JP3231098B2 - 植物の病害抵抗性検定方法および装置、病害抵抗性付与能力の評価方法および装置、農薬の評価方法および装置 - Google Patents

植物の病害抵抗性検定方法および装置、病害抵抗性付与能力の評価方法および装置、農薬の評価方法および装置

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JP3231098B2 JP27904292A JP27904292A JP3231098B2 JP 3231098 B2 JP3231098 B2 JP 3231098B2 JP 27904292 A JP27904292 A JP 27904292A JP 27904292 A JP27904292 A JP 27904292A JP 3231098 B2 JP3231098 B2 JP 3231098B2
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/25Colour; Spectral properties, i.e. comparison of effect of material on the light at two or more different wavelengths or wavelength bands
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    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/62Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light
    • G01N21/63Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light optically excited
    • G01N21/64Fluorescence; Phosphorescence
    • G01N21/6428Measuring fluorescence of fluorescent products of reactions or of fluorochrome labelled reactive substances, e.g. measuring quenching effects, using measuring "optrodes"

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物の病原菌に対する
抵抗性を検定し、あるいは非病原菌株、弱病原菌株の植
物に対する病害抵抗性付与能力を評価し、あるいは農薬
が有する病原菌に対する植物の病害抵抗性の活性化能力
を評価する方法およびそのための装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】わが国の自然環境は作物の自然環境に適
している反面、糸状菌、細菌、ウィルスなどの各種植物
病原菌にとっても好適な生育条件である。これらの病原
菌による病害を抵抗性品種で防ぐことは、生産コスト低
減の手段であるのみならず、人間の健康管理上にも大き
な意義を持つ。
【0003】このような植物の耐病性あるいは感受性を
検定する方法として、従来は次のような方法が用いられ
ていた。
【0004】まず、検査しようとする作物の苗に各種の
病原菌を接種する。
【0005】次いで、接種した結果、苗に生ずる各種症
状である病徴、例えば、腐敗、斑点、立枯又は萎凋等を
観察することによりその作物の耐病性や感受性を検定す
るものである。
【0006】この方法は、抵抗性付与能力を有する非病
原菌株あるいは弱病原菌株のスクリーニング方法や、抵
抗性を付与する農薬のスクリーニング方法としても用い
られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した方法
には次のような問題点がある。
【0008】まず第1に、結果を得るまでに極めて長い
時間を要するという点である。通常、植物を繁殖させる
際に栄養生殖を行わない場合は、種子から育てることに
なる。この場合、種子から苗まで育てるには、植物の種
類によって異なることはいうまでもないが、3週間程度
はかかるとみてよい。また、苗に各種病原菌や農薬等を
接種した後に病徴が発現するまでは1週間から4週間程
度はかかる。従って、種子より育てる場合には、いかに
早くとも全体で1ヶ月から2ヶ月程度の日数を要してし
まう。
【0009】第2には、多大な労力と広大な敷地とを必
要とする点である。苗に現れる病徴は、植物と各種病原
菌や農薬との組み合わせにより様々であり、植物の固体
差が大きく異なる。従って、統計的処理を行うには、必
然的に数多くの植物を栽培する必要を生じるからであ
る。このため、数多くの植物を栽培するには、それに伴
った労力と広大な敷地とが要求されることにもなる。
【0010】第3には、個々の苗に現れる病徴の定量が
できないという点である。通常、病徴の観察は目視で行
われるため、観察者の経験に大きく左右され、客観的検
定を得るためには熟練を要する。
【0011】第4には、病徴からだけでは、植物体内の
状態を知ることが困難であるという点である。植物体内
の状態を知るには、各種酵素活性、感染特異タンパクの
測定等のために液体クロマトグラフィーや遠心分離等の
生化学的分析手法を用いなければならず、多大な労力や
経済的負担が大きく、また、高度な技術をも必要として
いた。
【0012】第5には、検査環境のコントロールが極め
て困難であるという点である。植物の病原菌に対する抵
抗力は、温度・日長・紫外線・可視光線等、環境の影響
を大変受けやすいため、検査を行う際にはすべての検査
対象を同一環境条件の下で行わなければならないが、従
来は同一環境におくことは困難であった。
【0013】そこで、本発明者は、病原菌が植物体内に
侵入して、植物が侵入した病原菌に反応した場合には、
その病原菌の種類、接種量に応じて極めて微弱な発光の
変化が観測されるという知見にもとづき、上記の問題点
を解決できる方法と装置を発明した。すなわち、第1の
発明は病原菌に対する被検植物の病害抵抗性を光学的に
検定するものであり、第2の発明は植物に対する非病原
菌株や弱病原菌株の病害抵抗性付与能力を光学的に評価
するものであり、第3の発明は病原菌に対する植物の病
害抵抗性を活性化する農薬を光学的に評価するものであ
る。
【0014】なお、以下に開示する本発明と同様に微弱
光を用いて植物の状態を判定する方法(特開平2-72802)
が従来開示されているが、これは植物種子の劣化度及び
発芽能力を判定する方法であり、この従来の方法によっ
ては上記の問題点を解決することはできない。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に、本発明にかかる病原菌に対する被検植物の病害抵抗
性あるいは感受性を検定する植物の抵抗性検定方法は、
用意した被検植物の試料を少なくとも2つに区分して1
の区分に病原菌を接種し、所定条件下で所定時間放置し
た後、当該被検植物の試料からの微弱発光の量を計測す
る第1のステップと、区分した被検植物の試料の他の区
分に病原菌を接種することなく、所定条件下で所定時間
放置した後、当該被検植物の試料からの微弱発光の量を
計測する第2のステップと、第1および第2のステップ
でそれぞれ計測された微弱発光の量を比較することによ
り、被検植物の病害抵抗性あるいは感受性を検定する第
3のステップとを備えることを特徴とする。
【0016】上記目的を解決するために、本発明にかか
る病原菌に対する被検植物の病害抵抗性あるいは感受性
を検定する植物の抵抗性検定装置は、被検植物の試料を
2つに区分した一方の試料と他方の試料をそれぞれ配置
する第1および第2の試料配置手段と、一方の試料に病
原菌を接種する接種手段と、第2の試料配置手段に配置
された他方の試料と、第1の試料配置手段に配置され病
原菌が接種された一方の試料とを、同一条件下で一定時
間放置する試料放置手段と、試料放置手段によって放置
された後の第1および第2の試料配置手段をそれぞれ臨
むように設けられ、一方および他方の試料からの微弱発
光の量をそれぞれ計測する第1および第2の光検出手段
と、第1および第2の光検出手段のそれぞれの計測値を
比較することにより、被検植物の病害抵抗性あるいは感
受性を検定する検定手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】上記目的を解決するために、本発明にかか
る植物の抵抗性検定装置は、上記第1および第2の試料
配置手段と、上記接種手段と、上記試料放置手段とを備
え、さらに、試料放置手段によって放置された後の第1
および第2の試料配置手段を択一的かつ交互に臨むよう
に設けられ、一方および他方の試料からの微弱発光を検
出する1個の光検出器と、光検出器が臨む第1および第
2の試料配置手段の切換えと同期して光検出器の出力を
交互に取り込み、一方の試料からの微弱発光の量と他方
の試料からの微弱発光の量をそれぞれ計測する計測手段
と、計測手段による2つの計測値を比較することによ
り、被検植物の病害抵抗性あるいは感受性を検定する検
定手段とを備えることを特徴とする。
【0018】上記目的を解決するために、本発明にかか
る植物に対する非病原菌株、弱病原菌株等の被検菌株の
病害抵抗性付与能力を評価する病害抵抗性付与能力の評
価方法は、用意した植物の試料を少なくとも2つに区分
して1の区分に被検菌を接種し、所定条件下で所定時間
放置した後、当該植物の試料からの微弱発光の量を計測
する第1のステップと、区分した植物の試料の他の区分
