JP3225197B2 - 流体機械の旋回失速抑制装置 - Google Patents
流体機械の旋回失速抑制装置Info
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- JP3225197B2 JP3225197B2 JP14715696A JP14715696A JP3225197B2 JP 3225197 B2 JP3225197 B2 JP 3225197B2 JP 14715696 A JP14715696 A JP 14715696A JP 14715696 A JP14715696 A JP 14715696A JP 3225197 B2 JP3225197 B2 JP 3225197B2
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- Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、羽根なしディフュ
ーザあるいは羽根付きディフューザを有する遠心圧縮
機、送風機、ポンプ等の流体機械における旋回失速抑制
装置に関するものである。
ーザあるいは羽根付きディフューザを有する遠心圧縮
機、送風機、ポンプ等の流体機械における旋回失速抑制
装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】羽根なしあるいは羽根付のディフューザ
を有する遠心圧縮機、送風機、ポンプ等の流体機械は、
低流量域において旋回失速を発生し、運転可能領域をせ
ばめることが知られている。そして、このような旋回失
速の発生した状態のもとで運転を継続した場合には、羽
根車出口直後のディフューザの壁面静圧の時間変動のた
め、ディフューザ内の圧力脈動により羽根車回転軸の振
れが大きくなって軸受損傷を誘発し、流体機械として安
定な運転を継続することができない状態となる。
を有する遠心圧縮機、送風機、ポンプ等の流体機械は、
低流量域において旋回失速を発生し、運転可能領域をせ
ばめることが知られている。そして、このような旋回失
速の発生した状態のもとで運転を継続した場合には、羽
根車出口直後のディフューザの壁面静圧の時間変動のた
め、ディフューザ内の圧力脈動により羽根車回転軸の振
れが大きくなって軸受損傷を誘発し、流体機械として安
定な運転を継続することができない状態となる。
【０００３】
【発明が解決しようとうする課題】前記のような旋回失
速の発生に伴う不都合な点を回避するために、流体機械
を所定流量以上の大きな流量で運転をしたり、あるいは
流量の一部をバイパスするという手法が従来採られてい
る。しかし、この手法においても、エネルギーを無駄に
消費するものであって、省エネの時代感覚にマッチしな
いという嫌いがあった。
速の発生に伴う不都合な点を回避するために、流体機械
を所定流量以上の大きな流量で運転をしたり、あるいは
流量の一部をバイパスするという手法が従来採られてい
る。しかし、この手法においても、エネルギーを無駄に
消費するものであって、省エネの時代感覚にマッチしな
いという嫌いがあった。
【０００４】本発明は、かかる課題に鑑みされたもの
で、低流量域における旋回失速の発生を回避しうる旋回
失速抑制装置を提供することを目的とする。
で、低流量域における旋回失速の発生を回避しうる旋回
失速抑制装置を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本願の発明（請求項１に
係る発明）は、羽根車からの吐出流れが流入する羽根な
しディフューザの流路を介して対向する壁の少なくとも
一方の壁内面に、複数の溝を放射状に形成することによ
り前記の目的を達成するものである。また、本願の発明
（請求項２に係る発明）は、羽根車からの吐出流れが流
入する羽根付きディフューザの流路を介して対向する壁
の少なくとも一方の壁内面の前記各羽根間に、それぞれ
放射状に溝を形成することにより前記目的を達成するも
のである。
係る発明）は、羽根車からの吐出流れが流入する羽根な
しディフューザの流路を介して対向する壁の少なくとも
一方の壁内面に、複数の溝を放射状に形成することによ
り前記の目的を達成するものである。また、本願の発明
（請求項２に係る発明）は、羽根車からの吐出流れが流
入する羽根付きディフューザの流路を介して対向する壁
の少なくとも一方の壁内面の前記各羽根間に、それぞれ
