JP3226423B2 - 電解生成水の製造方法および製造装置 - Google Patents
電解生成水の製造方法および製造装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生鮮食料品の殺菌処
理、洗浄処理、冷凍食料品の解凍処理、布巾等布類、手
等の殺菌洗浄に使用される電解生成水の製造方法、およ
びその製造装置に関する。
理、洗浄処理、冷凍食料品の解凍処理、布巾等布類、手
等の殺菌洗浄に使用される電解生成水の製造方法、およ
びその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる処理に使用される電解生成水は、
例えば特開平2−111708号公報、および特開平4
−42077号公報に示されているように、イオン透過
能を有する隔膜にて区画されたアノード室とカソード室
を備えた電解槽を使用して、アノード室には中性水を供
給するとともにカソード室には食塩水を供給するか、ま
たはこれら両室に食塩水を供給して電解する製造方法が
採られる。当該製造方法においては、アノード室では殺
菌力を有する酸性水(アノード室側生成水)が生成さ
れ、またカソード室では酸化還元電位の低いアルカリ性
水(カソード室側生成水)が得られる。これらの酸性水
およびアルカリ性水は各種の用途に適宜使用される。
例えば特開平2−111708号公報、および特開平4
−42077号公報に示されているように、イオン透過
能を有する隔膜にて区画されたアノード室とカソード室
を備えた電解槽を使用して、アノード室には中性水を供
給するとともにカソード室には食塩水を供給するか、ま
たはこれら両室に食塩水を供給して電解する製造方法が
採られる。当該製造方法においては、アノード室では殺
菌力を有する酸性水(アノード室側生成水)が生成さ
れ、またカソード室では酸化還元電位の低いアルカリ性
水(カソード室側生成水)が得られる。これらの酸性水
およびアルカリ性水は各種の用途に適宜使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、当該製造方
法においてはカソード室、またはアノード室およびカソ
ード室に供給された食塩水は完全には電解されることは
なく、食塩水は一部未分解の状態で電解生成水に混在し
て取り出されることになる。このため、食塩が無駄に消
費されるという問題があり、これに対処すべく食塩水と
して0.1重量%前後という希薄食塩水を使用している
のが通常である。しかしながら、かかる手段を採用する
場合には希薄食塩水の電気伝導度が低くて、消費電力が
増大するという問題がある。
法においてはカソード室、またはアノード室およびカソ
ード室に供給された食塩水は完全には電解されることは
なく、食塩水は一部未分解の状態で電解生成水に混在し
て取り出されることになる。このため、食塩が無駄に消
費されるという問題があり、これに対処すべく食塩水と
して0.1重量%前後という希薄食塩水を使用している
のが通常である。しかしながら、かかる手段を採用する
場合には希薄食塩水の電気伝導度が低くて、消費電力が
増大するという問題がある。
【0004】本発明者等はかかる問題に対処すべく、電
解槽に一対の隔膜を配設して塩水循環室と、アノード室
と、カソード室との3室を形成して、塩水循環室に所定
濃度の塩水を循環供給するとともにアノード室およびカ
ソード室には中性水を供給して電解生成水を生成する方
法を発明し、特願平5−301723号として出願して
いる。本発明の目的は、このような塩水循環方式の電解
生成水の製造方法を採用して、高濃度の電解生成水を大
量に必要とする場合等にも十分に対処し得るようにする
ことにある。
解槽に一対の隔膜を配設して塩水循環室と、アノード室
と、カソード室との3室を形成して、塩水循環室に所定
濃度の塩水を循環供給するとともにアノード室およびカ
ソード室には中性水を供給して電解生成水を生成する方
法を発明し、特願平5−301723号として出願して
いる。本発明の目的は、このような塩水循環方式の電解
生成水の製造方法を採用して、高濃度の電解生成水を大
量に必要とする場合等にも十分に対処し得るようにする
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の製造方法
は、イオン透過能を有する一対の隔膜を互いに所定間隔
