JP2000346924A - Gps受信機 - Google Patents

Gps受信機

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JP2000346924A
JP2000346924A JP15530099A JP15530099A JP2000346924A JP 2000346924 A JP2000346924 A JP 2000346924A JP 15530099 A JP15530099 A JP 15530099A JP 15530099 A JP15530099 A JP 15530099A JP 2000346924 A JP2000346924 A JP 2000346924A
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JP
Japan
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pseudo
phase
signal
noise code
satellite
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Application number
JP15530099A
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English (en)
Inventor
Yoshifumi Tateda
良文 舘田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルチパスの影響を排除した高い精度の位置
を測定できるGPS受信機を提供する。 【解決手段】 衛星信号が受信できている場合、ステッ
プ205では、相関結果PIの正負によって平均値EIを
正負反転し、PIの振幅で平均値EIを規格化する。ス
テップ206では規格化した平均値EIを入力して雑音成
分をフィルタで除去する。ステップ207では第1のフィ
ルタ演算出力に従って疑似雑音発生器の位相と振幅を測
定するタイミングδとRを制御する符号位相補正を行な
う。ステップ208では符号位相補正で補正した符号位相
の補正量を入力して時間積分する。マルチパスなどの原
因で疑似雑音符号の追尾に誤差が加わると、ステップ20
8における第2のフィルタの演算処理による積分結果が
変化する。この変化量は追尾に誤差と強い関連性を持っ
ているので、その影響の度合いを判定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、測位衛星の信号を
受信し位置を測定するGPS(Global Positioning Sy
stem)受信機、特に米国が運用しているNAVSTAR
衛星や、ロシア共和国が運用しているGLONASS衛
星など、スペクトル拡散信号の位相を測定することによ
り、衛星信号が示す時刻を測定し、位置を求める受信機
に関し、受信している衛星信号を、疑似雑音符号のタイ
ミングに合わせて標本化し、短い時間で精度良く位置を
測定する疑似雑音符号と関連付けて信号の振幅を測定す
るGPS受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、GPS受信機はカーナビゲーショ
ンシステムや、船舶の航法装置、航空機の航法装置の位
置センサーとして広く利用されている。
【0003】従来、受信機と衛星の間の疑似雑音符号の
位相差の測定について、衛星信号の伝播路がマルチパス
の状態にある時、その影響を軽減できる特開平9-304503
号に記載されているGPS受信機が知られている。図1
1は、従来のGPS受信機の構成であり、図11におい
てGPS衛星1は位置を測定するための搬送周波数が
1.57542GHzであるGPS衛星信号(L1)を
送信している。
【0004】アンテナ2は、GPS衛星1の電波を受け
るアンテナ、フィルタ3は衛星信号を濾波するフィル
タ、局部発振器5は局部信号を発生する発振器、混合器
6はこの出力信号と衛星信号を混合し中間周波信号を出
力する混合器、フィルタ7は混合器6が出力する中間周
波信号のみを濾波するフィルタ、比較器9は中間周波信
号を2値のデジタル信号に変換する比較器、ラッチ10は
2値化した中間周波信号を標本化するラッチ、局部発振
器11は中間周波信号を基底帯域に周波数変換する発振
器、混合器12は中間周波信号を基底帯域に周波数変換す
る混合器、フィルタ13は混合器12の出力から衛星信号の
基底帯域以外の成分を濾波するフィルタ、基準発振器14
は受信機の基準クロックを発生する発振器、逓倍器15は
基準クロックを4逓倍する逓倍器である。
【0005】疑似雑音発生器16は、複数の衛星について
それぞれ固有の疑似雑音符号を発生する疑似雑音発生
器、相関器17は複数の衛星それぞれについて、衛星信号
と疑似雑音発生器16の出力を混合し相関を測定するとと
もに、疑似雑音発生器16で発生する疑似雑音符号と関連
付けて受信信号を標本化する回路、スイッチ18は衛星ご
とに時間積分した相関器17の出力を時間順次で切り換え
るスイッチ、数値制御発振器19は衛星信号の搬送波に追
尾している再生搬送波を、衛星ごとに時間順次で出力す
る発振器、混合器20は各衛星について順次、相関器17の
出力信号を直交周波数変換する混合器、スイッチ21は混
合器20の出力IとQを順次切り換るスイッチ、加算器22
とRAM(ランダムアクセスメモリ)23は、混合器20の
出力を衛星ごとに累積する累積加算器を構成し、制御部
24は、衛星信号ごとに同相成分と直交成分別々に累積加
算値した結果を用いて、衛星信号に追尾するように疑似
雑音発生器16と数値制御発振器19を制御する制御部であ
る。
【0006】以上のように構成した従来のGPS受信機
について、以下にその動作を説明する。まず、複数のG
PS衛星1の電波をアンテナ2で受ける。次に、受けた
信号よりフィルタ3で不要な信号を除き、増幅器4で増
幅する。さらに、局部発振器5、混合器6及びフィルタ
7で構成する周波数変換回路で周波数変換する。変換し
た中間周波信号を増幅器8で増幅及び振幅制限した後、
比較器9において2値のロジック信号に変換する。この
2値化した信号を、ラッチ10において標本化する。標本
化した信号は、局部発振器11が出力する中間周波に一致
したI信号と、I信号に対し90゜位相の異なるQ信号
によって直交周波数変換する。以降、この周波数変換し
た衛星信号I,Qについて、受信する衛星ごとに独立し
た信号処理を行なう。
【0007】疑似雑音発生器16は、受信する衛星ごとに
固有の疑似雑音符号を出力する。この衛星固有の疑似雑
音符号は、C/Aコードと呼ばれ、符号速度が1.02
3Mbps、符号長1023チップであって、周期は1
msecである。この疑似雑音符号と前記衛星信号I,
Qを、衛星ごとに相関器17によって混合して相関を求め
る。疑似雑音符号の位相は、信号処理の基準クロックの
タイミングを単位として量子化し、この量子化した値を
疑似雑音発生器16に設定する。
【0008】相関器17は、受信信号と疑似雑音符号を混
合した後、数百KHzの標本化周波数まで時間積分によ
って平滑化し、この平滑化した信号AIとAQを出力する
と共に、疑似雑音発生器で発生する疑似雑音符号が、0
から1に変化するタイミングに対し、δだけ先行または
後行したタイミングに標本化した受信信号を、数百KH
zの標本化周波数に相当する期間積分によって平滑化し
た信号BIとBQを出力する。
【0009】数値制御発振器19は、それぞれの衛星につ
いて再生搬送波信号を発振し、直交した出力信号I及び
Qを出力する。この出力信号によって、混合器20は平滑
化した相関器17の出力信号を直交周波数変換する。この
周波数変換では、入力信号の標本化周波数が低くなって
いるので、複数の衛星について時分割で処理する。混合
器20が出力する同相成分Iと直交成分Qは、スイッチ21
において時間順次信号に変換する。
【0010】そして、加算器22とRAM23で構成する累
積加算器は、衛星ごとに混合器20の出力信号を累積加算
する。信号AI、AQを周波数変換し累積加算した値を相
関結果PI、PQとし、信号BI、BQを周波数変換し累積
加算した値を振幅の平均値E I、EQとする。加算する期
間はC/Aコードの始まりから終わりまでの1msec
を1区間とする。
【0011】制御部24は、累積加算結果を受け取り、相
関結果PQ成分の振幅が小さくなるように数値制御発振
器19を制御することによって、衛星信号の搬送波を追尾
する。さらに、前記δを変えて振幅の平均値EIを測定
し、振幅の平均値EIが小さくなるδの値を探すことに
よって、疑似雑音発生器16と衛星信号との、疑似雑音符
号の位相差を測定する。
【0012】振幅の平均値EIが小さくなるδの値を探
す処理は、平均値EIについて、相関結果PIの値が正
の場合は、平均値EIを制御部24内に設けている低域通
過フィルタに出力し、相関結果PIの値が負の場合は、
平均値EIを正負反転してこの低域通過フィルタに出力
する。低域通過フィルタの時定数を30秒など大きくす
れば、低域通過フィルタの出力は、衛星ごとの平均値E
Iについてさらに雑音の影響を受けない精度の良い測定
結果を得ることができる。
【0013】そして、この低域通過フィルタの出力がが
小さくなるようにδと疑似雑音発生器16の位相を制御す
ることで、衛星信号の疑似雑音発符号に追尾する。制御
部24はまた、相関結果PI成分の正負変化より、衛星か
らBPSK変調で送られる50bpsのデータを復調す
