JP3227263B2 - 光学活性オレフィンの製造方法 - Google Patents

光学活性オレフィンの製造方法

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JP3227263B2 JP08766493A JP8766493A JP3227263B2 JP 3227263 B2 JP3227263 B2 JP 3227263B2 JP 08766493 A JP08766493 A JP 08766493A JP 8766493 A JP8766493 A JP 8766493A JP 3227263 B2 JP3227263 B2 JP 3227263B2
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    • C07C69/96Esters of carbonic or haloformic acids
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学活性なオレフィン
の製造方法に関する。本発明により得られる光学活性な
オレフィンはそれ自体生理活性を有しており、医薬とし
て、あるいは生理活性物質、殊にステロイド類の合成中
間体として有用である。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】従来、ス
テロイドの合成において側鎖の立体を制御しようとする
試みがなされてきており、例えば、22位に二重結合を
有しかつその20位が光学活性なステロイドとして種々
の化合物が知られている。かかるステロイドとしては、
例えば、副作用の少ない骨粗鬆症治療薬として開発され
つつある24−エピ−1,25−ジヒドロキシビタミン
D↓2、22,23−デヒドロ−1,24−ジヒドロキ
シビタミンD↓3など;また、乾癬、免疫異常症、悪性
腫瘍などの治療薬として期待されている、20位の立体
配置が天然型とは逆である20−エピ−22,23−デ
ヒドロ−24,26,27−トリホモビタミンD↓3な
どを挙げることができる。これらのステロイドは、エル
ゴステロールより誘導された1α,3β−ジアセトキシ
プレグナ−5,7−ジエン−20S−カルブアルデヒド
と4−フェニル−1,2,4−トリアゾリン−3,5−
ジオンとのディールス・アルダー付加物、エルゴカルシ
フェロールより誘導された5,6−トランス−1α,3
β−ビス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−9,1
0−セコプレグナ−5,7,10(19)−トリエン−
20R−カルブアルデヒドなどのアルデヒド誘導体を、
3−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシ−2,3
−ジメチルブチルフェニルスルホンなどのスルホン誘導
体と、塩基の存在下に反応させて、対応する22−ヒド
ロキシ−23−スルホン誘導体としたのち、該22−ヒ
ドロキシ−23−スルホン誘導体をナトリウム−水銀ア
マルガムを用いて脱スルホン化することにより合成でき
ることが報告されている[ブレチン・オブ・ケミカル・
ソサイエティ・オブ・ジャパン(Bulletin of Chemical
Society of Japan) 、第62巻、3132頁(1989
年)など参照]。
【0003】しかしながら、上記の合成方法は、毒性の
高い水銀を試薬に用いることから、工業的製法としては
望ましくない。また、20位の立体配置が天然型と逆で
あるステロイドは、上記の20位の立体配置がRである
アルデヒド誘導体から得ることができる。かかるアルデ
ヒド誘導体は、天然のステロイドから得られる20S−
アルデヒド誘導体をエピメリ化させて20S−アルデヒ
ド誘導体および20R−アルデヒド誘導体の混合物とし
たのち、両異性体を液体クロマトグラフィーを用いて分
離することによって得られることが報告されているが
[国際特許出願公表公報WO91/00271号および
テトラヘドロン(Tetrahedron) 、第43巻、4609頁
(1987年)参照]、かかる方法は、操作が煩雑であ
り、上記の20R−アルデヒド誘導体を工業的に製造し
取得する場合には採用しがたい。
【0004】一方、パラジウム塩とトリアルキルホスフ
ィンまたはトリアリールホスフィンからなる触媒を用い
て、直鎖状または分岐鎖状のアリル化合物からギ酸還元
により位置選択的にオレフィンが得られることは知られ
ており、特にパラジウム塩とトリブチルホスフィンの組
み合わせにより高い位置選択性を示すことが明らかにな
っている[有機合成化学、49巻、6号(1991年);テト
ラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)、7
巻、613頁(1979年);シンセシス(Synthesis)、623
頁(1986年)およびケミストリー・レターズ(Chemistr
y Letters)、1017頁(1984年)参照]。しかしなが
ら、これらの文献では、比較的低分子量の非環式または
単環式のエステルしか報告されておらず、光学活性に関
する記載はない。また、該文献に記載のようなオレフィ
ンの場合には上記反応では立体特異性を示さない。
【0005】しかして、本発明の目的は、光学活性な側
鎖を有するステロイドまたはその合成中間体となる光学
活性なオレフィンを高収率かつ高選択的に、しかも工業
的に有利に製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は一般式(II−a)
【0007】
【化5】
【0008】(式中、R↑1 は有機基(ただし、パラジ
ウムによって触媒されるギ酸との反応の基質となる官能
基を除く)を表し、R↑2 は水素原子、アルコキシ基、
アルケニルオキシ基または置換されていてもよいアラル
キルオキシ基を表し、R↑10は低級アルキル基を表し、
R↑11は水素原子または低級アルキル基を表し、R↑3
1、R↑32、R↑41、R↑42、R↑51、R↑52、R↑6
1、R↑62、R↑71、R↑72、R↑81、R↑82、R↑91
およびR↑92はそれぞれ水素原子、保護されていてもよ
い水酸基または有機基を表し、R↑11、R↑31、R↑3
2、R↑41、R↑42、R↑51、R↑52、R↑61、R↑6
2、R↑71、R↑72、R↑81、R↑82、R↑91およびR
↑92はそれぞれそれらが結合している炭素原子に隣接す
る炭素原子上の置換基と一緒になって炭素−炭素結合を
形成してもよく、同一炭素原子上の置換基の対:R↑31
およびR↑32、R↑41およびR↑42、R↑51およびR↑
52、R↑61およびR↑62、R↑71およびR↑72、R↑81
およびR↑82、ならびにR↑91およびR↑92はそれぞれ
一緒になって保護されていてもよいオキソ基または置換
基を有していてもよいメチレン基を形成してもよく、ま
たR↑61、R↑62、R↑71およびR↑72はそれらが結合
している炭素原子と一緒になって環を形成してもよく、
mは0または1を表す。)で示されるエステル誘導体
(以下、これをエステル誘導体(II−a)と略称す
る)に、パラジウム塩および第三級ホスフィンからなる
触媒の存在下、ギ酸またはその塩を作用させることを特
徴とする一般式(I−a)
【0009】
【化6】
【0010】(式中、R↑1 、R↑10、R↑11、R↑3
1、R↑32、R↑41、R↑42、R↑51、R↑52、R↑6
1、R↑62、R↑71、R↑72、R↑81、R↑82、R↑9
1、R↑92およびmは前記定義のとおりである。)で示
されるオレフィン(以下、これをオレフィン(I−a)
と略称する)の製造方法、ならびに一般式(II−b)
【0011】
【化7】
【0012】(式中、R↑1 、R↑2 、R↑10、R↑1
1、R↑31、R↑32、R↑41、R↑42、R↑51、R↑5
2、R↑61、R↑62、R↑71、R↑72、R↑81、R↑8
2、R↑91、R↑92およびmは前記定義のとおりであ
る。)で示されるエステル誘導体(以下、これをエステ
ル誘導体(II−b)と略称する)に、パラジウム塩お
よび第三級ホスフィンからなる触媒の存在下、ギ酸また
はその塩を作用させることを特徴とする一般式(I−
b)
【0013】
【化8】
【0014】(式中、R↑1 、R↑10、R↑11、R↑3
1、R↑32、R↑41、R↑42、R↑51、R↑52、R↑6
1、R↑62、R↑71、R↑72、R↑81、R↑82、R↑9
1、R↑92およびmは前記定義のとおりである。)で示
されるオレフィン(以下、これをオレフィン(I−b)
と略称する)の製造方法を提供することによって達成さ
れる。
【0015】上記一般式(I−a)、(I−b)、(I
I−a)および(II−b)において、R↑1 が表す
機基(ただし、パラジウムによって触媒されるギ酸との
反応の基質となる官能基を除く)としては、パラジウム
によって触媒されるギ酸との反応の基質となる官能基、
例えばアリルエステル基などの官能基、を有していなけ
れば如何なる基であってもよいが、特に置換基を有して
いてもよい直鎖状、分岐鎖状または脂環式の飽和もしく
は不飽和の炭化水素基が挙げられる。このような炭化水
素基としては、例えば、エチル基、プロピル基、2−メ
チルプロピル基、3−メチルブタン−2−イル基、シク
