JP3227028B2 - 優れた写真記録を生成するための要素及び方法 - Google Patents

優れた写真記録を生成するための要素及び方法

Info

Publication number
JP3227028B2
JP3227028B2 JP14994493A JP14994493A JP3227028B2 JP 3227028 B2 JP3227028 B2 JP 3227028B2 JP 14994493 A JP14994493 A JP 14994493A JP 14994493 A JP14994493 A JP 14994493A JP 3227028 B2 JP3227028 B2 JP 3227028B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
emulsion
layer
photographic
dye
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14994493A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0667373A (ja
Inventor
エドワード サットン ジェイムス
Original Assignee
イーストマン コダック カンパニー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by イーストマン コダック カンパニー filed Critical イーストマン コダック カンパニー
Publication of JPH0667373A publication Critical patent/JPH0667373A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3227028B2 publication Critical patent/JP3227028B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/005Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein
    • G03C1/46Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein having more than one photosensitive layer
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C7/00Multicolour photographic processes or agents therefor; Regeneration of such processing agents; Photosensitive materials for multicolour processes
    • G03C7/30Colour processes using colour-coupling substances; Materials therefor; Preparing or processing such materials
    • G03C7/3029Materials characterised by a specific arrangement of layers, e.g. unit layers, or layers having a specific function

