JP3225853U - ガス供給システム及び圧力調整器 - Google Patents
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Abstract
【課題】特定の需要者の燃料ガスの使用によって燃料ガスの漏洩が生じていなくても漏洩が生じていると他の需要者のガスメータが誤って判断する現象を低減させることができるガス供給システムを提供する。【解決手段】ガス供給システム100は、LPガス容器61,62からの燃料ガスを一次減圧する中圧減圧部6、及び中圧減圧部6から分岐すると共に中圧減圧部6により一次減圧された燃料ガスを導入して二次減圧する複数の低圧減圧部20a,20b、を有する圧力調整器1と、複数の低圧減圧部20a,20bに繋がる複数の流路83,84と、複数の流路83,84の各々に設けられ、燃料ガスの漏洩検知機能を有する複数のガスメータ71,72と、を備え、複数の低圧減圧部20a,20bの各々は、それぞれの需要者側への燃料ガスの供給が停止されているときに閉状態となる。【選択図】図1
Description
本考案は、ガス供給システム及び圧力調整器に関する。
複数の需要者にガスを供給するシステムとして、図8に示されるようなガス供給システム300が考えられる。このガス供給システム300では、LPガス容器61,62が1つの圧力調整器301に接続され、この圧力調整器301から延びる流路310の終端310Aから2つの分岐流路311及び分岐流路312が分岐しており、分岐流路311にガスメータ71、流路313、及び特定の需要者の居住空間91が順に接続され、分岐流路312にガスメータ72、流路314、及び他の需要者の居住空間92が順に接続されている。
この場合に、ガスメータ71,72は、内部の燃料ガスの流動が止まったときに、所定圧力以上の圧力を検知した場合には、燃料ガスの漏洩が生じていないと判断し、所定圧力未満の圧力を検知した場合には、燃料ガスの漏洩が生じていると判断する。
この場合に、ガスメータ71,72は、内部の燃料ガスの流動が止まったときに、所定圧力以上の圧力を検知した場合には、燃料ガスの漏洩が生じていないと判断し、所定圧力未満の圧力を検知した場合には、燃料ガスの漏洩が生じていると判断する。
この一方で、特許文献1に示されるように、圧力調整器が、一次側圧力調整器、二次側親圧力調整器、及び二次側子圧力調整器を有する構成が知られている。この二次側子圧力調整器の下流の流路にはガスメータが配置され、このガスメータは燃料ガスの漏洩を検知する。
しかし、図8のような構成の場合であって、特定の需要者の居住空間91が燃料ガスを使用し、他の需要者の居住空間92が燃料ガスを使用していない場合に、分岐流路311と分岐流路312とが繋がっているために、分岐流路312内の燃料ガスが分岐流路311内に流れてしまうことがある。このために、他の需要者のガスメータ72は、分岐流路312内の燃料ガスの圧力低下を検知して、燃料ガスの漏洩が発生してないにも関わらず燃料ガスの漏洩が発生していると判断する場合がある。
この誤った燃料ガスの漏洩の判断を防ぐために、1つの圧力調整器301を共用するのではなく、2つの圧力調整器301を特定の需要者の居住空間91と他の需要者の居住空間92との各々に用いることも考えられるが、圧力調整器301が1つ余分に必要となる。
この誤った燃料ガスの漏洩の判断を防ぐために、1つの圧力調整器301を共用するのではなく、2つの圧力調整器301を特定の需要者の居住空間91と他の需要者の居住空間92との各々に用いることも考えられるが、圧力調整器301が1つ余分に必要となる。
また、特許文献1のような構成の場合には、二次側圧力調整器が二次側親圧力調整器及び二次側子圧力調整器の2つとなっているものの、この構成は、特定の需要者及び他の需要者が燃料ガスを使うためのガス供給システム(例.2世帯住宅用のガス供給システム)に適用することを意図したものではなく、前述の図8を参照しつつ説明した課題を解決するものではない。
本考案は、上記実情に鑑み、特定の需要者の燃料ガスの使用によって燃料ガスの漏洩が生じていなくても漏洩が生じていると他の需要者のガスメータが誤って判断する現象を低減させることができるガス供給システムを提供することを目的とする。
本考案に係るガス供給システムは、LPガス容器からの燃料ガスを一次減圧する一次減圧部、及び一次減圧部により一次減圧された燃料ガスを導入して二次減圧する複数の二次減圧部、を有する圧力調整器と、複数の二次減圧部の各々からそれぞれの需要者側まで燃料ガスを導く複数の流路と、複数の流路の各々に対して設けられ、燃料ガスの漏洩検知機能を有する複数のガスメータと、を備え、複数の二次減圧部の各々は、それぞれの需要者側への燃料ガスの供給が停止されているときに閉状態となる、ことを特徴とする。
