JP3225632B2 - 透明ガスバリヤフィルムの製造方法 - Google Patents

透明ガスバリヤフィルムの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明ガスバリヤフィル
ムの製造方法に関する。より詳しくは、広幅かつ長尺な
透明樹脂フィルムの表面にケイ素酸化物薄膜層を形成さ
せた透明ガスバリヤフィルムの製造方法、特に透明樹脂
フィルムの表面に形成されるケイ素酸化物薄膜層の組成
および厚みが均一で、高度のガスバリヤ性を有し着色斑
のない透明ガスバリヤフィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、食品、医薬、化学薬品等包装
には、包装される内容物の変質を防止するため水蒸気や
酸素等のガス透過の少ない、所謂ガスバリヤフィルムが
用いられている。高度のガスバリヤ性を必要とする包装
分野においては、樹脂フィルムにアルミニウム箔等を貼
り合わせた積層体フィルムや、樹脂フィルムの表面にア
ルミニウム等を蒸着した金属蒸着フィルムが使用されて
きた。しかしながら、これらのアルミニウム箔貼り合わ
せの積層体フィルムや金属蒸着フィルム等は、水蒸気や
酸素等に対するガスバリヤ性には優れているものの、こ
れらは不透明であるため包装された内容物を外から見る
ことができないと云う欠点があり、包装材料として適当
でない面があった。
【0003】また、上記以外の透明ガスバリヤフィルム
として、二軸延伸ポリエステルフィルム等を基体フィル
ムにケイ素酸化物を蒸着したフィルムも知られている
(例えば特公昭53−12953号公報)。かかる透明
ガスバリヤフィルムの製造においては、基体フィルムに
形成されるケイ素酸化物の組成と薄膜層の厚み制御とが
重要な要因であるにもかかわらず、形成されるケイ素酸
化物の組成を一定に制御しつつ、基体フィルムの幅方向
および全長に亘りに厚み均一なケイ素酸化物薄膜層を形
成する方法については、これを開示する公知文献は見あ
たらない。
【0004】一般的に、蒸着法により形成される薄膜層
の厚み測定としては、蒸着速度を指標とする方法が知ら
れている。蒸着速度を指標として薄膜層の厚みをコント
ロールする場合には、水晶発振子モニター法、原子吸光
式モニター法、電子衝撃式モニター法による方法が考え
られるが、長尺な基体フィルムに高速で蒸着を行うと水
晶発振子がすぐに使用不能となり、全長に亘る長時間の
連続モニターには適しない。また、原子吸光式モニター
法、電子衝撃式モニター法はケイ素酸化物には使用でき
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、広幅かつ長
尺な透明樹脂フィルムの表面にケイ素酸化物薄膜層を形
成させた透明ガスバリヤフィルムの製造方法、特に、透
明樹脂フィルムの表面に形成されるケイ素酸化物薄膜層
の組成および厚みが均一で、高度のガスバリヤ性を有し
着色斑のない透明ガスバリヤフィルムの製造方法を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる従
来からの技術課題を解決するため鋭意検討を重ねた結
果、本発明を完成するに至ったものである。しかして本
発明の要旨とするところは、ケイ素酸化物を蒸着源とす
る巻取り式薄膜形成法により、連続的に走行する広幅か
つ長尺な透明樹脂フィルムの表面にケイ素酸化物薄膜層
を形成させる透明ガスバリヤフィルムの製造方法におい
て、(a)ケイ素酸化物薄膜層の形成を1×10-5 〜
1×10-3 Torr の範囲の一定の圧力に制御された雰囲
気下で行い、(b)ケイ素酸化物薄膜層を形成させた透
明ガスバリヤフィルムの紫外線透過率を連続的に測定し
つつ、この紫外線透過率が一定になるように蒸着源の温
度を外部より調節する方法であって、(c)薄膜層形成
雰囲気は、酸素もしくは水蒸気の導入と排気ポンプによ
る排気とにより制御し、(d)前記紫外線透過率は、ケ
イ素酸化物薄膜層を形成させた透明ガスバリヤフィルム