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真要素
及びこれらの写真要素を用いた可視像の生成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】古典的な白黒写真では、透明フィルム支
持体上に塗工したハロゲン化銀乳剤層を含有する写真要
素を像様露光する。これにより、乳剤層内に潜像が生成
する。次に、このフィルムを写真処理して、潜像を撮影
被写体のネガ像である銀像に変換する。得られた処理写
真要素(一般的に、「ネガ(negative)」と称
する)を、均一露光源と、白色紙支持体上にハロゲン化
銀乳剤層を塗工した第二写真要素(一般的に、「写真印
画紙(photographic paper)」と称
する)との間に配置する。ネガを介して写真印画紙の乳
剤層を露光することにより、写真印画紙に、最初に撮影
した被写体のポジ像である潜像が生成される。写真印画
紙を写真処理することにより、ポジ銀像が生成される。
像を坦持している写真印画紙は、一般的に、印画(pr
int)と呼ばれる。
【0003】古典的な白黒写真の良く知られている別の
態様においては、直接ポジ乳剤を用いることができる
が、この方法はあまり一般的ではない。直接ポジ乳剤
は、処理で生成される第一像がポジ銀像であり、可視ポ
ジ像を得るのに焼込みの必要がないので、このように呼
ばれている。一般的にインスタント写真と呼ばれている
別の周知の態様では、銀イオンを受像体の物理的現像部
位に像様転写して、可視転写銀像を生成している。
【0004】古典的なカラー写真では、写真フィルム
は、青色光(即ち、青色)露光に相当する潜像を形成す
るハロゲン化銀乳剤層単位と、緑色露光に相当する潜像
を形成するためのハロゲン化銀乳剤層単位と、赤色露光
に相当する潜像を形成するためのハロゲン化銀乳剤層単
位の3層のハロゲン化銀乳剤層単位を重畳して含んでい
る。写真処理中に、補色減法混色の原色、即ち、イエロ
ー、マゼンタ及びシアンの色素像である写真処理色素像
が、青色記録乳剤層、緑色記録乳剤層及び赤色記録乳剤
層にそれぞれ形成される。これにより、ネガ色素像(即
ち、青色、緑色及び赤色の被写体の特徴が、それぞれイ
エロー、マゼンタ及びシアンに表れる)が生成される。
カラーネガを介してカラー印画紙を露光後、写真処理す
ることにより、ポジカラー印画が生成される。
【0005】古典的なカラー写真の一般的な別の一態様
では、反転処理を行って、カラーフィルムにポジ色素像
を生成する(一般的に「スライド(slide)」と称
するもので、この像は、典型的には、映写により見られ
る)。カラー像転写又はインスタント写真と称される別
の一般的な態様では、像色素を、受像体に転写して像を
見る。
【0006】上記した写真の各古典的態様では、最終像
を、人間の目で見ることを意図している。したがって、
故意に美観を変更することなしに見える像が被写体像と
一致しているかどうかが、写真として成功したかどうか
の基準となる。
【0007】コンピュータ制御データ処理ができるよう
になるとともに、可視像に直接処理する代わりに像様露
光した写真要素に含まれている情報を抽出することに対
する関心が生じた。現在では、走査により、白黒像とカ
ラー像の両方に含まれている情報を抽出することが一般
的である。白黒ネガを走査する最も一般的な手法は、現
像銀に依存して光線が変調される近赤外光線の透過度を
点ごとか線ごとに記録することである。カラー写真で
は、青色走査光線、緑色走査光線及び赤色走査光線が、
イエロー像色素、マゼンタ像色素及びシアン像色素によ
り変調される。別のカラー走査法では、青色走査光線
と、緑色走査光線と、赤色走査光線とを結合させて、色
素像により変調される単一の白色走査光線とし、それを
赤色フィルムと、緑色フィルムと、青色フィルムとを介
して読み取って、3つの別個の記録としている。像色素
変調により生成される記録は、次に、いずれかの適当な
記憶媒体(例えば、光学ディスク)に読み取られる。像
色素を記憶装置に読み取ることの利点は、情報が、写真
の従来の態様で見られるような制約がない形態にあるこ
とである。例えば、全ての実用的用途に関して、写真像
の経時的劣化をなくすことができる。写真要素では制御
・可逆法で達成するのがめんどうであるか不可能であろ
う像情報の系統的操作(例えば、像反転、色相変更等)
が、容易に達成される。記憶された情報は、記憶装置か
ら検索して、自由に写真ネガ、スライド又はプリントと
して像を再生できる。また、像は、ビデオディスプレイ
で見るか、古典的な写真の範囲を超えた種々の手法、例
えば、ゼログラフィー、インクジェット印刷、色素拡散
印刷等により印刷することもできる。
【0008】具体的従来技術としては、ハント(Hun
t)による英国特許第1,458,370号;ヘルミグ
(Hellmig)による米国特許第3,846,13
5号;イーレス(Eeles)等による米国特許第4,
184,876号;及びコフロン(Kofron)等に
よる米国特許第4,439,520号が挙げられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明以前のハロゲン
化銀写真の大きな制約の一つは、スペクトルの同じ領域
の露光を記録する全てのハロゲン化銀乳剤層は、また、
スペクトルの同じ領域で像を生成する必要があることで
あった。像の色相は露光のスペクトル領域に一致しなけ
ればならないので、このことは、古典的なハロゲン化銀
写真の操作で像を再生して見るには必須である。この場
合、乳剤層においてスペクトル的に区別のできないレコ
ーダーの場合には、像品質を最高に最適化することがで
きないことが問題である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体と、ス
ペクトルの同じ領域内の露光を記録するための限界感度
が異なる少なくとも2層のハロゲン化銀乳剤層を含んで
なる写真要素であって、前記の少なくとも2層のハロゲ
ン化銀乳剤層の各々が、像様露光及び処理により、スペ
クトル的に区別できる可視画像を生成するための異なる
像供与物質を含有し、前記可視画像は、個々に走査し
て、改良された複合画像を得ることができることを特徴
とする写真要素を提供する。本発明においては、スペク
トルの同じ領域内で露光を記録するのに使用される限界
感度レベルが異なるハロゲン化銀乳剤層にスペクトル的
に区別できる像を形成することにより、優れた像形成能
を得ることができることが分かった。少なくとも2種の
スペクトル的に区別できる像を生成することにより、乳
剤層のうちの一つにおいて選択された露光範囲において
優れた記録を形成し、そして可視像を形成するのにこの
記録を優先的に使用することが可能である。
【0011】本発明の一実施態様によれば、支持体と、
スペクトルの同じ領域内の露光を記録するための限界感
度が異なる少なくとも2層のハロゲン化銀乳剤層を含ん
でなる写真要素であって、(a)異なる限界感度を有す
る乳剤層の少なくとも一つが、選択された範囲の露光レ
ベル内で少なくとも1種の写真特性において優れている
画像を記録でき、そして(b)前記の限界感度の異なる
乳剤層が、像様露光及び処理によりスペクトル的に区別
できる画像を生成するための画像供与物質を含有してい
ることを特徴とする写真要素が提供される。本発明は、
また支持体と、スペクトルの同じ領域内の露光を記録す
るための限界感度が異なる少なくとも2層のハロゲン化
銀乳剤層を含んでなり、前記の少なくとも2層のハロゲ
ン化銀乳剤層の各々が、像様露光及び処理により、スペ
クトル的に区別できる可視画像を生成するための異なる
像供与物質を含有する、像様露光した写真要素を、写真
処理してスペクトル的に区別できる可視画像を生成し、
そして前記可視画像を走査して得られた像情報を、改良
された複合画像の作成に用いることを含む可視写真画像
の生成方法を提供する。
【0012】本発明の別の態様によれば、(a)同じス
ペクトル領域内で記録でき、そして限界感度が異なる少
なくとも2層のハロゲン化銀乳剤層を含有する像様露光
した写真要素を写真処理して写真像を生成し、(b)像
様露光した写真要素を写真処理して写真像を生成し、そ
して(c)前記写真像を用いて可視像を生成することを
包含する可視写真像の生成方法であって、(i)スペク
トル的に区別のできる像が処理中に異なる限界感度の乳
剤層により生成し、(ii)限界感度が異なる乳剤層の
少なくとも一層により、選択された範囲の露光レベル内
で写真学的に優れた像を生成し、(iii)限界感度の
異なる乳剤層から別個の像記録が得、そして(iv)写
真学的に優れた像に相当する像記録を、可視像の生成に
優先して用いることを特徴とする可視写真像の生成方法
が提供される。
【0013】本発明は、各々スペクトルの同じ領域内の
像様露光を記録できる少なくとも2層のハロゲン化銀乳
剤層を含む写真要素を用いて、優れた可視像を得ること
を意図している。
【0014】本発明の基本的な特徴は、構成Iを満足す
る本発明による写真要素を参照することにより理解する
ことができる。
【0015】 ──────────── 第一ハロゲン化銀乳剤層 ──────────── 第二ハロゲン化銀乳剤層 ──────────── 写真支持体 ────────────構成I
【0016】第一ハロゲン化銀乳剤層及び第二ハロゲン
化銀乳剤層は、スペクトルの同じ領域内の像様露光に応
答して潜像を形成することのできるいずれかの適当な従
来の形態をとることができる。できる限り単純な形態で
は、第一乳剤層及び第二乳剤層は、同じハロゲン化銀粒
子を含有するか、ハロゲン化銀を組み合わせて含有し、
そしてスペクトルの同じ領域に対する固有の感度に依存
する。固有スペクトル(分光)感度に依存させる代わり
に、乳剤層は、感度をスペクトルの所望の領域に延長及
び/又は固有感度の領域内で感度を増加させる一種以上
のスペクトル(分光)増感色素を含有できる。露光中の
潜像形成が、露光輻射線の固有ハロゲン化銀吸収ではな
くスペクトル増感色素に依存する程度までは、乳剤層
は、いずれのハロゲン化銀を組み合わせたもので形成し
てもよい。さらに、第一乳剤層と第二乳剤層が同じスペ
クトル領域に対する露光を記録できる限りは、各乳剤層
について、同じハロゲン化銀及び/又は同じスペクトル
増感色素を選択するかどうか重要ではない。
【0017】同じスペクトル領域に対する露光を記録で
きる第一乳剤層と第二乳剤層としては、例えば、両方が
青色(400〜500nm)光に対する露光により潜像
を形成できるか、両方が緑色(500〜600nm)光
に対する露光により潜像を形成できるか、両方が赤色
(600〜700nm)光に対する露光により潜像を形
成できるか、両方が青色光及び緑色光に対する露光によ
る潜像を形成できる(即ち、両方の乳剤層が整色的増感
されている(orthochromatically
sensitized))か、両方が青色光、緑色光及
び赤色光に対する露光による潜像を形成できる(即ち、
両方の乳剤層が全整色的増感されている(panchr
omatically sensitized))第一
乳剤層と第二乳剤層が挙げられる。第一乳剤層と第二乳
剤層のスペクトル感度は、ピーク感度の差が、50nm
未満、最適には25nm未満であることが好ましい。
【0018】第一ハロゲン化銀乳剤層と第二ハロゲン化
銀乳剤層は、有意の限界感度差を有していなければなら
ない。乳剤層の限界感度とは、露光なしで観察される濃
度レベルとは有意に異なる濃度が処理後に付与される露
光量レベルである。ネガ形乳剤の場合、限界感度は、最
小濃度(Dmin)よりも高い可測濃度を生じる最初の
露光量増分に位置しており、直接ポジ乳剤の場合には、
限界感度は、最大濃度(Dmax)よりも低い可測濃度
を生じる最初の露光量増分に位置している。
【0019】第一乳剤層の限界感度と第二乳剤層の限界
感度との差は、実用的用途の場合、写真感度の差と同じ
であり、したがって、以下これらの2つの用語は、同意
語的に使用する。2つの乳剤層の写真感度差は、別個に
塗工し、同様に露光及び処理したときの写真感度の差と
して簡便に測定できる。ネガ形乳剤層の写真感度は、通
常、特性曲線の足近くの選択された濃度(典型的には、
Dmin(カブリ)よりも0.1高い濃度かその付近の
濃度)を生じさせるのに必要な露光量として定義され
る。直接ポジ乳剤の写真感度は、Dmaxよりも少なく
とも0.2低い選択された濃度を生じさせるのに必要な
露光量として定義される。この選択された濃度は、中間
スケール濃度であることが多い:
【0020】 〔(Dmax−Dmin)÷2〕+Dmin
【0021】第一層と第二層は、限界感度差が少なくと
も1/2ストップ(0.15logE)(但し、Eは、
露光量(単位:ルクス・秒)を表す)、好ましくは少な
くとも1ストップであることが一般的に好ましい。
【0022】第一乳剤層と第二乳剤層との最大許容限界
感度差は、写真感度がより高い乳剤層の露光寛容度(限
界感度での露光量と、最大感度かそれ近い感度での露光
量との差)に依存する。当該技術分野において一般的に
理解されているように、2つの乳剤層は、一緒に、露光
量の増加とともに濃度が連続的に増加する複合特性曲線
を生じるものでなければならない。この効果を実現する
ためには、次に低感度の乳剤層の限界感度が、最大感度
の乳剤層の特性曲線の肩に到達するのに必要とする露光
レベルよりも高い露光レベルで生じなければならない。
デッカーソン(Dickerson)等による米国特許
第5,108,881号(ここに開示されている内容は
引用することにより本明細書の内容となる)は、内型像
色素供与化合物の不存在は別としては、本発明の像形成
要件を満足することのできる乳剤層の組み合わせを示し
ている。より高い感度の乳剤層は、残りの乳剤層の限界
感度よりも最大2.0logE高い限界感度を示す。一
般的であるカラー像形成用途や白黒像形成用途の場合で
は、第一乳剤層と第二乳剤層の好ましい限界感度レベル
の差は、1/2ストップ〜2ストップの範囲である。
【0023】少なくとも1/2ストップの限界感度差を
得るには、2つの乳剤層を異なる構成とする必要があ
る。写真感度を増加するのにほとんど例外なく用いられ
ている手法は、化学増感を用いることである。例えば、
一つの乳剤層を化学増感して他の乳剤層を化学増感しな
いことにより、一つの乳剤層の限界感度を他の乳剤層の
限界感度に対して増加することが可能である。一つの乳
剤層の限界感度を別の乳剤層の限界感度との関係で増加
させる別の手法は、より高感度の乳剤層に、より効率的
なハロゲン化物(例えば、臭化銀や塩化銀に対して臭二
ヨウ化銀)粒子を含有せしめることである。さらに別の
手法は、一つの乳剤層の粒子の平均等価円直径(EC
D)を増加させて、一つの乳剤層の写真感度を別の乳剤
層に対して増加させることである。
【0024】最も好ましい写真感度−粒状度の関係(S
N比)を得るには、第一乳剤層と第二乳剤層の両方が、
実質的に最適増感されることが好ましい。この場合、乳
剤層の限界写真感度の差は、乳剤層の粒子の平均ECD
の差に起因する。最小平均粒子サイズ(ECD)を有す
る各乳剤層から最大写真感度を得ることにより、最高の
SN比を実現できる。
【0025】構成Iの写真要素が従来技術の写真要素か
ら区別される特徴は、第一乳剤層と第二乳剤層が、スペ