本考案に係るガス供給システムによれば、特定の需要者が燃料ガスを使用していて他の需要者が燃料ガスを使用していないとき、他の需要者側の二次減圧部は下流の燃料ガスの供給が停止されているために閉状態となっており、他の需要者に対して設けられる圧力調整器の二次減圧部の下流側の燃料ガスが、閉じ込められた状態を維持することとなる。そのために、特定の需要者の燃料ガスの使用によって燃料ガスの漏洩が生じていなくても漏洩が生じていると他の需要者のガスメータが誤って判断する現象を低減させることができる。
本考案によれば、特定の需要者の燃料ガスの使用によって燃料ガスの漏洩が生じていなくても漏洩が生じていると他の需要者のガスメータが誤って判断する現象を低減させることができる。
以下、本考案を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本考案は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本考案の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用されていることはいうまでもない。
(第1の実施形態)
(ガス供給システム)
図1は、本考案の第1の実施形態に係るガス供給システム100の概略図である。ガス供給システム100は、LPガス容器61,62と、圧力調整器1と、ガスメータ71,72と、流路81〜86と、を有する。LPガス容器61,62の出口61a,61bは、流路81,82により圧力調整器1のガス入口流路4a,4bに接続されている。圧力調整器1のガス出口流路5a,5bは、流路83,84によりガスメータ71,72の入口71a,72aに接続されている。ガスメータ71の出口71bは、流路85により特定の需要者の居住空間91が有する図示しないガス栓に接続されている。ガスメータ72の出口72bは、流路86により他の需要者の居住空間92が有する図示しないガス栓に接続されている。
(ガス供給システム)
図1は、本考案の第1の実施形態に係るガス供給システム100の概略図である。ガス供給システム100は、LPガス容器61,62と、圧力調整器1と、ガスメータ71,72と、流路81〜86と、を有する。LPガス容器61,62の出口61a,61bは、流路81,82により圧力調整器1のガス入口流路4a,4bに接続されている。圧力調整器1のガス出口流路5a,5bは、流路83,84によりガスメータ71,72の入口71a,72aに接続されている。ガスメータ71の出口71bは、流路85により特定の需要者の居住空間91が有する図示しないガス栓に接続されている。ガスメータ72の出口72bは、流路86により他の需要者の居住空間92が有する図示しないガス栓に接続されている。
(圧力調整器)
図2は、図1のガス供給システム100が有する圧力調整器1の拡大図である。図3は、図2の圧力調整器1のA−A断面図である。図4は、図2の圧力調整器1のA’−A’断面図である。図5は、図2の圧力調整器1のB−B断面図である。
図2は、図1のガス供給システム100が有する圧力調整器1の拡大図である。図3は、図2の圧力調整器1のA−A断面図である。図4は、図2の圧力調整器1のA’−A’断面図である。図5は、図2の圧力調整器1のB−B断面図である。
この圧力調整器1は、下部ハウジング2(図1参照)(ハウジング)と上部ハウジング3(ハウジング)とを備え、これらが組み付けられることによりハウジングが形成されている。下部ハウジング2は、2つのガス入口流路4a,4bと、2つのガス出口流路5a,5bと、を有する。
ガス入口流路4a,4bは、それぞれ異なるLPガス容器61,62(図1参照)に流路81,82を介して接続され、LPガス容器61,62からの高圧ガスを導入する流路である。ガス出口流路5a,5bは、ガス入口流路4a,4bに対して直交する方向に形成され、圧力調整器1にて減圧された燃料ガスを例えばガスメータ71,72等に供給するための流路である。本実施形態では、例えば特定の需要者の居住空間91に燃料ガスを供給しつつ、他の需要者の居住空間92に燃料ガスを供給することが可能な構成を想定して説明する。
圧力調整器1は、中圧減圧部6(一次減圧部)と、低圧減圧部20a,20b(二次減圧部)と、を備え、LPガス容器61,62からの燃料ガスを所定圧力まで減圧して需要者側(ガスレンジなどの燃焼器)に供給する機器である。中圧減圧部6は、LPガス容器61,62からの例えば0.1〜1.56MPaの高圧ガス(燃料ガス)を、0.06MPa程度に一次減圧する部位である。低圧減圧部20a,20bは、中圧減圧部6から分岐すると共に中圧減圧部6により一次減圧されたガス(燃料ガス)を導入して2.55〜3.3kPa程度に二次減圧する部位である。
