意味する。
パレットの上にイチゴを配置することによって、例えば、平板形状の部材の面上にイチゴを収容した青果物収容器を載せ、パレットの脚部と脚部との間にフォークリフト、ハンドリフト等の爪を差し込んで持ち上げることができ、運搬の際に利便性が向上する。
パレットは、包装体内の温度上昇を抑制する観点から、JIS L 1096 A( 年)に準拠して測定される通気度が1cm/cm・s以下であることが好ましく、通気度が0.5cm/cm・s以下であることがより好ましく、通気度が0.3cm/cm・s以下であることがさらに好ましい。
パレットは、通気度が0cm/cm・s超であってもよく、0.1cm/cm・s以上であってもよい。
本開示の包装体の具体例について、図1及び図2を参照して説明する。本開示の包装体は、以下の具体例に制限ない。
図1(a)は、青果物が収納された収納箱を含む包装体の上面図である。
図1(b)は、青果物が収納された収納箱を含む包装体の側面図である。
本開示の一具体例は、図1(a)及び(b)に示す通り、パレット6と、青果物4が収納された収納箱5と、鮮度保持フィルムと、を含む包装体である。収納箱5はパレット6上に複数積載されており、パレット6及び収納箱5は、鮮度保持フィルムによって包装されている。収納箱5の積載態様としては、上述の例が挙げられる。収納箱5の積載態様として、包装体内の中心部3を空ける態様であってもよい。
包装体内の温度を測定する際には、包装体内の下周縁部1、包装体内の上周縁部2及び包装体内の中心部3を測定点とすることが好ましい。
図1(c)は、青果物が収納された収納箱の概略図である。
青果物を収納箱に収納した後、補強のため、収納箱全体をPPバンド等の結束バンド7により固定化してもよい。
図2(a)は、花卉が収納された収納箱を含む包装体の上面図である。
図2(b)は、花卉が収納された収納箱を含む包装体の側面図である。
図2(c)は、花卉が収納された収納箱の概略図である。
花卉が収納された収納箱を含む包装体としては、収納する対象物が花卉であること以外は、青果物が収納された収納箱を含む包装体と同様である(図1(a)〜(c)を参照)。
花卉の長さが長い場合には、収納箱を横向きにして積載することが好ましい。
(包装体外の環境条件)
包装体を用いて青果物又は花卉を保管する際の、包装体外の環境条件について説明する。
≪温度≫
本開示の包装体は、−1℃〜30℃で保管されることが好ましい。
温度が−1℃以上であることで、低温障害を防ぐことができる。温度が30℃以下であることで、微生物の増殖速度を遅くすることができる。
本開示の包装体は、より好ましくは0℃〜15℃で、さらに好ましくは0℃〜5℃で保管される。
≪湿度≫
本開示の包装体を用いて青果物又は花卉を保管する際の、包装体外の湿度としては、60%RH〜95%RHであることが好ましい。
上記湿度が60%RH以上であることで、青果物の枯れを良好に抑制することができる。また、保存時間が経過するに従って、青果物が有する成分(主に水分)を喪失することによる青果物の質量の減少を良好に抑制することができる。
上記湿度が95%RH以下であることで、微生物の増殖を抑制することができる。
上記と同様の観点から、包装体内の湿度は70%RH〜90%RHが好ましい。
<呼吸熱の計算>
収納箱内に収納された青果物等の呼吸熱について説明する。
例えば、収納箱内に収納されたイチゴの呼吸熱は、以下の具体例の通りに計算する。
〔具体例〕
イチゴの質量、収納箱のサイズ等は以下の通りとする。
イチゴの質量/箱=0.6(kg)
イチゴの箱の体積=250×170×80(cm
イチゴの呼吸熱(0〜1℃)=890(kcal/1000kg/day)=3723.8(J/kg/day)
イチゴの質量(0.6kg)に換算すると2234.3(J/day)・・・(1)
イチゴの呼吸熱は、温度上昇及び水分の蒸散に使われると考えられる。
水の蒸発潜熱(0〜1℃)=597(kcal/kg)=2497.8(kJ/kg)
11日後に約1%(つまり0.006kg)の質量減少(つまり水の蒸散)があった場合、水の蒸散量に換算すると14.987(kJ)=14987(J)(11日間)
1日当たりでは1362.5(J/day)・・・(2)
よって、1日当たりで熱に変換される(温度上昇に使われる)熱量は、
(1)−(2)=871.8(J/d) ・・・(3)
≪収納箱の内部の発熱量≫
収納箱の外部からの冷却がなく、収納箱の外部への放熱もない場合における、収納箱の内部の発熱量について説明する。
図3は、収納箱の外部からの冷却がなく、収納箱の外部への放熱もない場合における収納箱の内部の発熱量を説明するための概念図である。
イチゴの質量の内約90質量%は水であるため、水の温度上昇に置き換えて計算する。
水の比熱:4,217J/kg・℃
Q=m・c・ΔT・・・(4)
Q:熱量(J)
C:比熱(J/kg・℃)
m:質量(kg)
