JP3228922B2 - カーボン含有窒化アルミニウム焼結体 - Google Patents

カーボン含有窒化アルミニウム焼結体

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JP3228922B2
JP3228922B2 JP35555199A JP35555199A JP3228922B2 JP 3228922 B2 JP3228922 B2 JP 3228922B2 JP 35555199 A JP35555199 A JP 35555199A JP 35555199 A JP35555199 A JP 35555199A JP 3228922 B2 JP3228922 B2 JP 3228922B2
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B3/00Ohmic-resistance heating
    • H05B3/20Heating elements having extended surface area substantially in a two-dimensional plane, e.g. plate-heater
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B2203/00Aspects relating to Ohmic resistive heating covered by group H05B3/00
    • H05B2203/002Heaters using a particular layout for the resistive material or resistive elements
    • H05B2203/006Heaters using a particular layout for the resistive material or resistive elements using interdigitated electrodes

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホットプレート、
静電チャック、ウエハプローバまたはサセプタなどの構
成用材料として、主に半導体産業において用いられる窒
化アルミニウム焼結体に関し、特に、電極パターン等の
隠蔽性、高温での体積抵抗率および熱伝導率、ならび
に、サーモビュアによる温度測定精度に優れる、カーボ
ンを含有する窒化アルミニウム焼結体を提案する。
【0002】
【従来の技術】エッチング装置や、化学的気相成長装置
等を含む半導体製造、検査装置においては、従来、ステ
ンレス鋼やアルミニウム合金などの金属製基材を用いた
ヒータや、ウエハプローバ等が用いられてきた。しかし
ながら、金属製のヒータでは温度制御特性が悪く、また
厚みも厚くなるため重く嵩張るという問題があり、腐食
性ガスに対する耐蝕性も悪いという問題を抱えていた。
【0003】これに対し、特開平11−40330号公
報では、金属製のものに代えて、窒化アルミニウムなど
のセラミックを使用したヒータが提案されている。とこ
ろが、このヒータを構成する基材の窒化アルミニウム自
体は、一般に白色または灰白色であることから、ヒータ
やサセプタとしては好ましくない。むしろ、黒色の方が
輻射熱量が大きいため、この種の用途には適しており、
また、電極パターンの隠蔽性が高いため、ウエハプロー
バや静電チャックには特に好適であった。さらに、ヒー
タの表面温度の測定は、サーモビュア(表面温度計)で
行われるが、白色や灰白色の場合、輻射量が一定になら
ず、正確な温度測定が不可能であった。
【0004】このような求めに応じて開発された特開平
9─48668号公報等に記載の従来の発明の中には、
セラミック基材中にX線回折チャート上の44〜45°
の位置にピークが検出されるような結晶質のカーボンを
添加したものが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな結晶質のカーボン(グラファイト)を添加した従来
