JP3233584U - 葉タバコ収穫機用リフター - Google Patents

Abstract

【課題】葉タバコ収穫機に設置され、収穫された計量後の葉タバコの梱包束を上方の荷台へ効率的に移載し、労力を軽減することが可能な葉タバコ収穫機用リフターを提供する。【解決手段】一対の走行装置２と、一対の走行装置の上に架設された門型フレーム３と、収穫された葉タバコを梱包用シートに対し梱包作業するための梱包作業台７と、梱包作業台の上に設置される計量器９と、門型フレームの上に設けられた荷台８を備える葉タバコ収穫機用のリフターであって、門型フレームに取り付けられる昇降用の支柱１１と、支柱にガイドされながら、計量器の上の計量後の葉タバコ梱包束を下から支持した状態で上方の荷台の移載高さ付近まで上昇可能であり、上方の荷台への葉タバコ梱包束の移載後は元の位置まで下降可能なリフト部１２と、リフト部を昇降させる駆動部１３を備える。【選択図】図１

Description

本考案は、葉タバコ収穫機に設置され、計量された葉タバコを上方の荷台に移載するためのリフターに関する。

従来、圃場に植えた葉タバコを収穫するための葉タバコ収穫機が知られている。葉タバコ収穫機は、左右一対の走行部と、一対の走行部の上に架設された門型フレームからなる機体に、駆動部と、後方の左右一対の座席と、操作部を備えてなり、一方の座席（運転席）に着座した運転者が操作部を操作しながら機体を圃場の畝に沿って低速走行させ、他方の座席に着座した作業者が、畝に植えられた葉タバコを摘み取って、収穫するようになっている。

このような葉タバコ収穫機として、機体に計量器と梱包台を備え、座席に着座した作業者が、摘み取った葉タバコを梱包台に乗せ、設定した重量を計量器で計量し、定量になったら梱包材に梱包し、梱包材ごと上方の荷台に移載し、葉タバコの収穫作業を続けるようにした葉タバコ収穫機が知られている（特許文献１参照）。

特開平１１−１６８９４５号公報

しかしながら、従来の葉タバコ収穫機は、門型フレームの高さが人間の背の高さほどもあり、また、一度に梱包する葉タバコの束は約１５ｋｇ前後の重量物であることから、計量後の葉タバコの束を作業者が持ち上げて上方の荷台に移し替える作業は大変労力のいる作業であった。近年は葉タバコ農家の高齢化が進み、また、実情として夫婦で収穫作業を行う農家が少なくない。このため、葉タバコの収穫作業、なかでも収穫された葉タバコの移載作業について、労力の軽減が強く求められてきた。

本考案は上記背景に鑑みてなされたもので、葉タバコ収穫機に設置され、収穫された計量後の葉タバコの梱包束を上方の荷台へ楽に移載することが可能な葉タバコ収穫機用リフターを提供すること、また、収穫された計量後の葉タバコの梱包束を上方の荷台へ効率的に移載することが可能な葉タバコ収穫機用リフターを提供することを目的とする。

上記課題を解決するために、本考案に係る葉タバコ収穫機用リフターは、
一対の走行装置と、一対の走行装置の上に架設された門型フレームと、収穫された葉タバコを梱包用シートに対し梱包作業するための梱包作業台と、梱包作業台の上に設置される計量器と、門型フレームの上に設けられた荷台を備える葉タバコ収穫機用のリフターであって、門型フレームに取り付けられる昇降用の支柱と、支柱にガイドされながら、計量器の上の計量後の葉タバコ梱包束を下から支持した状態で上方の荷台の移載高さ付近まで上昇可能であり、上方の荷台への葉タバコ梱包束の移載後は元の位置まで下降可能なリフト部と、リフト部を昇降させる駆動部を備えることを主要な特徴とする。

