JP3234937B2 - 円筒形空気電池 - Google Patents

円筒形空気電池

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JP3234937B2 JP16259594A JP16259594A JP3234937B2 JP 3234937 B2 JP3234937 B2 JP 3234937B2 JP 16259594 A JP16259594 A JP 16259594A JP 16259594 A JP16259594 A JP 16259594A JP 3234937 B2 JP3234937 B2 JP 3234937B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属製正極ケースに空
気取り入れ孔を有する円筒形空気電池に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に円筒形空気電池の容器は正極とな
る金属製の正極ケースを使用しており、その正極ケース
側面は勿論のこと封口かしめ部分は、負極端子である金
属製の底板と近接している為、電池を外装なしで使用し
た場合、器具への装填時や、複数個の電池を同時に使用
する際などに、電池を外部ショートさせてしまうことが
あり、電池の性能を充分に取り出せなくなったり、漏液
したりする問題が発生する惧れがある。そのため絶縁材
料で正極ケースを絶縁することは円筒形空気電池では不
可欠である。
【0003】又、空気取り入れ孔が外部に露出した状態
になっている場合には、電池使用前後に外部から空気孔
内部の正極(空気極)に針状の異物が突き刺さったり、
又故意に人がつついたりすることが予想されるため、正
極ケースの空気取り入れ孔を外観上見えないように塞い
だ方がよい。
【0004】しかし従来は、図2に示すように円筒形空
気電池の金属製の正極ケース8側面には正極活物質であ
る酸素を電池内部に取り込む為に多数設けられた空気取
り入れ孔15を塞がずに絶縁の目的で金属製の正極ケー
ス8に熱収縮性樹脂ラベルや熱収縮性樹脂チューブ16
A等で外装し、そしてあらかじめ金属製の正極ケース8
の空気取り入れ孔15と対応する位置のラベルやチュー
ブの部分に開口部である孔15Aを開けて置き、正確に
この位置を正極ケースの空気取り入れ孔15の位置に合
わせていた。従って組み立て作業上、量産上に難点があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する従来の問題点は、絶縁外装に開けた孔を正極ケース
の空気取り入れ孔に位置合わせをして外装を施す製造上
の煩雑さである。
【0006】そこで本発明は絶縁外装に孔を設けないで
単に外装を施し、しかも電池の性能を充分に取り出せる
円筒形空気電池を実現することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記する従来
の問題点を解決するために、請求項1記載に係る発明
は、円筒形空気極を挿入し、側部に多数の空気取り入れ
孔を有する金属製の正極ケースを、空気透過能を有する
多孔質樹脂層で被覆外装したものである。
【0008】請求項2記載に係る発明は、請求項1記載
に係る発明の多孔質樹脂層を、多孔度が15%以上30
%以下にしたものであり、請求項3記載に係る発明は内
面に部分的に粘着材をコーティングした熱収縮性粘着ラ
ベルとしたものであり、請求項4記載に係る発明は、請
求項1または2記載に係る発明の多孔質樹脂層を、熱収
縮性チューブとしたものである。
【0009】また請求項5記載に係る発明は、円筒形空
気極を挿入し、側部に多数の空気取り入れ孔を有する金
属製の正極ケースを、空気透過能を有する不織布で被覆
外装したものであり、請求項6記載に係る発明は、請求
項5記載に係る発明の不織布の内面に部分的に粘着材を
コーティングした粘着ラベルとしたものである。
【0010】
【作用】本発明は、前記する構成により、多孔質樹脂層
または不織布自身が空気透過能を有しているため、円筒
形空気極を挿入した正極ケースの空気取り入れ孔を、前
記多孔質樹脂層または不織布が塞いでも、空気は空気取
り入れ孔を通じて内部の円筒形空気極に供給することが
できる。従って空気電池の性能を常に正常に取り出すこ
とができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。
【0012】図1は本発明を適用した単3形空気亜鉛電
池の半截断面図である。図1の1は円筒形空気極で、内
側から触媒層2、集電体層3、溌水性ふっ素樹脂多孔膜
層4で構成されている。
【0013】この3層構造の円筒形空気極1の上部には
金属製の外カップ5を挿入し、次に金属製の内カップ6
を円筒形空気極1の内側に挿入したのち、外カップ5は
側面をローラーで圧縮して溝7を形成し円筒形空気極1
に押しつけられ、内カップ6は内カップ内径より外径の
大きな拡口ピンによりカップ側面が円筒形空気極1の方
向へ拡口されている。これにより、円筒形空気極1は金
属製の外カップ5と内カップ6で圧着されて気密となり
封口部の耐漏液特性の優れたものとなる。さらに、耐漏
液性の信頼性を向上させる目的で外カップ5の内側面か
ら底面R部にかけて合成ゴム系の封止剤を塗布すること
により信頼性の高い構造としている。
【0014】正極ケース8の上部はこのように封口され
た後、金属性の外カップ5の3箇所に備えたプロジェク
ション部5Aをスポット溶接することにより正極の集
電、導通を完全にしている。
【0015】ゲル状亜鉛負極9は円筒形空気極1内に構
成挿入されたセパレータ10を介して内部に充填されて
いる。円筒形空気極1下部は樹脂封口体11と正極ケー
ス8で封口されている。12は皿紙、13は封止剤、1
4は空気拡散紙、15は正極ケース8の空気取り入れ孔
で、正極ケース8の胴部及び正極ケース8の封口かしめ
部分は多孔質樹脂層16により被覆絶縁外装されてい
る。更に、電池を使用するまでは密封シール17で電池
胴部がシールされている。
【0016】本実施例ではポリテトラフルオルエチレン
(以下PTFEという)製の多孔質樹脂層16で正極ケ
ース8の外装を施したが、外装材料としてはPTFEの
他テトラフルオルエチレンとヘキサフルオルプロピレン
との共重合物やポリ塩化ビニル等の樹脂材料が使用で