に被検菌を接種することなく、所定条件下で所定時間放
置した後、当該植物の試料からの微弱発光の量を計測す
る第2のステップと、第1および第2のステップでそれ
ぞれ計測された微弱発光の量を比較することにより、被
検菌の病害抵抗性付与能力を評価する第3のステップと
を備えることを特徴とする。
【0019】上記目的を解決するために、本発明にかか
る植物に対する非病原菌株あるいは弱病原菌株等の被検
菌株の病害抵抗性付与能力を評価する病害抵抗性付与能
力の評価装置は、植物の試料を2つに区分した一方の試
料と他方の試料をそれぞれ配置する第1および第2の試
料配置手段と、一方の試料に被検菌を接種する接種手段
と、第2の試料配置手段に配置された他方の試料と、第
1の試料配置手段に配置され被検菌が接種された一方の
試料とを、同一条件下で一定時間放置する試料放置手段
と、試料放置手段によって放置された後の第1および第
2の試料配置手段をそれぞれ臨むように設けられ、一方
および他方の試料からの微弱発光の量をそれぞれ計測す
る第1および第2の光検出手段と、第1および第2の光
検出手段のそれぞれの計測値を比較することにより、植
物に対する被検菌の病害抵抗性付与能力を評価する評価
手段とを備えることを特徴とする。
【0020】上記目的を解決するために、本発明にかか
る植物に対する非病原菌株あるいは弱病原菌株等の被検
菌株の病害抵抗性付与能力を評価する病害抵抗性付与能
力の評価装置は、上記試料配置手段と、上記接種手段
と、上記試料放置手段と備え、さらに、試料放置手段に
よって放置された後の第1および第2の試料配置手段を
択一的かつ交互に臨むように設けられ、一方および他方
の試料からの微弱発光を検出する1個の光検出器と、光
検出器が臨む第1および第2の試料配置手段の切換えと
同期して光検出器の出力を交互に取り込み、一方の試料
からの微弱発光の量と前記他方の試料からの微弱発光の
量をそれぞれ計測する計測手段と、計測手段による2つ
の計測値を比較することにより、植物に対する被検菌の
病害抵抗性付与能力を評価する評価手段とを備えること
を特徴とする。
【0021】上記目的を解決するために、本発明にかか
る病原菌に対する植物の病害抵抗力を活性化する農薬の
評価方法において、用意した植物の試料を少なくとも2
つに区分して1の区分に農薬を吸収させ、所定条件下で
所定時間放置した後、さらに、病原菌を接種し、所定条
件下で所定時間放置した後、当該植物の試料からの微弱
発光量を計測する第1のステップと、区分した植物の試
料の他の区分に農薬を吸収させることなく、所定条件下
で所定時間放置した後、さらに、病原菌を接種し、所定
条件下で所定時間放置した後、当該植物の試料からの微
弱発光の量を計測する第2のステップと、第1および第
2のステップでそれぞれ計測された微弱発光の量を比較
することにより、農薬が有する病原菌に対する植物の病
害抵抗力の活性化能力を評価する第3のステップとを備
えることを特徴とする。
【0022】上記目的を解決するために、本発明にかか
る病原菌に対する植物の病害抵抗力を活性化する農薬の
評価装置において、植物の試料を2つに区分した一方の
試料と他方の試料をそれぞれ配置する第1および第2の
試料配置手段と、一方の試料に農薬を吸収させる吸収手
段と、第2の試料配置手段に配置された他方の試料と、
第1の試料配置手段に配置され農薬が吸収された一方の
試料とを、同一条件下で一定時間放置する第1の試料放
置手段と、第1の試料放置手段によって放置された後の
他方の試料と、農薬が吸収された一方の試料とに病原菌
を接種する接種手段と、第2の試料配置手段に配置され
病原菌が接種された他方の試料と、第1の試料配置手段
に配置され農薬が吸収され、さらに、病原菌が接種され
た一方の試料とを、同一条件下で一定時間放置する第2
の試料放置手段と、第2の試料放置手段によって放置さ
れた後の第1および第2の試料配置手段をそれぞれ臨む
ように設けられ、一方および他方の試料からの微弱発光
の量をそれぞれ計測する第1および第2の光検出手段
と、第1および第2の光検出手段のそれぞれの計測値を
比較することにより、農薬が有する病原菌に対する植物
の病害抵抗力の活性化能力を評価する評価手段とを備え
たことを特徴とする農薬の評価装置。
【0023】上記目的を解決するために、本発明にかか
る病原菌に対する植物の病害抵抗力を活性化する農薬の
評価装置は、上記試料配置手段と、上記吸収手段と、上
記第1の試料放置手段と、上記接種手段と、上記第2の
試料放置手段とを備え、さらに、第2の試料放置手段に
よって放置された後の第1および第2の試料配置手段を
択一的かつ交互に臨むように設けられ、一方および他方
の試料からの微弱発光を検出する1個の光検出器と、光
検出器が臨む第1および第2の試料配置手段の切換えと
同期して光検出器の出力を交互に取り込み、一方の試料
からの微弱発光の量と他方の試料からの微弱発光の量を
それぞれ計測する計測手段と、計測手段による2つの計
測値を比較することにより、農薬が有する病原菌に対す
る植物の病害抵抗力の活性化能力を評価する評価手段と
を備えることを特徴とする。
【0024】
【作用】上記の請求項1に記載の方法によれば、用意し
た被検植物の試料を少なくとも2つに区分して1の区分
に病原菌を接種し、他の区分に病原菌を接種することな
く、これらを所定条件下で所定時間放置する。このた
め、植物と病原菌の相互作用の程度に応じて極微弱発光
の量が試料の1の区分と他の区分で異なることになり、
これらの被検植物の試料からの微弱発光の量を計測し
て、それぞれ計測された微弱発光の量を比較するので、
被検植物の病害抵抗性あるいは感受性の検定を短時間で
容易に行うことができ、また客観的に検定することが可
能となる。
【0025】上記の請求項2に記載の装置によれば、被
検植物の試料を2つに区分した一方の試料に病原菌を接
種する接種手段と、病原菌が接種された試料と接種され
ていない試料とを同一条件下で一定時間放置する試料放
置手段と、試料放置手段によって放置された後のそれぞ
れの試料からの微弱発光の量をそれぞれ計測する第1お
よび第2の光検出手段と、第1および第2の光検出手段
のそれぞれの計測値を比較することにより、被検植物の
病害抵抗性あるいは感受性を検定する検定手段とを備え
ているので、病原菌の接種されたものと接種されないも
のを同一環境下で処理し、その微弱発光の計測を同時か
つ短時間で容易に行うことができ、したがって客観的か
つ正確に検定することが可能となる。
【0026】上記の請求項3に記載の装置によれば、病
原菌に対する被検植物の病害抵抗性あるいは感受性を検
定する植物の被検植物の試料を2つに区分した一方の試
料と他方の試料をそれぞれ配置する第1および第2の試
料配置手段と、一方の試料に病原菌を接種する接種手段
と、第2の試料配置手段に配置された他方の試料と、第
1の試料配置手段に配置され病原菌が接種された一方の
試料とを、同一条件下で一定時間放置する試料放置手段
とを備えているので、病原菌の接種されたものと接種さ
れないものを同一環境下で処理することができる。さら
に、この装置では、試料放置手段によって放置された後
の第1および第2の試料配置手段を択一的かつ交互に臨
むように設けられ、一方および他方の試料からの微弱発
光を検出する1個の光検出器と、光検出器が臨む第1お
よび第2の試料配置手段の切換えと同期して光検出器の
出力を交互に取り込み、各試料からの微弱発光の量を計
測する計測手段と、これら計測値を比較して検定する検
定手段を備えているので、単一の光検出器を用いること
により、微弱発光の計測を実質的に同時かつ短時間で行
うことができる。
【0027】上記の請求項4に記載の方法によれば、用
意した植物の試料を少なくとも2つに区分して、1の区
分に被検菌を接種し、他の区分に被検菌を接種すること
なく、これらを所定条件下で所定時間放置する。このた
め、被検菌の接種による病害抵抗性付与能力の程度に応
じて、これらの植物の試料からの微弱発光量を計測し、
それぞれ計測された微弱発光の量を比較するので、被検
菌の病害抵抗性付与能力の評価を短時間で容易に行うこ
とができ、また客観的かつ正確に検定することが可能と
なる。
【0028】上記の請求項5に記載の装置によれば、植
物の試料を2つに区分した一方の試料に被検菌を接種す
る接種手段と、被検菌が接種された試料と接種されてい
ない試料とを同一条件下で一定時間放置する試料放置手
段と、試料放置手段によって放置された後のそれぞれの
試料からの微弱発光の量をそれぞれ計測する第1および
第2の光検出手段と、第1および第2の光検出手段のそ
れぞれの計測値を比較することにより、植物に対する被
検菌の病害抵抗性付与能力を評価する評価手段とを備え
ているので、被検菌の接種されたものと接種されていな
いものとを同一環境下で処理し、その微弱発光の計測を
同時かつ短時間で容易に行うことができ、したがって客
観的かつ正確に被検菌の病害抵抗性付与能力を評価する
ことが可能となる。
【0029】上記の請求項6に記載の装置によれば、植
物の試料を2つに区分した一方の試料に被検菌を接種す
る接種手段と、被検菌が接種された試料と接種されてい
ない試料とを同一条件下で一定時間放置する試料放置手
段とを備えているので、被検菌の接種されたものと接種
されていないものとを同一環境下で処理することができ
る。さらに、この装置では、試料放置手段によって放置
された後の第1および第2の試料配置手段を択一的かつ
交互に臨むように設けられ、一方および他方の試料から
の微弱発光を検出する1個の光検出器と、光検出器が臨
む第1および第2の試料配置手段の切換えと同期して光
検出器の出力を交互に取り込み、各試料からの微弱発光
の量を計測する計測手段と、これら計測値を比較して検