る。そして、測定した疑似雑音符号の位相と50bps
のデータのタイミングにより、衛星が電波を発射した時
刻を求める。さらに制御部24は、複数の衛星について受
け取った軌道情報や時刻情報と測定した時刻を使って、
受信機のアンテナ位置を演算により求め、外部へ出力す
る。
【0014】また、予め受信信号を標本化して振幅特性
を測定しておき、マルチパスがある状況においても、衛
星信号を標本化して振幅特性を測定して、その特性と予
め測定した特性を比較して、直接波と反射波の位相と振
幅を予測し、直接波の疑似雑音符号位相を精度良く測定
する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のGPS受信機においてマルチパスがある状態を判断
するのに、予め測定した衛星信号の振幅特性と、受信信
号を標本化して得た振幅特性を比較するので、非常に複
雑な処理が必要であり、短い時間で衛星信号を標本化し
て振幅特性を得るには大規模な測定回路が必要であっ
た。更に、搬送波の位相の測定において、受信信号と疑
似雑音符号を混合して時間積分した信号AIとAQを使う
ため、マルチパス信号の影響を大きく受けるという問題
を有していた。
【0016】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、大規模な測定回路を使用せず、簡単な処理でマルチ
パスの状態を判断でき、搬送波の位相を精度良く測定で
きる、優れたGPS受信機を提供することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に本発明は、衛星信号の疑似雑音符号を追尾するため
の、符号位相の補正量を求める第1のフィルタと、この
位相の補正量で疑似雑音符号の位相を補正する手段で構
成する疑似雑音符号の追尾フィルタに加えて、位相の補
正量を時間積分する第2のフィルタと、この時間積分し
た結果の振幅によってマルチパスの影響を判定する手段
を設け、疑似雑音符号の位相がマルチパスによる影響を
受けて変化していることを、このマルチパスの影響を判
定する手段によって判定し、影響を受けた観測結果を排
除した疑似雑音符号の位相で受信機の位置を計算するも
のである。
【0018】本発明は、また搬送波信号に追尾した局部
発振信号を発生する局部発振器と、この局部発振信号で
受信信号を周波数変換する手段と、疑似雑音符号のタイ
ミングに対して一定の時間差を持ったタイミングに、こ
の周波数変換した受信信号を、符号の状態で正負を反転
して標本化する手段と、この標本化した受信信号である
前記の局部発振信号の同相成分と直交成分で、前記標本
化したタイミングにおける受信信号の搬送波と前記局部
発振信号の位相差を測定する手段とを設け、前記局部発
振信号の位相を、この位相差を測定する手段で測定した
位相差で補正して、観測した衛星信号の搬送波位相とす
るのものである。
【0019】以上により、疑似雑音符号を追尾している
衛星にマルチパスの影響を受けた衛星が含まれていて
も、これを排除して位置を計算できるので、疑似雑音符
号の位相による精度の良い位置測定ができる。また、複
数の受信機の間の相対位置を、衛星信号の搬送波の位相
を比較して高精度で測定するキネマティック測位におい
て、搬送波の位相を測定について、遅延した反射信号の
影響を軽減できるので、精度の良い位置が測定できるG
PS受信機が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、衛星信号の搬送波に追尾する局部発振器と、衛星固
有の疑似雑音符号を発生する疑似雑音発生器と、前記局
部発振器の位相変化に応じて前記疑似雑音発生器の位相
を制御し、衛星信号に含まれる疑似雑音符号と前記疑似
雑音発生器が発生する疑似雑音符号との位相差を一定に
保つように制御する手段と、疑似雑音符号の位相差を測
定する相関器と、測定した位相差を入力して前記疑似雑
音符号の位相差を補正するための符号位相の補正量を求
める第1のフィルタと、前記補正量で疑似雑音符号の位
相を補正する手段と、前記補正量を時間積分する第2の
フィルタと、この時間積分した結果の振幅によってマル
チパスの影響を判定する手段を設け、このマルチパスの
影響を判定する手段の判定結果によって、マルチパスの
影響を受けた観測結果を排除して疑似雑音符号の位相で
受信機の位置を計算することを特徴とするGPS受信機
としたものであり、マルチパスの影響を受けた衛星信号
を受信していても、この衛星の観測結果を排除するの
で、マルチパスの影響を受けない、高い位置の精度が得
られるという作用を有する。
【0021】また、請求項2に記載の発明は、符号位相
の補正量を時間積分する第2のフィルタと、この時間積
分した結果の振幅によってマルチパスの影響を判定する
手段に加えて、所定の時間経過したことを判定する手段
を設け、この判定に従って前記第2のフィルタを周期的
に初期化することを特徴とする請求項1に記載のGPS
受信機としたものであり、マルチパスの影響が少なくな
ったことを素早く判定することができ、マルチパスの影
響を受けずに、より多くの衛星の観測結果を使った、疑
似雑音符号の位相による精度の良い位置測定ができると
いう作用を有する。
【0022】また、請求項3記載の発明は、符号位相の
補正量を時間積分する第2のフィルタが出力する振幅を
使って、マルチパスの影響による疑似雑音符号の位相測
定誤差を評価する手段を設け、この位相測定誤差の評価
値を使って重み付けした最小自乗法によって、疑似雑音
符号の位相の観測値で受信機の位置を求めることを特徴
とする請求項1または請求項2記載のGPS受信機とし
たものであり、マルチパスの影響の程度に応じて、より
高い頻度で精度良く位置が求まるという作用を有する。
【0023】また、請求項4記載の発明は、衛星信号の
搬送波に追尾する局部発振器と、衛星固有の疑似雑音符
号を発生する疑似雑音発生器と、前記局部発振器の位相
変化に応じて前記疑似雑音発生器の位相を制御し、衛星
信号に含まれる疑似雑音符号と前記疑似雑音発生器が発
生する疑似雑音符号との位相差を一定に保つように制御
する手段と、前記局部発振信号で受信信号を直交周波数
変換する周波数変換器と、前記疑似雑音発生器が発生す
る疑似雑音符号のタイミングに対して、一定の時間差を
持ったタイミングを発生する手段と、この符号の状態で
正負を反転した前記周波数変換器が出力する受信信号を
標本化する手段と、この標本化した受信信号である前記
局部発振信号に対する同相成分と直交成分で、前記標本
化したタイミングにおける受信信号の搬送波と前記局部
発振信号の位相差を測定する手段とを設け、この位相差
を測定する手段で測定した位相差によって前記局部発振
信号の位相を補正して、衛星信号の搬送波位相の観測値
とすることを特徴とするGPS受信機としたものであ
り、位相差を測定する手段で測定した位相差によって前
記局部発振信号の位相を補正して、衛星信号の搬送波位
相の観測値とすることにより、搬送波位相の測定におい
て、遅延した反射信号の影響を軽減できるので、マルチ
パスの影響が少ない衛星信号の搬送波位相を測定できる
という作用を有する。
【0024】また、請求項5記載の発明は、衛星信号の
搬送波に追尾する局部発振器と、衛星固有の疑似雑音符
号を発生する疑似雑音発生器と、前記局部発振器の位相
変化に応じて前記疑似雑音発生器の位相を制御し、衛星
信号に含まれる疑似雑音符号と前記疑似雑音発生器が発
生する疑似雑音符号との位相差を一定に保つように制御
する手段と、前記局部発振信号で受信信号を直交周波数
変換する周波数変換器と、前記疑似雑音発生器が発生す
る疑似雑音符号のタイミングに対して、一定の時間差を
持ったタイミングを発生する手段と、この符号の状態で
正負を反転した前記周波数変換器が出力する受信信号を
標本化する手段を設け、この標本化した受信信号が搬送
波の追尾に十分な強度である場合は、前記局部発振信号
の直交成分に対応する標本化した受信信号の成分が小さ
くなるように前記の局部発振信号を制御し、この標本化
した受信信号が十分な強度でない場合は受信信号と疑似
雑音符号を乗じた上で時間積分した信号で局部発振信号
を制御することを特徴とするGPS受信機としたもので
あり、衛星信号の受信感度が高い場合は、疑似雑音符号
の追尾においてマルチパスの影響を軽減できるという作
用を有する。
【0025】また、請求項6記載の発明は、疑似雑音符
号の立上り付近で搬送波の位相差を予め測定し、この測
定結果を衛星個々に保持し、標本化した受信信号である
前記局部発振信号に対する同相成分と直交成分で測定し
た位相差を、対応する衛星の前記保存している位相差分
で逆に補正した上で、局部発振信号の位相を補正して、
観測した衛星信号の搬送波位相とすることを特徴とする
請求項4記載のGPS受信機としたものであり、疑似雑
音符号の立上り付近で搬送波の位相が、平均的な位相に
対して僅かなずれがあって、他の方式による受信機との
間で相対位置を測定する場合でも、精度良く相対位置が
測定できるだけでなく、マルチパスの影響が少ない衛星
信号の搬送波位相を測定できる点という作用を有する。
【0026】また、請求項7記載の発明は、衛星信号の
搬送波に追尾する局部発振器と、衛星固有の疑似雑音符
号を発生する疑似雑音発生器と、前記局部発振器の位相
変化に応じて前記疑似雑音発生器の位相を制御し、衛星
信号に含まれる疑似雑音符号と前記疑似雑音発生器が発
生する疑似雑音符号との位相差を一定に保つように制御
する手段と、前記局部発振信号で受信信号を直交周波数
