JP3233176B2 - アナログ量計測装置 - Google Patents

アナログ量計測装置

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JP3233176B2 JP19080793A JP19080793A JP3233176B2 JP 3233176 B2 JP3233176 B2 JP 3233176B2 JP 19080793 A JP19080793 A JP 19080793A JP 19080793 A JP19080793 A JP 19080793A JP 3233176 B2 JP3233176 B2 JP 3233176B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気・光等のアナログ
量の値を計測する装置に関する。詳しくは、主に単一周
波数成分の交流もしくは直流アナログ信号を対象とし、
このアナログ信号を入力としてA/D(アナログ/ディ
ジタル)変換、ディジタル演算を行う各種装置、例えば
電力分野において商用の交流正弦波電圧、電流等の大き
さを計測し、系統の保護・制御を行うディジタルリレー
等に適用可能なアナログ量計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の保護・制御・計測等を目的とし
たディジタルリレー等の性能指標の一つに精度があり、
高精度を実現するために従来から様々な技術が実用化さ
れている。図8は、アナログ量の計測機能を有するディ
ジタルリレー等の主たる機能を示している。この装置
は、入力であるアナログ量Ainの交流実効値を計測して
ディジタル値Doutとして出力するものである。なお、
実際の装置では、ディジタル値Doutに更に信号処理を
付加することで様々な保護・制御・計測機能等を実現し
ているが、これらについては本発明の適用範囲から逸脱
するため、以下では説明を省略する。
【0003】図8において、101は入力側との電気的
絶縁を目的とした絶縁トランス部(入力変成器部)、1
02は入力信号のフィルタ処理及び増幅を主目的とした
フィルタ・アンプ回路部、103はサンプル・ホールド
及びA/D変換部(以下、A/D変換部という)、10
4′は交流信号の実効値等をプログラムにより演算する
ディジタル演算部である。
【0004】ここで、アナログ量Ainは本来的に高調波
ノイズや周波数変動等による誤差を有するものである
が、これに加え、上記各機能部における様々な信号処理
に伴って誤差を発生する。例えば、絶縁トランス部10
1では、アナログ量Ainに対し1次、2次巻線の巻数比
に応じた変成(または変流)が行われるが、トランスコ
ア(鉄心等)の特性、巻線の巻数・巻き方等々が原因と
なり、Ainのレベルをパラメータとして変成比が変化し
たり、トランスの磁気飽和に起因する誤差を生じる。こ
の現象は、通常、簡単な線形関数によって表現すること
ができず、また、トランスの定格レンジと比べて十分小
さいか大きいレベルでのみ顕在化する現象であるので、
装置の実用レベルからして問題ない誤差要因として無視
される場合もある。
【0005】また、フィルタ・アンプ回路部102、A
/D変換部103においても、コンデンサ、オペアンプ
等のアナログ素子固有の諸問題(経年的な定数の変化、
オフセット)があり、量子化誤差やA/D変換時の直線
性誤差等も加わって、アナログ信号処理上の誤差発生要
因となっている。
【0006】従来では、上述したような誤差の発生を抑
制してアナログ量の計測精度を向上させるために、アナ
ログ処理、ディジタル処理の両面から様々な手段が講じ
られている。例えば、アナログ処理の例として、素子の
定数誤差補償用に素子の一部のインピーダンス等を可変
(例えばボリューム抵抗)にして微調整を行う方法があ
る。
【0007】また、ディジタル処理の例として、特開平
3−245715号の如く、信号の周波数変動に起因す
るアナログ回路の定数(ゲイン)変化を、逆極性で同等
の定数変化を生じる一種のディジタルフィルタをディジ
タル演算部に付加することにより相殺し、総合的な誤差
を低減させる方法が提供されている。更に、特開平3−