放射状に溝を形成することにより前記目的を達成するも
のである。
【０００６】
【作用】請求項１に係る発明のデュフューザに形成した
溝の内部には半径方向の圧力勾配により内向きの流れが
誘起され、その分だけ主流の流量が増加し、また溝内部
の内向きの流れは旋回をもたないので、この溝内部への
流れが主流から溝に流入するときに主流の角運動欠損を
誘発し、また溝から主流へ流出するときは主流の角運動
量を著しく低下させる。したがって、主流はその分だけ
旋回速度を失い、主流周速が低下し、その結果、流れ角
が大きくなって高流量時と同様な流れを実現し、特に壁
面付近では３次元逆流がなくなり、流れ角が著しく大き
くなる（立ってくる）ことにより断面速度分布のねじれ
が著しく低減し、旋回失速の抑制効果が現れると共に、
軸受の損傷も阻止される。請求項２に係る発明の羽根付
きディフューザの各羽根間に形成した溝も、前記請求項
１に係る発明の溝と同様な作用により旋回失速抑制に機
能する。
溝の内部には半径方向の圧力勾配により内向きの流れが
誘起され、その分だけ主流の流量が増加し、また溝内部
の内向きの流れは旋回をもたないので、この溝内部への
流れが主流から溝に流入するときに主流の角運動欠損を
誘発し、また溝から主流へ流出するときは主流の角運動
量を著しく低下させる。したがって、主流はその分だけ
旋回速度を失い、主流周速が低下し、その結果、流れ角
が大きくなって高流量時と同様な流れを実現し、特に壁
面付近では３次元逆流がなくなり、流れ角が著しく大き
くなる（立ってくる）ことにより断面速度分布のねじれ
が著しく低減し、旋回失速の抑制効果が現れると共に、
軸受の損傷も阻止される。請求項２に係る発明の羽根付
きディフューザの各羽根間に形成した溝も、前記請求項
１に係る発明の溝と同様な作用により旋回失速抑制に機
能する。
【０００７】
【発明の実施の形態】図１は羽根なしのラジアルディフ
ューザを示し、図１（Ａ）はその内部構造の概要図を、
図１（Ｂ）は図１（Ａ）のＸ−Ｘ線断面図を示す。羽根
なしディフューザ１は、外周に吐出口３ａを開口する流
路３を介して対向する壁１ａ，１ｂとから構成され、そ
の各壁１ａ，１ｂの内面には放射状に複数の溝２ａ，２
ｂが形成されている。４は吸込口，５は羽根車，５ａは
羽根車５の回転軸にして図示しない駆動モータに連結さ
れており、運転時には羽根車５は矢印方向に回転し、吸
込口４より流入した液体は矢印のように羽根車５より流
路３を通り吐出口３ａより吐出される。なお、前記溝２
ａ，２ｂは各壁１ａ，１ｂにそれぞれ設けたが、これに
限定されるものではなく、何れか一方の壁に設けてもよ
い。
ューザを示し、図１（Ａ）はその内部構造の概要図を、
図１（Ｂ）は図１（Ａ）のＸ−Ｘ線断面図を示す。羽根
なしディフューザ１は、外周に吐出口３ａを開口する流
路３を介して対向する壁１ａ，１ｂとから構成され、そ
の各壁１ａ，１ｂの内面には放射状に複数の溝２ａ，２
ｂが形成されている。４は吸込口，５は羽根車，５ａは
羽根車５の回転軸にして図示しない駆動モータに連結さ
れており、運転時には羽根車５は矢印方向に回転し、吸
込口４より流入した液体は矢印のように羽根車５より流
路３を通り吐出口３ａより吐出される。なお、前記溝２
ａ，２ｂは各壁１ａ，１ｂにそれぞれ設けたが、これに
限定されるものではなく、何れか一方の壁に設けてもよ
い。
【０００８】図２は従来の溝なしと本発明における溝形
成の場合との、運転時における羽根車より吐出するディ
フューザ内の流体の主流方向速度、周方向速度、半径方
向速度の比較ベクトル図を示すもので、前記作用で説明
のように、溝なしの場合の周方向速度ＶΘより溝形成の
場合の周方向速度Ｖ´Θが低下し、また、溝なしの場合
の半径方向速度Ｖｒが溝内の逆流のため、その分ΔＶｒ
だけ増加してＶ´ｒとなり、主流方向速度Ｖ´は溝なし
の場合の主流方向速度Ｖに比してその流れ角α´がαよ
り大きくなり、高流量の流れが実現されることを示す。
成の場合との、運転時における羽根車より吐出するディ
フューザ内の流体の主流方向速度、周方向速度、半径方
向速度の比較ベクトル図を示すもので、前記作用で説明
のように、溝なしの場合の周方向速度ＶΘより溝形成の
場合の周方向速度Ｖ´Θが低下し、また、溝なしの場合
の半径方向速度Ｖｒが溝内の逆流のため、その分ΔＶｒ
だけ増加してＶ´ｒとなり、主流方向速度Ｖ´は溝なし