ロプロピルメチル基、3−メチルブチル基、3−エチル
ペンチル基などのアルキル基;3−メチル−1−ブテニ
ル基、3−エチル−1−ペンテニル基、4−メチル−1
−ペンテニル基、5−メチル−1,3−ヘキサジエニル
基などのアルケニル基が挙げられる。該アルキル基とし
ては、炭素数1〜10のものが好ましく、該アルケニル
基としては、炭素数2〜10のものが好ましい。これら
の炭化水素基は、例えば、保護されていてもよい水酸
基、保護されていてもよいオキソ基、保護されていても
よいカルボキシル基、ハロゲン原子などから選ばれる少
なくとも1個、好ましくは1〜6個、さらに好ましくは
1〜2個の置換基で置換されていてもよい。
【0016】R↑1として好適なものとしては、ステロ
イドのD環の側鎖中にみられるもの、例えば、保護され
ていてもよいオキソ基、保護されていてもよいカルボキ
シル基およびシクロアルキル基よりなる群から選ばれる
1個または2個の基で置換されていてもよい直鎖状また
は分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
【0017】本発明でいう水酸基の保護基としては、水
酸基の保護の役割を果たす基であればどのようなもので
あってもよく、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロ
ピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル
基、イソバレリル基、ピバロイル基、カプロイル基、ベ
ンゾイル基、トリフルオロアセチル基などのアシル基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポ
キシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジ
ルオキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基;
トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプ
ロピルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-
ブチルジフェニルシリル基などの三置換シリル基;メト
キシメチル基、メトキシエトキシメチル基、1−エトキ
シエチル基、1−メトキシ−1−メチルエチル基などの
1−アルコキシアルキル基;テトラヒドロフラニル基、
テトラヒドロピラニル基などの2−オキサシクロアルキ
ル基などを挙げることができる。また、水酸基が隣接し
て存在している場合には、隣接する2つの水酸基はアル
デヒトまたはケトンとのアセタールの形で保護されてい
てもよい。
【0018】本発明でいうオキソ基の保護基としては、
ジメチルケタール、ジエチルケタール、ジベンジルケタ
ールなどの非環式ケタール;エチレンケタール、ブロモ
メチルエチレンケタール、o−ニトロベンジルエチレン
ケタール、トリメチレンケタール、2−メチレントリメ
チレンケタール、2,2−ジブロモトリメチレンケター
ル、2,2−ジメチルトリメチレンケタールなどの環式
ケタール;ジメチルチオケタール、ジエチルチオケター
ルなどの非環式チオケタール;エチレンチオケタール、
トリメチレンチオケタールなどの環式チオケタールなど
を挙げることができる。
【0019】本発明でいう保護されたカルボキシル基と
しては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニ
ル基、ブトキシカルボニル基、sec-ブトキシカルボニル
基、tert-ブトキシカルボニル基などの低級アルコキシ
カルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基、p−メト
キシベンジルオキシカルボニル基などのアラルキルオキ
シカルボニル基などを挙げることができる。
【0020】R↑1 によって表される有機基(ただし、
パラジウムによって触媒されるギ酸との反応の基質とな
る官能基を除く)の好適な例としては次の基が挙げられ
る。
【0021】
【化9】
【0022】なお、上記式中の水酸基、オキソ基および
カルボキシル基は保護されていてもよい。
【0023】R↑2が表すアルコキシ基およびアルケニ
ルオキシ基は、直鎖状または分岐鎖状のいずれであって
もよく、アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エ
トキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ
基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ヘキシルオキ
シ基などの低級アルコキシ基などが挙げられ、アルケニ
ルオキシ基としては、例えば3−ブテニルオキシ基など
が挙げられる。R↑2が表すアラルキルオキシ基は、ア
リール置換されたアルコキシ基を意味し、そのアルコキ
シ部分は上記の意味を有する。該アリール部分、好まし
くはフェニル基は、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、
低級アルキル基、低級アルコキシ基などにより置換され
ていてもよい。かかる置換もしくは未置換のアラルキル
オキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、p−メ
トキシベンジルオキシ基、p−クロロベンジルオキシ
基、フェネチルオキシ基などが挙げられる。R↑2とし
て好適なものは、低級アルコキシ基である。
【0024】R↑10およびR↑11がそれぞれ表す低級ア
ルキル基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状のいずれで
あってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-
ブチル基などが挙げられる。該アルキル基としてはメチ
ル基、エチル基が好ましい。
【0025】R↑31、R↑32、R↑41、R↑42、R↑5
1、R↑52、R↑61、R↑62、R↑71、R↑72、R↑8
1、R↑82、R↑91およびR↑92がそれぞれ表す有機基
としては、パラジウムによって触媒されるギ酸との反応
の基質となる官能基、例えば、アリルエステル基などの
官能基、を有していなければ如何なる基であってもよい
が、置換基を有していてもよい直鎖状、分岐鎖状または
環状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基であることがで
きる。炭化水素基としてはメチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert
-ブチル基などのアルキル基;ビニル基、プロペニル
基、1−ブテニル基などのアルケニル基;シクロロピ
ル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシク
ロアルキル基;2−(2−メチレンシクロヘキシリデ
ン)エチル基などのシクロアルキリデンアルキル基;2
−(2−メチル−1−シクロヘキセニル)エテニル基な
どのシクロアルケニルアルケニル基;シクロペンテニル
基、シクロヘキセニル基などのシクロアルケニル基;フ
ェニル基、トリル基などのアリール基;ベンジル基、フ
ェネチル基などのアラルキル基などが挙げられる。これ
らの炭化水素基は、例えば、水酸基、保護された水酸
基、オキソ基、保護されたオキソ基、カルボキシル基、
保護されたカルボキシル基、シアノ基、置換または未置
換のアミノ基、保護されたアミノ基、ハロゲン原子など
で置換されていてもよい。置換されたアミノ基として
は、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アセチルアミ
ノ基、ベンジルオキシカルボニルアミノ基、tert-ブト
キシカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、p−ト
ルエンスルホニルアミノ基などがあげられる。
【0026】R↑31およびR↑32、R↑41およびR↑4
2、R↑51およびR↑52、R↑61およびR↑62、R↑71
およびR↑72、R↑81およびR↑82、またはR↑91およ
びR↑92がそれぞれ一緒になって形成する置換基を有し
ていてもよいメチレン基としては、例えば、次の式で示
される基が挙げられる。
【0027】
【化10】
【0028】(式中、Z↑1およびZ↑2はそれぞれ水素
原子または有機基を表し、好ましくはZ↑1およびZ↑2
の一方は水素原子である。)で示されるものが挙げられ
る。好適なものとしては、
【0029】
【化11】
【0030】(式中、Y↑1は保護されていてもよい水
酸基を表し、Y↑2は水素原子、弗素原子または保護さ
れていてもよい水酸基で置換されていてもよい低級アル
コキシ基を表し、Y↑3は水素原子または保護されてい
てもよい水酸基を表し、Y↑4は低級アルコキシ基を表
す。)などが挙げられる。
【0031】また、R↑61、R↑62、R↑71およびR↑
72がそれらが結合している炭素原子と一緒になって形成
する環は飽和であってもよいし、不飽和であってもよ