本実施形態では、中圧減圧部6は1つあり、低圧減圧部20(低圧減圧部)は複数(2つ)ある。そして、中圧減圧部6は特定の需要者の居住空間91及び他の需要者の居住空間92に共用され、低圧減圧部20aは特定の需要者の居住空間91に使用され、低圧減圧部20bは他の需要者の居住空間92のために使用される。また、本実施形態では、中圧減圧部6、及び複数の低圧減圧部20a,20bは、一体化されている。複数の低圧減圧部20a,20bは、互いの設定圧力が略同一である。以下、これらの中圧減圧部6及び低圧減圧部20a,20bについて更に詳述する。
(中圧減圧部)
図5に示されるように、中圧減圧部6は、中圧減圧室7と、大気圧室8と、中圧ダイヤフラム11と、中圧スプリング9と、中圧ダイヤフラム受板10と、下部軸受部材12(軸受部材)と、切替軸13と、上部軸受部材14(軸受部材)と、切替レバー15と、押圧部材16と、中圧弁17と、を備えている。
図5に示されるように、中圧減圧部6は、中圧減圧室7と、大気圧室8と、中圧ダイヤフラム11と、中圧スプリング9と、中圧ダイヤフラム受板10と、下部軸受部材12(軸受部材)と、切替軸13と、上部軸受部材14(軸受部材)と、切替レバー15と、押圧部材16と、中圧弁17と、を備えている。
中圧減圧室7は、ガス入口流路4a,4bから導入された高圧ガスを一時的に保持する部位である。大気圧室8は、外部と連通することにより内部が大気圧となる部位である。
中圧ダイヤフラム11は、周縁が下部ハウジング2と上部ハウジング3との間に挟持固定されており、中圧減圧室7と大気圧室8とを気密に隔てる薄膜状の部材である。また、中圧ダイヤフラム11は、中圧ダイヤフラム受板10を介して中圧スプリング9により中圧減圧室7側に付勢されている。この中圧ダイヤフラム11は、中圧減圧室7の圧力が高まると中圧スプリング9の付勢力に抗して大気圧室8側に変位する。
下部軸受部材12は、中圧ダイヤフラム11の軸心部に同軸的に固定されるものである。切替軸13は、下部軸受部材12に挿入される部材であって、下部軸受部材12の軸方向(以下単に軸方向という)の軸回りに回転自在となっている。また、切替軸13は、下部軸受部材12に対して軸方向には固定された状態になっており、中圧減圧室7内のガス圧力の変動に伴って、中圧ダイヤフラム11と共に軸方向に移動する。このような切替軸13の下部には、切替軸13の軸回り方向への回転に基づき作用して2つのガス入口流路4a,4bから中圧減圧室7への燃料ガスの流入を調整する中圧弁17が配置されている。
上部軸受部材14は、切替軸13の上部を囲むように形成された部材であって、上部ハウジング3に対して挿入取付されるものである。この上部軸受部材14は、この切替軸13を回転自在に支持するものであって、筒部14aと、鍔部14bとを有している。筒部14aは、切替軸13が挿通される筒体である。鍔部14bは、筒部14aの上端から円周状に突出するフランジである。
切替レバー15は、上部ハウジング3の上部において軸回りに180度回転可能とされるものである。押圧部材16は、中圧ダイヤフラム11の軸心部に固定状態で設けられるものであり、切替軸13を通じて切替レバー15の回転と共に回転するものである。また、押圧部材16は、凹部16aと凸部16bと有している。凹部16aは、上部ハウジング3側に凹む部位であり、凸部16bは、下部ハウジング2側に突き出る部位である。切替レバー15を180度回転させた場合、これら、凹部16aと凸部16bとの位置が入れ替わることとなり、中圧弁17から伸びる棒状部材17aとの接触関係が変わることとなる。すなわち、図5に示す例では、ガス入口流路4b側の中圧弁17から伸びる棒状部材17aと凸部16bとが接触しているが、切替レバー15を180度回転させることにより、凸部16bは、ガス入口流路4a側の中圧弁17から伸びる棒状部材17aと接触することとなる。
(低圧減圧部)
図3に示されるように、低圧減圧部20aは、低圧減圧室21a(ガス室)と、大気圧室22a(大気室)と、低圧ダイヤフラム25a(ダイヤフラム)と、低圧スプリング23と、低圧ダイヤフラム受板24と、作動棹26と、開閉用レバー29と、ピン30と、低圧弁31(弁)と、ノズル部32と、スプリング受け座金27と、安全弁調整スプリング28と、を備えている。
