JP3233413B2 - 弾性表面波装置 - Google Patents

弾性表面波装置

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JP3233413B2
JP3233413B2 JP51920798A JP51920798A JP3233413B2 JP 3233413 B2 JP3233413 B2 JP 3233413B2 JP 51920798 A JP51920798 A JP 51920798A JP 51920798 A JP51920798 A JP 51920798A JP 3233413 B2 JP3233413 B2 JP 3233413B2
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film
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憲司 井上
勝男 佐藤
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    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/02Details
    • H03H9/02535Details of surface acoustic wave devices
    • H03H9/02543Characteristics of substrate, e.g. cutting angles
    • H03H9/0259Characteristics of substrate, e.g. cutting angles of langasite substrates
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、単結晶基板上に交差指状電極を有する弾性
表面波装置に関する。
背景技術 近年、携帯電話機を始めとした移動体通信端末機が急
速に普及してきている。この端末機は、持ち運びの利便
さから、特に小型軽量であることが望まれている。端末
機の小型軽量化を達成するには、そこに使われる電子部
品も小型軽量であることが必須であり、このため、端末
機の高周波部や中間周波部には、小型軽量化に有利な弾
性表面波装置、すなわち弾性表面波フィルタが多用され
ている。弾性表面波装置は、圧電基板表面に、弾性表面
波を励振、受信、反射、伝搬するための交差指状電極を
形成したものである。
弾性表面波装置に使われる圧電基板に重要な特性とし
て、弾性表面波の表面波速度(SAW速度)、フィルタを
構成した場合の中心周波数または共振子を構成した場合
の共振周波数の温度係数(周波数温度係数:TCF)、電気
機械結合係数(k2)があげられる。これまでに知られて
いる各種弾性表面波装置用圧電基板の特性を表1に示
す。以後、これらの圧電基板を、表1中の記号で区別す
ることとする。なお、表1中のTCV(SAW速度温度係数)
は弾性表面波の速度(SAW速度)の温度依存性を表わす
量なので、中心周波数や共振周波数の温度依存性を表わ
す上記TCFと同等の値となる。この値が大きいというこ
とは、弾性表面波フィルタの中心周波数が温度により大
きく変化することを意味する。
この表1からわかるように、64LN、36LTは4000m/s以
上のSAW速度を有しており、端末機の高周波部のフィル
タを構成するのに適している。この理由を説明すると、
以下の通りである。携帯電話に代表される移動体通信
は、世界各国で各種のシステムが実用化されているが、
いずれのシステムでも1GHz前後の周波数が使用されてい
る。したがって、端末機高周波部で使用されるフィルタ
は、中心周波数が1GHz前後となる。弾性表面波フィルタ
の場合、その中心周波数は、使用する圧電基板のSAW速
度にほぼ比例し、基板上に形成する電極指の幅にほぼ反
比例する。そこで、高周波化のためには、SAW速度の大
きな基板、例えば64LN、36LTが好ましい。また、この高
周波部のフィルタには、通過帯域幅が20MHz以上である
広帯域のものが要求されるが、広帯域化を実現するため
には圧電基板の電気機械結合係数k2が大きいことが必須
であり、このためにも、64LN、36LTが多用されている。
一方、移動体端末機の中間周波数としては、70〜300M
Hzの周波数帯が使用されている。この周波数帯を中心周
波数とするフィルタを弾性表面波装置を用いて構成する
場合、圧電基板として前記64LN、36LTを使用すると、基
板上に形成する電極指の幅を、前記高周波部に使用され
るフィルタに比べて非常に大きくする必要がある。
具体的な数値を概算して上記のことを説明する。弾性
表面波フィルタを構成する弾性表面波変換器の電極指幅
dと、弾性表面波フィルタの中心周波数f0と、使用する
圧電基板のSAW速度Vとの間には、おおむね f0=V/(4d) …(1) が成立する。SAW速度を4000m/sとして、中心周波数1GHz
の弾性表面波フィルタを構成する場合、その電極指幅は
上記(1)式より d=4000(m/s)/[4×1000(MHz)]=1μm となる。一方、このSAW速度4000m/sの圧電基板を用い
て、中心周波数100MHzの中間周波フィルタを構成する場
合、これに必要な電極指幅は、 d=4000(m/s)/[4×100(MHz)]=10μm となり、高周波部のフィルタに比べて、必要な電極指幅
が10倍も大きくなってしまう。電極指幅が大きくなると
いうことは、弾性表面波装置そのものも大きくなってし
まうことを意味する。そこで、弾性表面波中間周波フィ
ルタを小型なものとするには、上記(1)式から明らか
なようにSAW速度Vの小さな圧電基板を使う必要があ
る。
SAW速度が非常に小さい圧電基板として、上記表1に
示したBGOが知られている。BGO圧電基板のSAW速度は168
1m/sである。しかしながら、BGO圧電基板のSAW速度温度
係数TCVは−122ppm/℃と非常に大きく、一つのチャンネ
ルの信号だけを取り出す中間周波フィルタを構成するに
は適していない。なぜなら、上記したようにTCVとはSAW
速度の温度依存性を表わす量であり、この値が大きいと
いうことは、上記(1)式から明らかなように、弾性表
面波フィルタの中心周波数が温度により大きく変化する
ことを意味するからである。したがって、TCVが大きい
と、希望するチャンネルに隣接する他のチャンネルの信
号を取り出してしまうことがあるので、中間周波フィル
タとして不適当となる。
また、SAW速度が比較的小さい圧電基板として、上記
表1に示すST水晶が知られている。ST水晶は、SAW速度
温度係数TCVがほぼゼロ(一次温度係数aがゼロ)であ
るため、中間周波フィルタを構成するうえで好適であ
る。このため、従来、移動体通信用端末機の中間周波用
弾性表面波フィルタは、殆どST水晶圧電基板により構成
されていた。
しかし、ST水晶基板のSAW速度は3158m/sであり、十分
に小さいとはいえないため、小型化には限界がある。
また、ST水晶基板の電気機械結合係数k2は0.14%であ
り、比較的小さい。k2が小さいということは、通過帯域
の狭いフィルタしか構成できないということを意味す
る。これまでの移動体通信、すなわち携帯電話のシステ
ムとしては、アナログ方式が主として採用されており、
そのチャンネル幅は国内のNTT仕様では12.5kHz、米国の
AMPS仕様では30kHz、欧州のTACS仕様では25kHzと非常に
狭帯域であったので、前記ST水晶基板の電気機械結合係
数k2が小さいということは問題とならなかった。しかし
ながら、近年、周波数資源の有効利用、デジタルデータ
通信との適合性等の点から、デジタル移動体通信システ
ムが開発、実用化され急速に普及してきている。このデ
ジタルシステムのチャンネル幅は、例えば欧州の携帯電
話GSM方式では200kHz、コードレス電話DECT方式では1.7
MHzと、非常に広帯域となっている。このような広帯域
の中間周波フィルタを弾性表面波フィルタで構成する場
合、ST水晶基板では、その実現が困難となっている。
また、弾性表面波素子において、LiNbO3等からなる圧
電体基板の表面に、酸化亜鉛、酸化タンタル、CdS等か
らなる圧電膜を形成することにより、電気機械結合係数
を増大させることが可能なことが、例えば特開平8−20
4499号公報に記載されているように知られている。しか
し、LiNbO3等の従来の圧電基板はSAW速度温度係数TCVが
負なので、酸化亜鉛膜を設けることにより全体のTCVが
負側に大きくなってしまい、好ましくない。
以上説明したように、従来、弾性表面波装置におい
て、電気機械結合係数が大きい上記64LN、36LT等の圧電
基板を用いた場合、通過帯域を広くできるが、基板のSA
W速度が大きいために素子寸法が大きくなるという問題
があり、一方、素子の小型化をはかるためにSAW速度の
小さな上記BGO基板を用いた場合は、SAW速度温度係数TC
Vが大きすぎるために良好な選択度が得られないという
問題があり、いずれにしても中間周波用の弾性表面波フ
ィルタとして十分な特性が得られなかった。
また、SAW速度温度係数TCVが小さいST水晶基板は、SA
W速度が十分に小さくはないので、小型化には限界があ
り、また、電気機械結合係数が比較的小さいので広帯域
化が困難である。
発明の開示 本発明の目的は、小型かつ選択度が良好な弾性表面波
装置を提供することである。また、本発明の他の目的
は、小型かつ通過帯域の広い弾性表面波装置を提供する
ことである。また、本発明の他の目的は、小型かつ選択
度が良好であって、通過帯域の広い弾性表面波装置を提
供することである。
上記目的は、下記の態様1〜態様4のいずれかの構成
により達成される。
態様1 (1) 基板表面に交差指状電極を有し、前記基板の表
面および前記交差指状電極表面を覆う圧電膜を有する弾
性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域I−1に存在し、 領域I−1 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−90〜−70゜(−70゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表
面における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波
長をλとしたとき、 h/λ=0.2〜0.8 である弾性表面波装置。
(2) 基板表面に交差指状電極を有し、前記基板の表
面および前記交差指状電極表面を覆う圧電膜を有する弾
性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域I−2に存在し、 領域I−2 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−70〜−50゜(−50゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表
面における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波
長をλとしたとき、 h/λ=0.25〜0.7 である弾性表面波装置。
(3) 基板表面に交差指状電極を有し、前記基板の表
面および前記交差指状電極表面を覆う圧電膜を有する弾
性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域I−3に存在し、 領域I−3 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−50〜−35゜(−35゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表
面における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波
長をλとしたとき、 h/λ=0.25〜0.45 である弾性表面波装置。
(4) 基板表面に交差指状電極を有し、前記基板の表
面および前記交差指状電極表面を覆う圧電膜を有する弾
性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域I−4に存在し、 領域I−4 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−35〜−25゜(−25゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表
面における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波
長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.5(0を含まず) である弾性表面波装置。
(5) 基板表面に交差指状電極を有し、前記基板の表
面および前記交差指状電極表面を覆う圧電膜を有する弾
性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域I−5に存在し、 領域I−5 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−25〜−10゜ 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表
面における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波
長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.45(0を含まず) である弾性表面波装置。
(6) 基板表面に交差指状電極を有し、前記基板の表
面および前記交差指状電極表面を覆う圧電膜を有する弾
性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域I−6に存在し、 領域I−6 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 10〜25゜(25゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表
面における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波
長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.4(0を含まず) である弾性表面波装置。
(7) 基板表面に交差指状電極を有し、前記基板の表
面および前記交差指状電極表面を覆う圧電膜を有する弾
性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域I−7に存在し、 領域I−7 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 25〜35゜(35゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表
面における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波
長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.45(0を含まず) である弾性表面波装置。
(8) 基板表面に交差指状電極を有し、前記基板の表
面および前記交差指状電極表面を覆う圧電膜を有する弾
性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域I−8に存在し、 領域I−8 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 35〜50゜(50゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表
面における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波
長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.4(0を含まず) である弾性表面波装置。
(9) 基板表面に交差指状電極を有し、前記基板の表
面および前記交差指状電極表面を覆う圧電膜を有する弾
性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域I−9に存在し、 領域I−9 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 50〜70゜(70゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表
面における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波
長をλとしたとき、 h/λ=0.15〜0.7 である弾性表面波装置。
(10) 基板表面に交差指状電極を有し、前記基板の表
面および前記交差指状電極表面を覆う圧電膜を有する弾
性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域I−10に存在し、 領域I−10 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 70〜90゜(90゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表
面における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波
長をλとしたとき、 h/λ=0.15〜0.8 である弾性表面波装置。
態様2 (11) 基板表面に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に
交差指状電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域II−1に存在し、 領域II−1 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−90〜−70゜(−70゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜
の厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.8 である弾性表面波装置。
(12) 基板表面に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に
交差指状電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域II−2に存在し、 領域II−2 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−70〜−50゜(−50゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜
の厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.75 である弾性表面波装置。
(13) 基板表面に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に
交差指状電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域II−3に存在し、 領域II−3 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−50〜−35゜(−35゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜
の厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.45(0を含まず) である弾性表面波装置。
(14) 基板表面に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に
交差指状電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域II−4に存在し、 領域II−4 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−35〜−25゜(−25゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜
の厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.5(0を含まず) である弾性表面波装置。
(15) 基板表面に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に
交差指状電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域II−5に存在し、 領域II−5 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−25〜−10゜ 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜
の厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.45(0を含まず) である弾性表面波装置。
(16) 基板表面に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に
交差指状電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域II−6に存在し、 領域II−6 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 10〜25゜(25゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜
の厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.4(0を含まず) である弾性表面波装置。
(17) 基板表面に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に
交差指状電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域II−7に存在し、 領域II−7 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 25〜35゜(35゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜
の厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.45(0を含まず) である弾性表面波装置。
(18) 基板表面に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に
交差指状電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域II−8に存在し、 領域II−8 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 35〜50゜(50゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜
の厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.4(0を含まず) である弾性表面波装置。
(19) 基板表面に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に
交差指状電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域II−9に存在し、 領域II−9 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 50〜70゜(70゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜
の厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.7 である弾性表面波装置。
(20) 基板表面に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に
交差指状電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域II−10に存在し、 領域II−10 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 70〜90゜(90゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜
の厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.8 である弾性表面波装置。
態様3 (21) 基板表面に交差指状電極を有し、前記基板の表
面および前記交差指状電極表面を覆うように圧電膜を有
し、前記圧電膜の表面に対向電極膜を有し、前記基板が
点群32に属するランガサイト単結晶から構成され、前記
基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および前記
基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で(φ,
θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記領域II
I−1に存在し、 領域III−1 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−90〜−70゜(−70゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表
面における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波
長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.1(0を含まず)または h/λ=0.3〜0.8 である弾性表面波装置。
(22) 基板表面に交差指状電極を有し、前記基板の表
面および前記交差指状電極表面を覆うように圧電膜を有
し、前記圧電膜の表面に対向電極膜を有し、前記基板が
点群32に属するランガサイト単結晶から構成され、前記
基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および前記
基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で(φ,
θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記領域II
I−2に存在し、 領域III−2 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−70〜−50゜(−50゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表
面における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波
長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.1(0を含まず)または h/λ=0.35〜0.8 である弾性表面波装置。
(23) 基板表面に交差指状電極を有し、前記基板の表
面および前記交差指状電極表面を覆うように圧電膜を有
し、前記圧電膜の表面に対向電極膜を有し、前記基板が
点群32に属するランガサイト単結晶から構成され、前記
基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および前記
基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で(φ,
θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記領域II
I−3に存在し、 領域III−3 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−50〜−35゜(−35゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表
面における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波
長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.15(0を含まず)または h/λ=0.35〜0.5 である弾性表面波装置。
(24) 基板表面に交差指状電極を有し、前記基板の表
面および前記交差指状電極表面を覆うように圧電膜を有
し、前記圧電膜の表面に対向電極膜を有し、前記基板が
点群32に属するランガサイト単結晶から構成され、前記
基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および前記