を保持して並列配置してこれら両隔膜間に形成された塩
水循環室と、同塩水循環室の各側部に並列的に形成され
たアノード室およびカソード室とを備えた電解槽を使用
して電解生成水を製造する方法であり、前記塩水循環室
に所定濃度の塩水を循環供給するとともに、前記アノー
ド室およびカソード室に中性水を供給し、かつ前記塩水
循環室に循環供給する塩水の濃度を変化させることによ
り前記アノード室側生成水およびカソード室側生成水の
特性を変化させることを特徴とするものである。
は、イオン透過能を有する一対の隔膜を互いに所定間隔
を保持して並列配置してこれら両隔膜間に形成された塩
水循環室と、同塩水循環室の各側部に並列的に形成され
たアノード室およびカソード室とを備えた電解槽を使用
して電解生成水を製造する方法であり、前記塩水循環室
に所定濃度の塩水を循環供給するとともに、前記アノー
ド室およびカソード室に中性水を供給し、かつ前記塩水
循環室に循環供給する塩水の濃度を変化させることによ
り前記アノード室側生成水およびカソード室側生成水の
特性を変化させることを特徴とするものである。
【0006】また、本発明の第2の製造方法は、イオン
透過能を有する一対の隔膜を互いに所定間隔を保持して
並列配置してこれら両隔膜間に形成される塩水循環室
と、同塩水循環室の各側部に並列的に形成されたアノー
ド室およびカソード室とを備えた電解槽を使用して電解
生成水を製造する方法であり、前記塩水循環室に所定濃
度の塩水を循環供給するとともに、前記アノード室およ
びカソード室に中性水を供給し、かつ、前記アノード室
およびカソード室に供給する電力を変化させることによ
り前記アノード室側生成水およびカソード室側生成水の
特性を変化させることを特徴とするものである。
透過能を有する一対の隔膜を互いに所定間隔を保持して
並列配置してこれら両隔膜間に形成される塩水循環室
と、同塩水循環室の各側部に並列的に形成されたアノー
ド室およびカソード室とを備えた電解槽を使用して電解
生成水を製造する方法であり、前記塩水循環室に所定濃
度の塩水を循環供給するとともに、前記アノード室およ
びカソード室に中性水を供給し、かつ、前記アノード室
およびカソード室に供給する電力を変化させることによ
り前記アノード室側生成水およびカソード室側生成水の
特性を変化させることを特徴とするものである。
【0007】本発明の第1の製造装置は、上記した第1
の製造方法を実施するための電解生成水の製造装置であ
り、イオン透過能を有する一対の隔膜を互いに所定間隔
を保持して並列配置してこれら両隔膜間に形成された塩
水循環室、同塩水循環室の各側部に並列的に形成された
アノード室およびカソード室を備えた電解槽と、前記塩
水循環室に塩水を循環供給する循環供給手段と、前記ア
ノード室およびカソード室に中性水を供給する供給手段
と、前記アノード室およびカソード室にて生成される電
解生成水を流出させる流出手段と、前記塩水循環室へ循
環供給する塩水濃度を変化させる濃度可変手段を備えて
いることを特徴とするものである。
の製造方法を実施するための電解生成水の製造装置であ
り、イオン透過能を有する一対の隔膜を互いに所定間隔
を保持して並列配置してこれら両隔膜間に形成された塩
水循環室、同塩水循環室の各側部に並列的に形成された
アノード室およびカソード室を備えた電解槽と、前記塩
水循環室に塩水を循環供給する循環供給手段と、前記ア
ノード室およびカソード室に中性水を供給する供給手段
と、前記アノード室およびカソード室にて生成される電
解生成水を流出させる流出手段と、前記塩水循環室へ循
環供給する塩水濃度を変化させる濃度可変手段を備えて
いることを特徴とするものである。
【0008】また、本発明の第2の製造装置は、上記し
た第2の製造方法を実施するための電解水の製造装置で
あり、イオン透過能を有する一対の隔膜を互いに所定間
隔を保持して並列配置してこれら両隔膜間に形成された
塩水循環室、同塩水循環室の各側部に並列的に形成され
たアノード室およびカソード室を備えた電解槽と、前記
塩水循環室に塩水を循環供給する循環供給手段と、前記
アノード室およびカソード室に中性水を供給する供給手
段と、前記アノード室およびカソード室にて生成される
電解生成水を流出させる流出手段と、前記アノード室お
よびカソード室へ供給する電力を増減させる電力可変手
段を備えていることを特徴とするものである。