図3に示されるように、低圧減圧部20aは、低圧減圧室21a(ガス室)と、大気圧室22a(大気室)と、低圧ダイヤフラム25a(ダイヤフラム)と、低圧スプリング23と、低圧ダイヤフラム受板24と、作動棹26と、開閉用レバー29と、ピン30と、低圧弁31(弁)と、ノズル部32と、スプリング受け座金27と、安全弁調整スプリング28と、を備えている。
同様に、低圧減圧部20bは、図4に示されるように、低圧減圧室21b(ガス室)と、大気圧室22b(大気室)と、低圧ダイヤフラム25b(ダイヤフラム)と、低圧スプリング23と、低圧ダイヤフラム受板24と、作動棹26と、開閉用レバー29と、ピン30と、低圧弁31と、ノズル部32と、スプリング受け座金27と、安全弁調整スプリング28と、を備えている。
低圧減圧室21a,21bは、中圧減圧部6から導入された中圧ガスを一時的に保持する部位である。大気圧室22a,22bは、外部と連通することにより内部が大気圧となる部位である。
低圧ダイヤフラム25a,25bは、周縁が下部ハウジング2と上部ハウジング3との間に挟持固定されており、低圧ダイヤフラム25a,25bの一方側の低圧減圧室21a,21bと低圧ダイヤフラム25a,25bの他方側の大気圧室22a,22bとを気密に隔てている。また、低圧ダイヤフラム25a,25bは、低圧ダイヤフラム受板24を介して低圧スプリング23により低圧減圧室21a,21b側に付勢されている。
低圧減圧部20aが有するダイヤフラム25aが低圧減圧室21aに向かって動作する方向と、低圧減圧部20bが有するダイヤフラム25bが低圧減圧室21bに向かって動作する方向とが、互いに略同一方向に設定されている。また、低圧減圧部20aが有する低圧減圧室21aと、低圧減圧部20bが有する低圧減圧室21bとは、略同一平面上に並んで配置されている。さらに、低圧減圧部20aが有する大気圧室22aと、低圧減圧部20bが有する大気圧室22bとは、略同一平面上に並んで配置されている。
作動棹26は、低圧ダイヤフラム25a,25bの中心を軸方向に貫通して設けられる部材であって、低圧減圧室21a,21b側先端には開閉用レバー29が設けられている。開閉用レバー29の先端(作動棹26接続側と反対側の先端)には、ピン30が設けられている。このため、開閉用レバー29は、ピン30を中心に回動可能となっている。
また、開閉用レバー29のピン30よりも更に先端には、低圧弁31が設けられている。低圧弁31は、開閉用レバー29の回動に応じて、中圧減圧室7とガス出口流路5a,5bとの間に設けられて燃料ガスが通過可能なノズル部32を開閉するように動作するようになっている。
例えば、図3に示されるように、低圧減圧部20aでは、特定の需要者の居住空間91(それぞれの需要者側)への燃料ガスの供給が続いているときに、低圧弁31がノズル部32を開いて開状態となっている。また、例えば、図4に示されるように、低圧減圧部20bでは、他の需要者の居住空間92(それぞれの需要者側)への燃料ガスの供給が停止されているときに、低圧弁31がノズル部32を閉じて閉状態となっている。
また、作動棹26の大気圧室22a,22b側の先端には、スプリング受け座金27が設けられている。このスプリング受け座金27と低圧ダイヤフラム25a,25bとの間には、安全弁調整スプリング28が介装されている。安全弁調整スプリング28は、作動棹26の下端に一体に形成された安全弁の弁体26aを、低圧ダイヤフラム25a,25bの下部側に配置した弁体受け33に当接する方向に常時付勢している。
[複数の流路]
本実施形態では、圧力調整器1からガスメータ71,72に向かう流路83,84は複数(2つ)ある。流路83,84の各々は、複数の低圧減圧部20a,20bの各々からそれぞれの需要者の居住空間91,92(需要者側)まで燃料ガスを導くものである。
本実施形態では、圧力調整器1からガスメータ71,72に向かう流路83,84は複数(2つ)ある。流路83,84の各々は、複数の低圧減圧部20a,20bの各々からそれぞれの需要者の居住空間91,92(需要者側)まで燃料ガスを導くものである。
[ガスメータ]
本実施形態では、ガスメータ71,72は複数(2つ)ある。ガスメータ71,72の各々は、複数の流路83,84の各々に対して設けられ、燃料ガスの使用量を計量すると共に、燃料ガスの漏洩検知機能を有する。
本実施形態では、ガスメータ71,72は複数(2つ)ある。ガスメータ71,72の各々は、複数の流路83,84の各々に対して設けられ、燃料ガスの使用量を計量すると共に、燃料ガスの漏洩検知機能を有する。
次に、本実施形態に係る圧力調整器1の動作について説明する。
(中圧減圧部6において燃料ガスが減圧されるとき)