基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で(φ,
θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記領域II
I−4に存在し、 領域III−4 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−35〜−25゜(−25゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表
面における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波
長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.15(0を含まず)または h/λ=0.3〜0.5 である弾性表面波装置。
(25) 基板表面に交差指状電極を有し、前記基板の表
面および前記交差指状電極表面を覆うように圧電膜を有
し、前記圧電膜の表面に対向電極膜を有し、前記基板が
点群32に属するランガサイト単結晶から構成され、前記
基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および前記
基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で(φ,
θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記領域II
I−5に存在し、 領域III−5 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−25〜−10゜ 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表
面における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波
長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.15(0を含まず)または h/λ=0.3〜0.45 である弾性表面波装置。
(26) 基板表面に交差指状電極を有し、前記基板の表
面および前記交差指状電極表面を覆うように圧電膜を有
し、前記圧電膜の表面に対向電極膜を有し、前記基板が
点群32に属するランガサイト単結晶から構成され、前記
基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および前記
基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で(φ,
θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記領域II
I−6に存在し、 領域III−6 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 10〜25゜(25゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表
面における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波
長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.45(0を含まず) である弾性表面波装置。
(27) 基板表面に交差指状電極を有し、前記基板の表
面および前記交差指状電極表面を覆うように圧電膜を有
し、前記圧電膜の表面に対向電極膜を有し、前記基板が
点群32に属するランガサイト単結晶から構成され、前記
基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および前記
基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で(φ,
θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記領域II
I−7に存在し、 領域III−7 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 25〜35゜(35゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表
面における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波
長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.5(0を含まず) である弾性表面波装置。
(28) 基板表面に交差指状電極を有し、前記基板の表
面および前記交差指状電極表面を覆うように圧電膜を有
し、前記圧電膜の表面に対向電極膜を有し、前記基板が
点群32に属するランガサイト単結晶から構成され、前記
基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および前記
基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で(φ,
θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記領域II
I−8に存在し、 領域III−8 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 35〜50゜(50゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表
面における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波
長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.45(0を含まず) である弾性表面波装置。
(29) 基板表面に交差指状電極を有し、前記基板の表
面および前記交差指状電極表面を覆うように圧電膜を有
し、前記圧電膜の表面に対向電極膜を有し、前記基板が
点群32に属するランガサイト単結晶から構成され、前記
基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および前記
基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で(φ,
θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記領域II
I−9に存在し、 領域III−9 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 50〜70゜(70゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表
面における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波
長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.05(0を含まず)または h/λ=0.2〜0.8 である弾性表面波装置。
(30) 基板表面に交差指状電極を有し、前記基板の表
面および前記交差指状電極表面を覆うように圧電膜を有
し、前記圧電膜の表面に対向電極膜を有し、前記基板が
点群32に属するランガサイト単結晶から構成され、前記
基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および前記
基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で(φ,
θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記領域II
I−10に存在し、 領域III−10 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 70〜90゜(90゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表
面における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波
長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.05(0を含まず)または h/λ=0.25〜0.8 である弾性表面波装置。
態様4 (31) 基板表面に対向電極膜を有し、前記対向電極膜
上に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に交差指状電極を
有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域IV−1に存在し、 領域IV−1 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−90〜−70゜(−70゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜
の厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.8 である弾性表面波装置。
(32) 基板表面に対向電極膜を有し、前記対向電極膜
上に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に交差指状電極を
有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域IV−2に存在し、 領域IV−2 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−70〜−50゜(−50゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜
の厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.8 である弾性表面波装置。
(33) 基板表面に対向電極膜を有し、前記対向電極膜
上に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に交差指状電極を
有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域IV−3に存在し、 領域IV−3 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−50〜−35゜(−35゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜
の厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.45 である弾性表面波装置。
(34) 基板表面に対向電極膜を有し、前記対向電極膜
上に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に交差指状電極を
有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域IV−4に存在し、 領域IV−4 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−35〜−25゜(−25゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜
の厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.5 である弾性表面波装置。
(35) 基板表面に対向電極膜を有し、前記対向電極膜
上に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に交差指状電極を
有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域IV−5に存在し、 領域IV−5 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−25〜−10゜ 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜
の厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.45 である弾性表面波装置。
(36) 基板表面に対向電極膜を有し、前記対向電極膜
上に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に交差指状電極を
有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域IV−6に存在し、 領域IV−6 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 10〜25゜(25゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜
の厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.45 である弾性表面波装置。
(37) 基板表面に対向電極膜を有し、前記対向電極膜
上に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に交差指状電極を
有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域IV−7に存在し、 領域IV−7 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 25〜35゜(35゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜
の厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.5 である弾性表面波装置。
(38) 基板表面に対向電極膜を有し、前記対向電極膜
上に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に交差指状電極を
有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域IV−8に存在し、 領域IV−8 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 35〜50゜(50゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜
の厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.45 である弾性表面波装置。
(39) 基板表面に対向電極膜を有し、前記対向電極膜
上に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に交差指状電極を
有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域IV−9に存在し、 領域IV−9 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 50〜70゜(70゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜
の厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.8 である弾性表面波装置。
(40) 基板表面に対向電極膜を有し、前記対向電極膜
上に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に交差指状電極を
有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であ
り、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
(φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
領域IV−10に存在し、 領域IV−10 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 70〜90゜(90゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧
電軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜
の厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.8 である弾性表面波装置。
図面の簡単な説明 図1は、態様1の弾性表面波装置の構成例を示す断面
図である。
図2A、図2Bおよび図2Cは、領域I−1を利用したラン
ガサイド単結晶基板の表面にZnO膜を形成した弾性表面
波装置において、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたとき
の特性変化を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変
化を表すグラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラ
フおよびSAW速度温度係数TCVの変化を表すグラフであ
る。
図3A、図3Bおよび図3Cは、領域I−2を利用したラン
ガサイト単結晶基板の表面にZnO膜を形成した弾性表面
波装置において、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたとき
の特性変化を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変
化を表すグラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラ
フおよびSAW速度温度係数TCVの変化を表すグラフであ
る。
図4A、図4Bおよび図4Cは、領域I−3を利用したラン
ガサイト単結晶基板の表面にZnO膜を形成した弾性表面
波装置において、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたとき
の特性変化を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変
化を表すグラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラ
フおよびSAW速度温度係数TCVの変化を表すグラフであ
る。
図5A、図5Bおよび図5Cは、領域I−4を利用したラン
ガサイト単結晶基板の表面にZnO膜を形成した弾性表面
波装置において、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたとき
の特性変化を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変
化を表すグラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラ
フおよびSAW速度温度係数TCVの変化を表すグラフであ
る。
図6A、図6Bおよび図6Cは、領域I−5を利用したラン
ガサイト単結晶基板の表面にZnO膜を形成した弾性表面
波装置において、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたとき
の特性変化を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変
化を表すグラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラ
フおよびSAW速度温度係数TCVの変化を表すグラフであ
る。
図7A、図7Bおよび図7Cは、領域I−6を利用したラン
ガサイト単結晶基板の表面にZnO膜を形成した弾性表面
波装置において、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたとき
の特性変化を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変
化を表すグラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラ
フおよびSAW速度温度係数TCVの変化を表すグラフであ
る。
図8A、図8Bおよび図8Cは、領域I−7を利用したラン
ガサイト単結晶基板の表面にZnO膜を形成した弾性表面
波装置において、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたとき
の特性変化を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変
化を表すグラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラ
フおよびSAW速度温度係数TCVの変化を表すグラフであ
る。
図9A、図9Bおよび図9Cは、領域I−8を利用したラン
ガサイト単結晶基板の表面にZnO膜を形成した弾性表面
波装置において、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたとき
の特性変化を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変
化を表すグラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラ
フおよびSAW速度温度係数TCVの変化を表すグラフであ
る。
図10A、図10Bおよび図10Cは、領域I−9を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面にZnO膜を形成した弾性
表面波装置において、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えた
ときの特性変化を表すグラフであり、それぞれSAW速度
の変化を表すグラフ、電気機械結合係数k2の変化を表す
グラフおよびSAW速度温度係数TCVの変化を表すグラフで
ある。
図11A、図11Bおよび図11Cは、領域I−10を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面にZnO膜を形成した弾性
表面波装置において、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えた
ときの特性変化を表すグラフであり、それぞれSAW速度
の変化を表すグラフ、電気機械結合係数k2の変化を表す
グラフおよびSAW速度温度係数TCVの変化を表すグラフで
ある。
図12は、領域I−1を利用したランガサイト単結晶基
板の表面にZnO膜を形成した弾性表面波装置において、Z
nO膜の規格化膜厚h/λと弾性表面波の伝搬方向を規定す
るψとを変えたときのSAW速度温度係数TCVの変化を示す
グラフである。
図13は、領域I−1を利用したランガサイト単結晶基
板の表面にZnO膜を形成した弾性表面波装置において、Z
nO膜の規格化膜厚h/λと弾性表面波の伝搬方向を規定す
るψとを変えたときの電気機械結合係数k2の変化を示す
グラフである。
図14は、領域I−10を利用したランガサイト単結晶基
板の表面にZnO膜を形成した弾性表面波装置において、Z
nO膜の規格化膜厚h/λと弾性表面波の伝搬方向を規定す
るψとを変えたときのSAW速度温度係数TCVの変化を示す
グラフである。
図15は、領域I−10を利用したランガサイト単結晶基
板の表面にZnO膜を形成した弾性表面波装置において、Z
nO膜の規格化膜厚h/λと弾性表面波の伝搬方向を規定す
るψとを変えたときの電気機械結合係数k2の変化を示す
グラフである。
図16は、態様2の弾性表面波装置の構成例を示す断面
図である。
図17A、図17Bおよび図17Cは、領域II−1を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面にZnO膜と交差指状電極
とを形成した弾性表面波装置において、ZnO膜の規格化
膜厚h/λを変えたときの特性変化を表すグラフであり、
それぞれSAW速度の変化を表すグラフ、電気機械結合係
数k2の変化を表すグラフおよびSAW速度温度係数TCVの変
化を表すグラフである。
図18A、図18Bおよび図18Cは、領域II−2を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面にZnO膜と交差指状電極
とを形成した弾性表面波装置において、ZnO膜の規格化
膜厚h/λを変えたときの特性変化を表すグラフであり、
それぞれSAW速度の変化を表すグラフ、電気機械結合係
数k2の変化を表すグラフおよびSAW速度温度係数TCVの変
化を表すグラフである。
図19A、図19Bおよび図19Cは、領域II−3を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面にZnO膜と交差指状電極
とを形成した弾性表面波装置において、ZnO膜の規格化
膜厚h/λを変えたときの特性変化を表すグラフであり、
それぞれSAW速度の変化を表すグラフ、電気機械結合係
数k2の変化を表すグラフおよびSAW速度温度係数TCVの変
化を表すグラフである。
図20A、図20Bおよび図20Cは、領域II−4を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面にZnO膜と交差指状電極
とを形成した弾性表面波装置において、ZnO膜の規格化
膜厚h/λを変えたときの特性変化を表すグラフであり、
それぞれSAW速度の変化を表すグラフ、電気機械結合係
数k2の変化を表すグラフおよびSAW速度温度係数TCVの変
化を表すグラフである。
図21A、図21Bおよび図21Cは、領域II−5を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面にZnO膜と交差指状電極
とを形成した弾性表面波装置において、ZnO膜の規格化
膜厚h/λを変えたときの特性変化を表すグラフであり、
それぞれSAW速度の変化を表すグラフ、電気機械結合係
数k2の変化を表すグラフおよびSAW速度温度係数TCVの変
化を表すグラフである。
図22A、図22Bおよび図22Cは、領域II−6を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面にZnO膜と交差指状電極
とを形成した弾性表面波装置において、ZnO膜の規格化
膜厚h/λを変えたときの特性変化を表すグラフであり、
それぞれSAW速度の変化を表すグラフ、電気機械結合係
数k2の変化を表すグラフおよびSAW速度温度係数TCVの変
化を表すグラフである。
図23A、図23Bおよび図23Cは、領域II−7を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面にZnO膜と交差指状電極
とを形成した弾性表面波装置において、ZnO膜の規格化
膜厚h/λを変えたときの特性変化を表すグラフであり、
それぞれSAW速度の変化を表すグラフ、電気機械結合係
数k2の変化を表すグラフおよびSAW速度温度係数TCVの変
化を表すグラフである。
図24A、図24Bおよび図24Cは、領域II−8を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面にZnO膜と交差指状電極
とを形成した弾性表面波装置において、ZnO膜の規格化
膜厚h/λを変えたときの特性変化を表すグラフであり、
それぞれSAW速度の変化を表すグラフ、電気機械結合係
数k2の変化を表すグラフおよびSAW速度温度係数TCVの変
化を表すグラフである。
図25A、図25Bおよび図25Cは、領域II−9を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面にZnO膜と交差指状電極
とを形成した弾性表面波装置において、ZnO膜の規格化
膜厚h/λを変えたときの特性変化を表すグラフであり、
それぞれSAW速度の変化を表すグラフ、電気機械結合係
数k2の変化を表すグラフおよびSAW速度温度係数TCVの変
化を表すグラフである。
図26A、図26Bおよび図26Cは、領域II−10を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面にZnO膜と交差指状電極
とを形成した弾性表面波装置において、ZnO膜の規格化
膜厚h/λを変えたときの特性変化を表すグラフであり、
それぞれSAW速度の変化を表すグラフ、電気機械結合係
数k2の変化を表すグラフおよびSAW速度温度係数TCVの変
化を表すグラフである。
図27は、領域II−1を利用したランガサイト単結晶基
板の表面にZnO膜と交差指状電極とを形成した弾性表面
波装置において、ZnO膜の規格化膜厚h/λと弾性表面波
の伝搬方向を規定するψとを変えたときのSAW速度温度
係数TCVの変化を示すグラフである。
図28は、領域II−1を利用したランガサイト単結晶基
板の表面にZnO膜と交差指状電極とを形成した弾性表面
