JP3230212B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP3230212B2 JP13030893A JP13030893A JP3230212B2 JP 3230212 B2 JP3230212 B2 JP 3230212B2 JP 13030893 A JP13030893 A JP 13030893A JP 13030893 A JP13030893 A JP 13030893A JP 3230212 B2 JP3230212 B2 JP 3230212B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、磁気ディス
ク、フレキシブルディスク、スチルカメラ及びビデオカ
メラ等の磁気記録用金属薄膜媒体などに適用することが
できる磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、磁気記録媒体における高記録密度
化の要請に応じるために、酸化物などの微粒子を塗布し
たいわゆる塗布形媒体に比較して高い記録密度が得られ
るいわゆる金属薄膜媒体が検討されている。この金属薄
膜媒体は、非磁性基板に、スパッタリング法や真空状着
法等によりクロム膜等を下地層として形成した後、コバ
ルト合金膜などを磁性層として形成したものである。
【0003】しかし、このような金属薄膜媒体は、再生
出力は大きいものの、信号再生時のノイズ(媒体ノイ
ズ)も大きいという欠点がある。
【0004】それゆえ、この媒体ノイズを低減するため
に、種々の方法が検討されているが、その一つに、磁性
層を分割して多層構造とし、その磁性層間に炭素やクロ
ムからなる非磁性層を中間層として介在させる方法が提
案されている(特開平2−210614)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁性層を多
層構造にしてその磁性層間に非磁性中間層を介在させる
ようにした上述の提案にかかる磁気記録媒体は、磁性層
を多層膜構造にしていない磁気記録媒体、あるいは、多
層構造であっても非磁性中間層を介在させていない磁気
記録媒体に比べてその媒体ノイズを小さくすることは可
能であった。
【0006】ところが、同時に、再生信号も小さくなる
ことがわかった。そのため、結果的に信号記録において
最も重要なS/N比については、非磁性中間層を設けな
いものに比較して、評価できるほどの向上効果が得られ
ないことがわかった。
【0007】本発明は上述の背景のもとでなされたもの
であり、比較的大きな再生信号が得られると同時に媒体
ノイズを小さく抑えることができ、十分大きなS/N比
が得られる磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに本発明かかる磁気記録媒体は、 (構成1) 非磁性基体上に少なくとも磁性層を2層以上積層させて
多層構造とし、前記磁性層間に窒化物を含む磁性の中間
層を設けたことを特徴とする構成とし、また、この構成
1の態様として、 (構成2) 構成1の磁気記録媒体において、前記中間層における窒
素の含有量が、原子%表示で、1%〜33%であること
を特徴とする構成とした。
【0009】
【作用】上述の構成1によれば、多層構造の磁性層間に
磁性物質を含む合金の窒化物を含む中間層を設けたこと
により、中間層を非磁性層にした場合に比較して大きな
再生信号が得られると同時に媒体ノイズを小さく抑える
ことができ、十分大きなS/N比が得られることが確認
された。
【0010】これは、中間層を、それに使用される合金
を完全に窒化して非磁性層にすることなく窒化度を調整
し、中間層の飽和磁化を小さくして弱い磁性体とするこ
とによって、磁性層間の磁気的な相互作用が良好に制御
され、その結果、再生信号に比べ、再生時の媒体ノイズ
をより小さくさせることができてS/N比を大きく確保
できるようになったものと考えられる。
【0011】この場合、中間層における窒素の含有量
は、構成2のように、原子%で、1〜33%であること
が好ましいことがわかった。その理由は、窒化物の含有
量が1%未満であると、再生時の媒体ノイズを小さくす
る効果が小さいためにS/N比が低下し、また、33%
を越えると、ノイズ低減効果よりも再生信号の低下の度
合いが大きくなって、S/N比も低下するからである。
【0012】
【実施例】図1は本発明の一実施例にかかる磁気記録媒
体の構成を示す部分断面図である。以下、図1を参照に
しながら一実施例の構成を説明する。
【0013】図1に示されるように、この実施例の磁気
記録媒体は、非磁性基体であるガラス基板1の上に、順
次、厚さ数百nmのCr膜等からなる下地層2、厚さ数
十nmのCoーNi系その他の磁性膜からなる下部磁性
層3、厚さ数〜十数nmの磁性物質を含む合金の窒化物