た第2の製造方法を実施するための電解水の製造装置で
あり、イオン透過能を有する一対の隔膜を互いに所定間
隔を保持して並列配置してこれら両隔膜間に形成された
塩水循環室、同塩水循環室の各側部に並列的に形成され
たアノード室およびカソード室を備えた電解槽と、前記
塩水循環室に塩水を循環供給する循環供給手段と、前記
アノード室およびカソード室に中性水を供給する供給手
段と、前記アノード室およびカソード室にて生成される
電解生成水を流出させる流出手段と、前記アノード室お
よびカソード室へ供給する電力を増減させる電力可変手
段を備えていることを特徴とするものである。
【0009】これらの両製造装置においては、前記アノ
ード室およびカソード室を構成する各電極として平滑な
板状の電極を採用することが好ましい。
ード室およびカソード室を構成する各電極として平滑な
板状の電極を採用することが好ましい。
【0010】
【発明の作用・効果】本発明の第1の電解生成水の製造
方法および製造装置によれば、循環供給する塩水の濃度
を制御することにより各室にて生成される電解生成水の
特性、すなわちアノード室側生成水のpHおよび有効塩
素濃度、カソード室側生成水の酸化還元電位等を変更す
ることができる。循環供給する塩水の濃度の調整は迅速
にすることができるため、高濃度の電解生成水を大量に
要求される場合等にも速やかに対処することができる。
これに対して、アノード室およびカソード室に供給する
中性水の流量を制御して電解生成水の特性へ変更する手
段では、高濃度の電解生成水を得るのに中性水の流量を
少なくしなければならないことから長時間を要し、必要
量の電解生成水を得るのに時間がかかりすぎてこの要求
には迅速に対処することができない。
方法および製造装置によれば、循環供給する塩水の濃度
を制御することにより各室にて生成される電解生成水の
特性、すなわちアノード室側生成水のpHおよび有効塩
素濃度、カソード室側生成水の酸化還元電位等を変更す
ることができる。循環供給する塩水の濃度の調整は迅速
にすることができるため、高濃度の電解生成水を大量に
要求される場合等にも速やかに対処することができる。
これに対して、アノード室およびカソード室に供給する
中性水の流量を制御して電解生成水の特性へ変更する手
段では、高濃度の電解生成水を得るのに中性水の流量を
少なくしなければならないことから長時間を要し、必要
量の電解生成水を得るのに時間がかかりすぎてこの要求
には迅速に対処することができない。
【0011】また、本発明の第2の電解生成水の製造方
法および製造装置によれば、アノード室およびカソード
室に対する電力を制御することにより各室に生成される
電解生成水の上記した特性を変更することができる。各
室に供給する電力の制御は迅速に対処することができる
ため、高濃度の電解生成水を大量に要求される場合等に
も速やかに対処することができる。上記した第1の発明
である循環供給する塩水の濃度を制御する場合には、塩
水の電解消費により電力が変動するが、これに対応して
循環供給する塩水の濃度を瞬時に制御することが困難で
あって電解生成水の特性が変動することがあり得るが、
当該製造方法および製造装置ではこのようなことはな
い。また、循環供給する塩水の濃度を希薄状態から濃厚
状態に、またこれとは逆の状態に切り替える場合には、
塩水の濃度を一定の安定した状態にするのに相当の時間
が必要であるが、電力の切り替えは迅速になされる。
法および製造装置によれば、アノード室およびカソード
室に対する電力を制御することにより各室に生成される
電解生成水の上記した特性を変更することができる。各
室に供給する電力の制御は迅速に対処することができる
ため、高濃度の電解生成水を大量に要求される場合等に
も速やかに対処することができる。上記した第1の発明
である循環供給する塩水の濃度を制御する場合には、塩
水の電解消費により電力が変動するが、これに対応して
循環供給する塩水の濃度を瞬時に制御することが困難で
あって電解生成水の特性が変動することがあり得るが、
当該製造方法および製造装置ではこのようなことはな
い。また、循環供給する塩水の濃度を希薄状態から濃厚
状態に、またこれとは逆の状態に切り替える場合には、
塩水の濃度を一定の安定した状態にするのに相当の時間
が必要であるが、電力の切り替えは迅速になされる。
【0012】なお、本発明の各製造装置において、各電
