JP3232751B2 - 蒸着製品の製造方法 - Google Patents

蒸着製品の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蒸着製品の製造方法に
関し、とくに、蒸着膜の接着力を強化できるようにし
た、蒸着膜形成繊維製品やシート状物に適用して最適
な、蒸着製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸着膜、例えば金属蒸着膜を形成した繊
維製品やシート状物においては、蒸着処理後の蒸着金属
膜と繊維あるいは樹脂との接着性は、予想以上に低く、
洗濯(水洗い洗濯、ドライクリーニング)を行なうと大
半の金属は脱落し、商品展開の上で、大きなネックとな
っている。
【0003】これを改善するために、蒸着処理後、樹脂
を保護膜コーティングする方法が行なわれているが、い
くら金属の上から保護膜を形成しても、金属と繊維また
は樹脂との接着性が低いため根本的な解決策とはならな
い。すなわち、洗濯時に金属膜の部分的な脱落は少なく
なるが、時間が経過するにつれ、あるいは洗濯回数が増
えるにつれ、広範囲にわたって保護膜を含む金属膜が剥
離してしまうのである。
【0004】一方、特定の光干渉膜を繊維布帛表面に蒸
着することにより、干渉発色させるようにした干渉色を
有する繊維布帛が先に本出願人により提案され、既に公
知になっている(特開平3−82881号公報)。
【0005】このような光干渉膜を蒸着した繊維布帛に
おいても、光干渉膜を布帛表面に直接蒸着していたた
め、前述と同様の問題点、すなわち、蒸着された光干渉
膜の摩擦や屈曲に対する接着強度が不足することがある
という問題が残されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点に着目し、繊維製品(繊維布帛)やシート状物、
さらにはその製品の表面に蒸着される蒸着膜の接着力を
向上することを目的とし、究極的には、該蒸着製品に優
れた耐洗濯性、耐摩耗性等を付与することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明に係る製造方法によって目指す蒸着製品は、
有機系基材の表面の少なくとも一部に、少なくともシリ
コーン系樹脂と二酸化ケイ素とを含む中間剤を介して、
金属又は無機物を有する蒸着薄膜を備えているものから
成る。
【0008】とくに上記中間剤に含まれる二酸化ケイ素
はプラズマ処理によって生成されたものが最適である。
このようなプラズマ処理で生成された二酸化ケイ素は、
活性化された分子形態で中間剤表面近傍に存在できると
ともに、プラズマ処理によって生成されるので、分子オ
ーダーで均一に分布でき、その上に形成される蒸着薄膜
に対して高い接着力をもつ。とくに、中間剤の元素組成
が、少なくとも上記薄膜近傍において、炭素原子2に対
しケイ素原子が1以上となるまでプラズマ処理されてい
ると、極めて高い接着力をもつことができる。
【0009】したがって本発明に係る蒸着製品の製造方
法は、このような高い接着力をもたせるために、有機系
基材の表面にシリコーン系樹脂を付与し、その上からプ
ラズマ処理を施し、プラズマ処理面上に金属又は無機物
を有する薄膜を蒸着する方法から成る。
【0010】さらに詳しくは、本発明の蒸着製品の製造
方法は、有機系基材の表面にシリコーンを付与し、該シ
リコーンを熱処理してシリコーン系樹脂層を形成し、そ
の上からプラズマ処理を施し、プラズマ処理面上に金属
又は無機物を有する薄膜を蒸着する方法から成る。
【0011】すなわち、本発明の方法においては、繊維
布帛やシート状物の表面に先ずシリコーンの膜が塗布や
浸漬等により形成され、該シリコーンが熱処理されてシ
リコーン系樹脂層とされ、その上からプラズマ処理、よ
り正確には低温プラズマ処理が施されることにより、シ
リコーン系樹脂が活性化され(二酸化ケイ素がプラズマ
処理によって分子オーダーで均一に生成され)、その樹
脂膜上に所定の蒸着膜が蒸着処理により形成される。活
性化されたシリコーン系樹脂膜と蒸着膜との接着力が大
幅に向上され、摩擦や屈曲に対し剥離しにくい蒸着膜が
実現される。
【0012】本発明において用いられるシリコーンとし
