JP3228831B2 - カルシウムイオンの溶出が抑制されたリン酸水素カルシウムの製造方法 - Google Patents

カルシウムイオンの溶出が抑制されたリン酸水素カルシウムの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明によって得られるリン酸水
素カルシウムは、水と混合した際に従来の方法で製造さ
れたリン酸水素カルシウムよりカルシウムイオンの溶出
量が低く抑制されることを特徴としたもので歯磨きの研
磨剤として使用される。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
技術で製造されるリン酸水素カルシウムは通常、室温で
10グラムを90グラムの純水と混合した際 1.7ないし 2.0
ミリグラムのカルシウムイオンが溶解する。この際に溶
解したカルシウムイオンが歯磨き剤として使用する際に
共存する種々の成分の効果を阻害する場合があるため、
カルシウムイオンの溶出量を低くすることが望まれる。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記事情
に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、リン酸水素カルシウム
はそれ自体水への溶解度が極めて低いが、さらにこの溶
解度を低くするためにリン酸水素カルシウムの表面を被
覆することによって水との接触を絶つかあるいは溶解し
たカルシウムイオンを直ちに補足して再溶解しないある
いは溶解度がリン酸水素カルシウムより低い成分として
析出させることによって飛躍的にカルシウムイオンの溶
解量を低下させる方法を見いだした。
【0004】即ち、本発明の要旨とする所は表面をカル
シウム塩になった場合リン酸水素カルシウムよりも溶解
度が低い陰イオンを持つ無機塩で被覆するかあるいは同
様の塩を乾式混合することによって水と混合した際にカ
ルシウムイオンの溶出量を極めて低い量に抑制されたリ
ン酸水素カルシウム組成物およびその製造方法に関す
る。
【0005】
【作用】本発明の概要は、リン酸水素カルシウムあるい
はその懸濁水中に30重量%以下の蓚酸、蓚酸ナトリウ
ム、蓚酸ナトリウムカリウム、蓚酸カリウム、蓚酸マグ
ネシウム、蓚酸カルシウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリ
ウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカルシウム
あるいは珪酸カルシウムを単独にあるいは複合して添加
・混合することによって得られるリン酸水素カルシウム
組成物である。即ち、リン酸水素カルシウムとカルシウ
ムイオンと溶解度積の非常に小さい対陰イオンを含む塩
類を湿式あるいは乾式で添加・混合することによって得
られるリン酸水素カルシウム組成物で水との混合時にカ
ルシウム溶出量を通常より低くしたことを特徴とする。
【0006】以下に本発明を具体的に説明する。製造の
具体的な方法としては、リン酸水素カルシウムを水に懸
濁させ10℃以上100 ℃以下でリン酸水素カルシウムに対
し30重量%以下の蓚酸、蓚酸ナトリウム、蓚酸ナトリウ
ムカリウム、蓚酸カリウム、蓚酸マグネシウム、蓚酸カ
ルシウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸マグネ
シウム、珪酸マグネシウムカルシウムあるいは珪酸カル
シウムを単独にあるいは複合して混合し、 0.5時間ない
し50時間攪拌後、濾過及び乾燥するか、あるいはリン酸
水素カルシウムと30重量%以下の蓚酸、蓚酸ナトリウ
ム、蓚酸ナトリウムカリウム、蓚酸カリウム、蓚酸マグ
ネシウム、蓚酸カルシウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリ
ウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカルシウム
あるいは珪酸カルシウムを単独あるいは複合して混合す
ることによってカルシウムイオンの水への溶解度が極め
て低いリン酸水素カルシウム組成物を得ることができ
る。
【0007】
【発明の効果】本発明で得られるリン酸水素カルシウム
組成物の水へのカルシウムイオンの溶出量の測定はリン
酸水素カルシウム組成物10gを純水90gに懸濁させ18時
間振とうした後上澄み液を採取し誘導結合高周波発光プ
ラズマ分光分析装置により行い未処理のリン酸水素カル
シウムに比較して8%ないし50%となる。
【0008】
【実施例】
(実施例1)リン酸水素カルシウム 500gに水を加えて
25重量%の懸濁液を調整した後、pHが 5.0になるまで
リン酸を添加する。その後、蓚酸マグネシウムをリン酸
水素カルシウムに対して5重量%加え40℃で激しく攪拌
しながら2時間反応させる。次にpHを 7.0になるまで
水酸化カルシウムを加え、そのpHを2時間保持した後
に濾過し、40℃で乾燥することによって約 500gの生成
物を得た。得られた生成物のカルシウムイオン溶出量は
10gの生成物を90gの純水に懸濁させた際10gあたり1.