波装置において、ZnO膜の規格化膜厚h/λと弾性表面波
の伝搬方向を規定するψとを変えたときの電気機械結合
係数k2の変化を示すグラフである。
図29は、領域II−10を利用したランガサイト単結晶基
板の表面にZnO膜と交差指状電極とを形成した弾性表面
波装置において、ZnO膜の規格化膜厚h/λと弾性表面波
の伝搬方向を規定するψとを変えたときのSAW速度温度
係数TCVの変化を示すグラフである。
図30は、領域II−10を利用したランガサイト単結晶基
板の表面にZnO膜と交差指状電極とを形成した弾性表面
波装置において、ZnO膜の規格化膜厚h/λと弾性表面波
の伝搬方向を規定するψとを変えたときの電気機械結合
係数k2の変化を示すグラフである。
図31は、態様3の弾性表面波装置の構成例を示す断面
図である。
図32A、図32Bおよび図32Cは、領域III−1を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面に、交差指状電極、ZnO
膜、対向電極膜をこの順で形成した弾性表面波装置にお
いて、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたときの特性変化
を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変化を表すグ
ラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラフおよびSA
W速度温度係数TCVの変化を表すグラフである。
図33A、図33Bおよび図33Cは、領域III−2を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面に、交差指状電極、ZnO
膜、対向電極膜をこの順で形成した弾性表面波装置にお
いて、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたときの特性変化
を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変化を表すグ
ラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラフおよびSA
W速度温度係数TCVの変化を表すグラフである。
図34A、図34Bおよび図34Cは、領域III−3を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面に、交差指状電極、ZnO
膜、対向電極膜をこの順で形成した弾性表面波装置にお
いて、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたときの特性変化
を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変化を表すグ
ラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラフおよびSA
W速度温度係数TCVの変化を表すグラフである。
図35A、図35Bおよび図35Cは、領域III−4を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面に、交差指状電極、ZnO
膜、対向電極膜をこの順で形成した弾性表面波装置にお
いて、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたときの特性変化
を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変化を表すグ
ラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラフおよびSA
W速度温度係数TCVの変化を表すグラフである。
図36A、図36Bおよび図36Cは、領域III−5を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面に、交差指状電極、ZnO
膜、対向電極膜をこの順で形成した弾性表面波装置にお
いて、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたときの特性変化
を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変化を表すグ
ラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラフおよびSA
W速度温度係数TCVの変化を表すグラフである。
図37A、図37Bおよび図37Cは、領域III−6を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面に、交差指状電極、ZnO
膜、対向電極膜をこの順で形成した弾性表面波装置にお
いて、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたときの特性変化
を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変化を表すグ
ラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラフおよびSA
W速度温度係数TCVの変化を表すグラフである。
図38A、図38Bおよび図38Cは、領域III−7を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面に、交差指状電極、ZnO
膜、対向電極膜をこの順で形成した弾性表面波装置にお
いて、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたときの特性変化
を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変化を表すグ
ラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラフおよびSA
W速度温度係数TCVの変化を表すグラフである。
図39A、図39Bおよび図39Cは、領域III−8を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面に、交差指状電極、ZnO
膜、対向電極膜をこの順で形成した弾性表面波装置にお
いて、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたときの特性変化
を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変化を表すグ
ラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラフおよびSA
W速度温度係数TCVの変化を表すグラフである。
図40A、図40Bおよび図40Cは、領域III−9を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面に、交差指状電極、ZnO
膜、対向電極膜をこの順で形成した弾性表面波装置にお
いて、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたときの特性変化
を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変化を表すグ
ラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラフおよびSA
W速度温度係数TCVの変化を表すグラフである。
図41A、図41Bおよび図41Cは、領域III−10を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面に、交差指状電極、ZnO
膜、対向電極膜をこの順で形成した弾性表面波装置にお
いて、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたときの特性変化
を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変化を表すグ
ラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラフおよびSA
W速度温度係数TCVの変化を表すグラフである。
図42は、領域III−1を利用したランガサイト単結晶
基板の表面に、交差指状電極、ZnO膜、対向電極膜をこ
の順で形成した弾性表面波装置において、ZnO膜の規格
化膜厚h/λと弾性表面波の伝搬方向を規定するψとを変
えたときのSAW速度温度係数TCVの変化を示すグラフであ
る。
図43は、領域III−1を利用したランガサイト単結晶
基板の表面に、交差指状電極、ZnO膜、対向電極膜をこ
の順で形成した弾性表面波装置において、ZnO膜の規格
化膜厚h/λと弾性表面波の伝搬方向を規定するψとを変
えたときの電気機械結合係数k2の変化を示すグラフであ
る。
図44は、領域III−10を利用したランガサイト単結晶
基板の表面に、交差指状電極、ZnO膜、対向電極膜をこ
の順で形成した弾性表面波装置において、ZnO膜の規格
化膜厚h/λと弾性表面波の伝搬方向を規定するψとを変
えたときのSAW速度温度係数TCVの変化を示すグラフであ
る。
図45は、領域III−10を利用したランガサイト単結晶
基板の表面に、交差指状電極、ZnO膜、対向電極膜をこ
の順で形成した弾性表面波装置において、ZnO膜の規格
化膜厚h/λと弾性表面波の伝搬方向を規定するψとを変
えたときの電気機械結合係数k2の変化を示すグラフであ
る。
図46は、態様4の弾性表面波装置の構成例を示す断面
図である。
図47A、図47Bおよび図47Cは、領域IV−1を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面に、対向電極膜、ZnO
膜、交差指状電極をこの順で形成した弾性表面波装置に
おいて、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたときの特性変
化を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変化を表す
グラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラフおよび
SAW速度温度係数TCVの変化を表すグラフである。
図48A、図48Bおよび図48Cは、領域IV−2を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面に、対向電極膜、ZnO
膜、交差指状電極をこの順で形成した弾性表面波装置に
おいて、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたときの特性変
化を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変化を表す
グラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラフおよび
SAW速度温度係数TCVの変化を表すグラフである。
図49A、図49Bおよび図49Cは、領域IV−3を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面に、対向電極膜、ZnO
膜、交差指状電極をこの順で形成した弾性表面波装置に
おいて、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたときの特性変
化を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変化を表す
グラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラフおよび
SAW速度温度係数TCVの変化を表すグラフである。
図50A、図50Bおよび図50Cは、領域IV−4を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面に、対向電極膜、ZnO
膜、交差指状電極をこの順で形成した弾性表面波装置に
おいて、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたときの特性変
化を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変化を表す
グラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラフおよび
SAW速度温度係数TCVの変化を表すグラフである。
図51A、図51Bおよび図51Cは、領域IV−5を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面に、対向電極膜、ZnO
膜、交差指状電極をこの順で形成した弾性表面波装置に
おいて、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたときの特性変
化を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変化を表す
グラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラフおよび
SAW速度温度係数TCVの変化を表すグラフである。
図52A、図52Bおよび図52Cは、領域IV−6を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面に、対向電極膜、ZnO
膜、交差指状電極をこの順で形成した弾性表面波装置に
おいて、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたときの特性変
化を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変化を表す
グラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラフおよび
SAW速度温度係数TCVの変化を表すグラフである。
図53A、図53Bおよび図53Cは、領域IV−7を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面に、対向電極膜、ZnO
膜、交差指状電極をこの順で形成した弾性表面波装置に
おいて、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたときの特性変
化を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変化を表す
グラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラフおよび
SAW速度温度係数TCVの変化を表すグラフである。
4 図54A、図54Bおよび図54Cは、領域IV−8を利用し
たランガサイト単結晶基板の表面に、対向電極膜、ZnO
膜、交差指状電極をこの順で形成した弾性表面波装置に
おいて、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたときの特性変
化を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変化を表す
グラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラフおよび
SAW速度温度係数TCVの変化を表すグラフである。
図55A、図55Bおよび図55Cは、領域IV−9を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面に、対向電極膜、ZnO
膜、交差指状電極をこの順で形成した弾性表面波装置に
おいて、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたときの特性変
化を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変化を表す
グラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラフおよび
SAW速度温度係数TCVの変化を表すグラフである。
図56A、図56Bおよび図56Cは、領域IV−10を利用した
ランガサイト単結晶基板の表面に、対向電極膜、ZnO
膜、交差指状電極をこの順で形成した弾性表面波装置に
おいて、ZnO膜の規格化膜厚h/λを変えたときの特性変
化を表すグラフであり、それぞれSAW速度の変化を表す
グラフ、電気機械結合係数k2の変化を表すグラフおよび
SAW速度温度係数TCVの変化を表すグラフである。
図57は、領域IV−1を利用したランガサイト単結晶基
板の表面に、対向電極膜、ZnO膜、交差指状電極をこの
順で形成した弾性表面波装置において、ZnO膜の規格化
膜厚h/λと弾性表面波の伝搬方向を規定するψとを変え
たときのSAW速度温度係数TCVの変化を示すグラフであ
る。
図58は、領域IV−1を利用したランガサイト単結晶基
板の表面に、対向電極膜、ZnO膜、交差指状電極をこの
順で形成した弾性表面波装置において、ZnO膜の規格化
膜厚h/λと弾性表面波の伝搬方向を規定するψとを変え
たときの電気機械結合係数k2の変化を示すグラフであ
る。
図59は、領域IV−10を利用したランガサイト単結晶基
板の表面に、対向電極膜、ZnO膜、交差指状電極をこの
順で形成した弾性表面波装置において、ZnO膜の規格化
膜厚h/λと弾性表面波の伝搬方向を規定するψとを変え
たときのSAW速度温度係数TCVの変化を表すグラフであ
る。
図60は、領域IV−10を利用したランガサイト単結晶基
板の表面に、対向電極膜、ZnO膜、交差指状電極をこの
順で形成した弾性表面波装置において、ZnO膜の規格化
膜厚h/λと弾性表面波の伝搬方向を規定するψとを変え
たときの電気機械結合係数k2の変化を示すグラフであ
る。
発明を実施するための最良の形態 態様1 態様1では、弾性表面波装置の基板材料にランガサイ
ト単結晶を用い、この基板のランガサイト単結晶からの
切り出し角とこの基板の弾性表面波伝搬方向とを表す
φ、θおよびψを、上記領域I内から選択する。これに
より、SAW速度を小さくでき、電気機械結合係数を大き
くでき、SAW速度温度係数TCVを小さくできる。態様1で
は、さらに、このランガサイト単結晶基板の表面に、酸
化亜鉛から構成される圧電膜を設ける。そして、基板の
ランガサイト単結晶からの切り出し角と基板の弾性表面
波伝搬方向とに応じて圧電膜の厚さを制御する。これに
より、電気機械結合係数のさらなる増大および/または
TCVのさらなる減少が実現する。このため、弾性表面波
装置の小型化、フィルタとしての通過帯域幅の広帯域
化、温度安定性の向上が可能となり、特に、移動体通信
端末機の中間周波の弾性表面波フィルタとして良好な特
性が実現する。
上記領域I−1〜I−10は上記領域Iに包含され、こ
れら各領域について、圧電膜の厚さの好ましい範囲が存
在する。これらのうち領域I−1および領域I−10で
は、圧電膜の厚さを選択することによりTCVの絶対値を
著しく小さくすることが可能であり、TCVをほぼ零とす
ることもできるので、選択度の特に良好な弾性表面波装
置を得ることができる。
弾性表面波素子において、LiNbO3等からなる圧電体基
板の表面に、酸化亜鉛、酸化タンタル、CdS等からなる
圧電膜を形成することにより、電気機械結合係数を増大
させることが可能なことは、例えば特開平8−204499号
公報に記載されているように知られている。しかし、ラ
ンガサイト基板の表面に圧電膜を形成した弾性表面波装
置の提案はなされていない。しかも、ランガサイト基板
は、単結晶からの切り出し角および弾性表面波伝搬方向
を選択することによりTCVが正となり、一方、酸化亜鉛
膜のTCVは負なので、この組み合わせでは両者のTCVが相
殺され、全体のTCVを極めて小さくすることができる。
これに対し、LiNbO3等の従来の圧電基板はTCVが負なの
で、酸化亜鉛膜を設けることにより全体のTCVが負側に
大きくなってしまい、好ましくない。態様1では特定の
ランガサイト基板と酸化亜鉛膜とを組み合わせることに
より、従来の圧電基板と圧電膜との組み合わせでは実現
不可能であったTCVの減少が可能となる。
態様2 態様2では、圧電基板上に圧電膜と交差指状電極とを
この順で設けた弾性表面波装置において、圧電基板とし
てランガサイト単結晶基板を、圧電膜として酸化亜鉛膜
を用いる。圧電膜を設けることにより、電気機械結合係
数を増大させることができる。
圧電体基板の表面に圧電膜を形成することにより電気
機械結合係数を増大させることが可能なことは、上記特
開平8−204499号公報などにより知られている。しか
し、LiNbO3等の従来の圧電基板はTCVが負なので、酸化
亜鉛膜を設けることにより全体のTCVが負側に大きくな
ってしまう。
このような従来例に対し本発明では、基板材料として
ランガサイト単結晶を用いる。ランガサイト基板は、単
結晶からの切り出し角および弾性表面波伝搬方向を選択
することによりTCVが正となり、一方、酸化亜鉛膜のTCV
は負なので、この組み合わせでは両者のTCVが相殺さ
れ、全体のTCVを極めて小さくすることができる。この
ため、従来の圧電基板と圧電膜との組み合わせでは実現
不可能であった弾性表面波装置、すなわち、電気機械結
合係数が大きく、しかもTCVの絶対値が小さい弾性表面
波装置が実現する。
また、上記した特開平8−204499号公報では、圧電基
板上に交差指状電極を設け、この上に圧電膜を形成して
いる。一方、態様2では、圧電基板上に圧電膜を設け、
この圧電膜上に交差指状電極を形成する。すなわち態様
2では、平坦な単結晶ランガサイト基板表面に圧電膜を
成長させるので、均質な圧電膜が得られる。このため、
圧電膜の不均一さに起因する周波数のばらつきを抑える
ことができる。
上記領域II−1〜II−10は上記領域IIに包含され、こ
れら各領域について、圧電膜の厚さの好ましい範囲が存
在する。これらのうち領域II−1および領域II−10で
は、圧電膜の厚さを選択することによりTCVの絶対値を
著しく小さくすることが可能であり、TCVをほぼ零とす
ることもできるので、選択度の特に良好な弾性表面波装
置を得ることができる。
態様3 態様3では、図31に示すように、圧電基板2上に圧電
膜4を設けた弾性表面波装置において、圧電基板として
ランガサイト単結晶基板を、圧電膜として酸化亜鉛膜を
用い、さらに、圧電膜上に対向電極膜5を設ける。圧電
膜および対向電極膜を設けることにより、電気機械結合
係数を増大させることができる。
圧電体基板の表面に圧電膜を形成することにより電気
機械結合係数を増大させることが可能なことは、上記特
開平8−204499号公報などにより知られている。しか
し、LiNbO3等の従来の圧電基板はTCVが負なので、酸化
亜鉛膜を設けることにより全体のTCVが負側に大きくな
ってしまう。
また、圧電膜を介して交差指状電極と対向電極膜とを
対向させることにより、圧電膜が比較的薄くても大きな
電気機械結合係数が得られることは、例えば刊行物「表
面波デバイスとその応用」(日刊工業新聞社刊、昭和53
年)の第98〜109ページなどに示されるように知られて
いる。しかし、対向電極膜を設けた従来の弾性表面波装
置では、圧電基板ではなくガラス基板、シリコン基板、
サファイヤ基板等の非圧電性基板が用いられている。こ
れは、従来の圧電基板と圧電膜との組み合わせでは上記
したようにTCVが負側に大きくなりすぎるからであると
考えられる。
これらの従来例に対し態様3では、基板材料としてラ
ンガサイト単結晶を用いる。ランガサイト基板は、単結
晶からの切り出し角および弾性表面波伝搬方向を選択す
ることによりTCVが正となり、一方、酸化亜鉛膜のTCVは
負なので、この組み合わせでは両者のTCVが相殺され、
全体のTCVを極めて小さくすることができる。このた
め、従来の圧電基板と圧電膜との組み合わせでは実現不
可能であった弾性表面波装置、すなわち、電気機械結合
係数が大きく、しかもTCVの絶対値が小さい弾性表面波
装置が実現する。
態様3では、基板のランガサイト単結晶からの切り出
し角とこの基板の弾性表面波伝搬方向とを表すφ、θお
よびψを、上記領域III内から選択する。これにより、S
AW速度を小さくでき、電気機械結合係数を大きくでき、
SAW速度温度係数TCVを小さくできる。さらに本発明で
は、基板のランガサイト単結晶からの切り出し角と基板
の弾性表面波伝搬方向とに応じて圧電膜の厚さを制御す
る。これにより、電気機械結合係数のさらなる増大およ
び/またはTCVのさらなる減少が実現する。このため、
弾性表面波装置の小型化、フィルタとしての通過帯域幅
の広帯域化、温度安定性の向上が可能となり、特に、移
動体通信端末機の中間周波の弾性表面波フィルタとして
良好な特性が実現する。
上記領域III−1〜III−10は上記領域IIIに包含さ
れ、これら各領域について、圧電膜の厚さの好ましい範
囲が存在する。これらのうち領域III−1および領域III
−10では、圧電膜の厚さを選択することによりTCVの絶
対値を著しく小さくすることが可能であり、TCVをほぼ
零とすることもできるので、選択度の特に良好な弾性表
面波装置を得ることができる。
態様4 態様4では図46に示すように、圧電基板2上に圧電膜
4を設けた弾性表面波装置において、圧電基板としてラ
ンガサイト単結晶基板を、圧電膜として酸化亜鉛膜を用
い、さらに、圧電膜と基板との間に対向電極膜5を設け
る。圧電膜および対向電極膜を設けることにより、電気
機械結合係数を増大させることができる。
圧電体基板の表面に圧電膜を形成することにより電気
機械結合係数を増大させることが可能なことは、上記特
開平8−204499号公報などにより知られている。しか
し、LiNbO3等の従来の圧電基板はTCVが負なので、酸化
亜鉛膜を設けることにより全体のTCVが負側に大きくな
ってしまう。
また、圧電膜を介して交差指状電極と対向電極膜とを
対向させることにより、圧電膜が比較的薄くても大きな
電気機械結合係数が得られることは、例えば刊行物「表
面波デバイスとその応用」(日刊工業新聞社刊、昭和53
年)の第98〜109ページなどに示されるように知られて
いる。しかし、対向電極膜を設けた従来の弾性表面波装
置では、圧電基板ではなくガラス基板、シリコン基板、
サファイヤ基板等の非圧電性基板が用いられている。こ
れは、従来の圧電基板と圧電膜との組み合わせでは上記
したようにTCVが負側に大きくなりすぎるからであると
考えられる。
これらの従来例に対し態様4では、基板材料としてラ
ンガサイト単結晶を用いる。ランガサイト基板は、単結
晶からの切り出し角および弾性表面波伝搬方向を選択す
ることによりTCVが正となり、一方、酸化亜鉛膜のTCVは
負なので、この組み合わせでは両者のTCVが相殺され、
全体のTCVを極めて小さくすることができる。このた
め、従来の圧電基板と圧電膜との組み合わせでは実現不
可能であった弾性表面波装置、すなわち、電気機械結合
係数が大きく、しかもTCVの絶対値が小さい弾性表面波
装置が実現する。
また、上記した特開平8−204499号公報では、圧電基
板上に交差指状電極を設け、この上に圧電膜を形成して
いる。一方、態様4では、圧電基板上に対向電極膜およ
び圧電膜を設け、この圧電膜上に交差指状電極を形成す
る。すなわち態様4では、平坦な対向電極膜の表面に圧
電膜を成長させるので、均質な圧電膜が得られる。この
ため、圧電膜の不均一さに起因する周波数のばらつきを
抑えることができる。
態様4では、基板のランガサイト単結晶からの切り出
し角とこの基板の弾性表面波伝搬方向とを表すφ、θお
よびψを、上記領域IV内から選択する。これにより、SA
W速度を小さくでき、電気機械結合係数を大きくでき、S
AW速度温度係数TCVを小さくできる。さらに態様4で
は、基板のランガサイト単結晶からの切り出し角と基板
の弾性表面波伝搬方向とに応じて圧電膜の厚さを制御す
る。これにより、電気機械結合係数のさらなる増大およ
び/またはTCVのさらなる減少が実現する。このため、
弾性表面波装置の小型化、フィルタとしての通過帯域幅
の広帯域化、温度安定性の向上が可能となり、特に、移
動体通信端末機の中間周波の弾性表面波フィルタとして
良好な特性が実現する。
上記領域IV−1〜IV−10は上記領域IVに包含され、こ
れら各領域について、圧電膜の厚さの好ましい範囲が存
在する。これらのうち領域IV−1および領域IV−10で
は、圧電膜の厚さを選択することによりTCVの絶対値を
著しく小さくすることが可能であり、TCVをほぼ零とす
ることもできるので、選択度の特に良好な弾性表面波装
置を得ることができる。
なお、例えば、1995 IEEE ULTRASONICS SYMPOSIUM Vo
l.1,389の「NUMERICAL AND EXPERIMENTAL INVESTIGATIO
N SAW IN LANGASITE」(参考文献1)では、ランガサイ
ト単結晶基板の切り出し角および弾性表面波の伝搬方向
がオイラー角表示で(φ,θ,ψ)と表わしたとき、 (0゜,30゜,90゜)、 (0゜,53゜,90゜)、 (0゜,61゜,0゜)、 (0゜,147゜,22゜)、 (0゜,147゜,18゜)、 (0゜,32゜,40゜)、 (0゜,156゜,0゜)、 (0゜,θ,90゜)、 (0゜,25゜,ψ) である基板について、数値計算によりSAW速度、k2/2、T
CD(SAW遅延時間温度係数)等を求めたことが報告され
ている。また、1995 IEEE ULTRASONICS SYMPOSIUM Vol.