ては、例えばメチルハイドロジエンポリシロキサンエマ
ルジョンが挙げられ、触媒としては、例えば亜鉛系のも
のが使用できる。シリコーンの含有量としては、2〜1
0重量%程度が適当であり、亜鉛系触媒は、2〜10重
量%程度が適当である。
【0013】シリコーンを繊維布帛やシート状物の表面
に付与する方法としては、例えばディップ法が挙げら
れ、絞り率としては20〜60%程度が適当である。ま
た、塗布後の乾燥、キュアの条件としては、160℃、
2分程度の連続条件が好ましい。
【0014】低温プラズマ処理の条件としては、例え
ば、真空度:20〜100Pa、放電電力:2〜7K
V、処理速度:5〜30m/分程度が適当である。処理
雰囲気としては、大気中でもよく、酸素、アルゴン等の
ガス雰囲気中でもよい。また、処理面としては、両面行
ってもよく、少なくとも蒸着処理する面に行えばよい。
低温プラズマ処理の程度は、シリコーン系樹脂の化学組
成によっても変更する必要があるが、効果面からはシリ
コーン系樹脂層の元素組成が、少なくとも蒸着膜近傍に
おいて、炭素原子2に対してケイ素原子1以上にするこ
とが、接着性の面から好ましい。
【0015】本発明において使用される基材は、有機系
基材であれば特に限定されず、たとえば繊維布帛やシー
ト状物である。繊維布帛としては、特に限定されず、薄
地から厚地のものまで適用できる。シート状物として
は、プラスチックフィルムや紙などが挙げられる。
【0016】蒸着材料としては、特に限定されず、金属
類、無機物、酸化物、窒化物などが挙げられる。
【0017】蒸着材料として使用される金属類として
は、Al、Au、Cr、Cu、Mg、Ni、Ti等が挙
げられ、無機物としてはSi等が挙げられる。また、酸
化物としては、Al2 3 、In 2 3 、Cr2 3
MgO、SiO、SiO2 、TiO2 等が挙げられ、窒
化物としては、AlN、TiN、Si3 4 等が挙げら
れる。
【0018】また、蒸着膜の層構成としては、単層であ
っても積層構成であってもよい。
【0019】このような蒸着膜が、前述の如く低温プラ
ズマ処理されたシリコーン系樹脂膜上に蒸着される。そ
して、前述の如く、活性化されたシリコーン系樹脂膜と
の間に、強力な接着力が発揮される。シリコーン系樹脂
膜と有機系基材との間は、元々良好な接着性が確保され
ている。なお、蒸着方法としては、特に限定されず、例
えば真空蒸着装置、スパッタ装置、イオンプレーティン
グ装置など公知の薄膜形成装置内に基材を配置し、減圧
下で蒸着膜の形成を行う方法が好ましい。
【0020】上記接着力の強化は、低温プラズマ処理さ
れたシリコーン系樹脂膜を形成することによって達成さ
れるものであり、他の樹脂膜では、目標とする高い接着
力は得られない。シリコーン系樹脂膜表面の原子状態分
析には、X線光電子分光法を用いることができる。ま
た、元素組成(原子数の比率)分析には、オージェ電子
分光法を用いることができる。さらに、蒸着膜形成後の
場合は、イオンエッチング法を併用して、膜を掘り下げ
つつ分析する方法を用いることができる。
【0021】表1に、各樹脂を付与した場合、およびプ
ラズマ処理の有無の場合の耐久性を比較して示すよう
に、シリコーン系樹脂、それも低温プラズマ処理した場
合のみ、目標とする高い耐洗濯性、耐摩耗性が得られ
る。
【0022】
【表1】
【0023】なお、表1に示した試験の条件は以下の通
りである。 蒸着膜 : Al/SiO/Cr 膜の耐洗濯性 :JIS−L−1096 L−5法によ
る 耐摩耗性 :JIS−L−0849 II型による 使用布帛 :ポリエステルフィラメント使用の平織
物(後述の実施例1と同一のもの)
【0024】本発明の蒸着製品の製造方法は、電磁波干
渉膜、たとえば光干渉膜を蒸着する際の前処理としても
適用できる。つまり、光干渉膜を蒸着することにより、
干渉色を有する繊維布帛又はシート状物を得る際にも適
用できる。
【0025】この干渉色を有する繊維布帛又はシート状
物においては、前述のシリコーン系樹脂膜が形成され、
それに低温プラズマ処理が施された後、その上に光干渉
膜が蒸着される。
【0026】この光干渉膜は、以下のような各種態様を
採ることができる。まず,光干渉膜が透明層のみからな
