JP3224982U - 自転車カセットフライホイールの拡大歯車比構造 - Google Patents

Abstract

【課題】アウターリング配置における歯車比を拡大する自転車カセットフライホイールの拡大歯車比構造を提供する。【解決手段】自転車カセットフライホイールの拡大歯車比構造は、後ハブと一体に軸接するラチェット台１０、歯数の多さに応じて順番に等間隔を空けてラチェット台１０外径部に嵌められる数個のフライホイール１３、１４、１５、１６、１７、１８、追加フライホイール４０を有し、追加フライホイール４０は後ハブとは異なるラチェット台１０の端部に組み立てられ、追加フライホイール４０の歯数は八歯から十歯で、追加フライホイール４０と既存規格のアウターリング配置により歯車比を拡大し、現在の自転車の歯車比の極限を突破し、変速段数を拡大することができる。【選択図】図１

Description

本考案は自転車の変速カセットフライホイールに関し、特に自転車カセットフライホイールの拡大歯車比構造に関する。

典型的な自転車後変速カセットフライホイールはおおよそ、後ハブと一体のラチェット台、及び歯数に応じて順番に等間隔に、ラチェット台の外径部に嵌められる数個のフライホイールを有する。
各フライホイールの間は、所定の間隔距離を空ける。
ラチェット台の内径部と後ハブ心軸のベアリング及びその関連構成部材は一体に組成される。
よって、ラチェット台の最小体径（内径と外径）は、この条件の制限を受け、一定のサイズを保持する必要がある。
ラチェット台外径部に嵌めて設置する各フライホイールの歯形と大きさは共に、一定の規格とサイズを有し、フライホイールの内径もまた、ラチェット台の最小体径の制限を受ける。
よって、フライホイールの最少歯数も制限を受ける。
現在の業界の規格では、フライホイールの最小歯数は十一歯で、これが自転車歯車比の最終極限となっている。

現在のロードバイク十八段変速システムにおいて、前チェーンリング５０／３４コンパクトクランクセット（Ｃｏｍｐａｃｔ ｃｒａｎｋｓｅｔ）、後フライホイール１１−２３歯の組合せを例とすれば、以下の歯車比が得られる。

歯車比は、回転速度（騎乗者が一分間に片足でペダルを踏む回数）に重大な影響を及ぼす。
歯車比が大きければ回転速度は遅くなり、自転車の速度は上がり、騎乗者の筋肉にかかる負荷は大きくなり、心肺に対する負担は小さくなる。
歯車比が小さければ回転速度は速くなり、筋肉にかかる負荷は小さくなるが、心肺に対する負担は大きくなる。
歯車比を変える場合、前チェーンリングの改造は、アウターリングＢＣＤ（Ｂｏｌｔ Ｃｉｒｃｌｅ Ｄｉａｍｅｔｅｒ）規格に関係するため、規格に合わなければ、クランクまでいっしょに交換しなければならず、費用が高くなる。
現在の規格は５０／３４歯、５２／３６歯のアウターリングが主流で、５３／３９歯の規格は少ない。

前記先行技術には、歯車比を変えるために前チェーンリングを改造すると、アウターリングＢＣＤ（Ｂｏｌｔ Ｃｉｒｃｌｅ Ｄｉａｍｅｔｅｒ）規格に関係するため、規格に合わなければ、クランクまでいっしょに交換しなければならず、費用が高くなるという欠点がある。

本考案はカセットフライホイールの最小歯数変更により、既存規格のアウターリング配置について歯車比を拡大する自転車カセットフライホイールの拡大歯車比構造に関する。

本考案による自転車カセットフライホイールの拡大歯車比構造は、後ハブと一体に軸接するラチェット台、及び歯数の多さに応じて順番に等間隔を空けて該ラチェット台外径部に嵌める数個のフライホイール、追加フライホイールを有する。
該数個のフライホイール中最少歯数のフライホイールは、十一歯で、該追加フライホイールは該ラチェット台の、該後ハブとは異なる端部に組み立てられ、該追加フライホイールの歯数は、八歯から十歯である。

本考案は既存のカセットフライホイール上に、歯数が十一歯より少ない（好ましくは十歯）追加フライホイールを増設することで、既存規格のアウターリング配置について歯車比を拡大し、現在の自転車の歯車比の極限を突破し、変速段数を拡大することができる。
追加フライホイールは既存のラチェット台の規格に対応するため、ラチェット台及びその他フライホイールの規格及び構造を変える必要はなく、追加カセットフライホイールをラチェット台に取り付ければ、隣り合うフライホイールと規格に符合する間隔及び相互位置が自動的に生じ、チェーンの切り換えに滞りが起こらない。

本考案のカセットフライホイールの前視立体分解図である。 本考案のカセットフライホイールの後視立体分解図である。 本考案の第一フライホイールの前視立体図である。 本考案の第一フライホイールの後視立体図である。 本考案の追加フライホイールの前視立体図である。 本考案の追加フライホイールの後視立体図である。 本考案のカセットフライホイールの立体外観図である。 本考案のカセットフライホイールの前視図である。 本考案のカセットフライホイールの断面図である。 図９の円で囲んだ位置の拡大図である。