変換する周波数変換器と、前記疑似雑音発生器が発生す
る疑似雑音符号のタイミングに対して、一定の時間差を
持ったタイミングを発生する手段と、この符号の状態で
正負を反転した前記周波数変換器が出力する受信信号を
標本化する手段と、この標本化した受信信号である前記
局部発振信号に対する同相成分と直交成分で、前記標本
化したタイミングにおける受信信号の搬送波と前記局部
発振信号の位相差を測定する手段とを設け、疑似雑音符
号の立上り付近で搬送波の位相差を予め測定し、この測
定結果を衛星個々に保持し、位置を測定する際に再び疑
似雑音符号の立上り付近で搬送波の位相差を測定して、
対応する衛星の保存している位相差と比較することによ
ってマルチパスの影響を判定して、マルチパスの影響を
受けた観測結果を排除して疑似雑音符号の位相で受信機
の位置を計算することを特徴とするGPS受信機とした
ものであり、マルチパスの影響を受けた衛星信号を受信
していても、この衛星の観測結果を排除するので、マル
チパスの影響を受けないという作用を有する。
【0027】また、請求項8記載の発明は、請求項1乃
至請求項3のいずれかに記載のマルチパスの影響を判定
する手段またはマルチパスの影響による疑似雑音符号の
位相測定誤差を評価する手段に加え、局部発振信号で受
信信号を直交周波数変換する周波数変換器と、疑似雑音
発生器が発生する疑似雑音符号のタイミングに対して、
一定の時間差を持ったタイミングを発生する手段と、こ
の符号の状態で正負を反転した前記周波数変換器が出力
する受信信号を標本化する手段と、この標本化した受信
信号である前記局部発振信号に対する同相成分と直交成
分で、前記標本化したタイミングにおける受信信号の搬
送波と前記局部発振信号の位相差を測定する手段とを設
け、疑似雑音符号の立上り付近で搬送波の位相差を予め
測定し、この測定結果を衛星個々に保持し、位置を測定
する際に再び疑似雑音符号の立上り付近で搬送波の位相
差を測定して、対応する衛星の保存している位相差と比
較することによってマルチパスの影響を判定し、これら
複数のマルチパスの評価結果の内最も厳しい条件を選択
することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか
に記載のGPS受信機としたものであり、マルチパスの
影響を受けた衛星信号の観測結果について、より確実に
排除したり重み付けを変えたりできるという作用を有す
る。
【0028】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図10を用いて説明である。
【0029】(第1の実施の形態)図1は、疑似雑音符
号と関連付けて信号の振幅を測定するGPS受信機の構
成であって、図11の従来例と同様であるが、衛星信号
の疑似雑音発符号に追尾する方法が異なっている。図1
においてGPS衛星101は位置を測定するための搬送周
波数が1.57542GHzであるGPS衛星信号(L
1)を送信している。
【0030】アンテナ102は、GPS衛星の電波を受け
る無指向性アンテナ、フィルタ103は衛星信号を濾波す
る周波数1.57542GHzで帯域幅が30MHzの
帯域フィルタ、増幅器104は周波数1.57542GH
z帯の増幅器、局部発振器105は1.608156GH
zの局部信号を発生する発振器、混合器106はこの出力
信号と衛星信号を混合し中間周波信号を出力する混合
器、フィルタ107は混合器が出力する32.736MH
zで帯域幅8MHzの中間周波信号のみを濾波する帯域
フィルタ、増幅器108は中間周波信号を増幅する増幅
器、比較器109は中間周波信号を2値のデジタル信号に
変換する変換器、ラッチ110は2値化した中間周波信号
を65.472MHzの周波数で標本化するラッチ、局
部発振器111は中間周波信号を基底帯域に周波数変換す
る直交した局部信号32.736MHzを発生する回
路、混合器112は局部発振器111の出力と中間周波信号を
混合する混合器、フィルタ113は65.472MHzで
標本化した信号を16.368MHzで標本化した信号
に変換する低域フィルタ、基準発振器114は受信機の基
準クロックを発生する発振器、逓倍器115は基準発振器1
14の出力を4逓倍するPLL発振器である。
【0031】疑似雑音発生器116は、複数の衛星につい
てそれぞれ固有の疑似雑音符号を発生する符号発生回
路、相関器117は複数の衛星それぞれについて、衛星信
号と疑似雑音発生器116の出力を混合し相関を測定する
とともに、疑似雑音発生器116で発生する疑似雑音符号
と関連付けて受信信号を標本化する回路、スイッチ118
は衛星ごとに時間積分した相関器117の出力を時間順次
で切り換えるスイッチ、数値制御発振器119は衛星信号
の搬送波に追尾している再生搬送波を、衛星ごとに時間
順次で出力する発振器、混合器120は各衛星について順
次、相関器117の出力信号を直交周波数変換する混合
器、スイッチ121は混合器の出力IとQを順次切り換え
て出力するスイッチ、加算器122とRAM(ランダムア
クセスメモリ)123は混合器120の出力を衛星ごとに累積
して加算する累積加算器、制御部124はこの衛星信号ご
とに同相成分と直交成分別々に累積加算値した結果を用
いて、衛星信号に追尾するように疑似雑音発生器116と
数値制御発振器119を制御するマイクロプロセッサを使
った制御回路である。
【0032】以上のように構成したGPS受信機につい
て、以下その動作を説明する。構成は、図11の従来例
と同様であるが、制御部124の動作が異なっている。ま
ず、複数のGPS衛星101の電波をアンテナ102で受け
る。次に、受けた信号よりフィルタ103で不要な信号を
除き、増幅器104で増幅する。さらに、局部発振器105、
混合器106及びフィルタ107で構成する周波数変換回路で
周波数変換する。出力した中間周波信号の周波数は3
2.736MHzを中心とする信号である。
【0033】次に、変換した中間周波信号を増幅器108
で増幅及び振幅制限した後、比較器109において2値の
ロジック信号に変換する。この2値化した信号を、ラッ
チ110において、4逓倍器115が出力する65.472M
Hzのクロック信号で標本化する。これ以降は全ての信
号を離散値として、ロジック回路または演算回路で信号
処理する。この標本化した信号を、局部発振器111が出
力する32.736MHzのI信号と、I信号に対し9
0゜位相の異なるQ信号によって直交周波数変換する。
さらに、この周波数変換した衛星信号I,Qについて、
受信する衛星ごとに独立した信号処理を行なう。
【0034】疑似雑音発生器116は、受信する衛星ごと
に固有の疑似雑音符号を出力する。この衛星固有の疑似
雑音符号は、C/Aコードと呼ばれ、符号速度が1.0
23Mbps、符号長1023チップであって、周期は
1msecである。この疑似雑音符号と前記中間周波信
号I,Qを、衛星ごとに相関器117によって混合して相
関を求める。疑似雑音符号の位相は、信号処理の基準ク
ロックである16.368MHzのタイミング(疑似雑
音符号16分の1チップに相当)を単位として量子化
し、この量子化した値を疑似雑音発生器116に設定す
る。
【0035】相関器117は、受信信号と疑似雑音符号を
混合した後、数百KHzの標本化周波数まで時間積分に
よって平滑化し、この平滑化した信号AIとAQを出力す
ると共に、疑似雑音発生器で発生する疑似雑音符号が、
0から1に変化するタイミングに対し、δだけ先行また
は後行したタイミングに標本化した受信信号を、数百K
Hzの標本化周波数に相当する期間積分によって平滑化
した信号BIとBQを出力する。
【0036】数値制御発振器119は、それぞれの衛星に
ついて再生搬送波信号を発振し、直交した出力信号I及
びQを出力する。この出力信号によって、混合器120は
平滑化した相関器117の出力信号を直交周波数変換す
る。この周波数変換では、入力信号の標本化周波数が低
くなっているので、複数の衛星について時分割で処理す
る。
【0037】混合器120が出力する同相成分Iと直交成
分Qは、スイッチ121において時間順次信号に変換す
る。そして、加算器122とRAM123で構成する累積加算
器は、衛星ごとに混合器120の出力信号を累積加算す
る。信号AI、AQを周波数変換し累積加算した値を相関
結果PI、PQとし、信号BI、BQを周波数変換し累積加
算した値を振幅の平均値EI、EQとする。加算する期間
はC/Aコードの始まりから終わりまでの1msecを
1区間とする。
【0038】制御部124は、累積加算結果を受け取り、
相関結果PQ成分の振幅が小さくなるように数値制御発
振器119を制御することによって、衛星信号の搬送波を
追尾する。さらに、前記δと疑似雑音発生器116の位相
を変えて振幅の平均値EIを測定し、振幅の平均値EI
小さくなるように、疑似雑音符号の位相を追尾する。そ
して、この測定した位相差を疑似雑音発生器116に設定
している位相に加えることによって、衛星信号に含まれ
る疑似雑音符号の位相を測定する。
【0039】制御部124は、また相関結果PI成分の正負
変化より、衛星からBPSK変調で送られる50bps
のデータを復調する。そして、測定した疑似雑音符号の
位相と50bpsのデータのタイミングにより、衛星が
電波を発射した時刻を求める。
【0040】さらに制御部124は、複数の衛星について
受け取った軌道情報や時刻情報と測定した時刻を使っ
て、それぞれの衛星が電波を発射した時刻と受信位置ま
での伝播時間を加えたGPSタイムが等しくなるような
