JP3226427U - 球形タンク内の足場装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業者が両手に荷物を抱えた状態であっても、上段の足場部材と下段の足場部材の間を安全に移動することが可能な球形タンク内の足場装置を提供する。【解決手段】球形タンクの内部に球形タンクの上下方向の中心線に沿って配置されるとともに軸回りに回転可能に支持された柱体と、柱体から球形タンクの内壁に向けて水平に延びるとともに柱体の軸方向に沿って上下に所定の間隔で配置される複数の足場部材3を有する足場構造体と、上下に対向する足場部材3間に架け渡されるタラップ40とを備え、タラップ40は、一対の縦フレーム材41と、一対の縦フレーム材41間に架け渡され縦フレーム材41の延長方向に沿って複数配置される板状のステップ42とを有する。【選択図】図7
Description
この考案は、球形タンク内の足場装置に関する。
球形タンク内の足場装置は、液化天然ガスなどを貯留する球形タンクの内部で組み立てられて、球形タンクの内壁の塗装作業や検査作業などに利用される。
従来の球形タンク内の足場装置は、球形タンクの内部に球形タンクの上下方向の中心線に沿って配置されるとともに軸回りに回転可能に支持された柱体と、柱体から球形タンクの内壁に向けて左右にそれぞれ水平に延びるとともに柱体の軸方向に沿って上下に所定の間隔で配置される複数の足場部材とを備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
このような球形タンク内の足場装置では、柱体を周方向に回転させることで、足場部材を球形タンクの内壁の任意の位置に対向させることができる。
従来の球形タンク内の足場装置では、作業者が上層から下層あるいは下層から上層の上下の足場部材へ移動できるように、上下の足場部材間に梯子が架け渡されている。
梯子は、左右一対の縦材と、縦材間に一定の間隔で架け渡され足場となる丸棒でなるステップとで構成されている。このように梯子の足場となるステップが丸棒で形成されていると、作業者はステップを足場とするだけではバランスをとるのが難しいため、上方のステップを掴みながら梯子を昇降する必要があった。
そのため、従来の球形タンク内の足場装置では、作業者が両手に荷物を抱えた状態で、上段の足場部材と下段の足場部材の間を安全に移動するのが難しかった。
そこで、本考案は、作業者が両手に荷物を抱えた状態であっても、上段の足場部材と下段の足場部材の間を安全に移動することが可能な球形タンク内の足場装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成させるため、本考案の球形タンク内の足場装置は、球形タンクの内部に前記球形タンクの上下方向の中心線に沿って配置されるとともに軸回りに回転可能に支持された柱体と、前記柱体から前記球形タンクの内壁に向けて水平に延びるとともに前記柱体の軸方向に沿って上下に所定の間隔で配置される複数の足場部材を有する足場構造体と、上下に対向する前記足場部材間に架け渡されるタラップとを備え、前記タラップは、一対の縦フレーム材と、前記一対の縦フレーム材間に架け渡され前記縦フレーム材の延長方向に沿って複数配置される板状のステップとを有することを特徴とする。この構成によると、ステップが、板状に形成されているため、ステップを棒状に形成する場合に比べて、ステップの表面積が広くなる。
また、本考案の球形タンク内の足場装置は、前記各縦フレーム材の延長方向の途中に所定の間隔で設けられる一対のソケットと、前記一対のソケットにそれぞれ着脱自在に保持される一対の手摺支柱と、前記一対の手摺支柱間に架け渡される手摺本体を有する手摺フレームとを有してもよい。この構成によると、タラップに手摺を設けることができるので、作業者がタラップを踏み外したとしても、手摺を掴むことでタラップからの落下を防止できる。さらに、手摺フレームが縦フレーム材に取付けられているので、作業者がタラップの側方側から落下することも防止できる。
また、本考案の球形タンク内の足場装置では、前記足場構造体は、作業者に装着された命綱を取付け可能な取付金具を最上段を除く前記足場部材の階層毎に一つ以上有し、前記取付金具のうち少なくとも一つが、前記足場構造体の前記内壁側に設けられているとしてもよい。この構成によると、作業場所である球形タンクの内壁側に命綱を取付け可能な取付金具が設けられるため、作業者は、内壁側に身を乗り出す作業も安全に行うことができる。
