JP3234847B2 - エレベータ群の制御方法 - Google Patents

エレベータ群の制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、階に設けられたコール
ボタンによって発生するコールを処理するために、２つ
以上のエレベータからなるエレベータ群の各エレベータ
を制御する方法であって、各エレベータはエレベータ制
御装置によって制御され、エレベータ群は群制御装置に
よって制御され、各コールごとにコスト関数を計算し、
コスト関数は少なくともエレベータに固有の係数および
階に固有の係数を含むエレベータ群の制御方法に関する
ものである。
【０００２】
【従来の技術】エレベータ群における各エレベータの制
御において、１つの目的は、複数の利用客を様々なトラ
ヒック状況において最適な方法で確実に処理するように
することである。エレベータコールボタンを押す利用客
は、ピークトラヒックの状態でも少ないトラヒックの時
間帯のいずれにも、適度な時間内で処理しなければなら
ない。エレベータの制御のためにトラヒック統計を使う
か、または利用客の待ち時間の監視を含む種々の群制御
方法が公知である。群制御で使われる方法、より正確に
言うなら、群制御におけるトラヒックタイプの選択は米
国特許第5,229,559 号で知られている。
【０００３】従来公知の群制御方法では、ある階または
ある複数の階でのエレベータ利用者にある平均、または
さらには平均以上の水準のサービスを保証しなければな
らない状況には適応できなかった。とくに、混んだトラ
ヒック、例えば、上昇および下降のピークトラヒックで
は、平均以上にトラヒックが混んだ階ではサービスが悪
化することがある。この悪化は、各階でコールをして待
っている人の数が一般に分からないからである。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エレベータ
の制御における各階または１群の階を個々に重み付けで
きる群制御方法を開発することを目的としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】これを達成するために、
本発明は、入口階以外の少なくとも１つの階から発生す
るコールを階に固有の重み係数で重み付けることで調整
可能な重み係数プロファイルをコールに対して定め、コ
ールを処理する順序を群制御装置によって決定すること
を特徴としている。本発明の他の実施例は従属請求項で
定義されている。
【０００６】
【作用】エレベータ群を制御する方法において、様々な
階から発生するランディングコールを階に固有の重み係
数で重み付けする。重み付けされたコール時間をコール
の処理時間の計算に用いて、ランディングコールを処理
する最適のエレベータを選択する。
【０００７】
【実施例】次に添付図面を参照して、本発明を実施例の
一つによって説明する。
【０００８】図１はエレベータ群の制御装置の構造を示
す。エレベータ装置の様々な階でコールボタンを介して
入力されるランディングコールは、当コールボタンと関
連した群制御装置またはエレベータ制御装置へ伝達され
る。複数のエレベータ制御装置２は群制御装置４に接続
され、群制御装置は、下記の方法で、各コールのあるエ
レベータへの割当てを取り扱う。トラヒック統計装置６
において、エレベータ装置は実際のトラヒックについて
短期および長期の統計を蓄積し、それらの統計は群制御
装置で利用される。エレベータの監視・規制装置８は、
群制御装置に接続され、本発明によって提案されるよう
に重み付け信号を群制御装置に伝える。監視・規制装置
８は、エレベータ制御装置および群制御装置と同様にエ
レベータの機械室内に配置してもよい。監視・規制装置
はまた、建物監視装置とともに配置してもよく、監視・
規制装置は権限を与えられた人にエレベータ群制御装置
を変更する権利を与える。エレベータ制御装置２、群制
御装置４および監視・規制装置８は、好ましくは直列通
信網を介して相互連結される。同様に、エレベータのコ
ール装置および信号装置などの複数の操作素子10も直列
通信リンクを介してエレベータ制御装置に接続される。
【０００９】以下に、各コールを様々なエレベータの間
で分配する装置を想定して図２を使って説明する。統計
データ（ブロック12）および実時間データ（ブロック1
4) を基に、群制御装置のトラヒック予測回路は、各エ
レベータカーを配送してランディングコールを処理する
方法（ブロック16）を決定する。負荷重み付け装置と利
用客のカー内への出入りを検出する感光セルとによりカ
ー負荷を判定し、発生したカーコールおよびランディン
グコールを考慮することで統計を作成する。長期統計
は、例えば日中変化を判定するために、また短期統計
は、例えば優勢なトラヒック状況を知るために作成す
る。エレベータの動作に関する事象および統計に基づい