本考案に係る葉タバコ収穫機用リフターは、
前記リフト部が、前記支柱に対し昇降可能にガイドされる支持体と、当該支持体に片持ち支持され、計量器の上の計量後の葉タバコ梱包束を下から支持可能な水平枠部材を備えており、
当該リフト部の水平枠部材が、前記梱包作業台の上に設置された計量器に対し、当該計量器の計量面より下方位置まで前記計量器と干渉することなく下降可能であることを第２の特徴とする。

本考案に係る葉タバコ収穫機用リフターは、
前記梱包作業台の上に前後に２台の計量器が設置されており、
前記リフト部の水平枠部材が、前記梱包作業台の上に設置された２台の計量器に対し、当該２台の計量器の計量面より下方位置まで前記２台の計量器と干渉することなく下降可能であることを第３の特徴とする。

本考案に係る葉タバコ収穫機用リフターは、
前記リフト部の水平枠部材が、支持体に対し、回動軸を介して、水平姿勢から上方へのみ回動可能に片持ち支持されていることを第４の特徴とする。

以上説明したように、本考案に係る葉タバコ収穫機用リフターによると、従来の葉タバコ収穫機における作業に比べて、収穫された葉タバコで計量後の葉タバコの梱包束を楽に上方の荷台に移載することができ、高齢者や家族経営が多い葉タバコ農家の負担を軽減することができる。また、収穫された葉タバコの計量から移載までの作業を効率よく行うことができ、葉タバコの収穫作業を効率よく行うことができるという優れた効果を奏する。

本考案のリフターが葉タバコ収穫機に設置された状態の全体斜視図、 図１に示すリフターの外観および構造を示す斜視図、 図１に示すリフターの内部構造を示す縦断面図、 本考案のリフターが葉タバコ収穫機に設置された状態の正面図、 本考案のリフターが葉タバコ収穫機に設置された状態の側面図、 計量後の葉タバコ梱包束がリフターにより上昇している途中の説明図、 計量後の葉タバコ梱包束が上昇位置に達した状態の説明図、 リフターが下降した状態を示す説明図である。

次に本考案に係る葉タバコ収穫機用リフターの一実施形態について、図面を参照しながら説明する。これらの図において、符号１は葉タバコ収穫機、符号１０はリフターを示している。

図１は、葉タバコ収穫機１にリフター１０が設置された状態を示している。最初に、葉タバコ収穫機１について説明すると、葉タバコ収穫機１は、左右一対の走行装置２と、左右の走行装置２の上に架設された門型フレーム３と、エンジン４と、左右の走行装置２の後部に支持された運転用座席５および作業用座席６と、図示しない運転操作部と、作業用座席６側の走行装置２の上に設置された梱包作業台７と、門型フレーム３の上に設けられた荷台８を備えている。梱包作業台７の上には前後２台の計量器９が設置されている。

左右の走行装置２はクローラから構成され、エンジン４からの駆動力により圃場の畝の間の作業通路を低速で走行するようになっている。門型フレーム３は圃場の畝を跨るように配置され、エンジン４から左右の走行装置２に駆動力を伝える伝達手段が配置されている。運転用座席５は、葉タバコ収穫機１を前進・後退・停止・旋回操作する運転者の座る席で、前方にそれらの操作用の運転操作部が配置されている。作業用座席６は、圃場の畝に植えられた葉タバコの管理、収穫の作業を行う作業者の座る席で，低速走行あるいは停止中に席に座ったままあるいは席から降りて、それらの作業を行うようになっている。

梱包作業台７は、収穫された葉タバコの計量後に梱包布を用いて葉タバコを梱包作業する台で、その上には、収穫された葉タバコを計量するための２台の計量器９が前後に設置され、側方にガイドバー７Ａが取付けられている。荷台８は、計量後の定量の葉タバコ梱包束Ｔを移載する台で、門型フレーム３の上に設置されている。図示例の荷台８は、門型フレーム３から前後に張り出した状態で支持されているが、門型フレーム３の上面にも補助荷台を設けられる場合もある。