膜からなる中間層4、厚さ数十nmCoーNi系その他
の磁性膜からなる上部磁性層5、厚さ数十nmのカーボ
ン膜等からなる保護層6及び厚さ数nmのパーフルオロ
ポリエーテル膜等からなる潤滑層7を形成したものであ
る。
【0014】本発明の特徴点たる中間層4は、磁性物質
を含む合金に窒素を1〜33原子%程度含有させたもの
であり、適度に磁性体としての性質を有するものであ
る。この場合、磁性物質を含む合金としては、強磁性金
属を含む金属であれば何でもよく、例えば、Fe,Co
及びNi等の強磁性体の少なくとも1種と、Cu,G
e,Hf,Mo,Nb,Os,Re,Rh,Ti,W,
Zr,Cr,Pd,Pt及びTaの群から選ばれる少な
くとも1種と、を含むものを用いることができる。勿
論、磁性層3,5を構成する材料と同一の材料を窒化し
たものに限定されない。なお、下部磁性層3と上部磁性
層5の組成も同一でなくてもよい。但し、下部磁性層3
と中間層4と上部磁性層5の金属源を同一のものにすれ
ば、これらの層を、例えば、反応性スパッタリング法、
反応性蒸着法、イオンプレーティング法などによって形
成する場合において、ターゲット又は蒸着源の交換を省
略することができる。また、中間層を形成する際に使用
したガスを反応槽内に必要量だけ残しておくことにより
上部磁性層5の磁気特性を制御することもでき、表面近
傍の保磁力をさらに高めるなどの調整をすることも可能
である。なお、中間層4には、上記した元素の他、O、
B、C等を発明の効果を損ねない範囲で含有させてもよ
い。
【0015】また、中間層4の厚さは、15nm程度以
下とするのが好ましい。この理由は15nmを越えると
再生信号も小さくなり、結果的にS/N比を大きくする
ことが難しくなるためである。再生信号を大きく確保し
つつS/N比を大きくするために、特に好ましいのは、
3〜12nm程度、さらに好ましいのは4〜8nmであ
る。
【0016】中間層4は、下部磁性層3を設けた後、反
応性スパッタリング法、反応性蒸着法、イオンプレーテ
ィング法、化学的気相成長法(CVD)、イオン注入法
等の手段により形成する。例えば、上記、反応性スパッ
タリング法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法に
おいては、中間層4を形成する際、反応ガスとしてアン
モニアや窒素等の窒素含有ガスを用いたり、あるいは、
ターゲットや蒸着源に、コバルトや鉄などを含む金属の
窒化物を含むものを用いたりすればよい。また、化学的
気相成長法においては、中間層4を形成する際、反応ガ
スとして、例えばCoR(Rは有機基)で表される有機
金属と、アンモニアや窒素などの窒素含有ガスとを用い
ればよい。また、イオン注入法においては、窒素イオン
を、下部磁性層3を設けたガラス基板1に向かって打ち
付ければよい。このとき、中間層4の窒化の程度を制御
することにより、中間層4の磁気特性を、強磁性体から
非磁性体間で制御することができ、それにより下部磁性
層3と上部磁性層5との磁気的な相互作用の強さを制御
でき、再生信号や媒体ノイズ等を調節できる。このよう
にして中間層4を形成した後、上部磁性層5を形成す
る。
【0017】次に、上述の一実施例の磁気記録媒体を実
際に製造した例を製造例1,2として掲げ、また、従来
の磁気記録媒体を、中間層4を除く他の条件をなるべく
上記製造例と近似させて製造した例を比較例1,2とし
て掲げ、あわせて両者の特性の比較を行った結果を説明
する。
【0018】(製造例1)この製造例は、中間層4の窒
素含有量のみが異なり、他の層は同一の構成を有する多
数の磁気記録媒体を製造した例である。
【0019】ガラス基板1として、外径65mm、内径
20mm、厚さ0.889mmの表面が鏡面研磨された
ガラス基板を用意した。
【0020】上記ガラス基板1を洗浄後、r.f.マグ
ネトロンスパッタ装置の試料台に固定した後、真空排気
を行い、チャンバー内の真空度を2×10-7torrに
した。
【0021】次に、Crのスパッタターゲットを用い、
スパッタガスとしてアルゴンガスを導入してアルゴンガ
ス圧10mtorrとし、アルゴン流量10SCOMと
して、r.f.出力200Wにて、ガラス基板1上に膜
厚200nmのCr膜を成膜して、下地層2を形成し
た。
【0022】次に、合金組成Co80Pt7 Cr13をター
ゲットとして用い、アルゴンガス圧10mtorr、ア
ルゴン流量10SCOM、r.f.出力200Wにて、
上記下地層2の上に、膜厚20nmのCo80Pt7 Cr
13の磁性膜を成膜し、下部磁性層3を形成した。
【0023】次に、アルゴンガスのほかにアンモニアガ
スを導入してアルゴンガスとアンモニアガスの流量比を
所定の値(後述する)に設定し、また、アルゴン流量
(10SCCM)、ガス圧(10mtorr)及びr.
