JP3232294U - 掃除具用補助具 - Google Patents
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Abstract
【課題】掃除ヘッドに簡便に着脱でき、掃除ヘッドに取り付けた状態で、従来の掃除ヘッドが有する機能を利用して掃除用シートを取り付けることで、掃除用シートで形成した掃除面を、埃やゴミを、より確実に、より多く捕捉することができるものに容易に改変できる掃除具用補助具を提供する。【解決手段】掃除具用補助具は、板状の掃除ヘッドと、掃除ヘッドの、掃除面になる側と反対側の面に設けられた握り用部材とを有してなる掃除具の、掃除ヘッドの掃除面を形成するための下面に重ねて着脱自在に装着できるように構成されており、その形状が、表裏面を有する厚みの薄い板状であり、掃除具に装着した際に、その裏面は、下面のほぼ全てを覆う形状を有し、裏面の反対側の表面上に、互いに間隔をとって配置された複数の突条が設けられており、突条は、天面に稜線を持つ。【選択図】図1
Description
本考案は、近年、床掃除などを行う際に広く用いられている、繰り返して使用できる雑巾や、使い捨ての掃除用シートなどを取り付けて掃除をするための、掃除ヘッドと握り用部材とを有してなる掃除具の掃除ヘッドに、着脱自在に取付けることができる、簡便で有用な補助具に関する。より詳しくは、補助具を取り付けた状態で床掃除などをした場合、前記した雑巾や掃除用シートなどに、掃除面の全面にわたって、より効果的に埃やゴミが捕捉されるようにできる掃除具用補助具に関する。
従来より、汚れた場合に使い捨てができる掃除用シートや、洗濯が可能な雑巾等を取り付けて掃除をする方式の、掃除ヘッドと握り用部材(把手)とを有してなる掃除具製品が市販されており、広く使用もされている。特に、掃除ヘッドに、汚れた場合に使い捨てができる掃除用シートを取り付ける方式の掃除具は、家庭用の床掃除具として広く使用されている。そして、消耗品である不織布等からなる掃除用シートについては、埃やゴミがより捕捉され易いようにするため、或いは、掃除後の床面などへの艶出しの効果の付与や、芳香を付与できるようにするため、様々な材質や表面形状などを有する製品や、水などの液体やワックス等を浸み込ませた製品が種々開発されており、多様な商品が市販され使用もされている。
また、上記掃除用シートの開発に加えて、掃除用シートを取り付けるための掃除ヘッドについても、埃やゴミをより捕捉され易いようにするための様々な工夫がされている。特に、掃除ヘッドの、掃除用シートを取り付けて掃除面を形成させる掃除ヘッドの下面の形状について、様々な提案がされている。例えば、特許文献1では、ヘッド部分を、保持板と、該保持板に付設させた弾性体とを備える構造とし、該弾性体の表面に多数の凹凸が形成され、凸部の頂部にくぼみを設けた掃除具が提案されている。また、特許文献2では、掃除ヘッドの下面を覆ってベース体を取り付けた構造にして、該ベース体の下面に、断面が山部と谷部とが交互に連続配置された波形凹凸面部を備えるものとすることの提案がされている。そして、該波形凹凸面部を、ベース体の全面に波紋状に広がる凹凸面の一部として設け、さらに、該波紋状に広がる凹凸面を、前記ベース体の全面に、円形状又はひし形状に広がる構成にした掃除具を提案している。また、掃除ヘッドの下面と、上記ベース体との間にクッション材を介在させることについての提案もされている。そして、このように構成したことで、清掃具本体の清掃面を覆って装着した清掃シートの広範囲な領域に、塵埃や髪の毛やごみ等の固形物を付着させながら、被清掃面の清掃を効率よく行うことのできる清掃具の提供が可能になるとしている。
しかしながら、本考案者の検討によれば、使い捨ての掃除用シートを取り付けて掃除をする際に本体として家庭などに広く普及されている掃除具製品の多くは、掃除面側となる掃除ヘッドの下面が平坦面である場合が多い。このため、先に挙げた従来技術にあるような特殊な構造の掃除ヘッドを利用することを望む場合には、下面が特殊な構造に形成された掃除ヘッドを有する掃除具を新たに購入する必要がある。
これに対し、本考案者は、これらの製品が家庭用に広く受け入れられた理由は、特に、掃除後に汚れたシートのみを簡単に外して廃棄し、新たな掃除用シートを掃除ヘッドに取り付け直すことで、新たな掃除用具になるという、従来の掃除具にはなかった、掃除用シートを消耗品として使い捨てできるものにした点にあると考えている。すなわち、使用者は、消耗品である掃除用シートの場合は、新たに改良された製品が発売されれば、その製品を購入して掃除に用いて試し、掃除後の床面に、埃やゴミが残らないかの清浄度の確認や、液体が含浸されていることによって得られる床面の艶などの違いをチェックし、その結果に応じて、多種多様な掃除用シートの中から、その都度、自由に選択して適宜な商品を購入し、様々な掃除シートを使用して掃除することが行われている。