イチゴ内水分の質量=0.6(kg、イチゴの質量)×0.9=0.54
ΔT:温度上昇(℃)
D:経過日数(日)
Q=871.8×D=0.54×4,217×ΔT・・・(5)
ΔT=871.8×D/0.54/4,217・・・(6)
したがって、D=11日の場合、箱の中のイチゴは4.2℃上昇する。
収納箱の外部からの冷却がなく、収納箱の外部への放熱もない場合、呼吸熱により収納箱の内部の温度は上昇し、11日後には+4.2℃となる。
≪収納箱にイチゴを収納した場合における内部の熱変化≫
収納箱の外部からの冷却があり、収納箱の外部への放熱もある場合における、収納箱の内部の熱変化について説明する。
図4は、収納箱の外部からの冷却があり、収納箱の外部への放熱もある場合における、収納箱の内部の熱変化を説明するための概念図である。
収納箱である段ボール(面)を介しての熱のやり取りを計算する(図4を参照)。
段ボールの熱伝導率(k):0.06(W/m・K)
段ボールの厚み(δ):2mm=0.002(m)
収納箱の表面積(1面):0.02(m
Q=K・A(Th−Tc)・・・(7)
Q:伝熱量(W)=(J/s)
A:伝熱面積(m
K:熱通過率(W/m・K)
Th:高温側温度(K)
Tc:低温側温度(K)
k:熱伝導率(W/m・K)
δ:物体厚さ(m)
Hh:高温側(空気層)熱伝達率(空気:20W/m・K)
Hc:低温側(空気層)熱伝達率(空気:20W/m・K)
段ボールを介しての熱通過率は、以下の通り計算する。
K=1/(1/Hh+δ/k+1/Hc)
=1/(1/20+0.002/0.06+1/20)
=7.5(W/m・K)
式(3)で計算したイチゴの1日当たりの熱量は、
Q=871.8(J/d)
=871.8/24/60/60(J/s)
=0.01009028(J/s)
=0.01009028(W)
段ボールの外を1℃で冷却した場合の、イチゴ0.6kgの入っている内部の温度は、(7)式より
0.01009028=7.5・0.02・(Th−1)
Th=1.067
収納箱の外の温度が1℃である場合、イチゴの入った収納箱内の温度(つまり段ボール面の温度)は1.07℃程度である。
≪収納箱(段ボール)にイチゴを収納し、さらに鮮度保持フィルム(ポリエチレン)で密封して包装体を製造した場合の包装体内部の熱変化≫
包装体の外部からの冷却があり、包装体の外部への放熱もある場合における、包装体の内部の熱変化について説明する。
図5は、包装体の外部からの冷却があり、包装体の外部への放熱もある場合における、包装体の内部の熱変化を説明するための概念図である。
段ボールの熱伝導率(k1):0.06(W/m・K)
段ボールの厚み(δ1):2(mm)=0.002(m)
イチゴの収納箱の表面積(1面):0.02(m
フィルムの熱伝導率(k3):0.16(W/m・K)
フィルムの厚み(δ3):50(μm)=0.00005(m)
空気の熱伝導率(k2):0.0241(W/m・K)
空気の熱伝達率:20(W/m・K)
空気相厚み(フィルム−段ボール間)(δ2):2(cm)=0.02(m)
鮮度保持フィルム及び収納箱(段ボール)を介しての熱通過率は、以下の通りに計算する。
K=1/(1/Hh+δ1/k1+δ2/k2 +δ3/k3 +1/Hc)
=1/(1/20+0.002/0.06+0.02/0.0241+0.0005/0.16+1/20)
=1.03786(W/m・K)
収納箱内側(B2:フィルム側)の温度
0.0109028=1.03786・0.02・(Th−1)
Th=1.49℃
収納箱内側(B1:フィルムの反対側)の温度
0.0109028=20・0.02・(Th−1.49)
Th=1.52℃
収納箱内部(B1:フィルムの反対側)の熱通過率
K=1/(1/20)=20
収納箱外部(A)の熱通過率
K=1/(1/20+0.002/0.06+0.02/0.0241+1/20)
=1.0382(W/m・K)
0.0109028=1.0382・0.02・(Th−1.52)
Th=2.00℃
図5中、A=2.00℃、B1=1.52℃、B2=1.49℃である。
空気相厚み(フィルム−段ボール間)(δ2)を0cm、1cm、2cm、3cm及び5cmとした場合、図5のA、B1、B2及びCでの温度計算結果を表1に示す。
なお、包装体外部の温度は1℃である。
Figure 0003235270

表1に示す通り、イチゴを収納した収納箱を用いた場合、空気相厚み(フィルム−段ボール間)(δ2)が2cm以内である場合、外部と内部との温度差が最大で1℃以内である。
以下、本開示の一実施形態を実施例により具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示す様に、パレットに積載したイチゴの貯蔵試験を実施した。
本実施例における条件等の詳細は以下の通りである。
青果物
・イチゴ(常法により測定した2℃での呼吸速度は5.1mLCO/kg・hr)