f.出力(200W)はそれぞれ一定に保持しつつ、下
部磁性層3と同一の合金組成比のCo80Pt7 Cr13
ターゲットとして用い、上記下部磁性層3の上に膜厚2
0nmの(Co80Pt7Cr131-x ーNx 膜を成膜し
て、中間層4を形成した。
【0024】次に、中間層4上に、下部磁性層3と同様
の条件により上部磁性層5を膜厚20nm形成した。
【0025】そして、上部磁性層5の上にカーボンの保
護層6を35nmに形成し、この保護層6の上にパーフ
ルオロポリエーテルからなる潤滑層7を2nm塗布し
て、磁気記録媒体を得た。
【0026】ここで、この製造例1では、中間層4を形
成する際のアンモニアガス流量のみを0〜20SCCM
の範囲における多数の値に設定してそれぞれ磁気記録媒
体を製造し、中間層4の窒素含有量のみが異なる多数の
種類の磁気記録媒体を製造した。
【0027】図2はアルゴンガス流量を10SCCMに
固定してアンモニアガス流量を変化させた場合における
中間層4の窒素含有量の変化を示したものである。な
お、中間層4中の窒素の含有量はエスカ(X線項光電子
分光装置、(島津製作製ESCA−850)で分析した
ものである。図2から明らかなように、中間層4の窒素
含有量がアンモニアガス流量に依存して変化し、したが
って、アンモニアガス流量を調整することにより、所望
の窒素含有量が得られることがわかる。
【0028】(製造例2)この製造例は、中間層4の厚
さのみが異なり、他の層は同一の構成を有する多数の磁
気記録媒体を製造した例である。
【0029】この場合、上述の製造例1では、中間層4
の厚さを20nmに固定し、窒素含有量(アンモニアガ
ス流量)を変えたものであるが、この製造例2では、ア
ンモニアガス流量(窒素含有量)を10SCCM(アル
ゴンガス:アンモニアガス=1:1)に固定し(窒素含
有量;約28原子%)、中間層4の厚さを0.1〜20
nmの範囲における多数の値に設定してそれぞれ磁気記
録媒体を製造し、中間層4の厚さのみが異なる多数の種
類の磁気記録媒体を製造したものである。そのほかの条
件は製造例1と同じであるのでその説明は省略する。
【0030】(比較例1)図3は比較例1の構成を示す
部分断面図である。この比較例は磁性層が1層であって
(図3における磁性層8)中間層を有しない例である。
この場合、磁性層と中間層が異なる(中間層の有無)ほ
かは、ガラス基板や下地膜等の他の構成は上述の製造例
と同一の構成を有するので、図3において共通する部分
に同一の符号を付ことによりその説明を省略する。
【0031】(比較例2)図4は比較例2の構成を示す
部分断面図である。この比較例は上述の製造例1,2に
おける中間層4の代わりに、膜厚5nmのCrからなる
非磁性中間層9を形成したものであり、そのほかは上述
の製造例と同一の構成を有するので、図4において共通
する部分に同一の符号を付ことによりその説明を省略す
る。
【0032】(製造例と比較例の特性の比較)記録再生
特性の評価は、線記録密度50kfciにおける再生出
力と、媒体ノイズについて行った。特性評価は、磁気ヘ
ッドー磁気記録媒体間の相対速度を7m/sとした。ま
た、記録再生に使用した磁気ヘッドの諸元は、浮上高さ
0.1μm、ギャップ長0.35μm、トラック幅9μ
m、ヘッドコイルターン40であった。媒体ノイズは1
00kHzから11MHz間での周波数にわたって測定
を行った。
【0033】図5は、製造例1及び比較例1、2の再生
出力、並びにこれらの媒体ノイズの測定値をグラフに示
した図である。
【0034】図5から明らかなように、再生出力につい
ては、アンモニアの流量が約11SCCMの点までは、
比較例1及び2と製造例1とがほぼ同等の大きさでであ
るが、アンモニアの流量が約11SCCM以上になる
と、製造例1のほうが小さくなっている。これに対し、
媒体ノイズについては、比較例に比較して製造例1の場
合が小さく、かつ、アンモニア流量が約11SCCMの
点までは、アンモニアの流量が多くなるにしたがって急
激に小さくなっている。
【0035】図6は、図5の結果に基づいて製造例1及
び比較例1,2のS/N比を求めてグラフに示した図で