い。該環としては、基本骨格として、例えば、シクロヘ
キサン骨格、デカリン骨格などを有するものが挙げられ
る。中でも、ステロイド骨格のAB環部分であることが
好ましい。
【0032】しかして、原料となるエステル誘導体(I
I−a)およびエステル誘導体(II−b)の環構造を
構成する化合物としては、アンドロスタン骨格、エスト
ラン骨格、セコアンドロスタン骨格などのステロイド骨
格を有する化合物、ステロイド骨格のA環部分が欠如し
たノルステロイド化合物、およびステロイド骨格のD環
部分が6員環構造をしているホモステロイド化合物、ス
テロイド骨格のAB環部分が欠如したヒドロインデン骨
格を有する化合物など、少なくともステロイド骨格のC
D環部分の骨格を有する化合物が挙げられる。これらの
化合物は反応に関与しない二重結合をどの位置に有して
いてもよく、また、反応に関与しない置換基であれば如
何なる基を有していてもよい。かかる置換基としては、
例えば、水酸基、ハロゲン原子、保護された水酸基、置
換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有してい
てもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリ
ール基などを挙げることができる。
【0033】エステル誘導体(II−a)およびエステ
ル誘導体(II−b)における式
【化12】
【0034】(式中、R↑10、R↑11、R↑31、R↑3
2、R↑41、R↑42、R↑51、R↑52、R↑61、R↑6
2、R↑71、R↑72、R↑81、R↑82、R↑91、R↑92
およびmは前記定義のとおりである。)で示される基と
して好適なものには、次のものが挙げられる。
【0035】(1)下記一般式(II−1)で示される
基。
【0036】
【化13】
【0037】(式中、R↑63、R↑64、R↑73およびR
↑74のうちのひとつは、保護されていてもよい水酸基ま
たは式(a)
【0038】
【化14】
【0039】(式中、Y↑1、Y↑2およびY↑3は、前
記定義のとおりである。)で示される基を表し、かつ残
りは水素原子であるか、または隣接炭素原子上にある残
りの2個の置換基は一緒になって炭素−炭素結合を形成
し;あるいはR↑63およびR↑64は一緒になって保護さ
れていてもよいオキソ基もしくは式(b)、式(c)、
式(d)または式(e)
【0040】
【化15】
【0041】(式中、Y↑1、Y↑2、Y↑3およびY↑4
は、前記定義のとおりである。)で示される基を表し、
かつR↑73およびR↑74はこれらが結合している炭素原
子と一緒になってステロイドのAB環部分を構成し;R
↑10およびmは前記定義のとおりである。)
【0042】(2)下記一般式(II−2)で示される
基。
【0043】
【化16】
【0044】(式中、R↑65およびR↑66の一方は、保
護されていてもよい水酸基であり、かつ他方は水素原子
であり、あるいは、R↑65およびR↑66は一緒になって
保護されていてもよいオキソ基または上記式(c)、
(d)または(e)で示される基を表し、R↑10は前記
定義のとおりである。)
【0045】(3)下記一般式(II−3)で示される
基。
【0046】
【化17】
【0047】(式中、Y↑5およびY↑7はそれぞれ水素
原子または保護されていてもよい水酸基を表し、Y↑6
は水素原子、弗素原子または保護されていてもよい水酸
基で置換されていてもよい低級アルコキシ基を表し、線
【0048】
【化18】
【0049】は単結合または二重結合を表し、R↑10は
前記定義のとおりである。)
【0050】エステル誘導体(II−a)およびエステ
ル誘導体(II−b)として好ましい化合物としては、
3−ヒドロキシコレスタ−5,22E−ジエン−20−
イルエステルまたはその水酸基保護体、3−ヒドロキシ
コレスタ−5,22Z−ジエン−20−イルエステルま
たはその水酸基保護体、1,3−ジヒドロキシコレスタ
−5,7,22E−トリエン−20−イルエステルまた
はその水酸基保護体、1,3−ジヒドロキシコレスタ−
5,7,22Z−トリエン−20−イルエステルまたは
その水酸基保護体、1,3,25−トリヒドロキシコレ
スタ−5,7,22Z−トリエン−20−イルエステル
またはその水酸基保護体、1,3,25−トリヒドロキ
シコレスタ−5,7,22E−トリエン−20−イルエ
ステルまたはその水酸基保護体、1,3,25−トリヒ
ドロキシエルゴスタ−5,7,22Z−トリエン−20
−イルエステルまたはその水酸基保護体、24−エピ−
1,3,25−トリヒドロキシエルゴスタ−5,7,2
2Z−トリエン−20−イルエステルまたはその水酸基
保護体、1,3,25−トリヒドロキシ−24,26,
27−トリホモコレスタ−5,7,22E−トリエン−
20−イルエステルまたはその水酸基保護体、1,3,
25−トリヒドロキシ−24,26,27−トリホモ−
9,10−セココレスタ−5,7,10(19),22
E−テトラエン−20−イルエステルまたはその水酸基
保護体、24−エピ−1,3,25−トリヒドロキシ−
9,10−セコエルゴスタ−5,7,10(19),2
2Z−テトラエン−20−イルエステルまたはその水酸
基保護体、1,3,25−トリヒドロキシ−24,2
6,27−トリホモ−9,10−セココレスタ−5(1
0),6,8,22E−テトラエン−20−イルエステ
ルまたはその水酸基保護体、1,3,25−トリヒドロ
キシ−26−ノル−26−メトキシカルボニルコレスタ
−5,7,22Z−トリエン−20−イルエステルまた
はその水酸基保護体、 1,3,24−トリヒドロキシ
コレスタ−5,7,22Z−トリエン−20−イルエス
テルまたはその水酸基保護体、2−ヒドロキシプロポキ
シ−1,3,25−トリヒドロキシコレスタ−5,7,
22Z−トリエン−20−イルエステルまたはその水酸
基保護体、1,3,25,26−テトラヒドロキシコレ
スタ−5,7,22Z−トリエン−20−イルエステル
またはその水酸基保護体、1,3,7,8,25−ペン
タヒドロキシ−24,26,27−トリホモ−9,10
−セココレスタ−5,10(19),22E−トリエン
−20−イルエステルまたはその水酸基保護体、2−
(4−ヒドロキシ−7a−メチル−2,3,3a,4,
5,6,7,7a−オクタヒドロインデン−1−イル)
−7−エチル−7−ヒドロキシ−3−ノネン−2−イル
エステルまたはその水酸基保護体、2−(4−ヒドロキ
シ−7a−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7
a−オクタヒドロインデン−1−イル)−5,6−ジメ
チル−3−ヘプテン−2−イルエステルまたはその水酸
基保護体、3−ヒドロキシ−9,10−セコエルゴスタ
−5,7,10(19),22E−テトラエン−20−
イルエステルまたはその水酸基保護体、2−(4−(2
−(3−ヒドロキシ−2−メチレンビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−1−イル)−2−メトキシエチリデン)
−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ
−7a−メチルインデン−1−イル)−5,6−ジメチ
ル−3−ヘプテン−2−イルエステルまたはその水酸基
保護体などを挙げることができる。
【0051】エステル誘導体(II−a)およびエステ
ル誘導体(II−b)は、例えば、4−フェニル−1,
2,4−トリアゾリン−3,5−ジオン、1,4−ジヒ
ドロフタラジン−1,4−ジオン、二酸化イオウなどと
のディールス・アルダー付加物を形成していてもよい。
【0052】本発明において使用する触媒はパラジウム
塩および第三級ホスフィンからなる。該パラジウム塩と
しては、例えば、パラジウムアセチルアセトナート、酢
酸パラジウム、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、ビス
(アセトニトリル)パラジウムクロライド、トリス(ジ
ベンジリデンアセトン)ジパラジウム・クロロホルムな
どが挙げられるが、酢酸パラジウムおよびパラジウムア
セチルアセトナートが特に好ましい。
【0053】また、該第三級ホスフィンとしては、例え
ば、トリアルキルホスフィンまたはトリアリールホスフ
ィンが挙げられる。トリアルキルホスフィンのアルキル
部分の炭素数には特に制限はないが、一般に2〜8の範
囲内のものが入手容易で好適である。該アルキル部分は
直鎖状または分岐鎖状であってもよく、該トリアルキル
ホスフィンとしては、例えば、トリブチルホスフィン、
トリヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン、ト
リシクロヘキシルホスフィンなどが挙げられる。トリア
リールホスフィンとしてはトリフェニルホスフィンが挙
げられる。かかる第三級ホスフィンとしては、トリブチ
ルホスフィンが特に好ましい。
【0054】第三級ホスフィンのパラジウム塩に対する
使用割合は、厳密に制限されるものではなく、用いる出
発原料等に応じて変えることができるが、一般には、第
三級ホスフィンはパラジウム塩中のパラジウム1グラム
原子に対して0.5〜10モルの範囲内で使用すること
ができる。特に、パラジウム1グラム原子に対して0.
