JP3230100B2 - 鉄粉系フラックス入りワイヤ - Google Patents

鉄粉系フラックス入りワイヤ

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JP3230100B2
JP3230100B2 JP05088792A JP5088792A JP3230100B2 JP 3230100 B2 JP3230100 B2 JP 3230100B2 JP 05088792 A JP05088792 A JP 05088792A JP 5088792 A JP5088792 A JP 5088792A JP 3230100 B2 JP3230100 B2 JP 3230100B2
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新一 福島
文雄 林
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日鐵溶接工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋼構造物の溶接に用いる
ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに係る
ものであり、さらに詳しくは伸線時断線することのない
生産性良好なガスシールドアーク溶接用鉄粉系フラック
ス入りワイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガスシールドアーク溶接用フラックス入
りワイヤ(以下フラックス入りワイヤという)は、鋼製
外皮内に充填されるフラックスの作用効果によって、溶
接の作業性が良く、良好なビード外観・形状が得られる
という特徴を有している。しかし、最近の溶接の自動化
・ロボット化の動向で、さらに高性能・高能率でスラグ
生成量の少ないフラックス入りワイヤが要望され、鉄粉
を主体とする金属粉を多量に含有するフラックス入りワ
イヤが開発されている。
【0003】ところが、この種の鉄粉系フラックス入り
ワイヤは、生産時、特に伸線工程で断線が生じ、生産性
が悪いという問題があった。これらを解決する手段とし
て、例えば特開昭57−36096号公報、特開昭63
−90392号公報の技術などが知られている。前者は
充填フラックスのかさ密度の調整、後者は充填フラック
スの粒度調整で、伸線時の断線を防ぐものであるが、十
分に満足し得るものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の問題点を解決するためになされたものであって、伸線
時に断線することのない生産性良好な鉄粉系フラックス
入りワイヤを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】フラックス入りワイヤは
一般に次の2つの方法で主に製造される。 (1)帯鋼をU字形に曲げ、その開口部からフラックス
を一定の率で充填した後、帯鋼を丸めて3〜5mm径の
素線とする(図3A、B、C)。 (2)開口部を有しない鋼管(外径8〜14mm)中へ
フラックスを充填し、素線とする(図3D)。
【0006】次いで(1)、(2)の素線を荒引伸線
(2.5〜3mm径)を経て仕上伸線で0.9〜2.4
mm径とし溶接用ワイヤとするが、特に0.9〜1.2
mmの細径に仕上伸線する時に断線を生じやすい。この
原因として、鉄粉系フラックス入りワイヤでは主成分の
鉄粉が伸線時外皮並に流動しないこと、また図2A、
A′に示すように鉄粉の角が鋼製外皮に食い込み、これ
がノッチとなること等が挙げられ、これらの結果として
断線が生じると思われる。
【0007】そこで本発明者らは、主に鉄粉の粒子形状
について種々検討を重ねた結果、粒径の最大径と最小径
の比が大きい鉄粉の量および流動度を限定した球状の鉄
粉を使用することにより、伸線時断線することなく、生
産性良好な鉄粉系フラックス入りワイヤを得ることがで
きた。つまり、本発明の鉄粉系フラックス入りワイヤ
は、粒径の最大径Aに対する最小径Bの比B/Aが0.
60以上である粒を50%以上含み、かつ流動度が25
sec/50g以下である球状鉄粉を35〜85%含む
フラックスを鋼製外皮中に8〜30%充填したことを特
徴とする。
【0008】以下本発明を詳細に説明する。
【0009】
【作用】まず本発明における鉄粉についての限定理由を
示す。鉄粉粒径の最大径Aに対する最小径Bの比B/A
(以下粒径比B/Aという)が0.60以上の含有量と
JIS Z2502に準じて測定した流動度の種々異な
る鉄粉を選定し、表1に示す基本成分のフラックスに配
合した後、帯鋼に充填率20%で図3Cの断面の素線
4.0mm径をそれぞれ500kgづつ試作した。さら
に連続伸線して1.2mm径のフラックス入りワイヤを
製造した。
【0010】上記ワイヤの伸線時の断線状態を調べた結
果を図1に示す。図1から明らかなように、鉄粉の粒径
比B/Aが0.60以上の含有量が50%以上で、かつ
流動度が25sec/50g以下においては断線が発生
せず、鉄粉の粒径比B/Aが0.60以上を50%以上
含み、かつ流動度が25sec/50g以下の球状鉄粉
であることが望ましいことがわかる。
【0011】粒径比B/Aが0.60以上の含有量が5
0%未満になると、球状鉄粉が少なくなることから伸線
時フラックスの流動性が悪く、また鉄粉が外皮に食い込
み、断線が生じるようになる。流動度が25sec/5
0gを超えると伸線時の流動性が悪くなることから断線
が生じる。
【0012】
【表1】
【0013】なお、鉄粉の粒径比B/Aおよびその含有
量は実体顕微鏡、投影機等で10〜100倍に拡大し、
粒径の大きさおよび数量を測定する。また、球状鉄粉は
水アトマイズ、ガスアトマイズ法で製造されたもの、あ