一方、掃除具本体は、使用者に、半永久的に使用できる器具であると捉えられており、例えば、上記した従来技術のような掃除ヘッドの下面の形状構造を変更し、機能性を高めた製品が出たとしても、掃除具本体を既に所有している使用者は、使用している掃除具本体を使い捨てにして、新たな掃除具に頻繁に取り換えるといったことを容易にはしない。握り用部材と分離できる構造の掃除ヘッドの場合、掃除ヘッドの部分のみを専用の部品として独立して販売することも可能である。
しかしながら、掃除具の掃除ヘッドは耐久性に優れるため、頻繁に取り換えなければならないような製品ではなく、掃除ヘッド部品を購入し、古い掃除ヘッドを購入した製品に取り換えた場合、使用可能な掃除ヘッドが残るといった問題が生じる。また、部品としての掃除ヘッドは、掃除具全体を買い替えるよりも購入コストを抑えることができるものの、決して安価なものにはできないと予想され、使用者が、掃除具の掃除ヘッドが使える状態にある段階で、新たな掃除ヘッドを購入して交換する需要は低いと考えられる。このように、使用者が求めている掃除ヘッドと該掃除ヘッドに取り付けた握り用部材とを有してなる掃除具の最大の機能は、掃除用シートなどを良好な状態に取り付けて保持することであるとしても過言ではない。
したがって、本考案の目的は、安価で使い易く、特別の構造を要することなく掃除ヘッドに簡便に着脱することができ、さらに、既存の掃除ヘッドの下面を覆うように積層させ、この状態で、従来の掃除ヘッドが有する機能を利用して掃除ヘッドに掃除用シートを取り付けることで、掃除用シートの掃除面を、埃やゴミを、より確実により多く捕捉することができるものに容易に改変できる掃除具用補助具を提供することにある。
上記の目的は、以下の本考案によって達成される。
[1]使用の際に掃除面を形成する側の下面を有する、ほぼ板状の掃除ヘッドと、該掃除ヘッドの、前記掃除面側と反対側の面に設けられた握り用部材とを有してなる掃除具の、前記掃除ヘッドの掃除面を形成するための下面に重ねて着脱自在に装着できるように構成されている掃除具用補助具であって、その形状が、表裏面を有する厚みの薄い板状であり、掃除具に装着した際に、前記裏面は、前記掃除具の掃除面を形成するための下面に重ねた状態で装着されて、該下面のほぼ全てを覆う形状を有してなり、且つ、該裏面の反対側の前記表面上に、互いに間隔をとって配置された複数の突条が設けられており、該突条は、天面に稜線を持つことを特徴とする掃除具用補助具。
[1]使用の際に掃除面を形成する側の下面を有する、ほぼ板状の掃除ヘッドと、該掃除ヘッドの、前記掃除面側と反対側の面に設けられた握り用部材とを有してなる掃除具の、前記掃除ヘッドの掃除面を形成するための下面に重ねて着脱自在に装着できるように構成されている掃除具用補助具であって、その形状が、表裏面を有する厚みの薄い板状であり、掃除具に装着した際に、前記裏面は、前記掃除具の掃除面を形成するための下面に重ねた状態で装着されて、該下面のほぼ全てを覆う形状を有してなり、且つ、該裏面の反対側の前記表面上に、互いに間隔をとって配置された複数の突条が設けられており、該突条は、天面に稜線を持つことを特徴とする掃除具用補助具。
上記本考案の好ましい形態としては、下記の構成のものが挙げられる。
[2]前記稜線の形状が、線状に続く曲面、幅の狭い帯状の平面及び線から選ばれるいずれかである上記[1]に記載の掃除具用補助具。
[3]前記複数の突条は、それぞれ独立に、その短手方向の断面形状が、円環状、楕円環状、及び、円環又は楕円環が、その外径と同一の幅の台に載置された状態の空洞を有する蒲鉾状からなる群から選ばれる少なくともいずれか、或いは、その短手方向の断面形状が、中実の、円形状、楕円形状、及び、円形又は楕円形が、その外径と同一の幅の台に載置された状態の蒲鉾状からなる群から選ばれる少なくともいずれか、或いは、その短手方向の断面形状が、中実の三角、又は、中実の三角と該三角の底辺と同一の幅の台とを組合わせた5角形のいずれか、或いは、その短手方向の断面形状が、中実の台形、又は、中実の台形と該台形の長手の底辺と同一の幅の台とを組合わせた6角形のいずれか、である上記[1]又は[2]に記載の掃除具用補助具。
