JP3235246B2 - 水溶性レジストの剥離方法及び剥離液 - Google Patents

水溶性レジストの剥離方法及び剥離液

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JP3235246B2 JP3527593A JP3527593A JP3235246B2 JP 3235246 B2 JP3235246 B2 JP 3235246B2 JP 3527593 A JP3527593 A JP 3527593A JP 3527593 A JP3527593 A JP 3527593A JP 3235246 B2 JP3235246 B2 JP 3235246B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、配線板の製造工程にお
ける水溶性レジストの剥離方法と剥離液に関する。
【0002】
【従来の技術】配線板の製造法の一つに、はんだをエッ
チングレジストとして用い、配線形成する方法が知られ
ている。この方法の一般的な場合を例にあげると、両面
に銅箔を積層した基板に、穴あけ後、銅めっきをほどこ
し、この後、有機レジスト膜によって、被めっき部以外
を被覆する。このものに、はんだめっきを行い、有機レ
ジスト膜を剥離後、不要部分の銅をエッチングによって
除去する。この有機レジスト膜に水溶性レジストを用
い、アルカリ性水溶液によって剥離する方法がある。水
溶性レジストの剥離に用いられる剥離液は、一般的に水
酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの強アルカリ性水
溶液で、pH13以上で用いられることが多い。このと
きの、温度は、40〜50℃で、剥離に要する時間は、
2〜3分程度が一般的である。
【0003】実際の剥離時間は、高密度パターン部分に
剥離残渣などが残らず、完全に水溶性レジストが剥離さ
れるために、ほぼレジストが剥離される時間(約40〜
50秒)の3倍程度に設定される。このため、剥離作業
の多くの時間は、銅(水溶性レジストの剥離された部
分)とはんだめっきとが同時に剥離液にさらされる状態
となる。剥離液は、上記したように強アルカリ性の液で
あるため、エッチングレジストの役割を果たすべき、は
んだが溶解され、その厚さが不十分となったり、また、
はんだの構成金属の一方(錫)が過剰に溶解されてしま
ったりすることがある。特に基板周辺部や疎なパターン
においては、はんだめっきの電流密度が大となるため、
はんだめっき中の錫比率が高くなり、剥離時にはんだめ
っきの溶解が増加する傾向がある。このため、次工程で
あるアルカリエッチング工程において、充分なエッチン
グレジストの役割を果たしえず、配線に断線や欠けなど
の欠陥を作ることがあった。また、水溶性レジストの剥
離時には、銅とはんだが接触しているための局部電池作
用も、先に述べたはんだの腐食、溶解の促進要因となっ
ている。
【0004】そこで、この腐食、溶解を防止するため
に、還元性物質や、さらに、アリールスルホン酸ナトリ
ウムや有機イオウ化合物等を添加する方法、ホウ水素化
合物を添加する方法、イミダゾール化合物を添加する方
法や、3,5ジメチルピラゾールを添加する方法が、特
開昭63−183445号公報、特開昭64−2425
4号公報、特開昭64−81295号公報および特開昭
62−151589号公報に、それぞれ、示されてい
る。また、水溶性レジストの剥離において、鉛イオンが
水溶性レジスト剥離後の銅表面に析出し、エッチングを
阻害するために、配線間のショートを引き起こすことが
ある。そこで、鉛の析出を防ぐために、酸化剤を添加す
る方法が、特開昭63−38588号公報に示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭63−18
3445号公報、特開昭64−24254号公報、特開
昭64−81295号公報および特開昭62−1515
89号公報に示されている方法では、スプレー方式によ
り剥離作業を行うと、充分な効果が得られない。また、
特開昭63−38588号公報において鉛の析出を防ぐ
方法として示されている酸化剤を用いる方法と、特開昭
63−183445号公報や特開昭64−81295号
公報においてはんだの溶解を抑制する方法として示され
ている還元性物質を用いる方法とは、両立しえない。す
なわち、いままでは、はんだの溶解抑制と鉛の析出防止
を同時にはかることは困難であった。