また、本考案の球形タンク内の足場装置では、前記取付金具は、前記足場部材の下面側に設けられてもよい。この構成によると、作業者よりも上側に命綱が取付けられるので、作業者が足場部材上から落下した時に、命綱の長さが同じであるとすると、命綱を作業者の横側に取付けた場合と比べて、命綱が張られて張力を発揮するのが早くなる。そのため、作業者の落下距離を短くできる。
また、本考案の球形タンク内の足場装置では、前記取付金具は、前記足場部材の延長方向に沿って所定の間隔で複数設けられてもよい。この構成によると、命綱の長さを隣り合う取付金具間の間隔よりも長くすれば、作業者が球形タンクの内壁側以外に移動する際にも、命綱を近くの取付金具に付け替えることで、作業者は、常に命綱を取付けた状態で、足場部材上を移動できる。
また、本考案の球形タンク内の足場装置では、前記足場構造体は、前記柱体と前記足場部材間に架設され前記足場部材を吊持する複数の斜材を有し、前記足場部材は、前記柱体から前記球形タンクの内壁に向けて水平に延びる一対の水平梁と、前記水平梁間に所定の間隔で架け渡され前記水平梁同士を連結するとともに前記斜材の一端が連結される複数のタイロッドとを有し、前記取付金具は、前記各タイロッドに設けられるとしてもよい。この構成によると、足場部材を吊持する斜材の端部を連結するために、水平梁間に所定の間隔で配置されるタイロッドに取付金具を設けているので、取付金具を足場部材の延長方向に沿って所定の間隔で容易に配置できる。また、取付金具が水平梁よりも足場部材の内側に配置されるので、命綱を取り付ける際に、作業者が足場部材の外側に近づく必要がなく、命綱を取付金具に取付ける作業を安全に行える。
また、本考案の球形タンク内の足場装置では、前記ステップは、前記タラップが対向する前記足場部材間に架け渡された状態で、水平に設置されるとしてもよい。この構成によると、ステップを踏む際に足が滑りにくくなり、作業者がタラップをより安全に昇降しやすくなる。
本考案の球形タンク内の足場装置では、作業者が両手に荷物を抱えた状態であっても、上段の足場部材と下段の足場部材の間を安全に移動することができる。
以下に、図面を参照しながら本実施の形態について説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は同じ部品を示す。
本実施の形態の球形タンク内の足場装置1は、球形タンクTの内部で組み立てられて利用される。球形タンクTは、内部が中空の球形であって、図示しない多数本の脚柱によって支持されており、内部に液化天然ガスなどを貯留できる。また、図1に示すように、球形タンクTの上部と下部には、それぞれ、球形タンクTの内外を連通する上側開口部T1と下側開口部T2が設けられている。
球形タンク内の足場装置1は、図1に示すように、球形タンクTの内部に球形タンクTの上下方向の中心線に沿って配置されるとともに軸回りに回転可能に支持された柱体2と、柱体2から球形タンクTの内壁に向けて水平に延びるとともに柱体2の軸方向に沿って上下に所定の間隔で配置される複数の足場部材3を有する足場構造体10と、上下に対向する足場部材3,3間に架け渡されるタラップ40とを備える。そして、タラップ40は、一対の縦フレーム材41と、一対の縦フレーム材41,41間に架け渡され縦フレーム材41の延長方向に沿って複数配置される板状のステップ42とを有する。
そして、本実施の形態の球形タンク内の足場装置1は、柱体2を回転させることで、足場構造体10を球形タンクTの内壁の任意の位置に対向させることができる。これにより、作業者は、球形タンクTの内壁の任意の個所に対して、塗装や点検などの作業を行うことができる。
つづいて、球形タンク内の足場装置1の各部について詳細に説明する。本実施の形態の柱体2は、図2に示すように、一対の縦材2a,2aと、縦材2a,2a間に所定の間隔で架け渡される複数の横材2bと、対向する縦材間に互いに交差するように斜めに架け渡される複数の補強材2cとを有する。また、縦材2aは、複数の縦材分割体(符示せず)と、縦材分割体間に介装されて縦材分割体同士を接続する接続部材2dとを有している。また、詳細には説明しないが、接続部材2dは、縦材分割体を上下にそれぞれ保持する機構と、後述する足場部材3の水平梁を左右にそれぞれ保持する機構と、後述する斜材の端部を保持する機構を備えている。
図1に示すように、球形タンクTの上部と下部における球形タンクの上下方向の中心線に沿う位置には、それぞれ、柱体2の上端を回転自在に支持する上部サポート4と、柱体2の下端を回転自在に支持する下部サポート5が設けられている。
