JP3224487B2 - 交通状態判別装置 - Google Patents

交通状態判別装置

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JP3224487B2
JP3224487B2 JP05770895A JP5770895A JP3224487B2 JP 3224487 B2 JP3224487 B2 JP 3224487B2 JP 05770895 A JP05770895 A JP 05770895A JP 5770895 A JP5770895 A JP 5770895A JP 3224487 B2 JP3224487 B2 JP 3224487B2
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雅史 岩田
志朗 匹田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エレベータなどの交
通システムの交通状態を判別するための交通状態判別装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エレベータなどの交通システムの制御を
行うためには交通の状態を知ることが必要である。その
ため、交通状態のカテゴリーをつくり、実際の交通の状
態がどのカテゴリーに属しているかを見つけることによ
り、交通の状態を知る方法が従来よりとられている。例
えば特開平4−213575号公報には、時刻をベース
にして、時刻と各ロビー階でのエレベータの乗客数、積
載負荷などから、あらかじめ用意しておいたアップピー
クという状態を知る交通状態判別装置が示されている。
また、ニューラルネットワークを用いた例としては、例
えば日本機械学会第1回交通・物流部門大会講演論文集
の222〜227ページに示された、あらかじめ学習を
行っておいて、出勤、退勤、平常の3つの交通流を判定
するものがある。さらに、例えば特公平5−17152
号公報には、あらかじめ設定登録した交通需要以外の交
通需要に対応するようにプログラムを自動的に作成し
て、システム稼働後に新たに交通需要モードを追加する
ことにより、新たな交通需要に対応可能な交通需要の特
徴検出装置が示されている。また、ニューラルネットワ
ークを用いた例としては、例えば特開平6−26334
6号公報に示された、未学習の交通流が発生した場合
に、ニューラルネットワークにそれを新規交通流として
学習させるものがある。
【0003】また、エレベータにおいては一般に、アッ
プピークやダウンピークといった交通流の特徴に合わせ
て運転パターンが用意される。運転パターンは計測自動
制御学会第20回システムシンポジウム合同シンポジウ
ム講演論文集の29〜36ページの例に示されているよ
うに、自動的にチューニングすることができる。また運
転パターン数はシステム設計時には決まっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の交通状態判別装
置は以上のように構成されているので、特開平4−21
3575号公報に示されたものは、時刻をベースにして
おり実際の交通の状態を見ているとは言い難く、また、
日本機械学会第1回交通・物流部門大会講演論文集に示
されたものは、学習はあらかじめ行っておくため経年変
化に対応することはできない。さらに、特公平5−17
152号公報や特開平6−263346号公報に示され
たものは、未学習の交通流が発生した場合に、新たに交
通流のモードを生成するものであり、前者ではそれに対
応するようにプログラムを自動作成し、後者ではニュー
ラルネットワークに新規交通流として学習させている
が、一般に交通制御システムに新たな交通流に対する制
御方法を作成する装置を組み込むことは困難であり、後
者にはシミュレータを交通制御システムに組み込み新た
な交通流に対する制御方法を定めると説明しているもの
の、具体例は示されておらず、前者にはそれに関する記
載は全くない。また、計測自動制御学会第20回システ
ムシンポジウム合同シンポジウム講演論文集に示された
ものでは、あらかじめ用意した運転パターンをどのよう
な交通量が観測された場合に適用するかなどの問題点が
あった。
【0005】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、運転パターンの選択解消を交通
量から決定するために、運転パターンと1対1の関係に
ある交通状態カテゴリーに交通量を判別することができ
る交通状態判別装置を得ることを目的とする。また、ビ
ルなどの環境変化が発生した場合に、適応的にカテゴリ
ーの判別手段をチューニングすることにより、常に最適
な交通状態カテゴリーの判別が可能な交通状態判別装置
を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係る交通状態判別装置は、交通量検出部で検出加工され
た交通量データからあらかじめ与えられた運転パターン
に対応する交通状態カテゴリーに対する適合度を出力す
るニューラルネットワークと該ニューラルネットワーク
の出力値から前記交通状態カテゴリーを唯一に決定する
交通状態カテゴリー検出部から構成される交通状態カテ
ゴリー判別部とを備え、運転パターン選択部で前記交通
状態カテゴリー判別部によって判別された交通状態カテ
ゴリーに基づいて運転パターンの選択を行うものであ
る。
【0007】また、請求項に記載の発明に係る交通状
態判別装置は、あらかじめ定められた条件に従って唯一
の交通状態カテゴリーの検出を行うための第1交通状態
カテゴリー検出補助部を、交通状態カテゴリー判別部の
カテゴリー検出部に持たせたものである。
【0008】また、請求項に記載の発明に係る交通状
態判別装置は、前回以前に検出された交通状態カテゴリ
ーを考慮して、唯一の交通状態カテゴリーの検出を行う
ための第2交通状態カテゴリー検出補助部を、交通状態
カテゴリー判別部のカテゴリー検出部に持たせたもので
ある。
【0009】また、請求項に記載の発明に係る交通状
態判別装置は、前回以前に検出された交通状態カテゴリ
ーを考慮して、唯一の交通状態カテゴリーの検出を行う
カテゴリー検出補正部を、交通状態カテゴリー判別部の
カテゴリー検出部に持たせたものである。
【0010】また、請求項に記載の発明に係る交通状
態判別装置は、ニューラルネットワーク評価部を設け
て、第1交通状態カテゴリー検出補助部もしくはカテゴ
リー検出補正部を用いなければ唯一の交通状態カテゴリ
ーを検出することができないデータの割合から前記ニュ
ーラルネットワークの評価を行い、その評価値を用いて
ニューラルネットワークの学習を行うかどうかを決定す
るようにしたものである。
【0011】また、請求項に記載の発明に係る交通状
態判別装置は、ニューラルネットワーク学習部を設け
て、ニューラルネットワークにニューラルネットワーク
評価部での評価値が向上するように学習させ、それぞれ
の交通特性に適合したニューラルネットワークを作成す
るようにしたものである。
【0012】また、請求項に記載の発明に係る交通状
態判別装置は、ニューラルネットワークの学習に用いる
教師データを自動作成する交通状態カテゴリー教師デー