まず、需要者側で燃料ガスが使用され、中圧減圧室7の圧力が低下したとする。この場合、中圧スプリング9の付勢力により中圧ダイヤフラム11が下部ハウジング2側に変位する。そして、一方の棒状部材17aが凸部16bによって下部ハウジング2側に押し下げられる。これにより、一方のガス入口流路4a(4b)側の中圧弁17が弁座から離間するように動作して一方のガス入口流路4aが連通し、LPガス容器61,62からの高圧ガスが中圧減圧室7に導入される。なお、他方の棒状部材17aは、凹部16aによって押し下げられず、他方のガス入口流路4b(4a)側の中圧弁17が動作せずに弁座と接触している状態では他方のガス入口流路4bは連通しないこととなる。
(中圧減圧部6において燃料ガスが減圧されるとき)
まず、需要者側で燃料ガスが使用され、中圧減圧室7の圧力が低下したとする。この場合、中圧スプリング9の付勢力により中圧ダイヤフラム11が下部ハウジング2側に変位する。そして、一方の棒状部材17aが凸部16bによって下部ハウジング2側に押し下げられる。これにより、一方のガス入口流路4a(4b)側の中圧弁17が弁座から離間するように動作して一方のガス入口流路4aが連通し、LPガス容器61,62からの高圧ガスが中圧減圧室7に導入される。なお、他方の棒状部材17aは、凹部16aによって押し下げられず、他方のガス入口流路4b(4a)側の中圧弁17が動作せずに弁座と接触している状態では他方のガス入口流路4bは連通しないこととなる。
高圧ガスの流入により中圧減圧室7の圧力が上昇すると、中圧スプリング9の付勢力に抗して中圧ダイヤフラム11が上部ハウジング3側に変位する。これにより、棒状部材17aと共に中圧弁17が上部ハウジング3側に移動して、一方のガス入口流路4aは閉じられることとなる。その後、需要者側で燃料ガスが使用されると、中圧減圧室7の圧力が低下して、上記動作を繰り返すこととなる。
また、一方のガス入口流路4a(4b)側に接続されるLPガス容器61,62内のガス量が低下した場合、中圧減圧室7の圧力が上昇しなくなる。この場合、中圧スプリング9の付勢力により中圧ダイヤフラム11が下部ハウジング2側に一層変位することとなる(所定距離以上変位することとなる)。これにより、凹部16aが他方の棒状部材17aに接触して押し下げられることとなり、他方のガス入口流路4b(4a)側に接続されるLPガス容器61,62から高圧ガスが流入するようになる。
次に、特定の需要者によりガスが使用され、他の需要者によりガスが使用されていない場合を想定しつつ、低圧減圧部20aの動作(図3参照)及び低圧減圧部20bの動作(図4参照)を説明する。
(一方の低圧減圧部20aにおいて燃料ガスが減圧されるとき)
また、複数の低圧減圧部20のうちの一方の低圧減圧部20aにおいては、需要者側で燃料ガスが使用されることにより、低圧減圧室21aの圧力が低下する。これにより、低圧スプリング23の付勢力により低圧ダイヤフラム25aが下部ハウジング2側に変位する。そして、開閉用レバー29がピン30を支点として図3における反時計回り方向に回動する。この回動により、低圧弁31が図3中右方向に移動して、ノズル部32を開放する。これにより、中圧減圧室7側の燃料ガスが、ガス出口流路5a側に流れる。
(一方の低圧減圧部20aにおいて燃料ガスが減圧されるとき)
また、複数の低圧減圧部20のうちの一方の低圧減圧部20aにおいては、需要者側で燃料ガスが使用されることにより、低圧減圧室21aの圧力が低下する。これにより、低圧スプリング23の付勢力により低圧ダイヤフラム25aが下部ハウジング2側に変位する。そして、開閉用レバー29がピン30を支点として図3における反時計回り方向に回動する。この回動により、低圧弁31が図3中右方向に移動して、ノズル部32を開放する。これにより、中圧減圧室7側の燃料ガスが、ガス出口流路5a側に流れる。
一方、低圧減圧室21aの圧力が上昇すると、低圧スプリング23の付勢力に抗して、低圧ダイヤフラム25aが上部ハウジング3側へ変位し、低圧弁31が図3中左方向へ移動する。これにより、ノズル部32の流路が閉じられ、低圧減圧室21aへの燃料ガスの流入を制御する。その後、需要者側で燃料ガスが使用されると、低圧減圧室21aの圧力が低下して、上記動作を繰り返すこととなる。このように、低圧ダイヤフラム25aが一方側及び他方側へ変位する動作に応じて燃料ガスの減圧を行う。
(他方の低圧減圧部20bにおいて燃料ガスが流動しないとき)
複数の低圧減圧部20のうちの他方の低圧減圧部20bにおいては、需要者側で燃料ガスが使用されていない場合には、低圧減圧室21bの圧力が上昇しており、低圧スプリング23の付勢力に抗して、低圧ダイヤフラム25bが上部ハウジング3側へ変位し、低圧弁31が図4中左方向へ移動する。これにより、ノズル部32の流路が閉じられ、低圧減圧室21bへの燃料ガスの流入が止められる。