245717号では、主に前記絶縁トランス部101、
フィルタ・アンプ部102、A/D変換部103により
生じたゲインの誤差を、基準アナログ信号源Vrefから
の既知量アナログ交流信号の入力時ゲインを基にゲイン
補正を掛けた一種のディジタルフィルタをディジタル演
算部104′に付加することで補償し、総合的な誤差の
低減を図っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記種々の
従来技術でも誤差は完全には除去することができない。
例えば、アナログ素子にはその特性上、経年変化を来す
ものがあり、ボリューム抵抗に代表される定数可変素子
には機械的振動で調整値がずれるものがある。これら
は、一度精度良く調整されたアナログ処理部の特性が再
び誤差を生じる可能性を示唆している。
【0009】また、特開平3−245715号は、その
実施例に示されるように、また、一般にディジタル演算
により実現した特性が個々のハードウェアによるバラツ
キや経年変化がない一方でアナログ回路はそうでないこ
とから、アナログ回路の定数変化特性とディジタルフィ
ルタにより実現した定数変化特性とが必ずしも完全な逆
極性になるとは限らない。更に、特開平3−24571
7号は、その実施例に示すように、ある定められた周波
数および大きさ(ゲイン)の基準アナログ信号を入力し
たときのディジタル量演算結果から算出される補正値を
ディジタルフィルタの係数に乗じたものであり、この場
合、アナログ量Ainのゲインや周波数等に依存して発生
傾向が変化する誤差要因(例えば、前述したトランス変
成比が変化する問題)に対処できない。
【0010】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたもので、その目的とするところは、従来のアナログ
処理の欠点を解消し、更に特開平3−245715号、
同3−245717号に開示された「補正係数を用いた
ディジタル演算」を一層改良することにより、アナログ
量の値を高精度でディジタル的に計測できるようにした
アナログ量計測装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明は、被測定アナログ量と周波数スペクト
ル分布が等しい同等波形であって、既知である一定の周
波数及び複数の大きさを持つ基準アナログ量を発生する
基準アナログ信号源と、複数の基準アナログ量について
その値を求めるディジタル演算を行い、対応する複数の
ディジタル中間値を得る中間値演算部と、複数の基準ア
ナログ量に対する理想ディジタル出力値と前記ディジタ
ル中間値との比率を補正係数として演算する補正係数演
算部と、前記ディジタル中間値を参照値としてこの参照
値に対応する補正係数を記憶する補正係数記憶部と、前
記基準アナログ信号源を切り離した状態で、被測定アナ
ログ量につき前記中間値演算部により演算したディジタ
ル中間値に最も近い参照値に対応する補正係数を前記補
正係数記憶部から抽出し、この補正係数をディジタル中
間値に乗じてディジタル最終値を得る最終値演算部とを
備えたものである。
【0012】第2の発明は、被測定アナログ量と周波数
スペクトル分布が等しい同等波形であって、既知である
一定の大きさ及び複数の周波数を持つ基準アナログ量を
発生する基準アナログ信号源と、複数の基準アナログ量
についてその値を求めるディジタル演算を行い、対応す
る複数のディジタル第1中間値を得る第1中間値演算部
と、単一の基準アナログ量に対する理想ディジタル出力
値と前記ディジタル第1中間値との比率を第2補正係数
として演算する第2補正係数演算部と、前記第2補正係
数を記憶する第2補正係数記憶部と、複数の基準アナロ
グ量の周波数を演算する周波数演算部と、複数の基準ア
ナログ量に対する理想ディジタル出力値と前記ディジタ
ル第1中間値及び第2補正係数の積との比率を第1補正
係数として演算する第1補正係数演算部と、前記周波数
演算部により演算された周波数を参照値としてこの参照
値に対応する第1補正係数を記憶する第1補正係数記憶
部と、前記基準アナログ信号源を切り離した状態で、被
測定アナログ量につき前記周波数演算部により演算され