のセラミック基材は、高温時での体積抵抗率が、例え
ば、500℃の高温領域で108 Ω・cm未満に低下す
るという問題点があった。また、窒化アルミニウム自体
が、高温領域で熱伝導率が低下するという問題もあり、
これも解決する必要があった。
【0006】本発明の目的は、上述した従来技術が抱え
ている問題点を解決することにあり、特に500℃程度
の高温時における体積抵抗率が少なくとも108 Ω・c
m以上で、しかも高温時の熱伝導率を60W/m・k以
上とすることができ、さらには隠蔽性、大輻射熱量およ
びサーモビュアによる測定精度を保証することができる
窒化アルミニウム焼結体を提供することにある。また、
本発明の他の目的は、ホットプレート、静電チャック、
ウエハプローバ、サセプタ等として有用な窒化アルミニ
ウム焼結体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の要請に
応えるために開発された窒化アルミニウム焼結体に関
し、第一の本発明は、窒化アルミニウムからなるマトリ
ックス中に、X線回折チャート上ではピークが検出でき
ないか検出限界以下となるカーボンであって非晶質カ
ーボンと、X線回折チャートでピークが検出できる結晶
性のカーボンとの両方を含有するとともに、前記カーボ
ンの含有量は200〜5000ppmであり、かつ、1
00〜1000℃で使用されることを特徴とするカーボ
ン含有窒化アルミニウム焼結体である。また、第二の本
発明は、窒化アルミニウムからなるマトリックス中に、
X線回折チャート上ではピークが検出できないか、検出
限界以下となるカーボンであって、非晶質カーボンまた
は窒化アルミニウム結晶相に固溶したカーボンと、X線
回折チャートでピークが検出できる結晶性のカーボンと
の両方を含有するとともに、焼結助剤を含有し、前記カ
ーボンの含有量は200〜5000ppmであり、か
つ、100〜1000℃で使用されることを特徴とする
カーボン含有窒化アルミニウム焼結体である。以下、第
一の本発明および第二の本発明のカーボン含有窒化アル
ミニウム焼結体に関し、適宜、本発明のカーボン含有窒
化アルミニウム焼結体として説明していく。
【0008】なお、本発明においては、結晶質カーボン
と非晶質カーボンの両方を含有することが好ましい実施
形態であり、こうした両方のカーボンを合計で200〜
5000ppm含有することが好ましい。また、マトリ
ックス中には、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属
酸化物や希土類酸化物のいずれか少なくとも一種を含有
することが好ましく、JIS Z 8721に規定され
る明度がN4以下であるカーボン含有窒化アルミニウム
焼結体とすることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】さて、発明者らの研究によれば、
X線回折チャート上において、回折角度2θ=10〜9
0°、特に2θ=44〜45°の位置でピークが検出さ
れるようなカーボンを含有する窒化アルミニウム焼結体
は、高温(500℃)における体積抵抗率が、0.5×
107 Ω・cmまで低下するために、加熱時に発熱体パ
ターン間や電極パターン間で短絡が発生してしまうこと
がわかった。
【0010】この理由は、窒化アルミニウム焼結体は、
高温で体積抵抗率が低下することに加え、結晶質カーボ
ンは、金属結晶に類似した結晶構造を持ち、かつ、高温
での電気伝導性が大きいため、この2つの特性が相乗的
に作用し合って上記のような短絡を招くものと考えられ
る。
【0011】このことについて発明者らはさらに研究を
つづけた結果、カーボンを含有する焼結体の高温での電
気伝導性を低下させるには、結晶性を低下させたカーボ
ンまたはカーボンを結晶相に固溶させた状態、つまり、
X線回折チャート上においてピークが検出されないよう
な状態のカーボンにすればよいことを知見した。
【0012】ここで、X線回折チャート上でピークが検
出できないという意味は、2θ=10〜90°、特に4
4〜45°でカーボンのピークが検出できないという意
味である。なお、上記のように規定したのは、カーボン
には種々の結晶系が存在し、特開平9−48668号公
報に開示されているように、単に回折角度2θ=44〜
45°に出現するピークのみならず、回折角度2θ=1
0〜90°にピークが出現するカーボンの結晶も考慮し
なければならないからである(図3、図4参照)。
【0013】なお、X線回折のチャートには、ピークの
みならずハローの出現も好ましくない。非結晶質体は通
常2θ=15〜40°付近にハローと呼ばれるゆるやか
な起伏を持つが、このようなハローが出現するというこ
とは、窒化アルミニウム結晶相に非晶質カーボンが侵入
していることを意味する。そのため窒化アルミニウムの
結晶性を低下させることになり、また、焼結性を阻害し
て、明度が高くなってしまい、さらには高温での強度低
下をも招いてしまう。
【0014】X線回折チャート上でピークが検出できな
いようなカーボンとする具体的な方法としては、(1) カ
ーボンを窒化アルミニウム結晶相に固溶させて、カーボ
ンの結晶に起因するX線回折のピークが出ないようにす
る方法、(2) 非晶質カーボンを用いる方法、などが考え
られる。
【0015】これらの中では、(2) の非晶質カーボンを
用いる方法が好ましい。この理由は、窒化アルミニウム
中にカーボンが固溶すると結晶に欠陥が生じて高温での
強度低下を招くからである。
【0016】なお、特開平9−48668号公報では、
1850℃にて加熱すると結晶質カーボンが窒化アルミ
ニウム中に固溶してX線回折のピークが消失する現象が
記載されているが、特開平9−48668号公報ではあ
くまでX線回折のピークが44〜45°に存在するもの
を発明として認識しているものであり、本発明のよう
に、X線回折のチャート上にピークが検出できるカーボ
ンとピークができないカーボンを両方有させるという思
想は、記載も示唆もされていないのだから、特開平9−
48668号公報の記載を理由に本発明の新規性、進歩
性がなんら阻却されるものでない。
【0017】ただし、窒化アルミニウムに非晶質カーボ
ンを添加すると、高温での熱伝導率が低下するという問
題が発生する。これは、おそらく非晶質カーボンが粒子
界面に介在して熱の伝搬を阻害する障壁となるためと推
定している。そこで、発明者らは、非晶質カーボンを添
加する場合には、さらに金属結晶に類似した結晶構造を
持ち、かつ、高温での熱伝導率が低下しにくい結晶質の
カーボンをも共存させることにした。
【0018】このように、2種のカーボンを含有させる
と、高温時の体積抵抗率を少なくとも108 Ω・cm以
上に、また高温時の熱伝導率を60W/m・k以上にす
ることができ、非晶質カーボン単独添加の問題を克服す
ることができることがわかった。
【0019】本発明において、X線回折チャートにおい
