JP3231624B2 - Gps受信機 - Google Patents

Gps受信機

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JP3231624B2
JP3231624B2 JP14646496A JP14646496A JP3231624B2 JP 3231624 B2 JP3231624 B2 JP 3231624B2 JP 14646496 A JP14646496 A JP 14646496A JP 14646496 A JP14646496 A JP 14646496A JP 3231624 B2 JP3231624 B2 JP 3231624B2
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S19/00Satellite radio beacon positioning systems; Determining position, velocity or attitude using signals transmitted by such systems
    • G01S19/01Satellite radio beacon positioning systems transmitting time-stamped messages, e.g. GPS [Global Positioning System], GLONASS [Global Orbiting Navigation Satellite System] or GALILEO
    • G01S19/13Receivers
    • G01S19/24Acquisition or tracking or demodulation of signals transmitted by the system
    • G01S19/30Acquisition or tracking or demodulation of signals transmitted by the system code related

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Position Fixing By Use Of Radio Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、測位衛星の信号を
受信し位置を測定するGPS(Global Positioning Sy
stem)受信機に関し、特に、短時間で精度良く位置測定
ができるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】GPS受信機は、米国が運用しているN
AVSTAR衛星や、ロシア共和国が運用しているGL
ONASS衛星などから送信されるスペクトル拡散信号
の位相を測定し、また、衛星信号が示す時刻を測定する
ことにより、受信位置を算出する。このGPS受信機
は、近年、カーナビゲーションシステムや、船舶の航法
装置、航空機の航法装置の位置センサーとして広く利用
されている。また、この受信機は、位置の測量や距離の
測定などを行なう計測器にも利用することができ、この
明細書では、こうした各種の用途に使用されるものをも
含めて「GPS受信機」と言うことにする。
【0003】従来のGPS受信機は特開平4―2088
9号、特開平4―269682号に記載されている。G
PS衛星は搬送周波数が1.57542GHzであるス
ペクトル拡散されたGPS衛星信号(L1)を送信して
いる。この信号には、衛星毎に固有のC/Aコードと呼
ばれる疑似雑音符号と、50bpsのデータとが位相変
調されて含まれている。
【0004】GPS受信機は、図14に示すように、G
PS衛星1の電波を受ける無指向性アンテナ2と、周波
数1.57542GHzで帯域幅が30MHzの衛星信
号を濾波する帯域フィルタ3と、周波数1.57542
GHz帯の増幅器4と、1.624524GHzの局部
信号を発生する局部発振器5と、この出力信号と衛星信
号とを混合し中間周波信号を出力する混合器6と、混合
器6が出力する49.104MHzを中心とする中間周
波信号の帯域を10MHzに制限する帯域フィルタ7
と、第一中間周波信号を増幅する増幅器8と、第一中間
周波信号を基準電位と比較して2値のデジタル信号に変
換する比較器9と、2値化した第一中間周波信号を6
5.472MHzの周波数で標本化するラッチ10と、6
5.472MHzのタイミング信号を分周して直交した
16.368MHzの局部信号を発生する局部発振器11
と、局部発振器11の出力と標本化された信号とを混合し
て基底帯域の信号を生成する混合器12と、16.368
MHzで標本化された信号に標本化周波数を下げる低域
フィルタ13と、16.368MHzの基準クロックを発
生する基準発振器14と、基準発振器14の出力を4逓倍す
るPLL発振器から成る逓倍器15と、複数の衛星につい
てそれぞれ固有の疑似雑音符号を発生する疑似雑音発生
器16と、複数の衛星それぞれについて、衛星信号と疑似
雑音発生器16の出力とを混合し、一定期間、時間積分し
て相関を求める相関器17と、衛星毎に時間積分した相関
器17の出力を時間順次で切り換えて出力するスイッチ18
と、衛星信号の搬送波に追尾した再生搬送波を、衛星毎
に時間順次で出力する数値制御発振器19と、各衛星につ
いて順次、相関器17の出力信号を直交周波数変換し、相
関器17の出力信号から搬送波成分を取り除く混合器20
と、混合器20の出力IとQとを順次切り換えて出力する
スイッチ21と、混合器20の出力を衛星ごとに累積加算す
るための累積加算器を構成する加算器22とRAM(ラン
ダムアクセスメモリ)23と、この衛星信号ごとに同相成
分と直交成分とを累積加算した結果を用いて、衛星信号
に追尾するように疑似雑音発生器16と数値制御発振器19
とを制御するマイクロプロセッサを使った制御回路24と
を備えている。
【0005】このGPS受信機は次のように動作する。
まず、複数のGPS衛星1の電波をアンテナ2で受け
る。次に、受けた信号よりフィルタ3で不要な信号を除
き、増幅器4で増幅する。さらに、局部発振器5、混合
器6及びフィルタ7で構成する周波数変換回路により中
心周波数49.104MHzを有する第一中間周波信号
に周波数変換する。
【0006】次に、この第一中間周波信号を増幅器8で
増幅及び振幅制限した後、比較器9で2値のロジック信
号に変換する。この2値化した信号を、ラッチ10におい
て、4逓倍器15が出力する65.472MHzのクロッ
ク信号で標本化する。これ以降は全ての信号を離散値と
して、ロジック回路または演算回路で信号処理すること
になる。
【0007】この標本化において、第一中間周波信号
と、標本化周波数との干渉を利用し、16.368MH
zを中心とする第二中間周波信号に周波数変換する。標
本化した信号は、局部発振器11が出力する16.368
MHzのI信号と、I信号に対し90°位相の異なるQ
信号とによって、直交周波数変換する。この変換で基底
帯域に周波数変換した信号I,Qの標本化周波数を、フ
ィルタ13で16.368MHzに下げる。
【0008】この基底帯域に周波数変換した衛星信号
I,Qは、さらに、受信する衛星毎に独立した信号処理
が行なわれる。
【0009】疑似雑音発生器16は、受信する衛星それぞ
れについて、前記C/Aコードと呼ばれる疑似雑音符号
を出力する。この疑似雑音符号と前記基底帯域に周波数
変換した信号I,Qとを、衛星毎に相関器17によって混
合し、相関を求める。疑似雑音符号の位相は、信号処理
の基準クロックである16.368MHzのタイミング
を単位として量子化され、この量子化された値が疑似雑
音発生器16に設定される。
【0010】相関器17は、受信信号と疑似雑音符号とを
混合した後、数百KHzの標本化周波数まで時間積分に
よって平滑化し、後に詳述する信号AI、AQ、BI、BQ
を出力する。
【0011】数値制御発振器19は、それぞれの衛星につ
いての再生搬送波を発振し、直交した出力信号I及びQ
を出力する。この出力によって混合器20は平滑化した相
関器17の出力信号を直交周波数変換し、出力信号から搬
送波成分を取り除く。この周波数変換では、入力信号の
標本化周波数が低くなっているので、複数の衛星につい
て時分割で処理する。
【0012】混合器20が出力する同相成分Iと直交成分
Qとは、スイッチ21により時間順次信号に変換される。
そして、加算器22とRAM23とで構成する累積加算器
は、衛星毎に混合器20の出力I及びQを累積加算し、相
関結果を出力する。
【0013】信号AI、AQを周波数変換し累積加算した
値を相関結果PI、PQとし、信号BI、BQを周波数変換
し累積加算した値を相関結果DI、DQとする。加算する
期間はC/Aコードの始まりから終わりまでの1mse
cを1区間としてその整数倍とする。制御部24は、相関
結果PQ成分の振幅が小さくなるように数値制御発振器1
9を制御することによって、衛星信号の搬送波を追尾す
る。さらに、相関結果DI成分の振幅を調べ、この振幅
が小さくなるように、疑似雑音発生器16の位相を変える
ことにより、衛星信号の疑似雑音を追尾する。
【0014】さらに制御部24は、相関結果のPI成分の
正負を判別することによって、50bpsのデータを復
調する。そして、衛星信号の疑似雑音符号の位相を、疑
似雑音発生器16に設定している位相を読み取ることによ
り測定し、データの伝送タイミングと組み合わせて、衛
星が電波を発射した時刻を求める。さらに制御部24は、
複数の衛星について受け取った軌道情報や時刻情報と測
定した時刻とを使って、受信機のアンテナ位置を演算に
より求め、外部へ出力する。
【0015】図15は相関器17の詳細な構成を示してい
る。この相関器17は、疑似雑音発生器16が発生する疑似
雑音符号に対し、基準クロックにおいて8個先行したタ
イミング信号を合図に計数を始め、先行する疑似雑音符
