JP3233895U - 切削刃および幅木用工具セット - Google Patents

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健一 石井
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Abstract

【課題】現場作業での加工精度を向上させることで、作業の効率化を図ることができ、作業時間の短縮を図ることが可能な切削刃および幅木用工具セットを提供する。【解決手段】切削刃40は、丸鋸電動工具に装着され、中央部41cから外側に向かって放射状に延びる腕部41aが形成された台金41と、腕部41aの先端部における回転方向の前面に固着されたチップ42とを備えている。チップ42の刃先部42eは、幅木のコーナー部に形成されるV字溝を切削するV字状に形成されている。切削方向に向かって回転するチップ42の刃先部42eによりV字溝が切削されるため、幅木を切削し終えるときに、表面材を引っ張ることなく幅木を切削することができる。【選択図】図2

Description

本考案は、現場にて壁面下部のコーナー部に設置される幅木の加工を可能とする切削刃および幅木用工具セットに関するものである。
壁面下部のコーナー部に設置される幅木は、コーナー部専用に加工された所定長さの部材を用意して、現場にて壁面に貼り付けられる。しかし、コーナー部専用の幅木は、長さが予め決まってしまっているため、直線部分の目立つところに繋ぎ目が発生することがある。そうなると、例えば、木目柄が合わなかったり、一方が傾斜していると段差ができたりする。
そこで、特許文献1に記載のコーナー部材兼用幅木及びその施工方法では、巾木の裏面中央部に切削加工用の長手方向の案内溝を形成し、この案内溝に沿って、施工対象となるコーナーの形状に応じて巾木を屈曲又は湾曲するための溝を形成し、該巾木を、溝のない面が表側となるようにしてコーナー部材として用いる、というものである。
特許文献2に記載のコーナー部における幅木取付構造では、柱または壁面のコーナー部に沿って予めL字状に形成されたコーナー用幅木をコーナー部に沿って取着し、このコーナー用幅木の両端面に通常幅木の端面を突き合わせた状態で取着してなるものである。
このようなコーナー部に使用される幅木の溝を製作するための工具として、特許文献3に記載のものが知られている。
特許文献3に記載の幅木用加工定規と幅木用加工定規の使用方法では、定規部と台座部から構成され、定規部は、定規本体と定規ケースと補助ケースから構成され、台座部の上面に、けがき加工を所望する幅木を、表面材を下面にして重ねたのち、幅木の裏面に定規部を、幅木をまたぐ状態で上方から装着し、定規部に沿ってトリマを移動させながらけがき加工を行う、というものである。
特開2004−150229号公報 実開平2−83944号公報 特開2002−36207号公報
特許文献3に記載の従来の幅木用切削工具では、トリマを使用しており、トリマは切削刃の軸線が幅木に対して垂直に当たり軸回転することで切削する。幅木の表面材は、幅木のおもて面側を覆っているだけでなく、裏側に折り返されて接着されている。
従って、切削し終えるときに、裏面側の表面材を引っ張りながら突き破るようにして切削するため、幅木の幅方向の端部におけるおもて面側の表面材が毛羽立った状態になる。そうなると、作業者がひとつひとつ修復する必要があり、現場作業での効率化、時間短縮のために電動工具を使用しているにも拘らず、余計に手間が掛かってしまうことがある。
そこで本考案は、現場作業での加工精度を向上させることで、作業の効率化を図ることができ、作業時間の短縮を図ることが可能な切削刃および幅木用工具セットを提供することを目的とする。
本考案の切削刃は、丸鋸電動工具に装着される装着用孔から外側に向かって放射状に延びる腕部が形成された台金と、前記腕部の先端部における回転方向の前面に固着されたチップとを備え、前記チップの刃先部は、幅木のコーナー部に形成されるV字溝を切削するV字状に形成されたことを特徴としたものである。
本考案の切削刃によれば、台金に形成された中央部から外側に向かって放射状に延びる腕部の先端部における回転方向の前面にチップが固着されている。このチップの刃先部は、幅木のコーナー部に形成されるV字溝を切削するV字状に形成されている。従って、切削方向に向かって回転するチップの刃先部によりV字溝が切削されるため、幅木を切削し終えるときに、幅木の表面材を引っ張ることなく幅木を切削することができる。
前記チップの刃先部は、90°に形成されたものとすることができる。そうすることで、溝角度が90°となるV字溝を正確に形成することができ、90°のコーナー部を有する幅木を迅速に、かつ容易に製作することができる。