た周波数に最も近い参照値に対応する第1補正係数を第
1補正係数記憶部から抽出し、この第1補正係数をディ
ジタル第1中間値に乗じてディジタル第2中間値を得る
第2中間値演算部と、ディジタル第2中間値に第2補正
係数を乗じてディジタル最終値を得る最終値演算部とを
備えたものである。
【0013】第3の発明は、被測定アナログ量と周波数
スペクトル分布が等しい同等波形であって、既知である
一定の大きさ及び複数の周波数を持つ基準アナログ量を
発生する基準アナログ信号源と、複数の基準アナログ量
についてその値を求めるディジタル演算を行い、対応す
る複数のディジタル第1中間値を得る第1中間値演算部
と、複数の基準アナログ量の周波数を演算する周波数演
算部と、複数の基準アナログ量に対する理想ディジタル
出力値と前記ディジタル第1中間値との比率を第2補正
係数として演算する第2補正係数演算部と、前記ディジ
タル第1中間値を参照値としてこの参照値に対応する第
2補正係数を記憶する第2補正係数記憶部と、複数の基
準アナログ量に対する理想ディジタル出力値と前記ディ
ジタル第1中間値及び第2補正係数の積との比率を第1
補正係数として演算する第1補正係数演算部と、前記周
波数演算部により演算された周波数を参照値としてこの
参照値に対応する第1補正係数を記憶する第1補正係数
記憶部と、前記基準アナログ信号源を切り離した状態
で、被測定アナログ量につき前記周波数演算部により演
算された周波数に最も近い参照値に対応する第1補正係
数を第1補正係数記憶部から抽出し、この第1補正係数
をディジタル第1中間値に乗じてディジタル第2中間値
を得る第2中間値演算部と、ディジタル第2中間値に最
も近い参照値に対応する第2補正係数を第2補正係数記
憶部から抽出し、この第2補正係数をディジタル第2中
間値に乗じてディジタル最終値を得る最終値演算部とを
備えたものである。
【0014】なお、上記各発明において、基準アナログ
信号源を装置内に設け、装置内部または外部からの起動
指令により基準アナログ信号を出力するように構成する
ことも可能である。
【0015】
【作用】第1の発明においては、既知である一定の周波
数及び複数の大きさを有する基準アナログ信号によりデ
ィジタル中間値を演算し、この中間値と理想ディジタル
出力値とに基づき補正係数を予め作成して記憶させてお
き、装置運用時には、被測定アナログ信号について演算
したディジタル中間値を上記補正係数によって補正する
ことにより、ディジタル最終値を得る。
【0016】第2及び第3の発明においては、既知であ
る一定の大きさ及び複数の周波数を有する基準アナログ
信号によりディジタル第1中間値を演算し、この第1中
間値と理想ディジタル出力値等に基づき、基準アナログ
信号の周波数演算値に対応する第1補正係数を予め作成
して記憶させておき、装置運用時には、被測定アナログ
信号について演算したディジタル第1中間値を第1補正
係数により補正してディジタル第2中間値とする。その
後、第2の発明ではディジタル第2中間値を単一の基準
アナログ信号に基づく第2補正係数により補正し、第3
の発明ではディジタル第2中間値を複数の基準アナログ
信号に基づく第2補正係数により補正してディジタル最
終値を得る。
【0017】
【実施例】以下、図に沿って各発明の実施例を説明す
る。図1は第1の発明の実施例を示すもので、図8と同
一の構成要素には同一の番号を付してある。以下では、
この実施例の構成及び機能を詳述する。まず、図1に示
すアナログ量計測装置100において、104はディジ
タル演算部であり、この演算部104は、A/D変換部
103の出力信号に基づいて、後述する補正係数C
x(x=1〜g)の作成時にはディジタル中間値Dxを演
算し、実際の装置運用時にはディジタル中間値Dを演算
する中間値演算部104Aと、ディジタル中間値D及び
後述する補正係数記憶部108からのデータに基づいて
装置運用時にディジタル最終値Doutを演算し、出力す
る最終値演算部104Bとから構成されている。
【0018】また、105は基準アナログ信号源であ
り、この信号源105は補正係数Cxの作成時にアナロ
グ量計測装置100に接続され、被測定アナログ信号と
同等(周波数スペクトル分布が同様)の基準アナログ信