受信機のアンテナ位置を演算により求め、外部へ出力す
る。
【0041】図2は図1の相関器117の詳細な構成を示
し、図2においてカウンタ125は図1の疑似雑音発生器1
16が発生する疑似雑音符号に対し、基準クロック8個先
行した疑似雑音符号の遷移タイミング信号を合図に計数
を始め、一致した疑似雑音符号の遷移タイミングに対し
δだけ先行ないし後行した疑似雑音符号のタイミングと
その次のタイミングを示す信号と、この二つのタイミン
グを識別する信号を出力する計数回路である。
【0042】カウンタ126は、疑似雑音発生器116に一致
したタイミングを発生する計数回路、ラッチ127は疑似
雑音発生器116が発生する基準クロック8個先行したタ
イミング信号で疑似雑音符号を保持するDラッチ、ラッ
チ128はカウンタ126が出力するタイミングに、疑似雑音
発生器116に一致したタイミングに疑似雑音符号を保持
するDラッチ、論理回路129は、8クロック先行した疑
似雑音符号と8クロック後行した疑似雑音符号を入力
し、以下に示す表1の様に2個の入力の違いに応じて1
または−1を出力する回路である。
【0043】 <表1> 先行した符号入力A 後行した符号入力B Y出力 0 0 0 1 0 −1 0 1 1 1 1 0
【0044】混合器130は、ラッチ128が出力する疑似雑
音発生器116と同じタイミングに相当する疑似雑音符号
が1か0かによって、図1フィルタ113の出力信号の正
負を反転する乗算器、フィルタ131は混合器130の出力I
とQをそれぞれ時間積分し、標本化周波数が数百KHz
の平滑化した信号AI、AQを出力する累積加算器、重み
付け器132は制御部124が出力する値Rと、カウンタ125
が出力する先行、後行のタイミングを識別する信号に応
じて、図1フィルタ113の出力信号に重み付けをする重
み付け器、混合器133は論理回路129の出力と図1フィル
タ113の出力信号を乗算する乗算器、フィルタ134はカウ
ンタ125が出力するδだけ先行ないし後行したタイミン
グとその次のタイミングを示す信号を入力した時、混合
器133の出力を積分し、標本化周波数が数百KHzに相
当する平滑化を施した信号BI、BQを出力する累積加算
器である。
【0045】以上のように構成した図1の相関器117に
ついて、図2の相関器117構成と図3のタイミング図と
図4の振幅特性を用いて以下その動作を説明する。図3
(a)は疑似雑音発生器116から入力する疑似雑音符号
に対し、基準クロック8個先行した疑似雑音符号であ
る。図3(b)はラッチ128が出力する疑似雑音符号で
あって、疑似雑音発生器116が発生する疑似雑音符号と
タイミングが一致している。
【0046】混合器130はこのラッチ128の出力が0の場
合、フィルタ113からの受けた衛星信号を正負反転して
出力し、1の場合は衛星信号をそのまま出力する。フィ
ルタ133は前記のごとく平滑化した信号AI、AQを出力
する。さらにこの信号は、周波数変換と累積加算によっ
て相関結果PI、PQとなる。この一致したタイミングに
相当する疑似雑音符号は、受信している衛星信号の疑似
雑音符号と、符号の種類が同じで、位相が概略一致して
いるとする。このとき受信している衛星信号は、混合器
130においてスペクトル拡散された信号が逆拡散され、
50bpsでBPSK変調された位相変調信号を得るこ
とができる。
【0047】そして、制御部124はフィルタ131が出力す
る相関結果の直交成分PQが小さくなるように、数値制
御発振器119を制御するこで衛星信号の搬送波を追尾す
る。さらに、相関結果の同相成分PIが正負に変化する
のを調べることにより、位相変調信号を復調し、衛星信
号より時刻情報や軌道情報時刻を受け取る。
【0048】図3(c)は、論理回路129が出力する信
号であって、疑似雑音発生器116が発生する疑似雑音符
号(b)が1に変化するタイミングの前後8クロックが
−1、0に変化するタイミングの前後7クロックが1と
なる。図3(d)は疑似雑音符号の遷移タイミングに対
しδ=−2だけ先行した疑似雑音符号のタイミングとそ
の次のタイミングを示す信号であって、この信号を受け
取った2クロックの間フィルタ134は混合器133の出力を
積分する。ただし、疑似雑音発生器116が発生する疑似
雑音符号(b)が変化しないタイミングは混合器133の
出力が0である。図3(e)は図3(d)の前半と後半
を識別する信号である。
【0049】制御部124は、カウンタ125の計数値を変え
ることによりタイミングを変更する。先行ないし後行し
た疑似雑音符号のタイミングδは、基準クロックの個数
で設定でき、−7から7迄の整数値である。
【0050】図1の制御部124は、追尾している衛星信
号の疑似雑音符号のタイミングに合わせて、衛星信号の
振幅を測定する。振幅を測定するタイミングは、追尾し
ている疑似雑音符号の位相に対して相対的に決める。疑
似雑音符号は受信機で発生する基準クロックの1/16
のレートで変化するが、基準クロックの周波数誤差や受
信機と衛星の距離が変化するので、疑似雑音符号の追尾
では時間と共に疑似雑音符号の位相が変化する。なお、
この位相変化の量は搬送波に対する追尾によってかなり
正確に測定することができ、この観測結果を使って疑似
雑音符号の追尾を制御する。
【0051】そのために、疑似雑音符号の変化タイミン
グと基準クロックのタイミングの関係は徐々に変化す
る。制御部124はこの変化するタイミングに対して更
に、衛星信号の振幅を測定するタイミング分を補正した
疑似雑音符号の位相を計算する。そして、疑似雑音符号
の追尾のため、基準クロックの周期で量子化した整数値
の位相で疑似雑音発生器116を制御する。従って、制御
部124が設定する疑似雑音符号の位相は、16分の1チ
ップ単位で量子化する際に少数以下を切り捨てている。
【0052】疑似雑音符号と関連付けて、衛星信号の振
幅を測定するタイミングの設定は、前記の測定するタイ
ミング分を補正した位相と、疑似雑音発生器116に設定
した位相との関係から、実際に振幅を測定すべきタイミ
ングに相当するδを決定する。このδもまた16分の1
チップ単位であるため、量子化する際に切り捨る少数以
下の部分があり、これをRと定義する。当然Rは0チッ
プから1/16チップ以下の範囲に納まっている。求め
たδの値をカウンタ125に設定する。一方、求めたRの
値Rに応じて、制御部124は2個の重み付データを重み
付け器132に出力する。
【0053】重み付けの方法は、図3(e)が1のタイ
ミングは(1.0−R)に比例した値、0のタイミング
はRに比例した値とする。この重み付けした信号は、前
記フィルタ134の出力信号BI、BQとして出力し、累積
加算した振幅の平均値EI、E Qとなる。
【0054】図4は、タイミングδや疑似雑音発生器11
6の位相を制御して疑似雑音符号のタイミングを変えた
場合に得られる、このEIの変化を示す振幅特性であ
る。横軸は、衛星信号のタイミングと振幅を観測したタ
イミングとの位相差、縦軸はその観測タイミングで得ら
れる衛星信号の振幅で、最大振幅を1とした相対値で示
している。なお、衛星信号に加えられている50bps
の位相変調により、この波形は正負が反転する。衛星信
号と受信機間の疑似雑音符号の位相は、この振幅特性の
中央部で、振幅が0となる所で位相差を0としている。
【0055】図5は、本実施形態固有の、制御部124に
おける疑似雑音発符号に追尾する方法を説明する流れ図
である。図5のステップ201において、相関結果PIと振
幅の平均値EIの各測定値を受け取る。ステップ202で
は、各測定値の振幅を判定して、衛星信号が受信できて
いるか否かを判断する。衛星信号が受信できていない場
合、ステップ203では衛星信号の追尾を継続するか否か
を判断する。ステップ203において衛星信号の追尾を中
断する場合には、ステップ204において引き込みモード
を変更する。
【0056】一方衛星信号が受信できている場合、ステ
ップ205では、相関結果PIの正負によって平均値EI
正負反転し、PIの振幅で平均値EIを規格化する。次い
でステップ206ではステップ205において規格化した平均
値EIを入力して雑音成分を時定数τ1が10分の低域
通過フィルタで除去する。
【0057】ステップ207ではステップ206における第1
のフィルタ演算出力に従って疑似雑音発生器116の位相
と振幅を測定するタイミングδとRを制御する符号位相
補正を行なう。次いで、ステップ208ではステップ207に
おける符号位相補正で補正した符号位相の補正量を入力
して時間積分する。ステップ209ではステップ208におけ
る第2のフィルタ演算出力の絶対値と以前の最大値Mと
を比較して大きい方を次の最大値Mとして出力するとと
もに最大値Mを保持する。
【0058】ステップ210では最大値Mの値を一定の割
合で減衰させる。そしてステップ211では最大値Mを所
定の値と比較して最大値の判定処理を行なう。ステップ
212では、最大値Mが所定の値を超えた時にマルチパス
環境を示すフラッグを立てるフラッグオン処理を行な
う。そしてステップ213では最大値Mが所定の値を下回
った時にマルチパス環境を示すフラッグを倒すフラッグ
オフ処理を行ない、ステップ214において処理の終了を
行なう。
【0059】この処理の流れにおいて、ステップ206に
おける第1のフィルタの演算処理とステップ207におけ
る符号位相補正による疑似雑音符号の追尾は、受信信号
に含まれる疑似雑音符号の位相雑音に対して低域通過フ
ィルタの役割を果たす。更に、ステップ208における第