02mgであった。
【0009】(実施例2)リン酸水素カルシウム 500g
に水を加えて25重量%の懸濁液を調整した後、pHが
4.0になるまでリン酸を添加する。その後、蓚酸ナトリ
ウムをリン酸水素カルシウムに対して4重量%加え40℃
で激しく攪拌しながら2時間反応させる。次にpHを
7.0になるまで水酸化カルシウムを加え、そのpHを1
時間保持した後に濾過し、40℃で乾燥することによって
約 500gの生成物を得た。得られた生成物のカルシウム
イオン溶出量は10gの生成物を90gの純水に懸濁させた
際10gあたり1.30mgであった。
【0010】(実施例3)リン酸水素カルシウム 500g
に水を加えて25重量%の懸濁液を調整した後、pHが
5.0になるまでリン酸を添加する。その後、メタ珪酸ナ
トリウムをリン酸水素カルシウムに対して5重量%加え
40℃で激しく攪拌しながら3時間反応させる。次にpH
を 7.0になるまで水酸化カルシウムを加え、そのpHを
2時間保持した後に濾過し、40℃で乾燥することによっ
て約 500gの生成物を得た。得られた生成物のカルシウ
ムイオン溶出量は10gの生成物を90gの純水に懸濁させ
た際10gあたり0.92mgであった。
【0011】(実施例4)リン酸水素カルシウム 500g
に水を加えて20重量%の懸濁液を調整した後、50℃に昇
温しオルト珪酸ナトリウムをリン酸水素カルシウムに対
して20重量%加え激しく攪拌しながら6時間反応させた
後に濾過し、40℃で乾燥することによって約 500gの生
成物を得た。得られた生成物のカルシウムイオン溶出量
は10gの生成物を90gの純水に懸濁させた際10gあたり
0.21mgであった。
【0012】(実施例5)リン酸水素カルシウム 500g
に水を加えて20重量%の懸濁液を調整した後、50℃に昇
温しオルト珪酸ナトリウムをリン酸水素カルシウムに対
して20重量%加え激しく攪拌しながら12時間反応させた
後に濾過し、40℃で乾燥することによって約 500gの生
成物を得た。得られた生成物のカルシウムイオン溶出量
は10gの生成物を90gの純水に懸濁させた際10gあたり
0.16mgであった。
【0013】(比較例)未処理のリン酸水素カルシウム
のカルシウムイオン溶出量は10gのリン酸カルシウムを
90gの純水に懸濁させた際10gあたり 1.7ないし 2.0mg
であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−50939(JP,A) 特公 昭55−33473(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 25/32 A61K 7/16 CA(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン酸水素カルシウムあるいはその懸濁
    水中に30重量%以下の蓚酸、蓚酸ナトリウム、蓚酸ナト
    リウムカリウム、蓚酸カリウム、蓚酸マグネシウム、蓚
    酸カルシウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸マ
    グネシウム、珪酸マグネシウムカルシウムあるいは珪酸
    カルシウムを単独にあるいは複合して添加・混合するこ
    とによって水との混合時にカルシウム溶出量を通常より
    低くしたことを特徴とするリン酸水素カルシウムの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法で得られるカルシウ
    ムイオンの溶出が抑制されたリン酸水素カルシウム。
  3. 【請求項3】 カルシウム塩になった場合にリン酸水素
    カルシウムよりも溶解度が低い陰イオンを持つ無機塩で
    リン酸水素カルシウムの表面を被覆するか或いは該無機
    塩をリン酸水素カルシウムに乾式混合してなるカルシウ
    ムイオンの溶出量が低く抑制されたリン酸水素カルシウ
    ム組成物。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載のリン酸水素カル
    シウムを用いた歯磨き用研磨剤。
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