てそのピークが検出されないか検出限界以下であるカー
ボンと、そのピークが検出できるカーボンの混合比率
は、できれば1/200〜200/1の範囲内、好まし
くは1/100〜100/1に調整するのが好ましい。
【0020】なお、カーボンの比率はレーザラマン分析
にて測定する。レーザラマン分析では、結晶質カーボン
のピークと非晶質カーボンのピークが分離して出現する
ため、両者のピーク高さの比率から混合比がわかる。た
だし、両カーボンの添加量の合計量は、200〜500
0ppmにすることが望ましい。200ppm未満で
は、黒色とは言えず、明度がN4を超えるものとなり、
一方、添加量が5000ppmを超えると窒化アルミニ
ウムの焼結性が低下するからである。特に、両カーボン
の添加量は、200〜2000ppmにすることが望ま
しい。
【0021】本発明において、マトリックスを構成する
窒化アルミニウム焼結体中には、焼結助剤を含有するこ
とが望ましい。その焼結助剤としては、アルカリ金属酸
化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類酸化物を使用す
ることができ、特にCaO、Y 23 、Na2 O、Li
2 O、Rb23 が好適である。含有量としては、0.
1〜10重量%が望ましい。
【0022】そして、本発明にかかる窒化アルミニウム
焼結体は、明度がJIS Z 8721の規定に基づく
値でN4以下のものにすることが望ましい。この程度の
明度を有するものが輻射熱量、隠蔽性に優れるからであ
る。また、このような焼結体は、サーモビュアにより、
正確な表面温度測定が可能となる。
【0023】ここで、明度のNは、理想的な黒の明度を
0とし、理想的な白の明度を10とし、これらの黒の明
度と白の明度との間で、その色の明るさの知覚が等歩度
となるように各色を10分割し、N0〜N10の記号で
表示したものである。そして、実際の測定は、N0〜N
10に対応する色票と比較して行う。この場合の小数点
1位は0または5とする。
【0024】本発明の窒化アルミニウム焼結体中には、
導電性の金属または導電性セラミックからなる静電チャ
ック用の静電電極が埋設されていてもよい。図5(a)
は、静電チャックを模式的に示す縦断面図であり、
(b)は、(a)に示した静電チャックのA−A線断面
図である。この静電チャック20では、窒化アルミニウ
ム基板3の内部にチャック正負電極層22、23が埋設
され、その電極上にセラミック誘電体膜40が形成され
ている。また、窒化アルミニウム基板3の内部には、抵
抗発熱体11が設けられ、シリコンウエハ9を加熱する
ことができるようになっている。なお、窒化アルミニウ
ム基板3には、必要に応じて、RF電極が埋設されてい
てもよい。
【0025】また、(b)に示したように、静電チャッ
ク20は、通常、平面視円形状に形成されており、窒化
アルミニウム基板21の内部に図5に示した半円弧状部
22aと櫛歯部22bとからなるチャック正極静電層2
2と、同じく半円弧状部23aと櫛歯部23bとからな
るチャック負極静電層23とが、互いに櫛歯部22b、
23bを交差するように対向して配置されている。
【0026】この静電チャックを使用する場合には、チ
ャック正極静電層22とチャック負極静電層23とにそ
れぞれ直流電源の+側と−側を接続し、直流電圧を印加
する。これにより、この静電チャック上に載置された半
導体ウエハが静電的に吸着されることになる。
【0027】図6および図7は、他の静電チャックにお
ける静電電極を模式的に示した水平断面図であり、図6
に示す静電チャック70では、窒化アルミニウム基板7
1の内部に半円形状のチャック正極静電層72とチャッ
ク負極静電層73が形成されており、図7に示す静電チ
ャック80では、窒化アルミニウム基板81の内部に円
を4分割した形状のチャック正極静電層82a、82b
とチャック負極静電層83a、83bが形成されてい
る。また、2枚の正極静電層82a、82bおよび2枚
のチャック負極静電層83a、83bは、それぞれ交差
するように形成されている。なお、円形等の電極が分割
された形態の電極を形成する場合、その分割数は特に限
定されず、5分割以上であってもよく、その形状も扇形
に限定されない。
【0028】次に、本発明にかかる上記窒化アルミニウ
ム焼結体の製造方法の一例を説明する。 (1) 初めに、非晶質カーボンを製造する。例えば、C、
H、Oだけからなる炭化水素、好ましくは糖類(ショ糖
やセルロース)を、空気中、300〜500℃で焼成す
ることにより、純粋な非晶質カーボンを製造する。一
方、結晶質のカーボンについては、一般的なグラファイ
トやカーボンブラック等を使用することができる。
【0029】(2) 次に、上記カーボンとマトリックス成
分となる窒化アルミニウム粉末とを混合する。混合する
粉末の好ましい大きさは、平均粒径で、0.1〜5μm
程度の小さいものがよい。これは、微細なほど焼結性が
向上するからである。なお、カーボンの添加量は焼成時
に消失する分を考慮して添加する。また、上記の混合物
にはさらに前述の酸化イットリウム(イットリア:Y2
3)の如き焼結助剤を添加してもよい。
【0030】上記の(1) 、(2) の処理に代え、窒化アル
ミニウム粉末、バインダー、糖類および溶媒を混合して
グリーンシートを作製した後積層し、このグリーンシー
トの積層体を300〜500℃で仮焼成することによ
り、糖類を非晶質カーボンとしてもよい。また、この場
合に、糖類と非晶質カーボンの両方を添加してもよい。
なお、溶媒としては、α−テルピネオールや、グリコー
ルなどを用いることができる。
【0031】(3) 次に、得られた粉末混合物を成形型に
入れて成形体としたもの、または、上記グリーンシート
の積層体(いずれも仮焼成したもの)を、アルゴン窒素
などの不活性雰囲気下に、1700〜1900℃、80
〜200kg/cm2 の条件で加熱、加圧して焼結す
る。
【0032】本発明の窒化アルミニウム焼結体は、粉末
混合物を成形型に入れる際に、発熱体となる金属板
(箔)や金属線等を粉末混合物中に埋没したり、積層す
るグリーンシートのうちの1枚のグリーンシート上に発
熱体となる導体ペースト層を形成することにより、窒化
アルミニウム焼結体を基板とするセラミックヒータを製
造することができる。また、焼結体を製造した後、その
表面(底面)に導体ペースト層を形成し、焼成すること
によって、底面に発熱体を形成することもできる。
【0033】さらに、このセラミックヒーターの製造時
には、発熱体の他、静電チャック等の電極の形状となる
ように、上記成形体の内部に金属板(箔)等を埋設した
り、グリーンシート上に導体ペースト層を形成すること
により、ホットプレート、静電チャック、ウエハプロー
バ、サセプタなどを製造することができる。
【0034】各種の電極や発熱体を作製するための導体
ペーストとしては特に限定されないが、導電性を確保す
るための金属粒子または導電性セラミックが含有されて