タ自動生成部を、ニューラルネットワーク学習部に持た
せたものである。
【0013】また、請求項に記載の発明に係る交通状
態判別装置は、交通状態カテゴリー教師データ自動生成
部における教師データの生成方法を自動調整する教師デ
ータ自動生成部自己調整部を、ニューラルネットワーク
学習部に持たせたものである。
【0014】また、請求項に記載の発明に係る交通状
態判別装置は、ニューラルネットワークの学習を行った
ときに用いた教師データを蓄えておくためのニューラル
ネットワーク保存部を、ニューラルネットワーク学習部
に持たせたものである。
【0015】また、請求項10に記載の発明に係る交通
状態判別装置は、ニューラルネットワークの学習に際し
て、新たな教師データを用いて学習してもより高い評価
値のニューラルネットワークが作成できなかった場合に
は、ニューラルネットワーク保存部に保存されている教
師データを用いてそれまで使用していたニューラルネッ
トワークを再作成するものである。
【0016】また、請求項11に記載の発明に係る交通
状態判別装置は、交通量予測部を設けて、交通量検出部
で検出加工された交通量データから将来の交通量データ
を予測し、その予測値を交通状態カテゴリー判別部に入
力して将来の交通状態カテゴリーを判別するようにした
ものである。
【0017】また、請求項12に記載の発明に係る交通
状態判別装置は、交通状態カテゴリー判別部を複数用意
し、1日を複数の時間帯に分けたそれぞれの時間帯毎
に、専用の交通状態カテゴリー判別部を用いて交通状態
カテゴリーの判別を行うものである。
【0018】また、請求項13に記載の発明に係る交通
状態判別装置は、交通状態カテゴリー判別部内に複数の
ニューラルネットワークを用意し、1日を複数の時間帯
に分けたそれぞれの時間帯毎に、専用のニューラルネッ
トワークを用いて交通状態カテゴリーの判別を行うもの
である。
【0019】また、請求項14に記載の発明に係る交通
状態判別装置は、ニューラルネットワークの計算を整数
演算のみによって行う整数演算型ニューラルネットワー
ク演算部を、交通状態カテゴリー判別部のニューラルネ
ットワークに持たせたものである。
【0020】また、請求項15に記載の発明に係る交通
状態判別装置は、シグモイド関数の近似値を整数演算で
級数展開して近似することにより求めるシグモイド関数
演算部と、シグモイド関数以外の計算を行うニューラル
ネットワーク演算部とを、整数演算型ニューラルネット
ワーク演算部に持たせたものである。
【0021】また、請求項16に記載の発明に係る交通
状態判別装置は、学習中に学習用のパラメータの変更を
自動的に行う学習パラメータ自動調整部を、整数演算型
ニューラルネットワーク演算部に持たせたものである。
【0022】また、請求項17に記載の発明に係る交通
状態判別装置は、あらかじめ計算して保持しておいたシ
グモイド関数の入出力の関係を示すデータを用いて、シ
グモイド関数の近似値を実数演算を行うことなく求める
整数演算型シグモイド関数演算部と、ニューラルネット
ワーク演算部とを、整数演算型ニューラルネットワーク
演算部に持たせたものである。
【0023】
【作用】請求項1に記載の発明における運転パターン選
択部は、交通量検出部で検出加工された交通量データが
あらかじめ与えられた運転パターンに対応する交通状態
カテゴリーに対する適合度を出力するニューラルネット
ワークと該ニューラルネットワークの出力値から前記交
通状態カテゴリーを唯一に決定する交通状態カテゴリー
検出部から構成される交通状態カテゴリー判別部に入力
され、その交通状態カテゴリー判別部にて判別された当
該交通量データが属する交通状態カテゴリーに基づい
て、運転パターンを選択することにより、あらかじめ用
意された運転パターンの選択解消が安定して行える交通
状態判別装置を実現する。
【0024】 また、請求項に記載の発明における第1
交通状態カテゴリー検出補助部は、あらかじめ定められ
た条件に従って唯一の交通状態カテゴリーを検出するこ
とにより、複数のカテゴリーが選択条件を満たしている
特定不能の状態であったり、どのカテゴリーも選択条件
を満たしておらず判別不能の状態にあって、ニューラル
ネットワークの出力値からだけでは交通状態カテゴリー
判別部が交通状態カテゴリーを唯一に決定することがで
きない場合にも、あらかじめ定められた条件に従って交
通状態カテゴリーを唯一に決定することを可能とする。
【0025】 また、請求項に記載の発明における第2
交通状態カテゴリー検出補助部は、前回以前に検出され
た交通状態カテゴリーを考慮して、唯一の交通状態カテ
ゴリーを検出することにより、交通量検出部から交通状
態カテゴリー判別部に所定のサンプル時間間隔でデータ
が入力される度に行われる交通状態カテゴリーの判別
が、以前の時刻の交通状態カテゴリーとは関係なく行わ
れるために判別結果が不安定となることによって起こ
る、いわゆるハンチング現象の発生を防止する。
【0026】 また、請求項に記載の発明におけるカテ
ゴリー検出補正部は、第1交通状態カテゴリー検出補助
部と第2交通状態カテゴリー検出補助部の機能を統合化
した機能を有することにより、ハンチングを防止しつ
つ、ニューラルネットワークの出力値からだけでは交通
状態カテゴリー判別部が交通状態カテゴリーを唯一に決
定することができない場合でも、あらかじめ定められた
条件に従って交通状態カテゴリーを唯一に決定すること
を可能とする。
【0027】 また、請求項に記載の発明におけるニュ
ーラルネットワーク評価部は、第1交通状態カテゴリー
検出補助部もしくは交通状態カテゴリー検出補正部を使
わなければ、交通状態カテゴリーを唯一に決定すること
ができない交通量データの発生率に応じてニューラルネ
ットワークを評価することにより、ニューラルネットワ
ークの学習を行うかどうかをその評価値に基づいて決定
することが可能な交通状態判別装置を実現する。
【0028】 また、請求項に記載の発明におけるニュ
ーラルネットワーク学習部は、ニューラルネットワーク
評価部での評価値を向上させるように、ニューラルネッ
トワークに交通量データと交通状態カテゴリーとの関係
を学習させることにより、交通特性に適合したニューラ
ルネットワークの作成を可能とする。
【0029】 また、請求項に記載の発明における交通
状態カテゴリー教師データ自動生成部は、ニューラルネ
ットワークの学習に用いる教師データセットを自動的に
作成することにより、ニューラルネットワークの学習の
自動化を可能にする。
【0030】 また、請求項に記載の発明における教師
データ自動生成部自己調整部は、交通状態カテゴリー教
師データ自動生成部における教師データ生成方法を自動
的に調整することにより、学習を繰り返す過程におい
て、交通状態カテゴリー教師データ自動生成部がもつ教
師データの自動生成ルールのチューニングを可能とす
る。
【0031】 また、請求項に記載の発明におけるニュ
ーラルネットワーク保存部は、ニューラルネットワーク
の学習を行ったときに使用した教師データセットを蓄え
ておくことにより、ニューラルネットワークの重み係数
などのパラメータを直接蓄えるよりも小さな記憶容量で
ニューラルネットワークの保存を可能にする。
【0032】 また、請求項10に記載の発明におけるニ