て、トラヒックタイプがブロック18で、例えば米国特許
第5,229,559 号に記載の方法で形成される。各適用例ご
とに、適切な数のトラヒックタイプ、例えば上昇のピー
ク、下降のピーク、両方向のトラヒック、階間トラヒッ
クおよび複合トラヒックをエレベータ群の大きさおよび
トラヒック量に応じて必要によって定めることができ
る。トラヒックタイプによって、入口階からのランディ
ングコール、中間階から上昇方向へのランディングコー
ル、およびダウンコールなどの様々なコールのタイプに
ある重みが割り当てられる。これらの重み値は、選択さ
れたトラヒックタイプにおける様々なランディングコー
ルの相対的な重要性を定める。これらの重み値は、長期
統計、そのエレベータ群に属するエレベータの数、トラ
ヒック量および建物の使用法により決定される。上昇の
ピーク状況では、入口階から発せられた各コールには、
例えば４の重み値が与えられ、他の各階から発せられた
コールは２の重み値を有する。円滑なトラヒックや、他
のトラヒックタイプについてさえ、重み値はどの階でも
同じにすることができる。
【００１０】本発明によれば、ある階から発生したラン
ディングコールに別な重み係数λfを割り当て、この係
数は、各エレベータカーが割り当てられてコールを処理
する際、これらの階に関連する処理時間に乗算するもの
である。業務用建物では、例えば、ある階の構内を多数
の利用客が訪れ、過度のトラヒックが生ずることに起因
して、その階からのダウンコールに重み付けがされる。
処理時間のコスト関数S(l,f)は下式である。
【００１１】 S(l,f)＝ETA (l) ＋λf ＊CTf (1) ただし、ETA (l) ＝ エレベータ１の階ｆまでの予想走
行時間、 λf ＝ 階ｆ用の重み係数、 CTf ＝ 階ｆから発生したコールのコール時間である。
【００１２】コスト関数は例えば下式でもよい。
【００１３】 S(l,f)＝λf ＊（ETA (l) ＋CTf ） (2) その場合、階に固有の重み値によって予想処理時間が影
響を受ける。
【００１４】図３は式(1) で示されたコスト関数を用い
ることによる最適エレベータの選択を示す。トラヒック
予測回路20は階に対して重み係数λf を発生する。ブロ
ック22で発生したコール時間CTf にその重み係数を乗算
する。ブロック24から得られた到達の予想時間ETA は、
重み付けされたコール時間にブロック25で加算され、こ
のようにしてコスト関数がブロック26で作られる。エレ
ベータ選択ブロック28では、その優勢なトラヒック状況
において可能な最良の方法で各コールを処理するように
して、各ランディングコールごとに最適のエレベータを
選択する。この選択に際しては、コスト関数を最小にす
るために様々なエレベータを考慮し、これに基づいて最
適のエレベータが選択される。破線が式２による方法を
示し、その場合、重み係数によって予想処理時間が影響
を受ける。
【００１５】重み係数の使用は好ましくは、トラヒック
混雑度や高い優先度を必要とする他の要因が周期的に変
化するときは、日中のある時間帯またはある曜日に制限
される。例えば、レストランの開店時間もしくは閉店時
間、または会議室の使用時間がこのような状況を構成す
ることがある。階ごとの重み係数は、永続的に繰返し周
期で、またはある時間帯だけ変化する。重み係数は、好
ましくは建物の機能に責任のある人によって決定され
る。選択装置は、エレベータ群の監視装置８内に配置さ
れ、したがって直列通信リンクを介して群制御装置６に
接続される。
【００１６】トラヒック予測回路によって作られるトラ
ヒックタイプを基にして決められる重み値、および様々
な階に対する重み係数は、コスト関数の計算で各ランデ
ィングコールに関連した処理時間、および様々なコール
に対する各エレベータカーの割当てに用いられる。これ
は図２の割当てブロックで実行され、このブロックでは
各エレベータカーに対する目標階が決定される。この判
断中、各目標階の様々なエレベータへの最適割当ては、
その群の各エレベータに対するカー負荷、カーコールお
よびランディングコールと、これらから決まるデータと
を基に繰り返し計算される。ランディングコールの場
合、この計算はコール時間、すなわち、あるランディン
グコールが発生した時点からそのランディングコールが
処理される時点までの経過時間に基づいてなされる。判
断の別な根拠は乗客の待ち時間であり、これは、各ラン
ディングコールごとに処理を待っている乗客の平均待ち
時間を判定することを意味している。
【００１７】本発明による重み付けを用いる場合、各コ
ールの割当ての方法は公知の方法の範囲で変えてもよ
く、それゆえ群制御方法でもよい。
【００１８】本発明をその実施例の１つをあげて上に説
明したが、この提示は限定と考えるべきでなく、本発明
の実施例は、請求の範囲により定義された範囲内で変化
しうる。
【００１９】