これにより、本実施の形態の柱体2は、上部サポート4と下部サポート5を介して、球形タンクTの内部に球形タンクTの上下方向の中心線に沿って配置され、軸回りに回転可能に支持される。
本実施の形態の足場構造体10は、図1に示すように、柱体2から球形タンクTの内壁に向けて左右に水平に延びるとともに上下に複数階層にわたって設けられる複数の足場部材3を備えている。また、足場構造体10は、足場部材3に足場部材3の延長方向に沿って並べて取付けられる複数の手摺枠6を有する。さらに、足場構造体10は、上下に対向する足場部材3,3間に垂直に架け渡され上下に対向する足場部材3,3同士を連結する複数の垂直材7と、柱体2と各足場部材3,3間に斜めに架設され足場部材3を吊持する複数の斜材8とを有する。これにより、足場構造体10が、柱体2に吊持される構成となるため、各足場部材3が水平状態に維持される。
足場部材3は、図1,図3に示すように、一端が接続部材2dを介して柱体2に連結されて柱体2から球形タンクTの内壁に向けて水平に延びる一対の水平梁11と、水平梁11,11間に一定の間隔で架け渡され水平梁11,11同士を接続するとともに垂直材7の端部と斜材8の端部が連結される複数のタイロッド12と、各水平梁11の上部に取付けられ水平梁11の延長方向に沿って延びるビーム材9と、対向するビーム材9,9間に架け渡される足場板19とを有する。
水平梁11は、図3に示すように四角柱状であって、水平梁11の延長方向に所定の間隔で配置されて水平梁11を軸方向から見て横方向に貫通する横孔11aを有する。
タイロッド12は、図3に示すように、外筒13aと外筒13a内に移動可能に挿入される内筒13bとを有し伸縮可能に構成されるとともに水平梁11の横孔11aよりも径の大きい伸縮部13と、伸縮部13の両端部に設けられて横孔11aに嵌合可能な挿入部14とを有する。挿入部14の先端側にはねじ部14aが形成されている。また、挿入部14の軸方向長さは、水平梁11における軸方向から見て横方向の幅よりも長く形成されている。
また、伸縮部13の外筒13aと内筒13bは、それぞれ伸縮部13の最伸長時に対向する孔(図示せず)を有している。図3に示すように、伸縮部13は、当該各孔を対向させた状態で、これらの孔にロックピン15を挿入することで、最伸長状態でロックされる。この際、ロックピン15の一端と他端には、弾性リング16が架け回されている。これにより、ロックピン15が、弾性リング16の弾性力によって径方向に引っ張られるため、ロックピン15の外周と外筒13a及び内筒13bの間で生じる摩擦力が大きくなる。したがって、ロックピン15が外筒13aと内筒13bに形成された孔から抜けることが防止される。
伸縮部13の両端には、図3に示すように、作業者に装着された命綱を取付け可能な取付金具17が設けられている。本実施の形態の取付金具17は、U字状であって両端が伸縮部13に固定されるU字片17aと、U字片17aの両端部の間に掛け渡されるとともに伸縮部13に固定されて取付金具17の連結強度を補強する補強板17bとを有する。そして、図示しないが、命綱の一端に設けられたフックをU字片17aに引っ掛けることで、命綱を取付金具に取付けできる。また、本実施の形態の取付金具17は、U字片17aの両端を伸縮部13に固定して形成されているため、U字片17aに引っ掛けられたフックはU字片17aと伸縮部13とに囲われることになる。そのため、取付金具17に取付けられた命綱は、命綱に対してどの方向の力が作用しても、取付金具17から外れないようになっている。なお、本実施の形態の取付金具17の構成は、一例であって、命綱を取付け可能であって、命綱に作用する力の方向に関わらず命綱が外れない構成であれば、特に限定されない。
垂直材7は、図3に示すように、金属製の棒材であって、両端に取付孔(図示せず)が形成されたプレート(符示せず)を有する。また、斜材8は、図3に示すように、金属製の線材であって、両端にそれぞれ取付孔(図示せず)が形成されたプレート(符示せず)を有する。