ューラルネットワーク学習部は、ニューラルネットワー
クの学習を行う場合に、新たな教師データで学習したニ
ューラルネットワークの評価値が、使用していたニュー
ラルネットワークよりも改善されなければ、ニューラル
ネットワーク保存部に保存されている教師データから使
用していたニューラルネットワークを再作成することに
より、ニューラルネットワーク評価部による評価値が以
前より低いニューラルネットワークが作成されることを
避けることを可能とする。
【0033】 また、請求項11に記載の発明における交
通量データ予測部は、交通量検出部の出力である交通量
データより将来の交通量データを予測することにより、
交通状態カテゴリー判別部による将来の交通状態カテゴ
リーの判別を可能とする。
【0034】 また、請求項12に記載の発明における交
通状態カテゴリー判別部は、複数用意されて、例えば午
前、午後、夜間など、1日を複数の時間帯に分割した各
時間帯のそれぞれに割り当てられ、各交通状態カテゴリ
ー判別部が割り当てられたそれぞれの時間帯の交通状態
カテゴリーを専門に判別することにより、より正確な交
通状態の判別を可能にする。
【0035】 また、請求項13に記載の発明における交
通状態カテゴリー判別部は、複数用意されて、例えば午
前、午後、夜間など、1日を複数の時間帯に分割した各
時間帯のそれぞれに割り当てられたニューラルネットワ
ークを有し、割り当てられた専用のニューラルネットワ
ークを用いて各時間帯の交通状態カテゴリーを判別する
ことにより、より正確な交通状態の判別を可能にする。
【0036】 また、請求項14に記載の発明における整
数演算型ニューラルネットワーク演算部は、整数演算の
みでニューラルネットワークの計算を行うことにより、
整数演算しか行えない計算機を利用した交通状態判別装
置においても、通常浮動小数点演算が不可欠なニューラ
ルネットワークの利用を可能とする。
【0037】 また、請求項15に記載の発明におけるシ
グモイド関数演算部は、ニューラルネットワークの演算
のうち、自然対数の底の累乗の計算が必要なシグモイド
関数を、級数展開による近似によって整数演算で近似値
を求めることにより、簡単な整数演算だけでニューラル
ネットワークの作成を可能とする。
【0038】 また、請求項16に記載の発明における学
習パラメータ自動調整部は、学習中の学習用のパラメー
タを自動的に変更することにより、整数演算型ニューラ
ルネットワークの学習能力および学習速度を向上させ
る。
【0039】 また、請求項17に記載の発明におけるシ
グモイド関数演算部は、ニューラルネットワークの演算
のうち、自然対数の底の累乗の計算が必要なシグモイド
関数をあらかじめ計算した結果をデータベースとして持
つことにより、実数演算を行うことなくシグモイド関数
の近似値を求めることを可能とし、演算時間を短縮す
る。
【0040】
【実施例】実施例1. 次に、この発明の一実施例を図について説明する。図1
はこの発明の実施例1による交通状態判別装置を示すブ
ロック図である。図において、1はこの実施例1による
交通状態判別装置であり、21 、・・・・、2N はエレ
ベータの各かごの制御を行い、また各かごからの各種状
態データを交通状態判別装置1に送る1号機制御装置、
・・・・、N号機制御装置である。3はフロアーからの
各種状態データを交通状態判別装置1に送るホール制御
装置であり、4は交通状態判別装置1より運転パターン
を受け取り、交通状態カテゴリーに合わせたエレベータ
の群管理を行う群管理装置である。
【0041】 また、交通状態判別装置1内において、1
1は1号機制御装置21 〜N号機制御装置2N およびホ
ール制御装置3からの各種状態データに基づいて、エレ
ベータ利用者の交通量(各種状態データ)を検出し、そ
れを交通量データに加工する交通量検出部である。12
はこの交通量検出部11にて検出加工された交通量デー
タから交通状態カテゴリーを判別する交通状態カテゴリ
ー判別部であり、13はこの交通状態カテゴリー判別部
12によって判別された交通量カテゴリーに基づいて当
該エレベータの運転パターンを選択し、それを群管理装
置4に出力する運転パターン選択部である。
【0042】 次に動作について説明する。1号機制御装
置21 〜N号機制御装置2N はエレベータの各かごの制
御を行うとともに、乗車人数、操作されたかご内行き先
階ボタンなどの各種状態データを交通量検出部11に送
る。また、ホール制御装置3は各フロアーでの乗り場呼
びボタンなどに関する各種状態データを交通量検出部1
1に送る。交通量検出部11ではこれらのデータを一定
のサンプル時間、サンプル周期で積算し、また、フロア
ーをいくつかのゾーンに分けて積算し、交通量データと
して作成する。この交通量データの形としては例えば次
の(1)式および(2)式に示すような形が考えられ
る。
【0043】 A(t) = [A(t,zone1),・・・,A(t,zonei),・・・,A(t,zoneM)] ・・・・・・ (1) A(t,zonei) = [GetOn(t,up,zonei), GetOn(t,down,zonei), GetOff(t,up,zonei),GetOff(t,down,zonei), CageCall(t,up,zonei), CageCall(t,down,zonei), HallCall(t,up,zonei), HallCall(t,down,zonei), ・・・・・ ] ・・・・・・ (2)
【0044】 なお、上記式(1)および式(2)にて、
Mはゾーンの分割数、A(t)は時刻tの交通量デー
タ、A(t,zonei)はゾーンiに関する時刻tに
おける交通量データ、GetOn(t,up,zone
i)はゾーンiに関する時刻tでの過去5分間の上方向
の乗車人数の積算値、GetOn(t,down,zo
nei)はゾーンiに関する時刻tでの過去5分間の下
方向の乗車人数の積算値、GetOff(t,up,z
onei)はゾーンiに関する時刻tでの過去5分間の
上方向の降車人数の積算値、GetOff(t,dow
n,zonei)はゾーンiに関する時刻tでの過去5
分間の下方向の降車人数の積算値、CageCall
(t,up,zonei)はゾーンiに関する時刻tで
の過去5分間の上方向のエレベータのかご呼び登録数の
最大値、CageCall(t,down,zone
i)はゾーンiに関する時刻tでの過去5分間の下方向
のエレベータのかご呼び登録数の最大値、HallCa
ll(t,up,zonei)はゾーンiに関する時刻
tでの過去5分間の上方向の乗り場呼び数の積算値、H
allCall(t,down,zonei)はゾーン
iに関する時刻tでの過去5分間の下方向の乗り場呼び
数の積算値である。
【0045】 上記のような交通量データが交通量検出部
11から交通状態カテゴリー判別部12へ送られると、
交通状態カテゴリー判別部12では入力された交通量デ
ータが属する交通状態カテゴリーを判別し、判別結果を
運転パターン選択部13に出力する。運転パターン選択
部13は交通状態カテゴリー判別部12から交通状態カ
テゴリーを受け取ると、それに基づいて運転パターンの
選択を行い、選択した運転パターンを群管理装置4に出
力する。群管理装置4は運転パターン選択部13から運