号のタイミングを発生するカウンタ25と、カウンタ25と
同様な方法で疑似雑音発生器16の疑似雑音符号と同じタ
イミングを発生するカウンタ26と、カウンタ26が出力す
るタイミング信号より計数を始め、後行する疑似雑音符
号のタイミングを発生するカウンタ27と、カウンタ25、
26、27のそれぞれから出力されるタイミングで、疑似雑
音発生器16が発生する疑似雑音符号を順次保持するDラ
ッチ28、29、30と、ラッチ28と30との出力の差に応じた
振幅を出力する減算器31と、ラッチ29が出力する疑似雑
音符号とフィルタ13の出力とを混合する混合器32と、フ
ィルタ13の出力と減算器31の出力とを混合する混合器33
と、混合器32、33の出力をそれぞれ時間積分し、標本化
周波数が数百KHzに相当する平滑化した信号AI
Q、BI、BQを出力する累積加算器から成るフィルタ3
4、35とを具備している。
【0016】この相関器17は次のように動作する。ラッ
チ29から出力される疑似雑音符号が、受信している衛星
信号の疑似雑音符号と符号の種類において一致し、その
位相において略一致しているものとする。このとき受信
しているスペクトル拡散された衛星信号は、混合器32に
おいて逆拡散され、50bpsでBPSK(binary phas
e shift keying)変調された位相変調信号を得る事がで
きる。混合器32は、ラッチ29の出力が0の場合には入力
信号を正負反転して出力し、1の場合には入力信号をそ
のまま出力する。この出力は、さらにフィルタ34で平滑
化され、信号AI、AQとして出力される。
【0017】この信号AI、AQは、その後、混合器20で
周波数変換され、加算器22で累積加算されてPI、PQ
成る。制御器24は、得られた相関結果の直交成分PQ
使って、PQが小さくなるように数値制御発振器19を制
御し、衛星信号の搬送波を追尾する。また、同相成分P
Iを使って、衛星からBPSK変調で送られる50bp
sのデータを復調する。
【0018】一方、ラッチ28から出力される先行する疑
似雑音符号と、ラッチ30から出力される後行する疑似雑
音符号とは、ラッチ29から出力される一致したタイミン
グに相当する疑似雑音符号に対して、それぞれ同じ幅Δ
だけ前及び後になるように、制御部24がカウンタ25、27
を制御する。Δが8であれば、先行と後行との疑似雑音
符号のタイミング差は基準クロック16個となり、疑似
雑音符号1チップに相当する。減算器31は、ラッチ28及
びラッチ30の出力に応じて、表1の信号を出力する。
【0019】 この減算器31の出力とフィルタ13の出力とは、混合器33
で乗算され、フィルタ35で平滑化されて信号BI、BQ
して出力され、その後、周波数変換と累積加算とが行な
われ、相関結果DI、DQに成る。
【0020】図16(a)は、ラッチ29の出力信号を示
しており、図16(b)及び(c)はそれぞれ、先行及
び後行の疑似雑音符号の差Δを8及び2とした場合の減
算器31の出力を示している。
【0021】衛星信号の疑似雑音符号と疑似雑音発生器
16が発生する疑似雑音符号との位相差に対する、相関結
果PI、DIの振幅は図17に示すような関係にある。た
だし、疑似雑音発生器16は衛星信号と同じ疑似雑音符号
を発生しており、数値制御発振器19は衛星信号の搬送波
を追尾しているとする。図17(a)は相関結果PI
振幅であって、位相差±1チップの範囲で位相差の増加
に伴い、振幅が減少している。図17(b)は先行と後
行との疑似雑音符号の差Δを8とした場合の相関結果D
Iの振幅、図17(c)はΔを2とした場合の相関結果
Iの振幅である。図17(b)及び(c)では、PI
信号の正負が一致する場合を正、逆の場合を負としてい
る。制御部24は、(a)の相関結果PIの振幅が大き
く、かつ(b)または(c)の相関結果DIの振幅が小
さくなるように、疑似雑音発生器16の位相を制御する。
こうすることによって、衛星信号の疑似雑音符号の追尾
が可能となる。
【0022】先行と後行との疑似雑音符号の差Δを8と
した場合は、図16(b)と図17(b)とに示すよう
に、受信している衛星信号に乗算する減算器31の出力が
1または−1になっている期間が長いので、大きな相関
結果が得られ、短い時間で雑音の影響を除くことができ
る。Δを2とした場合は、逆に雑音の影響を除くのに時
間がかかるが、位相が変化している領域に限定して測定
するので、位相の変化がより反映された測定結果が得ら
れ、測定時間を長くすれば精度良く衛星信号の疑似雑音
符号に追尾できる。
【0023】そこで、従来のGPS受信機では、衛星信
号を捕らえた初期の段階では、Δを大き目にして、素早
く衛星信号の疑似雑音符号に追尾し、その後徐々にΔを
小さくして追尾精度をさらに高くすることが行なわれて
いる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来のG
PS受信機では、次のような問題点を有している。
【0025】疑似雑音符号の位相測定において、先行と
後行との疑似雑音符号の差Δを時間と共に小さくしてい
るため、高精度の測定を行なうには長い時間が必要とな
る。また、疑似雑音符号の差Δは信号処理のクロック幅
で限定されるので、高精度測定のためには高速のクロッ
クで信号処理を行なわなければならず、低消費電力の設
計ができない。また、疑似雑音符号の差Δを小さくして
測定する場合には、図17(c)の相関結果の振幅特性
が崩れないように、中間周波信号の帯域幅を十分広くし
なければならず、フィルタの仕様が厳しくなる。また、
衛星信号と疑似雑音発生器の疑似雑音符号との位相差を
僅かに前後させて測定するので、マルチパス環境で測定
誤差が増大する。
【0026】本発明は、こうした従来の問題点を解決す
るものであり、短い時間に高い精度で測定することがで
き、また、中間周波信号のフィルタ特性を厳密に管理し
なくても、衛星信号と疑似雑音発生器の疑似雑音符号と
の位相差を精度良く測定することができるGPS受信機
を提供することを目的としている。
【0027】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明のGPS
受信機では、衛星信号の搬送波に追尾する再生搬送波の
位相変化に応じて疑似雑音発生器の位相を制御すること
により、衛星信号に含まれる疑似雑音符号と疑似雑音発
生器から発生される疑似雑音符号との位相差を一定に保
ち、また、疑似雑音発生器から発生される疑似雑音符号
の立ち上がりまたは立ち下がりにタイミングを合わせ
て、その前後の衛星信号の振幅を標本化し、その振幅の
0クロスするタイミングと疑似雑音発生器の疑似雑音符
号の立ち上がりまたは立ち下がりタイミングとの差から
両者間の位相差を求めている。衛星信号に含まれる疑似
雑音符号の位相は、この位相差と疑似雑音発生器に設定
した位相とを加算して求めることができる。
【0028】この受信機では、短い時間で位相差を測定
することができ、また、中間周波信号回路のフィルタに
対する要求も厳しくない。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、衛星信号の搬送波に追尾する再生搬送波を発生する
発振器と、衛星固有の疑似雑音符号を発生する疑似雑音
発生器とを備えるGPS受信機において、前記発振器の
位相変化に応じて疑似雑音発生器の位相を制御し、衛星
信号に含まれる疑似雑音符号と疑似雑音発生器から発生
される疑似雑音符号との位相差を一定に保つように制御
する制御手段と、疑似雑音発生器から発生される疑似雑
音符号の立ち上がりまたは立ち下がりと関連付けたタイ
ミングを発生するタイミング発生手段と、タイミング発
生手段が発生するタイミングに合わせて衛星信号の振幅
を標本化する標本化手段と、標本化手段によって標本化
された信号を累積加算する累積加算手段と、累積加算手
段の累積加算結果を使って衛星信号に含まれる疑似雑音
符号と疑似雑音発生器から発生される疑似雑音符号との
位相差を算出する算出手段とを備え、この算出手段で求
めた位相差と疑似雑音発生器に設定した位相とを加算し
て、衛星信号に含まれる疑似雑音符号の位相を測定する
ように構成したものであり、受信信号の立ち上がりまた
は立ち下がり特性を数カ所測定するだけで、衛星信号と
疑似雑音発生器の間の疑似雑音符号の位相差を測定する
ことができる。
【0030】請求項2に記載の発明は、タイミング発生
手段が、2個の連続するタイミングを発生し、累積加算
手段が、それぞれのタイミングに応じて重み付けがされ
た標本化された信号を累積加算するように構成したもの
であり、この2個のタイミングの間にある本来のタイミ
ングにおける累積加算値を、2個のタイミングでの累積
加算値からの補間により求めている。
【0031】請求項3に記載の発明は、タイミング発生
手段が、疑似雑音符号の立ち上がり及び立ち下がりと関
連付けたタイミングを発生し、累積加算手段が、立ち下
がりの区間では反転された標本化された信号を累積加算
するように構成したものであり、標本化された信号の累
積加算回数を2倍にすることができ、S/N比が約3d
B改善する。
【0032】請求項4に記載の発明は、累積加算手段の
累積加算結果を衛星信号から送られるデータの伝送周期
を越える期間累積加算する第2の累積加算手段と、衛星
信号から送られる前記データが負のときに第2の累積加
算手段に入力される累積加算結果の正負を反転する反転
手段とを設けたものであり、累積加算手段の累積加算結
果が、送られて来るデータによって正負反転され、打ち
消されながら第2の累積加算手段で累積加算される。従
って、長時間にわたり平均された測定結果を得ることが
でき、雑音などの影響を排除できる。
【0033】請求項5に記載の発明は、タイミング発生
手段が、複数の連続するタイミングを発生し、累積加算
手段が、標本化の行なわれたタイミングの区別に従って
標本化された信号を累積加算するように構成したもので
あり、複数のタイミングの測定結果を一度に得ることが
でき、また、各タイミングでの測定が同じ信号に対して