号Vrefを発生し、これをアナログ量Ax(Ain)として
絶縁トランス部101に入力する。なお、このアナログ
量Axの周波数は既知の一定値f1として固定されてい
る。また、アナログ量Axの大きさ(ゲイン)Gxは装置
適用範囲内の複数種類とし、入力レベル情報として以下
の理想出力値発生部106に送られる。
【0019】理想出力値発生部106は、上記アナログ
量AxのレベルGxに対応した理想ディジタル出力値Ix
を補正係数演算部107に出力すると共に、この演算部
107に対する起動信号も出力する。ここで、理想ディ
ジタル出力値Ixは装置外部から任意に入力しても、あ
るいはプログラム手段等により予め発生部106内に記
憶させておいても良い。
【0020】107は補正係数演算部であり、この演算
部107は、前記理想ディジタル出力値Ixと中間値演
算部104Aからのディジタル中間値Dxとを入力と
し、両者の比率Cx(=Ix/Dx)を演算すると共に、
ディジタル中間値Dxを参照値Dx、比率Cxを補正係数
xと改めて定義し直してこれらを補正係数記憶部10
8に記憶させる。なお、記憶部108には、周波数が同
一で複数種類の異なるレベルのアナログ量Ax(x=1
〜g)について演算された参照値Dx及び補正係数C
xが、一対一対応で記憶される。
【0021】ここで、基準アナログ信号源105、理想
出力値発生部106及び補正係数演算部107は補正係
数Cxの作成時にのみ使用されるもので、実際の装置運
用時には、補正係数記憶部108内の補正係数Cxがデ
ィジタル演算部104内の最終値演算部104Bによる
ディジタル最終値Doutの演算に使用される。最終値演
算部104Bは、装置運用時において、中間値演算部1
04Aからのディジタル中間値Dと補正係数記憶部10
8内の補正係数Cxとに基づき、ディジタル最終値Dout
(=Cx・D)を演算し、入力されたアナログ量Ain
ディジタル計測値として出力する。
【0022】図2は、この実施例における補正係数Cx
の作成処理を示すフローチャートである。図において、
まず、信号源105から周波数f1のアナログ量Ax(レ
ベルGx(例えばレベルG1))を入力し(S1)、絶縁
トランス部101、フィルタ・アンプ部102及びA/
D変換部103により入力量の変成、フィルタリング、
増幅、A/D変換を行った後、中間値演算部104Aに
よりディジタル値(例えば実効値)の演算を行ってディ
ジタル中間値Dxを得る(S2)。
【0023】ここで、実効値の演算方法は特に限定され
ず、例えば数式1に示すように、サンプル値(an)の
二乗値をn/2サイクル間積算し、その値を基準値Kと
比較する方法や、数式2に示すように、2つのサンプル
値(v1,v2)と両者の位相差Δαに基づき最大値Vm
を求めてこれから実効値を求める方法等が利用可能であ
る。なお、ディジタル値の演算は、アナログ量の平均値
を求める演算でも良い。
【0024】次に、補正係数演算部107に理想ディジ
タル出力値Ixとディジタル中間値Dxとを入力する(S
3)。そして、演算部107によりCx=Ix/Dxの演
算を行い、補正係数記憶部108に参照値Dx及び補正
係数Cxとして記憶する(S4)。この一連の処理は、
必要数の参照値Dx及び補正係数Cxが作成されるまで、
アナログ量AinのレベルをG2,G3,……と変えて複数
回続行される(S5,S6)。以上の補正係数Cxの作
成作業が終了すると、補正係数記憶部108にはg組の
参照値Dx及び補正係数Cxが記憶される。
【0025】次いで、実際の装置の運用開始に移行し、
任意のアナログ量Ainを入力してこれをディジタル値と
して計測する処理を実行する。まず、基準アナログ信号
源105を切り離して被測定アナログ信号源を繋ぎ、装
置の運用を開始する。装置運用中は補正係数演算部10
7は機能を停止しており、また、補正係数記憶部108
のデータはラッチされている。
【0026】このときの動作を図3のフローチャートを
参照しつつ説明すると、はじめに、入力されたアナログ
量Ainに対し、絶縁トランス部101、フィルタ・アン
プ部102及びA/D変換部103により入力量の変
成、フィルタリング、増幅、A/D変換を行った後、中