極として平滑な板状の電極を採用すれば、供給される電
圧を安定に保持することができるとともにイオンの移動
速度を増大させることができるため、短時間で高濃度の
電解生成水を得るのに寄与することができるとともに、
電極自体の寿命を向上させることができる。
極として平滑な板状の電極を採用すれば、供給される電
圧を安定に保持することができるとともにイオンの移動
速度を増大させることができるため、短時間で高濃度の
電解生成水を得るのに寄与することができるとともに、
電極自体の寿命を向上させることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
するに、図1には本発明の第1の電解生成水の製造方法
を実施するための第1の製造装置が示されている。当該
製造装置は電解槽10aと、食塩水の循環供給手段10
bと、中性水の供給手段10cと、電解生成水の流出手
段である各流出管10dと、循環供給する食塩水の濃度
を変更する濃度可変手段10eを備えている。
するに、図1には本発明の第1の電解生成水の製造方法
を実施するための第1の製造装置が示されている。当該
製造装置は電解槽10aと、食塩水の循環供給手段10
bと、中性水の供給手段10cと、電解生成水の流出手
段である各流出管10dと、循環供給する食塩水の濃度
を変更する濃度可変手段10eを備えている。
【0014】電解槽10aは、その層内を一対の隔膜1
1a,11bにて3つの隔室に区画されているもので、
中央部の隔室は食塩水を循環供給する塩水循環室Raに
形成され、一方の側部隔室は陽極12aが配設されてア
ノード室Rbに形成され、また他方の側部隔室は陰極1
2bが配設されてカソード室Rcに形成されている。塩
水循環室Raには循環供給手段10bにより食塩水が循
環供給され、アノード室Rbおよびカソード室Rcには
中性水の供給手段10cにより中性水が供給され、また
アノード室Rbおよびカソード室Rcにて生成された電
解生成水は流出手段10dにより流出される。各隔膜1
1a,11bはイオン透過能を有する半透膜であり、ま
た電極12a,12bは平滑な板状の電極であって、隔
膜11a,11bと電極12a,12b間にはスペーサ
13a,13bが介装されている。スペーサ13a,1
3bは隔膜11a,11bと電極12a,12bの接触
を防止すべく機能するもで、循環供給手段10bは塩水
タンク14a、塩水導入管14b、塩水導出管14c、
および循環ポンプ14dを備え、循環ポンプ14dの駆
動により塩水タンク14a内の食塩水が電解槽10aの
塩水循環室Raに循環供給される。循環供給される食塩
水の濃度は濃度可変手段10eにより所望の濃度に変更
されるとともに、同濃度は一定に保持される。中性水の
供給手段10cは水道管に接続されていて、アノード室
Rbおよびカソード室Rcには水道水が供給される。各
室Rb,Rcにて生成された電解生成水は各流出手段1
0dを構成する流出管から外部に流出される。
1a,11bにて3つの隔室に区画されているもので、
中央部の隔室は食塩水を循環供給する塩水循環室Raに
形成され、一方の側部隔室は陽極12aが配設されてア
ノード室Rbに形成され、また他方の側部隔室は陰極1
2bが配設されてカソード室Rcに形成されている。塩
水循環室Raには循環供給手段10bにより食塩水が循
環供給され、アノード室Rbおよびカソード室Rcには
中性水の供給手段10cにより中性水が供給され、また
アノード室Rbおよびカソード室Rcにて生成された電
解生成水は流出手段10dにより流出される。各隔膜1
1a,11bはイオン透過能を有する半透膜であり、ま
た電極12a,12bは平滑な板状の電極であって、隔
膜11a,11bと電極12a,12b間にはスペーサ
13a,13bが介装されている。スペーサ13a,1
3bは隔膜11a,11bと電極12a,12bの接触
を防止すべく機能するもで、循環供給手段10bは塩水
タンク14a、塩水導入管14b、塩水導出管14c、
および循環ポンプ14dを備え、循環ポンプ14dの駆
動により塩水タンク14a内の食塩水が電解槽10aの
塩水循環室Raに循環供給される。循環供給される食塩
水の濃度は濃度可変手段10eにより所望の濃度に変更
されるとともに、同濃度は一定に保持される。中性水の
供給手段10cは水道管に接続されていて、アノード室
Rbおよびカソード室Rcには水道水が供給される。各