転パターンを受け取ると、その運転パターンに従って交
通状態カテゴリーに合わせたエレベータかごの群管理を
行う。
【0046】 ここで、交通状態カテゴリーについて説明
する。交通状態カテゴリーとは、運転パターンに適合す
る交通状態を指す。よって運転パターンと交通状態カテ
ゴリーは1対1に対応して設定される。運転パターンは
群管理装置4が持っているエレベータの配車の方法であ
り、システムの設計時に決まっている。交通状態カテゴ
リーは特徴点を持ち、特徴点と似た交通状態から発生す
る交通量の集合が各カテゴリーに属する交通量である。
この特徴点は運転パターンに基づいて決定される。図2
はエレベータの午前中の群管理を行うための交通状態カ
テゴリーを示したものである。図2では交通量空間Tの
中で実際に発生する交通量の集合を3つのカテゴリーに
分けている様子を示している。交通量空間Tは交通量デ
ータの全空間であり、そのうち、ビルを特定すると実際
に発生する交通量の集合はRのように表される。この空
間Rを各特徴点をただ1つ含むようにカテゴリー分類し
たときの各カテゴリーがC1,C2,C3である。
【0047】 さて、図2の集合Rはビルによって異な
る。また集合Rが異なれば、カテゴリーC1,C2,C
3も異なる。また同じビルで利用方法が異なれば集合R
は異なる。その場合、図3に示すように集合Rが変化す
れば、それを分割するカテゴリーC1,C2,C3も変
更する必要がある。しかしながら、カテゴリーC1,C
2,C3を設定するには、交通量データを記述する各デ
ータ毎にその範囲をビルや利用状況に応じて設定する必
要があり実用上は難しい。しかし、ビル毎に特徴点とそ
の近傍のデータを集めることは簡単である。このような
条件の下でカテゴリー分類を行う場合、ニューラルネッ
トワークが有効である。つまり、特徴点とその近傍のデ
ータを教師データとして学習させることにより、教師デ
ータに似た交通量データを教師データと同じカテゴリー
であると出力するニューラルネットワークをつくること
は容易である。また、ビルの利用状況が異なった場合に
も、特徴点とその近傍のデータをビルの利用状況が変化
した後に集めてニューラルネットワークを再び学習させ
ることにより対応可能である。
【0048】 図4は上記交通状態判別装置をより具体的
に示したブロック図であり、図1の 相当部分には図1と
同一符号を付してその説明を省略する。図において、1
21は交通状態カテゴリー判別部12にて用いられるニ
ューラルネットワークであり、122は交通状態カテゴ
リー判別部12内にあって、このニューラルネットワー
ク121の出力値から交通状態カテゴリーを検出するカ
テゴリー検出部である。また、14はこのカテゴリー検
出部122の出力値よりニューラルネットワーク121
の評価を行うニューラルネットワーク評価部であり、1
5はこのニューラルネットワーク評価部14からの評価
値を向上させるように、ニューラルネットワーク121
に交通量データと交通状態カテゴリーとの関係を学習さ
せるニューラルネットワーク学習部である。
【0049】 次に動作について説明する。ここで、交通
状態カテゴリー判別部12に設けられたニューラルネッ
トワーク121は図5に示すように、相互に接続された
入力層ニューロン、中間層ニューロン、および出力層ニ
ューロンによって構成されており、各入力層ニューロン
には交通量データA(t)の各要素がそれぞれ入力され
る。この入力層ニューロンと交通量データA(t)の各
要素の対応は、例えば次の表1に示すものとなる。
【0050】
【表1】
【0051】また、ニューラルネットワーク121の出
力層ニューロンは次の表2に示すように各交通状態カテ
ゴリーに対応している。
【0052】
【表2】
【0053】このようにニューラルネットワーク121
を構成した場合、ある交通量データA(t)が入力され
た時に、その交通量データが属しているとニューラルネ
ットワーク121が判断した交通量カテゴリーに対応す
る出力層ニューロンだけが発火し、そのほかのニューロ
ンは発火しない。
【0054】 ニューラルネットワーク121の各ニュー
ロンの出力は、前の層のニューロンの出力の加重和をシ
グモイド関数に代入して計算する。一般にシグモイド関
数の値は(0,1)に規格化されている。よってニュー
ロンの発火状態とはその出力の値が1.0に近い状態を
いい、発火していない状態とはその出力の値が0.0に
近い状態をいう。実際には(0,1)の区間の任意の実
数値をニューラルネットワーク121は出力する。その
ため、ニューラルネットワーク121から次の表3に示
すような出力が得られる場合がある。
【0055】
【表3】
【0056】ここで、O1,O2,・・・・はそれぞれ
出力層第1ニューロンの出力、出力層第2ニューロンの
出力、・・・・である。この場合、ニューラルネットワ
ーク121の出力としてどの交通状態カテゴリーを選ん
だのか判断しにくい。そこでカテゴリー検出部122を
設けていずれか1つのカテゴリーに絞り込む必要があ
る。
【0057】 図6はそのカテゴリー検出部122の構成
を示すブロック図である。図において、1221は交通
状態カテゴリーを検出するためのカテゴリー検出フィル
ターであり、1222はこのカテゴリー検出フィルター
1221に接続され、所定の条件に従ってニューラルネ
ットワーク121の出力値から唯一の交通状態カテゴリ
ーを検出するための第1カテゴリー検出補助部、122
3は同じくカテゴリー検出フィルター1221に接続さ
れ、以前に検出された交通状態カテゴリーを考慮してニ
ューラルネットワーク121の出力値から交通状態カテ
ゴリーを検出するための第2カテゴリー検出補助部であ
る。なお、他の部分には図4の対応部分と同一符号を付
してその説明を省略する。
【0058】 次に動作について説明する。ここで、上記
カテゴリー検出フィルター1221としては、例えば閾
値フィルターを設けて閾値以上の出力をした出力層ニュ
ーロンに対応するカテゴリーを選ぶものがある。この場
合閾値をth1とすると、カテゴリー検出フィルター1
221の処理内容の表現型としては例えば次の(3)式
に示すようなルールが考えられる。
【0059】
【数1】
【0060】ここで、上記(3)式における、Oiは出
力層第iニューロンの出力値、Ciは交通状態カテゴリ
ーi,Nは出力層の数、つまり交通状態カテゴリーの数
である。また、Tokutei_funouは2つ以上
閾値を越える出力があったこと、つまり特定不能である
ことを示しており、Hanbetsu_funouは閾
値を越える出力がなかったこと、つまり判別不能である
ことを示している。これを図2にて説明すると、特定不
能は2つ以上のカテゴリーが重なっている領域であり、
判別不能は集合Rでかつ、どのカテゴリーにも属してい
ない領域であると考えられる。
【0061】 また、カテゴリー検出フィルター1221
としては、最大値をとる出力層ニューロンに対応するカ
テゴリーを選ぶものとしてもよい。そのときのカテゴリ
ー検出フィルター1221の処理内容の表現型として
は、例えば次の(4)に示すようなルールが考えられ
る。
【0062】
【数2】
【0063】また、この場合にも閾値を2つ設け、閾値
th_upperを越えるものが2つあれば特定不能、