複数の低圧減圧部20のうちの他方の低圧減圧部20bにおいては、需要者側で燃料ガスが使用されていない場合には、低圧減圧室21bの圧力が上昇しており、低圧スプリング23の付勢力に抗して、低圧ダイヤフラム25bが上部ハウジング3側へ変位し、低圧弁31が図4中左方向へ移動する。これにより、ノズル部32の流路が閉じられ、低圧減圧室21bへの燃料ガスの流入が止められる。
(その他の動作)
なお、低圧減圧室21a,21bの圧力が所定の圧力を越えて異常に高くなった場合には、低圧ダイヤフラム25a,25bのそれ以上の移動が安全弁調整スプリング28によって阻止され、安全弁の弁体26aが開き、低圧減圧室21a,21b内の燃料ガスを大気圧室22a,22b、通気孔を介して外部に逃がすこととなる。
なお、低圧減圧室21a,21bの圧力が所定の圧力を越えて異常に高くなった場合には、低圧ダイヤフラム25a,25bのそれ以上の移動が安全弁調整スプリング28によって阻止され、安全弁の弁体26aが開き、低圧減圧室21a,21b内の燃料ガスを大気圧室22a,22b、通気孔を介して外部に逃がすこととなる。
前述した本実施形態に係るガス供給システム100は、LPガス容器61,62からの燃料ガスを一次減圧する中圧減圧部6、及び中圧減圧部6から分岐すると共に中圧減圧部6により一次減圧された燃料ガスを導入して二次減圧する複数の低圧減圧部20a,20b、を有する圧力調整器1と、複数の低圧減圧部20a,20bの各々からそれぞれ需要者側まで燃料ガスを導く複数の流路83,84と、複数の流路83,84の各々に対して設けられ、燃料ガスの漏洩検知機能を有する複数のガスメータ71,72と、を備え、複数の低圧減圧部20a,20bの各々は、それぞれの需要者側への燃料ガスの供給が停止されているときに閉状態となる。
こうしたガス供給システム100によれば、特定の需要者(例.第1の世帯(親世帯))が居住空間91で燃料ガスを使用していて他の需要者(例.第2の世帯(子世帯))が居住空間92で燃料ガスを使用していないとき、他の需要者側の低圧減圧部20bは下流の燃料ガスの供給が停止されているために閉状態となっており、他の需要者に対して設けられる圧力調整器1の下流側の燃料ガスが、閉じ込められた状態を維持することとなる。そのために、特定の需要者の燃料ガスの使用によって燃料ガスの漏洩が生じていなくても漏洩が生じていると他の需要者のガスメータが誤って判断する現象を低減させることができる。
また、ガス供給システム100では、複数の低圧減圧部は、2つの低圧減圧部20a,20bであり、2つの低圧減圧部20a,20bは、それぞれが、低圧ダイヤフラム25a,25bと、低圧ダイヤフラム25a,25bの一方側の低圧減圧室21a,21bと、低圧ダイヤフラム25a,25bの他方側の大気圧室22a,22bと、を有し、低圧ダイヤフラム25a,25bが一方側及び他方側へ変位する動作に応じて燃料ガスを減圧するものであり、2つの低圧減圧部20a,20bが有する2つのダイヤフラム25a,25bが21a,21bに向かって動作する方向は、互いに略同一方向に設定されている。また、2つの低圧減圧部20a,20bが有する2つの低圧減圧室21a,21bは、略同一平面上に並んで配置され、2つの低圧減圧部20a,20bが有する2つの大気圧室22a,22bは、略同一平面上に並んで配置されている。こうしたガス供給システム100によれば、圧力調整器1の厚みの薄型化が実現される。ひいては、ガス供給システム100の厚みの薄型化も実現される。
また、ガス供給システム100では、中圧減圧部6及び複数の低圧減圧部20a,20bは、一体化されており、複数の低圧減圧部20a,20bは、中圧減圧部6の内部で分岐している。こうしたガス供給システム100によれば、低圧減圧部20a、低圧減圧部20b、及び中圧減圧部6の配置が互いに近づき、圧力調整器1の縮小化が実現される。ひいては、ガス供給システム100の縮小化も実現される。
(第2の実施形態)
図6は、本考案の第2の実施形態に係るガス供給システム200の概略図である。図7は、図6のガス供給システム200が有する圧力調整器201の拡大図である。第2の実施形態のガス供給システム200の構成のうち第1の実施形態のガス供給システム100と同一の構成については、第1の実施形態の説明が援用されるものとする。以下、第2の実施形態に特有の構成について説明する。