室Rb,Rcにて生成された電解生成水は各流出手段1
0dを構成する流出管から外部に流出される。
【0015】濃度可変手段10eは飽和塩水タンク15
a、濃度制御装置15b、濃度センサ15c、および制
御バルブ15dを備えている。飽和塩水タンク15aに
は飽和食塩水が貯溜されており、貯溜されている飽和食
塩水は撹拌ポンプ15eにより撹拌される。濃度センサ
15cは塩水タンク14a内に配設されており、また制
御バルブ15dは飽和塩水タンク15aと塩水タンク1
4aを連結している連結管の途中には介装されている。
濃度制御装置15bは、塩水タンク14a内に配設され
た濃度センサ15cおよび制御バルブ15dに接続され
ているもので、濃度センサ15cからの濃度検出信号に
基づき塩水タンク14a内の食塩水の濃度を入力された
設定濃度の値に制御するもので、検出された濃度と設定
濃度を比較してこれらの濃度が同一値になるように制御
バルブ15eの開度を制御する。濃度制御装置15bに
入力する設定濃度の値は変更可能であって、所望の濃度
の値に設定変更することができる。
a、濃度制御装置15b、濃度センサ15c、および制
御バルブ15dを備えている。飽和塩水タンク15aに
は飽和食塩水が貯溜されており、貯溜されている飽和食
塩水は撹拌ポンプ15eにより撹拌される。濃度センサ
15cは塩水タンク14a内に配設されており、また制
御バルブ15dは飽和塩水タンク15aと塩水タンク1
4aを連結している連結管の途中には介装されている。
濃度制御装置15bは、塩水タンク14a内に配設され
た濃度センサ15cおよび制御バルブ15dに接続され
ているもので、濃度センサ15cからの濃度検出信号に
基づき塩水タンク14a内の食塩水の濃度を入力された
設定濃度の値に制御するもので、検出された濃度と設定
濃度を比較してこれらの濃度が同一値になるように制御
バルブ15eの開度を制御する。濃度制御装置15bに
入力する設定濃度の値は変更可能であって、所望の濃度
の値に設定変更することができる。
【0016】このように構成した製造装置を使用して電
解生成水を製造するには、一定濃度に保持されている塩
水タンク14a内の食塩水を循環ポンプ14dを駆動さ
せて電解槽10aの塩水循環室Raに循環供給するとと
もに、水道水をアノード室Rbおよびカソード室Rcに
供給し、この状態で各電極12a,12bに所定量の電
力を供給する。これにより、塩水循環室Raに供給され
る食塩水は電解され、陰イオンは隔膜11aを透過して
アノード室Rbに侵入して水中に混入するとともに、陽
イオンは隔膜11bを透過してカソード室Rcに侵入し
て水中に混入する。この電解状態は食塩水が循環供給さ
れる間継続し、アノード室Rbでは酸性水が生成されて
流出し、かつカソード室Rcではアルカリ性水が生成さ
れて流出する。また、食塩水は循環供給中に濃度を漸次
低下させるが、濃度制御装置10eの制御により一定に
保持される。
解生成水を製造するには、一定濃度に保持されている塩
水タンク14a内の食塩水を循環ポンプ14dを駆動さ
せて電解槽10aの塩水循環室Raに循環供給するとと
もに、水道水をアノード室Rbおよびカソード室Rcに
供給し、この状態で各電極12a,12bに所定量の電
力を供給する。これにより、塩水循環室Raに供給され
る食塩水は電解され、陰イオンは隔膜11aを透過して
アノード室Rbに侵入して水中に混入するとともに、陽
イオンは隔膜11bを透過してカソード室Rcに侵入し
て水中に混入する。この電解状態は食塩水が循環供給さ
れる間継続し、アノード室Rbでは酸性水が生成されて
流出し、かつカソード室Rcではアルカリ性水が生成さ
れて流出する。また、食塩水は循環供給中に濃度を漸次
低下させるが、濃度制御装置10eの制御により一定に
保持される。
【0017】しかして、アノード室側生成水およびカソ
ード室側生成水の特性、たとえばpH、有効塩素濃度、
酸化還元電位等を変更したい場合には、濃度制御装置1
0eの濃度の設定値を特性に対応する予め定められてい
る濃度の値に入力しなおす。これにより、濃度制御装置
10eは塩水タンク14a内の食塩水の濃度が設定され
た濃度の値になるように、制御バルブ15dの開度を制
御するとともにこの値を一定に保持する。これにより、
各電解生成水は設定された食塩水の濃度に対応する特性
に変更される。
ード室側生成水の特性、たとえばpH、有効塩素濃度、