【0006】本発明は、はんだの溶解抑制に優れ、同時
に、鉛の析出防止に優れた水溶性レジストの剥離方法
剥離液を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、銅箔を積層し
た基板に、水溶性レジストでめっきレジストを形成し、
はんだめっきを行い、その後、この水溶性レジストを剥
離する水溶性レジストの剥離方法において、剥離液中に
1,10フェナントロリン、アルキル基の付加した1,10フェ
ナントロリンもしくは、これらの塩を含むことを特徴と
する。さらに、アミノグアニジン、ヒドラジン類、亜硫
酸、亜二チオン酸またはこれらの塩、ホウ水素化物、カ
ルバジン酸エステル、二酸化チオ尿素、スルフィン酸
類、スルホキシ酸類、ヒドラジド類、セミカルバジド塩
の少なくとも一つを含むことを特徴とする。
【0008】配線形成を阻害する鉛の析出について、特
開昭63−38588号公報では、はんだめっき液成分
残存の影響が述べられている。しかし、筆者らの検討結
果では、鉛の析出は、剥離液中で引き起こされるものと
考えられる。以下に、この理由を詳細に述べる。
【0009】銅のエッチングレジストに使用されるはん
だの構成金属である錫や鉛は、pH13以上で溶解する
ことが、化学同人1984年発行の「金属の腐食防食序
論」p242における図17−11、「スズの電位−p
H図」、および、p243における図17−12、「鉛
の電位−pH図」などに示されている。実際に、銅表面
に配線幅、スペース幅ともに100〜150μm程度の
高密度なはんだめっきのパターンを形成し、400pp
mの鉛イオンを含む40g/l程度の水酸化ナトリウム
水溶液の液滴を落とすと、室温で数分放置後に、銅の露
出部分が灰色に変色するのが容易に観察されることを、
筆者らは見出している。また、この灰色部分を分析する
と鉛が検出される。この理由は、はんだめっき金属成分
の溶解を鉛イオンの再析出が、液滴中で、同時に、もし
くは、逐次的に起っていることになる。この詳細な機構
については不明である。はんだめっき金属の鉛と錫、お
よび、銅(はんだめっきがなされていない部分)の三種
類の金属が存在するためにこの様な現象が起るようであ
る。このように、アルカリ剥離液中での、はんだの溶解
や鉛の再析出現象は容易に確認される。
【0010】はんだの溶解抑制方法を示した特開昭63
−183445号公報、特開昭64−81295号公
報、特開昭62−151589号公報および特開昭63
−38588号公報に、室温において、静置時の溶解速
度や溶解量の実例が実施例および比較例として示されて
いる。これら4件の公報のそれぞれの実施例に示されて
いるように、溶解をある程度抑制することはできるが、
完全には溶解を抑制できないことがわかる。実際の作業
には、一般的に、1〜2kg/cm2のスプレー圧力
で、40〜50℃の温度の剥離液を、コンベアを用いて
搬送している基板に接触させて、水溶性レジストを剥離
するスプレー方式を用いられることが多い。この様に、
常に新しい液が基板表面に供給される場合、見かけの拡
散係数は静置時と比較にならないほど大きくなり、はん
だの溶解速度は、上記の公報の実施例の値よりもはるか
に大きくなることが容易に推定される。従って、上に示
したような溶解抑制方法を採用しても、基板の処理枚数
とともに、剥離液中にはんだが溶解し、その金属イオン
量が増加することになる。
【0011】実際に、スプレー式水溶性レジスト剥離装
置を用い、特開昭63−183445号公報に示されて
いる方法に相当する還元剤入り薬剤であるOPCパーソ
リ(奥野製薬株式会社製、商品名)を剥離液に添加し、
200m2の基板(はんだ面積:25%)のドライフィ
ルムHF450(日立化成工業株式会社製、商品名)を
剥離した後、液中の鉛イオンを測定したところ、その濃
度は、300〜400ppmであった。筆者らは、剥離
液中の鉛イオン量が、400ppm程度になると、鉛の
基板表面への析出が目視で観察され始め、その後のアル
カリエッチングで残銅を引き起こすことを見出してい
る。そこで、鋭意検討を行った結果、液中に鉛イオンが
増加すると、溶解が加速されること、また、特開昭63
−183445号公報、特開昭64−24254号公
報、特開昭64−81295号公報および特開昭62−
151589号公報に示されている方法で試験した結
果、液中に鉛イオンが存在すると溶解が増大し(溶解電
流値を測定)、充分な抑制効果が得られないことを見出