図6は、本考案の第2の実施形態に係るガス供給システム200の概略図である。図7は、図6のガス供給システム200が有する圧力調整器201の拡大図である。第2の実施形態のガス供給システム200の構成のうち第1の実施形態のガス供給システム100と同一の構成については、第1の実施形態の説明が援用されるものとする。以下、第2の実施形態に特有の構成について説明する。
図6及び図7に示されるように、2つの低圧減圧部20a,20bが有する2つの低圧ダイヤフラム25a,25bが低圧減圧室21a,21bに向かって動作する方向は、互いに逆方向に設定されている。2つの低圧減圧部20a,20bが有する2つの低圧ダイヤフラム25a,25bは、互いに対向して配置されている。こうしたガス供給システム200によれば、圧力調整器201の幅(ダイヤフラム25a,25bの面に沿う方向の寸法)の狭幅化が実現される。ひいては、ガス供給システム200の幅の狭幅化も実現される。
以上、実施形態に基づき本考案を説明したが、本考案は上記実施形態に限られるものではなく、本考案の趣旨を逸脱しない範囲で、実施形態同士の技術を組み合わせてもよいし、変更を加えてもよいし、可能な範囲で適宜他の技術を組み合わせてもよい。
例えば第1及び第2の実施形態に係るガス供給システム100,200は、特定の需要者が1世帯であり他の需要者が1世帯である二世帯用のガス供給システム等に適用することも想定できるが、これに限らず、同様の思想を特定の需要者が1世帯又は複数で他の需要者が1世帯又は複数の三世帯以上の複数のガス供給システムに適用しても良い。その場合には、低圧減圧部、ガスメータ、並びに低圧減圧部及びガスメータを結ぶ流路が3つ以上の複数になる。
1,201 :圧力調整器
2 :下部ハウジング(ハウジング)
3 :上部ハウジング(ハウジング)
4a,4b :ガス入口流路
5a,5b :ガス出口流路
6 :中圧減圧部(一次減圧部)
7 :中圧減圧室
8 :大気圧室
9 :中圧スプリング
10 :中圧ダイヤフラム受板
11 :中圧ダイヤフラム
12 :下部軸受部材(軸受部材)
13 :切替軸
14 :上部軸受部材(軸受部材)
14a :筒部
14b :鍔部
15 :切替レバー
16 :押圧部材
16a :凹部
16b :凸部
17 :中圧弁
17a :棒状部材
20 :低圧減圧部(二次減圧部)
20a,20b :低圧減圧部(二次減圧部)
21a,21b :低圧減圧室(ガス室)
22a,22b :大気圧室(大気室)
23 :低圧スプリング
24 :低圧ダイヤフラム受板
25a,25b :低圧ダイヤフラム(ダイヤフラム)
26 :作動棹
26a :弁体
27 :スプリング受け座金
28 :安全弁調整スプリング
29 :開閉用レバー
30 :ピン
31 :低圧弁(弁)
32 :ノズル部
33 :弁体受け
61,62 :LPガス容器
61a,62a :出口
71,72 :ガスメータ
71a,72a :入口
71b,72b :出口
81〜86 :流路
91 :特定の需要者の居住空間
92 :他の需要者の居住空間
100,200,300 :ガス供給システム
301 :圧力調整器
310,313,314 :流路
311,312 :分岐流路
2 :下部ハウジング(ハウジング)
3 :上部ハウジング(ハウジング)
4a,4b :ガス入口流路
5a,5b :ガス出口流路
6 :中圧減圧部(一次減圧部)
7 :中圧減圧室
8 :大気圧室
9 :中圧スプリング
10 :中圧ダイヤフラム受板
11 :中圧ダイヤフラム
12 :下部軸受部材(軸受部材)
13 :切替軸
14 :上部軸受部材(軸受部材)
14a :筒部
14b :鍔部
15 :切替レバー
16 :押圧部材
16a :凹部
16b :凸部
17 :中圧弁
17a :棒状部材
20 :低圧減圧部(二次減圧部)
20a,20b :低圧減圧部(二次減圧部)
21a,21b :低圧減圧室(ガス室)
22a,22b :大気圧室(大気室)
23 :低圧スプリング
24 :低圧ダイヤフラム受板
25a,25b :低圧ダイヤフラム(ダイヤフラム)
26 :作動棹
26a :弁体
27 :スプリング受け座金
28 :安全弁調整スプリング
29 :開閉用レバー
30 :ピン
31 :低圧弁(弁)
32 :ノズル部
33 :弁体受け
61,62 :LPガス容器
61a,62a :出口
71,72 :ガスメータ
71a,72a :入口
71b,72b :出口
81〜86 :流路
91 :特定の需要者の居住空間
92 :他の需要者の居住空間
100,200,300 :ガス供給システム
301 :圧力調整器
310,313,314 :流路
311,312 :分岐流路
Claims (8)