（一実施形態）
本考案は図に対応する。実施形態の形式で以下の通り詳細な説明を行う。
実施形態における各種物件は、取り上げた説明の比率、サイズ、変形量、移動量に適したもので、実際の物件の比率に基づくものではないことを、ここに明記する。
かつ、以下の説明において、同様の対称配置の部品は、同様の符号により表示する。

図１、２に示す通り、本考案は既存のカセットフライホイールのラチェット台１０の第二端１２に、歯数が十歯の追加フライホイール４０を増設する。
ラチェット台１０の、後ハブ（図示なし）に連なる端部は、第一端１１と定義し、反対端は、第二端１２と定義する。
図において、既存のカセットフライホイールは、ラチェット台１０上に数個の歯数の多さに応じて順番に排列するフライホイール１３、１４、１５、１６、１７、１８を設置して表示する。
ラチェット台１０と一体の後ハブ及びラチェット台１０内部の内ラチェット構造は、本考案の新規技術特徴ではないため、詳述及び図示しない。

カセットフライホイールは、拡大歯車比構造をさらに有し、拡大歯車比構造は、第一ねじ山部１２１、縮径リング３０、第一フライホイール２０、追加フライホイール４０、フライホイール蓋５０を有する。

第一ねじ山部１２１は、ラチェット台１０第二端１２の内壁に設置される。

縮径リング３０は、外壁の第二ねじ山部３１により、第一ねじ山部１２１と結合し、ラチェット台１０の第二端１２の内部に組み立てられる。
縮径リング３０は、内壁の第三ねじ山部３２をさらに有する。
縮径リング３０は、ラチェット台１０の内径を縮小させる。

第一フライホイール２０（図３、４を同時に参照）は、歯数が十一歯である。
第一フライホイール２０の後部中心位置には、環状のブッシュ２１を成形し、ブッシュ２１の内径部には、ラチェット台１０の外径部と相互に係合する凹凸嵌歯２２を環状に設置する。
ブッシュ２１は、ラチェット台１０の第二端１２外部に嵌めて固定する。
第一フライホイール２０の内径部は、径方向において、数個の第一凸歯２３と数個の第一凹槽２４を間隔を空けて環状に設置する。
第一凸歯２３は、ラチェット台１０の第二端１２及び縮径リング３０の外部に係止する。

追加フライホイール４０（図５、６を同時に参照）の歯数は、第一フライホイール２０の少なくとも１個の歯より少なく、追加フライホイール４０は、好ましくは八〜十歯である。
追加フライホイール４０の後部には、環状の短軸４１を成形する。
短軸４１の後端面には、軸方向に間隔を空けて、数個の第二凸歯４２と数個の第二凹槽４３を環状に設置する。
追加フライホイール４０は、第二凸歯４２により、第一フライホイール２０の第一凹槽２４中に嵌合される。
追加フライホイール４０は、第二凹槽４３により、第一フライホイール２０の第一凸歯２３を、その中に嵌合する。
追加フライホイール４０と第一フライホイール２０は結合し、ラチェット台１０の第二端１２外部に位置する。
短軸４１の軸方向サイズにより、追加フライホイール４０と第一フライホイール２０の間は、変速切り換えの規格に符合する間隔距離及び相互位置を保持する。

フライホイール蓋５０（図７〜１０を同時に参照）は環状を呈し、その背部には、軸孔に沿って、筒状の結合部５１を軸方向に成形する。
結合部５１は、追加フライホイール４０の内径部に径が適合し通過する。
結合部５１の末端外壁には、第四ねじ山部５２を設置する。
第四ねじ山部５２は、縮径リング３０の第三ねじ山部３２に緊密に螺接する。
フライホイール蓋５０は、追加フライホイール４０の外部に係止し、すべてのフライホイールを、ラチェット台１０上に堅固に定位する。
追加フライホイール４０と該フライホイール蓋５０の相対位置には、凹凸の滑り止め紋４４、５４をそれぞれ設置する。

図７〜１０に示す通り、本考案は既存のカセットフライホイール及びそのラチェット台１０上に、歯数が十一歯より少ない（好ましくは十歯）追加フライホイール４０を増設する。
既存規格のアウターリング配置について歯車比を拡大し、現在の自転車の歯車比の極限を突破し、変速段数を拡大することができる。
追加フライホイール４０の歯数は、第一フライホイール２０の歯数に応じて決め、第一フライホイール２０の歯数より１個か２個少ない歯数が好ましい。
本実施形態中では、既存のカセットフライホイールの最小フライホイール歯数が十一歯であるため、現在のカセットフライホイールに符合する追加フライホイール４０は十歯である。