コーナー部に面取り部が形成される幅木に、前記面取り部の両端部に対応する一対のV字溝を切削するために、前記刃先部は、前記刃先部同士の間隔が前記面取り部の長さになるように、一対設けられたものとすることができる。
コーナー部に面取り部が形成されるときには、面取り部の両端部に対応する位置に一対のV字溝が切削される。刃先部同士の間隔が面取り部の長さになるように切削刃が一対設けられていると、一対のV字溝が一度に、かつ正確に切削することができる。
前記チップは、別々の前記台金に形成されたものとすることができる。チップが別々の台金に形成されていると、一方の切削刃が不良になってときに、不良の切削刃だけを交換することができる。
前記チップの刃先部は、45°に形成されたものとすることができる。そうすることで、溝角度が45°となるV字溝を正確に形成することができ、面取り部の両端部の角部が45°となる幅木を迅速に、かつ容易に製作することができる。
本考案の幅木用工具セットは、本考案の切削刃を装着した丸鋸電動工具と、幅木が配置される作業台とを備え、前記作業台は、幅木の幅の溝が形成された設置台と、前記丸鋸電動工具の切削をガイドするガイド部と、幅木を押さえるためのクランプ部とを備え、前記設置台は、前凸部および後凸部が幅木の幅の間隔を空けて形成され、前記前凸部および前記後凸部には、幅木に形成する溝の位置を示すV字溝が切削方向に沿って形成され、前記クランプ部は、前記V字溝を挟んで前記前凸部と前記後凸部とのそれぞれに一対設けられたことを特徴としたものである。
本考案の幅木用工具セットによれば、前凸部および後凸部が、前後方向から幅木を挟んでいるため、切削の際に幅木が前後方向にずれることを抑止することができる。また、クランプ部が、V字溝を挟んで前凸部と後凸部とのそれぞれから幅木を押さえ付けているため、幅木が左右方向にずれることを抑止することができる。ガイド部に丸鋸電動工具を当て、ガイド部に沿って移動させ、前凸部に形成されたV字溝から幅木を横断して後凸部に形成されたV字溝まで切削することで、幅木にV字溝を切削することができる。
本考案の切削刃および幅木用工具セットは、幅木を切削し終えるときに、表面材を引っ張ることなく幅木を切削することができるので、現場作業での加工精度を向上させることで、作業の効率化を図ることができ、作業時間の短縮を図ることが可能である。
本考案の実施の形態1に係る幅木用工具セットを示す図である。 図1に示す幅木用工具セットの丸鋸電動工具に装着された切削刃の図であり、(A)は切削刃の側面図、(B)は腕部とチップとの一部正面図である。 図1に示す幅木用工具セットの作業台に幅木を設置し、幅木をクランプ部により固定した状態の図である。 コーナー部を有する幅木を説明するための図であり、(A)は幅木を折り曲げる前の状態の図、(B)は幅木を折り曲げた状態の図である。 本考案の実施の形態2に係る切削刃の図であり、(A)は切削刃の側面図、(B)は腕部とチップとの一部正面図である。 コーナー部に面取り部が形成された幅木を説明するための図であり、(A)は幅木を折り曲げる前の状態の図、(B)は幅木を折り曲げた状態の図である。
本考案の実施の形態1に係る幅木用工具セットを図面に基づいて説明する。
図1に示す幅木用工具セット10は、幅木のコーナー部を現場にて製作するためのものである。幅木用工具セット10は、幅木が配置される作業台20と、幅木を切削する丸鋸刃である切削刃40が装着された丸鋸電動工具30とを備えている。
作業台20は、幅木の幅の溝21aが形成された設置台21と、丸鋸電動工具30の切削をガイドするガイド部22と、幅木を押さえるためのクランプ部23とを備えている。
設置台21は、2枚の細長い前板部21f(前凸部)および後板部21r(後凸部)が幅木の幅(溝21a)の間隔を空けて平担板21nに固定されて形成されている。前板部21fおよび後板部21rには、幅木に形成する溝の位置を示すV字溝21gが前板部21fおよび後板部21rの幅方向となる切削方向(前後方向F1)に沿って形成されている。
ガイド部22は、設置台21の端面に一方の辺22aを固定すると、一方の辺に直角な他方の辺22bが前後方向F1に沿ったガイド方向となる丸鋸ガイド部材により形成されている。クランプ部23は、V字溝21gを挟んで前板部21fと後板部21rとのそれぞれに一対設けられている。クランプ部23は、レバー23rを押し下げると、押圧部23pが幅木を押さえ付けるトグルクランプにより形成されている。
丸鋸電動工具30は、切削深さを調整するためのベース31の高さが調整できるものであれば、一般的なものが使用できる。