- LPガス容器からの燃料ガスを一次減圧する一次減圧部、及び前記一次減圧部により一次減圧された燃料ガスを導入して二次減圧する複数の二次減圧部、を有する圧力調整器と、
前記複数の二次減圧部の各々からそれぞれの需要者側まで燃料ガスを導く複数の流路と、
前記複数の流路の各々に対して設けられ、燃料ガスの漏洩検知機能を有する複数のガスメータと、
を備え、
前記複数の二次減圧部の各々は、それぞれの需要者側への燃料ガスの供給が停止されているときに閉状態となる、
ことを特徴とするガス供給システム。 - 前記複数の二次減圧部は、2つの二次減圧部であり、
前記2つの二次減圧部は、それぞれが、ダイヤフラムと、前記ダイヤフラムの一方側のガス室と、前記ダイヤフラムの他方側の大気室と、を有し、前記ダイヤフラムが一方側及び他方側へ変位する動作に応じて燃料ガスを減圧するものであり、
前記2つの二次減圧部の前記ダイヤフラムが前記ガス室に向かって動作する方向は、互いに略同一方向に設定されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のガス供給システム。 - 前記2つの二次減圧部の前記ガス室は、略同一平面上に並んで配置され、
前記2つの二次減圧部の前記大気室は、略同一平面上に並んで配置されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のガス供給システム。 - 前記複数の二次減圧部は、2つの二次減圧部であり、
前記2つの二次減圧部は、それぞれが、ダイヤフラムと、前記ダイヤフラムの一方側のガス室と、前記ダイヤフラムの他方側の大気室と、を有し、前記ダイヤフラムが一方側及び他方側へ変位する動作に応じて燃料ガスを減圧するものであり、
前記2つの二次減圧部の前記ダイヤフラムが前記ガス室に向かって動作する方向は、互いに逆方向に設定されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のガス供給システム。 - 前記2つの二次減圧部の前記ガス室は、互いに対向して配置されている、
ことを特徴とする請求項4に記載のガス供給システム。 - 前記一次減圧部、及び前記複数の二次減圧部は、一体化されており、
前記複数の二次減圧部は、前記一次減圧部の内部で分岐している、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のガス供給システム。 - 前記複数の二次減圧部の設定圧力が互いに略同一である、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のガス供給システム。 - LPガス容器からの燃料ガスを一次減圧する一次減圧部と、
前記一次減圧部により一次減圧された燃料ガスを導入して二次減圧する複数の二次減圧部と、
を備え、
前記複数の二次減圧部の各々は、それぞれの需要者側への燃料ガスの供給が停止されているときに閉状態となり、
前記一次減圧部及び前記複数の二次減圧部は一体化され、
前記複数の二次減圧部の設定圧力が互いに略同一である、
ことを特徴とする圧力調整器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020000305U JP3225853U (ja) | 2020-01-31 | 2020-01-31 | ガス供給システム及び圧力調整器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020000305U JP3225853U (ja) | 2020-01-31 | 2020-01-31 | ガス供給システム及び圧力調整器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3225853U true JP3225853U (ja) | 2020-04-09 |
Family
ID=70057405
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020000305U Active JP3225853U (ja) | 2020-01-31 | 2020-01-31 | ガス供給システム及び圧力調整器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3225853U (ja) |
-
2020
- 2020-01-31 JP JP2020000305U patent/JP3225853U/ja active Active
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