2のフィルタの演算処理による時間積分では、過去から
その時点までに符号位相を補正した量を知ることができ
る。
【0060】衛星と受信機の間の距離変化によって生じ
る疑似雑音符号の位相変化は、前記の通り搬送波の位相
変化を疑似雑音符号の位相に反映させているので、マル
チパスが無く、追尾が安定している時は、この時間積分
値は概略一定値を保つ。追尾が安定したと判断した時に
ステップ208における第2のフィルタの演算処理を0に
初期化すれば概略0になる。
【0061】もしも、マルチパスなどの原因で疑似雑音
符号の追尾に誤差が加わると、ステップ208における第
2のフィルタの演算処理による積分結果が変化する。こ
の変化量は追尾に誤差と強い関連性を持っているので、
その影響の度合いを判定できる。その影響が、要求され
る測定精度を超えた時に、ステップ211における最大値
判定で判定できるように前記所定の値を定めておき、マ
ルチパス環境を示すフラッグを介して位置を測定する際
にマルチパスの影響を受けた衛星の観測結果を排除す
る。
【0062】以上のように本発明の第1の実施形態によ
れば、予め測定した衛星信号の振幅特性と、受信信号を
標本化して得た振幅特性を比較するなど、従来例の非常
に複雑な処理に比べ、衛星信号の疑似雑音符号に追尾に
おいて、符号位相の補正量を求める第1のフィルタと、
この位相の補正量で疑似雑音符号の位相を補正する手段
で構成する疑似雑音符号の追尾フィルタに対して、位相
の補正量を時間積分する第2のフィルタと、この時間積
分した結果の振幅によってマルチパスの影響を判定する
手段を設けることによって、疑似雑音符号の位相がマル
チパスによる影響を受けて変化していることを非常に簡
単な処理で検出でき、影響を受けた観測結果を位置計算
の際に排除できるので、マルチパスの影響を受けない
で、疑似雑音符号の位相による精度の良い位置測定がで
きる点で優れた効果が得られる。
【0063】本実施形態の相関器117は、疑似雑音符号
の位相においてマルチパスの影響を受け難い特性を持っ
ており、符号位相の補正量を求める第1のフィルタと、
この位相の補正量で疑似雑音符号の位相を補正する手段
で構成する疑似雑音符号の追尾フィルタも、マルチパス
が原因の疑似雑音符号の位相雑音の比較的早い時間変化
を示す成分を軽減する。しかし、受信できる衛星数が多
い場合は、多少なりともマルチパスの影響を受けた衛星
の観測結果は排除した方がより高い精度が得られ、処理
が簡単であるためその効果は大きい。
【0064】(第2の実施の形態)第2の実施の形態の
構成は、図1の第1の実施の形態と同様であるが、制御
部124の動作が異なっている。図6は本実施形態固有
の、制御部124における疑似雑音発符号に追尾する方法
を説明する流れ図である。図6において、処理の流れと
動作は第1の実施の形態の動さを説明した図5の流れ図
と概略同等であるが、ステップ212にて最大値Mが所定
の値を超えた時にマルチパス環境を示すフラッグを立て
るフラッグオン処理ステップに続いて、ステップ215に
おいてフラッグが立っている場合に5分経過したかどう
かを判定する時間判定処理ステップと、5分経過する度
にステップ216において第2のフィルタにおける演算を
0に初期化するステップを設けている点が異なってい
る。
【0065】上記した第1の実施の形態においても追尾
が安定したと判断された時には図5の流れ図に示さなか
ったけれども第2のフィルタの演算処理の初期化を行な
っている。この初期化を行なった時点で、マルチパスの
影響を受けていないければ、それ以降にマルチパスの影
響を受けた場合や、さらにその後マルチパスの影響が少
なくなった場合において、速やかにマルチパスの影響の
状態を検出できる。しかし、追尾が安定して初期化を行
なった時点で、マルチパスの影響を受けていると、マル
チパスの影響が少なくなった場合の判定が遅くなる。
【0066】図7(a)は、上記した第1の実施の形態
においてマルチパスの影響を受けている状況で、追尾が
安定して第2のフィルタの演算処理の初期化を行なった
場合の、第2のフィルタの演算出力を示すグラフであ
る。縦軸は第2のフィルタの演算出力の振幅で単位は疑
似雑音符号の位相1チップである。第2のフィルタの入
力は疑似雑音符号の位相補正量であって、追尾における
疑似雑音符号の位相変化であり、搬送波の位相変化に対
するずれ分に相当する。横軸は追尾が安定した時刻を0
分とした時間経過である。
【0067】図7(a)において、時間301でマルチパ
スの影響が少なくなっている。しかし、初期化した時点
の疑似雑音符号の位相がずれているため、オフセットを
持った値に落ち着いている。第2のフィルタの演算によ
る直流分を長い時定数で減衰させる手段によりオフセッ
トを徐々に解消できるが、マルチパスの影響が少なくな
ってから、この状態を認識するのに時間がかかる。
【0068】これに対して、図7(b)は第2の実施の
形態において、図7(a)と同じマルチパスの影響を受
けている状況の、第2のフィルタの演算出力を示すグラ
フである。縦軸はPIの振幅で規格化した第2のフィル
タの演算出力の振幅で、疑似雑音符号の位相変化に対応
している。横軸は追尾が安定した時刻を基準とした時間
経過である。
【0069】図7(b)において、追尾が安定した後は
ステップ211における最大値判定処理においてマルチパ
スの影響が大きいと判定している。その後、5分ごとに
第2のフィルタの演算処理を0に初期化しているが、最
大値Mが減衰してステップ211における最大値判定処理
で所定の値を下回る前に、第2のフィルタの演算出力の
絶対値が以前の最大値Mを超え、ステップ209における
最大値保持処理で最大値Mが増大している。更に時間が
経過してマルチパスの影響も少なくなり、時間301にな
ると最大値Mが減衰して、ステップ211における最大値
判定処理でマルチパスの影響が少なくなったと判定して
いる。
【0070】以上のように本発明の第2の実施形態によ
れば、疑似雑音符号の追尾フィルタに対して、位相の補
正量を時間積分する第2のフィルタと、この時間積分し
た結果の振幅によってマルチパスの影響を判定する手段
に加えて、所定の時間だけ経過したかことを判定する手
段と、この判定に従って前記第2フィルタを初期化する
手段を設けることによって、マルチパスの影響が少なく
なったことを素早く判定できるので、マルチパスの影響
を受けずに、より多くの衛星の観測結果を使った、疑似
雑音符号の位相による精度の良い位置測定ができる点で
優れた効果が得られる。
【0071】(第3の実施の形態)第3の実施の形態の
構成は、図1の第1の実施の形態と同様であるが、制御
部124の動作が異なっている。図8は本実施形態固有
の、制御部124における疑似雑音発符号に追尾する方法
を説明する流れ図である。図8において、処理の流れと
動作は第2の実施の形態の動作を説明する図6の流れ図
と概略同等であるが、図6のステップ211における最大
値判定処理とステップ212におけるフラッグオン処理と
ステップ213におけるフラッグオフ処理に代えて、ステ
ップ217における誤差評価処理を設けている点が異なっ
ている。
【0072】第2のフィルタの入力は疑似雑音符号の位
相補正量であって、第2のフィルタの演算出力の振幅
は、これを積分した値であるから、追尾における疑似雑
音符号の位相変化であり、搬送波の位相変化に対するず
れ分に相当する。マルチパスが、反射波の強度が直接波
よりも弱く、搬送波の追尾で位相滑りが発生しなけれ
ば、追尾している搬送波の位相変化は衛星との距離変化
に対応するものとなる。従って、マルチパスによる疑似
雑音符号の位相変化の程度は第2のフィルタの演算出力
の振幅により評価できる。
【0073】ステップ217における誤差評価処理では、
ステップ209における最大値保持処理で第2のフィルタ
の演算出力の絶対値を求め、以前の最大値Mと比べて大
きい方を次回の最大値Mとし、この次回の最大値Mの3
/4を誤差の評価値として出力する。衛星ごとにこの誤
差の評価値に衛星時刻の誤差や電離層の誤差その他を加
味して、観測した疑似雑音符号の位相の誤差を決定す
る。
【0074】そして全ての観測した疑似雑音符号の位相
を使用し、前記疑似雑音符号の位相の誤差で重み付けし
て、最小自乗法によって受信機の位置を求める。従っ
て、受信できている衛星数が少ない時は、マルチパスに
よる誤差が多いと見込まれる衛星の観測結果も位置を決
定するのに寄与するが、測位結果の誤差は増加する。一
方、受信できている衛星数が多い場合は、マルチパスに
よる誤差が多いと見込まれる衛星の観測結果の寄与は小
さくなり、マルチパスによる誤差に影響されず高い精度
で位置が決定できる。しかも、両者のちがいは演算によ
り自動的に最適化できる。
【0075】以上のように本発明の第3の実施形態によ
れば、時間積分した結果の振幅によってマルチパスの影
響を判定する手段に代えて、マルチパスの影響による疑
似雑音符号の位相測定誤差を評価する手段を設け、この
位相測定誤差の評価値を使って重み付けして、疑似雑音
符号の位相の観測値から最小自乗法によって受信機の位
置を求めるので、マルチパスの影響の程度に応じて、よ
り高い頻度で適切な精度で位置を求めることができる。
【0076】(第4の実施の形態)第4の実施の形態の
構成は、図1の第1の実施の形態と同様であるが、相関
器117の詳細な構成が異なっている。図9は本実施形態
固有の、相関器117の詳細な構成であって、以下は図2
の相関器の詳細な構成との違いについて説明する。
【0077】図9において、混合器135は基準クロック