間値演算部104Aによりディジタル中間値Dを得る
(S11)。次に、最終値演算部104Bにより、ディ
ジタル中間値Dと補正係数記憶部108内の参照値Dx
とを比較し、最も近い参照値Dxに対応する補正係数Cx
を抽出する(S12)。そして、最終値演算部104B
によりCx・Dを演算し、この値をアナログ量Ainに対
応するディジタル最終値Doutとして出力する(S1
3)。
【0027】次いで、第2及び第3の発明の実施例を図
4を参照しつつ説明する。この実施例と図1の実施例と
の主な相違点は、アナログ量Ainの複数の周波数F
y(y=1,2,〜,f)に応じた第1補正係数Eyを演
算する第1補正係数演算部117Aが補正係数演算部1
17に追加され、これに対応して補正係数記憶部118
に第1補正係数記憶部118Aが追加されると共に、デ
ィジタル演算部114においては周波数演算部114
F、第2中間値演算部114C、最終値演算部114E
等が追加された点である。
【0028】この実施例は、第1の発明の実施例におけ
る図2のフローチャートを実施した上で行うものであ
り、第1の発明によるアナログ量Ainのレベル変動に伴
う誤差補正に、周波数変動に起因する誤差補正を追加し
たものとなる。特に、交流実効値のように、周波数に依
存しない量の測定に対して第2及び第3の発明は有効で
ある。
【0029】以下、これらの発明の実施例における動作
を、図5、図6のフローチャートによって説明する。図
5は第2及び第3の発明の実施例に共通する補正係数作
成時のフローチャートであり、補正係数作成時には、ま
ず、図2の補正係数作成フローを実施する(S21)。
但し、第2の発明の実施例では、図2のステップS1〜
S5により単一の第2補正係数Cxを作成すれば良い。
つまり、ステップS4,S5は不要になる。
【0030】次に、基準アナログ信号源105を用い
て、装置適用周波数範囲内の任意の一点の周波数f
y(fy=f1)を有し、かつ、レベルがGx(x=1〜g
のいずれかの一点の値)であるアナログ量Axを絶縁ト
ランス部101に入力する(S22)。この状態で、入力
量の変成、フィルタリング、増幅、A/D変換を行い、
その後、第1中間値演算部114Aによりディジタル第
1中間値Dxを得る(S11)。このディジタル値演算
方法は、前記同様に数式1や数式2を用いれば良い。な
お、演算結果Dxに、図2のステップS1〜S5により
求めた単一の第2補正係数Cxを乗じてDx・Cxを求め
ておく。また、これと同時に周波数演算部114Fによ
りアナログ量Axの周波数検出演算を実施し、その結果
をFyとする(S23)。
【0031】周波数演算部114Fにおける演算方法は
特に限定されないが、例えば正弦波直線近似周期測定法
による数式3が考えられる。なお、数式3において、V
p1,Vm1は第1のゼロクロス点の前後における正弦波の
正負の瞬時値、Vp2,Vm2は第2のゼロクロス点(第1
のゼロクロス点の次のゼロクロス点)の前後における正
弦波の正負の瞬時値、tp1は第1のゼロクロス点から正
弦波の瞬時値がVp1になるまでの時間、tm2は正弦波の
瞬時値がVm2になってから第2のゼロクロス点までの時
間、NSは第1、第2のゼロクロス点の間のサンプルデ
ータ数、tSはサンプリング時間間隔である。
【0032】
【数3】
【0033】次いで、アナログ量Axに対応する理想デ
ィジタル出力値Ixを理想出力値発生部106から補正
係数演算部117に入力し、第1補正係数演算部117
Aにより、Ixと(Dx・Cx)との比率Ey(=Ix
(Dx・Cx))を計算する。そして、周波数演算部11
4Fによる周波数Fy及び比率Eyを改めて参照値Fy
び第1補正係数Eyと定義し直し、第1補正係数記憶部
118Aに記憶する(S24)。
【0034】この一連の処理は、必要数の参照値Fy
び第1補正係数Eyが作成されるまで、アナログ量Ain
の周波数fyをf2,f3,……と変えて複数回続行され
る(S25,S26)。以上の第1補正係数Eyの作成
作業が終了すると、第1補正係数記憶部118Aにはf
組の参照値Fy及び第1補正係数Eyが記憶される。な
お、第3の発明の実施例では、上記に加えて、第1の発