1,409の「Effects of Electric Field and of Mechanic
al Pressure on Surface Acoustic Waves Propagation
in La3Ga5SiO14 Piezoelectric Single Crystals」(参
考文献2)では、オイラー角表示(φ,θ,ψ)で (90゜,90゜,ψ)、 (0゜,90゜,ψ)、 (0゜,0゜,ψ)、 (0゜,θ,0゜)、 (90゜,θ,0゜)、 (φ,90゜,0゜) である基板について、数値計算によりk2等を求めたこと
が報告されている。また、「第17回超音波エレクトロニ
クスの基礎と応用に関するシンポジウム講演予稿集」の
「ランガサイト結晶基板上のSAW伝搬特性の検討」(A s
tudy on SAW propagation characteristics on a langa
site crystal plate)(参考文献3)では、オイラー角
表示(φ,θ,ψ)で (90゜,90゜,ψ) である基板について、数値計算によりk2、TCD等を求め
ており、 (0゜,0゜,90゜)、 (90゜,90゜,175゜)、 (90゜,90゜,25゜) については、実測によりTCDを求めたことが報告されて
いる。また、日本学術振興会弾性波素子技術第150委員
会第51回研究会資料の第21ページ「ランガサイト結晶基
板上のレイリー波の伝搬方位依存性」(Propagation di
rection dependence of Rayleigh waves on a langasit
e crystal plate)(参考文献4)では、オイラー角表
示(φ,θ,ψ)で (0゜,0゜,ψ)、 (90゜,90゜,ψ) である基板について、数値計算によりk2等を求めてお
り、 (0゜,0゜,90゜)、 (90゜,90゜,175゜)、 (90゜,90゜,15゜)、 (90゜,90゜,21゜)、 (90゜,90゜,25゜) については、実測した直列共振周波数からTCDを求めた
ことが報告されている。この参考文献4は、本出願の基
礎出願の出願後の1997年1月27日に発行されたものであ
る。また、「第17回超音波エレクトロニクスの基礎と応
用に関するシンポジウム講演予稿集」(参考文献5)の
「La3Ga5SiO14基板弾性表面波の伝搬特性」(Propagati
on characteristics of surface acoustic waves on La
3Ga5SiO14)では、オイラー角表示(φ,θ,ψ)で (90゜,90゜,ψ)、 (0゜,90゜,ψ)、 (0゜,0゜,ψ)、 (0゜,θ,0゜)である基板について、数値計算により
k2等を求めたことが報告されている。
上記各参考文献には、ランガサイト単結晶基板単独で
の特性は記載されているが、このランガサイト単結晶基
板に、酸化亜鉛からなる圧電膜を設けることは記載され
ていない。これに対し本発明では、電気機械結合係数の
さらなる増大および/またはTCVのさらなる減少を実現
するために、基板のランガサイト単結晶からの切り出し
角と基板の弾性表面波伝搬方向とに応じて、酸化亜鉛か
らなる圧電膜を最適な厚さに設定する。したがって、本
発明は上記各参考文献から容易に発明できたものではな
い。
態様1 態様1の弾性表面波装置の構成例を図1に示す。この
弾性表面波装置は、基板2表面に入力側および出力側の
一組の交差指状電極3、3を有し、圧電膜4が基板2お
よび交差指状電極3、3を覆っている。本発明の各態様
において、基板2にはランガサイト単結晶を用いる。ラ
ンガサイト単結晶は、点群32に属する結晶型である。ま
た、本発明の各態様において、圧電膜4には酸化亜鉛
(ZnO)を用いる。圧電膜の圧電軸は、基板表面にほぼ
垂直に配向している。
図中のx軸、y軸およびz軸は互いに直交している。
x軸およびy軸は基板2の面内方向にあり、x軸は弾性
表面波の伝搬方向を規定する。また、基板面に垂直なz
軸は、単結晶基板の切り出し角(カット面)を規定す
る。これらx軸、y軸およびz軸とランガサイト単結晶
のX軸、Y軸およびZ軸との関係は、オイラー角表示
(φ,θ,ψ)で表わすことができる。
態様1の弾性表面波装置において、基板のランガサイ
ト単結晶からの切り出し角および弾性表面波の伝搬方向
をオイラー角表示(φ,θ,ψ)で表わしたとき、φ、
θおよびψは前記各領域に存在する。
φ、θおよびψを領域Iから選択し、かつ適当な厚さ
の圧電膜を設けることにより、SAW速度を小さく、電気
機械結合係数を大きく、SAW速度温度係数TCVを小さくで
きるので、弾性表面波装置の小型化、フィルタとしての
通過帯域幅の広帯域化、温度安定性の向上が可能とな
り、特に、移動体通信端末機の中間周波の弾性表面波フ
ィルタとして良好な特性が得られる。具体的には、基板
のSAW速度温度係数TCVを−35〜60ppm/℃、基板の音速を
2900m/s以下、基板の結合係数を0.1%以上とすることが
でき、さらに良好な特性を得ることも容易である。
領域I−1、I−6、I−7、I−8、I−9、I−
10では、結合係数を0.4%以上にできるため、広帯域の
弾性表面波装置が実現する。また、領域I−1、I−
7、I−10では、結合係数を0.7%以上にできるため、
より広帯域の弾性表面波装置が実現する。
また、領域I−1、I−10では、TCVを極めて小さく
でき、零にすることもできるので、温度安定性の良好な
弾性表面波装置が実現する。特に領域I−10では、圧電
膜の厚さを選択することにより、大きな結合係数と小さ
なTCVとが得られるので、広帯域かつ温度安定性の良好
な弾性表面波装置が実現する。
なお、本明細書では、SAW速度温度係数TCVとして一次
温度係数を用いる。また、温度−音速グラフが二次曲線
になる場合(一次温度係数がゼロである場合)でも、最
小二乗法により一次の直線に近似させてTCVを算出す
る。具体的には、単位温度あたりの音速変化量Δvを0
℃における音速v0で除して求める。
基板のカット方向は、X線回折により確認することが
できる。
ランガサイト単結晶は、一般に化学式La3Ga5SiO14
表されるものであり、例えば、Proc.IEEE Internationa
l Frequency Control Sympo.vol.1994 pp48−57(199
4)などにより知られているが、本発明の各態様では、
ランガサイト単結晶を弾性表面波装置の基板に適用する
に際し、結晶のカット方向と弾性表面波の伝搬方向とを
選択することにより、上記した高特性の弾性表面波装置
を実現する。本発明の各態様で用いるランガサイト単結
晶は、X線回折でランガサイト相だけが観察されるもの
であればよい。すなわち、上記化学式で表わされるもの
に限らず、例えば、La、Ga、Siの各サイトの少なくとも
一部を他の元素で置換してもよく、酸素数が上記化学量
論組成から外れていてもよい。また、不可避的不純物、
例えばAl、Zr、Fe、Ce、Nd、Pt、Ca等が含まれていても
よい。本発明の各態様で用いるランガサイト単結晶の製
造方法は特に限定されず、通常の単結晶育成法、例えば
CZ法などにより製造すればよい。
態様1における圧電膜の好ましい厚さは、(φ,θ,
ψ)の存在する領域に応じて決定される。具体的には、
前記したように、各領域ごとに好ましいh/λが存在す
る。ここで、hは圧電膜の厚さ、λは弾性表面波の波長
であり、h/λは圧電膜の厚さを弾性表面波の波長で規格
化した値である。領域Iのうち領域I−2〜I−9で
は、h/λが大きくなるにしたがって一般に電気機械結合
係数が増大すると共にSAW速度が大きくなり、領域I−
1、I−10では、h/λの増大に伴ってSAW速度は減少す
る、したがって、十分に大きな電気機械結合係数が得ら
れ、かつSAW速度が十分に小さくなる範囲を好ましくは
各領域ごとに選択する。圧電膜を設けた基板のSAW速度
温度係数TCVは、h/λの増大に伴って負の方向に移動す
る。したがって、基板自体のTCVが正である場合には、
圧電膜を設けることによりTCVを減少させることができ
る。
本発明の各態様における圧電膜の形成方法は特に限定
されず、圧電膜の圧電軸を基板表面にほぼ垂直に配向し
得る方法であればよい。このような方法としては、例え
ばスパッタ法、イオンプレーティング法、CVD法などが
挙げられる。これら各方法において、圧電膜の形成条件
を適宜選択すれば、圧電軸であるc軸が基板表面にほぼ
垂直に配向した圧電膜を容易に得ることができる。
本発明の各態様における基板の寸法は特に限定されな
いが、一般に、表面波伝搬方向は1〜20mm程度、これと
直交する方向は0.5〜5mm程度である。基板の厚さは、基
板表面上に形成する交差指状電極のピッチ(弾性表面波
の波長に相当)の3倍程度以上とするのが一般的であ
り、通常は0.2〜0.5mm程度である。ただし、基板性能を
評価することを目的とした実験用試料では、上記範囲を
超える大きな基板とすることもある。例えば実験的に交
差指状電極ピッチを320μmとした場合は、基板厚さは
0.96mm以上にする。
本発明の各態様における交差指状電極3は、弾性表面
波を励振、受信、反射、伝搬するための薄膜電極であ
り、周期的なストライプ状に形成される。交差指状電極
は、弾性表面波伝搬方向が上記した所定の方向となるよ
うにパターニングがなされる。交差指状電極は、AuやAl
などを用いて蒸着やスパッタなどにより形成すればよ
い。交差指状電極の電極指幅は、弾性表面波装置が適用
される周波数に応じて適宜決定すればよく、本発明が適
用される好ましい周波数帯域では、一般に2〜10μm程
度である。また、交差指状電極の厚さは、通常、0.03〜
1.5μm程度とする。
本発明の各態様における弾性表面波装置は、一般に周
波数10〜500MHz、特に周波数10〜300MHzの帯域における
フィルタに好適である。また、本発明の弾性表面波装置
はSAW速度が小さいことから、弾性表面波遅延素子の小
型化にも有用である。
態様2 態様2の弾性表面波装置の構成例を図16に示す。この
弾性表面波装置は、基板2表面に圧電膜4を有し、圧電
膜4の表面に、入力側および出力側の一組の交差指状電
極3、3を有している。
態様2の弾性表面波装置において、基板のランガサイ
ト単結晶からの切り出し角および弾性表面波の伝搬方向
をオイラー角表示(φ,θ,ψ)で表わしたとき、φ、
θおよびψは前記各領域に存在する。
φ、θおよびψを領域IIから選択し、かつ適当な厚さ
の圧電膜を設けることにより、SAW速度を小さく、電気
機械結合係数を大きく、SAW速度温度係数TCVを小さくで
きるので、弾性表面波装置の小型化、フィルタとしての
通過帯域幅の広帯域化、温度安定性の向上が可能とな
り、特に、移動体通信端末機の中間周波の弾性表面波フ
ィルタとして良好な特性が得られる。具体的には、基板
のSAW速度温度係数TCVを−35〜60ppm/℃、基板の音速を
2900m/s以下、基板の結合係数を0.1%以上とすることが
でき、さらに良好な特性を得ることも容易である。
領域IIにおいては、結合係数を0.4%以上にできるた
め、広帯域の弾性表面波装置が実現する。また、領域II
−1、II−10では、結合係数を0.8%以上にできるた
め、より広帯域の弾性表面波装置が実現する。
また、領域II−1、II−10では、TCVを極めて小さく
できるので、温度安定性の良好な弾性表面波装置が実現
する。さらに領域II−1および領域II−10では、圧電膜
の厚さを選択することにより、大きな結合係数と小さな
TCVとが得られるので、広帯域かつ温度安定性の良好な
弾性表面波装置が実現する。
態様2における圧電膜の好ましい厚さは、(φ,θ,
ψ)の存在する領域に応じて決定される。具体的には、
各領域ごとに好ましいh/λが存在する。ここで、hは圧
電膜の厚さ、λは弾性表面波の波長であり、h/λは圧電
膜の厚さを弾性表面波の波長で規格化した値である。領
域IIのうち領域II−2〜II−9では、h/λが大きくなる
にしたがって一般に電気機械結合係数が増大すると共に
SAW速度が大きくなり、領域II−1、II−10では、h/λ
の増大に伴ってSAW速度は減少する。また、圧電膜を設
けた基板のSAW速度温度係数TCVは、一般にh/λの増大に
伴って負の方向に移動するので、基板自体のTCVが正で
ある場合には、圧電膜を設けることによりTCVを減少さ
せることができる。
したがって、SAW速度、電気機械結合係数およびTCVの
各特性のうち必要なものが十分に改善されるように、好
ましくは各領域ごとにh/λを選択すればよい。各領域に
おいて、これら各特性が実用上十分なものとなるh/λの
範囲は、前記したとおりである。
態様3 態様3の弾性表面波装置の構成例を図31に示す。この
弾性表面波装置は、基板2表面に、入力側および出力側
の一組の交差指状電極3、3を有し、圧電膜4が基板2
および交差指状電極3、3を覆っている。さらに、圧電
膜表面には対向電極膜5が形成されている。
態様3の弾性表面波装置において、基板のランガサイ
ト単結晶からの切り出し角および弾性表面波の伝搬方向
をオイラー角表示(φ,θ,ψ)で表わしたとき、φ、
θおよびψは前記各領域に存在する。
ψ、θおよびψを領域IIIから選択し、かつ適当な厚
さの圧電膜と対向電極膜とを設けることにより、SAW速
度を小さく、電気機械結合係数を大きく、SAW速度温度
係数TCVを小さくできるので、弾性表面波装置の小型
化、フィルタとしての通過帯域幅の広帯域化、温度安定
性の向上が可能となり、特に、移動体通信端末機の中間
周波の弾性表面波フィルタとして良好な特性が得られ
る。具体的には、基板のSAW速度温度係数TCVを−35〜60
ppm/℃、基板の音速を2900m/s以下、基板の結合係数を
0.1%以上とすることができ、さらに良好な特性を得る
ことも容易である。
領域IIIでは、電気機械結合係数が圧電膜の厚さに対
して二つのピークを持つ。圧電膜が薄い側における電気
機械結合係数のピークは0.13%以上と実用上十分な値で
あり、特に領域III−4では、結合係数のピーク値が0.3
7%となる。圧電膜が厚い側における電気機械結合係数
のピークも0.15%以上と十分な値であり、しかもこのと
きのTCVは、圧電膜を設けない場合に比べ20ppm/℃程度
改善される。
態様3における圧電膜の好ましい厚さは、(φ,θ,
ψ)の存在する領域に応じて決定される。具体的には、
各領域ごとに好ましいh/λが存在する。ここで、hは圧
電膜の厚さ、λは弾性表面波の波長であり、h/λは圧電
膜の厚さを弾性表面波の波長で規格化した値である。領
域III−1、III−10では、h/λが大きくなるにしたがっ
てSAW速度が減少し、領域III−2〜III−9では増大す
る。また、前述したように、領域IIIでは、h/λに対し
て電気機械結合係数は二つのピークを持ち、h/λが大き
い側においてピークを示すときには、TCVの絶対値が小
さくなる。また、圧電膜を設けた基板のSAW速度温度係
数TCVは、h/λの増大に伴って負の方向に移動するの
で、基板自体のTCVが正である場合には、圧電膜を設け
ることによりTCVを減少させることができる。
したがって、SAW速度、電気機械結合係数およびTCVの
各特性のうち必要なものが十分に改善されるように、好
ましくは各領域ごとにh/λを選択すればよい。各領域に
おいて、これら各特性が実用上十分なものとなるh/λの
範囲は、前記したとおりである。
対向電極膜5は、圧電膜4全体を被覆するものであっ
てもよいが、少なくとも入力側および出力側の交差指状
電極3と対向する領域に設けられていればよい。対向電
極膜の厚さは、好ましくは0.03〜0.1μmである。対向
電極膜が薄すぎると、連続膜とならなかったり、電気抵
抗の増大により膜面内で電位で不均一となったりし、好
ましくない。一方、対向電極膜が厚すぎると、対向電極
膜の質量負荷が大きくなり、好ましくない。対向電極膜
の材質および形成方法は、交差指状電極と同様とすれば
よい。対向電極膜は、特に接地等の結線をする必要はな
く、電気的に浮いた状態でよい。
態様4 態様4の弾性表面波装置の構成例を図46に示す。この
弾性表面波装置は、基板2表面に対向電極膜5が形成さ
れ、対向電極膜5の表面に圧電膜4が形成され、圧電膜
4の表面に、入力側および出力側の一組の交差指状電極
3、3を有している。
態様4の弾性表面波装置において、基板のランガサイ
ト単結晶からの切り出し角および弾性表面波の伝搬方向
をオイラー角表示(φ,θ,ψ)で表わしたとき、φ、
θおよびψは上記各領域に存在する。
φ、θおよびψを領域IVから選択し、かつ適当な厚さ
の圧電膜と対向電極膜とを設けることにより、SAW速度
を小さく、電気機械結合係数を大きく、SAW速度温度係
数TCVを小さくできるので、弾性表面波装置の小型化、
フィルタとしての通過帯域幅の広帯域化、温度安定性の
向上が可能となり、特に、移動体通信端末機の中間周波
の弾性表面波フィルタとして良好な特性が得られる。具
体的には、基板のSAW速度温度係数TCVを−35〜60ppm/
℃、基板の音速を2900m/s以下、基板の結合係数を0.1%
以上とすることができ、さらに良好な特性を得ることも
容易である。
領域IVにおいては、結合係数を0.2%以上にできるた
め、広帯域の弾性表面波装置が実現する。特に領域IV−
1、IV−10では、結合係数を0.8%以上にできるため、
極めて広帯域の弾性表面波装置が実現する。
また、領域IV−1、IV−10では、TCVを極めて小さく
でき、零にすることもできるので、温度安定性の良好な
弾性表面波装置が実現する。さらに領域IV−1および領
域IV−10では、圧電膜の厚さを選択することにより、大
きな結合係数と小さなTCVとが得られるので、広帯域か
つ温度安定性の良好な弾性表面波装置が実現する。
態様4における圧電膜の好ましい厚さは、(φ,θ,
ψ)の存在する領域に応じて決定される。具体的には、
前記したように、各領域ごとに好ましいh/λが存在す
る。ここで、hは圧電膜の厚さ、λは弾性表面波の波長
であり、h/λは圧電膜の厚さを弾性表面波の波長で規格
化した値である。領域IVのうち領域IV−2〜IV−9で
は、h/λが大きくなるにしたがって一般に電気機械結合
係数が増大すると共にSAW速度が大きくなり、領域IV−
1、IV−10では、h/λの増大に伴ってSAW速度は減少す
る。また、圧電膜を設けた基板のSAW速度温度係数TCV
は、一般にh/λの増大に伴って負の方向に移動するの
で、基板自体のTCVが正である場合には、圧電膜を設け
ることによりTCVを減少させることができる。
したがって、SAW速度、電気機械結合係数およびTCVの
各特性のうち必要なものが十分に改善されるように、好
ましくは各領域ごとにh/λを選択すればよい。各領域に
おいて、これら各特性が実用上十分なものとなるh/λの
範囲は、前記したとおりである。