ある。図6から明らかなように、製造例1の磁気記録媒
体は、アンモニアの流量が0(ゼロ)SCCMを越え、
20SCCMの範囲で、比較例1、2の磁気記録媒体よ
りも、高いS/N比を有することが明らかとなった。本
製造例では、アンモニアの流量が、3から13SCCM
の間(アルゴンガスとアンモニアガスの流量比が1:
0.3〜1.3)で特に大きな値が得られている。これ
は、図2に基づいて窒素の含有量に換算すると、約12
〜32原子%である。
【0036】図7は、金属組成比Co80Pt7 Cr13
ターゲットとして用い、ガラス基板上に、アルゴンガス
流量を10SCCM一定とし、アンモニア流量を変化さ
せて作製した膜厚20nmの(Co80Pt7 Cr13
1-x ーNx 膜の飽和磁化の変化の割合を示した図であ
る。
【0037】図7中、Msoは中間層4に用いた窒化さ
れていない合金の飽和磁化であり、Msは中間層4に用
い、アンモニアの流量によって変化した窒化された合金
の飽和磁化である。
【0038】図7の結果を図5及び図6の結果と対比す
ると明らかなように、再生出力、媒体ノイズが良好な値
を示すのは、磁化が急峻に変化している部分(Ms/M
soが0を越え0.4以下の範囲)であり、磁化が消失
した領域(Ms/Msoが0の範囲)では、再生出力、
媒体ノイズ及びS/N比の変化はほとんど見られないこ
とが判る。
【0039】以上の結果から、S/N比が最大値を示す
のは、中間層4を作製する際のアルゴンガスとアンモニ
アガスの流量がほぼ等しいときであり、このときの中間
層4は、図7より、まだ磁性を有している。これ以上、
アンモニアの流量を増やすと、媒体ノイズも僅かに減少
するが、再生出力が減少し、S/N比はむしろ低下して
しまう。このように、中間層4を挾んだ磁性層5,6間
の磁気的な相互作用の強さを、中間層4の磁性(すなわ
ち、窒素含有量;アンモニアガス流量)によって制御で
きるために、記録再生特性の制御が可能になる。
【0040】図8は、製造例2及び比較例1、2の線記
録密度50kfciにおける再生出力と媒体ノイズの測
定値をグラフ示した図である。
【0041】図8から明らかなように、中間層4の膜厚
の薄い領域では媒体ノイズの低減効果は従来技術を用い
た比較例1、2と比べそれほど顕著ではないが、中間層
4の膜厚が2nmを越えると媒体ノイズ低減効果が急激
に顕著なる。しかし、中間層膜厚が12nmを越える
と、再生出力の低下が起こる。
【0042】図9は、図8の結果に基づいて製造例2及
び比較例1、2のS/N比をグラフ示した図である。
【0043】図9から明らかなように、製造例2がほう
が、比較例1、2と比べ、全体的にS/N比の大きな値
が得られているが、特に中間層4の膜厚が2nmから1
2nmの範囲のものが好ましく、さらには4〜8nm程
度が再生出力及びS/N比を大きくする上で適正な厚さ
であることが判った。
【0044】また、副次的な効果として、表層部付近が
部分的に窒化されていることから、中間層を有しない磁
気記録媒体に比べて耐環境性も良好な膜を得ることがで
きる。
【0045】なお、以上詳述した実施例では、磁性層を
2層設けるものを記載したが、磁性層を3層以上設けた
ものでも、上記実施例と同様にS/N比を大きくする効
果があることが確認されている。
【0046】また、基板としてガラス基板を用いたが、
これに限らず、例えば結晶化ガラス基板、アルミニウム
合金基板、セラミックス基板、プラスチック基板カーボ
ン基板であってもよい。
【0047】また、下地層としてクロム層を設けたが、
これに限らず、モリブデン、タングステン、チタン、ジ
ルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、マグネシ
ウム、ビスマス等の金属やこれらの合金、酸化ケイ素、
酸化アルミニウム等により設けてもよい。
【0048】さらに、保護層としてカーボンからなる単
層を設けたが、これに限らず、例えば、酸化ケイ素、酸
化ジルコニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、クロム、ク