明の実施例と同様の処理(図2参照)を行い、第2補正
係数演算部117Bにより参照値Dxに対応する第2補
正係数Cxをg組演算し、これらが第2補正係数記憶部
118Bに記憶される。
【0035】以上の処理で、第1補正係数Eyの作成処
理を終了し、基準アナログ信号源105を切り離すと共
に被測定アナログ信号源を繋ぎ、装置の運用開始とな
る。図1の実施例と同様に、装置運用中は補正係数演算
部117は機能を停止しており、補正係数記憶部118
のデータはラッチされている。
【0036】 以下、装置運用時の処理を図6(a)
(第2の発明の実施例)、図6(b)(第3の発明の実
施例)を参照しつつ説明する。まず、何れの発明の実施
例でも、第1中間値演算部114Aによりアナログ量A
inに応じたディジタル第1中間値Dを演算し、かつ、周
波数演算部114Fにより周波数Fを演算する(S3
1,S41)。次に、第2中間値演算部114Cが、第
1補正係数記憶部118AからFに最も近い参照値Fy
を探し、これに対応する第1補正係数EyをDに乗じて
ディジタル第2中間値D’(=Ey・D)を作成する
(S32,S42)。
【0037】次いで、第2の発明の実施例では、最終値
演算部114Dにより、補正係数作成時に用いた第2補
正係数Cxを上記ディジタル第2中間値D′に乗じてデ
ィジタル最終値Dout(=Cx・D′)を得る(S3
3)。この発明においては、第1補正係数Eyの総数f
を十分に多くすることで、従来技術である特開平3−2
45715号よりも良好な周波数変動時の精度を得るこ
とができる。
【0038】また、第3の発明の実施例では、上記ディ
ジタル第2中間値D′に対し、第1の発明によるゲイン
に応じた誤差補正を加えるものである。すなわち、最終
値演算部114Eにより、ディジタル第2中間値D′に
最も近い参照値Dz(z=1〜g)に対応した第2補正
係数Czを第2補正係数記憶部118Bから抽出し、こ
れをディジタル第2中間値D′に乗じてディジタル最終
値Dout(=Cz・D′)を得る(S43)。
【0039】図7は、第1の発明の他の実施例を示す機
能ブロック図である。この実施例は、図1の実施例にお
ける基準アナログ信号源105をアナログ量計測装置1
20の内部に設け、基準アナログ信号源115として構
成したもので、この基準アナログ信号源115は、理想
出力値発生部116からの制御によりゲイン及び周波数
が複数種類かつ既知の基準アナログ信号Vref(アナロ
グ量Ax)を発生できるように構成されている。なお、
図において、AAはアナログ部、DDはディジタル部を
示す。
【0040】基準アナログ信号源115の具体例として
は、D/A変換器が挙げられる。D/A変換器は、理想
出力値発生部116から入力した基準アナログ信号V
refの出力波形瞬時データに基づいてアナログ量の電圧
を発生する。よって、理想出力値発生部116において
予め所定のゲイン及び周波数を有する波形を計算し、そ
の波形の瞬時値情報を基準アナログ信号源115に入力
することで、第1、第2補正係数Ey,Cxの作成に必要
なアナログ量Axを得ることができる。なお、アナログ
部AAの入力段のスイッチ131は、補正係数の作成時
には基準アナログ信号源115側に、装置運用時には絶
縁トランス部101側に切り換えられる。
【0041】図7の実施例ではプログラムによって制御
可能な基準アナログ信号源115を内蔵するため、装置
外部からは、補正係数作成のための起動指令Tを与える
だけでよい。更に別の手段として、装置内部にタイマ1
32を設け、予め定められた時刻にこのタイマ132に
より起動をかけたり、あるいはプログラムによって事前
に定められた条件を満たしたときに起動させる等の自動
起動機能を付加してもよい。ここで、図7のように基準
アナログ信号源115を装置内部に設ける構成は、第
2、第3の発明についても勿論適用可能である。
【0042】
【発明の効果】以上述べたように第1の発明は、既知で
ある一定の周波数及び複数の大きさを有する基準アナロ
グ信号によりディジタル中間値を演算し、この中間値と
理想ディジタル出力値とに基づき、ディジタル中間値に
対応する補正係数を予め作成して記憶させておき、装置
運用時には、被測定アナログ信号について演算したディ