いるほか、樹脂、溶剤、増粘剤などを含むものが好まし
い。
【0035】上記金属粒子としては、例えば、貴金属
(金、銀、白金、パラジウム)、鉛、タングステン、モ
リブデン、ニッケルなどが好ましい。これらは、単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの金
属は、比較的酸化しにくく、発熱するに充分な抵抗値を
有するからである。上記導電性セラミックとしては、例
えば、タングステン、モリブデンの炭化物などが挙げら
れる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。
【0036】これら金属粒子または導電性セラミック粒
子の粒径は、0.1〜100μmが好ましい。0.1μ
m未満と微細すぎると、酸化されやすく、一方、100
μmを超えると、焼結しにくくなり、抵抗値が大きくな
るからである。
【0037】上記金属粒子の形状は、球状であっても、
リン片状であってもよい。これらの金属粒子を用いる場
合、上記球状物と上記リン片状物との混合物であってよ
い。上記金属粒子がリン片状物、または、球状物とリン
片状物との混合物の場合は、金属粒子間の金属酸化物を
保持しやすくなり、発熱体と窒化物セラミック等との密
着性を確実にし、かつ、抵抗値を大きくすることができ
るため有利である。
【0038】導体ペーストに使用される樹脂としては、
例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられ
る。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコ
ールなどが挙げられる。増粘剤としては、セルロースな
どが挙げられる。
【0039】発熱体用の導体ペーストを焼結体の表面に
形成する際には、導体ペースト中に金属粒子のほかに金
属酸化物を添加し、金属粒子および金属酸化物を焼結さ
せたものとすることが望ましい。このように、金属酸化
物を金属粒子とともに焼結させることにより、窒化アル
ミニウム焼結体と金属粒子とを密着させることができ
る。
【0040】金属酸化物を混合することにより、窒化ア
ルミニウム焼結体と密着性が改善される理由は明確では
ないが、金属粒子表面や窒化アルミニウム焼結体の表面
は、わずかに酸化されて酸化膜が形成されており、この
酸化膜同士が金属酸化物を介して焼結して一体化し、金
属粒子と窒化物セラミックとが密着するのではないかと
考えられる。
【0041】上記金属酸化物としては、例えば、酸化
鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B 23 )、アル
ミナ、イットリアおよびチタニアからなる群から選ばれ
る少なくとも1種が好ましい。
【0042】これらの酸化物は、発熱体の抵抗値を大き
くすることなく、金属粒子と窒化物セラミックとの密着
性を改善することができるからである。
【0043】上記酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ
素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの割
合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合、重
量比で、酸化鉛が1〜10、シリカが1〜30、酸化ホ
ウ素が5〜50、酸化亜鉛が20〜70、アルミナが1
〜10、イットリアが1〜50、チタニアが1〜50で
あって、その合計が100重量部を超えない範囲で調整
されていることが望ましい。これらの範囲で、これらの
酸化物の量を調整することにより、特に窒化アルミニウ
ム焼結体との密着性を改善することができる。
【0044】上記金属酸化物の金属粒子に対する添加量
は、0.1重量%以上10重量%未満が好ましい。ま
た、このような構成の導体ペーストを使用して発熱体を
形成した際の面積抵抗率は、1〜45mΩ/□が好まし
い。
【0045】面積抵抗率が45mΩ/□を超えると、印
加電圧量に対して発熱量は大きくなりすぎて、表面に発
熱体を設けた窒化アルミニウム基板では、その発熱量を
制御しにくいからである。なお、金属酸化物の添加量が
10重量%以上であると、面積抵抗率が50mΩ/□を
超えてしまい、発熱量が大きくなりすぎて温度制御が難
しくなり、温度分布の均一性が低下する。
【0046】発熱体が窒化アルミニウム基板の表面に形
成される場合には、発熱体の表面部分に、金属被覆層が
形成されていることが望ましい。内部の金属焼結体が酸
化されて抵抗値が変化するのを防止するためである。形
成する金属被覆層の厚さは、0.1〜10μmが好まし
い。
【0047】金属被覆層を形成する際に使用される金属
は、非酸化性の金属であれば特に限定されないが、具体
的には、例えば、金、銀、パラジウム、白金、ニッケル
などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。これらのなかでは、ニッケル
が好ましい。なお、発熱体を窒化アルミニウム基板の内
部に形成する場合には、発熱体表面が酸化されることが
ないため、被覆は不要である。
【0048】
【実施例】(実施例1) AlN+Y23 +非晶質カ
ーボン+グラファイト (1)ショ糖を酸化性気流中(空気中)で500℃に加
熱して熱分解させ、非晶質カーボンを得た。 (2)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
1.1μm)100重量部、酸化イットリウム(Y2
3 :イットリア、平均粒径0.4μm)4重量部、上記
(1)の非晶質カーボン0.04重量部、結晶質グラフ
ァイト粉末(東洋炭素社製、GR−1200)0.05
重量部を混合し、成形型に入れて窒素雰囲気中、189
0℃、圧力150kg/cm2 の条件で3時間ホットプ
レスして窒化アルミニウム焼結体を得た。焼結体中のカ
ーボン量の測定は、焼結体を粉砕し、これを800℃で
加熱して発生するCO量を捕集することにより行った。
この方法による測定の結果、窒化アルミニウム焼結体中
に含まれるカーボンの合計量は800ppmであった。
また、明度はN=3.5であった。
【0049】(実施例2) AlN+非晶質カーボン+
グラファイト (1)ショ糖を空気中で500℃に加熱して熱分解さ
せ、非晶質カーボンを得た。 (2)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
1.1μm)100重量部、上記(1)の非晶質カーボ
ン0.06重量部、結晶質グラファイト粉末(東洋炭素
社製、GR−1200)0.03重量部を混合し、成形
型に入れて窒素雰囲気中、1890℃、圧力150kg
/cm2 の条件で3時間ホットプレスして窒化アルミニ
ウム焼結体を得た。得られた窒化アルミニウム焼結体中
のカーボンの合計量は810ppmで、明度はN=3.