定する検定手段を備えているので、単一の光検出器を用
いることにより、微弱発光の計測を実質的に同時かつ短
時間で行うことができる。
【0030】上記の請求項7に記載の方法によれば、用
意した植物の試料を少なくとも2つに区分して1の区分
に農薬を吸収させ、他の区分に農薬を吸収させることな
く、これらを所定条件下で所定時間放置する。次に1の
区分および他の区分の試料に病原菌を接種し、これらを
所定条件下で所定時間放置する。このため、農薬の吸収
による病原菌に対する植物の病害抵抗力の活性化の程度
に応じて極微弱発光の量が試料の1の区分と他の区分で
異なることになり、これらの試料からの微弱発光の量を
計測して、それぞれ計測された微弱発光の量を比較する
ので、農薬が有する病原菌に対する植物の病害抵抗力の
活性化能力の評価を短時間で容易に行うことができ、ま
た客観的に検定することが可能となる。
【0031】上記の請求項8に記載の装置によれば、植
物の試料を2つに区分した一方の試料に農薬を吸収させ
る吸収手段と、農薬が吸収された試料と吸収されていな
い試料とを同一条件下で一定時間放置する第1の試料放
置手段と、双方の試料に病原菌を接種する接種手段と、
病原菌が接種された他方の試料と、農薬が吸収され、さ
らに、病原菌が接種された一方の試料とを、同一条件下
で一定時間放置する第2の試料放置手段と、第2の試料
放置手段によって放置された後のそれぞれの試料からの
微弱発光の量をそれぞれ計測する第1および第2の光検
出手段と、第1および第2の光検出手段のそれぞれの計
測値を比較することにより、農薬が有する病原菌に対す
る植物の病害抵抗力の活性化能力を評価する評価手段と
を備えているので、農薬が吸収されたものと吸収されな
いものを同一環境下で処理し、その微弱発光の計測を同
時かつ短時間で容易に行うことができ、したがって客観
的かつ正確に検定することが可能となる。
【0032】上記の請求項9に記載の装置によれば、植
物の試料を2つに区分した一方の試料に農薬を吸収させ
る吸収手段と、農薬が吸収された試料と吸収されていな
い試料とを同一条件下で一定時間放置する第1の試料放
置手段と、双方の試料に病原菌を接種する接種手段と、
病原菌が接種された他方の試料と、農薬が吸収され、さ
らに、病原菌が接種された一方の試料とを、同一条件下
で一定時間放置する第2の試料放置手段とを備えている
ので、農薬が吸収されたものと吸収されていないものと
を同一環境下で処理することができる。さらに、この装
置では、第2の試料放置手段によって放置された後の第
1および第2の試料配置手段を択一的かつ交互に臨むよ
うに設けられ、一方および他方の試料からの微弱発光を
検出する1個の光検出器と、光検出器が臨む第1および
第2の試料配置手段の切換えと同期して光検出器の出力
を交互に取り込み、各試料からの微弱発光の量を計測す
る計測手段と、これら計測値を比較して検定する検定手
段を備えているので、単一の光検出器を用いることによ
り、微弱発光の計測を実質的に同時かつ短時間で行うこ
とができる。
【0033】
【実施例】具体的な実施例の説明に先立ち、本発明の原
理について簡単に説明する。植物が発芽状態等となる
と、極微弱ではあるが発光が観測されることが知られて
いるが、本発明者は病原菌が植物体内に侵入しようとし
たとき、植物が積極的に防御反応を行う結果として発光
が観測されることをも見出した。特に、植物と病原菌の
相互作用が大きい場合には、通常と比べて発光量が特異
的に増大し、両者の間には有意の差が認められる。
【0034】そこで、植物の固体を物理的に2分割し、
あるいは同一の植物を2つのグループに区分し、一方に
は病原菌を接種し、他方には接種しないようにして発光
を観測すると、発光量に有意の差が生じる場合と生じな
い場合が現れる。本発明者による研究および検討による
と、上記の発光量に有意の差が生じる場合は植物の病害
抵抗性が高いときであり、有意の差が生じない場合は植
物の病害抵抗性が低いときであることが判明した。
【0035】従って、この原理に従えば、植物の病害抵
抗性が検定できるのであり、同様の原理により、非病原
菌あるいは弱病原菌の病害抵抗性付与能力や農薬による
病原菌に対する植物の病害抵抗力の活性化能力も評価で
きることになる。
【0036】以下、添付図面を参照して本発明のいくつ
かの実施例について説明する。なお、図面の説明におい
て同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略す
る。
【0037】図1に基づいて、本発明の第1実施例にか
かる植物の抵抗性検定装置について説明する。
【0038】この検定装置は、光電子増倍管10(以下
PMTという)を2個含んだ微弱光検出器20と、この
PMT10に接続されるフォトンカウンタ30と、この
フォトンカウンタ30からのデジタル信号を取り込む電
子計算機40と、PMT10やフォトンカウンタ30へ
の電力を供給する図示しない電源(なお、本実施例にお
いて、電源はフォトンカウンタ30に内臓されてい
る。)とを有している。
【0039】微弱光検出器20は、図1に示すように、
横L字型に成型された筐体21と、筐体21の突出部内
部の天井部に垂設された2つのハウジング22内のそれ
ぞれに設けられたPMT10と、筐体21の左上面の所
定の位置に設けられた2つの噴霧器50と、筐体21内
部の底面に設けられた試料搬送機構を有している。ハウ
ジング22内のPMT10は検知部を下向きにした状態
で設けられている。また、これらの噴霧器50およびP
MT10のそれぞれは、図1に示すようにスライドボデ
ィー61が移動する方向に沿って並んで配置されてい
る。このPMT10は、紫外線から赤外線領域の極微弱
光検出用の電子管で、光電管の光電面と陽極との間に電
子増倍器を組み込み、わずかな光でも検出可能にしたも
のである。ここでは例えば、浜松ホトニクス社製のR2
08を使用する。このハウジング22は、外部からの光
を一切遮断する材質でできており、ハウジング22の底
部には電動開閉式の図示しないシャッタが設けられてい
る。また、ハウジングの下部であって、ハウジング相互
の間には隣り合うシャーレからの発光の侵入を防ぐため
ゴム製の射光膜90が設けられている。また、この筐体
21は、外部からの光を一切遮断する材質で形成されて
いる。筐体21の左側面には試料の出し入れを行う開閉
自在の図示しない扉が設けられている。この扉と筐体2
1との隙間にはシールが施され、閉じた状態では外部か
らの光が一切入射しない構造になっている。これらの噴
霧器50は、図示しない液体貯蔵層と、図示しない噴霧
量調整装置を有しており、この噴霧量調整装置は電子計
算機40によってコントロールされている。試料搬送機
構は、スライドボディー61と、スライドボディー61
を水平方向に運動させる送りネジ62と、スライドボデ
ィー61の両端で貫通してスライドボディー61を支え
る支持棒63と、送りネジ62を回転させる図示しない
モータ及び図示しない歯車機構とを有している。図示し
ないモータ及び図示しない歯車機構はハウジング22内
に収容されており、このハウジング22は送りネジ62
と、支持棒63とを支える役割をも有している。モータ
の制御は電子計算機40によって成されている。また、
スライドボディー61の上面にはステージ70が固定さ
れており、このステージ70の上部は試料配置部となっ
ている。
【0040】このフォトンカウンタ30は、PMT10
によって検出された光子数をカウントし光量を測定する
ものである。ここでは例えば、浜松ホトニクス社製のC
1230(又はC767)を使用する。なお、本実施例
で用いているC1230のように、PMT10の動作に
必要な高圧直流安定価電源を内蔵したフォトンカウンタ
30を使用する場合には、特別に他に電源を設ける必要
がないことはいうまでもない。
【0041】また、この電子計算機40には、例えばデ
ィスクトップ型のパーソナルコンピュータを用いる。こ
こでは、例えばNEC社製のPC−9800シリーズを
用いることとした。
【0042】なお、本実施例において光電子増倍器とし
ては、PMT10を用いることとしたが、可視域あるい
は近赤外線域で高感度な光検出を行える装置であれば他
の手段を用いてもよい。この他の手段としては例えば、
イメージインテンシファイヤや、アバランシェフォトダ
イオードなどの高感度検出素子がある。
【0043】さらに、PMT10の光電面直下に光ファ
イバを設けてこれを測定対象である試料との間に介在さ
せ、試料から生ずる発光を光ファイバを介して光電子増
倍管伝えるものとしてもよい。
【0044】次に、図2のフローチャートに基づき本発
明の第1実施例にかかる植物の抵抗性検定方法について
説明する。
【0045】まず、検定しようとする植物の種子(以
下、試料という)を、予め用意した2つのシャーレ8
1、82に収容する。これら試料を収容したシャーレ8
1、82を微弱光検出器20内に設けられているステー
ジ70上部の試料配置部に配置する(ステップ20
1)。このときの試料の搬入は微弱光検出器20の扉か
ら行うが、シャーレ81、82をステージ70上面にセ
ットした後は外部の光が入らないように、この扉を完全
に閉じるようにする。
【0046】次に、噴霧器50内部に含まれている液体
をそれぞれの試料に噴霧する(ステップ202)。この
とき微弱光検出器20上面の2つの噴霧器50のうち、
一方の噴霧器50には病原菌の含まれる水溶液(以下、
病原菌水溶液という)が蓄えられており、残る一方の噴
霧器50には蒸留水が蓄えられている。なお、備えられ
ている2つの噴霧器50のうち、いずれの噴霧器50に
蒸留水を蓄えても、また、病原菌水溶液を蓄えてもよい
が、本発明の第1実施例においては図1の左上の噴霧器