る場合、図1に示すように、繊維布帛又はシート状物か
らなる基材1の片面又は両面のシリコーン系樹脂膜2上
に、透明層3、たとえば透明金属化合物膜からなる透明
層3が、蒸着により設けられる。
【0027】このような透明層3が積層された基材1に
おいては、表面側から入射した光Rの、透明層3の表面
における反射光R2 と、裏面における反射光R3 、すな
わち、透明層と、該透明層と隣接する基材(あるいはシ
リコーン系樹脂膜2)との境界面での反射との干渉によ
り、発色する。
【0028】この発色は、透明層3の材質、基材1自身
の色、透明層3の厚みによって種々変化する。とくに、
輝きのある発色を得るために、透明層3の厚みは、40
0Å以上、5000Å以下であることが好ましい。
【0029】また、光干渉膜は、図2に示すように、基
材1側から反射層4と透明層3を順次積層した2層構造
とすることによって形成してもよい。反射層4は、たと
えば可視光線領域における平均反射率が60%以上(好
ましくは90%以上)の金属薄膜からなり、該反射金属
膜の素材としては、たとえば、Al、Cu、Ag、M
g、Au、Cr、Pe、Rhから選ばれた少なくとも一
種を挙げることができる。このような反射層4も蒸着に
より設けることができ、反射層4を構成する反射金属膜
の厚みとしては、500Å以上あることが好ましい。
【0030】このような反射層4、透明層3が順次積層
された基材1においては、表面側から入射した光Rの、
透明層3表面における反射光R2 と、裏面における反射
光R3 、すなわち、透明層3と、反射層4との境界面の
反射光との干渉により、発色する。
【0031】また、光干渉膜は、図3に示すように、基
材1側から、上記反射層4と、透明層3と、半透明層5
とをこの順に順次積層した3層構造とすることによって
形成してもよい。半透明層5は、たとえば可視光線領域
における平均反射率が60%以下の半透明金属膜からな
り、該半透明金属膜の素材としては、Al、Cu、A
g、Mg、In、Cr、Si、Au、Au/Ptから選
ばれた少なくとも一種を挙げることができる。このよう
な半透明層5も蒸着により設けることができ、半透明層
5を構成する半透明金属膜の厚みとしては、20Å以
上、500Å以下が好ましい。
【0032】このような反射層4、透明層3、半透明層
5が順次積層された基材1においては、表面側から入射
した光Rは、半透明層5の表面、透明層3の表面、反射
層4の表面(透明層3の裏面)でそれぞれ反射光R1
2 、R3 を生成し、反射光R1 とR2 とR3 とが干渉
して干渉色を発現する。
【0033】さらに、光干渉膜は、図4に示すように、
基材1側から、上記透明層3と半透明層5を順次積層し
た2層構造とすることによって形成してもよい。このよ
うな基材1にあっては、主として反射光R2 とR3 との
干渉により、発色される。
【0034】また、図示は省略するが、光干渉膜の表面
に、必要に応じて保護膜をコーティング等により設けて
もよい。保護膜としては、光干渉膜への光の入射、光干
渉膜からの干渉色の発色を損なわないよう、実質的に略
完全に透明なものが好ましい。但し、着色されていても
よい。
【0035】
【実施例】以下に、具体的な実施例について説明する。 実施例1 ポリエステルフィラメント糸(タテ50デニール×18
フィラメント、略丸断面繊維とヨコ75デニール×36
フイラメント、略丸断面繊維)を平織(タテ110本/
インチ、ヨコ81本/インチ)とした織物を精錬仕上げ
した後、ディップ法によりシリコーンを付与し、160
℃で熱処理してシリコーン系樹脂を形成した。その後、
低温プラズマ処理を施し、織物の片面にAlを膜厚80
0Åになるように金属膜を誘導加熱真空蒸着法により蒸
着した。
【0036】使用したシリコーン系樹脂は、メチルハイ
ドロジエンポリシロキサンエマルジョンであり、触媒と
しては亜鉛系のものを使用した。ディップ法による処理
条件およびプラズマ処理の条件は以下の通りである。 ディップ処理: シリコーン系樹脂含有量 :7% 亜鉛系触媒含有量 :7% ディップ処理絞り率 :40% 乾燥・キュア :160℃×2分、連続 プラズマ処理: 真空度 :40Pa 処理雰囲気 :大気中 放電電力 :5.5KV 処理速度 :20m/分 処理面 :両面