5であった。
【0050】(実施例3) カーボンの固溶 実施例1の焼結体を常圧窒素雰囲気中、1850℃で1
時間加熱してカーボンの一部を窒化アルミニウム相に固
溶させた。なお、ホットプレス中は、カーボンの固溶は
ないと考えられる。また、図11には、実施例1と実施
例3の焼結体の強度測定結果を記載している。図11に
示したように、カーボンの一部が結晶相に固溶した窒化
アルミニウム焼結体(実施例3)は、強度の低下が見ら
れる。そのため、固溶させるよりも非晶質カーボンを利
用した方がより有利であると考えられる。
【0051】なお、強度の測定は、インストロン万能試
験機(4507型 ロードセル500kgf)、温度が
25〜1000℃の大気中、クロスヘッド速度0.5m
m/分、スパン距離L=30mm、試験片 厚さt=
3.06mm、幅w=4.03mmで実施し、以下の数
式(1)を用いて3点曲げ強度σ(kgf/mm2 )を
算出した。
【0052】
【数1】
【0053】上記計算式(1)中、Pは、試験片が破壊
したときの最大荷重(kgf)であり、Lは、下支点間
の距離(30mm)であり、tは、試験片の厚さ(m
m)であり、wは、試験片の幅(mm)である。
【0054】(比較例1) AlN+Y23 窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1
μm)100重量部、酸化イットリウム(Y23 :平
均粒径0.4μm)4重量部を混合し、これを成形型に
入れて窒素雰囲気中、1890℃、圧力150kg/c
2 の条件で3時間ホットプレスして窒化アルミニウム
焼結体を得た。得られた窒化アルミニウム焼結体中のカ
ーボン量は、100ppm以下であり、明度はN=7.
0であった。
【0055】(比較例2) AlN+結晶質カーボン この比較例は、特開平9−48668号公報の記載に従
い、バインダーとしてフェノール樹脂粉末を使用した。
なお、この従来技術において、上記フェノール樹脂、ア
クリル系バインダーを分解して得られるカーボンは結晶
性のものである。
【0056】まず、窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社
製、平均粒径1.1μm)100重量部、フェノール樹
脂粉末5重量部を混合し、成形型に入れて窒素雰囲気
中、1890℃、圧力150kg/cm2 の条件で3時
間ホットプレスして窒化アルミニウム焼結体を得た。得
られた窒化アルミニウム焼結体中のカーボン量は800
ppmであった。
【0057】(比較例3) AlN+非晶質カーボン (1)ショ糖を空気中で500℃で加熱して熱分解さ
せ、非晶質カーボンを得た。 (2)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
1.1μm)100重量部、酸化イットリウム(Y2
3 :平均粒径0.4μm)4重量部、上記(1)の非晶
質カーボン0.09重量部を混合し、成形型に入れて窒
素雰囲気中において1890℃、圧力150kg/cm
2 の条件で3時間ホットプレスして窒化アルミニウム焼
結体を得た。得られた窒化アルミニウム焼結体中のカー
ボン量は805ppmで、明度はN=4.0であった。
【0058】図1は、実施例1〜3および比較例1〜3
について、室温〜500℃までの体積抵抗率の推移につ
いて示したものである。この図1に示すように、比較例
2として示す結晶質カーボンのみが入っている焼結体の
例では、体積抵抗率が約1/10に低下した。
【0059】図2は、焼結体の熱伝導率の温度依存性を
示すものであるが、比較例3として示した非晶質カーボ
ンのみが入っている例は、熱伝導率が40W/m・kに
低下した。また、図3は、実施例1の焼結体のX線回折
チャートであり、図10は、比較例3の焼結体のX線回
折チャートである。実施例1(図3)では、結晶質のカ
ーボンを使用しているため、結晶質カーボンに由来する
ピークを観察することができるのに対し、比較例3(図
10)では、非晶質のカーボンを使用しているため、窒
化アルミニウム結晶以外の物質に由来するピークを観察
することができない。
【0060】また、実施例1〜3および比較例1〜3の
焼結体について、ホットプレート上で500℃まで加熱
し、表面温度をサーモビュア(日本データム株式会社製
IR162012−0012)、JIS−C−160
2(1980)K型熱電対で測定し、両者の温度差を調
べた。なお、熱電対で測定した温度とのずれ量が大きい
ほど、サーモビュアの温度誤差が大きいと言える。その
結果、実施例1では温度差0.8℃、実施例2では温度
差0.9℃、実施例3では温度差1℃、比較例1では温
度差23℃、比較例2では温度差0.8℃、比較例3で
は温度差0.9℃であった。
【0061】上記測定において、体積抵抗率と熱伝導率
とは次のように測定した。 (1) 体積抵抗率:焼結体を切削加工することにより、直
径10mm、厚さ3mmの形状に切出し、三端子(主電
極、対電極、ガード電極)を形成し、直流電圧を加え、
1分間充電した後のデジタルエレクトロメーターに流れ
る電流(I)を読んで、試料の抵抗(R)を求め、抵抗
(R)と試料の寸法から体積抵抗率(ρ)を下記の計算
式(2)で計算した。
【0062】
【数2】
【0063】上記計算式(2)において、tは試料の厚
さである。また、Sは、下記の計算式(3)および
(4)により与えられる。
【0064】
【数3】
【0065】
【数4】
【0066】なお、上記計算式(3)および(4)にお
いて、r1 は主電極の半径、r2 はガード電極の内径
(半径)、r3 はガード電極の外径(半径)、D1 は主
電極の直径、D2 はガード電極の内径(直径)、D3
ガード電極の外径(直径)であり、本実施例において
は、2r1 =D1 =1.45cm、2r2 =D2 =1.