・270g/1パック(バラ詰め、上掛けフィルムあり)
・2パック/1箱
・総イチゴ質量:158kg
収納箱
・収納箱数150箱(598パック/5段PPバンド結束)、2パックは温度湿度センサーを設置するため抜き取り。
・材質:段ボール(2mm厚/片面段ボール、表面に撥水処理がされている)
・熱伝導率:0.06W/m・K
・サイズ:365×240×85mm
・積載後高さ:1275mm
鮮度保持フィルム
・材質:PE(ポリエチレン)製
・ガス透過性/二酸化炭素(23℃):40,000cm/m・day・atm
・ガス透過性/酸素(23℃):12,000cm/m・day・atm
・水蒸気透過性(40℃):30g/day・atm
・袋サイズ:1100×1100×1300mm
・最大径50μm以上の孔の個数が1mあたり1個以下である。
パレット
・発泡スチロール製
・サイズ:1100×1100mm
・通気度:0.1cm/cm・s以下
・パレットに対する収納箱の表面占有率:表2に記載
・収納箱の占有体積:表2に記載
条件
・貯蔵温度・湿度:1℃・85%
・貯蔵期間:2週間
・測定機器:温・湿度ロガー(おんどとり/A&D社製)を図1(a)及び(b)に示す包装体内の下周縁部1、包装体内の上周縁部2及び包装体内の中心部3に設置し測定した。
・袋内のガス濃度:CheckPoint3(MOCONEurope社製)を用いて二酸化炭素、酸素濃度を測定した。
〔評価〕
(イチゴの鮮度評価)
イチゴを2週間貯蔵した後のカビの発生率(パック単位)、および食味の状態を官能評価により評価した。
[比較例1]
包装体の袋サイズを1200×1200×1500mmに変更したこと以外は実施例1と同様の方法でイチゴの貯蔵試験を実施した。
なお、袋サイズがパレットのサイズより大きくなるため、パレット部分付近の袋を折り畳んでテープで固定し密封状態とした。
[比較例2]
鮮度保持フィルムを下記の鮮度保持フィルムに変更したこと以外は実施例1と同様の方法でイチゴの貯蔵試験を実施した。
鮮度保持フィルム
・材質:OPP(二軸延伸ポリプロピレン)製
・ガス透過性/二酸化炭素(23℃):5,000cm/m・day・atm
・ガス透過性/酸素(23℃):1,400cm/m・day・atm
・水蒸気透過性(40℃):6g/day・atm
・袋サイズ:1100×1100×1300mm
Figure 0003235270

表2中、包装体内の下周縁部、上周縁部及び中心部は、図1(a)及び(b)中の1、2、及び3の位置を指す。
表2に示す通り、パレットと、青果物が収納された収納箱と、鮮度保持フィルムと、を含む包装体であって、前記収納箱が前記パレット上に複数積載されており、前記パレット及び前記収納箱が、前記鮮度保持フィルムによって包装されており、前記鮮度保持フィルムは、二酸化炭素透過度が7,000cm/m・day・atm〜70,000cm/m・day・atmの範囲内であり、酸素透過度が3,000cm/m・day・atm〜30,000cm/m・day・atmの範囲内であり、前記収納箱の占有体積が、包装体内部の体積100体積%に対して、60体積%以上である包装体を用いた実施例は、カビ発生率及び食味の評価に優れていた。そのため、青果物の鮮度低下を抑制できていた。
一方、収納箱の占有体積が、包装体内部の体積100体積%に対して、60体積%以上でない包装体を用いた比較例1は、カビ発生率が高かった。そのため、青果物の鮮度低下を抑制できなかった。
二酸化炭素透過度が7,000cm/m・day・atm〜70,000cm/m・day・atmの範囲内でなく、酸素透過度が3,000cm/m・day・atm〜30,000cm/m・day・atmの範囲内でない鮮度保持フィルムを用いた比較例2は、食味の評価に劣っていた。そのため、青果物の鮮度低下を抑制できなかった。
[実施例2]
図2に示す様に、パレットに積載したスプレー菊の貯蔵試験を実施した。
花卉
・スプレー菊(常法により測定した2℃での呼吸速度は4.8mLCO/kg・hr)
・6.8kg/1箱(100本/箱)
・総スプレー菊質量:122kg
収納箱
・収納箱数18箱(一箱毎PPバンド結束)
・材質:段ボール(2mm厚/片面段ボール、表面に撥水処理がされている)
・熱伝導率:0.06W/m・K
・サイズ:850×370×170mm
・積載後高さ:1020mm
鮮度保持フィルム
・材質:PE製
・ガス透過性/二酸化炭素(23℃):40,000cm3/m2・day・atm
・ガス透過性/酸素(23℃):12,000cm3/m2・day・atm
・水蒸気透過性(40℃):30g/day・atm
・袋サイズ:1100×1100×1300mm
・最大径50μm以上の孔の個数が1mあたり1個以下である。
パレット
・発泡スチロール製
・サイズ:1100×1100mm
・通気度:0.1cm/cm・s以下
・パレットに対する収納箱の表面占有率:表3に記載
・収納箱の占有体積:表3に記載
条件