ジタル中間値を上記補正係数により補正してディジタル
最終値を得るものである。
【0043】更に、第2または第3の発明は、既知であ
る一定の大きさ及び複数の周波数を有する基準アナログ
信号によりディジタル第1中間値を演算し、この第1中
間値と理想ディジタル出力値等に基づき、基準アナログ
信号の周波数演算値に対応する第1補正係数を予め作成
して記憶させておき、基準アナログ信号の周波数装置運
用時には、被測定アナログ信号について演算したディジ
タル第1中間値を第1補正係数により補正してディジタ
ル第2中間値とし、その後、第2の発明ではディジタル
第2中間値を単一の基準アナログ信号に基づく第2補正
係数により補正し、第3の発明ではディジタル第2中間
値を複数の基準アナログ信号に基づく第2補正係数によ
り補正してディジタル最終値を得るものである。
【0044】すなわち、本発明における上記各種の補正
係数は、絶縁トランス部やフィルタ・アンプ部、A/D
変換部等のアナログ処理部を経て演算されたディジタル
中間値に基づくものであるため、従来のボリューム抵抗
により代表されるアナログ処理方法と比べて、装置運用
時におけるディジタル中間値に上記補正係数を乗じるこ
とによりアナログ処理部の特性による誤差を打ち消して
高精度なディジタル最終値を得ることができる。
【0045】更に、特開平3−245715号や同3−
245717号記載のディジタル処方法と比べた場合、
入力であるアナログ量のゲインや周波数等の変動に依存
して発生傾向が変化する誤差要因(例えばトランス変成
比の変化)にも対処でき、計測精度を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の実施例を示す機能ブロック図であ
る。
【図2】第1の発明の実施例における補正係数作成時の
フローチャートである。
【図3】第1の発明の実施例における装置運用時のフロ
ーチャートである。
【図4】第2及び第3の発明の実施例を示す機能ブロッ
ク図である。
【図5】第2及び第3の発明の実施例における補正係数
作成時のフローチャートである。
【図6】第2及び第3の発明の実施例における装置運用
時のフローチャートである。
【図7】第1の発明の他の実施例を示す機能ブロック図
である。
【図8】従来の技術を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
100,110,120 アナログ量計測装置 101 絶縁トランス部 102 フィルタ・アンプ部 103 A/D変換部 104,114 ディジタル演算部 104A 中間値演算部 104B,114D,114E 最終値演算部 105,115 基準アナログ信号源 106,116 理想出力値発生部 107,117 補正係数演算部 108,118 補正係数記憶部 114A 第1中間値演算部 114C 第2中間値演算部 114F 周波数演算部 117A 第1補正係数演算部 117B 第2補正係数演算部 118A 第1補正係数記憶部 118B 第2補正係数記憶部 131 スイッチ 132 タイマ AA アナログ部 DD ディジタル部
【数1】
【数2】

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アナログ量をディジタル量に変換してそ
    の値を計測するアナログ量計測装置において、 被測定アナログ量と周波数スペクトル分布が等しい同等
    波形であって、既知である一定の周波数及び複数の大き
    さを持つ基準アナログ量を発生する基準アナログ信号源
    と、 複数の基準アナログ量についてその値を求めるディジタ
    ル演算を行い、対応する複数のディジタル中間値を得る
    中間値演算部と、 複数の基準アナログ量に対する理想ディジタル出力値と
    前記ディジタル中間値との比率を補正係数として演算す
    る補正係数演算部と、 前記ディジタル中間値を参照値としてこの参照値に対応
    する補正係数を記憶する補正係数記憶部と、 前記基準アナログ信号源を切り離した状態で、被測定ア
    ナログ量につき前記中間値演算部により演算したディジ
    タル中間値に最も近い参照値に対応する補正係数を前記