した。鉛イオンの存在時に、溶解が加速される理由とし
て、先に述べた鉛の再析出反応が、腐食、溶解の対極反
応となっているためと推定される。また、溶解電流を測
定したところ、液中の鉛イオンが50〜100ppmの
場合、目視では必ずしも鉛の析出が確認できないが、こ
の様な溶解の加速現象の起ることがわかった。即ち、一
般の剥離作業において、はんだの溶解が特に問題になる
のは、単にアルカリ液中へはんだが溶解する単純な溶解
現象に加えて、このような加速現象によるためと考えら
れる。
【0012】そこで、鉛イオンと錯体を形成し、鉛の析
出を抑制する方法を検討した結果、剥離液中に1、10
フェナントロリン、アルキル基の付加した1、10フェ
ナントロリンもしくは、これらの塩を添加することが有
効なことがわかった。具体的には、1、10フェナント
ロリン、2、9ジメチル1、10フェナントロリン、
4、7ジメチル1、10フェナントロリン、5、6ジメ
チル1、10フェナントロリン、5メチル1、10フェ
ナントロリン、3、4、7、8テトラメチル1、10フ
ェナントロリンやこれらの塩があげられる。添加量は、
鉛イオンと形成する錯体の鉛との比率や、上記有機物の
分子量によって有効な範囲が異なる。実用的には、0.
01g/l以上で有効であり、不必要に多くの量を添加
することは、コスト的に不利となること、また、上記の
化合物のアルカリ液中への溶解度がそれほど高くないこ
となどから、20g/lが実用的な最大添加量である。
なお、これらの化合物のアルカリ液中への溶解には、補
助溶媒として、エチルアルコール等の有機溶剤を少量用
いることが望ましい。また、上記化合物のうち、価格
や、溶解性の点から、1、10フェナントロリンもしく
は、2、9ジメチル1、10フェナントロリンが特に望
ましい。なお、上記有機物を複数用いる場合は、「添加
量」の語は「合計の添加量」と読みかえることとする。
実用上、より望ましい添加量の範囲は、0.05〜10
g/lである。
【0013】さらに、アミノグアニジン、ヒドラジン
類、亜硫酸、亜二チオン酸またはこれらの塩、ホウ水素
化物、カルバジン酸エステル、二酸化チオ尿素、スルフ
ィン酸類、スルホキシ酸類、ヒドラジド類、セミカルバ
ジド塩の少なくとも一つを添加することによって、より
一層の効果が得られる。アミノグアニジン類について
は、重炭酸アミノグアニジン、硫酸アミノグアニジン、
塩酸アミノグアニジンなどが使用できる。ヒドラジン類
については、水加ヒドラジン、モノメチルヒドラジン、
ジメチルヒドラジンなどを例示でき、その塩としては、
硫酸ヒドラジン、炭酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジンが使
用できる。亜硫酸塩については、亜硫酸ナトリウムや亜
硫酸カリウムが使用できる。亜二チオン酸塩としては、
ハイドロサルファイトナトリウム、ハイドロサルファイ
トカリウム、ハイドロサルファイトアンモニウムが使用
できる。ホウ水素化物としては、ジメチルアミンボラ
ン、水素化ホウ素ナトリウムや水素化ホウ素カリウムが
使用できる。カルバジン酸エステルとしては、メチルカ
ルバゼート(別名:カルバジン酸メチル)やエチルカル
バゼート(別名:カルバジン酸エチル)が使用できる。
スルフィン酸類としては、ホルムアミジンスルフィン酸
が、スルホキシ酸類としては、通称ロンガリットと呼ば
れるソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート(別
名:ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム)が使用で
きる。ヒドラジド類としては、カルボヒドラジド、アセ
トヒドラジドやイソニコチン酸ヒドラジドが使用でき
る。セミカルバジド塩としては、硫酸セミカルバジドや
塩酸セミカルバジドが使用できる。なお、二酸化チオ尿
素は、アルカリ液中で分解し、ホルムアミジンスルフィ
ン酸を生成するので、ホルムアミジンスルフィン酸と同
様の効果が得られるものである。
【0014】第二の添加剤として示した上記化合物は、
いずれも剥離液中で還元効果を示すものであり、添加量
は、これらの化合物の還元当量や寿命(還元効果の持続
時間)によって異なる。しかし、溶解性やコストなどの
実用的な観点から、望ましい添加量は、0.01〜10
0g/lである。なお、第二の添加剤を複数用いる場合
も、「添加量」の語を「合計の添加量」と読みかえるこ
ととする。実用上、より望ましい添加量の範囲は、0.