クトルの同じ領域で像様露光を記録するが、スペクトル
的に区別できる増感を生成することである。最も単純な
好ましい形態では、各乳剤層は、処理により、異なる色
素像を生じる、即ち、第一乳剤層と第二乳剤層において
別個の像を形成している色素の吸収が同一の広がりを持
たない。例えば、もし色素像の一つがスペクトルの青色
部か、緑色部か、赤色部か、近赤外部(700〜150
0nm)でピーク吸収を示すならば、残りの色素像は、
スペクトルのいずれかの適当な残りの領域でピーク吸収
を示すことが好ましい。従来の写真像形成色素は比較的
狭い吸収曲線を有しており、中間最大吸収幅(以下、
「中間ピーク吸収帯」と称する)が、典型的には、10
0nmよりも十分に低い。第一乳剤層と第二乳剤層にお
ける色素像は、中間ピーク吸収バンドが重ならないこと
が好ましい。
【0026】構成Iを像様露光し、通常の方法で写真処
理するとき、一つは第一乳剤層における色素像でもう一
つは第二乳剤層における色素像である2つのスペクトル
的に区別できる色素像を生成できる。処理後に、最初に
色素像の一つにより吸収される波長を有する光線で構成
Iを走査して光線の変調を記録し、次に、残りの色素像
により吸収される波長を有する第二光線で走査工程を反
復することにより、第一乳剤層と第二乳剤層の各々に存
在する像に相当する2つの別個の像記録を得ることがで
きる。また、2つの光線を結合して構成Iの単一走査を
行うこともできる。この例においては、構成Iによる変
調後、光線を分離し、各半分の光線を、色素像の一つに
より変調される光線の部分のみを透過するように選択さ
れたフィルターを通過させる。
【0027】変調された光線に含まれている情報は、捕
獲されて、構成Iの露光の2つの別個の記録を形成す
る。スペクトルの同じ領域に対する2層以上の乳剤層の
像形成についての寄与成分の分解できない複合物である
単一像を生成する古典的な写真とは対象的に、構成Iを
走査することにより、第一乳剤層と第二乳剤層の各々の
像形成寄与成分を別個に捕獲することができる。第一乳
剤層の限界感度と第二乳剤層の限界感度とは異なるけれ
ども、露光量の増加とともに総像濃度が連続的に増加す
る要件は、実際問題として、少なくとも一つの露光範囲
内で、第一乳剤層と第二乳剤層の両方が像情報を提供し
ている必要があることを示している。一般的に可能な像
形成露光範囲をカバーする露光の2つの別個な記録の場
合、可視像を再生するのに写真学的に優れた像記録を優
先的に用いることが可能となる。例えば、第一乳剤層と
第二乳剤層の限界感度の差を、平均ECDがより大きな
粒子構造体を一方の乳剤層に用いて写真感度を増加させ
ることにより生じさせるとともに、写真において重要性
が増しているのはSN比を増加させることであるとする
と、2つの有用な写真記録が得られる露光範囲におい
て、より低い平均粒子ECD乳剤(即ち、より小さい粒
状度を示す乳剤層)により提供される情報を選択するこ
とにより、よりよいSN比を得ることができる。一方、
もし目的が像の鮮鋭さを増加させることであるならば、
2つの露光記録が得られる露光範囲内で2層の乳剤層に
より提供される像記録において、可視像を生成するのに
選択される記録は、露光輻射線源に最も近い乳剤層(し
たがって、最も高度にスペキュラな(specula
r)露光輻射線を受光する層)により提供される記録で
ある。
【0028】可視像を生成するには、2つの露光記録を
結合して優れた複合記録を形成する。作成される各画素
で、一つか二つの像記録を選択するのがよい。もし画素
が両方の乳剤層の像形成限界値未満に露光されると、像
が生成される媒体と、ポジ像が生成されるかネガ像が生
成されるかによって、最大像形成信号か最小像形成信号
が提供される。一方の乳剤層の限界感度よりも高いが残
りの乳剤層の限界感度よりも低い露光範囲において、一
つの画像記録のみが得られる。残りの乳剤層の像形成限
界値を超えると、2つの像記録が生成する。2つの記録
のうちの優れているのを専ら像発生について選択する
か、より優れている像記録を組み合わせで優先して2つ
の像記録を結合することができる。その結果、得られる
可視像は、生成された像が単一源に由来する像形成情報
を有するものよりも写真の面から優れている。
【0029】上記で説明した構成Iを用いた優れた像の
生成は、本発明の数多くの異なる態様のうちの一つを述
べたにすぎず、本発明の範囲とさらなる利点は、上記の
好ましい特徴と実施態様の記載を参照し、特にそれらに
匹敵する従来の写真要素及びプロセスと比較することに
よりよりよく理解することができる。
【0030】スペクトルの同じ領域内の露光を記録する
ための異なる限界感度の乳剤層は、通常のハロゲン化銀
乳剤又はハロゲン化銀乳剤の配合物から形成できる。乳
剤は、ネガ形乳剤が好ましく、ネガ形臭ヨウ化銀乳剤が
特に好ましい。色素像の要件は、各乳剤層に異なる色素
形成カプラーを含有せしめることにより満足させること
が好ましい。しかしながら、本発明は、一般的に、ポジ
形ハロゲン化銀乳剤とネガ形ハロゲン化銀乳剤の両方に
適用でき、そして色素像を形成するための全範囲にわた
る従来の手法に適用できる。1989年12月に発行さ
れたリサーチ・ディスクロージャー(Research
Disclosure)、アイテム308119(こ
こに引用されている全てのセクションは引用することに
より本明細書の内容となる)には、セクションIでは、
従来の乳剤粒子の概要が記載されており、セクションI
Xでは、乳剤層及び他の処理液透過性層で用いられるビ
ヒクル及びビヒクルエクステンダーの概要が記載されて
おり、セクションIIでは、化学増感について記載され
ており、セクションIIIでは、スペクトル増感につい
て記載されており、そしてセクションVIIでは、数多
くの種類の従来の色素像供与物質について記載されてい
る。リサーチ・ディスクロージャーは、英国P010
7DDハンプシャー州エムスワースにあるケンネス・マ
ソン・パブリケーションズ・リミテッド(Kennet
h Mason Publications,Lt
d.)から発行されている。構成Iにおける写真支持体
は、いずれかの通常の透明又は反射支持体の形態をとる
ことができる。構成1に他の通常の写真要素の特徴、例
えば、セクションVIに概要が記載されているカブリ防
止剤及び安定化剤、セクションXに概要が記載されてい
る硬膜剤、セクションXIIに概要が記載されている可
塑剤及び滑剤、セクションXIIIに概要が記載されて
いる帯電防止層及びセクションXVIに概要が記載され
ているつや消し剤の一種以上を含めることは、当該技術
分野で用いられている通常の方法に準じて行うことがで
き、詳細な説明を要しない。
【0031】本発明の方法の第一工程は、像様露光した
後の構成Iを写真処理して第一乳剤層と第二乳剤層に別
個の色素像を生成することである。ハロゲン化銀写真に
おいて通常用いられている適当なカラー処理で行っても
よい。本発明を実施するのに特に適しているカラー写真
要素の通常の写真処理としては、リサーチ・ディスクロ
ージャー、アイテム308119、セクションXIX、
特にサブセクションFに記載されているカラーネガティ
ブ処理が挙げられる。像反転は、像情報が写真要素から
抽出された後コンピュータで容易に行うことができるの
で、像反転を用いた複雑な処理を行う必要性は、あった
としてもほとんどない。典型的順序で行う工程では、色
素像を生成するための現像、現像の停止、未現像ハロゲ
ン化銀を除去するための定着、及び現像銀の漂白が含ま
れる。通常、連続した処理工程間に洗浄を介在させる。
【0032】写真要素が、走査に先立って又は走査中
に、望ましくない後現像焼き出し(ハロゲン化銀の銀へ
の輻射線誘導還元)から保護される場合には、定着は省
略することができる。もし写真要素が、写真処理され、
焼き出しを避ける条件化下で走査された後、捨てられる
場合には、定着を省略して処理を簡素化できる。これに
関して、これらの写真要素は、スペクトル感度からはず
れたスペクトル領域で走査できることがとりわけ注目さ
れるべき点である。これは、古典的なカラー写真の要件
とは対照的に、像形成色素によるピーク吸収のスペクト
ル領域は、処理される乳剤層のスペクトル感度とは全く
無関係に選択できるためである。例えば、緑色増感ハロ
ゲン化銀乳剤層の通常の最大像色素吸収も緑である(即
ち、色素は、典型的には、マゼンタ色素である)が、本
発明においては、像色素は、近紫外〜近赤外のスペクト
ルのいずれの所望の領域においてもピーク吸収を示すこ
とができる。もし2種の乳剤層のいずれにおいても像色
素のピーク吸収が乳剤感度のスペクトル領域内であるな
らば、定着工程を省略して、焼き出しの恐れなしに容易
に走査を行うことができる。
【0033】走査については、上記した要件を満足する
通常の走査手法を用いることができ、何ら詳細な説明を
要しない。上記した各々の波長範囲内で写真要素を順次
走査するか、異なる波長を一つの光線に結合し、光線の
異なる部分を、形成することが求められている像濃度に
相当するスペクトル領域範囲内のみが通過できる別個の
フィルターを通過させることにより結合した光線を別個
の像色素濃度記録に分解することができる。走査するた
めの簡単な手法としては、写真処理した構成Iを、一連
の横方向にずらした平行走査経路に沿って点ごとに走査
することが挙げられる。写真支持体が透明であるときに
は(好ましい態様)、走査点で写真要素を通過している
光の強度は、受けた輻射線を電気信号に変換するセンサ
ーによって示すことができる。また、写真支持体は、反
射性で、検出された信号を支持体から反射するものであ
ってもよい。電気信号は、アナログ・ディジタル変換器
を通過させ、像内の画素配置に必要とされる位置情報と
一緒にディジタルコンピュータの記憶装置に送られる。
走査のために選択される波長を除いて、逐次像濃度走査
(もしこれを用いる場合)は、最初と同一であることが
できる。
【0034】走査によって抽出される情報からの像の生
成において直面する問題の一つは、見るのに有効な情報
の画素数が、それに匹敵する古典的な写真印画から得ら
れる画素数の何分の一でしかないことである。したがっ
て、得られる像情報の品質をできるかぎり高くすること
が走査画像形成にさらに重要となる。像の鮮鋭さを高め
異常な画素信号(即ち、ノイズ)の影響を最小限に抑え
ることが、画質を高めるのに一般的な手法である。異常
な画素信号の影響を最小限に抑える通常の手法は、隣接
画素からの読み取り値で因数分解することにより、各画
素濃度の読み取り値を加重平均値に調整することである
(より近くに隣接している画素に対してより重きを置
く)。本発明を逐点走査の観点から説明したが、画質向
上に関する従来の手法も使用できることは理解できると
ころである。像記録の品質を最高のものとするための手
法を含むこのような走査信号操作の具体的なシステム
は、バイエル(Bayer)による米国特許第4,55
3,165号、ウラベ(Urabe)等による米国特許
第4,591,923号、佐々木等による米国特許第
4,631,578号、アルコファ(Alkofer)
による米国特許第4,654,722号、山田等による
米国特許第4,670,793号、クリース(Klee
s)による米国特許第4,694,342号、ポウエル
(Powell)による米国特許第4,805,031
号、メイン(Mayne)等による米国特許第4,82
9,370号、アブダルワハブ(Abdulwaha
b)による米国特許第4,839,721号、マツナワ
(Matsunawa)等による米国特許第4,84
1,361号及び第4,937,662号、ミズコシ
(Mizukoshi)等による米国特許第4,89
1,713号、ペチリ(Petilli)による米国特
許第4,912,569号、サリバン(Sulliva
n)等による米国特許第4,920,501号、キモト
(Kimoto)等による米国特許第4,929,97
9号、クリース(Klees)による米国特許第4,9
62,542号、ヒロサワ(Hirosawa)等によ
る米国特許第4,972,256号、カプラン(Kap
lan)による米国特許第4,977,521号、サカ
イ(Sakai)による米国特許第4,979,027
号、エヌジー(Ng)による米国特許第5,003,4
94号、カタヤマ(Katayama)等による米国特
許第5,008,950号、キムラ(Kimura)等
による米国特許第5,065,255号、オサム(Os
amu)等による米国特許第5,051,842号、リ
ー(Lee)等による米国特許第5,012,333
号、サリバン等による米国特許第5,070,413
号、バウアース(Bowers)等による米国特許第
5,107,346号、テレ(Telle)による米国
特許第5,105,266号、マクドナルド(MacD
onald)等による米国特許第5,105,469号
及びクオン(Kwon)等による米国特許第5,08
1,692号に開示されている。これらに開示されてい
る内容は引用することにより本明細書の内容となる。
【0035】構成Iを、色素像を第一乳剤層と第二乳剤
層の各々に形成してスペクトル的に区別できる像を提供
する単純な構成の観点から上記で説明したが、第一乳剤
層と第二乳剤層にスペクトル的に区別できる像を生成す
るためには、処理で一方の乳剤層だけに色素像を形成す
る必要があり、残りの乳剤層における銀像は色素からス
ペクトル的に区別できるからである。一方の乳剤層に銀
像を保持するために、処理中の漂白工程を省略すること
が好ましい。これには、一つの像色素を省略することに
より写真要素の構成を簡素化するだけでなく、写真処理
を簡素化できる利点がある。
【0036】銀は、可視スペクトル全体及び近赤外に延
びている比較的均一な光学濃度を有することが知られて
いる。したがって、像色素が無視できる程度の吸収を示
すスペクトル領域において銀像を走査することが可能で
ある。しかしながら、写真要素に現像銀を保持するのに
起因する走査上の2つの問題がある。第一に、写真要素
に存在する銀は像色素が吸収する全てのスペクトル領域
で吸収を示すので、色素像を走査して色素像の単独の濃
度である濃度を得ることができない。第二に、漂白工程
を省略して必要とする銀像を一方の乳剤層に残す際に、
必要としないか望ましくない銀像も、像色素を含有する
乳剤層に残される。
【0037】N色素+銀記録と一つの銀のみの記録を含
有する本発明の写真要素から、N+1の独立した像記録
を得ることができる。構成I(但し、N=1)におい
て、写真要素は、像色素と銀が吸収を示す第一スペクト
ル領域と銀のみが吸収を示す第二スペクトル領域におけ
る漂白を行うことなく処理後に走査される。これによ
り、色素+銀像濃度記録と銀濃度記録の2つの別個の濃
度記録が生成される。色素+銀像濃度記録から銀濃度記
録を減じることにより、一つの露光記録を提供する色素
像記録が得られる。像色素濃度とそれに伴う銀の濃度と
の関係の実験的知識(単一乳剤層写真要素から容易にも
たらすこのできる情報)から、総銀濃度記録から像色素
含有層の銀濃度寄与分を減じることが可能である。これ
により、色素を含有しない乳剤層に存在する銀濃度のみ
の第二の独立した像記録が得られる。したがって、たと
え一方の乳剤層のみが色素像を形成するとしても、写真
要素から2つの独立した露光記録を得ることができる。
【0038】2つの独立した像記録を得るための上記し
た操作は、像色素の吸収がスペクトル的に区別できる限