行なわれているため、すべてのタイミングの測定結果が
0でないときでも、0を挟む前後のタイミングの測定結
果より、補間法で、0となる位相差を求めることができ
る。
【0034】請求項6に記載の発明は、タイミングの区
別に従って累積加算された累積加算結果の連続する2つ
のタイミングの累積加算結果に対して関連する重み付け
行なう重み付け手段を設け、算出手段が、この重み付け
手段によって関連する重み付けがされた2個の累積加算
結果の加算値を使って前記位相差を算出するように構成
したものであり、隣り合う2個のタイミングの間にある
本来のタイミングにおける各累積加算値を、それらの2
個のタイミングでの累積加算値から補間して求めてい
る。
【0035】請求項7に記載の発明は、タイミングの区
別に従って累積加算された累積加算結果の平均値とこの
タイミングとの関係から求めた疑似雑音符号の位相差変
化に対する衛星信号の振幅特性について記憶する記憶手
段を設け、受信機位置の測定時に測定された振幅特性と
記憶手段に記憶された振幅特性とを比較できるようにし
たものであり、この記憶手段にマルチパスの影響が無い
振幅特性を保存することにより、この比較によってマル
チパスの影響の有無を簡単に評価することができる。
【0036】請求項8に記載の発明は、重み付け手段
が、測定精度の上昇した段階で測定された疑似雑音符号
の位相差と、記憶手段に記憶された振幅特性と、振幅特
性を得るために用いた標本化のタイミングと、これから
測定を行なおうとする測定タイミングとを使って重み付
けの係数を決定するように構成したものであり、精密な
重み付けができるため、測定タイミングと標本化のタイ
ミングとに時間差があるときでも、測定誤差につながら
ない。
【0037】請求項9に記載の発明は、タイミング発生
手段が、疑似雑音符号の立ち上がりまたは立ち下がり時
点から疑似雑音符号の位相差にして約1チップ先行した
付近における振幅特性を測定するように前記タイミング
を発生し、算出手段が、受信機位置の測定時に測定され
た振幅特性の傾きが最も急な部分における接線と、振幅
が0の横軸との交点の位相差またはその交点と一定の関
係にある位相差をそれぞれ求め、衛星信号に含まれる疑
似雑音符号と疑似雑音発生器から発生される疑似雑音符
号との位相差を算出するようにしたものであり、受信信
号の振幅特性の内でマルチパスの影響が比較的少ない部
分で位相差を測定することができる。
【0038】請求項10に記載の発明は、算出手段が、
記憶手段に記憶された振幅特性を基に、受信信号に含ま
れる直接波及び反射波の位相と振幅とを仮定し、直接波
及び反射波により観測されるであろう振幅特性が、実際
の測定値と近くなるように、直接波及び反射波の位相と
振幅とを求めるように構成したものであり、反射波の数
が少なければ、この方法で反射波と直接波とを識別して
測定することができる。
【0039】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図13を用いて説明する。
【0040】(実施の形態1)第1の実施形態のGPS
受信機は、図1に示すように、全体的には従来の装置
(図14)と同じ構造を備えている。
【0041】この受信機において、複数のGPS衛星10
1から受信した信号を周波数49.104MHzの第一
中間周波信号に変換し、比較器109で2値化した後、ラ
ッチ110で標本化し、フィルタ113から基底周波数帯域の
信号を出力するまでの動作は、従来の装置と変わりがな
い。
【0042】このように周波数変換された衛星信号I,
Qに対して、後続する回路で、受信する衛星毎に独立し
た信号処理が行なわれる。
【0043】疑似雑音発生器116は、受信する衛星毎の
固有の疑似雑音符号として、符号速度が1.023Mb
ps、符号長1023チップであって、周期が1mse
cの符号を出力する。この疑似雑音符号は、信号処理の
基準クロックである16.368MHzのタイミング
(疑似雑音符号の16分の1チップに相当)を単位とし
て量子化され、この量子化された値が疑似雑音発生器11
6に設定される。
【0044】相関器117は、受信信号を疑似雑音発生器1
16が発生する疑似雑音符号で逆拡散し、その結果を標本
化周波数が数百KHzに相当するように時間積分して平
滑化した信号AI及びAQと、疑似雑音発生器116が発生
する疑似雑音符号が0から1に変化するタイミングより
δだけ先行または後行するタイミングにおいて受信信号
を標本化し、その値を標本化周波数が数百KHzに相当
する期間積分して平滑化した信号BI及びBQとを出力す
る。
【0045】また、数値制御発振器119は、それぞれの
衛星について再生搬送波信号を発振し、直交した出力信
号I及びQを出力する。混合器120は、この出力信号I
及びQを用いて相関器117の出力信号を直交周波数変換
し、相関器117の出力信号から搬送波成分を取り除く。
この周波数変換では、入力信号の標本化周波数が低くな
っているので、複数の衛星について時分割で処理する。
【0046】混合器120が出力する同相成分I及び直交
成分Qは、スイッチ121で時間順次信号に変換され、加
算器122とRAM123とで構成される累積加算器で衛星毎
に累積加算される。信号AI、AQを周波数変換し累積加
算した値は相関結果PI、PQを表し、また、信号BI
Qを周波数変換し累積加算した値は、疑似雑音発生器1
16の疑似雑音符号が立ち上がる時の設定タイミングにお
ける受信信号の振幅の平均値EI、EQを表している。累
積加算する期間はC/Aコードの始まりから終わりまで
の1msecの1区間とする。
【0047】制御部124は、累積加算結果を受け取り、
相関結果PQ成分の振幅が小さくなるように数値制御発
振器119を制御することによって、衛星信号の搬送波を
追尾する。また、この衛星信号の搬送波を追尾している
数値制御発振器119の位相変化に応じて疑似雑音発生器1
16に設定している疑似雑音符号の位相を制御する。
【0048】また、制御部124は、前記δを変えて振幅
の平均値EIを測定し、振幅の平均値EIが小さくなるδ
の値を探すことによって、疑似雑音発生器116と衛星信
号との疑似雑音符号の位相差を測定する。そして、この
測定した位相差を疑似雑音発生器116に設定している位
相に加えることによって、衛星信号に含まれる疑似雑音
符号の位相を測定する。
【0049】制御部124は、また、相関結果のPI成分に
おける正負の変化より、衛星からBPSK変調で送られ
る50bpsのデータを復調する。そして、測定した疑
似雑音符号の位相と50bpsのデータのタイミングに
より、衛星が電波を発射した時刻を求める。さらに制御
部124は、複数の衛星について受け取った軌道情報や時
刻情報と測定した時刻とを使って、受信機のアンテナ位
置を演算し、外部へ出力する。
【0050】図2は図1の相関器117の詳細な構成を示
している。この相関器117は、疑似雑音発生器116から発
生される疑似雑音符号に対して基準クロック8個先行す
るタイミング信号を合図に計数を開始し、前記疑似雑音
符号のタイミングに対してδだけ先行または後行するタ
イミングを発生するカウンタ125と、疑似雑音発生器116
の疑似雑音符号と同じタイミングを発生するカウンタ12
6と、疑似雑音発生器116から発生される疑似雑音符号を
1チップの期間保持するDラッチ127と、カウンタ126が
出力するタイミングに合わせて疑似雑音発生器116から
発生される疑似雑音符号を1チップの期間保持するDラ
ッチ128と、疑似雑音符号の0から1への変化を表す信
号を疑似雑音符号が変化するタイミングの前後約1/2
チップ期間に渡って保持するDラッチ129と、相関器117
に入力する疑似雑音符号が、1チップ前のタイミングで
は0、今回のタイミングでは1である場合にのみ1を出
力する論理回路130と、ラッチ128から出力される、疑似
雑音発生器116と同じタイミングの疑似雑音符号が1か
0かによってフィルタ113の出力信号の正負を反転する
混合器131と、カウンタ125が出力するタイミングを、疑
似雑音符号が0から1に変化する場合にのみフィルタ13
4へ出力するANDゲート132と、混合器131の各出力を
標本化周波数が数百KHzに相当するように時間積分し
平滑化した信号AI、AQを出力する累積加算器機能を持
つフィルタ133と、ANDゲート132の出力タイミングに
合わせてフィルタ113の出力を標本化周波数が数百KH
zに相当する時間積分し平滑化した信号BI、BQを出力
する累積加算器機能を持つフィルタ134とを備えてい
る。
【0051】制御部124は、カウンタ125の計数値を変え
ることにより、カウンタ125の出力タイミングδを変更
する。先行または後行する疑似雑音符号のタイミングδ
は、基準クロックの個数によって設定することができ、
−7から7迄の整数値を取ることができる。
【0052】このように構成された相関器117の動作に
ついて図3及び図4のタイミング図を用いて説明する。
【0053】図3(a)は、ラッチ128から出力される
疑似雑音符号を表しており、これは疑似雑音発生器116
が発生する疑似雑音符号とタイミングが一致している。
混合器131は、このラッチ128の出力が0の場合に、フィ
ルタ113から受けた衛星信号の正負を反転して出力し、
1の場合に衛星信号をそのまま出力する。フィルタ133
は前記のごとく平滑化した信号AI、AQを出力する。こ
の信号は、さらに周波数変換と累積加算とが行なわれ相
関結果PI、PQとなる。
【0054】疑似雑音発生器116の発生する疑似雑音符
号が、受信中の衛星信号の疑似雑音符号と符号の種類に
おいて一致し、その位相において略一致しているとする
と、このとき受信している衛星信号が混合器131で逆拡
散され、50bpsでBPSK変調された位相変調信号
が得られる。
【0055】制御部124は、得られた相関結果の直交成
分PQが小さくなるように数値制御発振器119を制御して
衛星信号の搬送波を追尾し、また、相関結果の同相成分