[4]前記突条の高さが3mm〜15mmである上記[1]〜[3]のいずれかに記載の掃除具用補助具。
[5]前記厚みの薄い板の表裏面の形状が長方形であり、前記表面に配置された複数の突条は、長方形の各辺に対して傾斜して設けられており、且つ、互いの間隔が8mm〜40mmである上記[1]〜[4]のいずれかに記載の掃除具用補助具。
[6]前記互いに間隔をとって配置された複数の突条は、互いにほぼ平行して配置されている上記[1]〜[5]のいずれかに記載の掃除具用補助具。
[2]前記稜線の形状が、線状に続く曲面、幅の狭い帯状の平面及び線から選ばれるいずれかである上記[1]に記載の掃除具用補助具。
[3]前記複数の突条は、それぞれ独立に、その短手方向の断面形状が、円環状、楕円環状、及び、円環又は楕円環が、その外径と同一の幅の台に載置された状態の空洞を有する蒲鉾状からなる群から選ばれる少なくともいずれか、或いは、その短手方向の断面形状が、中実の、円形状、楕円形状、及び、円形又は楕円形が、その外径と同一の幅の台に載置された状態の蒲鉾状からなる群から選ばれる少なくともいずれか、或いは、その短手方向の断面形状が、中実の三角、又は、中実の三角と該三角の底辺と同一の幅の台とを組合わせた5角形のいずれか、或いは、その短手方向の断面形状が、中実の台形、又は、中実の台形と該台形の長手の底辺と同一の幅の台とを組合わせた6角形のいずれか、である上記[1]又は[2]に記載の掃除具用補助具。
[4]前記突条の高さが3mm〜15mmである上記[1]〜[3]のいずれかに記載の掃除具用補助具。
[5]前記厚みの薄い板の表裏面の形状が長方形であり、前記表面に配置された複数の突条は、長方形の各辺に対して傾斜して設けられており、且つ、互いの間隔が8mm〜40mmである上記[1]〜[4]のいずれかに記載の掃除具用補助具。
[6]前記互いに間隔をとって配置された複数の突条は、互いにほぼ平行して配置されている上記[1]〜[5]のいずれかに記載の掃除具用補助具。
[7]前記厚みの薄い板の形状が長方形であり、さらに、その短手方向の断面形状が、表面側に緩やかに膨らんだ円弧状である上記[1]〜[6]のいずれかに記載の掃除具用補助具。
[8]前記円弧の高さが、5mm〜10mmである上記[7]に記載の掃除具用補助具。
[9]前記表面側に緩やかに膨らんだ円弧状が、前記長方形の裏面の長手方向の中央に、高さが5mm〜10mmである突条が、長手方向に連続して取り付けられていることで形成されている上記[7]又は[8]に記載の掃除具用補助具。
[10]前記複数の突条に加えて、さらに、その天面形状が、動物、魚、人形、果物、植物及びキャラクターの何れかである突条を有する上記[1]〜[9]のいずれかに記載の掃除具用補助具。
[11]さらに、前記掃除ヘッドに取り付けるための治具が設けられている上記[1]〜[10]のいずれかに記載の掃除具用補助具。
[8]前記円弧の高さが、5mm〜10mmである上記[7]に記載の掃除具用補助具。
[9]前記表面側に緩やかに膨らんだ円弧状が、前記長方形の裏面の長手方向の中央に、高さが5mm〜10mmである突条が、長手方向に連続して取り付けられていることで形成されている上記[7]又は[8]に記載の掃除具用補助具。
[10]前記複数の突条に加えて、さらに、その天面形状が、動物、魚、人形、果物、植物及びキャラクターの何れかである突条を有する上記[1]〜[9]のいずれかに記載の掃除具用補助具。
[11]さらに、前記掃除ヘッドに取り付けるための治具が設けられている上記[1]〜[10]のいずれかに記載の掃除具用補助具。
本考案によれば、例えば、日頃から利用している既存の掃除具を用いて掃除する場合に、掃除用シートを装着させた掃除面を、簡便な方法で速やかに、掃除シートの掃除面の全面にわたって、より埃やゴミを捕捉し易い構造に改変させることができる使い易い掃除具用補助具が提供される。また、本考案によれば、日頃から利用している既存の掃除具における掃除用シートを装着させた掃除面を、掃除する箇所に存在しているゴミや埃の種類の違いに、より適合した構成のものに簡便に変化させることができる、或いは、掃除する床面や畳面などの表面形状に、より適合した構成のものに簡便に変化させることができる、実用性に富んだ掃除具用補助具が提供される。本考案によれば、上記した実用性に富んだ掃除具用補助具を提供すること、加えて、使用者へのコスト的な負担をできるだけ低減した、着脱自在で使い易い、埃やゴミを、掃除シートの掃除面の全面にわたってより確実により多く捕捉することが可能な利便性の高い掃除具の実現が可能になる。