るいは鋼の製鋼過程で得られる副産物としての球状鉄粉
が使用されるが、特に粒径比B/Aが0.60以上の含
有量が少ない場合は、本出願人が先に提案した特願平3
−85576号に明記された方法で球状鉄粉を分離して
本発明に供することも可能である。
【0014】球状鉄粉の粒度構成は特に限定しないが、
粒径が大きすぎると伸線時断線する可能性があるので、
210μm以下でかつ210〜177μmのものが20
%以下であるのが好ましい。次に、前記球状鉄粉はフラ
ックス中に35〜85%含む必要がある。鉄粉含有量が
35%未満であると鉄粉系フラックス入りワイヤの特徴
である低スラグ性および高能率性を達成できず、85%
を超えるとスラグ生成剤や脱酸剤等が少なくなり、溶接
時ビード形状が不良となったりスパッタの発生が増加す
るようになる。
【0015】なお、フラックス中の鉄粉以外の成分は、
溶接作業性や溶接部の機械的性質を考慮してアーク安定
剤、スラグ剤、脱酸剤および合金剤等が添加できる。ま
た、製造時の伸線性を改善する目的でベントナイト、マ
イカ、ドロマイト等の潤滑物質も微量添加して、伸線性
を改善することもできる。フラックス充填率はワイヤ全
重量に対して8〜30%である必要がある。
【0016】フラックス充填率が8%未満であると鉄粉
やスラグ生成剤を十分含ませることができず、溶接作業
性(ビード外観、スパッタ)が悪くなるとともに溶接能
率も上らず、30%を超えると外皮金属が薄くなり、伸
線時断線を生じるようになる。なお、ワイヤ外皮として
は帯鋼やシームレス鋼管で通常軟鋼を用いるが、用途に
応じて低合金鋼を用いることができる。
【0017】以下実施例により本発明の効果をさらに具
体的に説明する。
【0018】
【実施例】表2に本発明の鉄粉系フラックス入りワイヤ
および比較のために試作したフラックス入りワイヤに充
填した鉄粉の粒径比B/A0.60以上の含有量と流動
度、さらにフラックス成分とフラックス充填率を示す。
なお、鋼製外皮は図3C断面の場合、幅12mmの軟鋼
(化学成分:C0.05%、Si0.01%、Mn0.
32%)でフラックス充填率に応じて厚さ0.5〜1.
2mmの帯鋼を、図3D断面の場合は、軟鋼(化学成
分:C0.04%、Si0.01%、Mn0.28%)
で充填率に応じて外径8〜14mmのシームレス鋼管を
用いた。
【0019】フラックス充填後の伸線は図3C断面の場
合、約4mm径の素線から、図3D断面の場合、充填管
径から、それぞれ500kgを1.2mm径まで伸線
し、生産性を調査した。また、伸線時断線のなかったも
のにつき板厚16mmのSM490B鋼板上に溶接条件
270A、31V、50cm/min、ワイヤ突出し長
さ25mm、炭酸ガス流量25l/minの条件で溶接
を行い、溶接作業性および溶着量を調べた。
【0020】それらの結果を表2にまとめて示す。その
結果、本発明の鉄粉系フラックス入りワイヤである試験
例1〜6は伸線時断線もなく生産性良好で溶接作業性も
良く、ワイヤ溶着量も多いなど極めて満足し得るもので
あった。比較例中、試験例7は粒径比B/A0.60以
上の含有量が少ないので、伸線時4回も断線した。
【0021】試験例8は鉄粉の流動度が高いので伸線時
3回断線した。試験例9はフラックス中の鉄粉量が多す
ぎ、伸線時断線はしなかったものの、溶接作業性試験で
ビード形状が不良となり、スパッタも多く発生した。試
験例10はフラックス中の鉄粉量が少なく、伸線時断線
はしなかったものの相対的にスラグ生成剤が多くなり、
溶接作業性試験で溶接金属上のスラグが多くなるととも
に溶着量も少なかった。
【0022】試験例11はフラックス充填率が低いた
め、伸線時の断線はなかったものの、溶接作業性試験に
おいてビード形状が不良で、スパッタも多く、かつ溶着
量も少なかった。試験例12はフラックス充填率が高す
ぎるので伸線時2回断線した。
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明の鉄粉系フラックス入りワイヤは
伸線時断線することなく、生産性良好で溶接作業性も良
く、高能率な溶接を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】粒径比B/A0.60以上の含有量と、流動度
の断線回数におよぼす影響を示す図である。
【図2】Aは従来鉄粉を充填して伸線したワイヤの縦断
面、A′は従来鉄粉を充填して伸線したワイヤの横断
面、Bは本発明における球状鉄粉を充填して伸線したワ
イヤの縦断面、B′は本発明における球状鉄粉を充填し
て伸線したワイヤの横断面である。
【図3】A、B、C、Dはフラックス入りワイヤの断面
形状を示す図である。
【符号の説明】
1 鋼製外皮 2 充填フラックス
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−257993(JP,A) 特開 昭63−299889(JP,A) 特開 平2−43305(JP,A) 特開 昭63−90392(JP,A) 特開 昭63−97397(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 35/368 B23K 35/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径の最大径Aに対する最小径Bの比B
    /Aが0.60以上である粒を50%以上含み、かつ流
    動度が25sec/50g以下である球状鉄粉を35〜
    85%含むフラックスを鋼製外皮中に8〜30%(対ワ
    イヤ全重量)充填したものであることを特徴とする鉄粉
    系フラックス入りワイヤ。
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