50に病原菌水溶液を蓄え、右下の噴霧器50に蒸留水
を蓄えることとする。従って、一方の試料に病原菌の含
まれた水溶液が噴霧されるとすると、もう一方の試料に
は蒸留水が噴霧されることとなり、検査を行う試料、す
なわち、病原菌を接種した試料(以下、病原菌接種試
料)と、病原菌を接種していない試料(以下、参照試
料)とが用意されることになる。
【0047】次に、試料搬送機構の送りネジ62を回転
させて、図1の左上にあったスライドボディー61を右
下に移動させて、ステージ70上に配置されているシャ
ーレ81、82内の2つの試料が各光電子増倍管の直下
になるようにセットする(ステップ203)。この移動
は電子計算機40からの指令により行われる。
【0048】次に、暫くの時間、試料からの発光量の計
測は行わず、試料を暗中静置する(ステップ204)。
このとき微弱光検出器20の内部には外部から全く光が
入り込まず、暗室状態になっているのでそのままの状態
で暗中静置を行うことができる。また、試料を静置する
時間は、通常1時間〜5日の間であり、多くのものは1
日〜3日後が適しており、植物の品種ごとに決定される
各品種固有のものである。従って、後述する予備実験に
より予めデータを集める必要があるが、一度結果を出し
ておけば以後の検定において何度でも使用できるもので
ある。
【0049】次に、電子計算機40からの指令によりハ
ウジング22の図示しないシャッタを開いて、各PMT
10で各試料80からの微弱な光を検出する(ステップ
205)。PMTでの計測時間は1分間である。また、
このとき、光電子造倍管としては、例えば、浜松ホトニ
クス社製R208を用いて、操作条件は、+1000V
の電圧を加え、ロウアーディスクリレベル0.90、アッパ
ーディスクリレベル9.99、ゲート時間1秒という条件の
下で行う。なお、このPMT10のダークカウンタは約
20(counts/sec)である。
【0050】次に、各PMT10からのパルス信号は各
フォトンカウンタ30で二値化され、それぞれ電子計算
機40に送られて数値データとして記録される(ステッ
プ206)。
【0051】次に、このステップ203からステップ2
06までを繰り返して検定に必要な量のデータを得る。
【0052】次に、電子計算機40において、記録され
たデータを比較して、植物の抵抗性の検定を行う(ステ
ップ207)。この検定は具体的には次ぎのようにして
行う。参照用試料のデータの平均値をC(counts/se
c)、標準偏差をm(counts/sec)とし、一方、病原菌
接種試料のデータの平均値をS(counts/sec)、標準偏
差をn(counts/sec)とする。そして、(S−C)±
(n+m)が常に正であるときは、検査対象となる植物
はその病原菌に対して抵抗性を示すと判断し、その一方
で、(S−C)±(n+m)が常に負であるときは、感
受性を示すと判断するように電子計算機40にプログラ
ムを打ち込み、その結果をモニター上に表示されるよう
にする。
【0053】なお、本実施例に係る検定方法においては
検定装置を1台用いて試料を入れ替え、同じ検定を繰り
返すことで検定用のデータを収集しているが、複数の検
定装置を電子計算機40に接続して一度にデータ収集を
行ってもよい。ただし、いずれによっても従来までの検
定方法に比べればはるかに短時間で行うことができるこ
とはいうまでもないまた、植物の抵抗性検定装置とし
て、後述する第2実施例にかかる装置を用いて行うこと
もでき、また、これに伴い後述する第2実施例にかかる
方法と同様の手順で行うこともできる。
【0054】次に、図3のフローチャートに基づき本装
置を用いて植物の抵抗性を検定する際、病原菌を植物に
接種して発光量の測定を開始するまでの静置時間を決定
するための予備実験について説明する。これは本検定を
行うに当り必要なものであるが、既述したように、同一
品種間における静置時間は同じなので一度静置時間に関
するデータを得ておけば、以後、同一品種において検定
する際には予め得ておいたデータを用いることができ
る。
【0055】まず、上記検定方法と同様に、試料を予め
用意した2つのシャーレに収容して、これらシャーレを
微弱光検出器20内に設けられているステージ70上部
の試料配置部に配置する(ステップ301)。
【0056】次に、上記検定方法の場合と同様、噴霧器
50内部に含まれている液体をそれぞれの試料に噴霧す
る(ステップ302)。これにより、病原菌接種試料
と、参照試料とを用意する。
【0057】次に、試料搬送機構の送りネジ62を回転
させて、スライドボディー61を移動させて、ステージ
70上に配置されているシャーレ内の2つの試料が各光
電子増倍管の直下になるようにセットする(ステップ3
03)。この移動は電子計算機40からの指令により行
われる。
【0058】次に、1時間程、試料を暗中静置する(ス
テップ304)。このとき試料からの発光量の計測は行
わない。
【0059】次に、電子計算機40からの指令によりハ
ウジング22の図示しないシャッタを開いて、各PMT
10で各試料80からの微弱な光を検出する(ステップ
305)。この検出時間は3日〜4日の間行い、このと
き各PMT10からのパルス信号は各フォトンカウンタ
30でデジタル化され、それぞれ電子計算機40に送ら
れて発光量の経時変化を示す数値データとして記録され
る。
【0060】次に、参照試料の発光量を示すデータと、
病原菌接種試料の発光量を示すデータとを経時変化曲線
としてグラフ化してモニター上に表示する(ステップ3
06)。表示されたグラフから経時変化曲線の減算値を
読み取り、病原菌の接種後測定開始に最も適切な測定結
果を得られる静置時間を選択する。
【0061】次に、この装置を用いて行ったいくつかの
検定例について説明する。
【0062】まず、トマトを用いた第1検定例について
説明する。
【0063】このとき用いたトマトの品種は、LS−8
9、興津BF−101、ポンテローザの3品種であっ
た。また、病原菌としては、代表的な糸状菌である萎凋
病菌(レース1)、及び萎凋病菌(レース2)を用いる
こととした。さらに植物に抵抗性を付与する非病原菌
(以下、単に非病原菌という)としては、萎凋病菌と近
縁関係にあるフザリウム オキシスポラム(Fusarium o
xysporum)S−160(以下、S−160という)を用
いることとした。なお、LS−89は、萎凋病(レース
1)に対しては抵抗性を示し、萎凋病(レース2)に対
しては抵抗性と感受性の中間的反応性(以下実施例の説
明において「耐性」という)を示すことが広く知られて
いる。興津BF−101は、萎凋病(レース1)に対し
ては抵抗性を示し、萎凋病菌(レース2)に対して感受
性反応を示すことが広く知られている。ポンテローザ
は、萎凋病菌(レース1)、及び萎凋病菌(レース2)
のいずれに対しても感受性反応を示すことは広く知られ
ている(サカタの野菜カタログ、'91 〜'92,p.180 参
照)。
【0064】次にこの検定方法について説明する。ま
ず、1992年8月31日、上記の各品種の種子をシャーレ7
0に収容された培地に播種した。次に、同年9月1日、
発芽した各品種の種子に上記の各種病原菌の約107 個/
ml胞子濃度の培養液2mlをそれぞれ接種した。すなわ
ち、無接種のものを含め、全体で12種類の検査対象を用
意した。ここで接種する病原菌は、PD(potato dextr
ose)培地に25℃の温度で、3日間、振とう培養したもの
を用いた。
【0065】次に、同月2日、発芽した各品種の種子を
本実施例に係る装置を用いて検定した。この検定方法
は、上述した方法に沿って行われたものである。
【0066】この検定の結果が次に示す表1である。
【0067】
【表1】
【0068】この表1が示すように、本装置による判断
は、LS−89は、萎凋病(レース1)に対しては抵抗
性を示すとされ、萎凋病(レース2)に対しては耐性を
示すとされた。興津BF−101は、萎凋病(レース
1)に対しては抵抗性を示すとされ、萎凋病菌(レース
2)に対して感受性反応を示すともされた。ポンテロー
ザは、萎凋病菌(レース1)、及び萎凋病菌(レース
2)のいずれに対しても感受性反応を示すとされた。こ
れは上述した一般に知られている結論と同一のものであ
り、このことから本装置を用いた上記の方法が植物の抵
抗性の検定に非常に有効であることが分かる。
【0069】また、S−160は、本検定で用いたいず
れの品種に対しても誘導抵抗性を引き起こすことが、本
装置によって明らかにされた。
【0070】また、本実施例のように参照試料との差を
モニター上に表示するようにしておけば、誘導抵抗性の
強弱の判断の際にも非常に役立つことになる。
【0071】従って、本実施例にかかる装置とこの装置
を用いた上記の方法によって検定を行った場合には比較
的容易にかつ、正確に行うことができる。
【0072】次に、キャベツを用いた第2検定例につい
て説明する。
【0073】このとき用いたキャベツの品種は、秋早生
及びYR錦秋強力 152の2品種であった。また、病原菌
としては、軟腐病を起こす細菌エルビニア カロトボー
ラ(サブスペンス)カロトボーラ(Erwina carotovora
subsp.carotovora)と黒腐病を起こす細菌ザンソモナス
キャンペストリス(パソバール)キャムペストリス
(Xanthomonas campestris PV.campestris)を用いるこ
ととした。秋早生は、軟腐病に対しては耐性を示し、黒
腐病に対しては抵抗性を示すことが広く知られている
(マスダのタネ総合カタログ'91 〜'92,p.6 〜p.10参
照)。YR錦秋強力152は、軟腐病に対しては抵抗性を
示すことが広く知られている。