以下、本考案の掃除具用補助具の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら具体的に説明する。本考案はこれに限定されるものではない。本考案の掃除具用補助具は、例えば、図1に示したように、掃除の際に、掃除具の掃除ヘッドの握り用部材を取り付けるのとは反対側の面に、すなわち、掃除シートを積層させて掃除面を形成するための下面に、該下面を覆うように重ねて配置した状態にして、掃除ヘッドに取り付けて使用される。
本考案の掃除具用補助具を、重ねて配置した状態で掃除ヘッドに固定して一体化させる方法としては、特に限定されず、例えば、下記に述べるようにすれば、本考案の掃除具用補助具に特に取り付け具が無い状態でも容易に取り付けることができる。まず、本考案の掃除具用補助具を取り付ける対象の、従来より使用されている既存の掃除具は、掃除ヘッドの掃除面となる下面に掃除用シートを被せ、掃除ヘッドの握り用部材側の面に設けられている掃除用シートを固定するために設けた、切り込みや取り付け具などを用いて、掃除用シートの四隅を固定して、この状態で掃除を行い、掃除シートに埃やゴミを捕捉させる構成のものである。このため、図1に示したように、掃除の際に、掃除ヘッドの下面に本考案の掃除具用補助具を重ね、この状態でさらに掃除用シートを重ねて、掃除ヘッドの握り用部材側の面に設けられている掃除用シートを固定するための切り込みなどによって掃除用シートを固定すれば、掃除ヘッドに、本考案の掃除具用補助具を介して掃除シートが取り付けられた状態の掃除面を容易に形成することができる。本考案者の検討によれば、掃除ヘッドに本考案の掃除具用補助具を重ねた状態にして、例えば、輪ゴムをかければ、掃除シートが取り付ける前の状態においても、掃除ヘッドに本考案の掃除具用補助具を重ねた状態にして容易に一体化することができる。
本考案者の検討によれば、本考案の掃除具用補助具を構成している「互いに間隔をとって配置された複数の突条」を、図1に示したように、板の辺に対して傾斜した状態で配置させる構成とすれば、先述したように輪ゴムで固定させた場合に、輪ゴムが、隣接する突条のそれぞれに接した状態で安定して速やかに固定されるので、掃除ヘッドの下面に本考案の掃除具用補助具を重ねた状態で、より容易に一体化することができる。例えば、輪ゴム1本で、本考案の掃除具用補助具を掃除ヘッドに重ねた状態にして一体化させることも可能である。勿論、本考案の掃除具用補助具に、重ねた状態にして掃除ヘッドと一体化するための取付具を予め設けた構成としてもよい。例えば、両面テープで取り付けるようにすることも有効である。
本考案の掃除具用補助具は、図1に示したように、全体形状が、表裏面を有する厚みの薄い板状であり、さらに、掃除具に装着した際に、掃除具の掃除面を形成するための掃除ヘッドの下面に重なる状態で装着されて、該下面のほぼ全てを覆う形状を有してなり、且つ、掃除面となる側の面上に、互いに間隔をとって配置された複数の突条が設けられており、該突条を、天面に稜線を持つ構成としたことを特徴とする。ここで、突条とは、細長く、平面方向に延びる突出部を意味する。突条の具体例については後述する。
本考案の掃除具用補助具は、先に述べたように、掃除具の掃除ヘッドの下面に重ねて取り付けて使用するものであるので、基本的には、掃除ヘッドと同様の形状、或いは、相似形状のものであることが好ましい。本考案の掃除具用補助具は、少なくとも、掃除ヘッドの下面に重ねて取り付けた状態で、掃除ヘッドの下面のほぼ全てを覆う形状を有するものであればよい。具体的には、本考案の掃除具用補助具を重ねた場合に、掃除ヘッドの下面の面積の、例えば、80%〜90%以上を覆う状態のものであればよく、勿論、掃除ヘッドの下面よりも大きいものであってもよい。しかし、大き過ぎると、掃除具の掃除ヘッドに、本考案の掃除具用補助具を安定して重ねて固定できなくなるので、大きくするとしても、掃除ヘッドの各辺に比べて、例えば、1〜3cm程度大きくするとよい。特に長手方向の辺の長さを掃除ヘッドよりも長くすれば、取り付ける掃除シートの掃除面を、より効果的に利用できるようになる。
上記したような理由から、本考案の掃除具用補助具の全体形状は、図1に示したように、従来の掃除ヘッドと同様に、長方形であることが好ましい。また、本考案の掃除具用補助具は、掃除具の掃除ヘッドに重ねて一体化して使用するものであるので、後述する突条を保持できるものであれば足りるので、厚みの薄い板状のものであればよい。厚みとしては、特に限定されず、材質にもよるが、例えば、1〜10mm程度、1〜5mm程度、さらには2〜4mmの厚みとすることも好ましい形態である。また、段ボール構造を有する板であってもよい。段ボール構造を有する板を用いることで、本考案の掃除具用補助具を、同様の厚みの板を用いた場合と比較して、強度に優れ、軽量の製品にすることができる。