60cm、2r3 =D3 =2.00cmである。
【0067】(2) 熱伝導率: a.使用機器 リガクレーザーフラッシュ法熱定数測定装置 LF/TCM−FA8510B b.試験条件 温度・・・常温、200℃、400℃、500℃、70
0℃ 雰囲気・・・真空 c.測定方法 ・比熱測定における温度検出は、試料裏面に銀ペースト
で接着した熱電対(プラチネル)により行った。 ・常温比熱測定はさらに試料上面に受光板(グラッシー
カーボン)をシリコングリースを介して接着した状態で
行い、試料の比熱(Cp)は、下記の計算式(5)によ
り求めた。
【0068】
【数5】
【0069】上記計算式(5)において、Δは、入力
エネルギー、ΔTは、試料の温度上昇の飽和値、Cp
G.c は、グラッシーカーボンの比熱、WG.c は、グラッ
シーカーボンの重量、CpS.G は、シリコングリースの
比熱、WS.G は、シリコングリースの重量、Wは、試料
の重量である。
【0070】(実施例4) 応用例、ウエハプローバ
(図8、図9) (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径0.
4μm)4重量部、ショ糖0.2重量部、グラファイト
0.05重量部および1−ブタノールおよびエタノール
からなるアルコール53重量部を混合した組成物を、ド
クターブレード法を用いて成形することにより厚さ0.
47mmのグリーンシート30を得た。 (2)このグリーンシート30を80℃で5時間乾燥し
た後、パンチングを行い、発熱体と外部端子ピンと接続
するためのスルーホール用貫通孔を設けた。
【0071】(3)平均粒子径1μmのタングステンカ
ーバイド粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0
重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部、分散剤
0.3重量部を混合して導電性ペーストAを調製した。
また、平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量
部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオ
ール溶媒3.7重量部、分散剤0.2重量部を混合して
導電性ペーストBを調製した。
【0072】(4)グリーンシート30の表面に、上記
導電性ペーストAをスクリーン印刷法により印刷し、格
子状のガード電極用印刷層50およびグランド電極用印
刷層60を形成した。また、外部端子接続用ピンと接続
するための上記スルーホール用貫通孔に導電性ペースト
Bを充填してスルーホール用充填層160、170を形
成した。そして、導電性ペーストが印刷されたグリーン
シート30および印刷がされていないグリーンシート3
0′を50枚積層し、130℃、80kg/cm2 の圧
力で一体化した(図8(a))。 (5)一体化させた積層体を600℃で5時間脱脂し、
その後、1890℃、圧力150kg/cm2 の条件で
3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒化アルミニウム
板状体を得た。この板状体を直径230mmの円状に切
り出して窒化アルミニウム基板3とした(図8
(b))。なお、スルーホール16、17の大きさは直
径0.2mm、深さ0.2mmであった。また、ガード
電極5、グランド電極6の厚さは10μm、ガード電極
5の焼結体厚み方向での形成位置は発熱体から1mmの
ところ、一方、グランド電極6の焼結体厚み方向での形
成位置は、チャック面1aから1.2mmであった。
【0073】(6)上記(4)で得た窒化アルミニウム
基板3を、ダイアモンド砥石で研磨した後、マスクを載
置し、ガラスビーズのブラスト処理によって、表面に熱
電対取付け用凹部(図示せず)およびウエハ吸着用の溝
7(幅0.5mm、深さ0.5mm)を形成した(図8
(c))。 (7)さらに、溝7を形成したチャック面1aに対向す
る裏面に導電性ペーストを印刷して発熱体用のペースト
層を形成した。この導電性ペーストは、プリント配線板
のスルーホール形成に用いられている徳力化学研究所製
のソルベストPS603Dを使用した。すなわち、この
導電性ペーストは、銀/鉛ペーストであり、酸化鉛、酸
化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素、アルミナからなる金属酸
化物(それぞれの重量比率は、5/55/10/25/
5)を銀の量に対して7.5重量%含むものである。な
お、この導電性ペースト中の銀としては、平均粒径4.