対向電極膜5は、少なくとも入力側および出力側の交
差指状電極3と対向する領域に設けられていればよい
が、均質な圧電膜4を形成するためには、基板2全体を
被覆するものであることが好ましい。対向電極膜の厚さ
は、好ましくは0.03〜0.1μmである。対向電極膜が薄
すぎると、連続膜とならなかったり、電気抵抗の増大に
より膜面内で電位が不均一となったりし、好ましくな
い。一方、対向電極膜が厚すぎると、対向電極膜の質量
負荷が大きくなり、好ましくない。対向電極膜の材質お
よび形成方法は、交差指状電極と同様とすればよい。対
向電極膜は、特に接地等の結線をする必要はなく、電気
的に浮いた状態でよい。
実施例 以下、実施例を挙げて本発明を説明する。
実施例1−1(態様1) CZ法により結晶育成したランガサイト単結晶を切り出
して、基板を得た。この基板表面に入力側および出力側
の一組の交差指状電極からなる弾性表面波変換器を形成
した後、高周波マグネトロンスパッタ法によりZnO膜を
形成し、弾性表面波装置とした。なお、両交差指状電極
は、同一形状の正規型電極とし、Alの蒸着により形成
し、厚さは0.1μm、電極指幅dは15μm、電極ピッチ
(4d)は60μm(これは弾性表面波の波長λに相当)、
電極指対数は40、電極指の交差幅は60λ(=3.6mm)と
した。ただし、出力信号が弱い場合には、この交差指状
電極に替えて、交差幅だけを100λに変更した電極を用
いた。さらに、ZnO膜の規格化膜厚h/λが0.4を超えるも
のについては、電極ピッチを半分の30μmとし、この値
に応じて交差幅も半分の1.8mm(=60λ)とした。
この装置における基板の切り出し角および弾性表面波
の伝搬方向をオイラー角表示で(φ,θ,ψ)と表わし
たとき、φは0゜、θは90゜とし、弾性表面波の伝搬方
向であるx軸を決定するψは、領域Iの範囲内から図2A
〜図10Cに示す値を選択した。また、ZnO膜の基板上での
厚さhは、前記した規格化膜厚h/λが0.05〜0.8の間と
なるように選択した。各伝搬方向について、h/λを変化
させたときのSAW速度、電気機械結合係数k2およびSAW速
度温度係数TCVの変化を調べた。SAW速度はフィルタの中
心周波数から求め、電気機械結合係数k2については、弾
性表面波変換器の2端子アドミッタンスを測定し、これ
から、よく知られたスミスの等価回路モデルによって求
めた。各伝搬方向におけるSAW速度、k2およびTCVの測定
結果を、図2A〜図10Cのグラフに示す。
なお、各図のグラフにプロットされていない点では、
弾性表面波の信号が検出できなかった。電気機械結合係
数の測定結果から考えると、伝搬方向がこの範囲にある
ときには電気機械結合係数が非常に小さくなって、電気
信号の弾性表面波信号への変換または弾性表面波信号の
電気信号への変換が効率よく行われなくなり、これによ
り信号が検出できなかったものと思われる。また、ZnO
膜の規格化膜厚h/λを大きくしていくと、弾性表面波と
してのモードが消滅してバルク波が発生したため、それ
以降のデータはプロットされていない。
SAW速度変化を示すグラフおよびk2の変化を示すグラ
フから、結晶からの切り出し角および弾性表面波伝搬方
向が領域I内であれば、SAW速度を2900m/s以下と小さく
でき、従来のST水晶に比べ弾性表面波装置の小型化に有
利であることがわかり、また、領域I内では電気機械結
合係数を0.1%以上にでき、ZnO膜の厚さを選択すること
によってより大きい電気機械結合係数が得られることが
わかる。
また、TCV変化を示すグラフのうち基板自体のTCVが正
である場合、すなわち規格化膜厚h/λが0のときにTCV
が正である場合には、h/λが増大するにしたがってTCV
が正から負の方向にシフトしており、温度特性が改善さ
れていることがわかる。一方、基板自体のTCVが負であ
る場合には、ZnO膜の形成およびその規格化膜厚の増大
によりTCVがさらに負側に大きくなっているが、この場
合でもTCVの絶対値は大きくはなく(いずれも絶対値が3
5ppm/℃以下)、SAW速度の小さな従来のBGO基板に比べ
て非常に温度安定性に優れていることがわかる。
以下、各領域について詳説する。
領域I−1を利用した装置では、図2B、図2Cに示され
るように、h/λが0.6であるとき0.76%と非常に大きな
電気機械結合係数が得られる。このときのTCVは−26ppm
/℃となり、良好な温度特性を示す。
領域I−2を利用した装置では、図3B、図3Cに示され
るように、h/λが0.5であるとき0.32%と大きな電気機
械結合係数が得られる。このときのTCVは9ppm/℃とな
り、極めて良好な温度特性を示す。
領域I−3を利用した装置では、図4B、図4Cに示され
るように、h/λが0.4であるとき0.15%の電気機械結合
係数が得られる。このときのTCVは32ppm/℃となり、良
好な温度特性を示す。
領域I−4を利用した装置では、図5B、図5Cに示され
るように、h/λが0.4であるとき0.19%と大きな電気機
械結合係数が得られる。このときのTCVは17ppm/℃とな
り、良好な温度特性を示す。
領域I−5を利用した装置では、図6B、図6Cに示され
るように、h/λが0.35であるとき0.25%と大きな電気機
械結合係数が得られる。このときのTCVは16ppm/℃とな
り、良好な温度特性を示す。
領域I−6を利用した装置では、図7B、図7Cに示され
るように、h/λが0.35であるとき0.61%と非常に大きな
電気機械結合係数が得られる。このときのTCVは17ppm/
℃となり、良好な温度特性を示す。
領域I−7を利用した装置では、図8B、図8Cに示され
るように、h/λが0.35であるとき0.72%と非常に大きな
電気機械結合係数が得られる。このときのTCVは19ppm/
℃となり、良好な温度特性を示す。
領域I−8を利用した装置では、図9B、図9Cに示され
るように、h/λが0.35であるとき0.53%と非常に大きな
電気機械結合係数が得られる。このときのTCVは33ppm/
℃となり、良好な温度特性を示す。
領域I−9を利用した装置では、図10B、図10Cに示さ
れるように、h/λが0.5であるとき0.63%と非常に大き
な電気機械結合係数が得られる。このときのTCVは12ppm
/℃となり、良好な温度特性を示す。
領域I−10を利用した装置では、図11B、図11Cに示さ
れるように、h/λが0.55であるとき0.96%と非常に大き
な電気機械結合係数が得られる。このときのTCVは−24p
pm/℃となり、良好な温度特性を示す。
実施例1−2(態様1) φを0゜、θを90゜とし、かつ弾性表面波の伝搬方向
であるx軸を決定するψを2゜おきに−80〜−66゜の間
で変化させた以外は実施例1−1と同様にして弾性表面
波装置を作製した。なお、これらφ、θおよびψは、領
域I−1に含まれるものである。これらの装置につい
て、TCVと規格化膜厚h/λとの関係を調べた。結果を図1
2に示す。また、k2とh/λとの関係を調べた。結果を図1
3に示す。
図12から、領域I−1では、零温度特性を得ることが
できること、また、弾性表面波の伝搬方向によって零温
度特性の得られるZnO膜の厚さが異なることがわかる。
一方、図13から、ZnO膜が厚くなるにしたがって、電気
機械結合係数が増大する傾向にあることがわかる。した
がって、十分に大きい電気機械結合係数が得られるよう
にZnO膜の厚さを決定し、そのときに零温度特性が得ら
れるように伝搬方向を選択すれば、零温度特性でかつ電
気機械結合係数の大きい弾性表面波装置が実現する。例
えば、伝搬方向ψを−70゜、ZnO規格化膜厚h/λを0.35
とすれば、TCVがほぼ零となり、しかもk2は0.32%と非
常に大きくなるので、小型で、広帯域かつ温度特性に優
れた弾性表面波装置が実現する。
実施例1−3(態様1) φを0゜、θを90゜とし、かつ弾性表面波の伝搬方向
であるx軸を決定するψを2゜おきに66〜80゜の間で変
化させた以外は実施例1−1と同様にして弾性表面波装
置を作製した。なお、これらφ、θおよびψは、領域I
−10に含まれるものである。これらの装置について、TC
Vと規格化膜厚h/λとの関係を調べた。結果を図14に示
す。また、k2とh/λとの関係を調べた。結果を図15に示
す。
図14から、領域I−10では、零温度特性を得ることが
できること、また、弾性表面波の伝搬方向によって零温
度特性の得られるZnO膜の厚さが異なることがわかる。
一方、図15から、ZnO膜が厚くなるにしたがって、電気
機械結合係数が増大する傾向にあることがわかる。した
がって、十分に大きい電気機械結合係数が得られるよう
にZnO膜の厚さを決定し、そのときに零温度特性が得ら
れるように伝搬方向を選択すれば、零温度特性でかつ電
気機械結合係数の大きい弾性表面波装置が実現する。例
えば、伝搬方向ψを70゜、ZnO規格化膜厚h/λを0.35と
すれば、TCVがほぼ零となり、しかもk2は0.6%と非常に
大きくなるので、小型で、広帯域かつ温度特性に優れた
弾性表面波装置が実現する。
実施例2−1(態様2) CZ法により結晶育成したランガサイト単結晶を切り出
して、厚さ0.35mmの基板を得た。この基板表面に、高周
波マグネトロンスパッタ法によりZnO膜を形成した後、
入力側および出力側の両交差指状電極からなる弾性表面
波変換器を形成して、弾性表面波装置とした。なお、両
交差指状電極は、同一形状の正規型電極とし、Alの蒸着
により形成し、厚さは0.1μm、電極指幅dは15μm、
電極ピッチ(4d)は60μm(これは弾性表面波の波長λ
に相当)、電極指対数は40、電極指の交差幅は60λ(=
3.6mm)とした。ただし、出力信号が弱い場合には、こ
の交差指状電極に替えて、交差幅だけを100λに変更し
た電極を用いた。さらに、ZnO膜の規格化膜厚h/λが0.4
を超えるものについては、電極ピッチを半分の30μmと
し、この値に応じて交差幅も半分の1.8mm(=60λ)と
した。
この装置における基板の切り出し角および弾性表面波
の伝搬方向をオイラー角表示で(φ,θ,ψ)と表わし
たとき、φは0゜、θは90゜とし、弾性表面波の伝搬方
向であるx軸を決定するψは、領域IIの範囲内から図17
A〜図26Cに示す値を選択した。ZnO膜の基板上での厚さ
hは、前記した規格化膜厚h/λが0.05〜0.8の間となる
ように選択した。なお、比較のために、h/λが0、すな
わちZnO膜を設けない弾性表面波装置も作製した。各伝
搬方向について、h/λを変化させたときのSAW速度、電
気機械結合係数k2およびSAW速度温度係数TCVの変化を調
べた。SAW速度はフィルタの中心周波数から求め、電気
機械結合係数k2については、弾性表面波変換器の2端子
アドミッタンスを測定し、これから、よく知られたスミ
スの等価回路モデルによって求めた。各伝搬方向におけ
るSAW速度、k2およびTCVの測定結果を、図17A〜図26Cの
グラフに示す。
なお、ZnO膜の規格化膜厚h/λを大きくしていくと、
弾性表面波としてのモードが消滅してバルク波が発生し
たため、それ以降のデータはプロットされていない。
SAW速度変化を示すグラフおよびk2の変化を示すグラ
フから、結晶からの切り出し角および弾性表面波伝搬方
向が領域II内であれば、SAW速度を2900m/s以下と小さく
でき、従来のST水晶に比べ弾性表面波装置の小型化に有
利であることがわかる。また、領域II内では電気機械結
合係数を0.1%以上にでき、ZnO膜の厚さを選択すること
によってより大きい電気機械結合係数が得られることが
わかる。
また、TCV変化を示すグラフのうち基板自体のTCVが正
である場合、すなわち規格化膜厚h/λが0のときにTCV
が正である場合には、h/λが増大するにしたがってTCV
が正から負の方向にシフトしており、温度特性が改善さ
れていることがわかる。一方、基板自体のTCVが負であ
る場合には、ZnO膜の形成およびその規格化膜厚の増大
によりTCVがさらに負側に大きくなっているが、この場
合でもTCVの絶対値は大きくはなく(いずれも絶対値が3
5ppm/℃以下)、SAW速度の小さな従来のBGO基板に比べ
て非常に温度安定性に優れていることがわかる。
以下、各領域について詳説する。
領域II−1を利用した装置では、図17B、図17Cに示さ
れるように、h/λが0.8であるとき0.88%と非常に大き
な電気機械結合係数が得られる。このときのTCVは−30p
pm/℃となり、良好な温度特性を示す。
領域II−2を利用した装置では、図18B、図18Cに示さ
れるように、h/λが0.55であるとき0.6%と大きな電気
機械結合係数が得られる。このときのTCVは9ppm/℃とな
り、極めて良好な温度特性を示す。
領域II−3を利用した装置では、図19B、図19Cに示さ
れるように、h/λが0.35であるとき0.44%の電気機械結
合係数が得られる。このときのTCVは29ppm/℃となり、
良好な温度特性を示す。
領域II−4を利用した装置では、図20B、図20Cに示さ
れるように、h/λが0.4であるとき0.56%と大きな電気
機械結合係数が得られる。このときのTCVは17ppm/℃と
なり、良好な温度特性を示す。
領域II−5を利用した装置では、図21B、図21Cに示さ
れるように、h/λが0.35であるとき0.53%と非常に大き
な電気機械結合係数が得られる。このときのTCVは15ppm
/℃となり、良好な温度特性を示す。
領域II−6を利用した装置では、図22B、図22Cに示さ
れるように、h/λが0.3であるとき0.59%と非常に大き
な電気機械結合係数が得られる。このときのTCVは16ppm
/℃となり、良好な温度特性を示す。
領域II−7を利用した装置では、図23B、図23Cに示さ
れるように、h/λが0.35であるとき0.63%と非常に大き
な電気機械結合係数が得られる。このときのTCVは19ppm
/℃となり、良好な温度特性を示す。
領域II−8を利用した装置では、図24B、図24Cに示さ
れるように、h/λが0.3であるとき0.51%と非常に大き
な電気機械結合係数が得られる。このときのTCVは32ppm
/℃となり、良好な温度特性を示す。
領域II−9を利用した装置では、図25B、図25Cに示さ
れるように、h/λが0.55であるとき0.59%と非常に大き
な電気機械結合係数が得られる。このときのTCVは11ppm
/℃となり、良好な温度特性を示す。
領域II−10を利用した装置では、図26B、図26Cに示さ
れるように、h/λが0.75であるとき0.86%と非常に大き
な電気機械結合係数が得られる。このときのTCVは−30p
pm/℃となり、良好な温度特性を示す。
実施例2−2(態様2) φを0゜、θを90゜とし、かつ弾性表面波の伝搬方向
であるx軸を決定するψを2゜おきに−80〜−66゜の間
で変化させた以外は実施例2−1と同様にして弾性表面
波装置を作製した。なお、これらφ、θおよびψは、領
域II−1に含まれるものである。これらの装置につい
て、TCVと規格化膜厚h/λとの関係を調べた。結果を図2
7に示す。また、k2とh/λとの関係を調べた。結果を図2
8に示す。
図27から、領域II−1では、零温度特性を得ることが
できること、また、弾性表面波の伝搬方向によって零温
度特性の得られるZnO膜の厚さが異なることがわかる。
一方、図28から、ZnO膜が厚くなるにしたがって、電気
機械結合係数が増大する傾向にあることがわかる。した
がって、十分に大きい電気機械結合係数が得られるよう
にZnO膜の厚さを決定し、そのときに零温度特性が得ら
れるように伝搬方向を選択すれば、零温度特性でかつ電
気機械結合係数の大きい弾性表面波装置が実現する。例
えば、伝搬方向ψを−70゜、ZnO規格化膜厚h/λを0.35
とすれば、TCVがほぼ零となり、しかもk2は0.51%と非
常に大きくなるので、小型で、広帯域かつ温度特性に優
れた弾性表面波装置が実現する。
実施例2−3(態様2) φを0゜、θを90゜とし、かつ弾性表面波の伝搬方向
であるx軸を決定するψを2゜おきに66〜80゜の間で変
化させた以外は実施例2−1と同様にして弾性表面波装
置を作製した。なお、これらφ、θおよびψは、領域II
−10に含まれるものである。これらの装置について、TC
Vと規格化膜厚h/λとの関係を調べた。結果を図29に示
す。また、k2とh/λとの関係を調べた。結果を図30に示
す。
図29から、領域II−10では、零温度特性を得ることが
できること、また、弾性表面波の伝搬方向によって零温
度特性の得られるZnO膜の厚さが異なることがわかる。
一方、図30から、ZnO膜が厚くなるにしたがって、電気
機械結合係数が増大する傾向にあることがわかる。した
がって、十分に大きい電気機械結合係数が得られるよう
にZnO膜の厚さを決定し、そのときに零温度特性が得ら
れるように伝搬方向を選択すれば、零温度特性でかつ電
気機械結合係数の大きい弾性表面波装置が実現する。例
えば、伝搬方向ψを70゜、ZnO規格化膜厚h/λを0.35と
すれば、TCVがほぼ零となり、しかもk2は0.56%と非常
に大きくなるので、小型で、広帯域かつ温度特性に優れ
た弾性表面波装置が実現する。
実施例3−1(態様3) CZ法により結晶育成したランガサイト単結晶を切り出
して、厚さ0.35mmの基板を得た。この基板表面に、入力
側および出力側の両交差指状電極からなる弾性表面波変
換器を形成した後、高周波マグネトロンスパッタ法によ
りZnO膜を形成し、さらにその上に対向電極膜を形成
し、弾性表面波装置とした。交差指状電極および対向電
極膜は、Alの蒸着により形成した。なお、両交差指状電
極は、同一形状の正規型電極とし、、厚さは0.1μm、
電極指幅dは15μm、電極ピッチ(=4d=λ)は60μ
m、電極指対数は40、電極指の交差幅は60λ(=3.6m
m)とした。出力信号が弱い場合には、この交差指状電
極に替えて、交差幅だけを100λに変更した電極を用い
た。さらに、ZnO膜の規格化膜厚h/λが0.4を超えるもの
については、電極ピッチ(=λ)を半分の30μmとし、
この値に応じて交差幅も半分の1.8mm(=60λ)とし
た。対向電極膜の厚さは0.1μmとした。
なお、態様3では、交差指状電極と対向電極膜とがZn
O膜を介して対向する構成であるため、ZnO膜の厚さをゼ
ロに近づけると、交差指状電極と対向電極膜とが短絡
し、動作しなくなるおそれがある。そこで本実施例で
は、ZnO膜の規格化膜厚h/λの最小値を0.005とした。そ
して、規格化膜厚を0.005とした装置では、交差指状電
極の厚さは0.1μm、電極ピッチ(=λ)は320μm、電
極指対数は20、電極指の交差幅は5mmとし、対向電極膜
の厚さは0.07μmとし、基板厚さは1mmとした。
この装置における基板の切り出し角および弾性表面波
の伝搬方向をオイラー角表示で(φ,θ,ψ)と表わし
たとき、φは0゜、θは90゜とし、弾性表面波の伝搬方