酸化還元電位等を変更したい場合には、濃度制御装置1
0eの濃度の設定値を特性に対応する予め定められてい
る濃度の値に入力しなおす。これにより、濃度制御装置
10eは塩水タンク14a内の食塩水の濃度が設定され
た濃度の値になるように、制御バルブ15dの開度を制
御するとともにこの値を一定に保持する。これにより、
各電解生成水は設定された食塩水の濃度に対応する特性
に変更される。
【0018】このように、当該電解生成水の製造におい
ては、電解槽10aに循環供給する食塩水の濃度を制御
することにより各室Rb,Rcにて生成される電解生成
水の特性、すなわちアノード室側生成水のpHおよび有
効塩素濃度、カソード室側生成水の酸化還元電位等を制
御するものであり、循環供給する食塩水の濃度の調整を
迅速にすることができるため、高濃度の電解生成水を大
量に要求される場合等にも速やかに対処することができ
る。これに対して、アノード室Rbおよびカソード室R
cに供給する水道水の流量を制御して電解生成水の特性
を変更する手段では、高濃度の電解生成水を得るのに水
道水の流量を少なくしなければならないことから長時間
を要し、必要量の電解生成水を得るのに時間がかかりす
ぎてこの要求には迅速に対処することができない。
ては、電解槽10aに循環供給する食塩水の濃度を制御
することにより各室Rb,Rcにて生成される電解生成
水の特性、すなわちアノード室側生成水のpHおよび有
効塩素濃度、カソード室側生成水の酸化還元電位等を制
御するものであり、循環供給する食塩水の濃度の調整を
迅速にすることができるため、高濃度の電解生成水を大
量に要求される場合等にも速やかに対処することができ
る。これに対して、アノード室Rbおよびカソード室R
cに供給する水道水の流量を制御して電解生成水の特性
を変更する手段では、高濃度の電解生成水を得るのに水
道水の流量を少なくしなければならないことから長時間
を要し、必要量の電解生成水を得るのに時間がかかりす
ぎてこの要求には迅速に対処することができない。
【0019】なお、当該製造装置では各電極として平滑
な板状の電極12a,12bを採用しているため、各電
極12a,12bでの電力の局部的な集中がなくて電圧
が安定する。このため、電解生成水の特性が安定すると
ともに、各電極12a,12bの劣化が抑制されてこれ
らの寿命を向上させることができる。
な板状の電極12a,12bを採用しているため、各電
極12a,12bでの電力の局部的な集中がなくて電圧
が安定する。このため、電解生成水の特性が安定すると
ともに、各電極12a,12bの劣化が抑制されてこれ
らの寿命を向上させることができる。
【0020】図2には、本発明の第2の電解生成水の製
造方法を実施するための第2の製造装置が示されてい
る。当該製造装置は電解槽20aと、食塩水の循環供給
手段20bと、中性水の供給手段20cと、電解生成水
の流出手段である各流出管20d、循環供給する食塩水
の濃度可変手段20eを備えているとともに、電力可変
手段20fを備えている。電解槽20a、循環供給手段
20b、供給手段20c、各流出手段20dおよび濃度
可変手段20eは第1の製造装置におけると同様に構成
されており、電力可変手段20fを備えている点でのみ
第1の製造装置とは相違する。従って、当該製造装置に
おいては、第1の製造装置と共通する部材、部品につい
ては20番台の類似の符号を付してその詳細な説明を省
略する。
造方法を実施するための第2の製造装置が示されてい
る。当該製造装置は電解槽20aと、食塩水の循環供給
手段20bと、中性水の供給手段20cと、電解生成水
の流出手段である各流出管20d、循環供給する食塩水
の濃度可変手段20eを備えているとともに、電力可変
手段20fを備えている。電解槽20a、循環供給手段
20b、供給手段20c、各流出手段20dおよび濃度
可変手段20eは第1の製造装置におけると同様に構成
されており、電力可変手段20fを備えている点でのみ
第1の製造装置とは相違する。従って、当該製造装置に
おいては、第1の製造装置と共通する部材、部品につい
ては20番台の類似の符号を付してその詳細な説明を省
略する。
【0021】電力可変手段20fは各電極22a,22
bに直流電力を供給するとともに、供給する電圧を可変
可能に構成されている。従って、当該製造装置では、各
電極22a,22bに対する印加電圧を変更することが