【0074】次にこの検定方法について説明する。ま
ず、1992年8月31日、上記の各品種の種子をシャーレ7
0に収容された培地に播種した。次に、同年9月1日、
発芽した各品種の種子に上記の各種細菌をそれぞれ接種
した。すなわち、無接種のものを含め、全体で6種類の
検査対象を用意した。
【0075】次に、同月2日、発芽した各品種の種子を
本実施例に係る装置を用いて検定した。この検定方法
は、上述した方法に沿って行われたものである。
【0076】この検定の結果が次に示す表2である。
【0077】
【表2】
【0078】表2が示すように、本装置による判断で
は、秋早生は、軟腐病に対しては耐性を示すとされ、黒
腐病に対しては抵抗性を示すとされた。YR錦秋強力 1
52は、軟腐病に対しては抵抗性を示すとされ、黒腐病に
対して感受性を示すとされた。
【0079】これは上述した一般に知られている結論と
同一のものであり、従って、本実施例にかかる装置およ
びこの装置を用いた上記の方法は、細菌に対する抵抗性
品種の検定を行う場合にも非常に有効であることが判明
した。
【0080】次に、イネを用いた第3検定例について説
明する。
【0081】このとき用いたイネの品種は、愛知旭及び
黄金晴の2品種であった。また、病原菌としては、いも
ち病菌ピリシュラリア オリザエ キャバラ(Pyricula
riaoryzae Cavara)23−02及びいもち病菌23−0
3を用いることとした。なお、愛知旭は、いもち病菌に
対しては感受性(親和性)を示すことを確認している。
一方、黄金晴は、抵抗性を付与された品種であることを
確認している。
【0082】次にこの検定方法について説明する。ま
ず、1992年8月31日、上記の各品種の種子をシャーレ7
0に収容された培地に播種した。次に、同年9月1日、
発芽した各品種の種子に上記の各種病原菌をそれぞれ接
種した。すなわち、無接種のものを含め、全体で6種類
の検査対象を用意した。次に、同月2日、発芽した各品
種の種子を本実施例に係る装置を用いて検定した。この
検定方法は、上述した方法に沿って行われたものであ
る。
【0083】この検定の結果が次に示す表3である。
【0084】
【表3】
【0085】表3が示すように、本装置による判断で
は、愛知旭は、いもち病菌に対しては感受性を示すとさ
れ、また、黄金晴は、いもち病菌23−02に対しては
抵抗性を示すとされた。これは上述した一般に知られて
いる結論と同一のものであり、従って、本実施例にかか
る装置を用いることにより、病原菌に対して各品種の有
する特異性における微妙な差をも検定することができる
ことが判明した。
【0086】次に、図4に基づいて、本発明の第2実施
例にかかる病害付与能力の評価装置について説明する。
【0087】第2実施例にかかる装置と第1実施例にか
かる装置との基本的な相違点は光電子増倍管10の数量
およびステージ70の構造にある。すなわち、第1実施
例では光電子増倍管10は2つ設けられていたが、第1
実施例では光電子増倍管10を1つにした点が異なる。
また、ステージ70はスライドボディー固着部71と、
ステージ本体72とを含み、ステージ本体72はスライ
ドボディー固着部71に設けられた支持機構73により
支持されている。また、ステージ本体72は、スライド
ボディー固着部71の略中央部に設けられている図示し
ないモータおよび図示しない往復運動機構によって水平
方向に往復運動を行う。このモータは電子計算機40に
よってコントロールされている。そして、電子計算機4
0の指令により略5秒ごと往復運動を繰り返してステー
ジ本体71の位置がかわることにより、1つの光電子増
倍管10で2つのシャーレ81、82に配置された試料
から交互に発光を検出する。なお、光電子増倍管10は
1つしか設けられていないので、これにともないフォト
ンカウンタ30も1つでよい。
【0088】このようにして計測された発光量は第1実
施例と同様に電子計算機40で処理されて比較される。
【0089】次に、本発明の第2実施例にかかる植物の
抵抗性検定方法について説明する。
【0090】まず、検定に用いる植物の種子(以下、種
子という)を、予め用意した2つのシャーレ81、82
に収容する。これら種子を収容したシャーレ81、82
を微弱光検出器20内に設けられているステージ70上
部の種子配置部に配置する。このときの種子の搬入は微
弱光検出器20の扉から行うが、シャーレ81、82を
ステージ70上面にセットした後は外部の光が入らない
ように、この扉を完全に閉じるようにする。
【0091】次に、噴霧器50内部に含まれている液体
をそれぞれの種子に噴霧する。このとき微弱光検出器2
0上面の2つの噴霧器50のうち、一方の噴霧器50に
は被検菌が含まれる水溶液(以下、被検菌水溶液)が蓄
えられており、残る一方の噴霧器50には蒸留水が蓄え
られている。なお、備えられている2つの噴霧器50の
うち、いずれの噴霧器50に蒸留水を蓄えても、また、
被検菌水溶液を蓄えてもよいが、本発明の第2実施例に
おいては図3の左上の噴霧器50に被検菌水溶液を蓄
え、右下の噴霧器50に蒸留水を蓄えることとする。従
って、一方の種子に被検菌の含まれた水溶液が噴霧され
るとすると、もう一方の種子には蒸留水が噴霧されるこ
ととなり、検査を行う種子、すなわち、被検菌を接種し
た種子(以下、被検菌接種種子)と、被検菌を接種して
いない種子(以下、参照種子)とが用意されることにな
る。
【0092】次に、種子搬送機構の送りネジ62を回転
させて、図3の左上にあったスライドボディー61を右
下に移動させて、ステージ70上に配置されているシャ
ーレ81、82内の2つの種子が所定の位置にセットす
る。この移動は電子計算機40からの指令により行われ
る。
【0093】次に、暫くの時間、種子からの発光量の計
測は行わず、種子を暗中静置する。このとき微弱光検出
器20の内部には外部から全く光が入り込まず、暗室状
態になっているのでそのままの状態で暗中静置を行うこ
とができる。また、種子を静置する時間は、通常1時間
〜5日後であり、多くのものは1日〜3日後が適してお
り、植物の品種ごとに決定される各品種固有のものであ
る。従って、第1実施例で示したような予備実験により
予めデータを集める必要があるが、一度結果を出してお
けば以後の検定において何度でも使用できるものであ
る。
【0094】次に、電子計算機40からの指令によりハ
ウジング22の図示しないシャッタを開いて、PMT1
0で各種子80からの微弱な光を検出する。このとき、
被検菌を接種した種子と接種していない種子のいずれか
一方がPMT10の直下になるように、電子計算機40
から指令がだされ、ステージ本体72が移動させられ
る。そして5秒間隔でステージが移動してそれぞれの種
子からの発光量が計測される。このとき行われるPMT
10での計測時間の総計は約2分間である。また、この
とき、光電子増倍管としては、上記第1実施例と同様
に、浜松ホトニクス社製R208を用いて、同一の操作
条件のもとで行う。
【0095】次に、PMT10からのパルス信号はフォ
トンカウンタ30で二値化され、それぞれ電子計算機4
0に送られて数値データとして記録される。
【0096】次に、上記の各手順を繰り返して必要な量
のデータを得る。
【0097】次に、電子計算機40において、記録され
たデータを比較して、植物の抵抗性の検定を行う。この
検定は具体的には次ぎのようにして行う。参照用試料の
データの平均値をC(counts/sec)、標準偏差をm(co
unts/sec)とし、一方、被検菌接種試料のデータの平均
値をS(counts/sec)、標準偏差をn(counts/sec)と
する。そして、(S−C)±(n+m)が常に正である
ときは、被検菌はその植物に対して誘導抵抗性を示すと
判断し、その一方で、(S−C)±(n+m)が常に負
であるときは、被検菌はその植物に対して誘導抵抗性を
示さないと判断するように電子計算機40にプログラム
を打ち込み、その結果をモニター上に表示されるように
する。
【0098】なお、非病原菌などの植物に対する病害抵
抗性付与能力を評価する装置として、上記第1実施例に
かかる装置を用いて行うこともでき、また、これに伴い
上記第1実施例にかかる方法と同様の手順で行うことも
できる。
【0099】次に、ウリ科の植物を用いた第1評価例に
ついて説明する。
【0100】このとき用いたウリ科の種は、メロン、ヒ
ョウタン、カボチャ、キュウリの4種である。また、メ
ロンとして用いた品種は、アールスフェボリット、大
井、バーネット及びフカミドリである。ヒョウタンとし
ては千成を、カボチャとしては新土佐1号及び宮津黒皮
を、キュウリとしては霜知らず地這をそれぞれ用いた。
被検菌としては、いずれについてもS−160を用いる
こととした。また、キュウリと、メロンのうちでもアー
ルスフェポリット、大井とバーネットについては、メロ
ン27も用いた。さらに、メロンのうちでもアールスフェ
ボリットには、イ−1及びS−52も用いることとし
た。なお、S−52は、サツマイモに対して顕著な誘導
抵抗性を示し、つる割病を防除することが調査済みであ
る。また、メロン27もメロンに用いた場合には、顕著
な誘導抵抗性を示すことが調査済みである。
【0101】次にこの評価方法について説明する。
【0102】まず、1992年8月31日、上記の各品種の種
子をシャーレ81、82に収容された培地に播種した。
【0103】次に、同年9月1日、発芽した各品種の種
子に上記の各種被検菌の表4に示すようにそれぞれ接種
した。すなわち、無接種のものを含め、全体で20種類の
検査対象を用意した。
【0104】次に、同月2日、発芽した各品種の種子を
本実施例に係る装置を用いて評価した。この評価方法