しかし、本考案の掃除具用補助具は、特に高い強度を要求されるものではないので、板の材質も特に限定されず、例えば、各種の汎用の合成樹脂や再生樹脂や合成紙や板紙や段ボールなどを適宜に使用することができる。好ましくは、後述する表面に配置させる突条を、表面に固定して保持し易い材料を用いるとよい。
次に、図面を参照して、掃除具の掃除ヘッドの掃除面を形成するための下面に本考案の掃除具用補助具を重ねた状態で取り付けることで、上記掃除ヘッドの下面に換えて、新たな機能性が付与された掃除面を形成することが可能になる、本考案の掃除具用補助具を特徴づける突条について説明する。先に述べたように、突条とは、細長く、平面方向に延びる突出部を意味する。本考案を構成する複数の突条は、互いに間隔をとって複数配置されており、さらに、それぞれの突条は、天面に稜線を持つことを特徴とする。該稜線が、線状に続く曲面、幅の狭い帯状の平面及び線から選ばれるいずれかであることが好ましい。複数の突条を間隔あけて配置させたことで、複数の突条を設けた面は、例えば、図1に示したような形態になる。図1に示した例では、各突条が長方形の面の各辺に対してそれぞれ同じ角度で傾斜して設けられており、また、突条同士が互いに平行して配置されている。しかし、本考案は、これに限定されず、図2(D)に示したように、長方形の面の短い辺に対して、各突条がそれぞれ平行した位置に配置されるように構成してもよい。
また、図2(A)〜(C)に例示したように、各突条を、長方形の面の各辺に対して傾斜して設ける場合、複数の突条の突条同士の間隔や、傾斜角度は、適宜に決定することができる。傾斜の方向も、図2(A)及び(B)に例示したように、複数の突条を全て同一の方向に傾斜させた構成としても、図2(C)に例示したように、異なる方向に傾斜させた突条を適宜に組合わせた構成としてもよい。いずれにしても、本考案を構成する複数の突条は、突条同士が間隔をとって配置されており、且つ、これらの突条が、天面に稜線を持つもので構成されているとした要件を具備すればよい。上記要件を満たせば、複数の突条のそれぞれの傾斜角度は、全てが同一であっても、異なっていてもよい。上記稜線は、線状に続く曲面、幅の狭い帯状の平面及び線から選ばれるいずれかであることが好ましい。
上記したような構成で、面上に複数の突条を設けた場合の突条同士の間隔(図3の上段の図中に矢印aで示した)は、特に限定されないが、例えば、突条の幅bにもよるが、aを、8mm〜40mm程度、或いは、10mm〜25mm程度とするとよい。複数の突条同士の間隔を広めの構成とした場合は、下記のようにして掃除することで、より確実に、掃除シートの全面に埃やゴミを付着させることが可能になる。すなわち、本考案の掃除具用補助具を介して掃除シートを掃除ヘッドに取り付けて掃除を行い、掃除の途中で、掃除シートを、隣接する突条同士の間隔aの半分程度、本考案の掃除具用補助具の長手方向にスライドさせて取り付け直し、この状態で掃除を再開すれば、より確実に、掃除シートの全面に埃やゴミを捕捉させることが可能になる。
本考案の掃除具用補助具を構成する複数の突条は、例えば、図3の(A)〜(H)に示したように、突条の天面に、稜線を持つものであればよく、その他は特に限定されない。本考案者の検討によれば、図3の(A)中に示した突条の高さhは、3mm〜15mm程度であることが好ましい。すなわち、突条と呼べる高さを有する必要があり、例えば、4mm〜10mm程度、4mm〜8mm程度であればよい。本考案者の検討によれば、従来製品は、掃除ヘッドの下面に多数の凹凸が設けられているものの、その凹凸の高さや溝の深さが本考案の補助具に比べて格段に小さいため、掃除シートを取り付けて掃除した場合に、掃除シートの厚さに凹凸を設けたことによる効果が減殺されて、フラットな状態になるため、掃除シートの中央部などでは埃やゴミが、十分に捕捉されていなかったと考えられる。