りは乳剤層の全てが像色素を含有するときでも用いるこ
とができることは、注目に値する重要なことである。プ
ロセスにおける漂白はこの場合も省略でき、そして必要
に応じて、余分の像色素を走査して、残りの必要とする
走査から得られる情報の正確さをチェックすることがで
きる。
【0039】上記の構成Iは、本発明を実施するのに用
いられる最も単純な写真要素を示すために選択したが、
構成Iは、第一乳剤層と第二乳剤層に関して上記したの
と同様の関係を有する3層、4層、5層又はそれ以上の
乳剤層含むように拡大できる。各連続した層の場合、理
論的に可能な写真特性の増加は得られるが、これと、必
要とする層数と像色素数の観点からの構成の複雑さとは
バランスのとれたものでなければならない。
【0040】2層以上の像色素供与乳剤層を銀像のみを
生成する乳剤層と組み合わせて用いるときには、走査
が、顕著な吸収が現像銀のみに起因するスペクトル領域
だけでなく像色素の各々がピーク吸収を示すスペクトル
領域でも必要とされる。複数の濃度記録を別個の像記録
に分解する操作は、上記と同様である。
【0041】スペクトルの同じ領域における露光を記録
するための2〜5又はそれ以上の乳剤層は、存在する全
ての乳剤層である必要はない。必要に応じて、スペクト
ルの異なる領域に応答する追加の乳剤層を塗工できる。
実際に、限界感度が異なる1組、2組、3組又はそれ以
上の組の乳剤層(各組がスペクトルの同じ領域における
像様露光を記録することを意図している)を有すること
が好ましい。
【0042】本発明の説明において、便宜上、選択され
たスペクトル領域における吸収は一種の色素のみか一種
の色素と銀との組み合わせに起因するものと仮定する。
実際に、異なる像色素による吸収の重なりを避けるか最
小に抑えることが好ましい。2種以上の色素による顕著
な重複吸収が存在するときには、米国ニューヨークにあ
るマクミラン社から1977年に発行されたジェームス
著「ザ・セオリ・オブ・ホトグラフィック・プロセス
(The Theory of the Photog
raphic Process)」、第4版、チャプタ
ー18「センシトメトリー・オブ・カラー・フィルムズ
・アンド・ペ−パ−ズ(Sensitometry o
f Color Films and Paper
s)」、セクション3「デンシティ・メジャメンツ・オ
ブ・カラー・フィルム・イメージズ(Density
Measurements of Color Fil
m Images)」及びセクション4「デンシティ・
メジャメンツ・オブ・カラー・ペーパ・イメージズ(D
ensity Measurements of Co
lor Paper Images)」、第520頁〜
第529頁(ここに開示されている内容は引用すること
により本明細書の内容となる)に記載されている計算法
等の通常の計算法により、観察される濃度を、実際の個
々の色素濃度(通常「解析濃度(analytical
densities)」と称される)に換算する必要
がある。
【0043】以下に、本発明を用いることのできる具体
的な用途を示す。
【0044】白黒画像形成 白黒写真用の具体的な写真要素を構成IIにより示す。 ───────────── 高感度乳剤層 ───────────── 中間層#1 ───────────── 中感度乳剤層 ───────────── 中間層#2 ───────────── 低感度乳剤層 ───────────── 透明フィルム支持体 ───────────── ハレーション防止層 ─────────────構成II
【0045】低感度乳剤層、中感度乳剤層及び高感度乳
剤層は、各々、全整色的に増感され、そして各々異なる
限界感度を示す。ハロゲン化銀乳剤は、臭ヨウ化銀ネガ
形乳剤が好ましい。ネガ形乳剤が好ましいのは、構成と
写真処理の両方が簡単であることによる。臭ヨウ化銀粒
子乳剤は、写真感度(スピード)と粒状度(ノイズ)と
の関係が最も好ましく、カメラスピード(>ISO 2
5)での像形成が一般的に好ましい。通常のいずれのヨ
ウ化物レベルを用いることができるが、感度を増加させ
るには、ヨウ化物レベルは、低くてよい。好ましい実施
態様では、ヨウ化物レベルは、総銀に対して0.5モル
%と低い。ヨウ化物は現像速度を遅くするので、現像抑
制に従来から用いられている高レベルのヨウ化物は、必
要としないか好ましくない。ヨウ化物レベルを、総銀に
対して5モル%未満(最適には3モル%未満)に維持す
ると、比較的高速(露光フィルムのインプットからネガ
乾燥まで1分未満)の写真処理が実現できる。乳剤は、
臭ヨウ化銀が好ましいが、少量の塩化物が存在できるこ
とは理解されるところである。例えば、エピタキシャル
塩化銀増感された臭ヨウ化銀粒子が、特に好ましい。こ
のような乳剤は、マスカスカイによる米国特許第4,4
35,501号及び第4,463,087号に記載され
ている。
【0046】臭ヨウ化銀乳剤が平板状粒子乳剤であると
きに、最適な写真性能が実現される。ここで用いられて
いる用語「平板状粒子乳剤(tabular grai
nemulsion)」は、50%を超える(好ましく
は70%を超える)総粒子投影面積が、平板状粒子によ
り占められている乳剤を意味する。緑色及び赤色記録層
単位の場合、上記の投影面積基準が、厚さが0.3μm
未満(最適には0.2μm)であり、平均アスペクト比
(ECD/t)が8を超える(最適には12を超える)
及び/又は平均平板状度(ECD/t2 )が25を超え
る(最適には100を超える)(但し、ECDは平均等
価円直径であり、tは平板状粒子の平均厚さであり、こ
れら両方の測定単位はμmである)平板状粒子により満
足される平板状粒子乳剤が好ましい。好ましい臭ヨウ化
銀の具体例としては、例えば、リサーチ・ディスクロー
ジャー、アイテム22534、1983年1月発行;ウ
イルガス(Wilgus)等による米国特許第4,43
4,426号;コフロン(Kofron)等による米国
特許第4,439,520号;ドーベンデディーク(D
aubendiek)等による米国特許第4,414,
310号、第4,672,027号、第4,693,9
64号及び第4,914,014号;ゾルベルグ(So
lberg)等による米国特許第4,433,048
号;上記したマスカスカイ特許;並びにピギン(Pig
gin)等による米国特許第5,061,609号及び
第5,061,616号(これらに開示されている内容
は引用することにより本明細書の内容となる)に記載さ
れているものが挙げられる。臭ヨウ化銀乳剤以外の好ま
しい平板状粒子乳剤は、例えば、リサーチ・ディスクロ
ージャー、アイテム308119、セクションI、サブ
セクションA及び上記したリサーチ・ディスクロージャ
ー、アイテム22534に記載されている。
【0047】像様露光及び処理後に、各乳剤層は、スペ
クトル的に区別できる像を生成できる。少なくとも2層
の乳剤層は、色素像を生成し、そして、走査を最大限に
簡素化した場合、各乳剤層を処理して色素のみの像を形
成する。本発明のとりわけ好ましい態様においては、色
素像は、色素形成カプラーにより生成される。現像によ
りイエロー、マゼンタ、シアン及び近赤外吸収色素を形
成できるカプラーが好ましい。イエロー、マゼンタ、シ
アン及び近赤外吸収色素を形成できるカプラーが好まし
いのは、これらの種類の数多くの写真学的に最適化され
たカプラーが公知であり、ハロゲン化銀写真に現在使用
されているからである(上記したリサーチ・ディスクロ
ージャー、アイテム308119、セクションVII及
び米国ニューヨークにあるマクミラン社から1977年
に発行されたジェームス著「ザ・セオリ・オブ・ホトグ
ラフィック・プロセス、第4版、チャプター12、セク
ションIII、第353頁〜第363頁参照)。走査に
おいて有用なより効率的な固体レーザーが近赤外線を放
出することから、近赤外吸収像色素を形成することので
きるカプラーが好ましい。赤外線吸収色素形成カプラー
の例が、キュルカ(Ciurca)等による米国特許第
4,178,183号に記載されている。
【0048】必須ではないが、色素形成カプラーや他の
通常の色素像供与物質を含有する各乳剤層は、現像抑制
剤放出(DIR)カプラー等の現像を抑制できる物質を
含むことによっても像構造を向上せしめることができ
る。反応により色素像を形成するDIRカプラーは、同
様な色相の像色素を生成する層に含有させることができ
る。反応により着色生成物を生成しないDIRカプラ−
は、中間層及び色素像を形成しないいずれかの乳剤層を
含むフィルム要素のいずれの層にも含有させることがで
きる。典型的な現像抑制剤が、ホイットモア(Whit
more)等による米国特許第3,148,062号、
バール(Barr)等による米国特許第3,227,5
54号、堀田等による米国特許第4,409,323
号、ハーダー(Harder)による米国特許第4,6
84,604号及びアダチ(Adachi)等による米
国特許第4,740,453号(これらに開示されてい
る内容は引用することにより本明細書の内容となる)に
説明されている。
【0049】中間層#1及び#2は、各々、一つの乳剤
層から次に隣接している層への酸化現像主薬拡散による
カラー汚染を最小限に抑えるか無くすために通常の酸化
現像主薬スカベンジャーを含有する親水性コロイド層で
ある。酸化現像主薬スカベンジャーは、上記したリサー
チ・ディスクロージャー、アイテム308119、セク
ションVII、サブセクションIに記載されている。
【0050】従来の処理液脱色性ハレーション防止層
は、乳剤層単位と対抗している透明フィルム支持体の表
面に塗工したものが示されている。また、ハレーション
防止層は、低感度乳剤層と支持体との間に位置させるこ
とができる。後者の位置では、赤色記録単位と支持体と
の界面での反射が最小限に抑えられるが、この位置で
は、処理液の影響を受けにくいので、像の鮮鋭さを向上
させるのにより効果的である。ハレーション防止材料と
それらの脱色についての具体例が、上記したリサーチ・
ディスクロージャー、アイテム308119、セクショ
ンVIII、サブセクションC及びDに記載されてい
る。ハレーション防止層は好ましい特徴ではあるが、像
形成には必須ではない。
【0051】高SN比が実現でき、そして酸化現像主薬
スカベンジャー含有中間層を省略したときでも、色素像
の完全性が保持されることができることが本発明の独特
な利点である。最高のSN比を有する色素像を得るため
の古典的なカラ−写真では、スペクトルの同じ領域で露
光を記録することを意図する異なる限界感度の一組の乳
剤層から構成された像記録層単位が設けられている。こ
の一組の各乳剤層に形成される色素像は、同じ色相を有
しているので、得られた色素像全体を、この一組の個々
の層ごとに成分寄与分に分解することができない。もし
各乳剤層が、ハロゲン化銀現像により生成される全ての
酸化現像主薬と反応するに十分な色素像供与物質(通
常、色素形成カプラー)を備えているならば、得られる
写真像は、高レベルの粒状度(ノイズ)の問題を有す
る。像の粒状度を減少させる最も一般的な手法は、少な
くとも最高感度の乳剤層を「カプラーぎれ(coupl
erstarve)」とすることである。用語「カプラ
ーぎれ」とは、単に、色素像供与物質の化学量論的な不
足があることを意味している。即ち、限界感度より上の
選択された露光レベルで、有効な色素像供与物質の全て
が反応し、そして乳剤層のより高いレベルの露光の結果
形成されるさらなる酸化現像主薬は、さらなる色素を生
成しない。これにより、より高い露光レベルでの最高感
度乳剤層の不必要なノイズ像形成が無くなるが、過剰の
酸化現像主薬が残り、もし未確認のまま残すと、隣接す
る乳剤層に拡散してそれらの像記録を劣化させる。この
ようなことから、古典的なカラー写真では、酸化現像主
薬スカベンジャー含有中間層とカプラーぎれの両方が、
得られる最高性能レベルを示すカラー写真要素の特質で
ある。
【0052】本発明においては、高感度乳剤層、中感度
乳剤層及び低感度乳剤層は、各々、スペクトル的に区別
できる像を生成する。したがって、カプラーぎれやそれ
に匹敵する色素像供与物質の化学量論的不足は、排除は
しないが、それらに頼る必要は全くない。本発明の顕著
な利点の一つは、乳剤層の各々が、処理中に増感ハロゲ
ン化銀現像により形成される酸化現像主薬の全てと反応
するのに必要とする色素像供与物質(例えば、カプラ
ー)の75%(好ましくは100%)〜200%(好ま
しくは150%)を含有することができる。以下、これ
らの範囲内で色素像供与物質を含有させることを示すた
めに、用語「カプラーリッチ(coupler ric
h)」を用いる。従来のカプラーぎれ層は、典型的に
は、処理中に増感ハロゲン化銀現像により形成される酸
化現像主薬の全てと反応するのに必要とするカプラーの
10〜50%を含有している。本発明を実施する際にカ
プラーリッチ層を用いても、像形成ノイズが増加せず、
そして隣接層への酸化現像主薬の拡散を最小限に抑える
ので、この作用を果たすのに別個の中間層を設けて要素
の複雑さを増すことなく隣接乳剤層の色素像の完全性を
保持することができる。カプラーリッチ乳剤層により実
現される別の重要な利点として、酸化現像主薬の層内拡
散に起因する潜像漂白(及びそのために生じる写真感度
損失)も最小限に抑えられることである。
【0053】3つの別個の像記録は、走査により抽出後
選択的に結合させることにより、これと比較するのに適
当な古典的な色素像又は銀像供与写真要素を走査するこ
とにより実現できるSN比よりも高いSN比を生じるこ
とができる構成IIにより提供される。構成IIから抽
出された個々の像記録から複合像を構成する際に用いら
れる一般的な手法は、最高のSN比を含む像記録を優先
して操作することである。一般的に、各像記録は、一続
きの露光での全ての他の像記録よりも優れている。
【0054】優れた複合像記録に到達させる際の像記録
を操作する方法を理解するには、写真センシトメトリー
と写真ノイズの性質について簡単にふりかえってみる必
要がある。単一の乳剤層写真要素を、ステップタブレッ
トを介して露光し、処理するとき、一連のステップ像
(各々が均一濃度であって、濃度が全ての他のステップ
の濃度とは異なる)が得られる。ステップタブレットの
構造の知識から、ステップ間の露光差が分かる。これに
関して、必要なのは、絶対的な露光レベルではなくて、
相対的な露光レベルである。この情報から、写真要素の
特性曲線をプロットできる。特性曲線は、濃度(D)を
対数露光量(logE)(但し、露光量の単位は、ルク
ス・秒である)に対してプロットしたものである。濃度
は透過率(T)の負の対数であるので、濃度も対数単位
であることは勿論である。2つの対数スケールを用いた
特性曲線をプロットすることにより、人間の目の視覚応
答の近似の結果が得られる。対数logEと濃度スケー
ル又は線露光量(E)と透過率スケール(T)に関連し
たデータのコンピュータ操作は、両方とも一般的に知ら
れているものである。
【0055】特性曲線は写真性能の欠くことのできない
予測手段であるとともに、2つの異なる写真要素が非常
に異なる品質の像を生成しながら、同一の特性曲線を生
じることが可能である。特性曲線は、平均対数露光量に
対して平均濃度をプロットすることにより作成される。
特性曲線では、ノイズについての情報は得られない。も