でき、印加電圧を変更することにより、電解槽20aで
の電解能力を変更して各電解生成水の特性を印加電圧に
対応して変更することができる。
bに直流電力を供給するとともに、供給する電圧を可変
可能に構成されている。従って、当該製造装置では、各
電極22a,22bに対する印加電圧を変更することが
でき、印加電圧を変更することにより、電解槽20aで
の電解能力を変更して各電解生成水の特性を印加電圧に
対応して変更することができる。
【0022】このように、当該製造装置による電解生成
水の製造する場合には、各電極22a,22bに対する
印加電圧を制御することにより各室Rb,Rcに生成さ
れる電解生成水の特性を変更することができる。各室R
b,Rcに供給する電力の制御は迅速に対処することが
できるため、高濃度の電解生成水を大量に要求される場
合等にも速やかに対処することができる。上記した第1
の電解生成水の製造では循環食塩水の濃度を制御する手
段を採っているが、この場合には、食塩水の電解消費に
より電力が変動し、これに対応して循環供給する食塩水
の濃度を瞬時に制御することが困難であって、電解生成
水の特性が変動することがあり得るが、当該製造方法お
よび製造装置ではこのようなことはない。また、循環供
給する食塩水の濃度を希薄状態から濃厚状態に、またこ
れとは逆の状態に切り替える場合には、食塩水の濃度を
一定の安定した状態にするのに相当の時間が必要である
が、電圧の切り替えは迅速になされる。
水の製造する場合には、各電極22a,22bに対する
印加電圧を制御することにより各室Rb,Rcに生成さ
れる電解生成水の特性を変更することができる。各室R
b,Rcに供給する電力の制御は迅速に対処することが
できるため、高濃度の電解生成水を大量に要求される場
合等にも速やかに対処することができる。上記した第1
の電解生成水の製造では循環食塩水の濃度を制御する手
段を採っているが、この場合には、食塩水の電解消費に
より電力が変動し、これに対応して循環供給する食塩水
の濃度を瞬時に制御することが困難であって、電解生成
水の特性が変動することがあり得るが、当該製造方法お
よび製造装置ではこのようなことはない。また、循環供
給する食塩水の濃度を希薄状態から濃厚状態に、またこ
れとは逆の状態に切り替える場合には、食塩水の濃度を
一定の安定した状態にするのに相当の時間が必要である
が、電圧の切り替えは迅速になされる。
【図1】本発明の第1の製造装置を示す概略構成図であ
る。
る。
【図2】本発明の第2の製造装置を示す概略構成図であ
る。
る。
10a,20a…電解槽、10b,20b…循環供給手
段、10c,20c…水道水の供給手段、10d,20
d…電解生成水の流出手段、10e,20e…濃度可変
手段、20f…電力可変手段、11a,11b,21
a,21b…隔膜、12a,12b,22a,22b…
電極、14a,24a…塩水タンク、15a,25a…
飽和塩水タンク、15b,25b…濃度制御装置、Ra
…塩水循環室、Rb…アノード室、Rc…カソード室。
段、10c,20c…水道水の供給手段、10d,20
d…電解生成水の流出手段、10e,20e…濃度可変
手段、20f…電力可変手段、11a,11b,21
a,21b…隔膜、12a,12b,22a,22b…
電極、14a,24a…塩水タンク、15a,25a…
飽和塩水タンク、15b,25b…濃度制御装置、Ra
…塩水循環室、Rb…アノード室、Rc…カソード室。
Claims (5)
- 【請求項1】イオン透過能を有する一対の隔膜を互いに
所定間隔を保持して並列配置してこれら両隔膜間に形成
された塩水循環室と、同塩水循環室の各側部に並列的に
形成されたアノード室およびカソード室とを備えた電解
槽を使用して電解生成水を製造する方法であり、前記塩
水循環室に所定濃度の塩水を循環供給するとともに、前
記アノード室およびカソード室に中性水を供給し、かつ
前記塩水循環室に循環供給する塩水の濃度を変化させる
ことにより前記アノード室側生成水およびカソード室側
生成水の特性を変化させることを特徴とする電解生成水
の製造方法。 - 【請求項2】イオン透過能を有する一対の隔膜を互いに
所定間隔を保持して並列配置してこれら両隔膜間に形成
される塩水循環室と、同塩水循環室の各側部に並列的に
形成されたアノード室およびカソード室とを備えた電解