向であるx軸を決定するψは、領域IIIの範囲内から図3
2A〜図41Cに示す値を選択した。また、ZnO膜の基板上で
の厚さhは、前記した規格化膜厚h/λが0.005〜0.8の間
となるように選択した。各伝搬方向について、h/λを変
化させたときのSAW速度、電気機械結合係数k2およびSAW
速度温度係数TCVの変化を調べた。なお、λは、上記し
たようにh/λの値によって異なる。SAW速度はフィルタ
の中心周波数から求め、電気機械結合係数k2について
は、弾性表面波変換器の2端子アドミッタンスを測定
し、これから、よく知られたスミスの等価回路モデルに
よって求めた。各伝搬方向におけるSAW速度、k2およびT
CVの測定結果を、図32A〜図41Cのグラフに示す。
なお、ZnO膜の規格化膜厚h/λを大きくしていくと、
弾性表面波としてのモードが消滅してバルク波が発生し
たため、それ以降のデータはプロットされていない。
SAW速度変化を示すグラフおよびk2の変化を示すグラ
フから、結晶からの切り出し角および弾性表面波伝搬方
向が領域III内であれば、SAW速度を2900m/s以下と小さ
くでき、従来のST水晶に比べ弾性表面波装置の小型化に
有利であることがわかる。また、領域III内では電気機
械結合係数を0.1%以上にでき、ZnO膜の厚さを選択する
ことによってより大きい電気機械結合係数が得られるこ
とがわかる。
また、TCV変化を示すグラフのうち基板自体のTCVが正
である場合、すなわち規格化膜厚h/λが0に近いときに
TCVが正である場合には、h/λが増大するにしたがってT
CVが正から負の方向にシフトしており、温度特性が改善
されていることがわかる。一方、基板自体のTCVが負で
ある場合には、ZnO膜の形成およびその規格化膜厚の増
大によりTCVがさらに負側に大きくなっているが、この
場合でもTCVの絶対値は大きくはなく(いずれも絶対値
が35ppm/℃以下)、SAW速度の小さな従来のBGO基板に比
べて非常に温度安定性に優れていることがわかる。
以下、各領域について詳説する。
領域III−1を利用した装置では、図32Bに示されるよ
うに、h/λが0.05および0.65において電気機械結合係数
のピークを持つ。h/λが0.05のときは電気機械結合係数
が0.22%となり、h/λが0.65のときは0.71%と非常に大
きな電気機械結合係数が得られる。このときのTCVは、
図32Cに示されるように、前者の場合−3ppm/℃、後者の
場合−27ppm/℃となり、良好な温度特性を示す。
領域III−2を利用した装置では、図33Bに示されるよ
うに、h/λが0.05および0.6において電気機械結合係数
のピークを持つ。h/λが0.05のときは電気機械結合係数
が0.2%となり、h/λが0.6のときは0.3%と大きな電気
機械結合係数が得られる。このときのTCVは、図33Cに示
されるように、前者の場合29ppm/℃、後者の場合5ppm/
℃となり、良好な温度特性を示す。
領域III−3を利用した装置では、図34Bに示されるよ
うに、h/λが0.05および0.45において電気機械結合係数
のピークを持つ。h/λが0.05のときは電気機械結合係数
が0.29%となり、h/λが0.45のときは0.12%と大きな電
気機械結合係数が得られる。このときのTCVは、図34Cに
示されるように、前者の場合40ppm/℃、後者の場合31pp
m/℃となり、良好な温度特性を示す。
領域III−4を利用した装置では、図35Bに示されるよ
うに、h/λが0.05および0.45において電気機械結合係数
のピークを持つ。h/λが0.05のときは電気機械結合係数
が0.37%となり、h/λが0.45のときは0.2%と大きな電
気機械結合係数が得られる。このときのTCVは、図35Cに
示されるように、前者の場合32ppm/℃、後者の場合15pp
m/℃となり、良好な温度特性を示す。
領域III−5を利用した装置では、図36Bに示されるよ
うに、h/λが0.05および0.4において電気機械結合係数
のピークを持つ。h/λが0.05のときは電気機械結合係数
が0.36%となり、h/λが0.4のときは0.2%と大きな電気
機械結合係数が得られる。このときのTCVは図36Cに示さ
れるように、前者の場合27ppm/℃、後者の場合14ppm/℃
となり、良好な温度特性を示す。
領域III−6を利用した装置では、図37Bに示されるよ
うに、h/λが0.05および0.4において電気機械結合係数
のピークを持つ。h/λが0.05のときは電気機械結合係数
が0.29%となり、h/λが0.4のときは0.5%と大きな電気
機械結合係数が得られる。このときのTCVは、図37Cに示
されるように、前者の場合25ppm/℃、後者の場合16ppm/
℃となり、良好な温度特性を示す。
領域III−7を利用した装置では、図38Bに示されるよ
うに、h/λが0.05および0.45において電気機械結合係数
のピークを持つ。h/λが0.05のときは電気機械結合係数
が0.24%となり、h/λが0.45のときは0.65%と非常に大
きな電気機械結合係数が得られる。このときのTCVは、
図38Cに示されるように、前者の場合31ppm/℃、後者の
場合18ppm/℃となり、良好な温度特性を示す。
領域III−8を利用した装置では、図39Bに示されるよ
うに、h/λが0.05および0.4において電気機械結合係数
のピークを持つ。h/λが0.05のときは電気機械結合係数
が0.18%となり、h/λが0.4のときは0.45%と大きな電
気機械結合係数が得られる。このときのTCVは、図39Cに
示されるように、前者の場合39ppm/℃、後者の場合31pp
m/℃となり、良好な温度特性を示す。
領域III−9を利用した装置では、図40Bに示されるよ
うに、h/λが0.05および0.55において電気機械結合係数
のピークを持つ。h/λが0.05のときは電気機械結合係数
が0.13%となり、h/λが0.55のときは0.6%と大きな電
気機械結合係数が得られる。このときのTCVは、図40Cに
示されるように、前者の場合29ppm/℃、後者の場合7ppm
/℃となり、良好な温度特性を示す。
領域III−10を利用した装置では、図41Bに示されるよ
うに、h/λが0.05および0.6において電気機械結合係数
のピークを持つ。h/λが0.05のときは電気機械結合係数
が0.14%となり、h/λが0.6のときは0.89%と大きな電
気機械結合係数が得られる。このときのTCVは、図41Cに
示されるように、前者の場合−2ppm/℃、後者の場合−2
7ppm/℃となり、良好な温度特性を示す。
実施例3−2(態様3) φを0゜、θを90゜とし、かつ弾性表面波の伝搬方向
であるx軸を決定するψを2゜おきに−80〜−66゜の間
で変化させた以外は実施例3−1と同様にして弾性表面
波装置を作製した。なお、これらφ、θおよびψは、領
域III−1に含まれるものである。これらの装置につい
て、TCVと規格化膜厚h/λとの関係を調べた。結果を図4
2に示す。また、k2とh/λとの関係を調べた。結果を図4
3に示す。
図42から、領域III−1では、零温度特性を得ること
ができること、また、弾性表面波の伝搬方向によって零
温度特性の得られるZnO膜の厚さが異なることがわか
る。一方、図43から、電気機械結合係数が二つのピーク
をもち、ZnO膜が厚いときのピークのほうが大きいこと
がわかる。したがって、十分に大きい電気機械結合係数
が得られるようにZnO膜の厚さを決定し、そのときに零
温度特性が得られるように伝搬方向を選択すれば、零温
度特性でかつ電気機械結合係数の大きい弾性表面波装置
が実現する。例えば、伝搬方向ψを−78゜、ZnO規格化
膜厚h/λを0.05とすれば、TCVがほぼ零となり、しかもk
2は0.21%と実用上十分な値となるので、小型で、広帯
域かつ温度特性に優れた弾性表面波装置が実現する。
実施例3−3(態様3) φを0゜、θを90゜とし、かつ弾性表面波の伝搬方向
であるx軸を決定するψを2゜おきに66〜80゜の間で変
化させた以外は実施例3−1と同様にして弾性表面波装
置を作製した。なお、これらφ、θおよびψは、領域II
I−10に含まれるものである。これらの装置について、T
CVと規格化膜厚h/λとの関係を調べた。結果を図44に示
す。また、k2とh/λとの関係を調べた。結果を図45に示
す。
図44から、領域III−10では、零温度特性を得ること
ができること、また、弾性表面波の伝搬方向によって零
温度特性の得られるZnO膜の厚さが異なることがわか
る。一方、図45から、ZnO膜が厚くなるにしたがって、
電気機械結合係数が増大する傾向にあることがわかる。
したがって、十分に大きい電気機械結合係数が得られる
ようにZnO膜の厚さを決定し、そのときに零温度特性が
得られるように伝搬方向を選択すれば、零温度特性でか
つ電気機械結合係数の大きい弾性表面波装置が実現す
る。例えば、伝搬方向ψを70゜、ZnO規格化膜厚h/λを
0.35とすれば、TCVがほぼ零となり、しかもk2は0.44%
と大きな値となるので、小型で、広帯域かつ温度特性に
優れた弾性表面波装置が実現する。
実施例4−1(態様4) CZ法により結晶育成したランガサイト単結晶を切り出
して、厚さ0.35mmの基板を得た。この基板表面に、対向
電極膜を形成し、次いで、高周波マグネトロンスパッタ
法によりZnO膜を形成した後、入力側および出力側の両
交差指状電極からなる弾性表面波変換器を形成し、弾性
表面波装置とした。交差指状電極および対向電極膜は、
Alの蒸着により形成した。なお、両交差指状電極は、同
一形状の正規型電極とし、厚さは0.1μm、電極指幅d
は15μm、電極ピッチ(=4d=λ)は60μm、電極指対
数は40、電極指の交差幅は60λ(=3.6mm)とした。出
力信号が弱い場合には、この交差指状電極に替えて、交
差幅だけを100λに変更した電極を用いた。さらに、ZnO
膜の規格化膜厚h/λが0.4を超えるものについては、電
極ピッチ(=λ)を半分の30μmとし、この値に応じて
交差幅も半分の1.8mm(=60λ)とした。対向電極膜の
厚さは0.1μmとした。
なお、態様4による構成では、交差指状電極と対向電
極膜とがZnO膜を介して対向する構成であるため、ZnO膜
の厚さをゼロに近づけると、交差指状電極と対向電極膜
とが短絡し、動作しなくなるおそれがある。そこで本実
施例では、ZnO膜の規格化膜厚h/λの最小値を0.005とし
た。そして、規格化膜厚を0.005とした装置では、交差
指状電極の厚さは0.1μm、電極ピッチは320μm、電極
指対数は20、電極指の交差幅は5mmとし、対向電極膜の
厚さは0.07μmとし、基板厚さは1mmとした。
この装置における基板の切り出し角および弾性表面波
の伝搬方向をオイラー角表示で(φ,θ,ψ)と表わし
たとき、φは0゜、θは90゜とし、弾性表面波の伝搬方
向であるx軸を決定するψは、領域IVの範囲内から図47
A〜図56Cに示す値を選択した。また、ZnO膜の基板上で
の厚さhは、前記した規格化膜厚h/λが0.005〜0.8の間
となるように選択した。各伝搬方向について、h/λを変
化させたときのSAW速度、電気機械結合係数k2およびSAW
速度温度係数TCVの変化を調べた。なお、λは、上記し
たようにh/λの値によって異なる。SAW速度はフィルタ
の中心周波数から求め、電気機械結合係数k2について
は、弾性表面波変換器の2端子アドミッタンスを測定
し、これから、よく知られたスミスの等価回路モデルに
よって求めた。各伝搬方向におけるSAW速度、k2およびT
CVの測定結果を、図47A〜図56Cのグラフに示す。
なお、ZnO膜の規格化膜厚h/λを大きくしていくと、
弾性表面波としてのモードが消滅してバルク波が発生し
たため、それ以降のデータはプロットされていない。
SAW速度変化を示すグラフおよびk2の変化を示すグラ
フから、結晶からの切り出し角および弾性表面波伝搬方
向が領域IV内であれば、SAW速度を2900m/s以下と小さく
でき、従来のST水晶に比べ弾性表面波装置の小型化に有
利であることがわかる。また、領域IV内では電気機械結
合係数を0.1%以上にでき、ZnO膜の厚さを選択すること
によってより大きい電気機械結合係数が得られることが
わかる。
また、TCV変化を示すグラフのうち基板自体のTCVが正
である場合、すなわち規格化膜厚h/λが0に近いときに
TCVが正である場合には、h/λが増大するにしたがってT
CVが正から負の方向にシフトしており、温度特性が改善
されていることがわかる。一方、基板自体のTCVが負で
ある場合には、ZnO膜の形成およびその規格化膜厚の増
大によりTCVがさらに負側に大きくなっているが、この
場合でもTCVの絶対値は大きくはなく(いずれも絶対値
が35ppm/℃以下)、SAW速度の小さな従来のBGO基板に比
べて非常に温度安定性に優れていることがわかる。
以下、各領域について詳説する。
領域IV−1を利用した装置では、図47B、図47Cに示さ
れるように、h/λが0.8であるとき0.88%と非常に大き
な電気機械結合係数が得られる。このときのTCVは−31p
pm/℃となり、良好な温度特性を示す。
領域IV−2を利用した装置では、図48B、図48Cに示さ
れるように、h/λが0.6であるとき0.6%と大きな電気機
械結合係数が得られる。このときのTCVは6ppm/℃とな
り、良好な温度特性を示す。
領域IV−3を利用した装置では、図49B、図49Cに示さ
れるように、h/λが0.4であるとき0.39%の電気機械結
合係数が得られる。このときのTCVは29ppm/℃となり、
極めて良好な温度特性を示す。
領域IV−4を利用した装置では、図50B、図50Cに示さ
れるように、h/λが0.45であるとき0.52%と大きな電気
機械結合係数が得られる。このときのTCVは17ppm/℃と
なり、良好な温度特性を示す。
領域IV−5を利用した装置では、図51B、図51Cに示さ
れるように、h/λが0.4であるとき0.46%と非常に大き
な電気機械結合係数が得られる。このときのTCVは15ppm
/℃となり、良好な温度特性を示す。
領域IV−6を利用した装置では、図52B、図52Cに示さ
れるように、h/λが0.4であるとき0.46%と非常に大き
な電気機械結合係数が得られる。このときのTCVは15ppm
/℃となり、良好な温度特性を示す。
領域IV−7を利用した装置では、図53B、図53Cに示さ
れるように、h/λが0.45であるとき0.52%と非常に大き
な電気機械結合係数が得られる。このときのTCVは17ppm
/℃となり、良好な温度特性を示す。
領域IV−8を利用した装置では、図54B、図54Cに示さ
れるように、h/λが0.4であるとき0.39%と非常に大き
な電気機械結合係数が得られる。このときのTCVは29ppm
/℃となり、良好な温度特性を示す。
領域IV−9を利用した装置では、図55B、図55Cに示さ
れるように、h/λが0.6であるとき0.6%と非常に大きな
電気機械結合係数が得られる。このときのTCVは6ppm/℃
となり、良好な温度特性を示す。
領域IV−10を利用した装置では、図56B、図56Cに示さ
れるように、h/λが0.8であるとき0.88%と非常に大き
な電気機械結合係数が得られる。このときのTCVは−32p
pm/℃となり、良好な温度特性を示す。
実施例4−2(態様4) φを0゜、θを90゜とし、かつ弾性表面波の伝搬方向
であるx軸を決定するψを2゜おきに−80〜−66゜の間
で変化させた以外は実施例4−1と同様にして弾性表面
波装置を作製した。なお、これらφ、θおよびψは、領
域IV−1に含まれるものである。これらの装置につい
て、TCVと規格化膜厚h/λとの関係を調べた。結果を図5
7に示す。また、k2とh/λとの関係を調べた。結果を図5
8に示す。
図57から、領域IV−1では、零温度特性を得ることが
できること、また、弾性表面波の伝搬方向によって零温
度特性の得られるZnO膜の厚さが異なることがわかる。
一方、図58から、ZnO膜が厚くなるにしたがって、電気
機械結合係数が増大する傾向にあることがわかる。した
がって、十分に大きい電気機械結合係数が得られるよう
にZnO膜の厚さを決定し、そのときに零温度特性が得ら
れるように伝搬方向を選択すれば、零温度特性でかつ電
気機械結合係数の大きい弾性表面波装置が実現する。例
えば、伝搬方向ψを−70゜、ZnO規格化膜厚h/λを0.35
とすれば、TCVがほぼ零となり、しかもk2は0.42%と非
常に大きくなるので、小型で、広帯域かつ温度特性に優
れた弾性表面波装置が実現する。
実施例4−3(態様4) φを0゜、θを90゜とし、かつ弾性表面波の伝搬方向
であるx軸を決定するψを2゜おきに66〜80゜の間で変
化させた以外は実施例4−1と同様にして弾性表面波装
置を作製した。なお、これらφ、θおよびψは、領域IV
−10に含まれるものである。これらの装置について、TC
Vと規格化膜厚h/λとの関係を調べた。結果を図59に示
す。また、k2とh/λとの関係を調べた。結果を図60に示
す。
図59から、領域IV−10では、零温度特性を得ることが
できること、また、弾性表面波の伝搬方向によって零温
度特性の得られるZnO膜の厚さが異なることがわかる。
一方、図60から、ZnO膜が厚くなるにしたがって、電気
機械結合係数が増大する傾向にあることがわかる。した
がって、十分に大きい電気機械結合係数が得られるよう
にZnO膜の厚さを決定し、そのときに零温度特性が得ら
れるように伝搬方向を選択すれば、零温度特性でかつ電
気機械結合係数の大きい弾性表面波装置が実現する。例
えば、伝搬方向ψを70゜、ZnO規格化膜厚h/λを0.35と
すれば、TCVがほぼ零となり、しかもk2は0.42%と非常
に大きくなるので、小型で、広帯域かつ温度特性に優れ
た弾性表面波装置が実現する。
以上の実施例の結果から、本発明の効果が明らかであ
る。