現行のロードバイク十八段変速システムにおいて、前チェーンリング５０／３４コンパクトクランクセット（Ｃｏｍｐａｃｔ ｃｒａｎｋｓｅｔ）の後フライホイール１１−２３歯の組合せを例とすると、１０歯の追加ギアを増設することにより、得られる歯車比は下表の通りである。
従来の技術と比較すると、本考案の追加ギアは、アウターリングとフライホイールの歯車比を拡大でき、かつ変速段数を二十段に拡大できる。

前述した本考案の実施形態は本考案を限定するものではなく、よって、本考案により保護される範囲は後述される実用新案登録請求の範囲を基準とする。

１０ ラチェット台
１１ 第一端
１２ 第二端
１２１ 第一ねじ山部
１３ フライホイール
１４ フライホイール
１５ フライホイール
１６ フライホイール
１７ フライホイール
１８ フライホイール
２０ 第一フライホイール
２１ ブッシュ
２２ 凹凸嵌歯
２３ 第一凸歯
２４ 第一凹槽
３０ 縮径リング
３１ 第二ねじ山部
３２ 第三ねじ山部
４０ 追加フライホイール
４１ 短軸
４２ 第二凸歯
４３ 第二凹槽
４４ 滑り止め紋
５０ フライホイール蓋
５１ 結合部
５２ 第四ねじ山部
５４ 滑り止め紋

Claims (6)

1. 後ハブと一体に軸接するラチェット台、及び歯数の多さに応じて順番に等間隔を空けて前記ラチェット台の外径部に嵌められる数個のフライホイールを有する、自転車カセットフライホイールの拡大歯車比構造であって、
   前記ラチェット台が前記後ハブに連なる端部は第一端で、軸方向の反対端は第二端で、前記数個のフライホイール中最少歯数のフライホイールは、第一フライホイールで、
   前記拡大歯車比構造は、前記ラチェット台の前記第二端の内部に組み立てられる縮径リング、前記第一フライホイールの内径部に径方向に成形され、かつ間隔を空けて環状に設置される数個の第一凸歯と数個の第一凹槽、前記第一フライホイールの少なくとも１個の歯より歯数が少ない追加フライホイール、フライホイール蓋を有し、
   前記第一凸歯は、前記ラチェット台の前記第二端及び前記縮径リングの外部に係止され、
   前記追加フライホイールの後部には、環状の短軸を成形し、
   前記短軸の後端面には、軸方向に間隔を空けて、数個の第二凸歯と数個の第二凹槽を環状に設置し、
   前記追加フライホイールは、前記第二凸歯により、前記第一フライホイールの第一凹槽中に嵌合され、
   前記追加フライホイールは、前記第二凹槽により、前記第一フライホイールの前記第一凸歯を、その中に嵌合し、
   前記追加フライホイールと前記第一フライホイールは結合し、前記ラチェット台の前記第二端外部に位置し、
   前記短軸は、前記追加フライホイールと前記第一フライホイールの間を、変速切り換えの規格に符合する間隔距離及び相互位置に保持させ、
   前記フライホイール蓋は環状を呈し、その背部には、筒状の結合部を軸方向に成形し、
   前記結合部は、前記追加フライホイールの内径部に径が適合し通過し、前記縮径リング中に固定され、
   前記フライホイール蓋は、前記追加フライホイールの側面に係止する、ことを特徴とする、
   自転車カセットフライホイールの拡大歯車比構造。
2. 前記ラチェット台の第二端内壁には、第一ねじ山部を設置し、前記縮径リングの外壁には、第二ねじ山部を設置し、前記第二ねじ山部と前記第一ねじ山部は結合し、前記縮径リングは、前記ラチェット台の第二端内部に組み立てられることを特徴とする請求項１に記載の自転車カセットフライホイールの拡大歯車比構造。
3. 前記縮径リングの内壁は、第三ねじ山部を有し、前記フライホイール蓋の前記結合部の末端外壁には、第四ねじ山部を設置し、前記第四ねじ山部は、前記縮径リングの第三ねじ山部に緊密に螺接することを特徴とする請求項１に記載の自転車カセットフライホイールの拡大歯車比構造。
4. 前記追加フライホイールの歯数は、八歯から十歯であることを特徴とする請求項１に記載の自転車カセットフライホイールの拡大歯車比構造。
5. 前記追加フライホイールと前記フライホイール蓋の相対位置には、凹凸の滑り止め紋をそれぞれ設置することを特徴とする請求項１に記載の自転車カセットフライホイールの拡大歯車比構造。
6. 自転車カセットフライホイールが、後ハブと一体に軸接するラチェット台、及び歯数の多さに応じて順番に等間隔を空けて前記ラチェット台の外径部に嵌められる数個のフライホイール、追加フライホイールを有し、
   前記追加フライホイールは、前記ラチェット台の、前記後ハブとは異なる端部に組み立てられ、
   前記追加フライホイールの歯数は、八歯から十歯であることを特徴とする、
   自転車カセットフライホイールの拡大歯車比構造。
   

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