槽を使用して電解生成水を製造する方法であり、前記塩
水循環室に所定濃度の塩水を循環供給するとともに、前
記アノード室およびカソード室に中性水を供給し、か
つ、前記アノード室およびカソード室に供給する電力を
変化させることにより前記アノード室側生成水およびカ
ソード室側生成水の特性を変化させることを特徴とする
電解生成水の製造方法。 - 【請求項3】請求項1に記載の製造方法を実施するため
の電解生成水の製造装置であり、イオン透過能を有する
一対の隔膜を互いに所定間隔を保持して並列配置して両
隔膜間に形成された塩水循環室、同塩水循環室の各側部
に並列的に形成されたアノード室およびカソード室を備
えた電解槽と、前記塩水循環室に塩水を循環供給する循
環供給手段と、前記アノード室およびカソード室に中性
水を供給する供給手段と、前記アノード室およびカソー
ド室にて生成される電解生成水を流出させる流出手段
と、前記塩水循環室へ循環供給する塩水濃度を変化させ
る濃度可変手段を備えていることを特徴とする電解生成
水の製造装置。 - 【請求項4】請求項2に記載の製造方法を実施するため
の電解生成水の製造装置であり、イオン透過能を有する
一対の隔膜を互いに所定間隔を保持して並列配置してこ
れら両隔膜間に形成された塩水循環室、同塩水循環室の
各側部に並列的に形成されたアノード室およびカソード
室を備えた電解槽と、前記塩水循環室に塩水を循環供給
する循環供給手段と、前記アノード室およびカソード室
に中性水を供給する供給手段と、前記アノード室および
カソード室にて生成される電解生成水を流出させる流出
手段と、前記アノード室およびカソード室へ供給する電
力を増減させる電力可変手段を備えていることを特徴と
する電解生成水の製造装置。 - 【請求項5】請求項3または4に記載の製造装置におい
て、前記アノード室およびカソード室を構成する各電極
として平滑な板状の電極を採用したことを特徴とする電
解生成水の製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20089094A JP3226423B2 (ja) | 1994-08-25 | 1994-08-25 | 電解生成水の製造方法および製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20089094A JP3226423B2 (ja) | 1994-08-25 | 1994-08-25 | 電解生成水の製造方法および製造装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0857481A JPH0857481A (ja) | 1996-03-05 |
JP3226423B2 true JP3226423B2 (ja) | 2001-11-05 |
Family
ID=16431958
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20089094A Expired - Fee Related JP3226423B2 (ja) | 1994-08-25 | 1994-08-25 | 電解生成水の製造方法および製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3226423B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4722749B2 (ja) * | 2006-03-30 | 2011-07-13 | 島崎電機株式会社 | 電解装置における電解質槽の給排水装置 |
JP4685830B2 (ja) * | 2007-04-25 | 2011-05-18 | 優章 荒井 | 電解水の製造装置、電解水の製造方法および電解水 |
-
1994
- 1994-08-25 JP JP20089094A patent/JP3226423B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0857481A (ja) | 1996-03-05 |
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---|---|---|---|
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