【発明の効果】本発明の方法によれば、建物内の各エレ
ベータの操作に対して責任のある人が階に固有のエレベ
ータ処理プロファイルを定義することができる。ピーク
トラヒック状況では、選択された階ごとの待ち時間、お
よびそれらの階から来る乗客の待ち時間は平均値より長
くはならず、これらの待ち時間は、あるトラヒック状況
では短縮もされる。本方法は、制御に他の何らかの変更
も必要とすることなく、様々な群制御装置で用いるのに
適している。
【図面の簡単な説明】
【図１】エレベータ群の制御装置を示すブロック図であ
る。
【図２】エレベータの群制御の原理を示すブロック図で
ある。
【図３】本発明の方法によるエレベータの選択を示す図
である。
【符号の説明】
２ エレベータ制御装置 ４ 群制御装置 ６ トラヒック統計装置 ８ 監視装置 14 実時間データ 18 トラヒックタイプの選択装置 20 トラヒック予測回路 22 コール時間 24 到達時間 25 加算 26 コスト関数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マルヤ−リイサ シイコネン フィンランド共和国 00200 ヘルシン キ、 ソトカティエ ４ エー ２ (56)参考文献 特開 昭63−247277（ＪＰ，Ａ) 特開 昭55−101566（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−51272（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−172291（ＪＰ，Ａ)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 階に設けられたコールボタンによって発
    生するコールを処理するために、２つ以上のエレベータ
    からなるエレベータ群の各エレベータを制御する方法で
    あって、各エレベータはエレベータ制御装置によって制
    御され、前記エレベータ群は群制御装置によって制御さ
    れるエレベータ群の制御方法において、該方法は、 あらかじめ前記エレベータ群に対して短期および長期の
    トラヒック統計をとっておき、 複数のランディングコールを受信し、 各ランディングコールについて、該コールの発生した階
    および上下いずれかの方向に基づき、コール処理の優先
    度の高さを示す重み値を定め、 各ランディングコールについて、前記統計に基づき、コ
    ール発生頻度を示す階に固有の重み係数を定め、入口階以外の少なくとも１つの階から発生するコールの
    重み値を、階に固有の重み係数で重み付けることによっ
    て、重み係数プロファイルを該コールに対して定め、 各ランディングコールについてコスト関数を計算し、該
    コスト関数は少なくとも、エレベータのコール発生階ま
    での予想走行時間および階から発生したコールのコール
    時間を含み、これらの一方または両方は、前記重み係数
    プロファイルによって重み付けし、 各ランディングコールについての前記コスト関数は、前
    記エレベータ群の各エレベータについて計算し、該計算されたコスト関数に基づいて、 該コールを処理す
    る順序を前記群制御装置によって決定し、該順序は該コ
    ールが処理されるまでに発生した新たなコールについて
    の前記重み係数プロファイルにより変更可能であること
    を特徴とするエレベータ群の制御方法。
  2. 【請求項２】 請求項１に記載の方法において、前記重
    み係数プロファイルは、階の乗客のトラヒックの混雑度
    を基にして定められることを特徴とするエレベータ群の
    制御方法。
  3. 【請求項３】 請求項１に記載の方法において、前記重
    み係数プロファイルは、各階ごとに別々に調節できるこ
    とを特徴とするエレベータ群の制御方法。
  4. 【請求項４】 請求項１ないし３のいずれかに記載の方
    法において、前記コールを処理する順序は、コールした
    時間を基にして決定することを特徴とするエレベータ群
    の制御方法。
  5. 【請求項５】 請求項１ないし３のいずれかに記載の方
    法において、前記コールを処理する順序は、利用客の待
    ち時間を基にして決定することを特徴とするエレベータ
    群の制御方法。
  6. 【請求項６】 請求項１ないし５のいずれかに記載の方
    法において、前記重み係数は永続的に効力をもつことを
    特徴とするエレベータ群の制御方法。
  7. 【請求項７】 請求項１ないし５のいずれかに記載の方
    法において、前記重み係数は時間の関数として変化する
    ことを特徴とするエレベータ群の制御方法。
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