の幅方向の複数の箇所に、フィルムに対面して対向配置
して設けられた複数対の投光部と受光部とを含む紫外線
透過率測定装置により、フイルムの走行方向および幅方
向に関し連続的に測定する、ことを特徴とする透明ガス
バリヤフィルムの製造方法、に存する。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明方
法においては、ケイ素酸化物を蒸着源とする巻取り式薄
膜形成法により、連続的に走行する広幅かつ長尺な透明
樹脂フィルムの表面にケイ素酸化物薄膜層を形成させ
て、目的とする透明ガスバリヤフィルムを製造する。
【0008】ケイ素酸化物薄膜層を形成させる基体フィ
ルムとして、広幅かつ長尺な透明樹脂フィルムを用い
る。好適な基体フィルムとしては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリブテン等のポリオレフィンよりなるフ
ィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−
2、6−ナフタレート等のポリエステルよりなるフィル
ム、ナイロン6、ナイロン12等のポリアミドよりなる
フィルム、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、
ポリビニルブチラール等よりなるフィルムが例示される
が、これらに限定されるものではなく、本発明方法にお
いては、熱可塑性樹脂よりフィルム状に成形された全て
の単層透明フィルムもしくは異種の樹脂よりなる積層フ
ィルムを用いることができる。また、これらのフィルム
は、原料樹脂中に公知の添加材、例えば帯電防止剤、紫
外線吸収剤、可塑剤、滑材、着色材等が添加されたもの
から製造されたものであってもよい。基体フィルムは、
強度、伸度、熱特性の点からは、延伸フィルムであるこ
とが好ましいが、未延伸フィルムであってもよい。さら
に、基体フィルムの表面には、ケイ素酸化物薄膜層の形
成に先立ち、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処
理、グロー放電処理、粗面化処理等の表面処理や、公知
のアンカーコート剤によるアンカーコート処理が施され
たものであってもよい。
【0009】基体フィルムは、400nm以下の波長領
域における光線透過率が少なくとも40%以上、好まし
くは60%以上、最も好ましくは80%以上のものであ
るのがよく、従って着色材などの添加材は、上記範囲内
になる量で添加されたものであるのがよい。本発明方法
において用いる基体フィルムの厚さには特に制限はな
く、3〜400μmの範囲のものを好適に用いることが
できるが、機械的強度と可撓性の点からは5〜200μ
mの範囲のものが好ましい。
【0010】本発明方法においては、ケイ素酸化物を蒸
着源とする巻取り式薄膜形成法により、上記基体フィル
ムの少なくとも片面にケイ素酸化物薄膜層を形成させ
る。このケイ素酸化物薄膜層は、最終的に得られる透明
ガスバリヤフィルムに高度のガスバリヤ性を付与する機
能を果たすものである。
【0011】ケイ素酸化物薄膜層を形成させるための蒸
着源としては、一般式 SiOx(0.5≦x≧2)で
表される物質を用いることができる。このような蒸着源
物質は、xの値が上記範囲であるケイ素酸化物に限られ
るものではなく、混合物としての組成比率が上記範囲で
あるものであれば、ケイ素とケイ素酸化物との混合物を
蒸着源用の「ケイ素酸化物」として使用できる。また、
この蒸着源物質には、微量のケイ素以外の金属、金属酸
化物等が含まれていてもよい。
【0012】ケイ素酸化物薄膜層を形成させる方法とし
ては、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ
リング法、CVD法等の従来公知の方法を採用すること
ができる。そして、本発明に係る透明ガスバリヤフィル
ムの製造方法においては、上記ケイ素酸化物薄膜層を形