ロムモリブデン等を用いてもよく、また複数の層を用い
てもよい。
【0049】さらに潤滑層としてパーフルオロポリエー
テルを用いたが、これに限らず、例えば脂肪酸、脂肪酸
アミド、脂肪酸エステル、フルオロカーボン等の単品も
しくはそれらの混合物等を用いることができる。
【0050】さらに、磁性層としては、CoPtCr以
外のCoCrTa,CoCrNi,CoPtNi等の他
のCo系磁性膜、あるいは、Co系以外の磁性膜であっ
てもよい。
【0051】さらに中間層に用いられる合金も、CoP
tCr以外のCoCrTa,CoCrNi,CoPtN
i等の他のCo系合金、あるいは、Co系以外の合金で
あってもよい。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明にかかる磁
気記録媒体は、磁性層を多層構造にして磁性層間に磁性
物質を含む合金の窒化物を含む中間層を設け、また、中
間層における窒素の含有量を1〜33原子%にしたこと
によって、比較的大きな再生信号が得られると同時に媒
体ノイズを小さく抑えることができ、十分大きなS/N
比が得られ、しかも、良好な耐環境性を有する磁気記録
媒体を得ているものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の一実施例にかかる磁気記録媒
体の構成を示す部分断面図である。
【図2】 アルゴンガス流量を10SCCMに固定して
アンモニアガス流量を変化させた場合における中間層4
の窒素含有量の変化を示したものである。
【図3】 比較例1の構成を示す部分断面図である。
【図4】 比較例2の構成を示す部分断面図である。
【図5】 製造例1及び比較例1、2の再生出力、並び
にこれらの媒体ノイズの測定値をグラフに示した図であ
る。
【図6】 製造例1及び比較例1、2の再生出力、並び
にこれらの媒体ノイズの測定値をグラフに示した図であ
る。
【図7】 膜厚20nmの(Co80Pt7 Cr131-x
ーNx 膜の飽和磁化の変化の割合を示した図である。
【図8】 製造例2及び比較例1、2の線記録密度50
kfciにおける再生出力と媒体ノイズの測定値をグラ
フ示した図である。
【図9】 図8の結果に基づいて製造例2及び比較例
1、2のS/N比をグラフ示した図である。
【符号の説明】
1…ガラス基板、2…下地層、3…下部磁性層、4…中
間層、5…上部磁性層、6…保護層、7…潤滑層。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基体上に少なくとも磁性層を2層
    以上積層させて多層構造とし、前記磁性層間に窒化物を
    含む磁性の中間層を設けたことを特徴とする磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁気記録媒体におい
    て、前記中間層における窒素の含有量が、原子%表示
    で、1%〜33%であることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の磁気記録媒体に
    おいて、前記中間層の磁化は、Ms/Msoが0を越
    え、0.4以下の範囲であることを特徴とする磁気記録
    媒体。 ただし、Msoは、中間層に用いた窒化されてい
    ない合金の飽和磁化であり、Msは、中間層に用いた窒
    化された合金の飽和磁化である。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の磁
    気記録媒体を製造する磁気記録媒体の製造方法であっ
    て、 前記2層以上の磁性層の形成は、スパッタリング法によ
    って行い、 前記窒化物を含む磁性の中間層の形成は、アルゴンガス
    と窒素含有ガスとによる反応性スパッタリングによって
    行うとともに、この中間層の磁性の制御を前記窒素含有
    ガスの流量を調整することによって行うことを特徴とす
    る磁気記録媒体の製造方法。
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