図2(A)および同図(B)に示すように、切削刃40は、台金41と、チップ42とを備えている。
台金41は、中央部41cに丸鋸電動工具30に装着するための円形状の装着用孔41hが形成されている。また、装着用孔41hの周囲には、丸鋸電動工具30のギヤシャフトが挿通する内フランジと外フランジとにより挟まれる円形状の肉厚部41pが形成されている。
台金41は、中央部41c(装着用孔41h)から外側に向かって放射状に延びる腕部41aが形成されている。本実施の形態1では、4本の腕部41aが等間隔に形成されている。腕部41aは、外側に向かいつつ、回転方向F2の前方に向かって傾斜するように形成されている。腕部41aには、チップ42の直下に肉薄部41qが形成されている。
チップ42は、台金41(腕部41a)の先端部における回転方向F2の前面に固着されている。
チップ42は、切削面42sが五角形状に形成されている。チップ42は、刃先部42eが幅木に形成されるV字溝を切削するV字状に形成されている。本実施の形態1では、図3では、コーナー部が直角であるため、チップ42の刃先部42eの先端角θ1は90°に形成されている。チップ42の幅Wは、腕部41aの先端の厚みTより幅広に形成されている。
以上のように構成された本考案の実施の形態1に係る幅木用工具セット10の使用状態を図面に基づいて説明する。
なお、図1に示す丸鋸電動工具30のベース31は、ベース31からの切削刃40の突出長さが、表面材を残して幅木を切削する深さとしている。
本実施の形態1では、図4(A)および同図(B)に示すようにコーナー部H1が90°の幅木Hを製作することを説明する。
まず、図3に示すように、作業者は、幅木Hを設置台21の溝21aに設置する。このとき、コーナー部となる切削位置に、設置台21のV字溝21gを合わせる。
そして、前板部21fおよび後板部21rに配置されたクランプ部23のレバー23rを押し下げる。そうすることで、押圧部23pが幅木Hを押さえ付けることで、幅木Hが固定される。
そして、ガイド部22に丸鋸電動工具30(図1参照)のベース31を当て、丸鋸電動工具30の電源を投入して切削刃40を回転させ、ガイド部22に沿って移動させることで、切削刃40のチップ42が幅木Hに、底部の溝角度が90°のV字溝が切削される。
前板部21fおよび後板部21rが、前後方向F1から幅木Hを挟んでいるため、切削の際に幅木Hが前後方向F1にずれることを抑止することができる。また、一方のクランプ部23が前板部21f側から幅木Hを押さえ、V字溝21gを挟んで他方のクランプ部23が後板部21r側から幅木Hを押さえ付けているため、幅木Hが左右方向F3にずれることを抑止することができる。
図2に示すように、チップ42は先端角θ1が90°により形成されているため、図4(A)および同図(B)に示す、折り曲げると直角となるコーナー部H1となる幅木HのV字溝Hvを、一度の切削により形成することができる。
図2(A)に示す切削方向F4に向かって回転する切削刃40のチップ42の刃先部42eによりV字溝が切削されるため、図4に示す幅木HのV字溝Hvを切削し終えるときに、表面材Sを引っ張ることなく幅木を切削することができる。従って、修復作業が不要であるため、現場作業での加工精度を向上させることで、作業の効率化を図ることができ、作業時間の短縮を図ることが可能である。
(実施の形態2)
本考案の実施の形態2に係る切削刃を図面に基づいて説明する。
本実施の形態2に係る切削刃は、例えば、図6(A)および同図(B)に示すコーナー部H2に面取り部H3が形成され、面取り部H3の両端部に形成された一対の角部Hcが45°となる幅木Hを切削するときに使用されるものである。
図5(A)および同図(B)に示すように、切削刃50は、2枚を一組して、図1に示す丸鋸電動工具30に装着される。切削刃50は、図2に示す切削刃40と同様に、台金51と、チップ52とを備えている。
台金51は、中央部51cに丸鋸電動工具30に装着するための円形状の装着用孔51hが形成されている。また、装着用孔51hの周囲には、丸鋸電動工具30のギヤシャフトが挿通する内フランジと外フランジとにより挟まれる円形状の肉厚部51pが形成されている。
台金51は、中央部51c(装着用孔51h)から外側に向かって放射状に延びる腕部51aが形成されている。本実施の形態2では、4本の腕部51aが等間隔に形成されている。腕部51aは、外側に向かいつつ、回転方向の前方に向かって傾斜するように形成されている。腕部51aには、チップ52の直下に肉薄部51qが形成されている。
チップ52は、台金51(腕部51a)の先端部における回転方向F2の前面に固着されている。