カテゴリー選択下限の閾値th_lowerを越えるも
のが1つもない場合には判別不能であると判断すること
ができる。この時のカテゴリー検出フィルター1221
の処理内容の表現型としては、例えば次の(5)式に示
すようなルールが考えられる。
【0064】
【数3】
【0065】ここで、特定不能、判別不能が検出された
場合には交通状態カテゴリーを決めることができないた
め、運転パターンの選択が行えない。そこで、この実施
例2では、カテゴリー検出フィルター1221において
特定不能や判別不能がでた場合においても唯一のカテゴ
リーを出力する機能を持つ第1カテゴリー検出補助部1
222を設けている。この第1カテゴリー検出補助部1
222の処理内容の表現型としては例えば次の3つのル
ールが考えられる。
【0066】 第1のルールは、特定不能、判別不能がで
た場合には平常時カテゴリーを選ぶ方法である。平常時
は特別な群管理運転を行う必要がない交通状態である。
つまり、入力した交通量に明らかな特徴がみられないた
めに、特定不能や判別不能が起こると考えると、特別な
群管理運転を行わない平常時交通状態カテゴリーを特定
不能や判別不能の時に選ぶことができる。
【0067】 第2のルールは、一つ前に選択した交通状
態カテゴリーを選ぶ方法である。
【0068】 第3のルールは、各時間毎にデフォルトの
交通状態カテゴリーを設定しておいて、特定不能または
判別不能の場合にはそのデフォルトの交通状態カテゴリ
ーを選ぶ方法である。例えば、各デフォルトの交通状態
カテゴリーを午前7時から8時は早朝、午前8時から9
時は出勤時、午前9時以降は平常時と設定しておくこと
ができる。
【0069】 このように第1カテゴリー検出補助部12
22の作用によって唯一の交通状態カテゴリーを決定す
ることができるが、時間的な条件はほとんど考慮されて
いないため、交通状態カテゴリーが頻繁に変更される、
いわゆるハンチング現象が起こる可能性がある。そこ
で、この実施例2では、さらに第2カテゴリー検出補助
部1223を設けることにより、過去の交通状態カテゴ
リーの選択状況を考慮して、ハンチングの発生を防止す
るように交通状態カテゴリーを決定している。なお、こ
の第2カテゴリー検出補助部1223の処理内容の表現
型としては、例えば次のような2つのルールが考えられ
る。
【0070】 第1のルールとしては、カテゴリー検出フ
ィルター1221または第1カテゴリー検出補助部12
22において、過去数回連続して同じ交通状態カテゴリ
ーが選択された場合に、第2カテゴリー検出補助部12
23の出力を変更するルールである。時刻tにおけるカ
テゴリー検出フィルター1221または第1カテゴリー
検出補助部1222の出力をC(t)、第2カテゴリー
検出補助部1223の出力をC_hojo2(t)とす
ると、第2カテゴリー検出補助部1223の処理内容の
表現型は次の(6)式に示すようなものが考えられる。
【0071】 if C(t) = C(t-1) = C(t-2) = C(t-3) then C_hojo2(t) = C(t) else C_hojo2(t) = C_hojo2(t-1) ・・・・・・ (6)
【0072】 また、第2のルールとしては、時刻毎に優
先度の高いカテゴリーを決め、優先度の高いカテゴリー
は過去に連続してカテゴリー検出フィルター1221ま
たは第1カテゴリー検出補助部1222で選択された回
数が少なくても、第2カテゴリー検出補助部1223の
出力を変更する方法であり、その処理内容の表現型は次
の(7)式に示すようなものが考えられる。
【0073】
【数4】
【0074】ここで、上記(7)式におけるt_i_s
tart,t_i_endは、交通流カテゴリーiを優
先する時間帯の開始時刻と終了時刻である。
【0075】実施例2. なお、上記実施例2では、カテゴリー検出部122内に
第1カテゴリー検出補助部1222と第2カテゴリー検
出補助部1223とを設けたものについて説明したが、
それらの機能を統合したカテゴリー検出補正部1224
を設けるようにしてもよい。図7はこの発明の実施例3
による、そのようなカテゴリー検出部122の構成を示
すブロック図である。カテゴリー検出補正部1224は
第1カテゴリー検出補助部1222と第2カテゴリー検
出補助部1223の機能を統合化したものであり、ハン
チング現象の発生を防ぐとともに、特定不能、判別不能
に対して適切な交通状態カテゴリーを選ぶものである。
従って、その処理内容は複雑になるものの、時間的なカ
テゴリーの変化を考慮した特定不能、判別不能の処理が
可能となる。なお、この処理内容の表現型としては、例
えば次の(8)式のようなものが考えられる。
【0076】
【数5】
【0077】実施例3.ここで、実施例2において説明
したように、第1カテゴリー検出補助部1222やカテ
ゴリー検出補正部1224を設けることによって特定不
能、判別不能をなくすことはできるが、本来ニューラル
ネットワーク121が判別不能、特定不能を出力しない
方が望ましい。そこで、ニューラルネットワーク評価部
14を設けてニューラルネットワーク121の評価を行
っている。なお、評価値としては、評価の対象とする全
データ中での判別不能、特定不能が発生する割合、すな
わち、第1カテゴリー検出補助部1222もしくはカテ
ゴリー検出補正部1224を用いなければ交通状態カテ
ゴリーを唯一に決定できない交通データの発生率とす
る。
【0078】 特定不能、判別不能が多く発生する場合に
は、集合R上に2つ以上の交通状態カテゴリーが重なっ
ている領域や、どの交通状態カテゴリーにも属していな
い領域が存在するなど、実際のビルにおいて観測される
交通量空間を、あらかじめ用意した交通状態カテゴリー
に適切に分割できていないと考えられる。そこで、図8
に示すように、ニューラルネットワーク121の学習を
行い、集合Rを用意したカテゴリーに適切に分割するこ
とが必要である。
【0079】 図9はこの発明のさらに他の実施例による
交通状態判別装置を示すブロック図であり、相当部分に
は図4と同一符号を付してその説明を省略する。図にお
いて、151は学習のプロセスを管理し、ニューラルネ
ットワーク学習部15内の各モジュール間のデータのや
りとりを管理するニューラルネットワーク学習管理部で
ある。152は過去に測定された交通量データを蓄えて
いる交通量データベースであり、例えば1週間分のデー
タを蓄えている。153は交通量データベース152に
蓄えられているデータを使って、ニューラルネットワー
ク121を学習するための教師データセットを作成する
交通状態カテゴリー教師データ自動生成部である。15
4は交通状態カテゴリー教師データ自動生成部153の
教師データ生成方法を自動的に調整する教師データ自動
生成部自己調整部である。155はニューラルネットワ
ーク121の学習に用いた教師データを蓄えておくニュ
ーラルネットワーク保存部である。ニューラルネットワ
ーク学習部15はこれらのモジュールによって構成され
ている。
【0080】 次に動作について説明する。ニューラルネ
ットワーク学習管理部151は学習のプロセス、および
各モジュール間のデータのやりとりを管理し、交通量デ
ータベース152には、ニューラルネットワーク121