    補正係数記憶部から抽出し、この補正係数をディジタル
    中間値に乗じてディジタル最終値を得る最終値演算部
    と、 を備えたことを特徴とするアナログ量計測装置。
  2. 【請求項2】 アナログ量をディジタル量に変換してそ
    の値を計測するアナログ量計測装置において、 被測定アナログ量と周波数スペクトル分布が等しい同等
    波形であって、既知である一定の大きさ及び複数の周波
    数を持つ基準アナログ量を発生する基準アナログ信号源
    と、 複数の基準アナログ量についてその値を求めるディジタ
    ル演算を行い、対応する複数のディジタル第1中間値を
    得る第1中間値演算部と、 単一の基準アナログ量に対する理想ディジタル出力値と
    前記ディジタル第1中間値との比率を第2補正係数とし
    て演算する第2補正係数演算部と、 前記第2補正係数を記憶する第2補正係数記憶部と、 複数の基準アナログ量の周波数を演算する周波数演算部
    と、 複数の基準アナログ量に対する理想ディジタル出力値と
    前記ディジタル第1中間値及び第2補正係数の積との比
    率を第1補正係数として演算する第1補正係数演算部
    と、 前記周波数演算部により演算された周波数を参照値とし
    てこの参照値に対応する第1補正係数を記憶する第1補
    正係数記憶部と、 前記基準アナログ信号源を切り離した状態で、被測定ア
    ナログ量につき前記周波数演算部により演算された周波
    数に最も近い参照値に対応する第1補正係数を第1補正
    係数記憶部から抽出し、この第1補正係数をディジタル
    第1中間値に乗じてディジタル第2中間値を得る第2中
    間値演算部と、 ディジタル第2中間値に第2補正係数を乗じてディジタ
    ル最終値を得る最終値演算部と、 を備えたことを特徴とするアナログ量計測装置。
  3. 【請求項3】 アナログ量をディジタル量に変換してそ
    の値を計測するアナログ量計測装置において、 被測定アナログ量と周波数スペクトル分布が等しい同等
    波形であって、既知である一定の大きさ及び複数の周波
    数を持つ基準アナログ量を発生する基準アナログ信号源
    と、 複数の基準アナログ量についてその値を求めるディジタ
    ル演算を行い、対応する複数のディジタル第1中間値を
    得る第1中間値演算部と、 複数の基準アナログ量の周波数を演算する周波数演算部
    と、 複数の基準アナログ量に対する理想ディジタル出力値と
    前記ディジタル第1中間値との比率を第2補正係数とし
    て演算する第2補正係数演算部と、 前記ディジタル第1中間値を参照値としてこの参照値に
    対応する第2補正係数を記憶する第2補正係数記憶部
    と、 複数の基準アナログ量に対する理想ディジタル出力値と
    前記ディジタル第1中間値及び第2補正係数の積との比
    率を第1補正係数として演算する第1補正係数演算部
    と、 前記周波数演算部により演算された周波数を参照値とし
    てこの参照値に対応する第1補正係数を記憶する第1補
    正係数記憶部と、 前記基準アナログ信号源を切り離した状態で、被測定ア
    ナログ量につき前記周波数演算部により演算された周波
    数に最も近い参照値に対応する第1補正係数を第1補正
    係数記憶部から抽出し、この第1補正係数をディジタル
    第1中間値に乗じてディジタル第2中間値を得る第2中
    間値演算部と、 ディジタル第2中間値に最も近い参照値に対応する第2
    補正係数を第2補正係数記憶部から抽出し、この第2補
    正係数をディジタル第2中間値に乗じてディジタル最終
    値を得る最終値演算部と、 を備えたことを特徴とするアナログ量計測装置。
  4. 【請求項4】 基準アナログ信号源が装置内に設けら
    れ、装置内部または外部からの起動指令により基準アナ
    ログ信号を出力する請求項1,2または3記載のアナロ
    グ量計測装置。
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