5〜5モルの範囲内で使用すると低温で反応させること
が可能となり好ましい。殊に第三級ホスフィンはパラジ
ウム1グラム原子に対して1〜2モルの割合で使用する
ことが好ましい。
【0055】また、パラジウム塩は、パラジウム原子基
準で、原料であるエステル誘導体(II−a)またはエ
ステル誘導体(II−b)1モルに対して0.0001
〜1グラム原子、好ましくは0.001〜0.3グラム
原子、さらに好ましくは0.01〜0.1グラム原子の
範囲で使用することができる。
【0056】本発明においては、上記の触媒の存在下
に、原料であるエステル誘導体(II−a)またはエス
テル誘導体(II−b)にギ酸またはその塩を作用させ
る。ギ酸の塩としては、ギ酸および塩基より構成される
塩で有機溶媒に可溶なものが望ましく、例えば、ギ酸ア
ンモニウム、ギ酸トリエチルアンモニウム、ギ酸ジイソ
プロピルエチルアンモニウムなどのギ酸のアンモニウム
塩などが挙げられる。ギ酸またはその塩の使用量は、特
に制限されるものではなく、原料であるエステル誘導体
(II−a)またはエステル誘導体(II−b)1モル
に対して1〜10モルの範囲が好ましく、1〜5モルの
範囲がより好ましい。ギ酸またはその塩を使用して反応
を行う場合には、必要に応じて塩基の共存下に反応を行
うことができ、該塩基としては、例えば、トリエチルア
ミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンなどが使
用される。かかる塩基の使用量は、ギ酸またはその塩1
モルに対して0.01〜10モルの範囲が好ましく、
0.5〜2モルの範囲がより好ましい。
【0057】反応は、上記の触媒を用いることにより、
比較的低い温度で実施することができる。反応は、通常
−10℃〜40℃の範囲の温度で行うのが好ましく、0
℃〜30℃の範囲の温度で行うのがより好ましい。ただ
し、場合により、使用した反応溶媒の沸点に加熱しなが
ら反応を行うことも可能である。
【0058】反応は有機溶媒の存在下または不存在下に
行うことができる。該有機溶媒としては、例えば、ヘキ
サン、ベンゼンなどの炭化水素、ジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル、アセト
ニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、クロロホルムなどが使用可能であるが、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、ベンゼンなどを使用するのが好
ましい。
【0059】原料となるエステル誘導体(II−a)は
対応するアリルアルコール(以下、これをアリルアルコ
ール(III)と略称する)をエステル化することによ
り合成できる。このエステル化は一般的なエステル化反
応により行うことができる。例えば、アリルアルコール
(III)のアルカリ金属塩、またはピリジンなどの塩
基の存在下でアリルアルコール(III)にクロロギ酸
エステルを作用させることによりエステル誘導体(II
−a)を得ることができる〔ヘルベチカ・キミカ・アク
タ(Helv. Chim. Acta)、第37巻、45頁 (1954)参照〕。
アリルアルコール(III)は、対応するカルボニル化
合物にE−配置を有する1−アルケニルリチウムなどの
アルケニル金属を反応させることにより得ることができ
る。また、アリルアルコール(III)は、対応するカ
ルボニル化合物に1−アルキニルリチウム、1−アルキ
ニルマグネシウムなどのアルキニル金属を反応させてア
セチレンアルコールとしたのち、水素化リチウムアルミ
ニウムで還元することにより得ることもできる。
【0060】原料となるエステル誘導体(II−b)
も、上記と同様の方法により、対応するアリルアルコー
ル(以下、これをアリルアルコール(IV)と略称す
る)から合成することができる。アリルアルコール(I
V)は、対応するカルボニル化合物にZ−配置を有する
1−アルケニルリチウムなどのアルケニル金属を反応さ
せることにより得られる。また、アリルアルコール(I
V)は、対応するカルボニル化合物に1−アルキニルリ
チウム、1−アルキニルマグネシウムなどのアルキニル
金属を反応させてアセチレンアルコールとしたのち、リ
ンドラー触媒、ジイミドなどを用いて還元することによ
り得ることもできる。
【0061】このようにして得られるオレフィン(I−
a)またはオレフィン(I−b)の反応混合物からの単
離・精製は、一般に有機化合物を反応混合物から単離・
精製するに際して用いられている方法と同様の方法によ
り行われる。例えば、反応混合物を氷水にあけ、ヘキサ
ン、ジエチルエーテル、酢酸エチルなどの有機溶媒で抽
出し、抽出液を冷希塩酸、重曹水、食塩水などで順次洗
浄し、乾燥後、濃縮して粗生成物を得、該粗生成物を必
要に応じて再結晶、クロマトグラフィーなどにより精製
し、オレフィン(I−a)またはオレフィン(I−b)
を得ることができる。
【0062】反応は立体特異的に進行する。すなわち、
エステル誘導体(II−a)を出発原料として用いた場
合には、20位の立体配置が天然型と逆の配置であるス
テロイド化合物の側鎖と同じ立体配置を有する光学活性
なオレフィン(I−a)が得られる。一方、エステル誘
導体(II−b)を出発原料として用いた場合には、2
0位の立体配置が天然型と同じ配置であるステロイド化
合物の側鎖と同じ立体配置を有する光学活性なオレフィ
ン(I−b)が得られる。
【0063】このようにして得られたオレフィン(I−
a)またはオレフィン(I−b)は、それ自体生理活性
を有しており、医薬として、あるいは生理活性物質、殊
にステロイドの合成中間体として有用である。例えば、
本発明により得られる(22E)−1,3,25−トリ
ス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)コレスタ−5,
7,22−トリエンおよび(22E)−1,3−ビス
(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−25−メトキシ
メトキシコレスタ−5,7,22−トリエンは、それぞ
れビタミンD誘導体の合成における常法にしたがって、
光異性化、熱異性化、脱保護を行うことにより、強力な
ビタミンD作用を有する22,23−デヒドロ−1,2
5−ジヒドロキシビタミンD↓3に変換することができ
る。
【0064】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。
【0065】参考例1 アルゴン雰囲気下、(Z)−5−ヨード−4−ペンテン
−1−イル t−ブチルジメチルシリルエーテル606
mgをジエチルエーテル5mlに溶解して得られた溶液
に、−78℃でt−ブチルリチウムのペンタン溶液
(1.5M)2.35mlを9分間かけて滴下した。反
応液を同温度で2時間撹拌したのち、該反応液に3−
(t−ブチルジメチルシリルオキシ)プレグナ−5−エ
ン−20−オン640mgをテトラヒドロフラン10m
lに溶解して得られた溶液を5分間かけて滴下した。反
応液を1時間かけて室温まで昇温したのち、該反応液に
水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥したのち、減圧下に濃縮し
た。得られた残渣をエタノール8mlおよびテトラヒド
ロフラン3mlの混合溶液に溶解し、得られた溶液に水
素化ホウ素ナトリウム75mgを加え、室温で1.5時
間撹拌し、未反応の3−(t−ブチルジメチルシリルオ
キシ)プレグナ−5−エン−20−オンを還元した。反