Iにおける正負の変化を調べることにより、位相変調
信号を復調し、衛星信号より受取った時刻情報や軌道情
報を出力する。
【0056】一方、疑似雑音符号の位相差の測定は、次
のように行なわれれる。
【0057】図3(b)は、ラッチ129から出力される
信号を表しており、図3(a)の疑似雑音符号が0から
1に変化する期間に1を示す。図3(c)は、ANDゲ
ート132が出力する信号であって、カウンタ125が出力す
るタイミングの内で図3(a)の疑似雑音符号が0から
1に変化する期間だけを抜き取ったタイミング信号であ
る。フィルタ134は、このタイミングにおいてフィルタ1
13から受けた衛星信号を累積加算する。つまり、衛星信
号は、このタイミングで標本化され、その振幅が累積加
算される。フィルタ134が累積加算を行なう期間は、数
値制御発振器119より発生される再生搬送波の位相変化
が測定精度に影響しないようにその周期を定める必要が
あり、この実施形態では数百KHzの標本化周波数に相
当する期間に設定している。
【0058】ここでは、疑似雑音発生器116が衛星信号
と同じ疑似雑音符号を発生し、数値制御発振器119が衛
星信号の搬送波を追尾しているとする。基準発振器114
の周波数は衛星信号に含まれる疑似雑音符号の周期の1
6倍としているが、衛星と受信機との相対運動による変
化、基準発振器の周波数誤差等により、疑似雑音発生器
116及び衛星信号における疑似雑音符号は相対的な位相
差が変化する。しかし、衛星信号における搬送波と疑似
雑音符号とのタイミングは同期しているので、数値制御
発振器119が搬送波に追尾しているときには、この発振
器の位相変化に合わせて疑似雑音発生器116の位相を制
御することにより、衛星の疑似雑音符号と受信機の疑似
雑音符号との位相関係を、衛星信号の搬送波周期の半分
以下の精度で一定に保つことができる。
【0059】こうした制御を疑似雑音発生器116に対し
て行ないながら、衛星信号の疑似雑音符号と受信機の疑
似雑音符号との間の一定の位相差を次のように求める。
いま、疑似雑音発生器116の位相が衛星信号の疑似雑音
符号に対して3クロック進んでいる場合を例に、位相差
の求め方を説明する。
【0060】フィルタ113が出力する衛星信号には、受
信中の衛星信号、他の衛星信号、雑音信号、その他の妨
害信号等が含まれている。疑似雑音発生器116が発生す
る疑似雑音符号は、前記制御により、受信中の衛星信号
に含まれる疑似雑音符号と一定の位相関係(今の場合は
3クロック分の位相差)を保っている。ANDゲート13
2からタイミング信号が出力されるタイミングは、受信
中の衛星信号に含まれる疑似雑音符号が0から1に変化
する時期であり、衛星信号はδが3の付近で位相が反転
する。
【0061】ANDゲート132がタイミング信号を出力
するのは、疑似雑音符号の周期1msecの間に約25
5回あり、受信中の衛星信号はこの疑似雑音符号の1周
期内では同じ変化を示す。その向きは衛星から送られて
くる50bpsのデータによって決まり、その向きが変
化するタイミングは20msecに一度である。衛星信
号以外の信号は、疑似雑音発生器116が発生する疑似雑
音符号との相関がないので、多数の観測を繰り返し平均
すれば、受信中の衛星信号以外の信号は相殺され、受信
中の衛星信号を分離して観測できるようになる。
【0062】図4(a)は疑似雑音発生器116の疑似雑
音符号発生のタイミングを基準として、カウンタ125の
タイミングδを変えた場合に得られる、振幅の平均値E
Iに対応する受信信号の振幅変化を示している。振幅の
平均値EIは、数値制御発振器119の再生搬送波によって
搬送波成分が除かれているので、衛星信号の疑似雑音符
号が0から1に変化するタイミングの前後1チップの期
間は正または負のほぼ一定の振幅となる。振幅変化が傾
斜しているのは、主にフィルタ107の特性に依ってい
る。前後1チップを越える所では、ANDゲート132が
信号を出力するタイミングと、受信中の衛星信号に含ま
れる疑似雑音符号の状態との相関が無いので振幅が0に
なる。図4(a)の信号は衛星から送られてくるデータ
によって正と負が逆転する。
【0063】カウンタ125のタイミングは基準クロック
を単位として変更されるので、δの値を−7から7まで
変えたときに得られる振幅の平均値EIは図4(b)に
示す15個の値となる。図において横軸の1チップは基
準クロック16個分に相当する。そしてδ=3において
振幅の平均値EIが0に最も近いので、制御部124は、こ
の値を疑似雑音発生器116と衛星信号との疑似雑音符号
の位相差と判定する。なお、振幅の平均値EIの値が正
負逆転する両側の振幅から、補間によって基準クロック
の周期より細かな単位で位相差を求めることもできる。
【0064】以上のように、疑似雑音発生器116の位相
を制御して衛星信号の疑似雑音符号に追尾するのではな
く、数値制御発振器119により搬送波に追尾し、この発
振器の位相変化に応じて疑似雑音発生器116の位相を制
御することにより、衛星信号に含まれる疑似雑音符号と
疑似雑音発生器116の疑似雑音符号との位相差を一定の
関係に保つ。そして、疑似雑音発生器116の疑似雑音符
号と関連付けて衛星信号の振幅を測定し、受信信号の立
ち上がり特性からこの位相差を求め、疑似雑音発生器11
6に設定した位相にこの位相差を加えて、衛星信号に含
まれる疑似雑音符号の位相を測定する。
【0065】なお、図4(a)において、信号が0にな
るタイミングは、フィルタ特性や他の受信回路による遅
延等によって、実際の衛星信号よりも遅れている。しか
し、同時に複数の衛星信号に対して同様の遅れがあり、
これらの位相から衛星信号の時刻を求め、位置を測定す
る場合はほとんど影響が無い。
【0066】また、信号が0になる位置は信号の強度に
も影響されないので、精度良く位相差を測定できる。し
たがって、フィルタ107の群遅延特性や帯域特性に影響
されずに高い精度で測定できる。また、この遅れを事前
に測定し補正を加えることもできる。
【0067】以上の説明では、衛星信号と疑似雑音発生
器116との間の疑似雑音符号の位相差は、−7から7の
δの範囲に納まっているものとしたが、衛星信号を最初
に捕らえる場合は事前の処理として、再生搬送波の周波
数と疑似雑音符号の位相とを順次変更し、相関結果
I、PQの振幅が大きくなるところを見つけ出す。ま
た、衛星信号を捕らえた初期の段階に、短い時間だけタ
ウディザー方式等により疑似雑音符号を追尾し、概略の
位相を求めた後にこの実施形態に示す疑似雑音符号の位
相測定を行なうこともできる。
【0068】なお、衛星信号の疑似雑音符号が0から1
に変化するタイミングは、疑似雑音符号の終わりと次回
の始まりとの境にも有るが、この時は衛星から送られて
くる位相変調データによって0から1に変化しているこ
ともあり、それを取り入れて測定すると測定誤差になる
場合がある。従って、このタイミングには標本化、つま
り、ANDゲート132からのタイミング信号の出力を行
なわない方が良い。しかし、疑似雑音符号の終わりと次
回の始まりとの境であっても、衛星から送られてくるデ
ータの伝送タイミングでないことが分かっていれば標本
化し測定に利用できる。
【0069】このように、第1の実施形態のGPS受信
機では、衛星信号の搬送波を追尾している発振器の位相
変化に応じて疑似雑音発生器の位相を制御することによ
り、衛星信号に含まれる疑似雑音符号と受信機で発生す
る疑似雑音符号との位相差を一定に保ち、この一定の位
相差を受信信号の立ち上がり特性から測定している。そ
のため、受信信号の立ち上がり特性を数カ所測定するだ
けで、衛星信号と疑似雑音発生器との間の疑似雑音符号
の位相差を得ることができ、測定時間が短くて済むとい
う効果がある。また、受信信号の立ち上がり特性を測定
するので、中間周波回路のフィルタ特性が疑似雑音符号
の位相測定の精度にあまり影響を与えない。従って、中
間周波信号の回路に安価なフィルタを使用しても、精度
良く測定できるという利点がある。
【0070】(第2の実施の形態)第2の実施形態のG
PS受信機では、数値制御発振器の位相変化に伴って、
疑似雑音発生器に対し疑似雑音符号の位相制御を行なう
が、この位相制御を基準クロックの周期で量子化した値
を設定し、受信信号の立ち上がり特性を調べるための測
定時点、つまり、この疑似雑音符号の0から1への立ち
上がり時点からの時間、を正確に設定し、その測定時点
での受信信号の振幅を精密に求めている。また、この振
幅の精密な測定結果を得るために、測定時点を挟むδと
δ+1との時点における受信信号の振幅を測定し、それ
ぞれの測定結果に測定時点からの時間差に応じた重み付
けを行なった後、それらを加算している。
【0071】このGPS受信機の相関器117は、図5に
示すように、疑似雑音発生器116が発生する疑似雑音符
号より基準クロック8個先行したタイミング信号を合図
に計数を開始し、前記疑似雑音符号のタイミングに対し
てδだけ先行または後行するタイミングとその次のタイ
ミングδ+1との二つのタイミング信号とそれらを識別
する信号とを出力するカウンタ201と、疑似雑音発生器1
16の疑似雑音符号が0から1に変化する場合にカウンタ
201が出力する2個のタイミング信号をフィルタ134へ出
力するANDゲート132と、カウンタ201が出力する2個
のタイミング信号のそれぞれに応じて、フィルタ113の
出力に、制御部126より受取った重みデータで重み付け
を行なう乗算器202と、ANDゲート132から出力される
タイミングで重み付けされた信号を積分し、平滑化した
信号BI、BQを出力する累積加算器機能を有するフィル
タ134とを備えている。その他の構成は第1の実施形態
(図1、図2)と変わりがない。
【0072】このGPS受信機の動作を図6を用いて説
明する。概略の動作は第1の実施形態と同様である。
【0073】まず、制御部124は、衛星信号の搬送波を
追尾している数値制御発振器の位相変化に応じて、疑似
雑音発生器116に対して疑似雑音符号の位相を設定する