【0037】結果、A1蒸着膜は摩擦や屈曲に対して、
繊維との接着力強化が計られた。実施例1において、シ
リコーン樹脂付与後プラズマ処理することによって、耐
洗濯性は2級から5級に、耐摩耗性は1級から3級にそ
れぞれ向上した。この時の試験の条件は以下の通りであ
る。 耐洗濯性 :JIS−L−1096 L−5法による。 耐摩耗性 :JIS−L−0849 II型による。
【0038】また、この実施例1において、低温プラズ
マ処理前後のシリコーン系樹脂層の表面をX線光電子分
光法で分析し、炭素原子とケイ素原子の原子数比および
シリコーン類中のSiとSiO2 中のSiの比率を表2
に示した。その結果から、低温プラズマ処理することに
よって、シリコーン系樹脂中で二酸化ケイ素が大幅に増
加することが判った。このプラズマ処理によって生成さ
れた二酸化ケイ素が、接着力向上に大きく寄与している
と考えられる。
【0039】
【表2】
【0040】なお、X線光電子分光法とは、試料表面に
照射されたX線によって励起され表面から放出される光
電子の強度を運動エネルギーの関数として測定し、それ
から光電子スペクトルを得るものである。物質の元素分
析に利用できるとともに、内殻光電子のピーク強度比か
ら物質の組成分析に利用できる。また、内殻光電子の結
合エネルギー値は同一の元素でも化学結合状態の違いに
よって変化するため、状態分析も行なえる。
【0041】本実施例におけるX線光電子分光法の分析
条件は次の通りである。 X線源 : Mgkα X線出力 : 10kV 20mA アナライザー : パスエネルギー : WIDE SCAN 50eV NARROW SCAN 20eV 分解能 : 1eV 真空度 : 〜1×10-8mbar ジオメトリー : θ(脱出角)=0°
【0042】実施例2 高収縮ポリエステルフィラメント糸(50デニール×2
4フィラメント、略丸断面繊維、沸水収縮率約20%)
と低収縮ポリエステルフィラメント糸(50デニール×
48フィラメント、略3角断面繊維、沸水収縮率約7
%)とを引き揃えて流体混繊処理を施した後約200回
/mの撚を与えて得た収縮差混繊糸を用いて織物(経
糸:約80本/インチ、緯糸:約100本/インチ、組
織:2/2ツイル)を作り、リラックス処理、セット、
アルカリ処理、仕上げセットを施して糸長差混織糸布帛
とした。その後、ディップ法によりシリコーン樹脂を付
与し、乾燥・キュアした。さらにその上からプラズマ処
理した後、この糸長差混繊糸布帛の片面に図3に示した
態様の3層構造の光干渉膜を誘導加熱真空蒸着法により
蒸着した。なお、シリコーン系樹脂のディップ法による
処理条件およびプラズマ処理条件は実施例1と同じであ
る。
【0043】反射層はA1から構成して膜厚を800Å
とし、透明層はSiOから構成して膜厚をそれぞれ80
0Å、1000Å、1200Å、1500Åとし、半透
明層はCrから構成して膜厚を30Åとした。これら反
射層、透明層、半透明層を蒸着後、170℃2分の条件
で熱処理し、さらにその上から保護膜としてポリジメチ
ルポリシロキサン系シリコーンをコーティングし130
℃、2分の条件で熱処理した。
【0044】結果、下層蒸着膜が洗濯や摩擦、屈曲に対
して、繊維との接着力強化が計られた。このことによっ
て、中間層、上層とも脱落することなく透明層の膜厚8
00Åのものは、青色を主体とした深みのある色が得ら
れ、膜厚1000Åのものは、緑色を主体とした深みの
ある色が得られ、膜厚1200Åのものは、黄色を主体
とした深みのある色が得られ、膜厚1500Åのもの
は、赤色を主体とした深みのある色が得られた。
【0045】この実施例2において、シリコーン樹脂付
与後、プラズマ処理することによって、耐洗濯性は3級
から5級に、耐摩耗性は2級から4級にそれぞれ向上し
た。この時の試験の条件は以下の通りである。 耐洗濯性 :JIS−L−1096 L−5法による。 耐摩耗性 :JIS−L−0849 II型による。
【0046】得られた糸長差混繊糸布帛は、見る角度に
よって複雑に色合いが変化するとともに、糸長差混繊糸
による表面凹凸が、より立体感、ふくらみ感のある、し
かも各部の色が複雑に変化する、高級感のある色調が得
られた。