つづいて、図3に示すように、タイロッド12を水平梁11,11間に連結するとともにタイロッド12に垂直材7の端部及び斜材8の端部を取付ける手順について詳細に説明する。まず、伸縮部13を収縮させた状態で、タイロッド12を水平梁11,11間に配置する。次に、各挿入部14と水平梁11の各横孔11aを対向させた状態で、伸縮部13を伸長させて、各挿入部14を対向する各横孔11aに挿入し、各挿入部14の先端を各水平梁11から突出させる。その後、伸縮部13の外筒13aと内筒13bに設けられた孔にロックピン15を挿入し、伸縮部13をロックする。これにより、タイロッド12が収縮して水平梁11,11間から外れてしまうことが防止される。最後に、複数の斜材8と垂直材7を取付孔を介して挿入部14に嵌合し、ねじ部14aにナット18を螺合して締め付けることで、タイロッド12を水平梁11,11間に連結するとともにタイロッド12に垂直材7の端部及び斜材8の端部を取付けできる。
このようにして、垂直材7の各端部を、上段の足場部材3と下段の足場部材3における上下に対向する各タイロッド12に連結することで、上下に対向する足場部材3,3は、図1に示すように、足場部材3の延長方向に沿って配置された複数の垂直材7によって連結される。
同様に、斜材8の各端部を、柱体2の各接続部材2dと、各接続部材2dに対して先端側下方に配置される各タイロッド12に連結することで、各足場部材3は、図1に示すように複数の斜材8によって吊持される。
戻って、タイロッド12の伸縮部13の両端に設けられた取付金具17は、タイロッド12を水平梁11,11間に連結する際に、下段の足場部材3側に向くように配置される。これにより、足場構造体10には、命綱を取付け可能な取付金具17が、最上段を除く足場部材3の階層毎に設けられる。また、本実施の形態では、取付金具17が設けられるタイロッド12は、水平梁11,11間に所定の間隔で複数配置されているため、複数の取付金具17のうちのいずれかが球形タンクTの内壁側に必ず配置されるようになっている。そのため、作業者が主な作業場所である球形タンクTの内壁側で作業をする際には、必ず命綱を取付金具17に取付けた状態で作業できるようになっている。なお、足場部材3の最上段では、作業者は球形タンクTの天井に対する作業しか行わないため、取付金具17が設けられていなくても落下の心配はない。
また、本実施の形態では、取付金具17は、上段の足場部材3の下面側に設けられることになるので、下段の足場部材3で作業をする作業者にとっては、上方に命綱を取付けることになる。そのため、作業者が足場部材3上から落下した時に、命綱を作業者の横側又は下方に取付けた場合と比べて、命綱が張って張力を発揮するのが早くなるので、作業者の落下距離が短くなる。
また、本実施の形態では、水平梁11,11間に所定の間隔で架け渡されたタイロッド12に取付金具17が連結されているため、足場部材3の延長方向に沿って複数の取付金具17が配置されることになる。そのため、作業者が球形タンクTの内壁側以外に移動する際に、命綱を各取付金具17に付け替えることができる。これにより、作業者は、常に命綱を取付けた状態で、足場部材3上を移動できる。加えて、取付金具17が水平梁11よりも足場部材3の内側に配置されることになるので、取付金具17に命綱を取付ける際に、作業者が足場部材3の外側に近づく必要がなく、命綱を取付金具17に取付ける作業を安全に行える。
ビーム材9は、図3,図4に示すように、水平梁11の上部に水平梁11の延長方向に沿って固定されており、足場部材3上から工具などが落下するのを防止する幅木として機能する。また、ビーム材9は、図3,図4に示すように、水平梁11の上部に固定された状態で、対向するビーム材9側(内側)に突出する架設部9aを有している。さらに、図示しないが、ビーム材9は、ビーム材9の延長方向に沿って所定の間隔で配置され、後述する手摺枠6を保持可能な支柱ブラケットを有する。
本実施の形態の足場板19は、図4に示すように、複数の矩形の板材19aで構成されている。足場板19は、複数の板材19aを対向するビーム材9,9の架設部9a,9a間に隙間なく架け渡すことで、ビーム材9,9間に架け渡されている。また、本実施の形態の手摺枠6は、図4に破線で示すように、門型であって、支柱ブラケットを介してビーム材9に取付けられている。
また、本実施の形態の足場部材3は、図4に示すように、下側に向けて開口する開口部Oを有している。開口部Oは、図4に示すように、足場板19の一部の板材19aを省略して形成されている。
また、図4に示すように、開口部Oにおける足場部材3の延長方向の両端側で対向するビーム材9,9間には、それぞれロッド材R1,R2が架け渡されている。そして、これらのロッド材R1,R2には、開口部Oの足場部材3の延長方向の中心線から半分を閉塞する床板30が架け渡されており、作業者が開口部Oを挟んで対向する板材19a,19a間を移動できるようになっている。