の場合の主流方向速度Ｖに比してその流れ角α´がαよ
り大きくなり、高流量の流れが実現されることを示す。
【０００９】図３は羽根付きのラジアルディフューザの
内部構造の断面図を示し、羽根付きディフューザ６は流
路を介して対向する壁６ａ、６ｂ（６ａは図示せず）の
壁内面に複数の羽根７ａ，７ｂを有し（７ａは図示せ
ず）、この各羽根７ａ，７ｂ間に放射状に溝８ａ，８ｂ
（８ａは図示せず）が形成されている。なお、５は羽根
車、５ａは羽根車５の回転軸である。そして、この羽根
付きディフューザ６の溝８ａ，８ｂが旋回失速抑制機能
を有することは、前記羽根なしディフューザ１の溝２
ａ，２ｂと同様であるので、その説明を省略する。
内部構造の断面図を示し、羽根付きディフューザ６は流
路を介して対向する壁６ａ、６ｂ（６ａは図示せず）の
壁内面に複数の羽根７ａ，７ｂを有し（７ａは図示せ
ず）、この各羽根７ａ，７ｂ間に放射状に溝８ａ，８ｂ
（８ａは図示せず）が形成されている。なお、５は羽根
車、５ａは羽根車５の回転軸である。そして、この羽根
付きディフューザ６の溝８ａ，８ｂが旋回失速抑制機能
を有することは、前記羽根なしディフューザ１の溝２
ａ，２ｂと同様であるので、その説明を省略する。
【００１０】以上の実施の形態では、ラジアルディフュ
ーザについて説明したが、図４に示す羽根付のアキシア
ルディフューザにおいても、羽根車９からの吐出流れが
流入する羽根付ディフューザ１０の壁内面に溝１１を形
成することにより、前記ラジアルディフューザに形成の
溝と同様に旋回失速を抑制しうるものである。そして、
何れの形態においても、溝の深さ、幅、長さは流体機械
のサイズや特性によって個別に決定されるものである。
ーザについて説明したが、図４に示す羽根付のアキシア
ルディフューザにおいても、羽根車９からの吐出流れが
流入する羽根付ディフューザ１０の壁内面に溝１１を形
成することにより、前記ラジアルディフューザに形成の
溝と同様に旋回失速を抑制しうるものである。そして、
何れの形態においても、溝の深さ、幅、長さは流体機械
のサイズや特性によって個別に決定されるものである。
【００１１】
【実施例】羽根なしラジアルディフューザにおける、デ
ィフューザ径＝６００ｍｍ、羽根車径＝２５１ｍｍ、回
転数＝３０００ｒｐｍ、溝幅＝１０ｍｍ、溝深さ＝１ｍ
ｍ（両壁内面に形成）又は３ｍｍ（一方の壁内面のみに
形成）、溝数＝３２本の場合について、流量係数Φ＝
０．０６７の低流量運転時の周方向速度分布特性を図５
に示す（「Ｕｐｐｅｒ３ｍｍ」は上壁にのみ深さ３ｍｍ
の溝を形成した場合、「Ｂｏｔｈ１ｍｍ」は両壁に深さ
１ｍｍの溝を形成した場合である。）。この図５にみら
れるように、周方向速度は溝なしのものに比して溝を形
成したものが著しく低下しており、旋回失速の抑制効果
の顕著なることがわかる。
ィフューザ径＝６００ｍｍ、羽根車径＝２５１ｍｍ、回
転数＝３０００ｒｐｍ、溝幅＝１０ｍｍ、溝深さ＝１ｍ
ｍ（両壁内面に形成）又は３ｍｍ（一方の壁内面のみに
形成）、溝数＝３２本の場合について、流量係数Φ＝
０．０６７の低流量運転時の周方向速度分布特性を図５
に示す（「Ｕｐｐｅｒ３ｍｍ」は上壁にのみ深さ３ｍｍ
の溝を形成した場合、「Ｂｏｔｈ１ｍｍ」は両壁に深さ
１ｍｍの溝を形成した場合である。）。この図５にみら
れるように、周方向速度は溝なしのものに比して溝を形
成したものが著しく低下しており、旋回失速の抑制効果
の顕著なることがわかる。
【００１２】
【発明の効果】請求項１及び請求項２に係る発明は、デ
ィフューザに溝形成という簡単な機械加工によって旋回
失速の発生を抑制することができ、バイパス運転等が不
要となり、流体機械の安定した省エネ運転が可能であ
る。また、旋回失速に伴う軸受損傷も阻止することがで
き、機械運転の長寿命化を図ることができる。
ィフューザに溝形成という簡単な機械加工によって旋回
失速の発生を抑制することができ、バイパス運転等が不
要となり、流体機械の安定した省エネ運転が可能であ
る。また、旋回失速に伴う軸受損傷も阻止することがで
き、機械運転の長寿命化を図ることができる。
【図１】羽根なしのラジアルディフューザを示し、図１
（Ａ）は内部構造の概要図、図１（Ｂ）は図１（Ａ）の
Ｘ−Ｘ線断面図である。
（Ａ）は内部構造の概要図、図１（Ｂ）は図１（Ａ）の
Ｘ−Ｘ線断面図である。
【図２】旋回失速抑制効果の説明図である。
【図３】羽根付きのラジアルディフューザの内部断面図