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平8−352297 (32)優先日 平成8年12月12日(1996.12.12) (33)優先権主張国 日本(JP) (56)参考文献 特開 平2−290315(JP,A) 特開 昭62−78904(JP,A) 特開 昭62−40812(JP,A) 特開 昭61−269410(JP,A) IEEE ULTRASONICS SYMPOSIUM[1]I.B.YA KOVKIN、R.M.TAZIEV、 A.S.KOZLOV”NUMERIC AL AND EXPERIMENTA L INVESTIGATION SA W LANGASITE”(1995)p. 389−392 IEEE ULTRASONICS SYMPOSIUM[1]K.S.AL EKSANDROV、B.P.SORO KIN、P.P.TURCHIN、S. I.BURKOV、D.A.GLUSH KOV、A.A.KARPOVICH" EFFECT OF STATIC E LECTRIC FIELD AND OF MECHANICAL PRES SURE ON SURFACE AC OUSTIC WAVES PROPA GATION IN La▲下3▼Ga ▲下5▼SiO▲下14▼ PIEZOE LECTRIC SINGLE CRY STALS”(1995)p.409−412 IEEE ULTRASONICS SYMPOSIUM[1]J.G.GU ALTIERI、J.A.KONINS KI、AND A.BALLATO " PIEZOELECTRIC MATE RIALS FOR SAW APPL ICATION”(1992)p.403−412 IEEE INT’L FREQUE NCY CONTROL SYMPOS IUM[1] I.M.SILVEST ROVA、V.V.BEZDELKI N、P.A.SENYUSHENKO V、YU.V.PISAREVSKY ”PRESENT STAGE OF La▲下3▼Ga▲下5▼SiO▲下 14▼ RESEARCH”(1993)p. 348−350 IEEE INT’L FREQUE NCY CONTROL SYMPOS IUM[1] A.N.GOTALSK AYA、D.I.DREZIN、V. V.BEZDELKIN、V.N.ST ASSEVICH ”PECULARI TIES OF TECHNOLOG Y、PHYSICAL PROPERT IES AND APPLICATIO NS OF NEW PIEZOELE CTRIC MATERIAL LAN GASITE(La▲下3▼Ga▲下5 ▼SiO▲下14▼)”(1993)p.339 −347 IEEE INT’L FREQUE NCY CONTROL SYMPOS IUM[1] M.F.DUBOVI K、I.A.ANDREYEV、YU. S.SHMALY ”LANGASIT E(La▲下3▼Ga▲下5▼SiO▲ 下14▼)AN OPTICAL PIE ZOELECTRIC:GROWTH AND PROPERTIES" (1994)p.43−47 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/145 H03H 9/25 H03H 9/64

Claims (40)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板表面に交差指状電極を有し、前記基板
    の表面および前記交差指状電極表面を覆う圧電膜を有す
    る弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域I−1に存在し、 領域I−1 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−90〜−70゜(−70゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表面
    における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波長
    をλとしたとき、 h/λ=0.2〜0.8 である弾性表面波装置。
  2. 【請求項2】基板表面に交差指状電極を有し、前記基板
    の表面および前記交差指状電極表面を覆う圧電膜を有す
    る弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域I−2に存在し、 領域I−2 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−70〜−50゜(−50゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表面
    における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波長
    をλとしたとき、 h/λ=0.25〜0.7 である弾性表面波装置。
  3. 【請求項3】基板表面に交差指状電極を有し、前記基板
    の表面および前記交差指状電極表面を覆う圧電膜を有す
    る弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域I−3に存在し、 領域I−3 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−50〜−35゜(−35゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表面
    における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波長
    をλとしたとき、 h/λ=0.25〜0.45 である弾性表面波装置。
  4. 【請求項4】基板表面に交差指状電極を有し、前記基板
    の表面および前記交差指状電極表面を覆う圧電膜を有す
    る弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域I−4に存在し、 領域I−4 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−35〜−25゜(−25゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表面
    における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波長
    をλとしたとき、 h/λ=0〜0.5(0を含まず) である弾性表面波装置。
  5. 【請求項5】基板表面に交差指状電極を有し、前記基板
    の表面および前記交差指状電極表面を覆う圧電膜を有す
    る弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域I−5に存在し、 領域I−5 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−25〜−10゜ 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表面
    における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波長
    をλとしたとき、 h/λ=0〜0.45(0を含まず) である弾性表面波装置。
  6. 【請求項6】基板表面に交差指状電極を有し、前記基板
    の表面および前記交差指状電極表面を覆う圧電膜を有す
    る弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域I−6に存在し、 領域I−6 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 10〜25゜(25゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表面
    における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波長
    をλとしたとき、 h/λ=0〜0.4(0を含まず) である弾性表面波装置。
  7. 【請求項7】基板表面に交差指状電極を有し、前記基板
    の表面および前記交差指状電極表面を覆う圧電膜を有す
    る弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域I−7に存在し、 領域I−7 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 25〜35゜(35゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表面
    における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波長
    をλとしたとき、 h/λ=0〜0.45(0を含まず) である弾性表面波装置。
  8. 【請求項8】基板表面に交差指状電極を有し、前記基板
    の表面および前記交差指状電極表面を覆う圧電膜を有す
    る弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域I−8に存在し、 領域I−8 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 35〜50゜(50゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表面
    における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波長
    をλとしたとき、 h/λ=0〜0.4(0を含まず) である弾性表面波装置。
  9. 【請求項9】基板表面に交差指状電極を有し、前記基板
    の表面および前記交差指状電極表面を覆う圧電膜を有す
    る弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域I−9に存在し、 領域I−9 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 50〜70゜(70゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表面
    における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波長
    をλとしたとき、 h/λ=0.15〜0.7 である弾性表面波装置。
  10. 【請求項10】基板表面に交差指状電極を有し、前記基
    板の表面および前記交差指状電極表面を覆う圧電膜を有
    する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域I−10に存在し、 領域I−10 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 70〜90゜(90゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表面
    における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波長
    をλとしたとき、 h/λ=0.15〜0.8 である弾性表面波装置。
  11. 【請求項11】基板表面に圧電膜を有し、前記圧電膜の
    表面に交差指状電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域II−1に存在し、 領域II−1 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−90〜−70゜(−70゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜の
    厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.8 である弾性表面波装置。
  12. 【請求項12】基板表面に圧電膜を有し、前記圧電膜の
    表面に交差指状電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域II−2に存在し、 領域II−2 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−70〜−50゜(−50゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜の
    厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.75 である弾性表面波装置。
  13. 【請求項13】基板表面に圧電膜を有し、前記圧電膜の
    表面に交差指状電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域II−3に存在し、 領域II−3 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−50〜−35゜(−35゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜の
    厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.45(0を含まず) である弾性表面波装置。
  14. 【請求項14】基板表面に圧電膜を有し、前記圧電膜の
    表面に交差指状電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域II−4に存在し、 領域II−4 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−35〜−25゜(−25゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜の
    厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.5(0を含まず) である弾性表面波装置。
  15. 【請求項15】基板表面に圧電膜を有し、前記圧電膜の
    表面に交差指状電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域II−5に存在し、 領域II−5 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−25〜−10゜ 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜の
    厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.45(0を含まず) である弾性表面波装置。
  16. 【請求項16】基板表面に圧電膜を有し、前記圧電膜の
    表面に交差指状電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域II−6に存在し、 領域II−6 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 10〜25゜(25゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜の
    厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.4(0を含まず) である弾性表面波装置。
  17. 【請求項17】基板表面に圧電膜を有し、前記圧電膜の
    表面に交差指状電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域II−7に存在し、 領域II−7 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 25〜35゜(35゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜の
    厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.45(0を含まず) である弾性表面波装置。
  18. 【請求項18】基板表面に圧電膜を有し、前記圧電膜の
    表面に交差指状電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域II−8に存在し、 領域II−8 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 35〜50゜(50゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜の
    厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0〜0.4(0を含まず) である弾性表面波装置。
  19. 【請求項19】基板表面に圧電膜を有し、前記圧電膜の
    表面に交差指状電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域II−9に存在し、 領域II−9 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 50〜70゜(70゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜の
    厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.7 である弾性表面波装置。
  20. 【請求項20】基板表面に圧電膜を有し、前記圧電膜の
    表面に交差指状電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域II−10に存在し、 領域II−10 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 70〜90゜(90゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜の
    厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.8 である弾性表面波装置。
  21. 【請求項21】基板表面に交差指状電極を有し、前記基
    板の表面および前記交差指状電極表面を覆うように圧電
    膜を有し、前記圧電膜の表面に対向電極膜を有し、前記
    基板が点群32に属するランガサイト単結晶から構成さ
    れ、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
    よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域III−1に存在し、 領域III−1 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−90〜−70゜(−70゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表面
    における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波長