これに対して、本考案の掃除具用補助具を用いた場合では、図6に示したように、掃除後の掃除シートには、突条の稜線及び稜線の周辺に沿って確実に埃やゴミが捕捉された状態になることがわかった。本考案者は、その理由を、下記のように考えている。まず、掃除面に突条を設けて、該突条を天面に稜線を持つ構成にし、さらに、複数の突条同士の間隔を広くとったことで、必ず床面と突条の天面が接地できるようになることがわかった。ここで、従来の掃除具で経験されているように、埃やゴミは、掃除シートの縁部に多く捕捉され、中央部にはあまり捕捉されない。これに対し、本考案の掃除具用補助具では、床面と突条の天面が必ず接地でき、しかも、隣接する突条同士の間隔を広くとったことで、掃除面の端部において、突条同士の間に開口した直線状に続く谷部が形成され、これが通路となって、掃除面の端部で多く捕捉された埃やゴミ等が端部に留まらずに、この谷部を通過して掃除面の中央にまで到達し、突条の天面が、例えば、線状に続く曲面や、幅の狭い帯状の平面や、線である稜線を持つので、図6に示したように、複数の突条に沿って一様な状態で埃やゴミがしっかりと捕捉された状態にできたものと考えている。この結果、本考案の掃除具用補助具を使用することで、掃除シートの縁部だけでなく、掃除面の突条がある部分、突条の周辺に、埃やゴミが捕捉され、掃除シートの全面に埃やゴミが付着させることが実現された。先に述べた従来製品の場合は、上記したような、掃除面の端部に、開口した通路と呼べる状態が形成されないので、掃除面の端部で捕捉された埃やゴミが掃除シートの端部に留まってしまい、中央部へ移動する量が少ないため、掃除シートの中央部分における埃やゴミの捕捉が少なかったものと推論される。
本考案の掃除具用補助具を特徴づける突条は、天面に稜線を持つものであればよく、突条と呼べる高さを有するものであれば、いずれであってもよい。具体的には、例えば、図3の(A)、(B)、(E)に示したように、短手方向の断面形状が、円環状、楕円環状、及び、円環又は楕円環が、その外径と同一の幅の台に載置された状態の空洞を有する蒲鉾状からなる群から選ばれる少なくともいずれかであればよい。或いは、例えば、図3の(C)、(D)、(F)に示したように、その短手方向の断面形状が、中実の、円形状、楕円形状、及び、円形又は楕円形が、その外径と同一の幅の台に載置された状態の蒲鉾状からなる群から選ばれる少なくともいずれか、であればよい。或いは、例えば、中実の三角(不図示)、中実の三角と該三角の底辺と同一の幅の台とを組合わせた5角形(図3の(G)参照)のいずれか、或いは、その短手方向の断面形状が、中実の台形(不図示)、中実の台形と該台形の長手の底辺と同一の幅の台とを組合わせた6角形(図3の(F)参照)のいずれかであればよい。
図3の(A)及び(B)に示したような、突条の断面形状が円環状や楕円環状の環状である本考案の掃除具用補助具は、図1に示したように、例えば、複数本のストローを、互いに間隙をとって横に寝かした状態に配置し、面上に固定することで、容易に作製することができる。また、図3の(C)及び(D)に示したような、突条の断面形状が、中実の円形状や楕円形状である本考案の掃除具用補助具は、複数本の丸棒等を使用して、上記したと同様の方法で得ることができる。面上に固定する方法は特に限定されず、接着剤による接着や、溶着させるなどの方法で適宜に行えばよい。図3の(E)及び(F)に示したような、突条の断面形状が、所謂、蒲鉾状である本考案の掃除具用補助具の場合、或いは、図3の(G)及び(H)に示したような、突条の断面形状が、5角形や6角形である本考案の掃除具用補助具の場合は、一体成型することも可能であるので、大量生産できるという利点がある。本考案の掃除具用補助具を構成する突条を、図3の(A)、(B)及び(E)に示したような空洞のある形態にすれば、製品をより軽量化することができる。また、掃除面に弾力を与えることもできる。
図3の(A)〜(F)に例示した本考案の掃除具用補助具を構成する突条は、その天面を形成する稜線が、線状に続く曲面で構成されているため、掃除具の掃除ヘッドに本考案の掃除具用補助具を介して掃除シートを取り付けた状態にして、掃除具の握り用部材をもって使用者が床などの掃除を行った場合に、床面に対する当たりが柔らかい感じになり、掃除ヘッドをスムーズに滑らせて掃除をすることができることを確認した。
図3の(G)に例示した本考案の掃除具用補助具を構成する突条は、その天面を形成する稜線が直線になる。また、図3の(H)に例示した本考案の掃除具用補助具を構成する突条は、その天面を形成する稜線が幅の狭い帯状の平面になる。本考案者の検討によれば、このように構成された突条を有する本考案の掃除具用補助具は、例えば、畳面や、籐(ラタン)で編んだ床面などの、細かい畝をもつような床面の掃除に適している。この際の稜線を構成する幅の狭い帯状の平面の幅としては、例えば、2〜7mm程度、3〜5mm程度であればよい。