8個先行した疑似雑音符号が1か0かによって、重み付
け器132の出力信号の正負を反転する乗算器、フィルタ1
36はカウンタ125が出力するδだけ先行ないし後行した
タイミングとその次のタイミングを示す信号を入力した
時、混合器135の出力を積分した、標本化周波数が数百
KHzに相当する平滑化を施した信号CI、CQを出力す
る累積加算器である。
【0078】図10の振幅特性を用いて図9の相関器11
7の動作を以下に説明する。受信している衛星信号は直
接波だけであって、疑似雑音発生器116は衛星信号の疑
似雑音発符号を正確に追尾しているとする。疑似雑音発
符号の追尾は混合器135とフィルタ136以外の構成によっ
て、上記した第1の実施形態における図2の動作と同様
に行なっている。フィルタ136は、フィルタ134と同様の
動作をするが、入力信号が異なっている。
【0079】重み付け器132が出力した信号は、混合器1
35を介して前記フィルタ136で積分し、出力信号CI、C
Qとして出力する。図1の加算器122とRAM123で構成
する累積加算器は、平均値EI、EQと同様に出力信号C
I、CQを衛星ごとに累積加算する。この周波数変換し累
積加算した値を振幅の平均値GI、GQとする。加算する
期間はC/Aコードの始まりから終わりまでの1mse
cを1区間とする。
【0080】図10(a)は、タイミングδや疑似雑音
発生器116の位相を制御して疑似雑音符号のタイミング
を変えた場合に得られる、GIの変化を示す振幅特性で
ある。なお、GQの振幅は概略0になることが期待でき
る。ただし、フィルタ107の帯域幅は衛星信号の帯域幅
よりも充分広いものとする。横軸は、衛星信号のタイミ
ングと振幅を観測したタイミングとの位相差、縦軸はそ
の観測タイミングで得られる衛星信号の振幅で、最大振
幅を1とした相対値で示している。なお、衛星信号に加
えられている50bpsの位相変調により、この波形は
正負が反転する。衛星信号と受信機間の疑似雑音符号の
位相差が0の所で振幅は概略0.5になると予想され
る。図4は疑似雑音符号が0から1または1から0に変
化する時の振幅特性であったが、図10(a)の振幅特
性は、疑似雑音符号1チップ分単独の振幅特性に相当す
る。
【0081】以下は本実施形態における、複数の衛星に
ついて搬送波の位相を測定し、この測定した搬送波の位
相を複数の受信機間で比較し、複数の受信機の相対位置
を測定するキネマティック測位を行なうための、搬送波
位相の測定方法の説明である。
【0082】まず、衛星信号の搬送波と疑似雑音符号に
追尾する。そして相対位置を測定するタイミングに、追
尾している複数の衛星について同時に、数値制御発振器
119の位相を測定する。これと同時に、前記振幅特性の
位相差0に相当するタイミングでGIとGQを測定する。
このタイミングに合わせるために、振幅の平均値EIが
0となるように疑似雑音符号を追尾する。ここで得られ
たGIとGQは、疑似雑音符号に同期した立上り部分で標
本化した衛星信号に相当するが、追尾している平均的な
搬送波の位相に対する、疑似雑音符号の立上り部分にお
ける局所的な搬送波位相の差を担っていると見ることが
できる。そして、GIとGQできまる位相分だけ、前記の
測定した数値制御発振器119の位相に補正を加えて、こ
の補正後の位相を搬送波位相の観測値として出力する。
この補正後の位相は、疑似雑音符号の立上り部分で観測
した局所的な搬送波の位相である。
【0083】図10(b)は、受信している衛星信号の
直接波に、直接波の1/2チップ遅延した振幅1/2の
反射波があるマルチパスの状態で、タイミングδや疑似
雑音発生器116の位相を制御して疑似雑音符号のタイミ
ングを変えた場合に得られる、GIの変化を示す振幅特
性である。実線は加算的に作用する搬送波の位相、点線
は減算的に作用する搬送波の位相の場合を想定してい
る。それ以外の搬送波の位相では2者の間の特性を示
す。ただし、全体の振幅も変化するが、わかり易くする
ために前半の振幅を合わせて示している。図10(b)
で明らかなように、平均値GIとGQは疑似雑音符号の位
相差が0の付近では反射信号の影響を受けていない。
【0084】以上のように本発明の第4の実施形態によ
れば、搬送波信号に追尾する局部発振信号で周波数変換
した受信信号を、疑似雑音符号のタイミングに対して、
一定の時間差を持ったタイミングに、符号の状態で正負
を反転した受信信号を標本化し、この標本化した受信信
号である前記の局部発振信号の同相成分と直交成分で、
前記標本化したタイミングにおける受信信号の搬送波と
前記局部発振信号の位相差を測定する手段を設け、前記
局部発振信号の位相を、この位相差を測定する手段で測
定した位相差で補正して、観測した衛星信号の搬送波位
相とするので、マルチパスの影響が少ない衛星信号の搬
送波位相を測定できるという点で優れた効果が得られ
る。
【0085】(第5の実施の形態)第5の実施の形態の
構成は、図9の第4の実施の形態と同様であるが、制御
部124の動作が異なっている。上記した第4の実施の形
態では、制御部124は、相関器117が出力する信号AI
Qを周波数変換し累積加算した相関結果のPQ成分の振
幅が小さくなるように数値制御発振器119を制御するこ
とによって、衛星信号の搬送波を追尾する。
【0086】これに対して本実施形態では、相関器117
が出力する信号CI、CQを周波数変換し累積加算した相
関結果のGI成分とGQ成分の振幅が大きく、短時間にG
I成分とGQ成分から精度よく位相が測定できる場合、相
関結果のPQ成分でなくGQ成分の振幅が小さくなるよう
に数値制御発振器119を制御することによって、衛星信
号の搬送波を追尾する。
【0087】相関結果のGI成分とGQ成分の振幅が小さ
く、短時間ではGI成分とGQ成分から精度よく位相が測
定できない場合には、上記した第4の実施の形態と同様
にP Q成分の振幅が小さくなるように数値制御発振器119
を制御する。
【0088】GI成分とGQ成分は、衛星信号を標本化し
た上で1msec積分するので、連続的に積分する相関
結果のPIとPQに比べS/Nが悪い。従って、搬送波の
追尾において速い応答速度が必要な場合はPIとPQによ
って追尾した方が動作が安定する。しかし、マルチパス
の影響は、GIとGQによって追尾した方が少なくなる。
マルチパスの環境において、局部発振器の位相が直接波
と一致していれば、マルチパスの影響が少ない衛星信号
の搬送波位相を測定できるだけでなく、疑似雑音符号の
追尾においても、直接波の搬送波位相に対して直交した
反射波の成分を排除できるので、マルチパスの影響を軽
減できる。
【0089】以上のように本発明の第5の実施形態によ
れば、搬送波信号に追尾する局部発振信号で周波数変換
した受信信号を、疑似雑音符号のタイミングに対して、
一定の時間差を持ったタイミングに、符号の状態で正負
を反転した受信信号を標本化し、この標本化した受信信
号が強い場合は、標本化した受信信号の直交成分が小さ
くなるように前記の局部発振信号を制御し、この標本化
した受信信号が弱い場合は、受信信号と疑似雑音符号を
乗じた上で時間積分した信号で局部発振信号を制御する
ので、衛星信号の感度が高い場合は、疑似雑音符号の追
尾においてマルチパスの影響を軽減できるという点で優
れた効果が得られる。
【0090】(第6の実施の形態)第6の実施の形態の
構成は、図9の第4の実施の形態と同様であるが、制御
部124の動作が異なっている。概略の動作もまた上記し
た第4の実施形態と同様であって、以下ではその違いに
ついてのみ説明する。
【0091】まず、マルチパスが無いと判断した時に、
上記した第4の実施形態と同様に振幅特性の位相差0に
相当するタイミングでGIとGQを測定する。そして、G
IとGQできまる数値制御発振器119に対する位相差を測
定する。この位相差を衛星ごとに固有の値として予め保
存しておく。
【0092】以下では複数の衛星について搬送波の位相
を測定し、この測定した搬送波の位相を複数の受信機間
で比較し、複数の受信機の相対位置を測定するキネマテ
ィック測位を行なうための、搬送波位相の測定方法の説
明である。
【0093】まず、衛星信号の搬送波と疑似雑音符号に
追尾する。そして相対位置を測定するタイミングに、追
尾している複数の衛星について同時に、数値制御発振器
119の位相を測定する。これと同時に、前記振幅特性の
位相差0に相当するタイミングでGIとGQを測定する。
このタイミングに合わせるために、振幅の平均値EIが
0となるように疑似雑音符号を追尾する。そして、GI
とGQできまる位相分だけ、前記の測定した数値制御発
振器119の位相に補正を加えた上で、更に追尾している
衛星に対応する前記予め保存しておいた位相差分を逆に
補正し、この補正後の位相を搬送波位相の観測値として
出力する。
【0094】以上のように本発明の第6の実施形態によ
れば、疑似雑音符号のタイミングに対して、一定の時間
差を持ったタイミングに、符号の状態で正負を反転した
受信信号を標本化し、この標本化した受信信号である前
記の局部発振信号の同相成分と直交成分で、前記標本化
したタイミングにおける受信信号の搬送波と前記局部発
振信号の位相差を測定するGPS受信機において、衛星
個々に疑似雑音符号の立上り付近で搬送波の位相差を予
め測定しておき、搬送波の位相を測定する際に、前記の
局部発振信号の位相に対して、この位相差を測定する手
段で測定した位相差で補正を加え、更に前記予め衛星ご
とに測定しておいた位相差で逆に補正して、観測した衛
星信号の搬送波位相とするので、疑似雑音符号の立上り