    をλとしたとき、 h/λ=0〜0.1(0を含まず)または h/λ=0.3〜0.8 である弾性表面波装置。
  22. 【請求項22】基板表面に交差指状電極を有し、前記基
    板の表面および前記交差指状電極表面を覆うように圧電
    膜を有し、前記圧電膜の表面に対向電極膜を有し、前記
    基板が点群32に属するランガサイト単結晶から構成さ
    れ、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
    よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域III−2に存在し、 領域III−2 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−70〜−50゜(−50゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表面
    における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波長
    をλとしたとき、 h/λ=0〜0.1(0を含まず)または h/λ=0.35〜0.8 である弾性表面波装置。
  23. 【請求項23】基板表面に交差指状電極を有し、前記基
    板の表面および前記交差指状電極表面を覆うように圧電
    膜を有し、前記圧電膜の表面に対向電極膜を有し、前記
    基板が点群32に属するランガサイト単結晶から構成さ
    れ、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
    よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域III−3に存在し、 領域III−3 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−50〜−35゜(−35゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表面
    における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波長
    をλとしたとき、 h/λ=0〜0.15(0を含まず)または h/λ=0.35〜0.5 である弾性表面波装置。
  24. 【請求項24】基板表面に交差指状電極を有し、前記基
    板の表面および前記交差指状電極表面を覆うように圧電
    膜を有し、前記圧電膜の表面に対向電極膜を有し、前記
    基板が点群32に属するランガサイト単結晶から構成さ
    れ、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
    よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域III−4に存在し、 領域III−4 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−35〜−25゜(−25゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表面
    における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波長
    をλとしたとき、 h/λ=0〜0.15(0を含まず)または h/λ=0.3〜0.5 である弾性表面波装置。
  25. 【請求項25】基板表面に交差指状電極を有し、前記基
    板の表面および前記交差指状電極表面を覆うように圧電
    膜を有し、前記圧電膜の表面に対向電極膜を有し、前記
    基板が点群32に属するランガサイト単結晶から構成さ
    れ、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
    よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域III−5に存在し、 領域III−5 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−25〜−10゜ 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表面
    における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波長
    をλとしたとき、 h/λ=0〜0.15(0を含まず)または h/λ=0.3〜0.45 である弾性表面波装置。
  26. 【請求項26】基板表面に交差指状電極を有し、前記基
    板の表面および前記交差指状電極表面を覆うように圧電
    膜を有し、前記圧電膜の表面に対向電極膜を有し、前記
    基板が点群32に属するランガサイト単結晶から構成さ
    れ、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
    よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域III−6に存在し、 領域III−6 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 10〜25゜(25゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表面
    における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波長
    をλとしたとき、 h/λ=0〜0.45(0を含まず) である弾性表面波装置。
  27. 【請求項27】基板表面に交差指状電極を有し、前記基
    板の表面および前記交差指状電極表面を覆うように圧電
    膜を有し、前記圧電膜の表面に対向電極膜を有し、前記
    基板が点群32に属するランガサイト単結晶から構成さ
    れ、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
    よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域III−7に存在し、 領域III−7 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 25〜35゜(35゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表面
    における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波長
    をλとしたとき、 h/λ=0〜0.5(0を含まず) である弾性表面波装置。
  28. 【請求項28】基板表面に交差指状電極を有し、前記基
    板の表面および前記交差指状電極表面を覆うように圧電
    膜を有し、前記圧電膜の表面に対向電極膜を有し、前記
    基板が点群32に属するランガサイト単結晶から構成さ
    れ、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
    よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域III−8に存在し、 領域III−8 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 35〜50゜(50゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表面
    における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波長
    をλとしたとき、 h/λ=0〜0.45(0を含まず) である弾性表面波装置。
  29. 【請求項29】基板表面に交差指状電極を有し、前記基
    板の表面および前記交差指状電極表面を覆うように圧電
    膜を有し、前記圧電膜の表面に対向電極膜を有し、前記
    基板が点群32に属するランガサイト単結晶から構成さ
    れ、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
    よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域III−9に存在し、 領域III−9 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 50〜70゜(70゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表面
    における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波長
    をλとしたとき、 h/λ=0〜0.05(0を含まず)または h/λ=0.2〜0.8 である弾性表面波装置。
  30. 【請求項30】基板表面に交差指状電極を有し、前記基
    板の表面および前記交差指状電極表面を覆うように圧電
    膜を有し、前記圧電膜の表面に対向電極膜を有し、前記
    基板が点群32に属するランガサイト単結晶から構成さ
    れ、前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角お
    よび前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域III−10に存在し、 領域III−10 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 70〜90゜(90゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記基板表面
    における前記圧電膜の厚さをhとし、弾性表面波の波長
    をλとしたとき、 h/λ=0〜0.05(0を含まず)または h/λ=0.25〜0.8 である弾性表面波装置。
  31. 【請求項31】基板表面に対向電極膜を有し、前記対向
    電極膜上に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に交差指状
    電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域IV−1に存在し、 領域IV−1 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−90〜−70゜(−70゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜の
    厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.8 である弾性表面波装置。
  32. 【請求項32】基板表面に対向電極膜を有し、前記対向
    電極膜上に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に交差指状
    電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域IV−2に存在し、 領域IV−2 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−70〜−50゜(−50゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜の
    厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.8 である弾性表面波装置。
  33. 【請求項33】基板表面に対向電極膜を有し、前記対向
    電極膜上に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に交差指状
    電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域IV−3に存在し、 領域IV−3 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−50〜−35゜(−35゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜の
    厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.45 である弾性表面波装置。
  34. 【請求項34】基板表面に対向電極膜を有し、前記対向
    電極膜上に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に交差指状
    電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域IV−4に存在し、 領域IV−4 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−35〜−25゜(−25゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜の
    厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.5 である弾性表面波装置。
  35. 【請求項35】基板表面に対向電極膜を有し、前記対向
    電極膜上に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に交差指状
    電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域IV−5に存在し、 領域IV−5 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜 95゜ ψ=−25〜−10゜ 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜の
    厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.45 である弾性表面波装置。
  36. 【請求項36】基板表面に対向電極膜を有し、前記対向
    電極膜上に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に交差指状
    電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域IV−6に存在し、 領域IV−6 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 10〜25゜(25゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜の
    厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.45 である弾性表面波装置。
  37. 【請求項37】基板表面に対向電極膜を有し、前記対向
    電極膜上に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に交差指状
    電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域IV−7に存在し、 領域IV−7 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 25〜35゜(35゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜の
    厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.5 である弾性表面波装置。
  38. 【請求項38】基板表面に対向電極膜を有し、前記対向
    電極膜上に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に交差指状
    電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域IV−8に存在し、 領域IV−8 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 35〜50゜(50゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜の
    厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.45 である弾性表面波装置。
  39. 【請求項39】基板表面に対向電極膜を有し、前記対向
    電極膜上に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に交差指状
    電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域IV−9に存在し、 領域IV−9 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 50〜70゜(70゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜の
    厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.8 である弾性表面波装置。
  40. 【請求項40】基板表面に対向電極膜を有し、前記対向
    電極膜上に圧電膜を有し、前記圧電膜の表面に交差指状
    電極を有する弾性表面波装置であって、 前記基板が点群32に属するランガサイト単結晶であり、
    前記基板のランガサイト単結晶からの切り出し角および
    前記基板の弾性表面波伝搬方向をオイラー角表示で
    (φ,θ,ψ)と表わしたとき、φ、θおよびψが下記
    領域IV−10に存在し、 領域IV−10 φ=− 5〜 5゜ θ= 85〜95゜ ψ= 70〜90゜(90゜を含まず) 前記圧電膜が酸化亜鉛から構成され、前記圧電膜の圧電
    軸が基板表面にほぼ垂直に配向しており、前記圧電膜の
    厚さをhとし、弾性表面波の波長をλとしたとき、 h/λ=0.05〜0.8 である弾性表面波装置。
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