チップ52は、切削面52sが五角形状に形成されている。チップ52は、刃先部52eが幅木に形成されるV字溝を切削するV字状に形成されている。本実施の形態2では、図6(A)および同図(B)に示すように、幅木Hに面取り部H3が形成されたコーナー部H2を形成するため、コーナー部H2の面取り部H3の両端部が、45°ずつ曲がる2箇所の角部Hcを形成している。従って、チップ52の刃先部52eの先端角θ2は45°に形成されている。
図5(B)に示すように、2枚の切削刃50の刃先部52eの間隔Kは、図6(B)に示す面取り部H3の長さとなるように、丸鋸電動工具30(図1参照)に装着されている。2枚の切削刃50を隙間なく装着した状態で、刃先部52eの間隔Kが面取り部H3の長さとなるようにしてもよいが、本実施の形態2では、2枚の切削刃50の間に、図示しない座金Zを挟んで2枚の切削刃50を装着することで、刃先部52eの間隔が面取り部H3の長さとしている。
このように切削刃50が形成されていることで、図3に示す作業台20の設置台21に幅木Hを配置して切削すると、溝角度45°の一対のV字溝Hvが一度に、かつ正確に切削することができる。
従って、図5(A)および同図(B)に示す切削刃50は、修復作業が不要であるため、現場作業での加工精度を向上させることで、作業の効率化を図ることができ、作業時間の短縮を図ることが可能である。
なお、本実施の形態2では、2枚の切削刃50を重ねて一対設けられているため、1枚の切削刃50の刃先部52eに不良が発生した場合でも、一方の切削刃50だけを交換することで対応が可能である。
しかし、本考案は、2枚の切削刃50とすること以外に、二股に分岐した腕部のそれぞれの先端にチップを設けることで、1枚の切削刃としてもよい。
実施の形態1では、壁面の角部が90°であるため、図4に示す幅木Hのコーナー部H1が90°であったため、図2に示すチップ42の刃先部42eの角度が90°であった。また、実施の形態2では、図6に示す面取り部H3の両端部の角部が45°であったため、図5に示すチップ52の刃先部52eの角度が45°であった。
しかし、チップ42,52の刃先部42e,52eは、90°、45°とする以外に、コーナー部の角度に応じて形成することができる。
本考案は、戸建てやマンション、アパートなどに使用される幅木を壁面に施工する内装工事に好適である。
10 幅木用工具セット
20 作業台
21 設置台
21a 溝
21f 前板部
21r 後板部
21n 平担板
21g V字溝
22 ガイド部
23 クランプ部
22a 一方の辺
22b 他方の辺
23r レバー
23p 押圧部
30 丸鋸電動工具
31 ベース
40,50 切削刃
41,51 台金
41a,51a 腕部
41c,51c 中央部
41h,51h 装着用孔
41p,51p 肉厚部
41q,51q 肉薄部
42,52 チップ
42e,52e 刃先部
42s,52s 切削面
θ 先端角
W 幅
H 幅木
H1,H2 コーナー部
H3 面取り部
Hc 角部
Hv V字溝
S 表面材
F1 前後方向
F2 回転方向
F3 左右方向
F4 切削方向
K 間隔
Z 座金

Claims (6)

  1. 丸鋸電動工具に装着される装着用孔から外側に向かって放射状に延びる腕部が形成された台金と、前記腕部の先端部における回転方向の前面に固着されたチップとを備え、
    前記チップの刃先部は、幅木のコーナー部に形成されるV字溝を切削するV字状に形成された切削刃。
  2. 前記チップの刃先部は、90°に形成された請求項1記載の切削刃。
  3. コーナー部に面取り部が形成される幅木に、前記面取り部の両端部に対応する一対のV字溝を切削するために、前記刃先部は、前記刃先部同士の間隔が前記面取り部の長さになるように、一対設けられた請求項1記載の切削刃。
  4. 前記チップは、別々の前記台金に形成された請求項3記載の切削刃。
  5. 前記チップの刃先部は、45°に形成された請求項3または4記載の切削刃。
  6. 前記請求項1から4のいずれかの項に記載の切削刃を装着した丸鋸電動工具と、幅木が配置される作業台とを備え、
    前記作業台は、幅木の幅の溝が形成された設置台と、前記丸鋸電動工具の切削をガイドするガイド部と、幅木を押さえるためのクランプ部とを備え、
    前記設置台は、前凸部および後凸部が幅木の幅の間隔を空けて形成され、
    前記前凸部および前記後凸部には、幅木に形成する溝の位置を示すV字溝が切削方向に沿って形成され、
    前記クランプ部は、前記V字溝を挟んで前記前凸部と前記後凸部とのそれぞれに一対設けられた幅木用工具セット。
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