05〜50g/lである。
【0015】一般的に、還元剤として知られている亜リ
ン酸水素二ナトリウムやホスフィン酸ナトリウム(別
名:次亜リン酸ナトリウム)では、剥離液中で充分な還
元性が見られず、また、溶解抑制効果(溶解電流を測
定)も得られなかった。この理由として、剥離液のpH
条件では、還元寿命が数分以下と極めて短いためではな
いかと考えられる。チオ硫酸ナトリウムについては、還
元寿命はある程度得られるものの、溶解抑制効果は得ら
れなかった。この理由として、チオ硫酸ナトリウムの還
元能力が低く、溶解抑制には不十分なことが考えられ
る。また、アルデヒド類であるホルムアルデヒド、テレ
フタルアルデヒド酸、o−フタルアルデヒド酸、ベンズ
アルデヒド−oスルホン酸、テレフタルアルデヒド、ベ
ンズアルデヒド2,4ジスルホン酸については、剥離液
中での還元剤としての寿命が、極めて短く、30分以下
で還元剤量(ヨウ素による酸化還元滴定で測定)が初期
投入量から計算される値の1/10以下となり、実用的
ではなかった。フェノール類である没食子酸、没食子酸
エチル、没食子酸nプロピル、没食子酸メチル、ピロガ
ロール、pヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、
2,4キシレノールについては、還元寿命が短く、実用
的ではなかった。なお、アミノグアニジンについては、
剥離液中で還元効果が得られるが、1,1,3,3テト
ラメチルグアニジンや硫酸グアニジンなどアミノ基のな
いグアニジン類については効果が得られず、適していな
かった。以上の様に、剥離液に添加して効果のある還元
性物質は、本特許に示したように、極めて限られたもの
だけであった。
【0016】また、剥離液に添加された還元剤は、剥離
作業時に基板と接触する。亜硫酸ナトリウムで調べた結
果、銅との接触によって分解が促進された。1、10フ
ェナントロリン、アルキル基の付加した1、10フェナ
ントロリンもしくは、これらの塩の添加によって、還元
剤の寿命低下が抑制された。
【0017】
【作用】従来の剥離液に対するはんだの溶解抑制方法
は、静置条件では効果が得られていた。しかし、スプレ
ーのように新しい液が常に接触する条件では、はんだの
溶解が予想以上に大きく、その結果、基板を処理するに
したがい、剥離液中の鉛イオンが増加すること、50〜
100ppmの鉛イオンの存在においても、従来の溶解
抑制方法の効果を阻害するという知見を得ることにより
本発明をなしえたものである。本発明では、金属イオン
と錯体を形成し得る特定の物質を剥離液に添加すること
により、鉛イオンを封鎖、もしくは、銅表面を封鎖し、
はんだめっきの溶解抑制効果を得られたと考えられる。
また、より一層の溶解抑制効果を得るために、特定の還
元剤の添加を行った。公知の還元剤のみを添加する方法
では、はんだめっきより溶けだす鉛イオンの作用によっ
て、充分な効果が得られなかった。しかし、本発明の場
合、金属イオンと錯体を形成し得る物質によって、鉛イ
オンの析出作用を防いでおり、その結果、還元剤の添加
による溶解抑制効果を得ることができた。ここで、還元
剤によって、はんだの溶解が抑制される理由の一つとし
て、次のように推定している。はんだ中の金属(鉛、
錫)が亜鉛酸、鉛酸や亜錫酸、錫酸などのイオンに溶解
する反応が酸素要求反応である。剥離液に添加された還
元剤は、液中の溶存酸素を還元し、液中の溶存酸素濃度
を低下させる。このために、はんだの溶解反応が抑制さ
れる。実際に、いくつかの還元剤で、溶存酸素濃度を測
定した。その結果、ハイドロサルファイトナトリウム、
亜硫酸ナトリウム、ホルムアミジンスルフィン酸やヒド
ラジンでは、室温で溶存酸素濃度の低下がみられた。ま
た、溶解電流値の測定から、室温では、効果が少なかっ
たが、50℃では溶解抑制効果のみられたソジウムアル