の学習や、ニューラルネットワーク121の評価に用い
られる、過去に測定された交通量データが、例えば1週
間分蓄えられている。交通状態カテゴリー教師データ自
動生成部153はこの交通量データベース152に蓄え
られているデータを使って、ニューラルネットワーク1
21を学習するための教師データセットを自動的に作成
する。この教師データセットは図2に示した特徴点とそ
の付近の交通量データA(t)とそれに対する望ましい
出力層のニューロンの出力である。例えば、カテゴリー
Ciに対する教師データセットは次の(9)式に示すよ
うな形になる。
【0081】
【数6】
【0082】また、これらのデータは、交通状態カテゴ
リー教師データ自動生成部153のルールに基づいて、
交通量データベース152から抽出される。このルール
は、群管理装置4で用意されている運転パターンに基づ
いて決定される。例えば、早朝時、出勤時カテゴリーの
場合には次のようになる。
【0083】 早朝時:出勤時カテゴリー用教師データ抽
出時刻より1時間前から30分間のデータ出勤時:月曜
日の午前中でもっとも主階床から上方向への乗客が多か
った時刻の前30分間
【0084】 このようなルールをすべての交通状態カテ
ゴリーに対して作っておく。ここで作られた教師データ
はニューラルネットワーク121に送られて学習が行わ
れる。その後、交通量データベース152の交通量デー
タをニューラルネットワーク121に送り、そのデータ
のカテゴリー判別結果をニューラルネットワーク評価部
14で評価する。
【0085】 また、教師データ自動生成部自己調整部1
54は交通状態カテゴリー教師データ自動生成部153
の教師データ抽出ルールを変更して、ニューラルネット
ワーク評価部14での評価値の向上をはかる。また、学
習の結果、学習前に使用していたニューラルネットワー
ク121よりも評価値の悪いニューラルネットワーク1
21が作成された場合には、ニューラルネットワーク保
存部155に蓄えられている教師データを使ってニュー
ラルネットワーク121の学習を行い、前述の学習前に
使用していたものと同じニューラルネットワーク121
を再作成させる。ここで、ニューラルネットワーク保存
部155には学習前に使用していたニューラルネットワ
ークを作成した時に使った教師データが保存されてい
る。ここで、ニューラルネットワーク保存部155への
保存方法は、ニューラルネットワーク121の重み行列
などの設定パラメータを保存する方法が一般的である
が、保存に必要なデータの格納領域が大きくなる。しか
しながら、この実施例4のように教師データを保存する
方法では、再度学習する手間は必要であるが、保存デー
タの格納領域が少なくてすむという利点がある。従っ
て、マイクロコンピュータなどのようにメモリに余裕が
ない場合には特に有効である。
【0086】 以上のニューラルネットワーク学習部15
の各モジュールを使った学習の過程は図10のように整
理できる。すなわち、学習過程が開始されると、交通状
態カテゴリー教師データ自動生成部153において交通
量データベース152のデータを使って教師データセッ
トが作成される(ステップST1)。この教師データセ
ットを使ってニューラルネットワーク121の学習が行
われる(ステップST2)。学習が終わると、交通量デ
ータベース152のデータを使い、前記ステップST2
で学習を終えたニューラルネットワーク121をニュー
ラルネットワーク評価部14において評価し、得られた
評価値より、学習を続けるかどうかを判断する(ステッ
プST4)。その結果、学習を続ける場合には教師デー
タ自動生成部自己調整部154を使って交通状態カテゴ
リー教師データ自動生成部153のルールをチューニン
グし(ステップST5)、その後ステップST1に戻
る。一方、ステップST4において学習の終了を判断す
ると、学習前のニューラルネットワークの評価値(学習
前に求めておく)と、今回得られたニューラルネットワ
ークの評価値を比較し(ステップST6)、新しく得ら
れた評価値の方が良ければそのまま学習を終了する。一
方、ステップST6の比較で、新しく得られた評価値の
方が悪かった場合には、以前のニューラルネットワーク
を再生させるために、ニューラルネットワーク保存部1
55にバックアップされている教師データセットを使っ
て、ニューラルネットワーク121を学習させ(ステッ
プST7)、学習過程を終了する。
【0087】実施例4. 図11はこの発明のさらに他の実施例による交通状態判
別装置を示すブロック図である。図において、16は交
通量検出部11において検出加工された交通量データよ
り、将来の交通量データを予測する交通量予測部であ
る。なお、他の部分には図4の相当部分と同一符号を付
してその説明を省略する。このような交通量予測部16
を交通量検出部11と交通状態カテゴリー判別部12の
間に備えることにより、交通状態カテゴリー判別部12
への入力が予測される将来の交通量データとなるので、
当該交通状態カテゴリー判別部12では将来の交通状態
カテゴリーが予測されて出力されることになる。
【0088】実施例5. なお、上記各実施例では、1つだけ用意した交通状態カ
テゴリー判別部12によって、1日のすべての時間帯を
カバーする場合について説明したが、1日をいくつかの
時間帯に分けて、それぞれの時間帯毎に交通状態カテゴ
リー判別部を用意するようにしてもよい。図12はその
ようなこの発明のさらに他の実施例による交通状態判別
装置を示すブロック図であり、図において、121 〜1
2n は1日をn個に分割した場合の各時間帯毎に用意さ
れた交通状態カテゴリー判別部である。なお、その他の
部分には図4の対応する部分と同一符号を付してその説
明を省略する。
【0089】 このように時間帯を分けて、それぞれの時
間帯毎に専用の交通状態カテゴリー判別部121 〜12
n を設けることにより、1つの交通状態カテゴリー判別
部が担当するカテゴリー分割が単純になって、ニューラ
ルネットワーク121の学習が簡単になる。図中の交通
状態カテゴリー判別部121 〜12n のうちの1つだけ
が、図13に示すようなタイムスケジュールに従って交
通状態カテゴリーの判別を実行し、その他の交通状態カ
テゴリー判別部はニューラルネットワーク121の学習
を行うか、動作を休止している。
【0090】実施例6. また、上記実施例6では、1日をいくつかの時間帯に分
けて、それぞれの時間帯毎に交通状態カテゴリー判別部
121 〜12n を用意する場合について説明したが、図
14に示すように、交通状態カテゴリー判別部12は各
時間帯に対して共通とし、その内部にそれぞれの時間帯
毎に用意されたニューラルネットワーク1211 〜12
n を設けるようにしてもよく、上記実施例6と同様の
効果を奏する。
【0091】実施例7. 次に、この発明の実施例8を図について説明する。ここ
で、ニューラルネットワーク121をマイクロコンピュ
ータのようなデジタル計算機で実現する場合には、通常
浮動小数点演算が必要となる。これは、ニューラルネッ
トワーク121のニューロンの活性化関数としてシグモ
イド関数が使われているためである。なお、各ニューロ
ンの計算式は次の(10)式のようになる。