が、この場合に、基準クロックの周期の単位(16分の
1チップ単位)で量子化した疑似雑音符号の位相におけ
る整数値だけを疑似雑音発生器116に設定し、少数点以
下の値は切り捨てる。
【0074】また、この疑似雑音符号の立ち上がりと関
連付けて行なう衛星信号の振幅測定のタイミングに先の
量子化で切り捨てた少数点以下の位相に対応する時間を
加える。この加えた値を16分の1チップ単位で量子化
した値をδとし、余りの部分をRとする。そして、この
δの値をカウンタ201に設定し、一方、Rの値は重み付
データを決めるために用いる。
【0075】カウンタ201は、疑似雑音発生器116が発生
する疑似雑音符号より基準クロック8個先行したタイミ
ング信号を合図に計数を開始し、前記疑似雑音符号のタ
イミングに対してδだけ先行または後行するタイミング
と、その次のタイミングδ+1とでタイミング信号を出
力する。ANDゲート132は、疑似雑音符号の立上がり
時にカウンタ201から出力されたタイミング信号をフィ
ルタ134に出力する。
【0076】図6はこの様子を示している。図6(a)
はラッチ128が出力する疑似雑音符号であって、疑似雑
音発生器116が発生する疑似雑音符号とタイミングが一
致している。図6(b)はANDゲート132が出力する
タイミング信号の例であって、δ=3の場合である。
【0077】制御部124は、δに対応する重み付けデー
タとδ+1に対応する重み付けデータとを重み付202に
出力する。δに対応する重み付けデータとして(1.0−
R)に比例した値を、また、δ+1に対応する重み付け
データとしてRに比例した値を出力する。
【0078】重み付202は、δの時点のフィルタ113が出
力する瞬時値に、制御部126より受取った(1.0−R)に
比例する重みを乗算し、また、δ+1の時点のフィルタ
113が出力する瞬時値に、Rに比例する重みを乗算し
て、それぞれフィルタ134に出力する。
【0079】フィルタ134はそれらの出力を加え合わせ
る。フィルタ134は、同様の加算を繰り返し、標本化周
波数が数百KHzに相当する期間累積加算し、平滑化し
た信号BI、BQを出力する。
【0080】図6(c)は、図6(b)の最初のタイミ
ングδ及びその次のタイミングδ+1での受信信号の瞬
時値eIを測定した信号eIE、eILにおける振幅変化を
示している。点線で示す受信信号は、搬送波成分を除い
た図4の振幅特性と同様の振幅の時間変化であって、制
御部124が測定しようとしているタイミングにおいて、
受信信号の振幅が0となる場合を示している。
【0081】図6の説明では、分かり易くするために、
受信している衛星信号が雑音成分を含まず、また、その
搬送波の周波数がフィルタ113の出力において0また位
相差も0としている。そのため、受信信号の瞬時値の直
交成分eQE及びeQLが0になる。
【0082】実際の受信信号は、フィルタ113の出力に
おいても、搬送波の周波数は0から数KHzないし数十
KHzであり、雑音も含んでいる。そこで、受信信号の
瞬時値は、フィルタ134、混合器120による周波数変換、
加算器122とRAM123とで構成する累積加算器等によ
り、疑似雑音符号の周期1msecの振幅の平均値
I、EQが求められる。
【0083】この累積加算の途中においても、制御部12
4は、衛星信号の搬送波を追尾するように数値制御発振
器119を制御する。そして、再生搬送波の位相が変化し
た場合には、この位相変化を使って、基準クロックより
も細かな精度で疑似雑音符号の位相を管理し、この疑似
雑音符号と関連付けた測定が一定のタイミング関係とな
るように、疑似雑音発生器116の位相、δ及びRを変更
する。
【0084】このように、第2の実施形態のGPS受信
機では、正確なタイミングで標本化すべき結果を、その
前後のタイミングにおいて標本化した結果を用いて補間
して求めているので、標本化した結果を累積加算してい
る期間に、信号処理のタイミングと、衛星信号の疑似雑
音符号が変化するタイミングとの時間関係が変化して
も、累積加算の結果に影響を及ぼさないように制御する
ことができ、結果的に衛星信号の疑似雑音符号の位相測
定にも影響が現れない。従って、基準クロックの周期と
疑似雑音符号の周期との比が整数比からかなり外れてい
ても、精度の良い位相測定が可能になる。
【0085】また、高速のクロックで信号処理を行なわ
なくても高精度の測定ができるので低消費電力の設計が
できる。
【0086】(第3の実施の形態)第3の実施形態のG
PS受信機は、受信信号の標本化を疑似雑音符号の立ち
上がり及び立ち下がりの両時期において実行する。
【0087】このGPS受信機の相関器117は、図7に
示すように、相関器117に入力する疑似雑音符号が1か
ら0または0から1というように1チップ前のタイミン
グと今回のタイミングとで異なる場合にのみ1を出力す
る論理回路301と、ラッチ127に保持された疑似雑音符号
が1のときはフィルタ113の出力信号をそのまま出力
し、0のときはフィルタ113の出力信号の正負を反転し
て出力する混合器302とを備えている。その他の構成は
第1の実施形態(図1、図2)と変わりがない。
【0088】このGPS受信機の動作を図8を用いて説
明する。
【0089】まず、図8(a)はラッチ128が出力する
疑似雑音符号であって、疑似雑音発生器116が発生する
疑似雑音符号とタイミングが一致している。図8(b)
はラッチ127が出力する、疑似雑音符号の変化が立ち上
がりか立ち下がりであるかを識別する信号である。この
信号は、疑似雑音発生器116が発生する疑似雑音符号に
対して1/2チップ先行している。
【0090】次に、論理回路301は、疑似雑音符号が変
化する場合にのみ1を出力し、この結果をラッチ129に
保持する。そしてANDゲート132は、疑似雑音符号が
変化する場合にのみカウンタ125が出力するタイミング
をフィルタ134へ出力する。図8(c)は図7のカウン
タ125をδ=−2に相当するタイミングに設定した場合
に、ANDゲート132が出力する信号を示している。
【0091】図8(d)は図1のフィルタ113が出力す
る衛星信号である。混合器302はこの信号を、ラッチ127
の出力である図8(b)が1のときはそのまま、0のと
きは正負反転して出力する。図8(e)は混合器302の
出力信号である。なお、分かり易くするために、フィル
タ113の出力において、受信している衛星信号の搬送波
は、周波数が0で位相差が0とし、雑音成分も除いてい
る。フィルタ134は、図8(c)のタイミングに図8
(e)の信号を累積加算する。
【0092】図から明らかなように、図8(c)のタイ
ミングにおいて、図8(e)の信号は立ち上がり波形の
同じ部分を測定すことになる。フィルタ113は線形素子
であり、衛星信号の立ち上がりと立ち下がりとは、ほぼ
正負反転した応答特性を示す。受信している衛星信号
の、フィルタ113の出力における搬送波周波数が0でな
い場合はフィルタ134以降の処理で搬送波が除かれる。
【0093】フィルタ134は、この信号を累積加算す
る。加算する期間は標本化周波数が数百KHzに相当す
る期間としている。そして、図8(c)のタイミング
は、疑似雑音符号の周期1msecの間に約511回あ
る。
【0094】このように、第3の実施形態のGPS受信
機では、受信機で発生する疑似雑音符号の立ち下がり区
間で受信信号の正負を反転し、受信機で発生する疑似雑
音符号の立ち上がり区間及び立ち下がり区間の双方に関
連づけたタイミングで衛星信号の振幅を標本化し、標本
化した値を疑似雑音符号の整数倍の期間累積加算してい
る。
【0095】従って、第1の実施形態に比べて、標本化
した信号を累積加算する回数が2倍になり、S/N比が
約3dB改善できる。そのため、衛星信号と疑似雑音発
生器との間の疑似雑音符号の位相差を、短い時間に精度
良く測定することが可能となる。
【0096】(第4の実施の形態)第4の実施形態のG
PS受信機は、衛星信号の振幅を長時間に渡って測定で
きるように構成している。
【0097】このGPS受信機は、図9に示すように、
RAM123の累積加算結果を、制御部124の制御により、
そのまま通過または正負反転する混合器401と、混合器4
01の出力を衛星ごとに累積加算する累積加算器として機
能する加算器402及びRAM403と、このRAM403の累
積結果を減衰させて加算器402へ戻す減衰器404とを備え
ている。この加算器402とRAM403と減衰器404との組
合せは低域通過フィルタを構成している。
【0098】このGPS受信機は次のように動作する。
概略の動作は第1の実施形態と同様であり、違いについ
てのみ説明する。
【0099】まず、加算器122とRAM123とから成る累
積加算器は、制御部126の制御によって、疑似雑音符号
の周期1mscの期間づつ受信衛星ごとに、スイッチ12
1の出力を累積加算し出力する。この出力信号は、第1
の実施形態と同様に、相関結果PI、PQ及び平均値
I、EQである。
【0100】制御部124は、相関結果PIの値が正である
場合に、同じ疑似雑音符号の周期1mscの期間に得ら
れた平均値EIが、加算器402とRAM403と減衰器404と
から成る低域通過フィルタにそのまま出力されるように
混合器401を制御し、また、相関結果PIの値が負である
場合に、この平均値EIが正負を反転して前記低域通過
フィルタに出力されるように混合器401を制御する。
【0101】低域通過フィルタに出力された平均値EI
は、加算器402において、減衰器404の出力する、累積加
算値を減衰した値と加算され、RAM403に格納され
る。RAM403に格納された値は、次に、制御部124に出
力されると共に、次回の累積加算のために減衰器404に
出力され、減衰器404は、この値を減衰させる。このよ
うに累積加算値を減衰して順次累積加算することによ
り、RAM403の出力は、変動成分を抑えた平滑化され
た値となる。
【0102】この低域通過フィルタの遮断周波数を0.