デヒドスルホキシレート、硫酸アミノグアニジンや水素
化ホウ素ナトリウム等では、測定した溶存酸素濃度低下
も、室温では、あまりみられず、50℃で大きな低下が
みられた。このように、還元剤添加による溶存酸素濃度
の低下とはんだの溶解抑制効果に相関がみられた。ま
た、重金属は、還元剤の分解を促進させる作用がある
が、本発明の場合、重金属が封鎖されているためか還元
剤の分解が抑制されている。以上のことから明らかなよ
うに、本発明では、鉛の析出と溶解の問題を同時に解決
したものである。
【0018】
【実施例】
(溶解抑制添加剤の実施例および比較例)NaOH水溶
液(NaOH濃度:40g/l)に、鉛濃度で150m
g/l(150ppm)となるように硫酸鉛を混合し、
約2時間撹拌して硫酸鉛を完全に溶解して液を調整し、
容量100mlのビーカに、この液50mlをそそい
だ。この液中に、それぞれ露出面積が4cm2となるよ
うに被覆した銅とはんだ板を浸漬し、液中を流れる電流
測定用の電極とし、電極からの引きだし線間に10オー
ムの抵抗を介し、銅とはんだ電極を接続し、この抵抗両
端の電圧を測定することにより、溶解電流を測定できる
ようにした。測定は、室温(約20℃)において、マグ
ネチックスターラで液を撹拌しながら行った。また、表
1に示す添加剤0.2gを、少量(2〜3ml)のNa
OH水溶液(NaOH濃度:40g/l)に溶解した液
を用意した。なお、表1−1に示すフェナントロリン類
の場合、アルカリ液中には溶解しにくいので、水酸化ナ
トリウム水溶液のかわりに、少量のエチルアルコール中
に溶解させた。これらの液を撹拌中のビーカ内に注ぎ、
溶解電流の変化を測定した。その結果、添加剤投入後
(添加剤濃度:約4g/l)の電流値が投入前の電流値
に比べ、2割以上低下したものを○、電流値低下が2割
未満、もしくは、逆に増加したものを×とし、表1(実
施例:表1−1、比較例:表1−2)に示す。なお、×
のものは、ほとんどのものにおいて、電流値の減少は見
られなかった。さらに付け加えると、表1−1の実施例
に示した有機物の場合、添加剤の濃度を上記の1/10
の0.4g/lにしても溶解電流値は2割以上低下し
た。一方、比較例22〜25の含有機イオウ化合物、比
較例34〜37のニトロ化合物、比較例56の臭素酸ナ
トリウムについては、鉛イオンを含まない水酸化ナトリ
ウム溶液にこれらの化合物を添加するだけでも、溶解電
流の大幅な増大をもたらし、かえって、はんだの溶解を
促進した。
【0019】
【表1】
【0020】(第二の添加剤の実施例および比較例)次
に、第二の添加剤(還元剤)の溶解抑制効果を調べた。
効果の有無は、50℃の液温を保ったまま、はんだと銅
電極を用い、マグネチックスターラで液を撹拌しながら
溶解電流を測定することにより確認した。より詳しくの
べると、予め、10mlのNaOH水溶液(NaOH濃
度:40g/l)に溶解した0.2gの還元剤を50℃
に加温しておき、この液を、同じく50℃に加温した4
0mlの2、9ジメチル1、10フェナントロリン(濃
度:0.4g/l)入りのNaOH水溶液(NaOH濃
度:40g/l)に加えることによりおこなった。な
お、2、9ジメチル1、10フェナントロリンを水酸化
ナトリウム水溶液に溶かすにあたり、補助溶媒として、
エチルアルコールを用いた。評価は、第二の添加剤を加
えたことによって、2割以上の電流値低下が見られたも
のを○、それ以外を×とした。結果を、表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】 (第一の添加剤の還元剤寿命延長効果) 第一の添加剤による還元剤の寿命延長効果を調べた。N
aOH水溶液(NaOH濃度:40g/l)中に、第二
の添加剤として亜硫酸ナトリウムを還元剤濃度で、0.