は、上述した方法に沿って行われたものである。
【0105】この評価の結果が次に示す表4である。
【0106】
【表4】
【0107】この表4が示すように、本装置による判断
は、メロン27をメロンに用いた場合、いずれの品種に
おいても誘導抵抗性を示すとされた。これは上述した一
般に知られている結論と同一のものであり、このことか
ら本装置を用いた上記の方法が非病原菌ほどの植物に対
する病害抵抗性付与能力の評価に非常に有効であること
が分かる。
【0108】また、他の植物と被検菌との反応について
は表4に示すような結果を本装置によって得ることがで
きた。
【0109】次に、本発明の第3実施例にかかる農薬の
評価方法について説明する。
【0110】この評価方法に用いる装置は、上記第1実
施例にかかる装置または第2実施例にかかる装置に、さ
らに、農薬を蓄え、噴霧するための噴霧器を設けてい
る。この噴霧器は、第1実施例の図1で示すような他の
噴霧器に並べて、筐体上部に設けられているものであ
る。なお、本第3実施例においては上記第1実施例と基
本構造が同一である装置を用いることによって行うこと
とする。
【0111】まず、検定しようとする植物(以下、検定
植物という)として農薬を吸収させたものと、吸収させ
ていないものを用意する。すなわち、検定植物を、予め
用意した2つのシャーレに収容する。これら検定植物を
収容したシャーレを微弱光検出器内に設けられているス
テージ上部の検定植物配置部に配置する。このときの検
定植物の搬入は微弱光検出器の扉から行うが、シャーレ
をステージ上面にセットした後は外部の光が入らないよ
うに、この扉を完全に閉じるようにする。
【0112】次に、噴霧器内部に含まれている液体のう
ち、農薬および蒸留水をそれぞれ検定植物に噴霧する。
なお、このとき微弱光検出器上面の3つの噴霧器のう
ち、1の噴霧器には農薬が蓄えられており、別の噴霧器
には蒸留水が蓄えられている。さらに、残る別の噴霧器
には病原菌水溶液が蓄えられている。
【0113】従って、一方の検定植物に農薬が噴霧され
るとすると、もう一方の検定植物には蒸留水が噴霧され
ることとなり、検査を行う検定植物、すなわち、農薬を
吸収させた検定植物(以下、農薬吸収植物)と、農薬を
吸収させていない検定植物(以下、参照植物)とが用意
されることになる。
【0114】次に、3日〜7日程度、検定植物を放置す
る。このように、これらの検定植物を放置するのは、通
常、農薬により植物体内に誘導抵抗が現れるようにする
ためには3日〜7日の期間が必要だからである。
【0115】次に、噴霧器内部に含まれている液体のう
ち病原菌水溶液を各検定植物(農薬吸収植物および参照
植物)に噴霧する。
【0116】次に、検定植物搬送機構の送りネジを回転
させて、図1の左上にあったスライドボディーを右下に
移動させて、ステージ上に配置されているシャーレ内の
2つの検定植物が各光電子増倍管の直下になるようにセ
ットする。この移動は電子計算機からの指令により行わ
れる。
【0117】次に、暫くの時間、検定植物からの発光量
の計測は行わず、検定植物を暗中静置する。このとき微
弱光検出器の内部には外部から全く光が入り込まず、暗
室状態になっているのでそのままの状態で暗中静置を行
うことができる。また、検定植物を静置する時間は、通
常1時間〜5日後であり、多くのものは1日〜3日後が
適しており、検定植物の品種ごとに決定される各品種固
有のものである。従って、上記第1実施例と同様に予備
実験により予めデータを集める必要があるが、一度結果
を出しておけば以後の検定において何度でも使用できる
ものである。
【0118】次に、電子計算機からの指令によりハウジ
ング22の図示しないシャッタを開いて、各PMTで各
検定植物からの微弱な光を検出する。PMTでの計測時
間は1分間である。また、このとき、PMTとしては用
いる装置およびその操作条件は第1実施例と同様にであ
る。
【0119】次に、各PMTからのパルス信号は各フォ
トンカウンタで二値化され、それぞれ電子計算機に送ら
れて数値データとして記録される。
【0120】次に、電子計算機において、記録されたデ
ータを比較して、農薬が有する病原菌に対する植物の病
害抵抗性の検定を行う。この検定は具体的には次ぎのよ
うにして行う。参照植物のデータの平均値をC(counts
/sec)、標準偏差をm(counts/sec)とし、一方、農薬
吸収植物のデータの平均値をS(counts/sec)、標準偏
差をn(counts/sec)とする。そして、S±nの値がC
±mに遠いほど農薬は植物の病害抵抗力を活性化させて
いると評価し、この一方、S±nの値がC±mに近いほ
ど、農薬は植物の病害抵抗力を活性化させるのには適さ
ないと評価するように電子計算機40にプログラムを打
ち込み、その結果をモニター上に表示されるようにす
る。
【0121】次に、ヤマノイモ(塊根)を用いた第1評
価例について説明する。
【0122】この第1評価例は、農薬のスクリーニング
方法として本発明を用いた例である。
【0123】このとき用いた農薬は、オリゼメートとポ
リオキシンであった。また、接種菌としては、青かび病
菌ペニシリウム スクレロティゲナム ヤマモト(Peni
cillium Sclerotigenum Yamamoto)を用いることとし
た。
【0124】次にこの評価方法について説明する。ま
ず、1992年8月25日、ヤマノイモの農薬処理を行った。
【0125】次に、同年9月1日、青かび病菌を接種
し、無接種のものを含めて、全体で6種類の検査対象を
用意した。
【0126】次に、同月2日、本実施例に係る装置を用
いて検査をおこなった。この評価方法は、上述した方法
に沿って行われたものである。
【0127】この評価の結果が次に示す表5である。
【0128】
【表5】
【0129】この表5が示すように、本装置を用いた植
物の発光量の測定により次のことが分かった。青カビ病
菌の接種に対して、農薬を吸収させなかったものに対
し、オリゼメート200ppmを加えて処理することにより、
発光量が157(counts/sec)増加した。また、ポリオキシ
ン200ppmを加えて処理を行った場合では、わずかに11
(counts/sec)しか増加しなかった。
【0130】従って、本実施例にかかる装置は、直接的
あるいは間接的に活性化される誘導抵抗能を有する農薬
のスクリーニング方法に用いることができることが判明
した。
【0131】次に、サツマイモを用いた第2評価例につ
いて説明する。
【0132】このとき用いたサツマイモの品種は、紅あ
ずまであった。また、病原菌としては、つる割病菌を用
いることとした。さらに非病原菌として、S−160及
びS−52を用いることとした。なお、S−52は、サ
ツマイモのつる割病に対して誘導抵抗性を示すことが調
査済みである。
【0133】また、サツマイモのつる割病に対する農薬
の誘導抵抗性を検定するための農薬として、オリゾメー
トとポリオキシンとを用いることとした。
【0134】次にこの検定方法について説明する。次
に、1992年9月1日、サツマイモの切片に上記の各種病
原菌をそれぞれ接種した。すなわち、無接種のものを含
め、全体で8種類の検査対象を用意した。
【0135】次に、同年同月2日、上記のサツマイモの
切片を本実施例に係る装置を用いて検定した。この検定
方法は、上述したステップ201からステップ207ま
でを繰り返すことによって行った。
【0136】この検定の結果が次に示す表6である。
【0137】
【表6】
【0138】この表6のNo1〜No4が示すように、本装
置を用いて、S−52がサツマイモのつる割病に対して
誘導抵抗性を示すことが確認された。また、本装置を用
いることで、S−160はS−52と同様にサツマイモ
のつる割病に対して誘導抵抗性を示すことも確認するこ
とができた。
【0139】また、表6のNo5〜No8が示すように、本
装置によって、菌を接種しない場合、オリゾメート 100
0ppmで処理した試料80の発光量は、農薬無処理の試料
80と比べ全く相違がないことが確認でき、その一方で
ポリオキシン200ppmで処理した試料80の発光量は、約
120cpsの増加があったことも確認できた。また、本装置
によって、ツル割病菌を接種した場合には、イネに対し
て誘導抵抗を起こすことが確認されているオリゾメート
1000ppmで処理した試料80の発光量は、農薬無処理の
試料80より900cpsも減少していることを確認する一
方、ポリオキシン200ppmで処理した試料80の発光量
は、360cpsの増加があったことも確認できた。
【0140】従って、本実施例にかかる装置を用いるこ
とによって、上記第1評価例と同様、誘導抵抗性を有す
る農薬のスクリーニングに対しても有効に働くことが示
された。
【0141】次に、本検定例における発光状態をより詳
細に解析すべく、種々の実験を行った。これについて以
下に説明する。
【0142】まず、1992年9月3日に、つる割病菌の10
7 個/ml濃度の培養液2mlをサツマイモの切片に接種
し、発光量の変化を約83時間に渡って計測した。この
結果を示したものが図5である。図5に示されたよう
に、発光が始まったのは計測開始から約9時間後であ
り、48時間に発光量は横軸上に略一定の値となった。
この結果は、今までに知られている植物の誘導抵抗反応
の知見と全く一致するものであり、本装置によって検出
した光で植物の誘導抵抗反応を検定することができるこ
とを証明したものである。また、参照試料として、蒸留
水2mlのみを加えた試料の発光量の経時変化は図5に
示すようになった。なお、つる割病原菌自体について
は、ほどんど発光は計測されなかった(図5には示さ
ず)。
【0143】次に、この発光の発光化学種を検討する。