成する際、ケイ素酸化物薄膜の組成と膜厚とを、目標範
囲内の一定値に制御する点に最大の特徴を有する。一般
に、ケイ素酸化物の紫外線吸光係数は、その組成(Si
/Oの比率)によって異なるため、ケイ素酸化物薄膜層
を構成するケイ素酸化物の組成が変動する場合には、紫
外線透過率は膜厚の指標とはなり得ない。
【0013】本発明方法においては、ケイ素酸化物薄膜
層の形成を、酸素もしくは水蒸気の導入と排気ポンプに
よる排気とにより、1×10-5 〜 1×10-3 Torr の
範囲の一定の圧力に制御された雰囲気下で行う。ケイ素
酸化物薄膜層の形成を、上記の如く制御された雰囲気下
で行わないと、圧力の変動と共にケイ素酸化物薄膜の組
成が変化し、後記の紫外線透過率と膜厚との対応がず
れ、膜厚の制御が不可能となる。なお、薄膜層形成の雰
囲気圧力が1×10-3 Torrより超えるとガスバリヤ性
良好なケイ素酸化物薄膜を形成することができない。
【0014】本発明方法においては、基体フィルムの少
なくとも片面に形成させるケイ素酸化物薄膜層の厚み
は、最終的に得ようとする透明ガスバリヤフィルムに付
与するガスバリヤ性によって任意に選択できるが、実用
的には50〜3000オングストローム、好ましくは1
00〜2000オングストロームとするのよい。100
オングストローム未満だとガスバリヤ性が不十分とな
り、50オングストローム未満だとこの傾向が一層顕著
になるからである。3000オングストロームを超える
と、ガスバリヤ性が飽和するばかりか基体フィルムの厚
さが15μm以下程度に薄い場合にはカールが発生して
得られる透明ガスバリヤフィルムの平坦性が損なわれる
ことがあり好ましくない。
【0015】本発明方法においては、ケイ素酸化物薄膜
層の厚みの変動を、±30%以内、好ましくは±20%
以内、さらに好ましくは±10%以内にする。ケイ素酸
化物薄膜層の厚みの変動を上記範囲内に制御するための
手段として、本発明方法では、ケイ素酸化物薄膜層を形
成させた透明ガスバリヤフィルムの紫外線透過率を連続
的に測定することが必要である。
【0016】本発明方法においては、ケイ素酸化物薄膜
層を形成させた透明ガスバリヤフィルムの紫外線透過率
を連続的に測定すると共に、測定される紫外線透過率が
常に一定になるように蒸着源の温度を外部より調節す
る。その際の蒸着源温度調節の指標となる紫外線透過率
は、ケイ素酸化物薄膜層を形成させた透明ガスバリヤフ
ィルムの幅方向の複数の箇所に、フィルムに対面して対
向配置して設けられた複数対の投光部と受光部とを含む
紫外線透過率測定装置により、フイルムの走行方向およ
び幅方向に関し連続的に測定することが必要である。
【0017】次に、本発明にかかる製造方法を、巻取り
式薄膜形成装置および紫外線透過率測定装置の例および
紫外線透過率計算方法等と共に具体的に説明する。 <巻取り式薄膜形成装置>本発明方法で用いる巻取り式
薄膜形成装置の代表例は真空蒸着装置であり、この装置
では、連続走行する基体フィルムの幅方向に間隔をおい
て配置されたルツボから蒸着源物質が供給される。ルツ
ボの間隔は基体フィルムとの距離にもよるが一般的に
は、100〜200mm程度とするのがよく、また蒸着
源物質の供給は、ルツボ内に充填されている蒸着源物質
(ケイ素酸化物)をルツボ付帯の高周波誘導加熱機構に
より加熱して行われる。この真空蒸着装置の真空蒸着槽
内は、酸素もしくは水蒸気の導入と排気ポンプによる排
気とにより、1×10-5 〜 1×10-3 Torr の範囲の
一定の圧力に制御されていることが必要である。
【0018】<紫外線透過率測定装置>本発明方法で用
いる紫外線透過率測定装置は、発光波長が220〜40
0nmの範囲である1つの紫外線光源、1つの対照光路
用光ファイバー、透明ガスバリヤフィルムに対をなして
対向配置させた投光部および受光部を含む複数の測定光
路用光ファイバー、光路選択用チョッパー、1つの紫外
線検出器、および紫外線透過率計算用コンピューターよ
り構成されてなり、光源からの紫外線は光ファイバーに