先述したように、本考案者が、掃除後の掃除シートを観察した結果、本考案の掃除具用補助具を介して床面に当接させた掃除シートには、掃除シートの全面にわたって埃やゴミが付着した状態になった。具体的には、図6に示したように、特に、複数の突条がある、突条の部分と突条が配置されている周辺に、確実に多くの埃やゴミが付着した状態になった。これに対し、従来の平坦な面の掃除ヘッドに掃除シートを取り付けて掃除した場合は、掃除シートの縁の部分に埃やゴミが付着するものの、その他の部分には殆ど付着しなかった。
また、先に従来技術として挙げた特許第5307840号公報の実施品である製品の、波紋状に広がる凹凸面が、全面に円形状に広がる掃除面(下面)を有する掃除ヘッドを用いて掃除をして、本考案の掃除用補助具と比較した結果、下記のことが確認できた。従来技術の実施品を用いて掃除した場合、先に述べた下面が凹凸のない平坦面である従来の掃除ヘッドを用いて掃除した場合の掃除後の掃除シートに比べて、掃除シートの全面で埃が捕捉されるようになることが確認できた。しかし、下面に波紋状に広がる凹凸のある従来の掃除具を使用した場合は、上記した特許公報の図11にあるのと同様に、掃除後の掃除シートは、凸部のある部分に付着する埃やゴミが、本考案の掃除用補助具を介して掃除シートを取り付けて掃除した場合に比べて少なかった。本考案者は、この理由を、先に述べたように、本考案の掃除用補助具を用いた場合は、掃除面の端部で捕捉された埃やゴミが、隣接する突条同士が間隙をとって配置されているため、開口した直線状の谷部が形成されて、この谷部の存在により中央に移動し易くなり、しかも突条の天面が稜線になっているため、突条がある全ての部分及びその周辺に確実に埃やゴミを付着させることができたものと考えている。これに対し、従来製品では、掃除ヘッドの下面に、多数の凹凸を複雑に配置して設けているものの、掃除シートの掃除面の端部で捕捉された埃やゴミが、掃除シートの中央に容易に移動する構造にはなっていないため、全面に凸部が設けられていても、掃除シートの全面で一様な状態に埃やゴミが凸部に付着できなかったものと推測される。
上記したことから、本考案の掃除用補助具は、図3の上段図中にaで示したように、本考案を特徴づける複数の突条を、互いの間隔aが8mm〜40mmになるようにして配置することが好ましい。間隔aが狭すぎると突条と言えないものになる。また、間隔aを広くしすぎると、突条及びその周辺に埃やゴミを付着できたとしても、突条によって埃やゴミを付着できない部分が生じるおそれがある。しかし、このような、隣接する突条同士の間隙に付着する埃やゴミが少ない場合には、先に説明したように、掃除シートを掃除の途中でスライドさせて、埃やゴミが少ない部分に、本考案を構成する突条が配置されるようにすれば、掃除シートの全面にわたって埃やゴミを付着させることができるようになる。このような手間をかけないようにするためには、本考案の掃除用補助具は、図3の上段図中にbで示した突条の幅にもよるが、例えば、間隔aを8mm〜20mm、或いは、8mm〜15mm程度とするとよい。
本考案の掃除用補助具は、図2の(A)〜(D)に示したように、互いに間隔をとって配置された複数の突条が、互いにほぼ平行して配置されていることが好ましい。互いにほぼ平行して配置されている複数の突条は、図2の(A)〜(C)に示したよう、掃除ヘッドに取り付けた状態で各辺に対して傾斜した状態に配置されていることが好ましい。本考案者の検討によれば、図2の(A)〜(C)に示したよう、複数の突条を傾斜した状態になるように配置させることで、掃除シートを取り付けて握り用部材を持って床面などの掃除をすると、床面に対して掃除具を抵抗なく円滑に動かすことができ、しかも、それぞれの突条及びその周辺に、埃やゴミをより効果的に付着させることができる。傾斜させる角度は特に限定されないが、たとえば、なす角が、40〜60°程度にすることが好ましい。
本考案の掃除用補助具は、図1及び図5に示したように、突条を取り付ける厚みの薄い板の形状が長方形であり、さらに、その短手方向の断面形状が、表面側に緩やかに膨らんだ円弧状であるように構成することが好ましい。そして、図5の(b)に矢印で示した円弧の高さが、5mm〜10mmであるようにすることが好ましい。例えば、7mm程度にすることが好ましい。また、突条を取り付ける板を、突条を取り付ける表面側に緩やかに膨らんだ円弧状にする方法は特に限定されない。例えば、本考案の掃除用補助具と掃除シートとを、掃除具の掃除ヘッドに取り付けた状態を掃除具の側面側からみた図5の(a)、その際に用いた本考案の掃除用補助具の図4部分拡大図に示したように、突条を取り付ける板の、突条を取り付ける面の反対側の面(裏面)の長手方向の中央に、高さが5mm〜10mmである突条を長手方向に連続して取り付けることで形成できる。また、上記に限らず、図5の(c)に示したように、突条を取り付ける板の形状を、突条側の面が緩やかに膨らんだ円弧状の状態にすることも好ましい形態である。このように構成することで、本考案の掃除用補助具を用いて掃除をした後の掃除シートは、突条が配置されている部分及び突条の周辺部分に、より確実に、より安定して、埃やゴミを付着させることができるものになる。