付近で搬送波の位相が、平均的な位相に対して僅かなず
れがある場合であって、他の方式による受信機との間で
相対位置を測定する場合でも精度良く相対位置が測定で
き、加えて第4の実施形態と同様にマルチパスの影響が
少ない衛星信号の搬送波位相を測定できるという点で優
れた効果が得られる。
【0095】(第7の実施の形態)第7の実施の形態の
構成は、図9の第4の実施の形態と同様であるが、制御
部124の動作が異なっている。概略の動作もまた上記し
た第6の実施形態と同様であって、以下ではその違いに
ついて説明する。
【0096】まず、マルチパスが無いと判断した時に、
上記した第6の実施形態と同様に振幅特性の位相差0に
相当するタイミングでGIとGQを測定する。そして、G
IとGQできまる数値制御発振器119に対する位相差を測
定する。この位相差を衛星ごとに固有の値として予め保
存しておく。
【0097】以下では複数の衛星について疑似雑音符号
の位相を測定し、この測定した疑似雑音符号の位相を使
って位置を測定する方法の説明である。まず上記した第
6の実施の形態と同様に、衛星信号の搬送波と疑似雑音
符号に追尾する。そして位置を測定するタイミングに、
前記振幅特性の位相差0に相当するタイミングでGI
Qを測定する。そして、GIとGQできまる位相差と、
追尾している衛星に対応する前記予め保存しておいた位
相差を比較する。そして、2個の位相差の違いが所定の
値を超えた時にマルチパスの影響を受けていると判断
し、図5または図6と同様にフラッグを立てる(ステッ
プ212におけるフラッグオン処理参照)。このフラッグ
オンは、マルチパスの影響を受けていると判断してから
所定の時間まで保持する。フラッグの立って状態で再度
マルチパスの影響を受けていると判断したときは前記保
持時間を延長する。そして、フラッグが立っている影響
を受けた観測結果を排除した疑似雑音符号の位相で受信
機の位置を計算する。
【0098】以上のように本発明の第7の実施形態によ
れば、疑似雑音符号のチップ内における搬送波位相の変
化でマルチパスを判定するので、反射波と直接波の搬送
波位相が異なっていれば影響を検出でき、上記した第1
の実施の形態または第2の実施の形態と違って反射波と
直接波で搬送波位相の差等が変化しなくても検出できる
ようにしたものであり、マルチパスの影響を受けた衛星
信号を受信していても、 この衛星の観測結果を排除す
るので、マルチパスの影響を受けない、高い位置の精度
が得られるという点で優れた効果が得られる。
【0099】(第8の実施の形態)第8の実施の形態の
構成は、図9の第4の実施の形態と同様であるが、制御
部124の動作が異なっている。本実施の形態では、上記
した第1の実施の形態乃至第3の実施の形態のいずれか
における制御部124の動作に加えて、上記した第7の実
施の形態と同様に衛星個々に疑似雑音符号の立上り付近
で搬送波の位相差を予め測定しておき、位置を測定する
際に再び疑似雑音符号の立上り付近で搬送波の位相差を
測定して、対応する衛星の保存している位相差と比較す
ることによって、マルチパスの影響を判定するようにし
たものであり、マルチパスのフラッグオン、マルチパス
による疑似雑音符号位相の精度評価など、複数の評価結
果の内最も厳しい条件を選択し、その条件に基づいて疑
似雑音符号の位相を使って位置を測定する。マルチパス
の影響は、上記した第1の実施の形態乃至第3の実施の
形態では、マルチパスの状態に変化があれば感度良く検
出できる。一方第7の実施の形態では、反射波と直接波
の搬送波位相が異なっていれば検出できるので、両者の
組み合わせによって、大部分のマルチパスの状態を検知
できる。
【0100】以上のように本発明の第8の実施形態によ
れば、上記した第1の実施の形態乃至第3の実施の形
態、および上記した第7の実施の形態を組み合わせ、複
数のマルチパスの評価結果の内最も厳しい条件を選択す
るようにしたものであり、マルチパスの影響を受けた衛
星信号の観測結果について、より確実に排除したり重み
付けを変えたりできるので、高い位置の精度が得られる
という点で優れた効果が得られる。
【0101】なお、上記した第1の実施の形態では、位
相の補正量を時間積分する第2のフィルタの演算処理を
0に初期化した後継続して積分し続けるとしたが、これ
に限定せず第2のフィルタの演算処理の積分値を長い時
定数で減衰させることもできる。
【0102】また、上記した第2の実施の形態では、第
2のフィルタの演算処理を初期化するためのステップ21
5における時間判定処理の周期を5分としたがこれに限
定されない。受信機を設置する条件によって、マルチパ
スの変化の周期が変化し、この周期が長くなる状態を想
定し、その半分よりも大き目にするのが適当である。ま
た、最大値Mの大きさによって周期を加減することもで
きる。
【0103】また、上記した第3の実施の形態では、ス
テップ217における誤差評価処理において、最大値Mの
3/4を誤差の評価値としたがこれに限定されない。実
験によって受信機の特性を調べ、得られた結果から数表
や近似式を作って最大値Mと誤差の評価値を関係付ける
など、他の方法で決定することも可能である。
【0104】また、上記した第4の実施の形態では、フ
ィルタ136が信号を標本化するタイミングは、疑似雑音
符号の立上り部分で、フィルタ136が標本化するタイミ
ングと同じとしたがこれに限定されない。疑似雑音符号
の立上り部分付近であれば任意に設定できる。しかし、
早いタイミングになればマルチパスの影響を受け難くな
るが、信号強度が下がり、測定する位相の精度が低下す
る。
【0105】さらに、上記した第4の実施の形態におい
て、混合器135とフィルタ136を新たに加え、疑似雑音符
号が1か0かによって、立上り部分で受信信号を標本化
するとしたがこれに限定されない。図4の振幅の平均値
EIの特性の−1チップに相当するタイミング付近でも
同様の観測が可能である。ただし、この方法は信号処理
回路が共用できるが、標本化の頻度が半分程度に減少す
る。
【0106】さらに、標本化しようとするタイミングに
対して、前後する基準クロックのタイミングを選び、重
み付けによって標本化しようとするタイミングの受信信
号の振幅を求めるとしたがこれに限定されない。基準ク
ロックの周波数を十分高くすること等により重み付けを
除くこともできる。
【0107】さらに、累積加算器、相関器、発振器など
は個別の回路として説明ているが、マイクロプロセッサ
等による数値計算で同様の機能を実現してもよい。
【0108】また、これまでは米国が運用しているNA
VSTAR衛星の信号を受信する疑似雑音符号と関連付
けて信号の振幅を測定するGPS受信機で構成した例で
説明したが、それ以外にロシア共和国が運用しているG
LONASS衛星など、スペクトル拡散信号の位相を測
定して、衛星信号が示す時刻を測定して位置を求める受
信機についても同様に実施可能であることは明らかであ
ろう。
【0109】
【発明の効果】以上のように本発明は、衛星信号の疑似
雑音符号を追尾するための、符号位相の補正量を求める
第1のフィルタと、この位相の補正量で疑似雑音符号の
位相を補正する手段で構成する疑似雑音符号の追尾フィ
ルタに対して、位相の補正量を時間積分する第2のフィ
ルタと、この時間積分した結果の振幅によってマルチパ
スの影響を判定する手段を設け、疑似雑音符号の位相が
マルチパスによる影響を受けて変化していることを、こ
のマルチパスの影響を判定する手段によって判定し、影
響を受けた観測結果を排除した疑似雑音符号の位相で受
信機の位置を計算することにより、マルチパスの影響を
受けない高い位置の精度が、非常に簡単な処理で実現で
きるという効果が得られる。
【0110】また本発明は、搬送波信号に追尾した局部
発振信号を発生する局部発振器と、この局部発振信号で
受信信号を周波数変換する手段と、この周波数変換した
受信信号を疑似雑音符号のタイミングに対して、一定の
時間差を持ったタイミングに、符号の状態で正負を反転
した受信信号を標本化する手段と、この標本化した受信
信号である前記の局部発振信号の同相成分と直交成分
で、前記標本化したタイミングにおける受信信号の搬送
波と前記局部発振信号の位相差を測定する手段を設け、
この位相差を測定する手段で測定した位相差で前記局部
発振信号の位相を補正して、観測した衛星信号の搬送波
位相とすることにより、搬送波の位相の測定について遅
延した反射信号の影響を軽減できるとともに、衛星個々
に疑似雑音符号の立上り付近で搬送波の位相差を予め測
定しておき、位置を測定する際に再び疑似雑音符号の立
上り付近で搬送波の位相差を測定して、対応する衛星の
保存している位相差と比較することによって、マルチパ
スの影響を判定できるなどの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における疑似雑音符
号と関連付けて信号の振幅を測定するGPS受信機の構
成を示すブロック図、
【図2】本発明の第1の実施の形態における疑似雑音符
号と関連付けて信号の振幅を測定するGPS受信機の構
成要素である相関器の構成を示すブロック図、
【図3】(a)本発明の第1の実施の形態における基準
クロック8個先行した疑似雑音符号を説明する図、
(b)本発明の第1の実施の形態における疑似雑音発生
器が発生する疑似雑音発符号を説明する図、(c)本発
明の第1の実施の形態における論理回路129が出力する
信号を説明する図、(d)本発明の第1の実施の形態に
おけるフィルタ134が混合器133の出力を積分する期間を