【0092】 net(P,i) =ΣW(P, i, j)O(P-1, i, j) + threshold(P,i) O(P, i) = sigmoid[net(P,i)] ・・・・・・ (10)
【0093】 ここで、上記(10)式における、O
(P,i)はP層i番目のニューロンを示しており、W
(P,i,j)はP層i番目のニューロンとP−1層j
番目のニューロンとの間のシナプス結合重み、net
(P,i)はニューロンへの入力の加重和、thres
hold(P,i)はP層i番目のニューロンの閾値で
あり、sigmoid()はシグモイド関数である。な
お、シグモイド関数は一般に次の(11)式で示すよう
な関数である。
【0094】 sigmod(x) = 1 / ( 1 + exp( x / Te )) ・・・・・・ (11)
【0095】 なお、上記Teは温度係数と呼ばれる定数
である。ここで、(11)式には自然対数の底の累乗の
計算、すなわちexpの計算が含まれるため、浮動小数
点演算が不可欠である。しかしながら、マイクロコンピ
ュータなどでは浮動小数点演算を用意していない場合が
あり、そのようなマイクロコンピュータ用に浮動小数点
演算ルーチンをつくっても演算時間が非常に長いものと
なってしまう。そこで、精度を問題のない範囲で落とし
て、整数演算でシグモイド関数の近似解が求まれば、演
算時間の短縮がはかれる。
【0096】 図15はそのような場合に有効な、この発
明のさらに他の実施例による交通状態判別装置における
ニューラルネットワーク121の構成を示すブロック図
である。図において、1210は当該ニューラルネット
ワーク121の計算を整数演算のみで行う整数演算型ニ
ューラルネットワーク演算部である。また、1211は
シグモイド関数以外のニューラルネットワークの演算を
行うニューラルネットワーク演算部であり、1212は
シグモイド関数を級数展開してその近似値を整数演算に
よって求めるシグモイド関数演算部、1213は学習の
進み具合に応じて学習パラメータを自動的に調整する学
習パラメータ自動調整部である。前記整数演算型ニュー
ラルネットワーク演算部1210は、これらニューラル
ネットワーク演算部1211、シグモイド関数演算部1
212、および学習パラメータ自動調整部1213にて
構成されている。
【0097】 次に動作について説明する。ニューラルネ
ットワーク演算部1211はシグモイド関数以外のニュ
ーラルネットワークの演算を行い、シグモイド関数演算
部1212はシグモイド関数の近似値の演算を行う。た
だしシグモイド関数の近似解を求めても、シグモイド関
数の出力の値が(0,1)に規格化されているため、整
数演算で対処できない。そこで、整数化したニューラル
ネットワークの中ではすべての値にゲインをかける必要
がある。例えば、小数点以下の有効桁数を3桁保証した
いならば1000倍すればよい。このとき、変数同士の
四則演算は次に示す(12)式〜(15)式のように規
定される。
【0098】 a*b : A*B/1000 ・・・・・・ (12) a/b : A*1000/B ・・・・・・ (13) a+b : A+B ・・・・・・ (14) a-b : A-B ・・・・・・ (15)
【0099】 ここで、上記a,bは本来の値であり、
A,Bはゲイン1000を掛けた整数化したニューラル
ネットワーク内での変数の値である。その場合、シグモ
イド関数の代わりに整数型シグモイド関数int_si
gmoid()を用いるが、本来のシグモイド関数との
関係は次の式(16)に示すようになる。
【0100】
【数7】
【0101】なお、ニューラルネットワーク121では
シグモイド関数の1次導関数が必要であるが、整数型シ
グモイド関数の導関数は次の(17)式のようになる。
【0102】
【数8】
【0103】また、int_sigmoid(x)にお
いてexpの演算を近似する必要がある。この実施例8
では、それを級数展開して線形化近似することによって
行っている。前記(16)式の分母のexpの項を級数
展開すると次の(18)式となる。
【0104】
【数9】
【0105】この場合、xの絶対値が大きい場合には、
(18)式が発散するため、リミッターを設けることが
必要である。なお、この方法の特徴は、簡単な四則演算
だけでニューラルネットワークが実現できるため、メモ
リの容量が少なくてすむという利点がある。
【0106】 ここで、ニューラルネットワークの学習と
は、シナプス結合重みW(P,i,j)を変更すること
である。この変更はバックプロパゲーションアルゴリズ
ムに従って変更される。この手法は、出力層ニューロン
の出力と教師データとの差を小さくするように最急降下
法を用いてアルゴリズムをつくっている。このアルゴリ
ズムに従った場合には、シナプス結合重みW(P,i,
j)の変更量は次に示す(19)式のようになる。
【0107】 ΔW(P,i,j) = ηδ(P,i) O(P-1, j) + αΔW(P,i,j)_last ・・・・・・ (19)
【0108】 なお、上記(19)式にて、ηは学習係
数、αは慣性係数と呼ばれる学習パラメータであり、Δ
W(P,i,j)は今回の重みの変更量、ΔW(P,
i,j)_lastは前回の重みの変更量である。ま
た、δ(P,i)は次の(20)式で表される。
【0109】 出力層 δ(N,i) = {S_i - O(N,i)}f'(net(N,i)) その他 δ(P,j) = Σ{ δ(P+1,i)W(P+1,i,j)}f'(net(P,j)) ・・・・・・ (20)
【0110】 ここで、上記f’()はシグモイド関数の
1次導関数であり、S_iは教師データである。
【0111】 このように、最急降下法に従って上記アル
ゴリズムがつくられているため、上述の式を繰り返し適
用して学習がある程度進んでゆくと、δ(P,i)が小
さくなってくる。ここでは、すべての変数が整数型のた
め、δ(P,i)が小さくなりすぎると学習が止まって
しまう。そこで、学習係数ηや慣性係数αといった学習
パラメータを大きくしておくことが考えられるが、はじ
めから大きな値を与えては学習が収束しなくなってしま
う。図15に示した学習パラメータ自動調整部1213
は、学習の進み具合に応じて学習パラメータを自動的に
調整する。この学習パラメータ自動調整部1213によ
るチューニングルールとしては、次の(21)式で示す
ようなものが考えられる。
【0112】 if 出力誤差が小さい then η、α 増加 if 出力誤差の減少量が小さい then η、α 増加 if δ(P,i) の平均値が小さい then η、α 増加 if 出力誤差が増加した then η、α 減少 if δ(P,i) の最大値が非常に大きい then η、α 減少 ・・・・・・ (21)
【0113】実施例8. なお、上記実施例8では、int_sigmoid
(x)のexpの項を級数展開して線形化近似する場合
について説明したが、あらかじめシグモイド関数を他の
計算機などで計算しておき、その値をデータベース化す
る方法を用いてもよい。図16はそのようなこの発明の
さらに他の実施例による交通状態判別装置におけるシグ
モイド関数演算部を示すブロック図である。図におい
て、12121はあらかじめ計算されたシグモイド関数
の入出力の関係を示すデータが格納されたシグモイド関