本考案の掃除用補助具は、さらに、前記したような複数の突条に加えて、さらに、その天面形状が、動物、魚、人形、果物、植物及びキャラクターの何れかである突条を有する構成とすることも好ましい形態である。この場合も、突条の天面を稜線が形成される形態にすれば、掃除した後の掃除シートにおいて、天面形状がキャラクターなどである突条が配置されている部分及び突条の周辺部分に付着させた埃やゴミで、動物、魚、人形、果物、植物及びキャラクターなどの模様を浮かび上がらせることが可能になる。このような仕掛けがされた本考案の掃除用補助具を利用することで、子供達が楽しく床掃除をすることが予想される。
Claims (11)
- 使用の際に掃除面を形成する側の下面を有する、ほぼ板状の掃除ヘッドと、該掃除ヘッドの、前記掃除面側と反対側の面に設けられた握り用部材とを有してなる掃除具の、前記掃除ヘッドの掃除面を形成するための下面に重ねて着脱自在に装着できるように構成されている掃除具用補助具であって、
その形状が、表裏面を有する厚みの薄い板状であり、
掃除具に装着した際に、前記裏面は、前記掃除具の掃除面を形成するための下面に重ねた状態で装着されて、該下面のほぼ全てを覆う形状を有してなり、且つ、該裏面の反対側の前記表面上に、互いに間隔をとって配置された複数の突条が設けられており、該突条は、天面に稜線を持つことを特徴とする掃除具用補助具。 - 前記稜線の形状が、線状に続く曲面、幅の狭い帯状の平面及び線から選ばれるいずれかである請求項1に記載の掃除具用補助具。
- 前記複数の突条は、それぞれ独立に、その短手方向の断面形状が、円環状、楕円環状、及び、円環又は楕円環が、その外径と同一の幅の台に載置された状態の空洞を有する蒲鉾状からなる群から選ばれる少なくともいずれか、或いは、その短手方向の断面形状が、中実の、円形状、楕円形状、及び、円形又は楕円形が、その外径と同一の幅の台に載置された状態の蒲鉾状からなる群から選ばれる少なくともいずれか、或いは、その短手方向の断面形状が、中実の三角、又は、中実の三角と該三角の底辺と同一の幅の台とを組合わせた5角形のいずれか、或いは、その短手方向の断面形状が、中実の台形、又は、中実の台形と該台形の長手の底辺と同一の幅の台とを組合わせた6角形のいずれか、である請求項1又は2に記載の掃除具用補助具。
- 前記突条の高さが3mm〜15mmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の掃除具用補助具。
- 前記厚みの薄い板の表裏面の形状が長方形であり、前記表面に配置された複数の突条は、長方形の各辺に対して傾斜して設けられており、且つ、互いの間隔が8mm〜40mmである請求項1〜4のいずれか1項に記載の掃除具用補助具。
- 前記互いに間隔をとって配置された複数の突条は、互いにほぼ平行して配置されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の掃除具用補助具。
- 前記厚みの薄い板の形状が長方形であり、さらに、その短手方向の断面形状が、表面側に緩やかに膨らんだ円弧状である請求項1〜6のいずれか1項に記載の掃除具用補助具。
- 前記円弧の高さが、5mm〜10mmである請求項7に記載の掃除具用補助具。
- 前記表面側に緩やかに膨らんだ円弧状が、前記長方形の裏面の長手方向の中央に、高さが5mm〜10mmである突条が、長手方向に連続して取り付けられていることで形成されている請求項7又は8に記載の掃除具用補助具。
- 前記複数の突条に加えて、さらに、その天面形状が、動物、魚、人形、果物、植物及びキャラクターの何れかである突条を有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の掃除具用補助具。
- さらに、前記掃除ヘッドに取り付けるための治具が設けられている請求項1〜10のいずれか1項に記載の掃除具用補助具。
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