また、床板30の内側側端には、床板30の延長方向に沿って垂直に起立する板状の幅木材31が設けられている。これにより、床板30から開口部Oに工具などが落下するのが防止される。さらに、床板の内側側端の両端には、一対の筒状のホルダ32,32が設けられている。これらのホルダ32,32に門型の手摺33の下端を挿入して保持させることで、床板30の内側側端に手摺33が取付けられている。これにより、床板30を通過する際に、作業者が開口部Oに落下することが防止される。
また、各ロッド材R1,R2と、各ロッド材R1,R2に隣接する板材19aとの間には、それぞれ塞ぎ板35,35が架け渡されている。これにより、各ロッド材R1,R2と板材19aとの間に生じる隙間が塞がれるため、板材19aと各ロッド材R1,R2との間から工具などが落下しないようになっている。
つづいて、上下に対向する足場部材3,3間に架け渡されるタラップ40について詳細に説明する。本実施の形態のタラップ40は、図5,図6に示すように、一対の縦フレーム材41,41と、縦フレーム材間に架け渡され縦フレーム材41の延長方向に沿って複数配置される板状のステップ42とを備える。また、各縦フレーム材41の上端には上部フック43が設けられており、各縦フレーム材41の下端には下部フック44が設けられている。さらに、各縦フレーム材41には、縦フレーム材41の延長方向の途中に所定の間隔で配置される一対の筒状のソケット45が設けられている。これらのソケット45は、それぞれ、縦フレーム材41に対して上下に直交するように設けられている。
さらに、図5に示すように、本実施の形態のタラップ40には、ソケット45を介して縦フレーム材41に取付けられる手摺フレーム46が設けられている。具体的には、手摺フレーム46は、各縦フレーム材41に設けられる一対のソケット45にそれぞれ着脱自在に保持される一対の手摺支柱46aと、一対の手摺支柱46a,46a間に架け渡される矩形枠状の手摺本体46bとを有する。
そして、タラップ40は、図7に示すように、下部フック44を下段の足場部材3の図中左側に配置される一方のロッド材R1に引っ掛け、上部フック43を上段の足場部材3の図中右側に配置される他方のロッド材R2に引っ掛けることで、上下に対向する足場部材3,3間に右斜めに架け渡される。なお、タラップ40は、下部フック44を下段の足場部材3の他方のロッド材R2に引っ掛け、上部フック43を上段の足場部材3の一方のロッド材R1に引っ掛けるようにして、上下に対向する足場部材3,3間に左斜めに架け渡されてもよい。
前述したように、本実施の形態のステップ42は、板状に形成されているため、従来のようにステップ42が丸棒で形成される場合に比べて、ステップ42の表面積が広くなる。そのため、作業者は、両手を使わずにタラップ40を昇降することができる。なお、ステップ42のサイズは、作業者が手を使わずにタラップ40を昇降できる範囲で任意に決定されればよい。
また、ステップ42は、図7に示すように、タラップ40が上下に対向する足場部材3,3間に架け渡された状態で、水平に設置されている。これにより、ステップ42を踏む際に足が滑りにくくなり、作業者がタラップ40を安全に昇降しやすくなっている。
以上より、本実施の形態のタラップ40では、作業者は、荷物を抱えた状態であっても、安全に上下に対向する足場部材3,3間を移動できる。
また、詳細には説明しないが、図1に示すように、本実施の形態の球形タンク内の足場装置1は、球形タンクTの底部から1段目の足場部材3上へ作業者が移動するための梯子50を備える。この梯子50は、球形タンクTの底部から2段目の足場部材3の水平梁11に掛けられている。
前述したように、本実施の形態の球形タンク内の足場装置1は、球形タンクTの内部に球形タンクTの上下方向の中心線に沿って配置されるとともに軸回りに回転可能に支持された柱体2と、柱体2から球形タンクTの内壁に向けて水平に延びるとともに柱体2の軸方向に沿って上下に所定の間隔で配置される複数の足場部材3を有する足場構造体10と、上下に対向する足場部材3,3間に架け渡されるタラップ40とを備え、タラップ40は、一対の縦フレーム材41,41と、一対の縦フレーム材41,41間に架け渡され縦フレーム材41の延長方向に沿って複数配置される板状のステップ42とを有している。