より3分岐以上に分けられ、そのうちの1分岐の光ファ
イバーは紫外線検出器に直接導かれて対照光路を形成
し、分岐された他の2分岐以上の光ファイバーの先端は
ケイ素酸化物薄膜層を形成させた透明ガスバリヤフィル
ムの幅方向の複数の箇所に間隔をおいて配置され、該透
明ガスバリヤフィルムの反対面に対をなして配置された
光ファイバーと相まって測定光路を形成し、対照光路お
よび測定光路のうちの1つの光路が光路選択用チョッパ
ーによって順次一定の時間間隔ごとに切り替え選択さ
れ、紫外線検出器からの信号に基づき紫外線透過率計算
用コンピューターにより透明ガスバリヤフィルムの幅方
向の複数の箇所の紫外線透過率が順次一定の時間間隔ご
とに繰り返し算出される構成とされている。測定光路用
光ファイバーの数は特に制限はなく、また、蒸着源物質
の供給源であるルツボの数とも関係ないが、基体フィル
ムの幅に応じて3〜10本程度を等間隔に配置するのが
よい。
【0019】<紫外線透過率計算方法>次に紫外線透過
率計算方法について説明する。まず最初に、基体フィル
ムを通さない状態で各光ファイバーの光路について紫外
線透過率、R1、R2、R3、…、Rn(nは各光ファ
イバーの光路番号)を測定する。次いで、対照光(n=
1)以外の各光ファイバーの光路、n=2〜nまでの紫
外線透過率、R1、R2、R3、…、Rnについて、R
n/an=100となるn個のanを求め、これらのa
n値を紫外線透過率計算のためのコンピューターに記憶
させる。次ぎにケイ素酸化物薄膜層を形成させた透明ガ
スバリヤフィルムを通している際の紫外線透過率、X
1、X2、X3、…、Xnを測定し、対照光(n=1)
以外の各光ファイバーの光路、n=2〜nまでの紫外線
透過率Ynを、補正式、Yn=(Xn/an)/(X1
/R1)を用いて各々計算することによって、対照光に
よる補正を行う。本発明方法においては、この対照光に
よる補正を行うことにより、光源の変動および検出器の
変動が生じてもその変動が都度補正されるるため正確な
紫外線透過率の測定が可能となる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により更
に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限
り以下の例に限定されるものではない。なお、以下の例
において用いた真空蒸着装置および紫外線透過率測定装
置は各々下記(1)、(2)の通りであり、また、ケイ
素酸化物薄膜層のケイ素酸化物組成比、ケイ素酸化物薄
膜層の厚みおよび酸素透過率は下記(3)、(4)、
(5)の方法によって測定した。
【0021】
【表1】 (1)真空蒸着装置 イ.蒸着源用ルツボの数 5個 ロ.蒸着源用ルツボの加熱方法 高周波誘導加熱 ハ.蒸着源の加熱調節 外部手動調節
【表2】 (2)紫外線透過率測定装置 イ.紫外線光源(320nm) 重水素放電管(大塚電
子製MC964) ロ.測定光路の数 5本 ハ.紫外線検出器 大塚電子製MCPD1
000 ニ.透過率用コンピューター NEC製PC9801
DX
【0022】(3)ケイ素酸化物組成比 X線光電子分光装置(島津製作所製ESCA850型)
を用い、エッチングを行い薄膜の平均組成を測定した。 (4)ケイ素酸化物薄膜層の厚み フィルムの幅方向の左右端部より20cmの位置と中央
部の3ヵ所について、電子顕微鏡(日立製作所製H−6
00型)を用いて測定した。 (5)酸素透過率 ASTM D−3985に準じて、酸素透過率測定装置
(モダンコントロール社製 OX−−TRAN100
型)を用いて、温度25℃、相対湿度95%の条件にて
測定した。
【0023】実施例1 真空チェンバー内のフィルム巻き出しロールにポリエチ
レンテレフタレート(PET)フィルム(ダイヤホイル
社製 H−100、12μm厚さ、800mm幅、12
000m長さ、ロール巻き)を装着し、高周波誘導加熱
機構を備えたルツボに各々800grの一酸化ケイ素
(大阪チタニウム製)を充填し、排気用真空ポンプによ