応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥したのち、減圧下に濃
縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−で精
製することにより、(22Z)−3,26−ジ(t−ブ
チルジメチルシリルオキシ)−27−ノルコレスタ−
5,22−ジエン−20−オールを706.5mg得た
(収率75%)。
【0066】参考例2 参考例1で得られた(22Z)−3,26−ジ(t−ブ
チルジメチルシリルオキシ)−27−ノルコレスタ−
5,22−ジエン−20−オール706.5mgをテト
ラヒドロフラン7mlに溶解し、得られた溶液に−78
℃でt−ブチルリチウムのペンタン溶液(1.5M)
0.9mlを滴下した。反応液を同温度で30分間撹拌
したのち、該反応液にクロロギ酸メチル0.13mlを
滴下し、室温で15時間撹拌した。反応液に重曹水を加
え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を重曹水で洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥したのち、減圧下に濃縮す
ることにより、(20S,22Z)−3,26−ジ(t
−ブチルジメチルシリルオキシ)−27−ノルコレスタ
−5,22−ジエン−20−イル メチルカーボネート
を白色結晶として782.6mg得た。
【0067】実施例1 アルゴン雰囲気下、ベンゼン2ml中でパラジウムアセ
チルアセトナート30.4mgとトリブチルホスフィン
0.025mlとを混合することによりパラジウム触媒
の黄色溶液を調製した。次いで、触媒溶液にギ酸トリエ
チルアンモニウムのベンゼン溶液(1.0M)2.5m
lを加えたのち、参考例2で得られた(20S,22
Z)−3,26−ジ(t−ブチルジメチルシリルオキ
シ)−27−ノルコレスタ−5,22−ジエン−20−
イル メチルカーボネート344mgをベンゼン2ml
に溶解して得られた溶液を加え、室温で45分間撹拌し
た。反応液をヘキサンで希釈したのち、水洗し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥後、フロリジルを通して濾過し
た。濾液を減圧下に濃縮することにより、下記の物性を
有する(20R,22E)−3,26−ジ(t−ブチル
ジメチルシリルオキシ)−27−ノルコレスタ−5,2
2−ジエンを白色結晶として240.7mg得た。 NMRスペクトル(400MHz,CDCl↓3) δ 0.04(6H,s),0.05(6H,s),0.6
8(3H,s),0.89(18H,s),1.00
(18H,s),1.00(3H,d,J=6.5H
z),0.88−2.31(25H,m),3.47
(1H,t,t,J=5.0Hz),3.59(2H,
t,J=6.6Hz),5.24−5.34(3H,
m)
【0068】実施例2 実施例1において、ギ酸トリエチルアンモニウムのベン
ゼン溶液(1.0M)2.5mlに代えてギ酸トリエチ
ルアンモニウムのベンゼン溶液(1.0M)1.0ml
を用いた以外は同様に反応および分離精製を行うことに
より、(20R,22E)−3,26−ジ(t−ブチル
ジメチルシリルオキシ)−27−ノルコレスタ−5,2
2−ジエンを294.2mg得た。(20R,22E)
−3,26−ジ(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−
27−ノルコレスタ−5,22−ジエン294.2mg
をテトラヒドロフラン5mlに溶解し、得られた溶液に
テトラブチルアンモニウムフルオリドのテトラヒドロフ
ラン溶液(1M)2.40mlを加え、室温で15時間
撹拌した。得られた反応液を塩化メチレンで希釈し、水
洗した。水層を塩化メチレンおよびクロロホルムで抽出
し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を
留去し、得られた残渣を加温したヘキサンで洗浄し、得
られた固体をクロロホルムから再結晶することにより、
下記の物性を有する(20R,22E)−27−ノルコ
レスタ−5,22−ジエン−3,26−ジオールを白色
結晶として126.6mg得た。再結晶母液を濃縮し、
クロロホルムから再結晶することにより、(20R,2
2E)−27−ノルコレスタ−5,22−ジエン−3,
26−ジオールを白色結晶として18.9mg得た。 NMRスペクトル(400MHz,CDCl↓3) δ 0.64(3H,s),0.88(3H,d,J=6.
6Hz),0.98(3H,s),0.89−2.30
(27H,m),3.50(1H,m),3.64(2
H,t,J=6.6Hz),5.29−5.34(3
H,m)
【0069】参考例3 参考例1において、(Z)−5−ヨード−4−ペンテン
−1−イル t−ブチルジメチルシリルエーテルに代え
て(E)−5−ヨード−4−ペンテン−1−イル t−
ブチルジメチルシリルエーテルを用いた以外は同様に反
応および分離精製を行うことにより、(22E)−3,
26−ジ(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−27−
ノルコレスタ−5,22−ジエン−20−オールを93
9mg得た。
【0070】参考例4 参考例3で得られた(22E)−3,26−ジ(t−ブ
チルジメチルシリルオキシ)−27−ノルコレスタ−
5,22−ジエン−20−オール939mgをテトラヒ
ドロフラン8mlに溶解し、得られた溶液に−83℃で
t−ブチルリチウムのペンタン溶液(1.5M)1.2
mlを5分間かけて滴下した。反応液を同温度で30分
間撹拌したのち、該反応液にクロロギ酸メチル0.17
mlを滴下し、室温で一夜撹拌した。反応液に重曹水を
加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を重曹水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥したのち、減圧下に濃
縮することにより、(20S,22E)−3,26−ジ
(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−27−ノルコレ
スタ−5,22−ジエン−20−イル メチルカ−ボネ
−トを得た。
【0071】実施例3 アルゴン雰囲気下、ベンゼン2ml中でパラジウムアセ
チルアセトナート30.4mgとトリブチルホスフィン
0.025mlとを混合することによりパラジウム触媒
の黄色溶液を調製した。次いで、触媒溶液にギ酸トリエ
チルアンモニウムのベンゼン溶液(1.0M)5mlを
加えたのち、参考例4で得られた(20S,22E)−
3,26−ジ(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−2
7−ノルコレスタ−5,22−ジエン−20−イル メ
チルカーボネート688mgをベンゼン9mlに溶解し
て得られた溶液を加え、室温で3時間撹拌した。得られ
た反応液をヘキサンで希釈したのち、水洗し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥後、フロリジルを通して濾過した。
濾液を減圧下に濃縮することにより、下記の物性を有す
る(20S,22E)−3,26−ジ(t−ブチルジメ
チルシリルオキシ)−27−ノルコレスタ−5,22−
ジエンを白色結晶として568.7mg得た。 NMRスペクトル(400MHz,CDCl↓3) δ 0.05(12H,s),0.64(3H,s),0.