なお、これは微弱光のスペクトル測定法(カットオフフ
ィルター法、文献:稲葉 文男著、「超極微弱計測およ
びスペクトル情報分析技術の最近の進歩とその医学・生
物科学への応用」、OplusE、No.12,p.78,1980)を用い
て行った。各種のカットオフフィルターを用いて測定し
た。発光量の変化は各カットオフフィルターの透過性お
よび光電子増倍管の量子効率に直接依存するため、補正
を行う必要がある。この補正を行った結果、図6に示す
ような発光スペクトルを得た。図に示すように、このス
ペクトルは 460nm〜 600nmの範囲で広がっている。この
結果は、本発明者らが以前に測定した植物の発芽根から
の発光スペクトルの分布に極めて近似しているものであ
る(平松光夫、OPLUSE「特集 光とバイオ 発芽根か
らの極微弱発光」 No.149,pp105 〜pp110 参照)。
【0144】発光系は生物体である植物なので極めて複
雑なメカニズムであるので、完全に発光化学種の同定は
できないが、発光化学種の一つは、活性酸素種を含んで
いることがスペクトルから読み取ることができる。
【0145】なお、上記の検定例においては、いずれも
植物の固体を試料80として用いたが、固体以外のも
の、例えば、プロトプラスト、カルス、培養細胞などを
用いてもよい。
【0146】さらに、検定対象となる試料80の発光量
が少ないために抵抗性や感受性などの識別が困難な場合
がある。例えば、ウィルスに対する抵抗性などを検査す
る場合は、糸状菌や、バクテリアと比べ、比較対象とな
る試料同志で発光量の差が小さいことがある。このよう
な場合は、植物とウィルスとの反応の経時変化を追跡
し、接種後に発光量が最大となる時点で測定する必要が
あることはいうまでもない。しかし、このような条件を
選択しても識別性に困難を生ずる場合には、いわゆる発
光増強試薬(例えば、ルミノール)を用いることが望ま
しい。このルミノールは、活性酸素と反応して発光スペ
クトルを変えて、植物による自己吸収のために検出でき
なかったフォトンを引き出すので、結果的に発光量を増
大させる働きがあるためである。
【0147】以上説明したように、本実施例に係る装置
および方法によれば、試料配置部601に配置された試
料80からの極微弱光を、PMT10により検出を行
い、さらに、PMT10からの出力信号をフォトンカウ
ンタ30によりデジタル信号に処理して、このデジタル
信号を電子計算機40で処理をおこない数値化すること
ができる。つまり、本実施例に係る装置および方法によ
れば試料80からの極微弱光を数値化してこの値から植
物の抵抗性を判断するので、極微弱光を利用して植物の
抵抗性の検定を定量的に容易に行うことができる。
【0148】なお、本実施例においてはいずれの場合も
極微弱光の検出方法としては、フォトンカウンタ30を
用いるフォトンカウティング方式を用いたが、その他の
極限極微弱光をとらえる低雑音・高感度の光検出方法に
より行ってもよい。また、本実施例においてはいずれの
場合においても、PMT10を用いた零次元計測を行っ
たものであるが、1次元センサ或いは2次元センサを用
いた多次元計測を行ってもよい。例えば、非常に有効な
方法としては、タイタープレートを用いて試料調製を行
い、2次元超高感度テレビカメラを用いて、数多くの試
料80を同時にスクリーニングする方法があげられる。
【0149】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる方法よれば、用意した被検植物の試料を少なくとも
2つに区分して1の区分に病原菌、非病原菌または農薬
等を接種し、他の区分に病原菌等を接種することなく、
これらを所定条件下で所定時間放置する。このため、植
物と病原菌との相互作用の程度に応じて極微弱発光の量
が試料の1の区分と他の区分で異なることになり、これ
らの被検植物の試料からの微弱発光の量を計測して、そ
れぞれ計測された微弱発光の量を比較するので、被検植
物の病害抵抗性あるいは感受性の検定を短時間で容易に
行うことができ、また客観的に検定することが可能とな
る。
【0150】また、本発明に係る装置によれば、被検植
物の試料を2つに区分した一方の試料に病原菌、非病原
菌を接種する接種手段と、病原菌等が接種された試料と
接種されていない試料とを同一条件下で一定時間放置す
る試料放置手段と、試料放置手段によって放置された後
のそれぞれの試料からの微弱発光の量をそれぞれ計測す
る第1および第2の光検出手段と、第1および第2の光
検出手段のそれぞれの計測値を比較することにより、被
検植物の病害抵抗性あるいは感受性を検定する検定手段
とを備えているので、病原菌等の接種されたものと接種
されないものを同一環境下で処理し、その微弱発光の計
測を同時かつ短時間で容易に行うことができ、したがっ
て客観的かつ正確に検定することが可能となる。
【0151】また、本発明に係る装置によれば、被検植
物の試料を2つに区分した一方の試料に病原菌、非病原
菌を接種する接種手段と、病原菌等が接種された試料と
接種されていない試料とを同一条件下で一定時間放置す
る試料放置手段と、さらに、この装置では、試料放置手
段によって放置された後の第1および第2の試料配置手
段を択一的かつ交互に臨むように設けられ、一方および
他方の試料からの微弱発光を検出する1個の光検出器
と、光検出器が臨む第1および第2の試料配置手段の切
換えと同期して光検出器の出力を交互に取り込み、各試
料からの微弱発光の量を計測する計測手段と、これら計
測値を比較して検定する検定手段を備えているので、単
一の光検出器を用いることにより、微弱発光の計測を実
質的に同時かつ短時間で行うことができる。すなわち、
本発明によれば植物の抵抗性の検定に際して極微弱光を
利用するので、植物を苗まで育てる必要がなく発芽種子
の段階で十分に定量的に検定することができる。このた
め抵抗性の検定を行うに際して、従来のような長期の日
数をかける必要がない。
【0152】また、苗まで育てる必要がなく、発芽種子
の段階で検定を行うことができるので、植物栽培に伴う
多大な労力及び広大な敷地を必要としないことになる。
【0153】さらに、発芽種子の段階で抵抗性の検定を
行うことができるので、検査対象を同一の環境条件下で
生育し、検査することが容易となる。従って、糸状菌、
細菌等の各種病原菌を植物へ接種しすることにより植物
から放射される極微弱光を検出し、この検出結果を数値
化することで植物の抵抗性または感受性等を定量的に検
定することが可能となった。また、これとともに非病原
菌あるいは弱病原菌の接種により誘導される植物の抵抗
性のスクリーニングや、農薬の散布により活性化される
植物の誘導抵抗のスクリーニングを定量的に行うことも
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかる装置の構成を示し
た斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る検定方法のフローチ
ャートを示す図である。
【図3】本発明の第1実施例の予備実験に係る検定方法
のフローチャートを示す図である。
【図4】本発明の第2実施例にかかる装置の構成を示し
た斜視図である。
【図5】植物の発光量の経時変化を示す図である。
【図6】発光スペクトルの分布を示す図である。
【符号の説明】
10…光電子増倍管(PMT)、20…微弱光検出器、
30…フォトンカウンタ、40…電子計算機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 佐喜雄 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松 ホトニクス株式会社内 (72)発明者 牧野 孝宏 静岡県磐田郡豊田町富丘678の1 (72)発明者 加藤 公彦 静岡県磐田郡豊田町富丘678の1 審査官 竹中 靖典 (56)参考文献 特開 平2−72802(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/48 G01N 21/01 G01N 21/27 JICSTファイル(JOIS)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 病原菌に対する被検植物の抵抗性あるい
    は感受性を検定する植物の病害抵抗性検定方法におい
    て、 用意した前記被検植物の試料を少なくとも2つに区分し
    て1の区分に前記病原菌を接種し、所定条件下で所定時
    間放置した後、当該被検植物の試料からの微弱発光の量
    を計測する第1のステップと、 前記区分した前記被検植物の試料の他の区分に前記病原
    菌を接種することなく、前記所定条件下で前記所定時間
    放置した後、当該被検植物の試料からの微弱発光の量を
    計測する第2のステップと、 前記第1および第2のステップでそれぞれ計測された前
    記微弱発光の量を比較することにより、前記被検植物の
    前記病原菌に対する抵抗性あるいは感受性を検定する第
    3のステップとを備えることを特徴とする植物の病害抵
    抗性検定方法。
  2. 【請求項2】 病原菌に対する被検植物の抵抗性あるい
    は感受性を検定する植物の病害抵抗性検定装置におい
    て、 前記被検植物の試料を2つに区分した一方の試料と他方
    の試料をそれぞれ配置する第1および第2の試料配置手
    段と、 前記一方の試料に前記病原菌を接種する接種手段と、 前記第2の試料配置手段に配置された前記他方の試料
    と、前記第1の試料配置手段に配置され前記病原菌が接
    種された前記一方の試料とを、同一条件下で一定時間放