001Hzなど低い周波数に設定することによって、低
域通過フィルタの出力は、衛星ごとの平均値EIについ
てさらに雑音の影響を受けない精度の良い測定結果を与
えることができる。
【0103】このように、第4の実施形態のGPS受信
機では、標本化した受信信号を疑似雑音符号の周期また
はその整数倍の期間に渡って累積加算する第一の累積加
算手段と、第一の累積加算手段の出力における正負を衛
星信号により送られるデータの正負に応じて反転し、デ
ータの伝送周期を越える期間に渡って累積加算する第二
の累積加算(低域通過フィルタ)手段とを設けている。
この第二の累積加算手段では、データが正負反転されて
打ち消されるので、長時間に渡たり平均した受信信号の
振幅を測定することができ、また、雑音の影響を除いた
測定結果を得ることができる。従って、衛星信号の疑似
雑音符号と受信機で発生する疑似雑音符号との位相差を
高い精度で測定することができる。これは見方を変えれ
ば、観測時間を同じにして比較すると、従来にない高い
精度での位相測定が可能になることを表している。
【0104】(第5の実施の形態)第5の実施形態のG
PS受信機では、受信信号の振幅の平均値を複数のタイ
ミングにおいて同時に測定している。つまり、これまで
の実施形態では、δの値を順次設定してδに対応する受
信信号の振幅を測定し、それらの測定結果から受信信号
の疑似雑音符号と受信機の発する疑似雑音符号との位相
差を求めているが、この実施形態の受信機では、δ=−
7、δ=−6、‥、δ=1、δ=2、‥、δ=7などに
対応する複数のタイミングの受信信号の振幅を同時に連
続的に測定し、その測定結果から前記位相差を求めてい
る。また、受信信号の振幅の平均値の算出に当たって、
各2個の連続するタイミングの測定結果に重み付けを行
ない、それらを合算している。
【0105】このGPS受信機は、図10に示すよう
に、複数の衛星のそれぞれについて、衛星信号と疑似雑
音発生器116の出力とを混合し、それらの相関を測定す
るとともに、疑似雑音発生器116の発生する疑似雑音符
号が0から1または1から0に変化するタイミングに近
い複数のタイミングにおいて受信信号の振幅を標本化す
る相関器501と、受信中の衛星の各々について、連続す
るタイミングで標本化した信号に対する重みデータを制
御部124より受け取り、スイッチ121の出力に対して、こ
の重みデータによる重み付けを行なう重み付乗算器502
とを備えている。その他の構成は第1の実施形態(図
1)と変わりがない。
【0106】また、相関器501は、図11に示すよう
に、疑似雑音発生器116の発生する疑似雑音符号に対し
て基準クロック8個先行したタイミング信号を合図に計
数を始め、次々と基準クロック15個のタイミング信号
をANDゲート132に出力し、加えて基準クロックをカ
ウントした値n(−7から7まで)をフィルタ504へ出
力するカウンタ503と、疑似雑音符号が変化する場合に
のみカウンタ503から出力されたタイミングをフィルタ5
04へ出力するANDゲート132と、ANDゲート132から
タイミング信号を受け取った時に、カウント値nに応じ
て別々にフィルタ113の出力を積分し、標本化周波数が
数百KHzに相当する平滑化した信号BIn、BQnを出力
する累積加算器として機能するフィルタ504とを備えて
いる。その他の構成は第3の実施形態(図7)と変わり
がない。
【0107】この相関器501では、カウンタ503が、疑似
雑音発生器116の発生する疑似雑音符号が変化するタイ
ミングの7クロック前から、15クロックだけタイミン
グ信号を出力する。
【0108】そして、この15クロック分の各タイミン
グだけ受信信号が標本化され、フィルタ504は、この1
5個の標本化された受信信号の振幅を別々に累積加算
し、BIn、BQn(nは−7から7の整数)として出力す
る。
【0109】なお、疑似雑音符号が0から1に変化する
か1から0に変化するかによって、混合器302で受信信
号の正負が反転されるが、これは第3の実施形態と同様
である。
【0110】また、相関器501のフィルタ133は、衛星信
号と疑似雑音発生器116の出力との相関結果を累積加算
し、平滑化した信号AI、AQを出力する。
【0111】相関器501から出力された信号AI、A
Qは、数値制御発振器119と混合器120とにより直交周波
数変換される。この直交周波数変換された信号は、重み
付502をそのまま通過し、加算器122とRAM123とより
成る累積加算器で累積加算され相関結果PI、PQと成
る。
【0112】制御部124は、衛星ごとにこの相関結果PQ
成分の振幅が小さくなるように数値制御発振器119を制
御し、それによって、衛星信号の搬送波が追尾される。
以下の説明では、受信中である衛星信号の搬送波を追尾
しているものとして、受信機の動作を説明する。
【0113】制御部124は、受信機で発生する疑似雑音
符号の位相を管理し、再生した搬送波の位相変化を使っ
て、基本クロックよりも細かな精度でこの疑似雑音符号
の位相の管理情報を更新する(ただし、疑似雑音発生器
116に対しては、基本クロックの単位で疑似雑音符号の
位相を設定する)。衛星信号の搬送波と疑似雑音符号と
のタイミングは関連付けられているので、この処理によ
って各衛星の疑似雑音符号と制御部124で管理している
疑似雑音符号との位相差は、時間が経過しても搬送波の
波長19cm以下の精度で一定の値となる。
【0114】なお、衛星信号を最初に捕らえるため、再
生搬送波の周波数と疑似雑音符号の位相とを順次変更
し、相関結果PI、PQの振幅が大きくなるところを見つ
け出す処理は既に完了しており、疑似雑音符号の位相差
は7/16チップよりも小さくなっているとする。
【0115】この制御部124で管理している疑似雑音符
号の位相を、基準クロックの周期である16分の1チッ
プ単位で量子化し、この時の商の値を疑似雑音発生器11
6の疑似雑音符号の位相を定めるために与え、それと共
に、余りR(0≦R<1/16)を算出する。
【0116】相関器501は、また、前述するように、疑
似雑音発生器116から発生される疑似雑音符号が0から
1及び1から0に変化する場合に、この変化するタイミ
ングとその前後の7基準クロック分のタイミングにおい
て、フィルタ113から出力される衛星信号を標本化し、
標本化周波数が数百KHzに相当する平滑化した信号B
In、BQn(nは−7から7の整数)に累積加算して出力
する。
【0117】出力された信号BIn、BQnは、数値制御発
振器119と混合器120とで直交周波数変換され、衛星信号
の搬送波成分を除いた信号CIn、CQnとなる。
【0118】この受信機では、この内の信号CInを用い
て、制御部124で管理している疑似雑音符号の位相に対
し、−6/16チップから6/16チップまで1/16
チップ間隔で離間している13箇所の各位相に対応する
衛星信号の振幅の平均値EIm(mは−6から6の整数)
を求める。そのために、第2の実施形態と同じように、
各箇所を挟む2個の連続するタイミングの測定結果を用
いて平均値EImを算出する。ただ、この受信機では、第
2の実施形態と違って、各CInを同時に測定することに
よって13箇所の平均値EImを一気に得る。
【0119】重み付乗算器502は、搬送波と同相成分で
ある信号CInに対し、制御部124から衛星ごとに受け取
った重みデータにより重み付けを行なう。加算器122と
RAM123とよりなる累積加算器は、これを累積加算し
て前記平均値EImを求める。
【0120】平均値EImは、CImに対して重み(1−
R)に比例した値で重み付けし、CIm+1に対して重みR
に比例した値で重み付けし、これらを合算した値を累積
加算することによって求められる。これを式で表すと次
の通りである。
【0121】 EIm=Σ{(1−R)・CIm+R・CIm+1} (但し、m=−6,−5,‥,0,1,‥,6) このような方法で、受信機の疑似雑音符号の位相に対し
てだけでなく、受信している衛星の疑似雑音符号に対し
ても正確な関係を保つ複数のタイミングにおいて、受信
信号の振幅の平均値EImを求めることができる。
【0122】この複数のタイミングの測定結果より、振
幅の平均値EImが0となる所を見つけて、制御部124で
管理している疑似雑音符号の位相と、衛星信号の疑似雑
音符号の位相との位相差を求める。そして、この位相差
を制御部124で管理している疑似雑音符号の位相に加え
た値を、衛星信号に含まれる疑似雑音符号の位相の測定
結果とする。
【0123】また、平均値EImの値がどれも0でない場
合は、0を越えて変化する前後の振幅より、補間法によ
って、1/16チップ以下の細かさで測定結果を得る。
従って、衛星信号を捕らえた最初の段階で、疑似雑音符
号の位相差が7/16チップよりも小さくなっていれ
ば、非常に短い時間で精度良く、制御部124で管理して
いる疑似雑音符号の位相と、衛星信号の疑似雑音符号の
位相との差を測定することができる。
【0124】また、従来の受信機では、疑似雑音符号の
位相の測定に用いた古い測定結果を捨てる仕組みになっ
ている。これに対し、この実施形態の受信機では、古い
測定結果も最新の測定結果と同等に扱い、測定を重ねる
ごとに測定精度が向上する。従って、測定の無駄が無い
分だけ高い測定精度が早く得られることになる。
【0125】このように、第5の実施形態のGPS受信
機では、複数のタイミング信号を一斉に発生し、各タイ
ミングで衛星信号の振幅を標本化しているため、複数の
タイミングの測定結果が一度に得られるだけでなく、そ
れらの測定結果が同じ信号を測定した結果であることか
ら、測定結果のどれもが0でない場合に、0を通過する
前後の振幅より、補間法によって、測定結果が0となる
位相差を求めることができる。
【0126】また、複数のタイミングにおける測定を同
時に行なっているため、それぞれのタイミングにおいて
受信信号強度に変化が現れることがなく、受信信号強度
の時間的変化が観測結果の精度に影響を及ぼさない。そ
のため、衛星信号を捕らえてから、短い時間で精度良く
位置が測定できる。
【0127】また、測定を続けた場合に、観測過程で得
られたデータを無駄なく利用するので、時間経過と共に
効率良く測定精度が向上する。
【0128】(第6の実施の形態)第6の実施形態のG
PS受信機では、良好な環境で予め測定した特性を保持
して、受信位置測定時の測定結果と、この特性とを比較
することにより、マルチパスの影響の有無などを判別す
ることができる。
【0129】この受信機は、図12に示すように、事前
の測定で得られた特性などを記憶するRAM601を備え
ており、このRAM601には、受信機が発生する疑似雑
音符号の変化のタイミングにおいて衛星信号の振幅を標
本化し累積加算して得られる受信信号の振幅の平均値E
Imが、受信機が発生する疑似雑音符号と衛星信号の疑似
雑音符号との位相差に応じてどのように変わるかを示す
変化特性が保存される。このRAM601には、受信機の
電源を切った状態でも記憶内容が保持されるNVRAM
やバックアップ電源を備えたRAMが適している。
【0130】その他の構成は第5の実施形態(図10)
と変わりがない。
【0131】この受信機の制御部124は、受信している
衛星の仰角が高く、信号強度が十分であって、受信可能