し特性曲線を作成するのに使用される濃度ステップの一
つを、統計的に有意な数の点が得られるまで(例えば、
もし濃度ステップ像の画素ごとの操作を行うのであれ
ば)逐点法により走査すると、濃度が点ごとに異なる。
露光量が均一であると仮定し、そして点間の濃度変動が
完全にフィルムの粒状度の尺度としてのフィルムによる
ものとするのが、写真センシトメトリーにおける通常の
簡略化法である。この観点から見ると、各点濃度が平均
濃度から逸脱していると、フィルムが適切な像濃度記録
をできなかったとみなされる。また、フィルムが、実際
に記録した各点で、そのレベルの露光量で適切な濃度を
有していると仮定することも可能である。この観点から
見ると、点ごとの濃度が平均濃度から逸脱していると、
フィルムが適当な露光を受けることができなかったと見
なされる。全てのハロゲン化銀写真要素が粒状度を示す
ことと、全ての光源が、光子のポイソン分布を示すこと
が、文献に十分記載されている。幸いなことに、像構造
を定量的に評価して点像偏差(ノイズ)源を区別する必
要がない。数学的には、点像偏差は、濃度分散か露光量
分散として処理できる。
【0056】他の走査像情報走査との数学的互換性に関
しては、点像偏差を露光誤差として処理することが好ま
しい。構成IIの試料をステップタブレットを介して露
光し、そして写真処理することにより、高感度乳剤層、
中感度乳剤層及び低感度乳剤層により生成される像記録
の各々に相当する特性曲線を作成することが可能であ
る。各ステップ像を画素ごとに走査すると、各ステップ
像濃度レベルでの各乳剤層の露光量の標準偏差(σ)を
求めることができ、そして内挿法により、下側の(su
btended)濃度レベルの標準偏差を正確に推定で
きる。この情報は、3つの像記録から独立して演繹する
よりも正確である(標準偏差がより低い)露光レベルを
構成IIの像様露光試料の各画素に割り当てるのに使用
できる。これは、下式(I)を用いて露光量値を各画素
に割り当てることにより達成される。
【0057】
【数1】
【0058】(式中、Ebestは、得られる画素露光の最
低ノイズ記録であり、Ef 、Em 及びEs は、これらの
乳剤層の特性曲線を用いた高感度乳剤層、中感度乳剤層
及び低感度乳剤層の観察される画素濃度と相関関係にあ
る露光レベルであり、そしてσ f 、σm 及びσs は、観
察される画素像濃度での高感度乳剤層、中感度乳剤層及
び低感度乳剤層の標準露光量偏差である。)
【0059】式Iを用いることにより、構成IIの個々
の画素像記録から、比較するのに適当な従来の写真要素
を用いて得ることのできるよりも高いSN比を示す像記
録を合成することが可能である。具体的には、構成II
C−1(構成IIを、スペクトル的に区別できない色素
像が高感度乳剤層、中感度乳剤層及び低感度乳剤層によ
り生成されるように変更したもの)は、構成IIにより
提供されるよりもより高いノイズ成分を含む像情報を走
査により提供する。このことは、構成IIにおける高感
度乳剤層、中感度乳剤層及び低感度乳剤層がカプラーリ
ッチであるのに対して、構成IIC−1がカプラーぎれ
であるときにでも当てはまる。さらに、構成IIC−2
(高感度乳剤層と、中感度乳剤層と、低感度乳剤層とを
配合し、配合した乳剤層に単一の像色素を用いることに
より構成IIを変更したもの)は、構成IIか構成II
C−1よりも高いノイズ成分を含む像構造を示す。
【0060】構成IIは、単一色相の単一像を形成する
のに使用される意味において白黒写真要素である。走査
像情報から合成される像は、古典的な白黒写真要素の銀
像に匹敵するものであるが、それよりも像構造が非常に
優れている。もし構成IIを銀濃度のみがはっきりして
いるスペクトル領域で走査すれば、得られる像は、本発
明に従って用いた構成IIよりもはるかに高いノイズ成
分を有するであろう。像色素供与物質を構成IIから完
全に省略し、銀像濃度を走査するならば、同じ結果が得
られるであろう。したがって、本発明により、本発明と
比較するのに適当な写真感度レベルの写真要素を用いて
形成した従来の白黒写真記録よりも像構造が非常にすぐ
れている白黒写真記録を形成する手法が提供される。
【0061】構成IIを3層の別個の乳剤層の観点から
説明したが、2〜5又はそれ以上の層からなる乳剤層を
有する本発明の写真要素の構成にも同じ原理が適用され
ることは、理解されるところである。スペクトルの同じ
領域内の露光に反応し、上記のスペクトル的に区別でき
る像を生成することのできる限界感度が異なる「n」個
の乳剤層を含む本発明の写真要素の場合、上記の色素像
Iは下式(II)により一般化できる。
【0062】
【数2】
【0063】(式中、Ebestは上記した通りであり、n
は「n」個の乳剤層を表す整数である。)
【0064】白黒像形成に使用するときには、全整色的
に増感する代わりに、高感度乳剤層、中感度乳剤層及び
低感度乳剤層を整色的に増感することもできる。
【0065】多色像形成 多色写真要素は、通常、青色露光記録層単位と、緑色露
光記録層単位と、赤色露光記録層単位とを含んでいる。
これらの各層単位は、少なくとも一層のハロゲン化銀乳
剤層を含んでいる。スペクトルの一つだけの領域の露光
を記録するように変更するとき、上記構成IIの高感度
乳剤層と、中感度乳剤層と、低感度乳剤層は、必要に応
じて、多色写真要素の一つの露光記録層単位を形成する
ことができる。例えば、もし上記した構成IIの高感度
乳剤層、中感度乳剤層及び低感度乳剤層を赤色増感する
ならば、単にそれぞれマゼンタ像色素供与物質及びイエ
ロー像色素供与物質を含有する通常の緑色記録層単位と
青色記録層単位をオーバーコートすることにより、構成
IIを多色写真要素に変換できる。酸化現像主薬スカベ
ンジャーを含有する中間層を隣接する露光記録層単位間
に介在させることが好ましく、そして臭ヨウ化銀乳剤を
緑色記録層単位及び/又は赤色記録層単位に用いる場合
には、ケリー・リー銀(Carey Lea silv
er)(CLS)等の処理液漂白性イエロー吸収剤や処
理液漂白性イエロー色素を、青色記録層単位の下方の中
間層に位置させる。この場合において、上記構成IIの
高感度乳剤層、中間層乳剤層及び低感度乳剤層により形
成される赤色記録層単位は、少なくとも2つの色素像を
形成しなければならず、そして、走査の簡略化のため
に、互いにスペクトル的に区別できるとともに、青色記
録層単位と緑色記録層単位における色素像とスペクトル
的に区別できる3つの色素像を形成することが好まし
い。例えば、高感度乳剤層、中感度乳剤層及び低感度乳
剤層のうちの一つを、スペクトルの600〜650nm
部分に中間ピーク吸収バンドを示す色素像を形成するよ
うに構成し、第二の乳剤層を、スペクトルの650〜7
00nmに中間ピーク吸収バンドを示す色素像を形成す
るように構成し、そして残りの乳剤層を、色素像の形成
を必要としないか、近赤外に中間ピーク吸収バンドを示
す色素像を形成するように構成することができる。
【0066】上記は、広範囲の可能な代替多色写真要素
構成のほんの一例であることは勿論である。種々の像は
目で見るよりも走査することを意図しているが、記録さ
れるスペクトル領域と色素像の色相との間には何の相関
関係もない。したがって、青色記録層単位、緑色記録層
単位及び赤色記録層単位は、スペクトル的に区別できる
像のいずれかの適当な組み合わせを形成することができ
る。像記録層単位のいずれか又は全てを、本発明の要件
を個々に満足するように構成できる。例えば、上記で言
及したオーバーコートした青色記録層単位と緑色記録層
単位は、各々スペクトルの同じ領域に応答するけれども
形成される色素像の色相が異なる高感度乳剤層、中感度
乳剤層及び低感度乳剤層を含有することができる。
【0067】本発明の要件を満足する多色写真要素像記
録層単位は、上記したように、少なくとも2層の乳剤層
を含み、5以下又はそれ以上の層を含むことができる。
目はスペクトルの緑色部分から像情報のほとんどを得る
ので、緑色記録層単位は、残りのいずれの像記録層単位
よりも少なくとも同じかそれ以上の乳剤層(通常2又は
3)を含むことが一般的に好ましい。
【0068】下記で説明する構成IIIは、複数の独立
した像記録をスペクトルの共有部分内に記録している乳
剤層から得ることができる非常にたくさんの可能な実施
態様のうちの一つを示したものである。構成IIIは、
構成Iに関して一般的に説明した要件の全てを満足し、
そして明瞭に特記してない特徴は、上記した構成IIの
匹敵する特徴と同じである。
【0069】 ────────────── 青色記録層単位 ────────────── 中間層#1 ────────────── 高感度緑色記録乳剤層 ────────────── 中間層#2 ────────────── 高感度赤色記録乳剤層 ────────────── 中間層#3 ────────────── 中感度緑色記録乳剤層 ────────────── 中間層#4 ────────────── 中感度赤色記録乳剤層 ────────────── 中間層#5 ────────────── 低感度緑色記録乳剤層 ────────────── 中間層#6 ────────────── 低感度赤色記録乳剤層 ────────────── ハレーション防止層 ────────────── 透明フィルム支持体 ────────────── 補助情報層 ────────────── 構成III (好ましい実施態様)
【0070】青色記録層単位は、いずれかの適当な従来
の形態をとるか、構成IIの変更態様に関連して上記で
説明した本発明の要件を満足する複数の乳剤層を含むこ
とができる。中間層#1、#2、#3、#4、#5及び
#6は、各々、酸化現像主薬スカベンジャーを含有する
か、又は隣接乳剤層がカプラーリッチである場合には、
酸化現像主薬及び/又は中間層全体を省略できる。緑色
記録乳剤層及び/又は赤色記録乳剤層が臭ヨウ化銀乳剤
であるときには、構成IIに関連して上記で説明したよ
うに、少なくとも中間層#1が処理液脱色性イエロー色
素又はCLSを含有することが好ましい。ハレーション
防止層は、いずれかの従来の形態をとることができ、そ
して構成IIに関連して上記で説明した形態のいずれか
であってもよい。
【0071】構成IIIは、より低感度の赤色乳剤層及
び緑色乳剤層に先立ち露光輻射線を受ける高感度緑色乳
剤層及び高感度赤色乳剤層を配置している。層の配置順
序は、イーレス(Eeles)等による米国特許第4,
184,876号により教示されているのと同様であ
り、そこに教示されている写真上の利点が得られる(こ
こに開示されている内容は引用することにより本明細書
の内容となる)。像色素の色相が記録されるスペクトル
バンドと無関係であるので、極めて広範囲の選択が可能
である。表1に示す具体的な組み合わせは、非常に多く
ある代替選択のほんの一例である。
【0072】
【表1】
【0073】表1から、3つの緑色記録乳剤層は、緑色
スペクトルのいずれか適当な部分又は全てに記録でき、
そして3つの赤色記録乳剤層は、赤色スペクトルのいず
れか適当な部分又は全てに記録できることが明らかであ
る。しかしながら、像色素の中間ピーク吸収バンド範囲
は、同一の広がりを持たない。上記で選択され、そのま
まで好ましい範囲である中間ピーク吸収バンド範囲は、
各々、全ての他の中間ピーク吸収バンド範囲からずら
す。選択される個々の像色素は、上記したバンド範囲全
体に延びている中間ピーク吸収バンドを示すことができ
るが、中間ピーク吸収は、定められた吸収バンド内で簡
便に得ることができる実現可能な範囲で最も狭いことが
好ましい。さらに、一部の中間ピーク吸収バンドは感度
と同じスペクトル領域内であるのに対して、他の中間ピ
ーク吸収バンドは完全に異なるスペクトル領域内にあ
る。実際には、中間ピーク吸収バンドは、全ての可能な
組み合わせのいずれか一つにおける記録層単位に割り当
てられる。表1に示されている中感度緑色記録乳剤層
は、像色素を含有しない。これは、像の明瞭度を現像銀
に依存している記録層単位で鮮鋭度が多少増した像を得
ることができるからである。乳剤層の全ては、必要に応
じて、色素像を形成することができる。例えば、上記の
構成IIIにおいて、像色素を中感度緑色乳剤層に形成
するとき、像色素は、補助層で像色素の中間ピーク吸収
バンドが重ならないように選択される近赤外に中間ピー
ク吸収バンドを有する色素が適当である。乳剤層の一つ
が、スペクトル的に区別できる像の形成を銀のみに依存
するときには、種々の乳剤層のいずれか一つは、像色素
を欠く乳剤層単位でよい。必須要件は、各像色素が、全
ての他の像色素から区別できるスペクトル吸収バンドを
有することだけである。
【0074】構成IIIには、(1)複製される被写体
像を生成するのに必要とするものの他に、記録層単位が
存在することができることと、(2)記録層単位の位置
は、支持体の一方の面には限定されないことを示す目的
で補助情報層が示されている。補助情報層は、写真要素
内に、写真記録とともに保存するのが有用な走査可能な
記録を組み込むのに使用することができる。例えば、写
真像情報と有用な相関関係にある日付、時間、絞り、シ
ャッター速度、フレーム位置及び/又はフィルム確認を
示すコードパターンを有する補助情報層を露光できる。
フィルムの裏面(乳剤層と反対の支持体の面)は、フィ
ルムの前面(乳剤層側)の像様露光を終結させるシャッ
タークロージャのすぐ後の補助情報に暴露させるのが適
当である。
【0075】構成IIIでは、6個の像色素記録(即
ち、N=6)と追加の銀単独記録があり、記録の合計は
7個(即ち、N+1)である。青色記録と補助記録に割
り当てた極めて広い中間ピーク吸収バンドから、390
〜900nmのスペクトルバンド幅は、広範囲な従来の
像色素の中から選択しながら実質的により多くの数の像
色素記録を行うのに十分であることが明白である。しか
しながら、390〜900nmは、従来のハロゲン化銀
写真要素構成で可能なスペクトル範囲のほんの一部にす
ぎない。ハロゲン化銀写真要素の最小実用露光波長は、
一般的に、層構成の最も一般的なビヒクルであるゼラチ
ンによる紫外線吸収が顕著となる約280nmであると
認識されている。上記したシンプソン等による米国特許
第4,619,892号は、1500nm以下の近赤外
範囲をハロゲン化銀像形成用として開示している。この
ように、有効総像色素吸収バンド280〜1500nm
(1220nm範囲)が得られる。色素の発色団の単純
化のために、一般的に、近赤外における色素吸収の使用
範囲を900nmに限定することが好ましい。しかしな
がら、これでも、構成IIIに含まれているよりも多く
のスペクトル的にずれた色素像を受け入れるのに十二分
のスペクトルバンド幅が残っている。即ち、圧倒的多数
の用途において、有効像色素バンド幅ではなく写真上の
要件を満足することのできる最も簡単な構成が、写真要
素の構成を支配している。もし上記した好ましい態様の
構成IIIを、3個の別個の青色記録層単位を設けるよ
うに拡張すると、合計9個の色素像記録(N=9)と1
個の追加の銀記録で、合計10個(N+1=10)の別
個の像記録が存在する。写真像形成の現在の段階では、
この別個の記録数は、ほとんどの要求されている像形成
要件さえも満足するのに十分である。しかしながら、本
発明の方法の実施で使用される写真要素における別個の