【0047】また、低温プラズマ処理前後の表面をX線
光電子分析光法で分析し、炭素原子とケイ素原子の原子
数比およびシリコーン類中のSiとSiO2 中のSi比
率を表3に示した。その結果から低温プラズマ処理する
ことによってシリコーン樹脂中に二酸化ケイ素が増加す
ることが判った。
【0048】
【表3】
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の蒸着製
製造方法によるときは、中間剤中に二酸化ケイ素、と
くにプラズマ処理により生成された二酸化ケイ素を存在
させることにより、蒸着膜との間に極めて高い接着力を
得ることができ、蒸着膜が剥離しにくく、優れた耐洗濯
性、耐摩耗性を有する繊維製品やシート状物等を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法により製造された干渉色を有する基
材の一例を示す概略部分断面図である。
【図2】図1とは別の例に係る干渉色を有する基材の概
略部分断面図である。
【図3】さらに別の例に係る干渉色を有する基材の概略
部分断面図である。
【図4】さらに別の例に係る干渉色を有する基材の概略
部分断面図である。
【符号の説明】
1 基材 2 シリコーン系樹脂 3 透明層 4 反射層 5 半透明層 R 入射光 R1 、R2 、R3 反射光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 11/83 D06M 10/10

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機系基材の表面にシリコーン系樹脂を
    付与し、その上からプラズマ処理を施し、プラズマ処理
    面上に金属又は無機物を有する薄膜を蒸着することを特
    徴とする蒸着製品の製造方法。
  2. 【請求項2】 有機系基材の表面にシリコーンを付与
    し、該シリコーンを熱処理してシリコーン系樹脂層を形
    成し、その上からプラズマ処理を施し、プラズマ処理面
    上に金属又は無機物を有する薄膜を蒸着することを特徴
    とする蒸着製品の製造方法。
  3. 【請求項3】 シリコーン系樹脂におけるシリコーンが
    メチルハイドロジエンポリシロキサンであることを特徴
    とする請求項1または2の蒸着製品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記蒸着処理が、前記基材の少なくとも
    片面に、表面側から入射した光の、表面における反射光
    と裏面における反射光との干渉により発色可能な、実質
    的に透明な薄膜からなる透明層を有する光干渉膜を蒸着
    することにより行われる請求項1ないし3のいずれかに
    記載の蒸着製品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記光干渉膜が、前記透明層のみからな
    る請求項4の蒸着製品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記光干渉膜が、前記基材側から、可視
    光線領域における平均反射率が60%以上である反射層
    と、前記透明層を順次積層した2層構造の膜からなる請
    求項4の蒸着製品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記光干渉膜が、前記基材側から、可視
    光線領域における平均反射率が60%以上である反射層
    と、前記透明層と、可視光線領域における平均反射率が
    60%以下である半透明層とをこの順に順次積層した3
    層構造の膜からなる請求項4の蒸着製品の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記光干渉膜が、前記基材側から、前記
    透明層と、可視光線領域における平均反射率が60%以
    下である半透明層を順次積層した2層構造の膜からなる
    請求項4の蒸着製品の製造方法。
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