な衛星の数に対し相関器501の数に余裕があるとき、第
5の実施形態と同様の手順によって、受信機で発生する
疑似雑音符号と関連付けて衛星信号の振幅を測定する。
【0132】このとき、第5の実施形態では、疑似雑音
符号が変化するタイミング付近で、約1チップの期間に
ついて衛星信号の振幅変化を測定したが、ここではさら
に広い2チップないしそれ以上の範囲について測定す
る。広い範囲の測定は一時に行なう方が良いが、そのた
めには図11の相関器501の構成が複雑になるので、受
信機に備えた複数の相関器の内の特定の相関器だけが一
度に広い範囲の測定を行なえるように構成しても良い。
また、タイミングをずらして測定した結果を、受信信号
の強度変化を考慮して繋げることによって求めても良
い。
【0133】図13(a)は保存する振幅特性の例であ
る。振幅の変化は、相関器等が線形であり、マルチパス
等の影響が無く、フィルタ107の帯域幅が2MHzより
十分広い等の条件が揃えば、位相差−1付近の立ち下が
り特性と位相差1付近の立ち下がり特性は概略同じ形と
なり、また、位相差0付近の立ち上がり特性は、この立
ち下がり特性と正負が逆で振幅が2倍になる。そして、
相関器等の線形性、フィルタ107の帯域幅が十分であれ
ば、この立ち上がり特性と、位置測定時の測定結果の立
ち上がり特性との一致度合いを見ることによって、位置
測定時のマルチパスの影響を評価することができる。図
13(b)は、マルチパスの影響がある場合の位相差変
化に対応する振幅特性であり、破線が直接波と反射波と
を示し、実線はそれらが合成された測定結果の振幅を示
している。図13(a)の特性とは明らかに異なる。
【0134】この事前の測定で得られた衛星信号の位相
差変化に対する振幅特性が、マルチパスの影響が少な
く、十分な精度で測定できたと判断されたときは、振幅
が0になるタイミングが中心に来るように、また、振幅
も処理が容易になるように校正して、RAM601に一時
的に保存する。さらに、制御部124で管理している疑似
雑音符号の位相と、衛星信号の疑似雑音符号の位相との
差の値を第一の位相差測定値として保存する。
【0135】次に、第5の実施形態で説明した、CIm
びCIm+1に対する重み付けにおいて、(1.0−R)及び
Rに変えて、RAM601に保存した位相差変化に対する
振幅特性と第一の位相差測定値とを用いて、補間法によ
って重みデータを決め、再度疑似雑音符号が変化するタ
イミング付近で、2チップないしそれ以上の期間につい
て衛星信号の振幅変化の測定をやり直す。
【0136】この測定は、最初の測定よりも重み付けの
精度が高いので、位相差変化に対する振幅特性と位相差
とをより高い精度で測定することができる。そして、こ
の測定結果についてマルチパスや精度を評価し、良好で
あればタイミングと振幅とを校正してRAM601に保存
する。
【0137】さて、位置を測定する際には、第5の実施
形態と同様の方法で、衛星信号の疑似雑音符号の位相を
測定するが、このとき、この測定で得られた位相差変化
に対する振幅特性の測定結果を、RAM601に保存して
いる位相差変化に対する振幅特性と比較し、マルチパス
の影響が多くないかどうかを評価する。
【0138】マルチパスの影響が少ない場合は、制御部
124で管理している疑似雑音符号の位相と、衛星信号の
疑似雑音符号の位相との位相差を精度良く測定できたと
して、この位相差を保存する。良好な測定ができた後
は、この位相差に制御部124で管理している疑似雑音符
号の位相を加算し、衛星信号に含まれる疑似雑音符号の
位相の測定結果として随時測位に利用する。
【0139】一方、マルチパスの影響が多い場合は、こ
の測定結果に係わる累積加算値を初期化する。さらに、
以前に測定した精度の良い位相差がある場合は、この値
を継続して疑似雑音符号位相の測定に使用し、以前に測
定した位相差が無い場合は、この位相差を疑似雑音符号
位相の測定に使用するが、誤差が多い結果であること
を、位置決定に反映させるようにする。
【0140】また、位置測定時における衛星信号の疑似
雑音符号の位相測定において、制御部124で管理してい
る疑似雑音符号の位相と、衛星信号の疑似雑音符号の位
相との位相差の測定精度が1/256チップ以下となっ
たときには、この値を継続して疑似雑音符号の位相測定
に使用するとともに、この測定結果に係わる累積加算値
を一旦初期化する。そして、それ以降の測定において
は、この位相差を第一の位相差測定値として用いる。
【0141】つまり、RAM601に保存する特性の測定
で説明したように、重み付けデータ(1.0−R)及びR
に変えて、RAM601に保存した位相差変化に対する振
幅特性と、この第一の位相差測定値とを使用して、補間
法によって重みデータを決め、これを用いて、制御部12
4で管理している疑似雑音符号の位相と、衛星信号の疑
似雑音符号の位相との位相差を測定する。
【0142】この測定は、最初の測定よりも重み付けの
精度が高いので、位相差に対する振幅特性や、制御部12
4で管理している疑似雑音符号と衛星信号の疑似雑音符
号との間の位相差について、より高い精度で測定するこ
とができる。
【0143】また、測定時間が20秒程度経過し、測定
精度が十分あり、マルチパスの影響が少なければ、新し
く測定した位相差を第一の位相差測定値に置き換えるよ
うにしてもよい。そして、この場合も重みデータを再設
定し、それを用いて測定を実行する。この測定は、最初
の測定よりも重み付けの精度が高いので、位相差をより
高い精度で測定することができ、位置の測定精度をさら
に向上させることができる。
【0144】図13(b)は、マルチパスの影響がある
場合に、受信機が発生する疑似雑音符号と関連づけて測
定した位相差変化に対する振幅特性である。破線で示す
直接波と反射波との内、直接波の方が反射波よりも位相
が進んでおり、また、通常は直接波の方が強い。図にお
いて横軸は位相差を示しているが、標本化時間の遅いタ
イミングが右になるような表示としている。
【0145】図13(b)から明らかなように、位相差
変化に対する振幅特性が横軸を横切る所の位相差は、直
接波のそれとずれている。マルチパスの影響をできるだ
け受けずに位相差を測定するために、制御部124は、位
相差変化に対する振幅特性の測定を、疑似雑音符号の位
相差が0の付近で行なうのが通常であるが、このように
マルチパスの影響があって受信信号の振幅が大きいとき
には、むしろ、疑似雑音符号の位相差が−1付近におい
て測定を行なった方が良い。
【0146】この場合、振幅変化特性の傾きが最も急な
部分に接線を引き、振幅が0の横軸との交点を求める。
図13(c)は図13(b)の振幅特性にこの接線を示
した図である。図13(b)より、この接線と横軸との
交点の位置は、マルチパスの影響を受けにくいことが分
かる。また、RAM601に保存した特性からも、このよ
うな接線と振幅が0の横軸との交点の位相差を求める。
そして、この測定した接線と横軸との交点の位相から、
保存している交点の位相を差し引いた値を、制御部124
で管理している疑似雑音符号の位相と、衛星信号の疑似
雑音符号の位相との位相差の測定値とする。
【0147】さらに、別の測定方法では、図13(b)
の破線で示す直接波及び反射波について、それぞれ、位
相と振幅とを仮定する。この仮定した位相と振幅とを基
に、RAM601に保存した振幅特性を使って、観測され
るであろう振幅特性を求める。この観測されるであろう
振幅特性と、位相差を測定している信号の振幅特性とが
出来るだけ近くなるように、仮定した位相と振幅とを修
正することによって、直接波及び反射波の位相と振幅と
を測定することもできる。
【0148】このように、第6の実施形態のGPS受信
機では、予め、受信信号の振幅の平均値を疑似雑音符号
と関連付けた複数のタイミングで同時に観測し、得られ
た振幅の特性をRAMに保存している。そのため、受信
機の位置を測定するときには、同様に受信信号の振幅の
平均値を複数のタイミングで観測し、観測結果とRAM
に保存した振幅特性とを比較することにより、マルチパ
スの影響を容易に評価することができる。そして、マル
チパスの影響の存在が判明したときには、マルチパスに
よる精度劣化に対する対処をしたり、測定精度が劣化し
ていることを認識することができる。
【0149】また、この実施形態のGPS受信機では、
保存した受信信号の振幅特性と、測定した疑似雑音符号
の位相差とを使って、重み付の係数を再決定することが
でき、この機能を使用して、高精度の位置測定が可能と
なる。
【0150】この位置測定では、衛星信号の位相を測定
する最初の段階においては、保存した受信信号の振幅特
性を使わずに、受信機で管理する疑似雑音符号と衛星信
号の疑似雑音符号との位相差を測定し、得られた位相差
の測定精度が信号処理のタイミング間隔の半分以下とな
った後、保存している受信信号の振幅特性と、測定で得
られた位相差の測定値と、測定タイミング及び標本化し
たタイミングの時間差とを使って、補間法によって重み
付けの値を算出し、この重み付けの値を用いて、受信機
で管理する疑似雑音符号と衛星信号の疑似雑音符号との
位相差を測定する。この方法では、精密な重み付けを行
なうので、測定タイミングと標本化したタイミングとの
時間差が測定誤差に繋がらないという作用があり、疑似
雑音符号の位相差に対する受信信号の振幅特性がより高
い精度で測定でき、短い時間に高い精度で位置を測定す
ることができる。
【0151】また、衛星信号の疑似雑音符号が変化する
タイミングに対して疑似雑音符号の位相差にして約1チ
ップ先行した付近では、マルチパスの影響が比較的少な
い。この実施形態のGPS受信機では、これを利用し、
マルチパスの影響が比較的少ないその付近の特性を測定
することにより、マルチパスによる精度劣化が少ない測
定結果を得ている。
【0152】従来の測定では、図16の(b)または
(c)の位相差0付近で振幅が0になる点だけを見てい
るので、マルチパスの影響がある事を判断できないだけ
でなく、マルチパスの影響を軽減するのも困難であっ
た。
【0153】また、この実施形態のGPS受信機では、
直接波及び反射波の位相と振幅とを仮定する方法によ
り、マルチパスの信号に影響されない直接波を求めるこ
とができる。
【0154】なお、以上の説明では、受信機で発生する
疑似雑音符号が変化しないとき、受信信号の標本化や累
積加算のタイミング信号を抑えるゲート手段を設けたG
PS受信機を例に説明したが、その他のゲート手段をも
つ受信機であっても、同様に実施可能である。
【0155】また、累積加算器、相関器、発信器など
は、個別の回路として説明したが、マイクロプロセッサ
等による数値計算で同様の機能を実現してもよい。
【0156】また、これまでは米国が運用しているNA
VSTAR衛星の信号を受信する疑似雑音符号と関連付
けて信号の振幅を測定するGPS受信機を例に説明した
が、その他のロシア共和国が運用しているGLONAS
S衛星など、スペクトル拡散信号の位相を測定し、衛星
信号が示す時刻を測定して位置を求める受信機について
も同様に実施可能である。
【0157】第1及び第2の実施形態では、受信機で発
生する疑似雑音符号の立ち上がりと関連付けてタイミン
グを発生するように説明したが、疑似雑音符号の立ち下