像記録数が、写真感度と写真像における詳細の両方に関
する当該技術分野のこれからの要求に応じて増加できな
い理由は、理論的には何もない。
【0076】上記した好ましい態様の構成IIIは、本
発明の実施に用いることができる数多くの異なる記録総
単位配置の一つに過ぎないことは理解されるところであ
る。例えば、具体的には、コフロン等による米国特許第
4,439,520号に記載されている異なる層順序配
置I〜VIIIのいずれも用いることができる。ここに
開示されている内容は引用することにより本明細書の内
容となる。さらに他の層順序配置が、ランツ(Ran
z)等によるドイツ国特許出願公開公報第2,704,
797号及びローマン(Lohman)等によるドイツ
国特許出願公開公報第2,622,923号、第2,6
22,924号及び第2,704,826号に開示され
ている。
【0077】本発明を、乳剤層単位(色素像が形成され
る)内で走査される色素像を生成する写真要素の観点か
ら説明したが、必要に応じて、像色素のいずれか一つか
全てを、別個の受容体に転写させて走査できる理解され
るところである。これにより、転写した色素像を銀像と
は無関係に走査できる。上記した教示を考慮して本発明
の実施に容易に適用できるカラー像転写像形成システム
が、上記した1976年11月発行のリサーチ・ディス
クロージャー、アイテム308119、セクションXX
III、アイテム15162及び1974年7月発行の
リサーチ・ディスクロージャー、アイテム12331に
その概要が記載されている。ここれらに開示されている
内容は引用することにより本明細書の内容となる。
【0078】白黒プリントは、人間の目に輝度情報のみ
を提供するのに対して、カラープリントは、人間の目に
有彩情報と輝度情報の両方を提供する。本発明の実施に
用いられる写真要素は、それら自体、写真の被写体の自
然な色相を複製するための適切にバランスのとれた有彩
情報を表示する能力を有することを必要とせず、そして
好ましい構成では、そのような能力を有していない。走
査により写真要素から有彩情報と輝度像情報の両方を抽
出することにより、古典的な像形成で可能であるよりも
はるかに広範囲の写真要素構成が可能であるが、視覚的
に受け入れられる像を得るための装置は、古典的な写真
像形成に使用されている装置ほどには、簡単ではなく、
また広範に入手できない。本発明の特定の利点の一つ
は、印画か比較的簡単な単一チャンネル走査法によりア
クセスでき、そして目視バラスンが最適であり、有彩像
の目視バランスが適切でない好ましい実施態様において
でさえ目視バランスが最適である輝度(例えば、白黒)
像が得られることである。
【0079】人間の目は、スペクトルの緑色部分から全
体の像輝度情報の半分よりわずかに超えた情報を引き出
す。輝度情報のわずか約10%が、スペクトルの青色部
分から引き出され、そして残りの輝度情報は、スペクト
ルの赤色部から引き出される。輝度情報へのアクセスを
容易にするために、本発明の実施に用いられる写真要素
は、像様露光と処理後の走査や印画のために選択される
単一スペクトル領域における総像濃度は、人間の目の感
度と同じ相対的順序で青色記録層単位、緑色記録層単位
及び赤色記録層単位から引き出されるように構成され
る。ハロゲン化銀写真要素における青色記録層単位と、
緑色記録層単位と、赤色記録層単位の濃度を実験手法に
よりバランスさせることは、当該技術分野での通常の技
術の範囲内である。できるかぎり単純な構成において、
青色乳剤層と、緑色乳剤層と、赤色乳剤層において整合
した感度の同一のハロゲン化銀乳剤層とすると、単に、
青色記録乳剤層、緑色記録乳剤層及び赤色記録乳剤層に
おいて対応のハロゲン化銀塗膜塗工量を提供し、像色素
濃度が最小であるスペクトル領域で走査することによ
り、銀濃度の相対的な配列が得られる。走査又は印画を
像色素吸収のスペクトル領域で行うとき、現像銀と、用
いられるスペクトル領域内の像色素濃度のバランスをと
らなければならない。
【0080】青色、緑色及び赤色記録乳剤層輝度記録
と、これらの領域における人間の目の感度との間の正確
な整合は可能であるが、必要はない。利点は、主とし
て、人間の目の輝度記録スペクトル曲線に近似する輝度
記録を提供することにより実現できる。概略バランスの
とれた輝度記録の場合、輝度記録の像密度に対して、青
色記録層単位は5〜20%を占め、赤色記録乳剤層が2
0〜40%を占め、そして緑色記録乳剤層が少なくとも
40%、好ましくは少なくとも50%を占めることが好
ましい。
【0081】スキムコート構成 上記した構成I、II及びIIIにおいて、銀塗膜塗工
量(層の単位表面積当たりのハロゲン化銀に存在する銀
の重量又はモル)の通常の分布が、同じ領域のスペクト
ルに像を記録することを意図する限界感度が異なる各セ
ットの乳剤層内に存在してもよい。一般的に、銀塗膜塗
工量は、相対的にバランスをとるようにする。「n」個
の層から構成される乳剤層のセットでは、いずれか1層
の乳剤層に含有される総銀の百分率は、典型的には、
〔(100/n)±10〕%である。
【0082】上記した説明から明らかなように、このセ
ットの最高感度乳剤層により、次に感度が高い乳剤層の
限界感度よりも高い露光レベルでの総銀への影響が減少
することが明らかである。理論的な観点からみた理想溶
液は、除去されたハロゲン化銀を残りの乳剤層又は乳剤
層のセットに塗工できるように、次に感度が高い乳剤層
の限界感度に到達するのに必要とするよりも多い露光量
を必要とする最高乳剤層におけるハロゲン化銀の部分を
除去するものである。最高乳剤層の露光寛容度を減少さ
せると、次に感度が高い乳剤層における限界感度を得る
のに必要とされる露光レベルに到達する前に、潜像形成
に有効である最高感度乳剤層における総ハロゲン化銀の
割合が増加する。したがって、本発明の一態様において
は、そのセットにおける最高感度乳剤層が、最短露光寛
容度乳剤層でもあることが好ましい。
【0083】乳剤層セットでハロゲン化銀をよりよく利
用するための別の手法は、そのセットにおける最高感度
乳剤層の銀塗工量を残りの乳剤層に対して減少させるこ
とである。銀塗工量が減少した最高感度乳剤層は、典型
的には、そのセットの残りの乳剤層に先立って露光線を
受けるように位置させ、吸収により露光線のごく少量し
か「スキムオフ(skimming off)」しない
と見られるので、以下、「スキムコート(skim c
oat)」乳剤層と称する。単にセットの最高感度乳剤
層の銀塗工量を低下させるだけで、以下の写真上の利点
と欠点が生じる。一つの欠点は、銀塗工量を低下させる
と、そのセットにおいて、最高感度乳剤層がどの相対的
位置を占めるかとは関係なく、SN比が低下することで
ある。一方、独特な利点として、そのセットにおいて、
下に設けた乳剤層(単層又は複数層)に生成する像の写
真感度や鮮鋭度を顕著に増加できることがある。これ
は、最高感度乳剤層の銀塗膜塗工量を減少させると、最
高感度乳剤層におけるハロゲン化銀粒子数が減少し、輻
射線散乱を減少するとともに、最高感度乳剤層を通過し
てそのセットの下に設けられた乳剤層(単層又は複数
層)に到る際の吸収が減少するからである。
【0084】セットにおける最高感度乳剤層に関する有
利な銀塗膜塗工量は、総銀塗膜塗工量の百分率として、
同じセットにおける乳剤層の全ての総銀塗膜塗工量の5
〜20%である。
【0085】向上した像鮮鋭度を示す構成 多くの写真用途の場合、できる限り鮮鋭な像を得ること
は、できる限り高い写真感度を得たり、最高のSN比を
得ることにもまさっている。本発明の写真要素から最も
鮮鋭度の高い像を得るためには、個々の像の鮮鋭度を比
較し、そして各乳剤層セット内の最高の鮮鋭度の個々の
像を用いて最終像を構成することが好ましい。ここで、
「乳剤層セット」は、スペクトルの同じ領域において露
光を記録する限界感度が異なる乳剤層を含んでなる。
【0086】一セットの個々の乳剤層を最大平均粒度の
乳剤が最高の写真感度を示し、最小平均粒度の乳剤が最
低写真感度を示すように実質的に最適増感して、最も鮮
鋭な複合像を合成する場合、得られる像情報は、次に感
度の高い乳剤層の限界感度が到達されるまで、最少露光
量がその限界感度レベルに到達するのに必要とする乳剤
層からのみ得られる。次に、像情報は、次に感度が高い
乳剤層からのみ選択される。三番目に高い露光レベルで
の限界感度を有する第三の乳剤層が存在する場合、像情
報は、その限界感度での露光量及びそれを超えた露光量
で第三乳剤層からのみ得られる。得られる最高の鮮鋭度
の個々の乳剤層像からのみの情報を用いることにより、
最高の鮮鋭度の総銀が実現される。
【0087】像の鮮鋭度を最大にする層配置の一例を構
成IVに示す。 ───────────── 中感度乳剤層 ───────────── 中間層#1 ───────────── 高感度乳剤層 ───────────── 中間層#2 ───────────── 低感度乳剤層 ───────────── 透明フィルム支持体 ───────────── ハレーション防止層 ─────────────構成IV
【0088】中感度乳剤層が残りの乳剤層に先立ち露光
線を受けるように配置されることを除いて、構成IV
は、上記したような構成IIの構造上の特徴の全てを有
している。この配置では、中感度乳剤層が、このセット
の3層の乳剤層のうちで最も高度に平行な(最も少ない
散乱の)光を受光する利点が得られる。このことは、中
感度乳剤層が、範囲中間の露光量レベルを記録するの
で、特に有利である。人間の目は、像を識別する際に、
中間範囲の照明で細部を最も区別する。目は、明るく照
らされた被写体や薄明の設定においては、十分に詳細を
キャッチしない。構成IVは、最高の鮮鋭度の像が中間
露光ルレベルで実現できるだけでなく、最高鮮鋭度の像
記録は、高感度乳剤層や低感度乳剤層の像への影響から
分離され、個々の乳剤像記録から構成される複合像の中
間濃度範囲における被写体の細部を複製するために専ら
使用することができる。
【0089】上記した構成IIの種々の態様及び変更態
様の全ては、構成IVに同等に適用でき、したがって、
ここでは説明は繰り返さない。さらに、緑色記録セット
及び赤色記録セットの各々において、高感度乳剤層及び
中感度乳剤層の塗工位置を交換するように構成IIIを
変更することにより、像の鮮鋭度が増加する利点を得る
ことができることも明らかである。
【0090】構成IVは、より鮮鋭度の高い像を生成す
るが、構成IIよりもわずかに全写真感度が低い。高感
度乳剤と低感度乳剤の位置を交換することにより、さら
に鮮鋭度の高い像を生成するように構成IVを変更する
ことが可能である。得られる構成は、構成IVよりも総
写真感度がわずかに低い。
【0091】一つの乳剤層の特性と一種以上の他の乳剤
のそれに匹敵する特性との比較の説明において、比較記
述子(例えば、より感度が高い、最高感度の、より鮮鋭
な、最も鮮鋭な等)を用いたが、これは、比較を2層の
乳剤層又は3層以上の乳剤層へ限定することを意図した
ものではなく、各比較は、それぞれのもう一方に適用さ
れるものと理解されるべきである。
【0092】
【実施例】本発明は、以下の実施例を参照することによ
り、よりよく理解できる。実施例の各々において、角括
弧(〔 〕)に述べられている塗工濃度の単位は、特記
のないかぎりは、1平方メートル当たりの重量(g/m
2 )である。ハロゲン化銀の塗工量は、銀換算したもの
である。全ての乳剤は、イオウ及び金増感し、そして層
の表題により示されているスペクトル領域までスペクト
ル増感した。色素形成カプラーを、リン酸トリクレジ
ル、リン酸ジブチル又はジエチルラウラミド等のほぼ等
量のカプラー溶媒の存在下でゼラチン溶液に分散した。
【0093】実施例1:本発明の実施に有用な写真フィ
ルム(本発明フィルム#1)を、透明写真フィルム支持
体上にコーティングして作成した。処理液脱色性ハレー
ション防止層を、フィルム支持体の裏面にコーティング
した。以下の層をコーティングして、フィルム支持体に
最も近い層から始まる本発明フィルム#1を作成した。
【0094】本発明フィルム#1 層1:ゼラチンアンダーコート ゼラチン〔4.9〕. 層2:低感度緑感性記録層 ゼラチン〔1.7〕; 超低感度緑色増感臭ヨウ化銀平板状粒子乳剤(ヨウ化物
4.0モル%、平均粒子投影面積0.5μm2 、平均粒
子厚さ0.09μm)〔0.54〕; 低感度緑色増感臭ヨウ化銀平板状粒子乳剤(ヨウ化物
4.0モル%、平均粒子投影面積0.9μm2 、平均粒
子厚さ0.10μm)〔0.54〕; シアン色素形成カプラー(1)〔1.08〕. 層3:中感度緑感性記録層 ゼラチン〔1.7〕; 中感度緑色増感臭ヨウ化銀平板状粒子乳剤(ヨウ化物
4.0モル%、平均粒子投影面積1.2μm2 、平均粒
子厚さ0.12μm)〔1.08〕; マゼンタ色素形成カプラー(2)〔1.08〕. 層4:高感度緑感性記録層 ゼラチン〔1.7〕; 高感度緑色増感臭ヨウ化銀平板状粒子乳剤(ヨウ化物
4.0モル%、平均粒子投影面積2.5μm2 、平均粒
子厚さ0.13μm)〔1.08〕; イエロー色素形成カプラー(3)〔1.08〕. 層5:スーパーコート ゼラチン〔1.6〕; ビス(ビニルスルホニル)メタン〔0.2〕.
【0095】シアン色素形成カプラー(1)は、以下の
構造を有していた:
【0096】
【化1】
【0097】マゼンタ色素形成カプラー(2)は、以下
の構造を有していた:
【0098】
【化2】
【0099】イエロー色素形成カプラー(3)は、以下
の構造を有していた:
【0100】
【化3】
【0101】上記で挙げた成分の他に、4−ヒドロキシ
−6−メチル−1,3,3A,7─テトラアジンデンナ
トリウム塩を、ハロゲン化銀1モル当たり1.75gの
レベルで各乳剤含有層に含めた。界面活性剤を全ての層
に含めて、コーティングを容易にした。
【0102】透明フィルム支持体上にコーティングする
ことにより、比較フィルム#1を作成した。処理液脱色
性ハレーション防止層を、支持体の裏面上にコーティン
グした。また、比較フィルムに関して、支持体に最も近
い層から初めて、以下の層をコーティングした。
【0103】比較フィルム#1 層1:ゼラチンアンダーコート ゼラチン〔4.9〕. 層2:緑感性記録層 ゼラチン〔4.28〕;超低感度緑色増感臭ヨウ化銀平
板状粒子乳剤(ヨウ化物4.0モル%、平均粒子投影面
積0.5μm2 、平均粒子厚さ0.09μm)〔0.5
4〕; 低感度緑色増感臭ヨウ化銀平板状粒子乳剤(ヨウ化物
4.0モル%、平均粒子投影面積0.9μm2 、平均粒
子厚さ0.10μm)〔0.54〕; 中感度緑色増感臭ヨウ化銀平板状粒子乳剤(ヨウ化物
4.0モル%、平均粒子投影面積1.2μm2 、平均粒
子厚さ0.12μm)〔1.08〕; 高感度緑色増感臭ヨウ化銀平板状粒子乳剤(ヨウ化物
4.0モル%、平均粒子投影面積2.5μm2 、平均粒
子厚さ0.13μm)〔1.08〕; マゼンタ色素形成カプラー(2)〔2.16〕. 層3:スーパーコート ゼラチン〔1.6〕; ビス(ビニルスルホニル)メタン〔0.19〕.
【0104】上記で挙げた成分の他に、4−ヒドロキシ
−6−メチル−1,3,3A,7─テトラアジンデンナ
トリウム塩を、ハロゲン化銀1モル当たり1.75gの
レベルで各乳剤含有層に含めた。界面活性剤を全ての層
に含めて、コーティングを容易にした。