説明する図、(e)本発明の第1の実施の形態における
積分期間の前半と後半を識別する信号を説明する図、
【図4】疑似雑音符号が変化するタイミングに合わせた
受信信号の標本化で得られる振幅特性、
【図5】本発明の第1の実施の形態における疑似雑音発
符号に追尾する方法を説明する流れ図、
【図6】本発明の第2の実施の形態における疑似雑音発
符号に追尾する方法を説明する流れ図、
【図7】(a)本発明の第1の実施の形態における第2
のフィルタの演算出力の信号を説明する図、(b)本発
明の第2の実施の形態における第2のフィルタの演算出
力の信号を説明する図、
【図8】本発明の第3の実施の形態における疑似雑音発
符号に追尾する方法を説明する流れ図、
【図9】本発明の第4の実施の形態における疑似雑音符
号と関連付けて信号の振幅を測定するGPS受信機の構
成要素である相関器の構成を示すブロック図、
【図10】(a)本発明の第4の実施の形態における疑
似雑音符号が変化するタイミングに合わせた受信信号の
標本化で得られる振幅特性、(b)本発明の第4の実施
の形態における疑似雑音符号が変化するタイミングに合
わせたマルチパス状態で受信信号を標本化して得られる
振幅特性、
【図11】従来のGPS受信機の構成を示すブロック図
である。
【符号の説明】
101 GPS衛星 102 アンテナ 103、107、113、131、134、136 フィルタ 105、111 局部発振器 106、112、120、130、133、135 混合器 110、127、128 ラッチ 116 疑似雑音発生器 117 相関器 118、121 スイッチ 119 数値制御発振器 122 加算器 123 RAM 124 制御部 125、126 カウンタ 129 論理回路 132 重み付け器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 衛星信号の搬送波に追尾する局部発振器
    と、衛星固有の疑似雑音符号を発生する疑似雑音発生器
    と、前記局部発振器の位相変化に応じて前記疑似雑音発
    生器の位相を制御し、衛星信号に含まれる疑似雑音符号
    と前記疑似雑音発生器が発生する疑似雑音符号との位相
    差を一定に保つように制御する手段と、前記疑似雑音符
    号の位相差を測定する相関器と、測定した位相差を入力
    して前記疑似雑音符号の位相差を補正するための符号位
    相の補正量を求める第1のフィルタと、前記補正量で疑
    似雑音符号の位相を補正する手段と、前記補正量を時間
    積分する第2のフィルタと、この時間積分した結果の振
    幅によってマルチパスの影響を判定する手段を設け、こ
    のマルチパスの影響を判定する手段の判定結果によっ
    て、マルチパスの影響を受けた観測結果を排除して疑似
    雑音符号の位相で受信機の位置を計算することを特徴と
    するGPS受信機。
  2. 【請求項2】 符号位相の補正量を時間積分する第2の
    フィルタと、この時間積分した結果の振幅によってマル
    チパスの影響を判定する手段に加えて、所定の時間経過
    したことを判定する手段を設け、この判定に従って前記
    第2のフィルタを周期的に初期化することを特徴とする
    請求項1記載のGPS受信機。
  3. 【請求項3】 符号位相の補正量を時間積分する第2の
    フィルタが出力する振幅を使って、マルチパスの影響に
    よる疑似雑音符号の位相測定誤差を評価する手段を設
    け、この位相測定誤差の評価値を使って重み付けした最
    小自乗法によって、疑似雑音符号の位相の観測値で受信
    機の位置を求めることを特徴とする請求項1または請求
    項2記載のGPS受信機。
  4. 【請求項4】 衛星信号の搬送波に追尾する局部発振器
    と、衛星固有の疑似雑音符号を発生する疑似雑音発生器
    と、前記局部発振器の位相変化に応じて前記疑似雑音発
    生器の位相を制御し、衛星信号に含まれる疑似雑音符号
    と前記疑似雑音発生器が発生する疑似雑音符号との位相
    差を一定に保つように制御する手段と、前記局部発振信
    号で受信信号を直交周波数変換する周波数変換器と、前
    記疑似雑音発生器が発生する疑似雑音符号のタイミング
    に対して、一定の時間差を持ったタイミングを発生する
    手段と、この符号の状態で正負を反転した前記周波数変
    換器が出力する受信信号を標本化する手段と、この標本
    化した受信信号である前記局部発振信号に対する同相成
    分と直交成分で、前記標本化したタイミングにおける受
    信信号の搬送波と前記局部発振信号の位相差を測定する
    手段とを設け、この位相差を測定する手段で測定した位
    相差によって前記局部発振信号の位相を補正して、衛星
    信号の搬送波位相の観測値とすることを特徴とするGP
    S受信機。
  5. 【請求項5】 衛星信号の搬送波に追尾する局部発振器
    と、衛星固有の疑似雑音符号を発生する疑似雑音発生器
    と、前記局部発振器の位相変化に応じて前記疑似雑音発
    生器の位相を制御し、衛星信号に含まれる疑似雑音符号
    と前記疑似雑音発生器が発生する疑似雑音符号との位相
    差を一定に保つように制御する手段と、前記局部発振信
    号で受信信号を直交周波数変換する周波数変換器と、前
    記疑似雑音発生器が発生する疑似雑音符号のタイミング
    に対して、一定の時間差を持ったタイミングを発生する
    手段と、この符号の状態で正負を反転した前記周波数変
    換器が出力する受信信号を標本化する手段を設け、この
    標本化した受信信号が搬送波の追尾に十分な強度である
    場合は、前記局部発振信号の直交成分に対応する標本化
    した受信信号の成分が小さくなるように前記の局部発振
    信号を制御し、この標本化した受信信号が十分な強度で
    ない場合は受信信号と疑似雑音符号を乗じた上で時間積
    分した信号で局部発振信号を制御することを特徴とする
    GPS受信機。
  6. 【請求項6】 疑似雑音符号の立上り付近で搬送波の位
    相差を予め測定し、この測定結果を衛星個々に保持し、
    標本化した受信信号である前記局部発振信号に対する同
    相成分と直交成分で測定した位相差を、対応する衛星の
    前記保存している位相差分で逆に補正した上で、局部発
    振信号の位相を補正して、観測した衛星信号の搬送波位
    相とすることを特徴とする請求項4記載のGPS受信
    機。
  7. 【請求項7】 衛星信号の搬送波に追尾する局部発振器
    と、衛星固有の疑似雑音符号を発生する疑似雑音発生器
    と、前記局部発振器の位相変化に応じて前記疑似雑音発
    生器の位相を制御し、衛星信号に含まれる疑似雑音符号
    と前記疑似雑音発生器が発生する疑似雑音符号との位相
    差を一定に保つように制御する手段と、前記局部発振信
    号で受信信号を直交周波数変換する周波数変換器と、前
    記疑似雑音発生器が発生する疑似雑音符号のタイミング
    に対して、一定の時間差を持ったタイミングを発生する
    手段と、この符号の状態で正負を反転した前記周波数変
    換器が出力する受信信号を標本化する手段と、この標本
    化した受信信号である前記局部発振信号に対する同相成
    分と直交成分で、前記標本化したタイミングにおける受
    信信号の搬送波と前記局部発振信号の位相差を測定する
    手段とを設け、疑似雑音符号の立上り付近で搬送波の位
    相差を予め測定し、この測定結果を衛星個々に保持し、
    位置を測定する際に再び疑似雑音符号の立上り付近で搬
    送波の位相差を測定して、対応する衛星の保存している
    位相差と比較することによってマルチパスの影響を判定
    して、マルチパスの影響を受けた観測結果を排除して疑
    似雑音符号の位相で受信機の位置を計算することを特徴
    とするGPS受信機。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    のマルチパスの影響を判定する手段またはマルチパスの
    影響による疑似雑音符号の位相測定誤差を評価する手段
    に加え、局部発振信号で受信信号を直交周波数変換する
    周波数変換器と、疑似雑音発生器が発生する疑似雑音符
    号のタイミングに対して、一定の時間差を持ったタイミ
    ングを発生する手段と、この符号の状態で正負を反転し
    た前記周波数変換器が出力する受信信号を標本化する手
    段と、この標本化した受信信号である前記局部発振信号
    に対する同相成分と直交成分で、前記標本化したタイミ
    ングにおける受信信号の搬送波と前記局部発振信号の位
    相差を測定する手段とを設け、疑似雑音符号の立上り付
    近で搬送波の位相差を予め測定し、この測定結果を衛星
    個々に保持し、位置を測定する際に再び疑似雑音符号の
    立上り付近で搬送波の位相差を測定して、対応する衛星
    の保存している位相差と比較することによってマルチパ
    スの影響を判定し、これら複数のマルチパスの評価結果
    の内最も厳しい条件を選択することを特徴とする請求項
    1乃至請求項3のいずれかに記載のGPS受信機。
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