次に、リフター１０について説明すると、リフター１０は、図１に示すように、葉タバコ収穫機１の門型フレーム３に取り付けられた昇降用の支柱１１と、支柱１１に昇降可能に支持されたリフト部１２と、支柱１１の上端部に取り付けられた駆動部１３と、支柱１１に設置された制御装置１４と、リフト部１２の上昇・下降・停止の各操作を行う操作部１５と、非常停止部１６を備えている。操作部１５および非常停止部１６は葉タバコ収穫機１の門型フレーム３に取り付けられている。図２にリフター１０の外観構成図を示す。

支柱１１は、長尺な箱型フレームからなり、門型フレーム３の梱包作業台７側の側面に、図２に示す上下の支持部材１１Ａおよび１１Ｂを介して、地面から垂直姿勢になるように強固に支持されている（図４参照）。図３は支柱１１の内部構造を示している。図３に示すように、支柱１１の上端部および下端部に駆動軸２１と従動軸２２が軸支され、これら駆動軸２１と従動軸２２はそれぞれプーリ２３が連結され、上下のプーリ２３、２３間にチェーン２４が巻回されている。上側の駆動軸２１には駆動部１３のブレーキ付きモータが直結され、チェーン２４には駆動部１３からの駆動力により支柱２１内を昇降する昇降部材２５が支持されている。

チェーン２４は、昇降部材２５の反対側にカウンタウェイト２６が支持されている。カウンタウェイト２６は、複数のローラ２７を両側面に備え、支柱１１の内部に設置された案内部材２８の溝内部に上下に摺動可能に配置されている。カウンタウェイト２６は、昇降部材２５が上昇すると下降し、昇降部材２５が下降すると上昇することで、リフト部１２の昇降時に駆動部１３にかかる負荷を下げる役目をする。

支柱１１の側面には、上下に延びるガイド孔２８が設けられている。ガイド孔２８には、支柱１１の内部に配置されている昇降部材２５の連結片２５Ａが突出しており、ガイド孔２８から突出する連結片２５Ａに対し、リフト部１２を片持ち支持する支持片２９がボルト等により強固に連結されている。支持片２９は、リフト部１２の支持体３１と一体に溶接されている。なお、支柱１１のガイド孔２８と反対側の側面には点検蓋１１Ｃが取付けられるようになっている。

リフト部１２は、計量器９上の計量後の葉タバコ梱包束Ｔを、荷台８の移載位置の高さまで上昇させるもので、支持片２９に一体に溶接された支持体３１と、支持体３１に左右の支持腕部３２を介して水平姿勢に支持された枠体３３から構成されている。枠体３３は、図２に示すように、左右の側枠部材３３Ａと中間の連絡部材３３Ｂから枠状に形成されており、左右の側枠部材３３Ａの間、左右の支持腕部３２の間にそれぞれ回転ローラ３４が設けられている。枠体３３の大きさおよび回転ローラ３４の位置は、リフト部１２が昇降する際に、梱包作業台７の上に設置された前後２台の計量器９、９と干渉しない大きさおよび位置になるように設定されている。

リフト部１２の枠体３３は、左右の支持腕部３２の間に回転自在に軸支された回動軸３５に左右の連結部３３Ｃを介して支持されている。左右の支持腕部３２の前面には枠体３３を水平姿勢に保持するストッパー３５Ａが形成されている。枠体３３は、左右のストッパー３５Ａにより昇降時に水平姿勢を保持し、また、回動軸３５周りに上向きにのみ回動可能とされている。

上記構成のリフト部１２は、駆動部１３の駆動により、支持片２９に片持ち支持された状態で昇降し、上下に設けられた位置センサ（図示せず）により、荷台８の移載高さで停止し、また、２台の計量器９の計量面よりも下方位置で停止するようになっている。