3規定(19g/l)となるように調整し、この液中
に、第一の添加剤の濃度が0.4g/lとなるように添
加したもの(表3−1、実施例20、21)と添加しな
いもの(表3−2、比較例68)をつくった。また、別
途、NaOH水溶液(NaOH濃度:40g/l)中
に、OPCパーソリを添加し、0.3規定となるように
液を調整し(OPCパーソリの添加量で25ml/l、
比較例69)、300mlトールビーカに、これらの液
100mlと2cm角の銅張り積層板をいれ、湯煎器で、
温度を50℃に保ちながら、液中にエアーポンプで毎分
2.5〜3リットルの空気を注入し、液と空気を接触さ
せた。この時、空気と液との接触を良くするために、ガ
ラスボールフィルタ(木下式、タイプG2、径20m
m)によって、微細な気泡にした。この液を適宜サンプ
リングし、還元剤濃度を、ヨウ素液による滴定によって
測定し、経時変化を調べた。評価は、還元剤濃度が初期
値の50%になるまでの時間が6時間以上の場合を○、
6時間以下の場合を×とした。実際には、表に示した実
施例20、21の場合、いずれも8時間経過後において
50%以上の還元剤濃度を保っていた(水分蒸発による
濃縮分を換算済)。一方、第一の添加剤を含まない比較
例68の場合、1時間後には、50%以下の濃度とな
り、8時間後には、10%以下となっていた。また、比
較例69については、2時間後に10%以下の濃度とな
り、8時間後には、1%程度まで濃度低下を引き起こし
ていた。
【0023】
【表3】
【0024】(鉛の析出抑制効果)銅張り積層板に水溶
性ドライフィルムHF450(日立化成工業製)を用い
て、露光、現像を行い、パターンを形成した。このもの
に約5μmの厚さの電気はんだめっきを行った。この基
板を、2cm×5cmになるように切出した。このと
き、基板の半分(2cm×2.5cm)がドライフィル
ムで被覆されており、残りの部分がはんだめっきされて
いるようにした。このものを400ppmの鉛イオンと
添加剤を含むNaOH水溶液中に浸漬し、ドライフィル
ムを剥離した。剥離は、ビーカ中で行い、温度50℃で
マグネチックスターラで約2分間、撹拌しながら行っ
た。この時の鉛の析出を目視で観察した。露出している
銅に、灰色の変色部分が観察されたものを×、全く変色
が観察されず、銅光沢のあるものを○とした。結果を表
4(実施例:表4−1、比較例:表4−2、表4−3)
に示す。
【0025】
【表4】
【0026】(鉛イオンが存在する剥離液中での添加剤
の効果)第一の添加剤と第二の添加剤の効果、および、
これらの共同効果を明らかにするための試験を行った。
まず、NaOHの濃度が40g/lの水溶液を作った。
別に、NaOH濃度が40g/lの水溶液に硫酸鉛を溶
解し、5000ppmの鉛イオンを含む液を作った。ま
た、第一の添加剤である2,9ジメチル,1,10フェ
ナンスロリン0.02gを、2〜3mlのエチルアルコ
ールに溶解して準備し、第二の添加剤である亜硫酸ナト
リウム0.2gを、2〜3mlの40g/lのNaOH
溶液に溶解して準備した。容量100mlのビーカに、
40g/lのNaOH水溶液を50mlそそぎ、先に述
べた銅電極とはんだ電極を用いて、添加剤を順次加えた
ときの溶解電流の変化を、液温50℃で、マグネチック
スターラで撹拌しながら測定した。結果を図1に示す。
【0027】図1において、区間1では、NaOH水溶
液中での溶解電流が表れている。このとき、電極の表面
状態がわずかに変化するためか、徐々に電流値が減少し
ている。このような現象は、実際の水溶性レジストの剥
離時にも起こっているものと思われるが、実際の剥離に
要する時間は2〜3分であり、電流値の減少はわずかで
ある。次に、第二の添加剤を投入すると、区間2に示す
ように、急速な電流の減少が起こる。実際には、この添
加剤は最初から添加されているので、電極を液に入れて
電流値を測定し始める時から電流値は低下していること
になる。次に、5000ppmの鉛イオンを含む液を1
ml投入すると、区間3に示されるように、第二の添加
剤の効果がなくなり、急激に溶解電流値が上昇する。さ
らに、第一の添加剤を投入すると、区間4に見られるよ
うに、鉛イオンによる電流上昇がほとんど打ち消され
て、鉛イオンを添加する前の状態に戻る。これらのこと
から、第二の添加剤だけでは、鉛イオンによる電流値抑