である。
である。
【図４】羽根付のアキシャルディフューザの断面図であ
る。
る。
【図５】羽根なしのラジアルディフューザの低流量運転
時における周方向速度分布特性図である。
時における周方向速度分布特性図である。
１ 羽根なしディフューザ（ラジアル） １ａ，１ｂ 対向壁 ２ａ，２ｂ 溝 ３ 流路 ３ａ 吐出口 ４ 吸込口 ５ 羽根車 ５ａ 回転軸 ６ 羽根付きディフューザ （ラジアル） ６ａ，６ｂ 対向壁 ７ａ，７ｂ 羽根 ８ａ，８ｂ 溝 ９ 羽根車 １０ 羽根付ディフューザ（アキシャル） １１ 溝
Claims (2)
- 【請求項１】 羽根車からの吐出流れが流入する羽根な
しディフューザの流路を介して対向する壁の少なくとも
一方の壁内面に、複数の溝を放射状に形成したことを特
徴とする流体機械の旋回失速抑制装置。 - 【請求項２】 羽根車からの吐出流れが流入する羽根付
きディフューザの流路を介して対向する壁の少なくとも
一方の壁内面の前記各羽根間に、それぞれ放射状に溝を
形成したことを特徴とする流体機械の旋回失速抑制装
置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14715696A JP3225197B2 (ja) | 1996-06-10 | 1996-06-10 | 流体機械の旋回失速抑制装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14715696A JP3225197B2 (ja) | 1996-06-10 | 1996-06-10 | 流体機械の旋回失速抑制装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09324797A JPH09324797A (ja) | 1997-12-16 |
| JP3225197B2 true JP3225197B2 (ja) | 2001-11-05 |
Family
ID=15423859
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14715696A Expired - Fee Related JP3225197B2 (ja) | 1996-06-10 | 1996-06-10 | 流体機械の旋回失速抑制装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3225197B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009281155A (ja) * | 2008-05-19 | 2009-12-03 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 遷音速二段遠心圧縮機 |
| CN104641198A (zh) * | 2012-05-24 | 2015-05-20 | 法雷奥热系统公司 | 具有加强的集管器的热交换器 |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR102134975B1 (ko) * | 2018-11-23 | 2020-07-16 | 박상동 | 원심 펌프 성능 변환 방법 |
-
1996
- 1996-06-10 JP JP14715696A patent/JP3225197B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009281155A (ja) * | 2008-05-19 | 2009-12-03 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 遷音速二段遠心圧縮機 |
| CN104641198A (zh) * | 2012-05-24 | 2015-05-20 | 法雷奥热系统公司 | 具有加强的集管器的热交换器 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09324797A (ja) | 1997-12-16 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
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