り真空チェンバー内を5×10-5Torrまで排気した。こ
こで、真空チェンバーに接続されたガス導入配管より酸
素ガスを導入して真空チェンバー内の圧力を1×10-4
Torrになるように酸素ガス導入量を設定した。次ぎに、
高周波誘導加熱炉により蒸着源ルツボを加熱昇温すると
ともに、PETフィルムを100m/minの走行速度
で巻き出し、蒸着を開始した。以後、真空チェンバー内
の圧力を1×10-4Torrに維持すると共に、波長320
nmの紫外線透過率が44%となるよう蒸着源温度を調
節しつつ、PETフィルムの全長12000mに亘って
蒸着を行った。得られた蒸着PETフィルムについて、
蒸着開始位置、蒸着開始位置より6000mの位置およ
び12000mの位置のケイ素酸化物組成比、ケイ素酸
化物薄膜層の厚みおよび酸素透過率を測定した。その結
果を蒸着条件と共に、後記の表−1に示す。
【0024】実施例2 実施例1に記載の例において、真空チェンバー内の圧力
が4×10-4Torrになるように酸素ガス導入量を設定し
たほかは、同例におけると同様にして、PETフィルム
の全長12000mに亘って蒸着を行った。得られた蒸
着PETフィルムについて、同例におけると同様にして
各項目の測定を行った。その結果を同じく後記の表−1
に示す。
【0025】実施例3 実施例1に記載の例において、真空チェンバー内に導入
した酸素ガスを水蒸気に代えたほかは、同例におけると
同様にして、PETフィルムの全長12000mに亘っ
て蒸着を行った。得られた蒸着PETフィルムについ
て、同例におけると同様にして各項目の測定を行った。
その結果を同じく後記の表−1に示す。
【0026】実施例4 実施例1に記載の例において、高周波誘導加熱炉による
蒸着源ルツボの加熱を前記紫外線透過率が33%となる
ように調節したほかは、同例におけると同様にして、P
ETフィルムの全長12000mに亘って蒸着を行っ
た。得られた蒸着PETフィルムについて、同例におけ
ると同様にして各項目の測定を行った。その結果を同じ
く後記の表−1に示す。
【0027】比較例1 実施例1に記載の例において、真空チェンバー内に酸素
ガス等を導入せず圧力制御を行わなかったほかは、同例
におけると同様にして、PETフィルムの全長1200
0mに亘って蒸着を行った。得られた蒸着PETフィル
ムについて、同例におけると同様にして各項目の測定を
行った。その結果を同じく後記の表−1に示す。
【0028】比較例2 実施例1に記載の例において、蒸着源温度を調節するの
に代えて1200℃に固定したほかは、同例におけると
同様にして、PETフィルムの全長12000mに亘っ
て蒸着を行った。得られた蒸着PETフィルムについ
て、同例におけると同様にして各項目の測定を行った。
その結果を同じく後記の表−1に示す。
【0029】比較例3 実施例1に記載の例において、真空チェンバー内の圧力
が2×10-3Torrになるように酸素ガス導入量を設定し
たほかは、同例におけると同様にして、PETフィルム
の全長12000mに亘って蒸着を行った。得られた蒸
着PETフィルムについて、同例におけると同様にして
各項目の測定を行った。その結果を同じく後記の表−1
に示す。
【0030】比較例4 実施例1に記載の例において、紫外線透過率Ynを、補
正式、Yn=(Xn/an)/(X1/R1)を用いて
計算せず、対照光による補正を加えない式、Yn=(X
n/an)を用いて計算した(補正式において、常にX
1/R1=1としたことに相当する)ほかは、同例にお
けると同様にして、PETフィルムの全長12000m
に亘って蒸着を行った。得られた蒸着PETフィルムに
ついて、同例におけると同様にして各項目の測定を行っ
た。その結果を同じく後記の表−1に示す。
【0031】
【表3】
【0032】表−1から明かなように、本発明方法によ
るときは、ケイ素酸化物組成比、ケイ素酸化物薄膜層の
厚みおよび酸素透過率が、得られたフィルムの全長およ
び幅方向の全てに亘り均一である。また、得られたフィ