5μmのリン片状のものを用いた。
【0074】(8)裏面に導電性ペーストを印刷して発
熱体41を形成した窒化アルミニウム基板(ヒータ板)
3を780℃で加熱焼成して、導電ペースト中の銀、鉛
を焼結させるとともに窒化アルミニウム基板3に焼き付
け、発熱体41を形成した(図8(d))。次いで、こ
の窒化アルミニウム基板3を、硫酸ニッケル30g/
l、ほう酸30g/l、塩化アンモニウム30g/l、
ロッシェル塩60g/lを含む水溶液からなる無電解ニ
ッケルめっき浴中に浸漬して、上記導電性ペーストから
なる発熱体41の表面に、さらに厚さ1μm、ホウ素の
含有量が1重量%以下であるニッケル層410を析出さ
せて発熱体41を肥厚化させ、その後120℃で3時間
の熱処理を行った。こうして得られたニッケル層410
を含む発熱体41は、厚さが5μm、幅2.4mmであ
り、面積抵抗率が7.7mΩ/□であった。 (9)溝7が形成されたチャック面1aに、スパッタリ
ング法にてTi、Mo、Niの各層を順次積層した。こ
のスパッタリングは、装置として日本真空技術株式会社
製のSV−4540を用い、気圧:0.6Pa、温度:
100℃、電力:200W、処理時間:30秒〜1分の
条件で行い、スパッタリングの時間は、スパッタリング
する各金属によって調整した。得られた膜は、蛍光X線
分析計の画像からTiは0.3μm、Moは2μm、N
iは1μmであった。
【0075】(10)上記(9)で得られた窒化アルミ
ニウム基板3を、硫酸ニッケル30g/l、ほう酸30
g/l、塩化アンモニウム30g/l、ロッシェル塩6
0g/lを含む水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴
に浸漬して、チャック面1aに形成されている溝7の表
面に、ホウ素の含有量が1重量%以下のニッケル層(厚
さ7μm)を析出させ、120℃で3時間熱処理した。
さらに、上記窒化アルミニウム基板3表面(チャック面
側)にシアン化金カリウム2g/l、塩化アンモニウム
75g/l、クエン酸ナトリウム50g/l、次亜リン
酸ナトリウム10g/lからなる無電解金めっき液に9
3℃の条件で1分間浸漬して、窒化アルミニウム基板3
のチャック面側のニッケルめっき層上に、さらに厚さ1
μmの金めっき層を積層してチャックトップ導体層2を
形成した(図9(e))。 (11)次いで、溝7から裏面に抜ける空気吸引孔8を
ドリル加工して穿孔し、さらにスルーホール16、17
を露出させるための袋孔180を設けた(図9
(f))。この袋孔180にNi−Au合金(Au8
1.5wt%、Ni18.4wt%、不純物0.1wt
%)からなる金ろうを用い、970℃で加熱リフローさ
せてコバール製の外部端子ピン19、190を接続させ
た(図9(g))。また、上記発熱体41に半田合金
(錫9/鉛1)を介してコバール製の外部端子ピン19
1を形成した。 (12)温度制御のために、複数の熱電対を上記凹部に
埋め込み(図示せず)、ウエハプーバつきヒータとし
た。
【0076】(13)この後、通常は、上記ウエハプロ
ーバ付きヒータをステンレス鋼製の支持台上にセラミッ
クファイバー(イビデン製、商品名、イビウール)から
なる断熱材を介して固定し、その支持台上には冷却ガス
の噴射ノズルを設けて該ウエハプローバの温度調製を行
うようにする。なお、このウエハプローバ付きヒータ
は、空気吸引孔8からの空気を吸引して、該ヒータ上に
載置されるウエハを吸着支持する。なお、このようにし
て製造したウエハプローバつきヒータは、明度がN=
3.5を示し、輻射熱量が多く、しかも、内部のガード
電極2やグランド電極3の隠蔽性にも優れる。
【0077】(実施例5)応用例、発熱体および静電チ
ャック用静電電極を内部に有するセラミックヒータ(図
5) (1) 窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:
0.4μm)4重量部、実施例1で得られた非晶質カー
ボン0.04重量部、結晶質グラファイト粉末0.05
重量部、分散剤0.5重量部、ショ糖0.2重量部、グ
ラファイト0.05重量部および1−ブタノールとエタ
ノールとからなるアルコール53重量部を混合したペー
ストを用い、ドクターブレード法による成形を行って、
厚さ0.47mmのグリーンシートを得た。
【0078】(2) 次に、このグリーンシートを80℃で
5時間乾燥させた後、パンチングにより直径1.8m
m、3.0mm、5.0mmの半導体ウエハ支持ピンを
挿入する貫通孔となる部分、外部端子と接続するための
スルーホールとなる部分を設けた。
【0079】(3) 平均粒子径1μmのタングステンカー
バイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0重
量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分散
剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製した。
平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量部、ア
クリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオール溶
媒3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合して導
体ペーストBを調製した。この導電性ペーストAをグリ
ーンシートにスクリーン印刷で印刷し、導体ペースト層
を形成した。印刷パターンは、同心円パターンとした。
また、他のグリーンシートに図5に示した形状の静電電
極パターンからなる導体ペースト層を形成した。
【0080】さらに、外部端子を接続するためのスルー
ホール用の貫通孔に導体ペーストBを充填した。上記処
理の終わったグリーンシートに、さらに、タングステン
ペーストを印刷しないグリーンシートを上側(加熱面)