制御装置１４は、駆動部１３、操作部１５、非常停止部１６を制御する。操作部１５は、リフト部１２を上昇させる上昇釦１５Ａ、リフト部１２を下降させる下降釦１５Ｂ、昇降中のリフト部１２を停止させる停止釦１５Ｃがそれぞれ設けられている。非常停止部１６は、非常停止釦１６Ａと復帰釦１６Ｂが設けられている。

次に、上記構成の葉タバコ収穫機用リフター１０の使用方法について、図４以降を参照しながら、説明する。

まず、葉タバコ収穫機１を圃場の畝Ｕに跨らせ、畝に沿って低速で走らせ，作業者が畝上の葉タバコｔを収穫しながら、予め梱包作業台７の上、すなわち、２台の計量器９の上にセットしておいた梱包用シートＳの上に、収穫した葉タバコを収容する。リフター１０のリフト部１２は下降位置（２台の計量器９の計量面よりも下方位置）にあり、収穫された葉タバコは、順次、２台の計量器９によって計量される。

梱包用シートＳ上の葉タバコの重量が定量に達すると、ブザーが鳴り、作業者に定量を知らせるとともに、運転者が葉タバコ収穫機１の走行を停止させる。作業者は梱包用シートの上に収容された葉タバコ束を梱包用シートで包み、葉タバコ梱包束Ｔを作り、操作部１５の上昇釦１５Ａを押す。図４および図５は、葉タバコ梱包束Ｔが梱包作業台７の計量器９の上に載置されている状態を示している。

作業者が操作部１５の上昇釦１５Ａを押すと、駆動部１３の駆動により、チェーン２４が駆動し、昇降部材２５を介して支持片２９が上昇する。リフト部１２は、図４および図５に示す下降位置から、支持片２９とともに、２台の計量器９の周囲および間を上昇し、その際に、２台の計量器１９の計量面の上に置かれた葉タバコ梱包束Ｔを下から枠体３３が支持しながら、ゆっくりと上昇する。図６は、葉タバコ梱包束Ｔがリフター１０のリフト部１２によって下から支えられながら上昇している様子を示している。

図７に示すように、リフト部１２が荷台８への移載位置に達すると、位置センサによりリフト部１２が停止する。作業者は、移載高さにある葉タバコ梱包束Ｔをそのまま横方向に動かして、荷台８に楽に移載することができ、従来のように重量のある葉タバコ梱包束Ｔを計量台９の位置から荷台８まで自らの力で持ち上げる必要がない。

１つの葉タバコ梱包束の移載作業が終わったら、作業者が操作部１５の下降釦１５Ｂを押し、上方位置のリフト部１２を下降させる。リフト部１２は、駆動部１３の反転駆動により、支持片２９とともに下降し、位置センサの検出により下降位置で停止する。リフト部１２の下降途中で、図８に示すように、作業中の作業者の手Ｈが計量器９の上に触れた場合、水平姿勢の枠体３３は、基端部側の回動軸３５を中心に上向き（図８の半時計向き）に回動するので、作業者の手Ｈが計量器９と枠体３３との間に挟まれる心配がない。

リフト部１２が下降位置で停止したら、梱包作業台７上の２台の計量器９の上に梱包用シートをセットし、葉タバコ収穫機１を再び低速で走らせ、畝上の葉タバコを収穫し、収穫した葉タバコを梱包用シートの上に収容する。梱包用シートの上に収容した葉タバコの計量が終わったら、葉タバコ収穫機１の走行を停止し、梱包用シート上の定量の葉タバコを包み、葉タバコ梱包束を作る。

その後、再びリフト部１２を上昇させて、リフト部１２上の葉タバコ梱包束を移載位置から荷台８に移載する。このようにして、葉タバコ収穫機１を低速走行させながら、収穫し、計量し、梱包した葉タバコ束を、リフター１０を用いて、次々と荷台８に移載作業することができる。