88−0.90(21H,s×3),0.98(3H,
s),0.89−2.26(25H,m),3.47
(1H,m),3.60(2H,t,J=6.6H
z),5.22−5.30(3H,m)
【0072】参考例5 窒素雰囲気下、5−エチル−5−メトキシメトキシ−1
−ヘプチン120mgをテトラヒドロフラン4mlに溶
解して得られた溶液に、−78℃でn−ブチルリチウム
のヘキサン溶液(1.6M)0.32mlを滴下した。
反応液を同温度で30分間撹拌したのち、該反応液に4
−ベンゾイルオキシ−7a−メチル−2,3,3a,
4,5,6,7,7a−オクタヒドロインデン−1−イ
ル−1−エタノン112mgをテトラヒドロフラン3m
lに溶解して得られた溶液を滴下した。反応液を0℃ま
で昇温したのち、該反応液に塩化アンモニウム水溶液を
加え、ジエチルエーテルで抽出した。抽出液を飽和食塩
水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥したのち、減
圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィ−で精製することにより、下記の物性を有する2−
(4−ベンゾイルオキシ−7a−メチル−2,3,3
a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロインデン−1
−イル)−7−エチル−7−メトキシメトキシ−3−ノ
ニン−2−オールを97mg得た。 NMRスペクトル(270MHz,CDCl↓3) δ 0.83(6H,t,J=7.6Hz),1.33(3
H,s),1.47(3H,s),3.37(3H,
s),4.65(2H,s),5.43(1H,s),
7.43(2H,t,J=7Hz),7.55(1H,
q,J=7Hz),8.08(2H,d,J=7Hz)
【0073】参考例6 水素化リチウムアルミニウム120mgをテトラヒドロ
フラン3mlに懸濁して得られた懸濁液に、参考例5で
得られた2−(4−ベンゾイルオキシ−7a−メチル−
2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロイ
ンデン−1−イル)−7−エチル−7−メトキシメトキ
シ−3−ノニン−2−オール97mgをテトラヒドロフ
ラン2mlに溶解して得られた溶液を室温にて滴下し、
滴下終了後30分間加熱還流した。反応液を冷却し、反
応液にジエチルエーテルを加えて希釈したのち、該反応
液を塩化アンモニウムおよび水酸化ナトリウム水溶液に
あけ、ジエチルエーテルで抽出した。抽出液を飽和食塩
水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥したのち、減
圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィ−で精製することにより、下記の物性を有する2−
(4−ヒドロキシ−7a−メチル−2,3,3a,4,
5,6,7,7a−オクタヒドロインデン−1−イル)
−7−エチル−7−メトキシメトキシ−3E−ノネン−
2−オールを40mg得た。 NMRスペクトル(270MHz,CDCl↓3) δ 0.84(6H,t,J=7.6Hz),1.10(3
H,s),1.32(3H,s),3.40(3H,
s),4.09(1H,br.s),4.66(2H,
s),5.46−5.64(2H,m)
【0074】参考例7 参考例6で得られた2−(4−ヒドロキシ−7a−メチ
ル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒド
ロインデン−1−イル)−7−エチル−7−メトキシメ
トキシ−3E−ノネン−2−オール20mgをテトラヒ
ドロフラン4mlに溶解し、得られた溶液に−78℃で
n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M)0.0
8mlを滴下した。反応液を同温度で10分間撹拌した
のち、該反応液にクロロギ酸メチル0.013mlを滴
下し、室温で15時間撹拌した。反応液に重曹水を加
え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を重曹水で洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥したのち、減圧下に濃縮す
ることにより、(2S)−2−(4−メトキシカルボニ
ルオキシ−7a−メチル−2,3,3a,4,5,6,
7,7a−オクタヒドロインデン−1−イル)−7−エ
チル−7−メトキシメトキシ−3E−ノネン−2−イル
メチルカーボネートを26mg得た。
【0075】実施例4 アルゴン雰囲気下、ベンゼン2ml中でパラジウムアセ
チルアセトナート30.4mgとトリブチルホスフィン
0.025mlとを混合することによりパラジウム触媒
の黄色溶液を調製した。次いで触媒溶液にギ酸トリエチ
ルアンモニウムのベンゼン溶液(1.0M)5mlを加
え、得られた溶液のうち2mlを採取した。該溶液に、
参考例7で得られた(2S)−2−(4−メトキシカル
ボニルオキシ−7a−メチル−2,3,3a,4,5,
6,7,7a−オクタヒドロインデン−1−イル)−7
−エチル−7−メトキシメトキシ−3E−ノネン−2−
イル メチルカーボネート26mgをベンゼン2mlに
溶解して得られた溶液を加え、室温で1時間撹拌した。
反応液をヘキサンで希釈したのち、水洗し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後、フロリジルを通して濾過した。濾
液を減圧下に濃縮することにより、下記の物性を有する
(2S)−2−(4−メトキシカルボニルオキシ−7a
−メチル−2,3,3a,4,5,6,7,7a−オク
タヒドロインデン−1−イル)−7−エチル−7−メト
キシメトキシ−3E−ノネンを20mg得た。 NMRスペクトル(270MHz,CDCl↓3) δ 0.83(6H,t,J=7Hz),0.89(3H,
d,J=7Hz),1.26(3H,s),3.40
(3H,s),3.76(3H,s),4.66(2
H,s),5.0(1H,br.s),5.16−5.
39(2H,m)
【0076】参考例8 窒素雰囲気下、トランス−1−ヨード−4−(1−エト
キシエトキシ)−4−メチル−1−ペンテン733.9
mgジエチルエ−テル7mlに溶解し、得られた溶液
に−80℃でt−ブチルリチウムのペンタン溶液(1.