に37枚、下側に13枚、130℃、80kg/cm2
の圧力で積層した。
【0081】(4) 次に、得られた積層体を窒素ガス中、
600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150kg
/cm2 で3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒化ア
ルミニウム板状体を得た。これを230mmの円板状に
切り出し、内部に厚さ6μm、幅10mmの発熱体およ
び静電電極を有する窒化アルミニウム製の板状体とし
た。この焼結体中の炭素量は、実施例1と同様の測定法
で測定した結果、810ppmであった。
【0082】(5) 次に、(4) で得られた板状体を、ダイ
ヤモンド砥石で研磨した後、マスクを載置し、SiC等
によるブラスト処理で表面に熱電対のための有底孔(直
径:1.2mm、深さ:2.0mm)を設けた。
【0083】(6) さらに、スルーホール用の貫通孔の一
部をえぐり取って凹部とし、この凹部にNi−Auから
なる金ろうを用い、700℃で加熱リフローしてコバー
ル製の外部端子を接続させた。なお、外部端子の接続
は、タングステンの支持体が3点で支持する構造が望ま
しい。接続信頼性を確保することができるからである。
【0084】(8) 次に、温度制御のための複数の熱電対
を有底孔に埋め込み、静電チャック付きセラミックヒー
タの製造を完了した。このようにして製造した静電チャ
ック付きヒータは、明度がN=3.5を示し輻射熱量が
多く、しかも、内部の抵抗発熱体や静電電極の隠蔽性に
も優れる。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、第一の本発明およ
び第二の本発明にかかる窒化アルミニウム焼結体は、相
互補完的な2種のカーボンを含有することから、電極パ
ターンの隠蔽性およびサーモビュアによる温度測定精度
に優れる他、高温での体積抵抗率および熱伝導率にも優
れ、かつ明度の低い窒化アルミニウム焼結体となる。従
って、本発明の窒化アルミニウム焼結体は、例えば、ホ
ットプレート、静電チャック、ウエハプローバ、サセプ
タなどの基板として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例におけるセラミック基板成
分と体積抵抗率との関係を示すグラフである。
【図2】実施例および比較例における焼結体の熱伝導率
の影響を示すグラフである。
【図3】本発明の焼結体のX線回折チャートである。
【図4】従来の焼結体のX線回折チャートである。
【図5】(a)は、静電チャックを模式的に示す縦断面
図であり、(b)は、(a)に示した静電チャックのA
−A線断面図である。
【図6】静電チャックに埋設されている静電電極の別の
一例を模式的に示す水平断面図である。
【図7】静電チャックに埋設されている静電電極の更に
別の一例を模式的に示す水平断面図である。
【図8】窒化アルミニウム焼結体からなるウエハプロー
バの製造工程の説明図である。
【図9】窒化アルミニウム焼結体からなるウエハプロー
バの製造工程の説明図である。
【図10】比較例の焼結体のX線回折チャートである。
【図11】実施例および比較例における曲げ強度の温度
依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
2 チャックトップ導体層 3 窒化アルミニウム基板 5 ガード電極 6 グランド電極 7 溝 8 空気吸引孔 16、17 スルーホール 19、190、191 外部端子ピン 20、70、80 静電チャック 21、71、81 窒化アルミニウム基板 22、72、82a、82b チャック正極静電層 23、73、83a、83b チャック負極静電層 41 発熱体 180 袋孔
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−229871(JP,A) 特開 平3−5375(JP,A) 特開 昭62−223070(JP,A) 特開 平9−48668(JP,A) 特開 平9−48669(JP,A) 特開 平9−110405(JP,A) 特開 昭60−186479(JP,A) 特開 平1−179765(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/581

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化アルミニウムからなるマトリックス
    中に、X線回折チャート上ではピークが検出できないか
    検出限界以下となるカーボンであって非晶質カーボン
    と、X線回折チャートでピークが検出できる結晶性の
    ーボンとの両方を含有するとともに、 前記カーボンの含有量は200〜5000ppmであ
    り、 かつ、100〜1000℃で使用される ことを特徴とす
    るカーボン含有窒化アルミニウム焼結体。
  2. 【請求項2】 窒化アルミニウムからなるマトリックス
    中に、X線回折チャート上ではピークが検出できないか
    検出限界以下となるカーボンであって非晶質カーボン
    または窒化アルミニウム結晶相に固溶したカーボンと、
    X線回折チャートでピークが検出できる結晶性のカーボ
    ンとの両方を含有するとともに、焼結助剤を含有し、 前記カーボンの含有量は200〜5000ppmであ
    り、 かつ、100〜1000℃で使用される ことを特徴とす
    るカーボン含有窒化アルミニウム焼結体。
  3. 【請求項3】 前記マトリックス中に、アルカリ金属酸
    化物、アルカリ土類金属酸化物および希土類酸化物のい
    ずれか少なくとも1種からなる焼結助剤を含むことを特
    徴とする請求項1または2に記載のカーボン含有窒化ア
    ルミニウム焼結体。
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