この構成によると、ステップ42が、板状に形成されているため、従来のようにステップ42を丸棒で形成する場合に比べて、ステップ42の表面積が広くなる。そのため、作業者は、両手を使わずにタラップ40を昇降することができる。これにより、作業者は、荷物を抱えた状態であっても、安全に上下に対向する足場部材3,3間を移動できる。
また、本実施の形態のステップ42は、タラップ40が対向する足場部材3,3間に架け渡された状態で、水平に設置されている。この構成によると、ステップ42を踏む際に足が滑りにくくなり、作業者がタラップ40をより安全に昇降できる。ただし、作業者の安全な昇降を阻害しない範囲であれば、ステップ42は足場部材3に対して多少傾斜していてもよい。
また、本実施の形態のタラップ40は、各縦フレーム材41の延長方向の途中に所定の間隔で設けられる一対のソケット45,45と、一対のソケット45,45にそれぞれ着脱自在に保持される一対の手摺支柱46aと、一対の手摺支柱46a,46a間に架け渡される手摺本体46bを有する手摺フレーム46を備えている。
この構成によると、タラップ40に手摺を設けることができるので、作業者がタラップ40を踏み外したとしても、作業者は手摺を掴むことでタラップ40からの落下を防止できる。さらに、手摺フレーム46が縦フレーム材41に取付けられているので、作業者がタラップ40の側方側から落下することも防止できる。なお、ソケット45の構成は、手摺支柱46aを着脱自在に保持できれば筒状には限定されず、例えば、単管クランプであってもよい。また、手摺フレーム46は、一方の縦フレーム材41のみに取付けられてもよいし、全て省略されてもよい。
また、本実施の形態の足場構造体10は、作業者に装着された命綱を取付け可能な取付金具17を最上段を除く足場部材3の階層毎に複数有しており、取付金具17のうち少なくとも一つが、足場構造体10の球形タンクTの内壁側に設けられている。
この構成によると、作業者が主な作業場所である球形タンクTの内壁側で作業をする際には、必ず命綱を取付金具17に取付けた状態で作業できるようになっているため、作業者は、球形タンクTの内壁側に身を乗り出す作業も安全に行うことができる。
なお、本実施の形態では、最上段を除く各足場部材3に複数の取付金具17が設けられているが、取付金具17は、各足場部材3の球形タンクTの内壁側である先端側に1つ設けられているだけでもよい。また、本実施の形態では、取付金具17は、足場部材3のタイロッド12に連結されているが、取付金具17の連結個所は、足場構造体10であれば、タイロッド12には限定されず、例えば、足場部材3の水平梁11や、垂直材7、斜材8、手摺枠6であってもよい。
また、本実施の形態の球形タンク内の足場装置1では、足場構造体10は、柱体2と足場部材3,3間に架設され足場部材3,3を吊持する複数の斜材8を有し、足場部材3は、柱体2から球形タンクTの内壁に向けて水平に延びる一対の水平梁11,11と、水平梁11,11間に所定の間隔で架け渡され水平梁11,11同士を連結するとともに斜材8の一端が連結される複数のタイロッド12とを有し、作業者に装着された命綱を取付け可能な取付金具17は、各タイロッド12に設けられている。
この構成によると、足場部材3を吊持する斜材8の端部を連結するために、水平梁11,11間に所定の間隔で配置されるタイロッド12に取付金具17を設けているので、取付金具17を足場部材3の延長方向に沿って所定の間隔で容易に配置できる。また、取付金具17が水平梁11よりも足場部材3の内側に配置されることになるので、取付金具17に命綱を取付ける際に、作業者が足場部材3の外側に近づく必要がなく、命綱を取付金具17に取付ける作業を安全に行える。
また、本実施の形態では、取付金具17は、足場部材3の下面側に設けられている。この構成によると、下段の足場部材3で作業をする作業者にとっては、上方に命綱を取付けることになる。そのため、作業者が足場部材3上から落下した時に、命綱の長さが同じであるとすると、命綱を作業者の横側又は下方に取付けた場合と比べて、命綱が張って張力を発揮するのが早くなるので、作業者の落下距離が短くなる。
また、本実施の形態では、取付金具17は、足場部材3の延長方向に沿って所定の間隔で複数設けられている。この構成によると、命綱の長さを隣り合う取付金具17,17間の間隔よりも長くすれば、作業者が球形タンクTの内壁側以外に移動する際にも、命綱を近くの取付金具17に付け替えることで、作業者は、常に命綱を取付けた状態で、足場部材3上を移動できる。