本考案のリフターを用いることにより、収穫および計量後の葉タバコ梱包束を、葉タバコ収穫機の荷台の上に楽々と移載作業することができ、手作業や力作業でせざるを得なかった従来の作業に比べ、葉タバコ農家の労力を各段に軽減することができる。葉タバコの収穫時期は、一般に６月下旬から８月下旬という夏の暑い時期であり、従来は、１０ｋｇ程度もある葉タバコ梱包束を何度も繰り返し天井部の荷台に乗せなければならなかったが、本考案のリフターを用いると、そのような従来の負担を大幅に軽減することができる。

また、本考案のリフターを用いると、計量後の葉タバコ梱包束を一定の間隔、一定の速度で天井の荷台に移載することができ、労力の軽減だけでなく、葉タバコの収穫作業の効率化を図ることができる。天候や出荷の時期にあわせて、早く収穫作業を終えたいと考える葉タバコ農家にとって、非常に利便性が高いリフターを提供することができる。

本考案に係る葉タバコ収穫機用リフターは、収穫された葉タバコの梱包束を葉タバコ収穫機の荷台に移載する装置として、利用可能である。

１ 葉タバコ収穫機
２ 走行装置
３ 門型フレーム
４ 駆動装置
５ 運転用座席
６ 作業用座席
７ 梱包作業台
８ 荷台
９ 計量器
１０ 葉タバコ収穫機用リフター
１１ 支柱
１２ リフト部
１３ 駆動部
１４ 制御装置
１５ 操作部
１６ 非常停止部
２１ 駆動軸
２２ 従動軸
２３ プーリ
２４ チェーン
２５ 昇降部材
２５Ａ 連結片
２６ カウンタウェイト
２７ ローラ
２８ ガイド孔
２９ 支持片
３１ 支持体
３２ 支持腕部
３３ 枠体
３３Ａ 側枠部材
３３Ｂ 連結部材
３４ 回転ローラ
３５ 回動軸
Ｓ 梱包用シート
ｔ 葉タバコ
Ｔ 葉タバコ梱包束
Ｕ 畝

Claims (4)

1. 一対の走行装置と、一対の走行装置の上に架設された門型フレームと、収穫された葉タバコを梱包用シートに対し梱包作業するための梱包作業台と、梱包作業台の上に設置される計量器と、門型フレームの上に設けられた荷台を備える葉タバコ収穫機用のリフターであって、門型フレームに取り付けられる昇降用の支柱と、支柱にガイドされながら、計量器の上の計量後の葉タバコ梱包束を下から支持した状態で上方の荷台の移載高さ付近まで上昇可能であり、上方の荷台への葉タバコ梱包束の移載後は元の位置まで下降可能なリフト部と、リフト部を昇降させる駆動部を備えることを特徴とする葉タバコ収穫機用リフター。
2. 前記リフト部が、前記支柱に対し昇降可能にガイドされる支持体と、当該支持体に片持ち支持され、計量器の上の計量後の葉タバコ梱包束を下から支持可能な水平枠部材を備えており、
   当該リフト部の水平枠部材が、前記梱包作業台の上に設置された計量器に対し、当該計量器の計量面より下方位置まで前記計量器と干渉することなく下降可能であることを特徴とする、請求項１記載の葉タバコ収穫機用リフター。
3. 前記梱包作業台の上に前後に２台の計量器が設置されており、
   前記リフト部の水平枠部材が、前記梱包作業台の上に設置された２台の計量器に対し、当該２台の計量器の計量面より下方位置まで前記２台の計量器と干渉することなく下降可能であることを特徴とする、請求項１または請求項２記載の葉タバコ収穫機用リフター。
4. 前記リフト部の水平枠部材が、支持体に対し、回動軸を介して、水平姿勢から上方へのみ回動可能に片持ち支持されていることを特徴とする、請求項１ないし請求項３記載の葉タバコ収穫機用リフター。

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