6M)2.9mlを滴下した。反応液を同温度で2時間
撹拌したのち、該反応液に3−(t−ブチルジメチルシ
リルオキシ)プレグナ−5−エン−20−オン430m
gをテトラヒドロフラン9mlに溶解して得られた溶液
を滴下し、20分間撹拌した。反応液を室温まで昇温し
たのち、該反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。
抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥したのち、減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィ−で精製することにより、25−(1
−エトキシエトキシ)−3−(t−ブチルジメチルシリ
ルオキシ)コレスタ−5,22E−ジエン−20−オ−
ルを291mg得た。
【0077】参考例9 窒素雰囲気下、参考例8で得られた25−(1−エトキ
シエトキシ)−3−(t−ブチルジメチルシリルオキ
シ)コレスタ−5,22E−ジエン−20−オール29
1.7mgをテトラヒドロフラン5mlに溶解し、得ら
れた溶液に−80℃でt−ブチルリチウムのペンタン溶
液(1.6M)0.38mlを滴下した。反応液を同温
度で30分間撹拌したのち、該反応液にクロロギ酸メチ
ル0.06mlを加え、14時間撹拌した。反応液を室
温まで昇温したのち、該反応液に重曹水を加え、酢酸エ
チルで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、減圧下に濃縮することにより、(20S)−25−
(1−エトキシエトキシ)−3−(t−ブチルジメチル
シリルオキシ)コレスタ−5,22E−ジエン−20−
イル メチルカーボネートを320mg得た。
【0078】実施例5 アルゴン雰囲気下、ベンゼン1ml中でパラジウムアセ
チルアセトナート29.2mgとトリブチルホスフィン
0.024mlとを混合することによりパラジウム触媒
の黄色溶液を調製した。次いで、触媒溶液にギ酸2.4
mmolおよびトリエチルアミン2.4mmolの混合
物を加えたのち、参考例9で得られた(20S)−25
−(1−エトキシエトキシ)−3−(t−ブチルジメチ
ルシリルオキシ)コレスタ−5,22E−ジエン−20
−イル メチルカーボネート314mgをベンゼン2m
lに溶解して得られた溶液を加え、室温で45分間撹拌
した。反応液をヘキサン40mlで希釈したのち、水洗
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮する
ことにより、(20S)−25−(1−エトキシエトキ
シ)−3−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)コレス
タ−5,22E−ジエンを210mg得た(収率75
%)。得られた(20S)−25−(1−エトキシエト
キシ)−3−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)コレ
スタ−5,22E−ジエンをメタノ−ル20mlに溶解
し、得られた溶液にピリジニウムp−トルエンスルホナ
ート3mgを加え、室温で3時間撹拌した。該反応液に
重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮することによ
り、下記の物性を有する(20S)−コレスタ−5,2
2E−ジエン−3,25−ジオールを得た。 融点 205−205.5℃ ↑1H−NMRスペクトル(CDCl↓3) δ 0.66(s,3H),0.92(d,J=6.60H
z,3H),0.99(s,3H),1.201(s,
3H),1.204(s,3H),3.46−3.55
(m,1H),5.31−5.46(m,3H) ↑13C−NMRスペクトル(CDCl↓3) δ 12.1,19.4,20.8,21.7,24.1,
27.9,31.7,31.8,31.9,36.5,
37.2,39.2,40.4,42.3,42.4,
47.0,50.2,56.1,56.6,70.7,
71.8,121.6,122.5,140.8,14
1.9
【0079】参考例10 参考例8において、トランス−1−ヨード−4−(1−
エトキシエトキシ)−4−メチル−1−ペンテンに代え
てシス−1−ヨード−4−(1−エトキシエトキシ)−
4−メチル−1−ペンテンを用いた以外は同様に反応お
よび分離精製を行うことにより、25−(1−エトキシ
エトキシ)−3−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)
コレスタ−5,22Z−ジエン−20−オールを468
mg得た。
【0080】参考例11 参考例9において、25−(1−エトキシエトキシ)−
3−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)コレスタ−
5,22E−ジエン−20−オール291.7mgに代
えて25−(1−エトキシエトキシ)−3−(t−ブチ
ルジメチルシリルオキシ)コレスタ−5,22Z−ジエ
ン−20−オール634mgを用いた以外は同様に反応
および分離精製を行うことにより、(20S)−25−
(1−エトキシエトキシ)−3−(t−ブチルジメチル
シリルオキシ)コレスタ−5,22Z−ジエン−20−
イル メチルカーボネートを695mg得た。
【0081】実施例6 アルゴン雰囲気下、ベンゼン4.5ml中でパラジウム
アセチルアセトナート64mgとトリブチルホスフィン
0.052mlとを混合することによりパラジウム触媒
の黄色溶液を調製した。次いで、触媒溶液にギ酸2.1
mmolおよびトリエチルアミン2.1mmolの混合
物を加えたのち、参考例11で得られた(20S)−2
5−(1−エトキシエトキシ)−3−(t−ブチルジメ
チルシリルオキシ)コレスタ−5,22Z−ジエン−2
0−イル メチルカーボネート695mgをベンゼン2
mlに溶解して得られた溶液を加え、室温で1.5時間
撹拌した。反応液をヘキサン40mlで希釈したのち、
水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮
することにより、(20R)−25−(1−エトキシエ
トキシ)−3−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)コ
レスタ−5,22E−ジエンを得た。得られた(20
R)−25−(1−エトキシエトキシ)−3−(t−ブ
チルジメチルシリルオキシ)コレスタ−5,22E−ジ
エンをメタノ−ル20mlに溶解し、得られた溶液にピ
リジニウムp−トルエンスルホナート3mgを加え、室
温で3時間撹拌した。該反応液に重曹水を加え、酢酸エ
チルで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、減圧下に濃縮することにより、下記の物性を有する
(20R)−コレスタ−5,22E−ジエン−3,25
−ジオールを376mg得た。 融点 180−180.5℃ ↑1H−NMRスペクトル(CDCl↓3) δ 0.70(s,3H),1.00(s,3H),1.0
3(d,J=6.59Hz,3H),1.19(s,3
H),3.46−3.57(m,1H),5.31−
5.43(m,3H) ↑13C−NMRスペクトル(CDCl↓3) δ 12.1,19.4,20.7,21.1,24.3,
28.8,29.0,31.6,31.9,36.5,
37.2,39.7,40.3,42.3,46.8,
50.1,55.6,56.8,70.5,71.8,
121.6,122.5,140.7,141.9
【0082】参考例12 参考例8において、トランス−1−ヨード−4−(1−
エトキシエトキシ)−4−メチル−1−ペンテンに代え
てシス−1−ヨード−4−(1−メトキシメトキシ)−
4−メチル−1−ペンテンを用いた以外は同様に反応お
よび分離精製を行うことにより、25−(1−メトキシ
メトキシ)−3−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)
コレスタ−5,22Z−ジエン−20−オールを304
mg得た。
【0083】参考例13 参考例9において、25−(1−エトキシエトキシ)−
3−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)コレスタ−
5,22E−ジエン−20−オールに代えて25−(1
−メトキシメトキシ)−3−(t−ブチルジメチルシリ
ルオキシ)コレスタ−5,22Z−ジエン−20−オー
ルを用いた以外は同様に反応および分離精製を行うこと
により、(20S)−25−(1−メトキシメトキシ)
−3−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)コレスタ−
5,22Z−ジエン−20−イルメチルカーボネートを
359.4mg得た。
【0084】実施例7 アルゴン雰囲気下、ベンゼン3ml中でパラジウムアセ
チルアセトナート38.1mgとトリブチルホスフィン
0.03mlとを混合することによりパラジウム触媒の
黄色溶液を調製した。次いで、触媒溶液にギ酸1.25
mmolおよびトリエチルアミン1.25mmolの混
合物を加えたのち、参考例13で得られた(20S)−
25−(1−メトキシメトキシ)−3−(t−ブチルジ
メチルシリルオキシ)コレスタ−5,22Z−ジエン−
20−イル メチルカーボネート359mgをベンゼン
2mlに溶解して得られた溶液を加え、室温で2.5時
間撹拌した。反応液をヘキサン40mlで希釈したの
ち、水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に
濃縮することにより、(20R)−25−(1−メトキ
シメトキシ)−3−(t−ブチルジメチルシリルオキ
シ)コレスタ−5,22E−ジエンを得た。得られた
(20R)−25−(1−メトキシメトキシ)−3−
(t−ブチルジメチルシリルオキシ)コレスタ−5,2
2E−ジエンを酢酸3mlに溶解し、得られた溶液に2
N硫酸0.2mlを加え、室温で3時間撹拌した。反応
液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗し
たのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮
することにより、(20R)−3−(t−ブチルジメチ
ルシリルオキシ)コレスタ−5,22E−ジエン−25
−オ−ルを得た。得られた(20R)−3−(t−ブチ
ルジメチルシリルオキシ)コレスタ−5,22E−ジエ
ン−25−オ−ルをテトラヒドロフラン10mlに溶解
し、得られた溶液にテトラブチルアンモニウムフルオリ
ドのテトラヒドロフラン溶液(1M)1.5mlを加
え、室温で2時間撹拌した。反応液を塩化メチレンで希
釈し、水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥したのち、
減圧下に濃縮することにより、(20R)−コレスタ−
5,22E−ジエン−3,25−ジオールを250mg
得た。
【0085】参考例14 (E)−3,4−ジメチル−1−ヨード−1−ペンテン
416mgをジエチルエーテル5mlに溶解して得られ
た溶液に、−78℃でt−ブチルリチウムのペンタン溶
液(1.5M)2.3mlを滴下した。反応液を同温度
で2時間攪拌したのち、該反応液に1−アセチル−4−
(2−(3−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−2
−メチレンビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−イ
ル)−2−メトキシエチリデン)−2,3,3a,4,
5,6,7,7a−オクタヒドロ−7a−メチルインデ
ン682mgをテトラヒドロフラン10mlに溶解して
得られた溶液を滴下した。1時間攪拌したあと、反応液
にクロロギ酸メチル0.3mlを滴下し、室温で一夜攪
拌した。反応液に重曹水を加え、酢酸エチルで抽出し、
抽出液を重曹水で洗浄し、減圧下に濃縮することによ
り、下記の物性を有する(2S,3E)−5,6−ジメ
チル−2−(4−(2−(3−(t−ブチルジメチルシ
リルオキシ)−2−メチレンビシクロ[3.1.0]ヘ
キサン−1−イル)−2−メトキシエチリデン)−2,
3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7a
−メチルインデン−1−イル)−2−メトキシカルボニ
ルオキシ−3−ヘプテンを1.04g得た。 FD質量スペクトル [M]↑+ 614
【0086】実施例8 アルゴン雰囲気下、ベンゼン3ml中で酢酸パラジウム
0.1mmolとトリブチルホスフィン0.1mmol
とを混合することにより、パラジウム触媒の黄色溶液を
調製した。次いで、触媒溶液にギ酸5mmolおよびト
リエチルアミン5mmolをベンゼン5mlに溶解した
溶液を加え、さらに参考例14で得られた(2S,3
E)−5,6−ジメチル−2−(4−(2−(3−(t
−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−メチレンビシク
ロ[3.1.0]ヘキサン−1−イル)−2−メトキシ
エチリデン)−2,3,3a,4,5,6,7,7a−
オクタヒドロ−7a−メチルインデン−1−イル)−2
−メトキシカルボニルオキシ−3−ヘプテン614mg
を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に水40mlを
加え、ペンタンで抽出した。抽出液を乾燥したのち濃縮
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製することにより、下記の物性を有する(2S
3E)−5,6−ジメチル−2−(4−(2−(3−
(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−メチレンビ
シクロ[3.1.0]ヘキサン−1−イル)−2−メト
キシエチリデン)−2,3,3a,4,5,6,7,7
a−オクタヒドロ−7a−メチルインデン−1−イル)
−3−ヘプテンを464mg得た(収率86%)。 FD質量スペクトル [M]↑+ 540
【0087】実施例9 実施例1において、トリブチルホスフィン0.025m
lの代わりにトリフェニルホスフィン26.2mgを用
いた以外は実施例1と同様に反応および分離精製を行う
ことにより、(20R,22E)−3,26−ジ(t−
ブチルジメチルシリルオキシ)−27−ノルコレスタ−
5,22−ジエンを288mg得た。
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、生理活性を有するステ
ロイドの合成中間体として有用な、光学活性なオレフィ
ンを高収率かつ高選択的に合成することができる。ま
た、本発明は水銀などの有害物質を試薬として使用しな
いことから、工業的製法として有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 68/06 C07C 68/06 Z 69/96 69/96 Z 401/00 401/00 C07J 3/00 C07J 3/00 9/00 9/00 75/00 75/00 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07F 7/18 C07F 7/18 A (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07B 53/00 B01J 31/24 C07B 31/00 C07C 1/213 C07C 13/47 C07C 68/06 C07C 69/96 C07C 401/00 C07J 3/00 C07J 9/00 C07J 75/00 C07B 61/00 300

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(II−a) 【化1】 (式中、R↑1 は有機基(ただし、パラジウムによって
    触媒されるギ酸との反応の基質となる官能基を除く)
    表し、R↑2 は水素原子、アルコキシ基、アルケニルオ
    キシ基または置換されていてもよいアラルキルオキシ基
    を表し、R↑10は低級アルキル基を表し、R↑11は水素
    原子または低級アルキル基を表し、R↑31、R↑32、R
    ↑41、R↑42、R↑51、R↑52、R↑61、R↑62、R↑
    71、R↑72、R↑81、R↑82、R↑91およびR↑92はそ
    れぞれ水素原子、保護されていてもよい水酸基または有
    機基を表し、R↑11、R↑31、R↑32、R↑41、R↑4
    2、R↑51、R↑52、R↑61、R↑62、R↑71、R↑7
    2、R↑81、R↑82、R↑91およびR↑92はそれぞれそ
    れらが結合している炭素原子に隣接する炭素原子上の置
    換基と一緒になって炭素−炭素結合を形成してもよく、
    同一炭素原子上の置換基の対:R↑31およびR↑32、R
    ↑41およびR↑42、R↑51およびR↑52、R↑61および
    R↑62、R↑71およびR↑72、R↑81およびR↑82、な
    らびにR↑91およびR↑92はそれぞれ一緒になって保護
    されていてもよいオキソ基または置換基を有していても
    よいメチレン基を形成してもよく、またR↑61、R↑6
    2、R↑71およびR↑72はそれらが結合している炭素原
    子と一緒になって環を形成してもよく、mは0または1
    を表す。)で示されるエステル誘導体に、パラジウム塩
    および第三級ホスフィンからなる触媒の存在下、ギ酸ま
    たはその塩を作用させることを特徴とする一般式(I−
    a) 【化2】 (式中、R↑1 、R↑10、R↑11、R↑31、R↑32、R
    ↑41、R↑42、R↑51、R↑52、R↑61、R↑62、R↑
    71、R↑72、R↑81、R↑82、R↑91、R↑92およびm
    は前記定義のとおりである。)で示されるオレフィンの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(II−b) 【化3】 (式中、R↑1 は有機基(ただし、パラジウムによって
    触媒されるギ酸との反応の基質となる官能基を除く)
    表し、R↑2 は水素原子、アルコキシ基、アルケニルオ
    キシ基または置換されていてもよいアラルキルオキシ基
    を表し、R↑10は低級アルキル基を表し、R↑11は水素
    原子または低級アルキル基を表し、R↑31、R↑32、R
    ↑41、R↑42、R↑51、R↑52、R↑61、R↑62、R↑
    71、R↑72、R↑81、R↑82、R↑91およびR↑92はそ
    れぞれ水素原子、保護されていてもよい水酸基または有
    機基を表し、R↑11、R↑31、R↑32、R↑41、R↑4
    2、R↑51、R↑52、R↑61、R↑62、R↑71、R
    ↑72、R↑81、R↑82、R↑91およびR↑92はそれぞれ
    それらが結合している炭素原子に隣接する炭素原子上の
    置換基と一緒になって炭素−炭素結合を形成してもよ
    く、同一炭素原子上の置換基の対:R↑31およびR↑3
    2、R↑41およびR↑42、R↑51およびR↑52、R↑61
    およびR↑62、R↑71およびR↑72、R↑81およびR↑
    82、ならびにR↑91およびR↑92はそれぞれ一緒になっ
    て保護されていてもよいオキソ基または置換基を有して
    いてもよいメチレン基を形成してもよく、またR↑61、
    R↑62、R↑71およびR↑72はそれらが結合している炭
    素原子と一緒になって環を形成してもよく、mは0また
    は1を表す。)で示されるエステル誘導体に、パラジウ
    ム塩および第三級ホスフィンからなる触媒の存在下、ギ
    酸またはその塩を作用させることを特徴とする一般式
    (I−b) 【化4】 (式中、R↑1 、R↑10、R↑11、R↑31、R↑32、R
    ↑41、R↑42、R↑51、R↑52、R↑61、R↑62、R↑
    71、R↑72、R↑81、R↑82、R↑91、R↑92およびm
    は前記定義のとおりである。)で示されるオレフィンの
    製造方法。
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