ルムは、ケイ素酸化物薄膜層に起因して若干着色してい
るものの、着色斑がなく外観もすぐれたものであった。
【0033】
【発明の効果】本発明は、次のように特別に顕著な効果
を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。 1)本発明方法によるときは、全面に亘ってケイ素酸化
物薄膜層の膜厚およびケイ素酸化物の組成が均一で、ガ
スバリヤ性もまた一様な透明ガスバリヤフィルムを効率
よく製造することができる。 2)製造される蒸着フィルムは、ケイ素酸化物薄膜層に
起因して若干着色しているものの、着色斑がなないの
で、外観もすぐれたものである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−263244(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 C23C 16/00 - 16/56 B29D 9/00 B32B 1/00 - 35/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケイ素酸化物を蒸着源とする巻取り式薄
    膜形成法により、連続的に走行する広幅かつ長尺な透明
    樹脂フィルムの表面にケイ素酸化物薄膜層を形成させる
    透明ガスバリヤフィルムの製造方法において、(a)ケ
    イ素酸化物薄膜層の形成を1×10-5 〜 1×10-3 T
    orr の範囲の一定の圧力に制御された雰囲気下で行い、
    (b)ケイ素酸化物薄膜層を形成させた透明ガスバリヤ
    フィルムの紫外線透過率を連続的に測定しつつ、この紫
    外線透過率が一定になるように蒸着源の温度を外部より
    調節する方法であって、(c)薄膜層形成雰囲気は、酸
    素もしくは水蒸気の導入と排気ポンプによる排気とによ
    り制御し、(d)前記紫外線透過率は、ケイ素酸化物薄
    膜層を形成させた透明ガスバリヤフィルムの幅方向の複
    数の箇所に、フィルムに対面して対向配置して設けられ
    た複数対の投光部と受光部とを含む紫外線透過率測定装
    置により、フイルムの走行方向および幅方向に関し連続
    的に測定する、ことを特徴とする透明ガスバリヤフィル
    ムの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記紫外線透過率測定装置が、発光波長
    が220〜400nmの範囲である1つの紫外線光源、
    1つの対照光路用光ファイバー、透明ガスバリヤフィル
    ムに対をなして対向配置させた投光部および受光部を含
    む複数の測定光路用光ファイバー、光路選択用チョッパ
    ー、1つの紫外線検出器、および紫外線透過率計算用コ
    ンピューターより構成されてなり、光源からの紫外線は
    光ファイバーにより3分岐以上に分けられ、そのうちの
    1分岐の光ファイバーは紫外線検出器に直接導かれて対
    照光路を形成し、分岐された他の2分岐以上の光ファイ
    バーの先端はケイ素酸化物薄膜層を形成させた透明ガス
    バリヤフィルムの幅方向の複数の箇所に間隔をおいて配
    置され、該透明ガスバリヤフィルムの反対面に対をなし
    て配置された光ファイバーと相まって測定光路を形成
    し、対照光路および測定光路のうちの1つの光路が光路
    選択用チョッパーによって順次一定の時間間隔ごとに切
    り替え選択され、紫外線検出器からの信号に基づき紫外
    線透過率計算用コンピューターにより透明ガスバリヤフ
    ィルムの幅方向の複数の箇所の紫外線透過率が順次一定
    の時間間隔ごとに繰り返し算出される構成とされてい
    る、請求項1記載の透明ガスバリヤフィルムの製造方
    法。
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