制の効果が打ち消されるが、第一の添加剤を加えること
によって、鉛イオンの影響をなくし、第二の添加剤の効
果も発揮できるようになる。
【0028】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の第一の
添加剤及び第二の添加剤を用いることによって、水溶性
レジストをアルカリ性の剥離液で剥離する場合に、はん
だめっきの溶解を抑制でき、さらに、鉛の析出をも抑制
できる。したがって、配線欠陥のない良好な配線を形成
できる。その他の効果として、本発明による剥離液は強
アルカリを得るために、安価な水酸化ナトリウムや水酸
化カリウムなどの無機アルカリが使用できることや、鉛
の析出が抑制できるので、この剥離液による基板の処理
面積が大きくなるので、廃液処理のコストが低下する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の効果を説明するための添加剤と溶解電
流の関係を示す線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−183445(JP,A) 特開 昭64−24254(JP,A) 特開 昭59−55438(JP,A) 特開 昭57−16159(JP,A) 特開 昭61−37971(JP,A) 特開 昭49−117504(JP,A) 特開 昭63−30582(JP,A) 特公 昭46−43123(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/42 C23F 1/00 H05K 3/06 H05K 3/24

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銅箔を積層した基板に、水溶性レジストに
    よって、めっきレジストを形成し、はんだめっきを行
    い、水溶性レジストを強アルカリ性水溶液で剥離する水
    溶性レジストの剥離方法において、剥離液中に、1,10フ
    ェナントロリン、アルキル基付加した1,10フェナント
    ロリン、もしくはこれらの塩を、0.01〜20g/l
    含むことを特徴とする水溶性レジストの剥離方法。
  2. 【請求項2】アルキル基付加した1,10フェナントロリ
    ンが、1以上のメチル基付加した1,10フェナントロリ
    ンである請求項1に記載の水溶性レジストの剥離方法。
  3. 【請求項3】アルキル基付加した1,10フェナントロリ
    ンが、2,9ジメチル1,10フェナントロリンである請求項
    1に記載の水溶性レジストの剥離方法。
  4. 【請求項4】二の添加剤として、アミノグニジン、ヒ
    ドラジン類、亜硫酸、亜二チオン酸またはこれらの塩、
    ホウ水素化物、カルバジン酸エステル、二酸化チオ尿
    素、スルフィン酸類、スルホキシ酸類、ヒドラジド類、
    セミカルバジド塩の少なくとも一つを0.01〜100
    g/l含む請求項1〜3のうちいずれかに記載の水溶性
    レジストの剥離方法。
  5. 【請求項5】剥離液をスプレーによって基板に接触させ
    る請求項1〜4のうちいずれかに記載水溶性レジスト
    の剥離方法。
  6. 【請求項6】 強アルカリ性水溶液と、1,10フェナントロ
    リン、アルキル基を付加した1,10フェナントロリン、も
    しくはこれらの塩とを含有してなる剥離液。
  7. 【請求項7】 アルキル基を付加した1,10フェナントロリ
    ンが、1以上のメチル基を付加した1,10フェナントロリ
    ンである請求項6に記載の剥離液。
  8. 【請求項8】 アルキル基を付加した1,10フェナントロリ
    ンが、2,9ジメチル1,10フェナントロリンである請求項
    6に記載の剥離液。
  9. 【請求項9】 第二の添加剤として、アミノグニジン、ヒ
    ドラジン類、亜硫酸、亜二チオン酸またはこれらの塩、
    ホウ水素化物、カルバジン酸エステル、二酸化チオ尿
    素、スルフィン酸類、スルホキシ酸類、ヒドラジド類、
    セミカルバジド塩の少なくとも一つを含む請求項6〜8
    のうちいずれかに記載の剥離液。
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