以上、本考案の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、実用新案登録請求の範囲から逸脱なく改造、変形及び変更ができるのは当然である。
1・・・球形タンク内の足場装置、2・・・柱体、3・・・足場部材、8・・・斜材、10・・・足場構造体、11・・・水平梁、12・・・タイロッド、17・・・取付金具、40・・・タラップ、41・・・縦フレーム材、42・・・ステップ、45・・・ソケット、46・・・手摺フレーム、46a・・・手摺支柱、46b・・・手摺本体、T・・・球形タンク
Claims (7)
- 球形タンクの内部に前記球形タンクの上下方向の中心線に沿って配置されるとともに軸回りに回転可能に支持された柱体と、
前記柱体から前記球形タンクの内壁に向けて水平に延びるとともに前記柱体の軸方向に沿って上下に所定の間隔で配置される複数の足場部材を有する足場構造体と、
上下に対向する前記足場部材間に架け渡されるタラップとを備え、
前記タラップは、一対の縦フレーム材と、前記一対の縦フレーム材間に架け渡され前記縦フレーム材の延長方向に沿って複数配置される板状のステップとを有する
ことを特徴とする球形タンク内の足場装置。 - 前記各縦フレーム材の延長方向の途中に所定の間隔で設けられる一対のソケットと、
前記一対のソケットにそれぞれ着脱自在に保持される一対の手摺支柱と、前記一対の手摺支柱間に架け渡される手摺本体を有する手摺フレームとを有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の球形タンク内の足場装置。 - 前記足場構造体は、作業者に装着された命綱を取付け可能な取付金具を最上段を除く前記足場部材の階層毎に一つ以上有し、
前記取付金具のうち少なくとも一つが、前記足場構造体の前記内壁側に設けられている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の球形タンク内の足場装置。 - 前記取付金具は、前記足場部材の下面側に設けられる
ことを特徴とする請求項3に記載の球形タンク内の足場装置。 - 前記取付金具は、前記足場部材の延長方向に沿って所定の間隔で複数設けられる
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の球形タンク内の足場装置。 - 前記足場構造体は、前記柱体と前記足場部材間に架設され前記足場部材を吊持する複数の斜材を有し、
前記足場部材は、前記柱体から前記球形タンクの内壁に向けて水平に延びる一対の水平梁と、前記水平梁間に所定の間隔で架け渡され前記水平梁同士を連結するとともに前記斜材の一端が連結される複数のタイロッドとを有し、
前記取付金具は、前記各タイロッドに設けられる
ことを特徴とする請求項5に記載の球形タンク内の足場装置。 - 前記ステップは、前記タラップが対向する前記足場部材間に架け渡された状態で、水平に設置される
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の球形タンク内の足場装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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JP3226427U true JP3226427U (ja) | 2020-06-25 |
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ID=71103513
Family Applications (1)
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JP2020000860U Active JP3226427U (ja) | 2020-03-11 | 2020-03-11 | 球形タンク内の足場装置 |
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JP (1) | JP3226427U (ja) |
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2020
- 2020-03-11 JP JP2020000860U patent/JP3226427U/ja active Active
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