【0105】透明フィルム支持体上にコーティングする
ことにより、比較フィルム#2を作成した。処理液脱色
性ハレーション防止層を、支持体の裏面上にコーティン
グした。また、比較フィルムに関して、支持体に最も近
い層から初めて、以下の層をコーティングした。
【0106】比較フィルム#2 層1:ゼラチンアンダーコート ゼラチン〔4.9〕. 層2:低感度緑感性記録層 ゼラチン〔1.7〕; 超低感度緑色増感臭ヨウ化銀平板状粒子乳剤(ヨウ化物
4.0モル%、平均粒子投影面積0.5μm2 、平均粒
子厚さ0.09μm)〔0.54〕; 低感度緑色増感臭ヨウ化銀平板状粒子乳剤(ヨウ化物
4.0モル%、平均粒子投影面積0.9μm2 、平均粒
子厚さ0.10μm)〔0.54〕; マゼンタ色素形成カプラー(2)〔1.08〕 層3:中感度緑感性記録層 ゼラチン〔1.7〕; 中感度緑色増感臭ヨウ化銀平板状粒子乳剤(ヨウ化物
4.0モル%、平均粒子投影面積1.2μm2 、平均粒
子厚さ0.12μm)〔1.08〕; マゼンタ色素形成カプラー(2)〔1.08〕. 層4:高感度緑感性記録層 ゼラチン〔1.7〕; 高感度緑色増感臭ヨウ化銀平板状粒子乳剤(ヨウ化物
4.0モル%、平均粒子投影面積2.5μm2 、平均粒
子厚さ0.13μm)〔1.08〕; マゼンタ色素形成カプラー(2)〔1.08〕. 層5:スーパーコート ゼラチン〔1.6〕; ビス(ビニルスルホニル)メタン〔0.2〕.
【0107】上記で挙げた成分の他に、4−ヒドロキシ
−6−メチル−1,3,3A,7─テトラアジンデンナ
トリウム塩を、ハロゲン化銀1モル当たり1.75gの
レベルで各乳剤含有層に含めた。界面活性剤を全ての層
に含めて、コーティングを容易にした。
【0108】上記した本発明の試料と比較フィルムを、
コダックラッテン(Kodak Wratten)(商
標)#9(イエロー)フィルターと目盛付中性濃度ステ
ップウエッジを通過させた昼光バランス光源(5500
°K)を用いたセンシトメーターで露光した。露光フィ
ルムを、以下の操作で処理した。 1.コダックフレキシカラー(Kodak Flexi
color)C41(商標)現像液中(38°C)で現
像(2.5分間). 2.コダックフレキシカラー(Kodak Flexi
color)C41(商標)漂白液中で漂白(4分
間). 3.洗浄(3分間). 4.コダックフレキシカラー(Kodak Flexi
color)C41(商標)定着液中で定着(4分
間). 5.洗浄(4分間). 6.フィルム乾燥 ステータスM感度を有する透過オプトエレクトロニック
走査装置を用いて、処理フィルムの均一露光部につい
て、赤色、緑色及び青色点透過率(実際に、サンプリン
グのための限定絞りを用いて行った点近似)を測定し
た。所定の各露光レベルについて、1000のデータ点
を測定した。特記のない限りは、形成された像色素の吸
収最大値に相当するスペクトル領域における透過率を使
用した。緑色領域における透過率は、より高い露光レベ
ルでは低すぎて信頼性のある結果が得られなかったの
で、(マゼンタ像色素の側波帯吸収による)比較フィル
ムの青色透過率を解析した。入力露光ごとに常法により
平均透過率を計算した。3種のフィルムについてのデー
タを、表2にまとめて示す。
【0109】
【表2】
【0110】3次スプライン内挿の常法を用いて有効デ
ータ点を内挿して、可能フィルム透過率ごとの見掛け入
力露光レベルを特定した。フィルム透過率と入力露光レ
ベル間の内挿関係を用いて、各露光レベルとフィルム記
録についての1000データ点の各々を、対応の見掛け
入力露光レベルに換算した。見掛け入力露光量の標準偏
差を、各露光量レベルごととフィルム層ごとに、常法を
用いて計算した。表3に、各露光レベルでの本発明フィ
ルム#1の層ごとの見掛け入力露光の標準偏差をまとめ
て示す。3次スプライン内挿の常法を用いて有効データ
点を内挿して、入力露光の可能レベルごとの見掛け入力
露光の標準偏差を特定した。
【0111】
【表3】
【0112】式Iを用いて、3層のスペクトル的に区別
できる像形成層について求めた見掛け入力露光量の重み
つき加算により、本発明のフィルムの各画素ごとの見掛
け露光量を求めた。標準偏差は、新たに求めた見掛け入
力露光量ごとに計算した。表IVに、平均を出した後の
本発明フィルムの見掛け入力露光量の標準偏差をまとめ
て示す。本発明の見掛け露光量における不確実性は、全
ての露光量レベルでどちらの比較フィルムの不確実性に
も匹敵するか、ほとんどの場合、それらよりも小さい。
【0113】各フィルムの新しいものを、コダックラッ
テン(Kodak Wratten)(商標)#9フィ
ルターを介して写真露光装置で露光して撮影したシーン
の潜像を形成し、写真処理し、そして上記した方法で走
査した。これにより、フィルム像において測定した点ご
とに赤色、緑色及び青色透過率の3つ組が得られた。見
掛け入力露光量を、較正露光量の透過率─露光量レスポ
ンス曲線を介してマッピングし、式Iにより求めた3つ
の入力露光量を平均することにより、本発明フィルムに
ついて走査した点ごとに計算した。比較フィルムの見掛
け入力露光量を、それぞれ各フィルムに与えられた較正
露光量について求めた透過率─露光量レスポンス曲線を
介して走査した点ごとの測定透過率値をマッピングする
ことにより求めた。
【0114】
【表4】
【0115】走査したフィルムの点ごとの誘導入力露光
量を使用して、ディジタルディスプレイを駆動した。本
発明の3層の平均を出して求めた見掛け露光レベルによ
り、本発明の像形成層のただ一つを用いて全ての入力露
光レベルを誘導した場合に生成された像と比較して、優
れた粒状度を示したオリジナルシーンの再生が得られ
た。さらに、本発明により生成された像は、一つの像記
録のみを含む比較例と比較して、より低い粒状度を示し
た。これにより、スペクトルの単一領域に応答する複数
層を含む写真記録単位の各層において記録される情報を
独立的に読み取ることにより、品質の向上が達成される
ことが示された。
【0116】実施例2 現像抑制剤放出カプラー(DIR)を像形成層の各々に
含めたことを除いて、実施例1を反復した。透明フィル
ム支持体上にコーティングすることにより、本発明フィ
ルム#2を作成した。処理液脱色性ハレーション防止層
を、支持体の裏面上にコーティングした。以下の層をコ
ーティングして、フィルム支持体に最も近い層から始ま
る本発明フィルム#1を作成した。
【0117】本発明フィルム#2 層1:ゼラチンアンダーコート ゼラチン〔4.9〕. 層2:低感度緑感性記録層 ゼラチン〔1.7〕;超低感度緑色増感臭ヨウ化銀平板
状粒子乳剤(ヨウ化物4.0モル%、平均粒子投影面積
0.5μm2 、平均粒子厚さ0.09μm)〔0.5
4〕; 低感度緑色増感臭ヨウ化銀平板状粒子乳剤(ヨウ化物
4.0モル%、平均粒子投影面積0.9μm2 、平均粒
子厚さ0.10μm)〔0.54〕; シアンDIRカプラー(4)〔0.03〕;シアン色素
形成カプラー(1)〔1.08〕. 層3:中感度緑感性記録層 ゼラチン〔1.7〕; 中感度緑色増感臭ヨウ化銀平板状粒子乳剤(ヨウ化物
4.0モル%、平均粒子投影面積1.2μm2 、平均粒
子厚さ0.12μm)〔1.08〕; マゼンタDIRカプラー(5)〔0.03〕; マゼンタ色素形成カプラー(2)〔1.08〕. 層4:高感度緑感性記録層 ゼラチン〔1.7〕; 高感度緑色増感臭ヨウ化銀平板状粒子乳剤(ヨウ化物
4.0モル%、平均粒子投影面積2.5μm2 、平均粒
子厚さ0.13μm)〔1.08〕; イエローDIRカプラー(6)〔0.03〕 イエロー色素形成カプラー(3)〔1.08〕. 層5:スーパーコート ゼラチン〔1.6〕; ビス(ビニルスルホニル)メタン〔0.2〕.
【0118】上記で挙げた成分の他に、4−ヒドロキシ
−6−メチル−1,3,3A,7─テトラアジンデンナ
トリウム塩を、ハロゲン化銀1モル当たり1.75gの
レベルで各乳剤含有層に含めた。界面活性剤を全ての層
に含めて、コーティングを容易にした。シアンDIRカ
プラー(4)は、以下の構造を有していた:
【0119】
【化4】
【0120】マゼンタDIRカプラ−(5)は、以下の
構造を有していた:
【0121】
【化5】
【0122】イエローDIRカプラー(6)は、以下の
構造を有していた:
【0123】
【化6】
【0124】透明フィルム支持体上にコーティングする
ことにより、比較フィルム#3を作成した。処理液脱色
性ハレーション防止層を、支持体の裏面上にコーティン
グした。比較フィルムに関して、支持体に最も近い層か
ら初めて、以下の層をコーティングした。
【0125】比較フィルム#3 層1:ゼラチンアンダーコート ゼラチン〔4.9〕. 層2:緑感性記録層 ゼラチン〔4.28〕; 超低感度緑色増感臭ヨウ化銀平板状粒子乳剤(ヨウ化物
4.0モル%、平均粒子投影面積0.5μm2 、平均粒
子厚さ0.09μm)〔0.54〕; 低感度緑色増感臭ヨウ化銀平板状粒子乳剤(ヨウ化物
4.0モル%、平均粒子投影面積0.9μm2 、平均粒
子厚さ0.10μm)〔0.54〕; 中感度緑色増感臭ヨウ化銀平板状粒子乳剤(ヨウ化物
4.0モル%、平均粒子投影面積1.2μm2 、平均粒
子厚さ0.12μm)〔1.08〕; 高感度緑色増感臭ヨウ化銀平板状粒子乳剤(ヨウ化物
4.0モル%、平均粒子投影面積2.5μm2 、平均粒
子厚さ0.13μm)〔1.08〕; マゼンタDIRカプラー(5)〔0.1〕 マゼンタ色素形成カプラー(2)〔2.16〕. 層3:スーパーコート ゼラチン〔1.6〕; ビス(ビニルスルホニル)メタン〔0.19〕.
【0126】上記で挙げた成分の他に、4−ヒドロキシ
−6−メチル−1,3,3A,7─テトラアジンデンナ
トリウム塩を、ハロゲン化銀1モル当たり1.75gの
レベルで各乳剤含有層に含めた。界面活性剤を全ての層
に含めて、コーティングを容易にした。
【0127】透明フィルム支持体上にコーティングする
ことにより、比較フィルム#4を作成した。処理液脱色
性ハレーション防止層を、支持体の裏面上にコーティン
グした。また、比較フィルムに関して、支持体に最も近
い層から初めて、以下の層をコーティングした。
【0128】比較フィルム#4 層1:ゼラチンアンダーコート ゼラチン〔4.9〕. 層2:低感度緑感性記録層 ゼラチン〔1.7〕; 超低感度緑色増感臭ヨウ化銀平板状粒子乳剤(ヨウ化物
4.0モル%、平均粒子投影面積0.5μm2 、平均粒
子厚さ0.09μm)〔0.54〕; 低感度緑色増感臭ヨウ化銀平板状粒子乳剤(ヨウ化物
4.0モル%、平均粒子投影面積0.9μm2 、平均粒
子厚さ0.10μm)〔0.54〕; マゼンタDIRカプラー(5)〔0.03〕; マゼンタ色素形成カプラー(2)〔1.08〕.
【0129】層3:中感度緑感性記録層 ゼラチン〔1.7〕; 中感度緑色増感臭ヨウ化銀平板状粒子乳剤(ヨウ化物
4.0モル%、平均粒子投影面積1.2μm2 、平均粒
子厚さ0.12μm)〔1.08〕; マゼンタDIRカプラー(5)〔0.03〕; マゼンタ色素形成カプラー(2)〔1.08〕. 層4:高感度緑感性記録層 ゼラチン〔1.7〕; 高感度緑色増感臭ヨウ化銀平板状粒子乳剤(ヨウ化物
4.0モル%、平均粒子投影面積2.5μm2 、平均粒
子厚さ0.13μm)〔1.08〕; マゼンタDIRカプラー(5)〔0.03〕; マゼンタ色素形成カプラー(2)〔1.08〕. 層5:スーパーコート ゼラチン〔1.6〕; ビス(ビニルスルホニル)メタン〔0.2〕.
【0130】上記で挙げた成分の他に、4−ヒドロキシ
−6−メチル−1,3,3A,7─テトラアジンデンナ
トリウム塩を、ハロゲン化銀1モル当たり1.75gの
レベルで各乳剤含有層に含めた。界面活性剤を全ての層
に含めて、コーティングを容易にした。
【0131】本発明の試料と2つの比較フィルム(全て
が、DIRカプラーを全ての像形成層に含有)を、実施
例1に記載したようにして、露光し、処理し、走査し、
そして解析した。表V、VI及びVIIに、各露光レベ
ル及び識別可能なフィルム記録についての較正データと
標準偏差をまとめて示す。
【0132】実施例1で観察されたように、本発明のデ
ィジタル処理フィルムについての見掛け露光量測定値の
不確実性は、2つの比較フィルムのいずれの不確実性に
も匹敵するか、ほとんどの場合、それらよりも小さい。
さらに、上記したようにしてこれらのフィルムに記録し
処理した像は、本発明の場合、比較フィルムのいずれと
比較しても、向上した粒状度性能を示し、本発明を使用
して記録した像が優れた品質有することが明らかとなっ
た。
【0133】
【表5】
【0134】
【表6】
【0135】
【表7】
【0136】標準偏差が小さい程、写真要素におけるS
N比が高い。表7から明らかなように、本発明フィルム
#2の標準偏差は、どの比較フィルムについて報告され
ている標準偏差に対しても、少なくともそれに匹敵する
か、ほとんどの例において、それよりも顕著に低い。
【0137】
【発明の効果】上記したように、本発明により、同じス
ペクトル領域内で露光記録ができ且つ限界感度レベルが
異なる少なくとも2層のハロゲン化銀乳剤層にスペクト
ル的に区別できる像を形成することにより、乳剤層のう
ちの一層において選択された露光範囲内において写真学
的に優れた記録を記録し、そしてこの優れた記録を可視
像の形成に優先して使用することができるので、優れた
可視像を提供することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 7/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、スペクトルの同じ領域内の露
    光を記録するための限界感度が異なる少なくとも2層の
    ハロゲン化銀乳剤層を含んでなる写真要素であって、 前記の少なくとも2層のハロゲン化銀乳剤層の各々が、
    像様露光及び処理により、スペクトル的に区別できる
    画像を生成するための異なる像供与物質を含有し、前
    記可視画像は、個々に走査して、改良された複合画像を
    得ることができることを特徴とする写真要素。
  2. 【請求項2】 支持体と、スペクトルの同じ領域内の露
    光を記録するための限界感度が異なる少なくとも2層の
    ハロゲン化銀乳剤層を含んでなり、前記の少なくとも2
    層のハロゲン化銀乳剤層の各々が、像様露光及び処理に
    より、スペクトル的に区別できる可視画像を生成するた
    めの異なる像供与物質を含有する、像様露光した写真要
    素を、写真処理してスペクトル的に区別できる可視画像
    を生成し、そして前記可視画像を走査して得られた像情
    報を、改良された複合画像の作成に用いることを含む可
    視写真画像の生成方法。
JP14994493A 1992-06-26 1993-06-22 優れた写真記録を生成するための要素及び方法 Expired - Fee Related JP3227028B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US905597 1986-09-10
US07/905,597 US5314794A (en) 1992-06-26 1992-06-26 Elements and processes for producing superior photographic records