    置する試料放置手段と、 前記試料放置手段によって放置された後の前記第1およ
    び第2の試料配置手段をそれぞれ臨むように設けられ、
    前記一方および他方の試料からの微弱発光の量をそれぞ
    れ計測する第1および第2の光検出手段と、 前記第1および第2の光検出手段のそれぞれの計測値を
    比較することにより、前記被検植物の前記病原菌に対す
    る抵抗性あるいは感受性を検定する検定手段と、 を備えたことを特徴とする植物の病害抵抗性検定装置。
  3. 【請求項3】 病原菌に対する被検植物の抵抗性あるい
    は感受性を検定する植物の病害抵抗性検定装置におい
    て、 前記被検植物の試料を2つに区分した一方の試料と他方
    の試料をそれぞれ配置する第1および第2の試料配置手
    段と、 前記一方の試料に前記病原菌を接種する接種手段と、 前記第2の試料配置手段に配置された前記他方の試料
    と、前記第1の試料配置手段に配置され前記病原菌が接
    種された前記一方の試料とを、同一条件下で一定時間放
    置する試料放置手段と、 前記試料放置手段によって放置された後の前記第1およ
    び第2の試料配置手段を択一的かつ交互に臨むように設
    けられ、前記一方および他方の試料からの微弱発光を検
    出する1個の光検出器と、 前記光検出器が臨む前記第1および第2の試料配置手段
    の切換えと同期して前記光検出器の出力を交互に取り込
    み、前記一方の試料からの微弱発光の量と前記他方の試
    料からの微弱発光の量をそれぞれ計測する計測手段と、 前記計測手段による2つの計測値を比較することによ
    り、前記被検植物の前記病原菌に対する抵抗性あるいは
    感受性を検定する検定手段と、 を備えることを特徴とする植物の病害抵抗性検定装置。
  4. 【請求項4】 植物に対する非病原菌株、弱病原菌株等
    の被検菌株の病害抵抗性付与能力を評価する病害抵抗性
    付与能力の評価方法において、 用意した前記植物の試料を少なくとも2つに区分して1
    の区分に前記被検菌を接種し、所定条件下で所定時間放
    置した後、当該植物の試料からの微弱発光の量を計測す
    る第1のステップと、 前記区分した前記植物の試料の他の区分に前記被検菌を
    接種することなく、前記所定条件下で前記所定時間放置
    した後、当該植物の試料からの微弱発光の量を計測する
    第2のステップと、 前記第1および第2のステップでそれぞれ計測された前
    記微弱発光の量を比較することにより、前記被検菌の病
    害抵抗性付与能力を評価する第3のステップとを備える
    ことを特徴とする病害の抵抗性付与能力の評価方法。
  5. 【請求項5】 植物に対する非病原菌株あるいは弱病原
    菌株等の被検菌株の病害抵抗性付与能力を評価する病害
    抵抗性付与能力の評価装置において、 前記植物の試料を2つに区分した一方の試料と他方の試
    料をそれぞれ配置する第1および第2の試料配置手段
    と、 前記一方の試料に前記被検菌を接種する接種手段と、 前記第2の試料配置手段に配置された前記他方の試料
    と、前記第1の試料配置手段に配置され前記被検菌が接
    種された前記一方の試料とを、同一条件下で一定時間放
    置する試料放置手段と、 前記試料放置手段によって放置された後の前記第1およ
    び第2の試料配置手段をそれぞれ臨むように設けられ、
    前記一方および他方の試料からの微弱発光の量をそれぞ
    れ計測する第1および第2の光検出手段と、 前記第1および第2の光検出手段のそれぞれの計測値を
    比較することにより、前記植物に対する前記被検菌の病
    害抵抗性付与能力を評価する評価手段と、を備えること
    を特徴とする植物の病害抵抗性付与能力の評価装置。
  6. 【請求項6】 植物に対する非病原菌株あるいは弱病原
    菌株等の被検菌株の病害抵抗性付与能力を評価する病害
    抵抗性付与能力の評価装置において、 前記植物の試料を2つに区分した一方の試料と他方の試
    料をそれぞれ配置する第1および第2の試料配置手段
    と、 前記一方の試料に前記被検菌を接種する接種手段と、 前記第2の試料配置手段に配置された前記他方の試料
    と、前記第1の試料配置手段に配置され前記被検菌が接
    種された前記一方の試料とを、同一条件下で一定時間放
    置する試料放置手段と、 前記試料放置手段によって放置された後の前記第1およ
    び第2の試料配置手段を択一的かつ交互に臨むように設
    けられ、前記一方および他方の試料からの微弱発光を検
    出する1個の光検出器と、 前記光検出器が臨む前記第1および第2の試料配置手段
    の切換えと同期して前記光検出器の出力を交互に取り込
    み、前記一方の試料からの微弱発光の量と前記他方の試
    料からの微弱発光の量をそれぞれ計測する計測手段と、 前記計測手段による2つの計測値を比較することによ
    り、前記植物に対する前記被検菌の病害抵抗性付与能力
    を評価する評価手段と、 を備えることを特徴とする病害の抵抗性付与能力の評価
    装置。
  7. 【請求項7】 病原菌に対する植物の病害抵抗力を活性
    化する農薬の評価方法において、 用意した前記植物の試料を少なくとも2つに区分して1
    の区分に前記農薬を吸収させ、所定条件下で所定時間放
    置した後、さらに、前記病原菌を接種し、所定条件下で
    所定時間放置した後、当該植物の試料からの微弱発光量
    を計測する第1のステップと、 前記区分した前記植物の試料の他の区分に前記農薬を吸
    収させることなく、前記所定条件下で前記所定時間放置
    した後、さらに、前記病原菌を接種し、所定条件下で所
    定時間放置した後、当該植物の試料からの微弱発光の量
    を計測する第2のステップと、 前記第1および第2のステップでそれぞれ計測された前
    記微弱発光の量を比較することにより、前記農薬が有す
    る前記病原菌に対する前記植物の病害抵抗力の活性化能
    力を評価する第3のステップとを備えることを特徴とす
    る農薬の評価方法。
  8. 【請求項8】 病原菌に対する植物の病害抵抗力を活性
    化する農薬の評価装置において、 前記植物の試料を2つに区分した一方の試料と他方の試
    料をそれぞれ配置する第1および第2の試料配置手段
    と、 前記一方の試料に前記農薬を吸収させる吸収手段と、 前記第2の試料配置手段に配置された前記他方の試料
    と、前記第1の試料配置手段に配置され前記農薬が吸収
    された前記一方の試料とを、同一条件下で一定時間放置
    する第1の試料放置手段と、 前記第1の試料放置手段によって放置された後の前記他
    方の試料と、前記農薬が吸収された前記一方の試料とに
    前記病原菌を接種する接種手段と、 前記第2の試料配置手段に配置され前記病原菌が接種さ
    れた前記他方の試料と、前記第1の試料配置手段に配置
    され前記農薬が吸収され、さらに、前記病原菌が接種さ
    れた前記一方の試料とを、同一条件下で一定時間放置す
    る第2の試料放置手段と、 前記第2の試料放置手段によって放置された後の前記第
    1および第2の試料配置手段をそれぞれ臨むように設け
    られ、前記一方および他方の試料からの微弱発光の量を
    それぞれ計測する第1および第2の光検出手段と、 前記第1および第2の光検出手段のそれぞれの計測値を
    比較することにより、前記農薬が有する前記病原菌に対
    する前記植物の病害抵抗力の活性化能力を評価する評価
    手段と、 を備えたことを特徴とする農薬の評価装置。
  9. 【請求項9】 病原菌に対する植物の病害抵抗力を活性
    化する農薬の評価装置において、 前記植物の試料を2つに区分した一方の試料と他方の試
    料をそれぞれ配置する第1および第2の試料配置手段
    と、 前記一方の試料に前記農薬を吸収させる吸収手段と、 前記第2の試料配置手段に配置された前記他方の試料
    と、前記第1の試料配置手段に配置され前記農薬が吸収
    された前記一方の試料とを、同一条件下で一定時間放置
    する第1の試料放置手段と、 前記第1の試料放置手段によって放置された後の前記他
    方の試料と、前記農薬が吸収された前記一方の試料とに
    前記病原菌を接種する接種手段と、 前記第2の試料配置手段に配置され前記病原菌が接種さ
    れた前記他方の試料と、前記第1の試料配置手段に配置
    され前記農薬が吸収され、さらに、前記病原菌が接種さ
    れた前記一方の試料とを、同一条件下で一定時間放置す
    る第2の試料放置手段と、 前記第2の試料放置手段によって放置された後の前記第
    1および第2の試料配置手段を択一的かつ交互に臨むよ
    うに設けられ、前記一方および他方の試料からの微弱発
    光を検出する1個の光検出器と、 前記光検出器が臨む前記第1および第2の試料配置手段
    の切換えと同期して前記光検出器の出力を交互に取り込
    み、前記一方の試料からの微弱発光の量と前記他方の試
    料からの微弱発光の量をそれぞれ計測する計測手段と、 前記計測手段による2つの計測値を比較することによ
    り、前記農薬が有する前記病原菌に対する前記植物の病
    害抵抗力の活性化能力を評価する評価手段と、 を備えることを特徴とする農薬の評価装置。
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