き、一般的に多孔度は15%以上のもので任意に使用す
ることができる。
【0017】本実施例の多孔質樹脂層16では多孔度2
0〜30%の範囲で製作されたPTFEをチューブ状に
成形した形で外装材料として用い、外装前の素電池をチ
ューブに挿入した後、温風によりチューブを収縮させ正
極ケース8の側面及び封口かしめ部分を覆うように装着
したものである。
【0018】又、外装材料として用いる場合に、多孔質
樹脂層16に部分的に粘着剤をコーティングして粘着ラ
ベルとして正極ケース8に巻きつけた後、正極ケース8
からはみ出した部分を熱収縮により封口かしめ部分に覆
うように貼り付けることも可能である。
【0019】同様に、多孔質樹脂層の外装材料としてポ
リプロピレンやビニロン等の不織布を使用したり、その
不織布に部分的に粘着剤をコーティングして粘着ラベル
として正極ケース8に巻きつけた後、正極ケース8から
はみ出した部分を熱収縮により封口かしめ部分に覆うよ
うに貼り付けることも可能である。
【0020】以上により、構成した単3サイズの本発明
の実施例である円筒形空気亜鉛電池と図2に示すように
従来通りあらかじめ正極ケース8の空気取り入れ孔15
に合う部分に孔15Aをあけたポリエチレンテレフタレ
ート樹脂チューブ16Aで正極ケース8に外装を施した
従来例の電池について、各10個ずつ、電気容量を測定
する300mAの定電流連続放電試験を実施した。なお
終止電圧を0.9ボルトとしその結果を表1に示した。
また、従来例を示す図2において図1と同じ構成部分に
は同一符号を付して詳細な説明を省略した。
【0021】
【表1】
【0022】表1に示す通り、電池性能は本発明の実施
例の円筒形空気亜鉛電池と従来例の円筒形空気亜鉛電池
で特に差がないことが判明する。このように本発明によ
る構成の電池の場合、空気透過能の有する多孔質の樹脂
層または不織布を外装材料として使用することにより従
来のように正極ケース8の空気取り入れ孔15に対応す
る樹脂フイルムの部分にあらかじめ孔15Aを開けてお
くことなく、簡単に電池に外装を施すことができると同
時に、電池の放電性能も従来通り安定して取り出すこと
ができる。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明は、空気取り入れ孔
を具備した金属製の正極ケースを、空気透過能を有する
多孔質樹脂層または不織布で被覆外装したことにより、
樹脂層にあらかじめ孔を開けておくことなく、簡単に電
池に外装を施すことができると同時に、電池の放電性能
も従来の電池と変りなく取り出すことができ、更に、正
極ケースの空気取り入れ樹脂層または不織布で覆い隠す
事により、誤使用あるいは故意による外部からの異物の
侵入を未然に防ぎ空気極の破壊を防止することができ安
全性、信頼性の点で従来より優れた円筒形空気電池を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に於ける円筒形空気亜鉛電池
の半截断面図
【図2】従来例に於ける円筒形空気亜鉛電池の半截断面
【符号の説明】
1 円筒形空気極 2 触媒層 3 集電体層 4 撥水性ふっ素樹脂多孔膜 5 外カップ 6 内カップ 8 正極ケース 9 ゲル状亜鉛負極 15 空気取り入れ孔 16 多孔質樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江田 信夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−99684(JP,A) 特開 昭49−56143(JP,A) 特開 昭59−99657(JP,A) 特開 平5−144482(JP,A) 特開 平5−47388(JP,A) 実開 昭60−174177(JP,U) 実公 昭48−18336(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 12/00 - 12/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒形空気極を挿入し、側部に多数の空
    気取り入れ孔を有する金属製の正極ケースを、空気透過
    能を有する多孔質樹脂層で被覆外装したことを特徴とす
    る円筒形空気電池。
  2. 【請求項2】 多孔質樹脂層は、多孔度が15%以上3
    0%以下であることを特徴とする請求項1記載の円筒形
    空気電池。
  3. 【請求項3】 多孔質樹脂層は、内面に部分的に粘着材
    をコーティングした熱収縮性粘着ラベルであることを特
    徴とする請求項1または2記載の円筒形空気電池。
  4. 【請求項4】 多孔質樹脂層は、熱収縮性チューブであ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の円筒形空気
    電池。
  5. 【請求項5】 円筒形空気極を挿入し、側部に多数の空
    気取り入れ孔を有する金属製の正極ケースを、空気透過
    能を有する不織布で被覆外装したことを特徴とする円筒
    形空気電池。
  6. 【請求項6】 不織布は、その内面に部分的に粘着材を
    コーティングした空気透過能を有する粘着ラベルである
    ことを特徴とする請求項5記載の円筒形空気電池。
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US6232007B1 (en) 1999-08-13 2001-05-15 The Gillette Company Metal-air battery container
US6492046B1 (en) 1999-08-13 2002-12-10 The Gillette Company Metal-air battery
JP2005228488A (ja) * 2004-02-10 2005-08-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 空気電池用空気孔保護板
JP7017360B2 (ja) * 2017-09-29 2022-02-08 マクセル株式会社 空気電池、および、デバイス

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