・貯蔵温度・湿度:2℃・85%
・貯蔵期間:2週間
・測定機器:温・湿度ロガー(おんどとり/A&D社製)を図2(a)及び(b)に示す包装体内の下周縁部1、包装体内の上周縁部2及び包装体内の中心部3に設置し測定した。
・袋内のガス濃度:CheckPoint3(MOCONEurope社製)を用いて二酸化炭素、酸素濃度を測定した。
〔評価〕
(スプレー菊の鮮度評価)
スプレー菊を2週間貯蔵した後の花びら、花芯の変色、葉の萎れの状態を調べた。
[比較例3]
花卉及び収納箱に関して、以下の点を変更した以外は、実施例2と同様の方法で、スプレー菊の貯蔵試験を実施した。
花卉
・総スプレー菊質量:61kg
収納箱
・収納箱数9箱(一箱毎PPバンド結束)
・積載後高さ:510mm
Figure 0003235270

表3中、包装体内の下周縁部、上周縁部及び中心部は、図2(a)及び(b)中の1、2及び3の位置を指す。
表3に示す通り、パレットと、花卉が収納された収納箱と、鮮度保持フィルムと、を含む包装体であって、前記収納箱が前記パレット上に複数積載されており、前記パレット及び前記収納箱が、前記鮮度保持フィルムによって包装されており、前記鮮度保持フィルムは、二酸化炭素透過度が7,000cm/m・day・atm〜70,000cm/m・day・atmの範囲内であり、酸素透過度が3,000cm/m・day・atm〜30,000cm/m・day・atmの範囲内であり、前記収納箱の占有体積が、包装体内部の体積100体積%に対して、60体積%以上である包装体を用いた実施例は、花びら、花芯の変化及び葉の萎れの評価に優れていた。そのため、花卉の鮮度低下を抑制できていた。
一方、収納箱の占有体積が、包装体内部の体積100体積%に対して、60体積%以上でない包装体を用いた比較例3は、花びら、花芯の変化及び葉の萎れの評価に劣っていた。そのため、花卉の鮮度低下を抑制できていなかった。
1・・・包装体内の下周縁部
2・・・包装体内の上周縁部
3・・・包装体内の中心部
4・・・青果物又は花卉
5・・・収納箱
6・・・パレット
7・・・結束バンド

Claims (10)

  1. パレットと、青果物又は花卉が収納された収納箱と、鮮度保持フィルムと、を含む包装体であって、
    前記収納箱が、前記パレット上に複数積載されており、
    前記パレット及び前記収納箱が、前記鮮度保持フィルムによって包装されており、
    前記鮮度保持フィルムは、二酸化炭素透過度が7,000cm/m・day・atm〜70,000cm/m・day・atmの範囲内であり、酸素透過度が3,000cm/m・day・atm〜30,000cm/m・day・atmの範囲内であり、
    前記収納箱の占有体積が、包装体内部の体積100体積%に対して、60体積%以上である包装体。
  2. 前記占有体積が、包装体内部の体積100体積%に対して、95体積%以下である請求項1に記載の包装体。
  3. 前記収納箱は、熱伝導率が0.01W/m・K〜300W/m・Kである請求項1又は請求項2に記載の包装体。
  4. 前記収納箱は、表面に撥水処理又は防水処理がされている請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の包装体。
  5. 前記パレットは、通気度が1cm/cm・s以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の包装体。
  6. 前記包装体内部の体積が1.0×10cm〜3.0×10cmである請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の包装体。
  7. 前記鮮度保持フィルムが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン及びα−エチレン系共重合体からなる群から選択される少なくとも1つを含むフィルムである請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の包装体。
  8. 前記鮮度保持フィルムは、最大径50μm以上の孔の個数が、1mあたり1個以下である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の包装体。
  9. 0℃〜5℃で保管される請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の包装体。
  10. 0℃〜3℃で2週間保管した場合に、内部の二酸化炭素濃度が1.0体積%〜25.0体積%であり、酸素濃度が1.0体積%〜21.0体積%である請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の包装体。
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