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0667373A JPH0667373A (ja) 1994-03-11
JP3227028B2 true JP3227028B2 (ja) 2001-11-12

Family

ID=25421108

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14994493A Expired - Fee Related JP3227028B2 (ja) 1992-06-26 1993-06-22 優れた写真記録を生成するための要素及び方法

Country Status (3)

Country Link
US (2) US5314794A (ja)
EP (1) EP0576094A1 (ja)
JP (1) JP3227028B2 (ja)

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4821504A (en) * 1987-06-25 1989-04-18 Howa Machinery, Ltd. System for controlling displacement of carriage working machines
JP2685111B2 (ja) * 1992-02-14 1997-12-03 富士写真フイルム株式会社 画像形成方法
JPH0695284A (ja) * 1992-09-16 1994-04-08 Konica Corp ポジ型カラー感光材料及び画像形成方法
US5512103A (en) * 1994-02-18 1996-04-30 Eastman Kodak Company Silver halide color photography element with improved high density contrast and bright low density colors
US5563027A (en) * 1994-11-14 1996-10-08 Eastman Kodak Company Color reversal electronic output film
US5609978A (en) * 1995-06-06 1997-03-11 Eastman Kodak Company Method for producing an electronic image from a photographic element
US5582961A (en) * 1995-06-06 1996-12-10 Eastman Kodak Company Photographic elements which achieve colorimetrically accurate recording
DE69725914T2 (de) * 1996-03-11 2004-11-04 Fuji Photo Film Co., Ltd., Minami-Ashigara Bilderzeugungsverfahren und System
US6686136B1 (en) 1998-06-25 2004-02-03 Eastman Kodak Company Color negative film element and process for developing
US6210870B1 (en) 1998-06-25 2001-04-03 Eastman Kodak Company Method of creating an image-bearing signal record by scanning a color negative film element
US5989793A (en) * 1998-06-25 1999-11-23 Eastman Kodak Company Color negative photographic elements with modified scavenging compound distributions
US6274299B1 (en) 1998-06-25 2001-08-14 Eastman Kodak Company Method of electronically processing an image from a color negative film element
US6021277A (en) * 1998-06-25 2000-02-01 Eastman Kodak Company One-time-use camera preloaded with color negative film element
US6043012A (en) * 1998-06-25 2000-03-28 Eastman Kodak Company Color negative photographic elements with modified scavenging compound distributions
JP2002090956A (ja) 2000-09-18 2002-03-27 Konica Corp ハロゲン化銀感光材料及び画像形成材料
US6423482B1 (en) * 2000-12-06 2002-07-23 Eastman Kodak Company Photographic element and package
US6620580B2 (en) * 2001-11-14 2003-09-16 Eastman Kodak Company Color negative element containing triple-coated blue record and method of imaging using same
US6589721B1 (en) 2001-12-20 2003-07-08 Eastman Kodak Company Method of developing a color negative element intended for scanning
US6696232B2 (en) 2001-12-20 2004-02-24 Eastman Kodak Company Color negative element intended for scanning
TWI220743B (en) * 2003-03-24 2004-09-01 Lite On Technology Corp Media classification method
US20050255972A1 (en) * 2004-05-15 2005-11-17 Pak Yong K Motion responding electrically blinking jump rope (II)
US7809210B2 (en) 2006-12-12 2010-10-05 Mitsubishi Digital Electronics America, Inc. Smart grey level magnifier for digital display
JP4952567B2 (ja) * 2007-12-21 2012-06-13 富士ゼロックス株式会社 画像検索システム、画像検索装置、プログラム

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3846135A (en) * 1966-05-12 1974-11-05 Agfa Gevaert Ag Light-sensitive photographic material with increased sensitivity to light
BE758971A (ja) * 1969-11-22 1971-05-17 Agfa Gevaert Nv
GB1458370A (en) * 1973-08-23 1976-12-15 Kodak Ltd Photographic materials
GB1474994A (en) * 1974-06-19 1977-05-25 Fuji Photo Film Co Ltd Multilayer colour photographic silver halide material
US4184876A (en) * 1974-07-09 1980-01-22 Eastman Kodak Company Color photographic materials having increased speed
DE2704826A1 (de) * 1977-02-05 1978-08-17 Agfa Gevaert Ag Farbphotographisches aufzeichnungsmaterial
US4439520A (en) * 1981-11-12 1984-03-27 Eastman Kodak Company Sensitized high aspect ratio silver halide emulsions and photographic elements
IT1175018B (it) * 1983-09-30 1987-07-01 Minnesota Mining & Mfg Materiale fotografico multistrato a colori sensibile alla luce
IT1188553B (it) * 1986-02-24 1988-01-20 Minnesota Mining & Mfg Materiale fotografico multistrato a colori agli alogenuri d'argento
GB8609132D0 (en) * 1986-04-15 1986-05-21 Minnesota Mining & Mfg Photographic materials
GB8609137D0 (en) * 1986-04-15 1986-05-21 Minnesota Mining & Mfg Imaging system
US5108881A (en) * 1990-03-29 1992-04-28 Eastman Kodak Company Minimal crossover radiographic elements adapted for varied intensifying screen exposures

Also Published As

Publication number Publication date
US5314794A (en) 1994-05-24
EP0576094A1 (en) 1993-12-29
US5389506A (en) 1995-02-14
JPH0667373A (ja) 1994-03-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3227028B2 (ja) 優れた写真記録を生成するための要素及び方法
US5391443A (en) Process for the extraction of spectral image records from dye image forming photographic elements
US5418119A (en) Photographic elements for producing blue, green and red exposure records of the same hue
US5350664A (en) Photographic elements for producing blue, green, and red exposure records of the same hue and methods for the retrieval and differentiation of the exposure records
EP0747759B1 (en) Photographic elements which achieve colorimetrically accurate recording
US5609978A (en) Method for producing an electronic image from a photographic element
US5389503A (en) Photographic elements for producing blue, green, and red exposure records of the same hue
EP0610994A2 (en) Photographic elements for producing blue, green and red exposure records of the same hue and methods for the retrieval and differentiation of the exposure records
US5334469A (en) Photographic processes for producing spectral image records retrievable by scanning
EP0526931B1 (en) Process for the extraction of spectral image records from dye image forming photographic elements
US6296994B1 (en) Photographic elements for colorimetrically accurate recording intended for scanning
US6040131A (en) Color photothermography
EP0905561A1 (en) A color negative film for producing images of reduced granularity
EP1033619B1 (en) Photographic film element containing an emulsion with broadened green responsivity
EP0978762B1 (en) Photographic film element with broad blue sensitivity
JPH11133559A (ja) カラーネガフィルム
JP2881327B2 (ja) 色相再現性に優れたカラー写真感光材料
JPH05249626A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料
JP2887687B2 (ja) 色相再現性に優れたカラー写真感光材料
EP0837359A1 (en) Colour reversible photographic product
JPS61100750A (ja) 内視鏡カメラ用ハロゲン化銀カラ−写真感光材料
EP0501465A1 (en) Silver halide color photographic light sensitive material

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees