JP3234653U - 原料肉塊処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の原料肉塊装置と比較して、原料肉塊の硬さをより均一にすることが可能な原料肉塊処理装置を提供する。
【解決手段】原料肉塊処理装置において、原料肉塊Mの表面に切目M3を形成するための切目形成手段2を備えるものとし、切目形成手段2を、該調味液注入手段により調味液が注入された原料肉塊Mの低歩留部位M2に切目M3を形成する様に構成する。切目形成手段2は、刃部20と、箱部21と、を有するものとし、箱部21を、原料肉塊Mを収納可能に設け、刃部20を、箱部21と共に原料肉塊Mの周囲を周回させるための駆動手段を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、原料肉塊処理装置に関し、より詳細には、切目形成手段を備える原料肉塊処理装置に関する。
ハム、ソーセージ、ベーコン等の製品では、製品全体にわたり、均一な味であることが求められている。そこで、従来、ピックル液注入インジェクタを用いて、製品の原料である、豚肉、牛肉、家禽肉等の食肉塊(以下、原料肉塊という)に、所定量のピックル液や液体状の調味料に袋評される調味液を注入している(例えば、特許文献1を参照)。
このインジェクタでは、原料肉塊の搬送路として、送りコンベア(ベルトコンベア)を備えており、そのベルトコンベアの上方に多数の注入針を有する注入ヘッドを配設し、コンベヤで搬送される原料肉塊が注入ヘッドの真下に到達したときに、コンベヤを一時停止させるとともに、注入ヘッドを急降下させて注入針を原料肉塊に刺さ込み前記ピックル液を注入している。
特開2012−187062号公報
原料肉塊は、生体由来である故に、肉質が均質とはなっていないため、調味液の供給量に対する注入される調味液の量(歩留)が、各部位毎に異なっている。そのため、従来の原料肉塊処理装置においては、歩留の良い部位はより柔らかくなり、歩留の悪いの部位は、それよりも硬くなってしまい、製品全体として硬さが均一にならないという問題があった。
そこで、本考案は、従来の原料肉塊処理装置と比較して、製品全体の硬さをより均一にすることが可能な原料肉塊処理装置を提供することを目的とする。
本考案は、原料肉塊処理装置であって、原料肉塊の表面に切目を形成するための切目形成手段を備え、該切目形成手段は、調味液注入手段より調味液が注入された該原料肉塊の低歩留部位に該切目を形成する様に構成されていることを特徴とする原料肉塊処理装置である。
尚、本考案は、前記切目形成手段を、前記低歩留部位の表面の周方向全周に亘る前記切目を形成するものとすることが可能である。又、本考案は、前記切目形成手段を、前記低歩留部位の表面に周方向に連続する前記切目を形成するものとすることが可能である。又、本考案は、前記切目形成手段を、前記低歩留部位の表面に間欠的に前記切目を形成するものとすることが可能である。又、本考案は、前記切目形成手段を、前記原料肉塊の長手方向に対して斜交する様に前記切目を形成するものとすることが可能である。
そして、本考案は、前記切目形成手段を、前記原料肉塊の長手方向に対して略直交する様に前記切目を形成するものとすることが可能である。又、本考案は、前記切目形成手段を、刃を前記原料肉塊に対して略垂直に入れるものとすることが可能である。又、本考案は、前記切目形成手段を、刃を前記原料肉塊に対して斜めに入れるものとすることが可能である。
更に、本考案は、前記切目形成手段を、刃部と、箱部と、を有するものとし、該箱部を、前記原料肉塊を収納可能に設け、該刃部を、該箱部と共に該原料肉塊の周囲を周回可能に設けることが可能である。又、本考案は、前記原料肉塊に、前記調味液を注入するための前記調味液注入手段を更に備えるものとすることが可能である。
本考案は、調味液注入手段で調味液が注入された原料肉塊に、切目形成手段によって該原料肉塊の低歩留部位の表面に切目を形成する原料肉塊処理装置を提供することで、従来と比較して、製品全体の硬さをより均一とすることが可能である。
本考案の実施形態における調味液注入手段の正面図である。 本考案の実施形態における切目形成手段を示す図であり、(a)が平面略図であり、(b)が左側面略図である。 本考案の実施形態における原料肉塊の平面略図であり、(a)が表面に長手方向に対して略垂直且つ周方向に連続する切目を形成したもの、(b)が表面に長手方向に対して斜交且つ周方向に連続する切目を形成したもの、(c)が表面に長手方向に略垂直且つ周方向に間欠的に切目を形成したもの、を示す図である。 図3のIV−IV断面図に相当する図であり、(a)が刃を原料肉塊に対して略垂直に入れたもの、(b)が刃を原料肉塊に対して斜めに入れたもの、を示す図である。
本考案は、考案者が、原料肉塊に調味液を注入した後に、原料肉塊の歩留が悪い部位に切目を入れ、調味料注入以後に通常行われる工程であるマッサージや加熱・燻煙を行うことで、当該部分がより柔らかく仕上がることを発見し、その知見に基づくものである。
本考案の実施形態を図1乃至図4に基づき説明する。先ず、本実施形態の構成について説明する。本実施形態の原料肉塊処理装置は、調味液注入手段1と、切目形成手段2と、を備えている。
調味液注入手段1は、ピックル液に代表される調味液を原料肉塊Mに注入するために設けられており、公知のインジェクタと同様の構成を適宜採用することが可能である。例えば、調味液注入手段1は、注入ヘッド3と、原料肉塊Mを搬送するための搬送路の一例である送りコンベア4と、筐体5と、を有している。注入ヘッド3は、そのホルダプレート6を介してガイドロッド7に固定されている。ガイドロッド7は、軸受筒8に挿着されている。又、注入ヘッド3は、連結パイプ9を介して調味液が供給される様になっている。
ホルダプレート6の上部には、コイルスプリングを収容するスプリングカバー10が立設されており、その下部には、抑え板(カストリブロックともいう)11と注入針12が設けられている。
抑え板11は、支持棒13を介してホルダプレート6に保持されており、注入針12の先端部が挿入される挿通孔が形成されている。注入針12は、原料肉塊Mにピックル液や液体状の調味料等の調味液を注入するために設けられており、その本数や長さ、直径等は必要に応じて適宜選択可能であるが、例えば、その直径は、約0.4 mmである。
ガイドロッド7の下端部は、上下動アーム14に固定されており、上下動アーム14の中央部には、コネクティングロッド15が連結されている。コネクティングロッド15の下端部は、取付円板16に連結されている。又、調味液注入手段1には、取付円板16を介して上下動アーム14(コネクティングロッド15)を上下動させる手段として、二相誘導電動機(モータ)17、減速機18及び位置センサ19が設けられている。
原料肉塊Mは、生体由来である故に、肉質が均一ではなく、その部位毎に前記調味液の供給量に対する原料肉塊Mに注入される量(歩留)が異なっており、比較的に歩留の良い部位M1(以下、高歩留部位M1ともいう)と、逆に、比較的に歩留の悪い部位M2(以下、低歩留部位M2ともいう)を有している。
例えば、原料肉塊Mが豚のロース肉であるとすると、通常、肩側の部位は、原料肉塊Mの質量の約250 %乃至280 %となるまで前記調味液を注入できるのに対し、腿側の部位は、原料肉塊Mの質量の約200 %乃至250 %となるまでしか該調味液を注入することができない。即ち、該ロース肉においては、肩側の部位が、高歩留部位M1と、腿側の部位が低歩留部位M2と、大まかに分けることができる。
切目形成手段2は、原料肉塊Mの低歩留部位M2の表面に切目M3を形成するために設けられており、刃部20及び箱部21を有している。刃部20は、注入された前記調味液が、原料肉塊Mより漏れ出ることを防止するために、原料肉塊Mに対して、過度の圧力を掛けない様になっている。本実施形態においては、刃部20は、食肉の切断に用いられる円盤刃が採用されており、そのため、切目形成手段2には、刃部20を回転させるための回転手段(図示せず)を有している。尚、刃部20の枚数等は、原料肉塊Mの長さ等に合わせて適宜選択可能である。
箱部21は、調味液注入手段1により前記調味液が注入された原料肉塊Mが収容可能に設けられており、刃部20により切目M3を形成する際に、原料肉塊Mの位置を保持する役割を担っている。本実施形態において、刃部20と対向する位置を除く四方に壁体22を有している。
刃部20及び箱部21は、図2(b)中、二点鎖線で示すように原料肉塊Mが略静止した状態で、原料肉塊Mの周囲を同時に周回可能に設けられており、切目形成手段2は、そのための駆動手段(図示せず)を有している。それによって、切目形成手段2は、原料肉塊Mの周方向全周に亘る切目M3を形成する様に構成されている。
この際に、刃部20は、例えば、原料肉塊Mに対して、その刃が、略垂直(図4(a)を参照)、又は、原料肉塊Mに対して斜めに(図4(b)を参照)当たる様に構成されており、好ましくは、原料肉塊Mに約1 mm乃至25 mmの深さで後述する様な切目M3を入れる様に調整される。尚、切目M3の形状や深さは必要に応じて適宜選択可能である。
次に、本実施形態の原料肉塊処理装置を用いた原料肉塊Mの処理方法の一例について説明する。
(1)原料肉塊Mは、送りコンベア4によって、順次搬送され、調味料注入手段2の下へと搬送される。その後、調味液注入手段1が下降することで、原料肉塊Mに注入針12が刺し入れられ、注入針13より、前記調味液が原料肉塊Mに注入される。
(2)前記調味液が注入された原料肉塊Mは、切目形成手段2へと送られ。箱部21に収容される。そして、原料肉塊Mに、刃部20の刃が当てられ、刃部20と共に箱部21が原料肉塊Mの周囲を周回し、原料肉塊Mの低歩留部位M2に切目M3が形成される。
この際、原料肉塊Mには、例えば、以下に示すような切目M3を形成することが可能である。尚、切目M3の形状等は、必要に応じて適宜変更可能である。
(a)切目M3を、原料肉塊Mの長手方向Aに対して略直交すると共に周方向に連続する様に形成することが可能である(図3(a)を参照)。
(b)切目M3を、原料肉塊Mの長手方向Aに対して斜交すると共に周方向に連続する様に形成することが可能である(図3(b)を参照)。
(c)切目M3を、原料肉塊Mの長手方向Aに対して略直交すると共に周方向に間欠的に形成することが可能である(図3(c)を参照)。
(3)その後の工程は、通常の工程と同様であり、切目M3を入れられた原料肉塊Mは、回転式のドラムを備えたマッサージ機(図示せず)を用いて、揉み解すことで、注入された前記調味液を食肉塊M全体に亘って、略均等に分散させられ、その後、揉み解された原料肉塊Mは、ケーシングに充填され、加熱・燻煙処理等がされることとなる。
前記マッサージ機で原料肉塊Mが揉み解される際に、原料肉塊Mに切目M3が形成されることで、低歩留部位M2をより柔らかくすることが可能であり、それによって、本実施形態においては、従来と比較して、製品全体の硬さをより均一とすることが可能となっている。
尚、原料肉塊Mに切目M3を形成する副次的な効果として、低歩留部位M2がより柔らかくなることで、原料肉塊Mを丸めやすくなり、前記ケーシングに充填しやすくなることが挙げられる。
本考案を、上記実施形態に基づき説明したが、本考案は、上記実施形態に限定されるものではなく、本考案の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
(i)調味液注入手段1と切目形成手段2は、各々を別体として設けることも可能であり、又、調味液注入手段1と切目形成手段2とを一体として設けることも可能である。
(ii)上記実施形態においては、切目形成手段2の刃部20は、原料肉塊Mの周囲を周回することで一の切目M3を形成するものとしたが、原料肉塊Mに対して周方向(例えば、原料肉塊Mの上下前後)に配設された複数の刃部20を設け、該複数の刃部20で同様の一の切目M3を形成するものとすることが可能である。
1 調味液注入手段 2 切目形成手段 3 注入ヘッド
4 送りコンベア 5 筐体 6 ホルダプレート
7 ガイドロッド 8 軸受筒 9 連結パイプ
10 スプリングカバー 11 抑え板 12 注入針
13 支持棒 14 上下動アーム 15 コネクティングロッド
16 取付円板 17 二相誘導電動機 18 減速機
19 位置センサ 20 刃部 21 箱部
22 壁体 A 長手方向 M 原料肉塊
M1 高歩留部位 M2 低歩留部位 M3 切目
本考案は、原料肉塊処理装置であって、原料肉塊の表面に切目を形成するための切目形成手段を備え、該切目形成手段は、調味液注入手段より調味液が注入された該原料肉塊の低歩留部位に該切目を形成する様に構成された刃部と、該原料肉塊を収納可能に設けられた箱部と、該刃部を該箱部と共に該原料肉塊の周囲を周回させるための駆動手段と、を有していることを特徴とする原料肉塊処理装置である。
又、本考案は、原料肉塊処理装置であって、原料肉塊の表面に切目を形成するための切目形成手段を備え、該切目形成手段は、調味液注入手段より調味液が注入された該原料肉塊の低歩留部位に該切目を形成する様に構成された複数の刃部と、該原料肉塊を収納可能に設けられた箱部と、を有し、該刃部は、該原料肉塊に対して周方向に配設されていることを特徴とする原料肉塊処理装置である。
尚、本考案は、前記刃部を、前記低歩留部位の表面の周方向全周に亘る前記切目を形成する様に構成することが可能である。又、本考案は、前記刃部を、前記低歩留部位の表面に周方向に連続する前記切目を形成する様に構成することが可能である。又、本考案は、前記刃部を、前記低歩留部位の表面に間欠的に前記切目を形成する様に構成することが可能である。又、本考案は、前記刃部を、前記低歩留部位に、前記原料肉塊の長手方向に対して略直交する様に前記切目を形成する様に構成することが可能である。
そして、本考案は、前記刃部を、前記低歩留部位に、前記原料肉塊の長手方向に対して斜交する様に前記切目を形成する様に構成することが可能である。又、本考案は、前記刃部、前記原料肉塊に対して略垂直に当たる様に構成された刃を有するものとすることが可能である。又、本考案は、前記刃部、前記原料肉塊に対して斜めに当たる様に構成された刃を有するものとすることが可能である。又、本考案は、前記原料肉塊に、前記調味液を注入するための前記調味液注入手段を更に備えるものとすることが可能である。

Claims (10)

  1. 原料肉塊処理装置であって、
    原料肉塊の表面に切目を形成するための切目形成手段を備え、
    該切目形成手段は、調味液注入手段より調味液が注入された該原料肉塊の低歩留部位に該切目を形成する様に構成されていることを特徴とする原料肉塊処理装置。
  2. 前記切目形成手段は、前記低歩留部位の表面の周方向全周に亘る前記切目を形成するものであることを特徴とする請求項1に記載に原料肉塊処理装置。
  3. 前記切目形成手段は、前記低歩留部位の表面に周方向に連続する前記切目を形成するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の原料肉塊処理装置。
  4. 前記切目形成手段は、前記低歩留部位の表面に間欠的に前記切目を形成するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の原料肉塊処理装置。
  5. 前記切目形成手段は、前記原料肉塊の長手方向に対して略直交する様に前記切目を形成することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の原料肉塊処理装置。
  6. 前記切目形成手段は、前記原料肉塊の長手方向に対して斜交する様に前記切目を形成することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の原料肉塊処理装置。
  7. 前記切目形成手段は、刃を前記原料肉塊に対して略垂直に入れるものであることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の原料肉塊処理装置。
  8. 前記切目形成手段は、刃を前記原料肉塊に対して斜めに入れるものであることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の原料肉塊処理装置。
  9. 前記切目形成手段は、刃部と、箱部と、を有しており、
    該箱部は、前記原料肉塊を収納可能に設けられ、
    該刃部は、該箱部と共に該原料肉塊の周囲を周回可能に設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項2を引用する請求項3乃至8の何れかに記載の原料肉塊処理装置。
  10. 前記原料肉塊に、前記調味液を注入するための前記調味液注入手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の原料肉塊処理装置。
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