がりと関連付けてタイミングを発生するようにしてもよ
い。
【0158】第4の実施形態では、減衰器を除き、一定
時間の積分値を求める構成にしても良い。また、符号の
反転は衛星から送られる50bpsのデータ転送タイミ
ングに合わせて、20msec単位でまとめて正負判定
や正負反転の処理を行なうこともできる。また、加算器
124と加算器402とは一個の加算器を時分割で使うことも
できる。
【0159】第5の実施形態では、受信機で発生する疑
似雑音符号の位相は、疑似雑音符号の位相差を測定した
結果によって変更しないとしたが、疑似雑音符号の位相
差を精度良く測定できるようになった後、制御部で管理
している疑似雑音符号の位相と、疑似雑音符号の位相差
測定結果とを同時に修正することもできる。また、疑似
雑音符号の位相差を精度良く測定できるようになった
後、衛星信号の振幅を標本化した信号に対して累積加算
する手段を、時定数の長いフィルタに切り換えることも
できる。
【0160】第6の実施形態では、マルチパスの影響が
ある場合のみ、疑似雑音符号の位相差が−1付近の測定
を行ない、振幅変化特性曲線の接線と横軸との交点を求
めるように説明したが、マルチパスの影響によらず常に
このような測定を行なっても良く、その場合は事前に測
定した交点の位相を差し引かないで、横軸との交点を測
定した位相と決めることもできる。
【0161】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のGPS受信機は、衛星信号に含まれる疑似雑音符号の
位相を短い時間で精度良く測定することできる。
【0162】また、中間周波信号の回路に安価なフィル
タを使用しても、精度の良い測定が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のGPS受信機のブロック図、
【図2】第1の実施形態のGPS受信機における相関器
のブロック図、
【図3】(a)第1の実施形態の疑似雑音発生器の出力
を示す図、(b)相関器のラッチ129の出力を示す図、
(c)相関器のANDゲートの出力であって受信信号の
標本化のタイミングを示す図、
【図4】(a)第1の実施形態において衛星信号の振幅
測定で得られる位相差と振幅変化との関係を示す特性
図、(b)疑似雑音符号と関連付けて受信信号を標本化
したときに得られる振幅の変化を示す図、
【図5】第2の実施形態のGPS受信機における相関器
のブロック図、
【図6】(a)第2の実施形態における疑似雑音発生器
の出力を示す図、(b)疑似雑音符号と関連付けて受信
信号を標本化するタイミングを説明する図、(c)その
タイミングで得られる受信信号の振幅を示す図、
【図7】第3の実施形態のGPS受信機における相関器
のブロック図、
【図8】(a)第3の実施形態における疑似雑音発生器
の出力を示す図、(b)相関器のラッチ127の出力を示
す図、(c)相関器のANDゲートの出力であって受信
信号の標本化のタイミングを示す図、(d)衛星信号の
振幅の変化を示す図、(e)衛星信号の正負を反転した
混合器302の出力を示す図、
【図9】第4の実施形態のGPS受信機のブロック図、
【図10】第5の実施形態のGPS受信機のブロック
図、
【図11】第5の実施形態のGPS受信機における相関
器のブロック図、
【図12】第6の実施形態のGPS受信機のブロック
図、
【図13】(a)第6の実施形態において衛星信号の振
幅測定で得られる振幅変化の特性図、(b)マルチパス
の影響が現れた振幅変化の特性図、(c)振幅変化特性
の傾に接線を引き横軸との交点を求める方法を説明する
図、
【図14】従来のGPS受信機のブロック図、
【図15】従来のGPS受信機における相関器のブロッ
ク図、
【図16】(a)従来の疑似雑音発生器の出力を示す
図、(b)従来の1/2チップ先行した疑似雑音符号と
1/2チップ後行した疑似雑音符号との差信号を説明す
る図、(c)従来の1/8チップ先行した疑似雑音符号
と1/8チップ後行した疑似雑音符号との差信号を説明
する図、
【図17】(a)従来の疑似雑音発生器の出力と衛星信
号との位相差に対する相関の変化を示す図、(b)従来
の1/2チップ先行及び後行した疑似雑音符号の差信号
と衛星信号との位相差変化に対する相関の変化を示す
図、(c)従来の1/8チップ先行及び後行した疑似雑
音符号の差信号と衛星信号との位相差変化に対する相関
の変化を説明する図である。
【符号の説明】
2、102 アンテナ 5、11、105、111 局部発振器 6、12、20、32、33、106、112、120、131、302、401
混合器 7、13、34、35、107、113、133、134、504 フィルタ 28〜30、110、127、128、129 ラッチ 16、116 疑似雑音発生器 17、117、501 相関器 18、118、121 スイッチ 19、119 数値制御発振器 22、122、402 加算器 23、123、403、601 RAM 24、124 制御部 25〜27、125、126、201、503 カウンタ 31 減算器 130、301 論理回路 132 ANDゲート 202、502 重み付 404 減衰器
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−269682(JP,A) 特開 平4−20889(JP,A) 特開 平4−232485(JP,A) 特開 平5−164834(JP,A) 特開 平6−249940(JP,A) 特開 平6−66912(JP,A) 特開 平7−35840(JP,A) 特開 平6−59013(JP,A) 特開 平3−41382(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 5/00 - 5/14 H03L 1/00 - 7/26 H04B 1/69 - 1/713 H04B 7/24 - 7/26

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 衛星信号の搬送波に追尾する再生搬送波
    を発生する発振器と、衛星固有の疑似雑音符号を発生す
    る疑似雑音発生器とを備えるGPS受信機において、 前記発振器の位相変化に応じて前記疑似雑音発生器の位
    相を制御し、衛星信号に含まれる疑似雑音符号と前記疑
    似雑音発生器から発生される疑似雑音符号との位相差を
    一定に保つように制御する制御手段と、 前記疑似雑音発生器から発生される疑似雑音符号の立ち
    上がりまたは立ち下がりと関連付けたタイミングを発生
    するタイミング発生手段と、 前記タイミング発生手段が発生するタイミングに合わせ
    て衛星信号の振幅を標本化する標本化手段と、 前記標本化手段によって標本化された信号を累積加算す
    る累積加算手段と、 前記累積加算手段の累積加算結果を使って衛星信号に含
    まれる疑似雑音符号と前記疑似雑音発生器から発生され
    る疑似雑音符号との位相差を算出する算出手段とを備
    え、前記算出手段が求めた位相差と前記疑似雑音発生器
    に設定した位相とを加算して、衛星信号に含まれる疑似
    雑音符号の位相を測定することを特徴とするGPS受信
    機。
  2. 【請求項2】 前記タイミング発生手段が、2個の連続
    するタイミングを発生し、前記累積加算手段が、それぞ
    れのタイミングに応じて重み付けされた前記標本化され
    た信号を累積加算することを特徴とする請求項1に記載
    のGPS受信機。
  3. 【請求項3】 前記タイミング発生手段が、前記疑似雑
    音符号の立ち上がり及び立ち下がりと関連付けたタイミ
    ングを発生し、前記累積加算手段が、前記立ち下がりの
    区間では反転された前記標本化された信号を累積加算す
    ることを特徴とする請求項1に記載のGPS受信機。
  4. 【請求項4】 前記累積加算手段の累積加算結果を衛星
    信号から送られるデータの伝送周期を越える期間累積加
    算する第2の累積加算手段と、衛星信号から送られる前
    記データが負のときに前記第2の累積加算手段に入力さ
    れる前記累積加算結果の正負を反転する反転手段とを設
    けたことを特徴とする請求項1乃至3に記載のGPS受
    信機。
  5. 【請求項5】 前記タイミング発生手段が、複数の連続
    するタイミングを発生し、前記累積加算手段が、標本化
    の行なわれたタイミングの区別に従って前記標本化され
    た信号を累積加算することを特徴とする請求項1、3ま
    たは4に記載のGPS受信機。
  6. 【請求項6】 前記タイミングの区別に従って累積加算
    された累積加算結果の連続する2つのタイミングの前記
    累積加算結果に対して関連する重み付け行なう重み付け
    手段を設け、前記算出手段が、前記重み付け手段によっ
    て関連する重み付けがされた2個の累積加算結果の加算
    値を使って前記位相差を算出することを特徴とする請求
    項5に記載のGPS受信機。
  7. 【請求項7】 前記タイミングの区別に従って累積加算
    された累積加算結果の平均値と前記タイミングとの関係
    から求めた疑似雑音符号の位相差変化に対する衛星信号
    の振幅特性について記憶する記憶手段を設け、受信機位
    置の測定時に測定された前記振幅特性と前記記憶手段に
    記憶された前記振幅特性とを比較できるようにしたこと
    を特徴とする請求項5または6に記載のGPS受信機。
  8. 【請求項8】 前記重み付け手段が、測定精度の上昇し
    た段階で測定された疑似雑音符号の位相差と、前記記憶
    手段に記憶された前記振幅特性と、前記振幅特性を得る
    ために用いた標本化のタイミングと、これから測定を行
    なおうとする測定タイミングとを使って前記重み付けの
    係数を決定することを特徴とする請求項7に記載のGP
    S受信機。
  9. 【請求項9】 前記タイミング発生手段が、前記疑似雑
    音符号の立ち上がりまたは立ち下がり時点から疑似雑音
    符号の位相差にして約1チップ先行した付近における前
    記振幅特性を測定するように前記タイミングを発生し、
    前記算出手段が、受信機位置の測定時に測定された前記
    振幅特性の傾きが最も急な部分における接線と、振幅が
    0の横軸との交点の位相差または前記交点と一定の関係
    にある位相差をそれぞれ求め、衛星信号に含まれる疑似
    雑音符号と前記疑似雑音発生器から発生される疑似雑音
    符号との位相差を算出することを特徴とする請求項5ま
    たは請求項7に記載のGPS受信機。
  10. 【請求項10】 前記算出手段が、前記記憶手段に記憶
    された前記振幅特性を基に、受信信号に含まれる直接波
    及び反射波の位相と振幅とを仮定し、前記直接波及び反
    射波により観測されるであろう振幅特性が、実際の測定
    値と近くなるように、前記直接波及び反射波の位相と振
    幅とを求めることを特徴とする請求項7に記載のGPS
    受信機。
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