数データベースであり、12122はシグモイド関数デ
ータベース12121を検索して、実数演算を行うこと
なくシグモイド関数の近似値を求める検索部である。
【0114】 このように構成されたシグモイド関数演算
部1212は、ニューラルネットワーク演算部1211
よりシグモイド関数の引数が入力されると、検索部12
122がその入力されたシグモイド関数の引数によって
シグモイド関数データベース12121を検索して、そ
の引数に対応したシグモイド関数の近似値をシグモイド
関数データベース12121より読み出し、ニューラル
ネットワーク演算部1211へその値を返送する。この
ようなシグモイド関数データベース12121を用いた
方法では、メモリ容量は大きくなるが、演算速度が速く
なるという利点がある。
【0115】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、交通量
検出部で検出加工された交通量データを、あらかじめ与
えられた運転パターンに対応する交通状態カテゴリーに
対する適合度を出力するニューラルネットワークと該ニ
ューラルネットワークの出力値から前記交通状態カテゴ
リーを唯一に決定する交通状態カテゴリー検出部から構
成される交通状態カテゴリー判別部に入力し、その交通
状態カテゴリー判別部で判別された当該交通量データが
属する交通状態カテゴリーに基づいて、運転パターン選
択部が運転パターンを選択するように構成したので、交
通状況に合わせて交通状態カテゴリーの分類が行えるよ
うになり、あらかじめ用意した交通システムの制御ルー
ルを交通状況に応じて選択することが可能となって、あ
らかじめ用意された運転パターンの選択解消を安定して
行うことができる交通状態判別装置が得られる効果があ
る。
【0116】 また、交通状態カテゴリー判別部に学習機
能を持ったニューラルネットワークを利用するように構
成したので、例えばビルの利用状況などの交通システム
の環境変化への対応が容易な交通状態判別装置が得られ
る効果がある。
【0117】 また、ニューラルネットワークの出力段に
交通状態カテゴリー判別部を接続して、ニューラルネッ
トワークの出力値より交通状態カテゴリーを検出するよ
うに構成したので、各カテゴリーに対する確率論的出力
として得られるニューラルネットワークの出力値より、
運転パターン選択部で運転パターンを選択するために必
要な交通状態カテゴリーを選択することが可能な交通状
態判別装置が得られる効果がある。
【0118】 また、請求項に記載の発明によれば、カ
テゴリー検出部に31交通状態カテゴリー検出補助部を
設け、あらかじめ定められた条件に従って唯一の交通状
態カテゴリーを検出するように構成したので、複数のカ
テゴリーが選択条件を満たしている特定不能の状態であ
ったり、どのカテゴリーも選択条件を満たしていない判
別不能の状態にあって、ニューラルネットワークの出力
値からだけでは交通状態カテゴリー判別部が交通状態カ
テゴリーを唯一に決定することができない場合において
も、あらかじめ定められた条件に従って交通状態カテゴ
リーを唯一に決定することが可能になる効果がある。
【0119】 また、請求項に記載の発明によれば、カ
テゴリー検出部に第2交通状態カテゴリー検出補助部を
設け、前回以前に検出された交通状態カテゴリーを考慮
して、唯一の交通状態カテゴリーを検出するように構成
したので、交通量検出部から交通状態カテゴリー判別部
に所定のサンプル時間間隔でデータが入力される度に行
われる交通状態カテゴリーの判定が、以前の時刻の交通
状態カテゴリーとは関係なく行われて、判定結果が不安
定になることによって起こる、いわゆるハンチング現象
の発生を防止することができる効果がある。
【0120】 また、請求項に記載の発明によれば、カ
テゴリー検出部に第1交通状態カテゴリー検出補助部と
第2交通状態カテゴリー検出補助部の機能を統合化した
機能を有するカテゴリー検出補正部を設けるように構成
したので、ハンチング現象の発生を防止しつつ、ニュー
ラルネットワークの出力からだけでは交通状態カテゴリ
ー判別部が交通状態カテゴリーを唯一に決定することが
できない場合でも、あらかじめ定められた条件に従って
交通状態カテゴリーを唯一に決定することが可能になる
効果がある。
【0121】 また、請求項に記載の発明によれば、ニ
ューラルネットワーク評価部を設けて、第1交通状態カ
テゴリー検出補助部もしくはカテゴリー検出補正部を使
わなければ、交通状態カテゴリーを唯一に決定すること
ができない交通量データの発生率より、ニューラルネッ
トワークの評価を行うように構成したので、その評価値
に基づいてニューラルネットワークの学習を行うかどう
かを決定することが可能な交通状態判別装置が得られる
効果がある。
【0122】 また、請求項に記載の発明によれば、ニ
ューラルネットワーク学習部を設けて、ニューラルネッ
トワーク評価部での評価値を向上させるように交通量デ
ータと交通状態カテゴリーとの関係を学習するように構
成したので、交通特性に適合したニューラルネットワー
クの作成が容易な交通状態判別装置が得られる効果があ
る。
【0123】 また、請求項に記載の発明によれば、交
通状態カテゴリー教師データ自動生成部を設けて、ニュ
ーラルネットワークの学習に用いる教師データセットを
自動的に作成するように構成したので、ニューラルネッ
トワークの学習を自動的に行うことが可能となる効果が
ある。
【0124】 また、請求項に記載の発明によれば、教
師データ自動生成部自己調整部を設けて、交通状態カテ
ゴリー教師データ自動生成部における教師データ生成方
法を自動調整するように構成したので、学習を繰り返す
過程において、教師データ自動生成部がもつ教師データ
自動生成ルールのチューニングを行うことが可能となる
効果がある。
【0125】 また、請求項に記載の発明によれば、ニ
ューラルネットワーク保存部を設け、そこにニューラル
ネットワークの学習を行ったときに使用した教師データ
セットを蓄えておくように構成したので、ニューラルネ
ットワークの重み係数などのパラメータを直接蓄えるよ
りも、小さな記憶容量でニューラルネットワークの保存
が可能となる効果がある。
【0126】 また、請求項10に記載の発明によれば、
ニューラルネットワークの学習に際して、新たな教師デ
ータで学習したニューラルネットワークの評価値が、そ
れまで使用していたニューラルネットワークよりも改善
されなかった場合に、ニューラルネットワーク保存部に
保存されている教師データを用いてそれまで使用してい
たニューラルネットワークを再作成するように構成した
ので、より小さな記憶容量のニューラルネットワーク保
存部を用いて、ニューラルネットワーク評価部による評
価値が以前より低いニューラルネットワークが作成され
ることを避けることが可能になる効果がある。
【0127】 また、請求項11に記載の発明によれば、
交通量データ予測部を設けて、交通量検出部の出力であ
る交通量データより将来交通量データを予測するように
構成したので、交通状態カテゴリー判別部にて将来の交
通状態カテゴリーの判別を行うことが可能となる効果が
ある。
【0128】 また、請求項12に記載の発明によれば、
交通状態カテゴリー判別部を複数用意し、それぞれを、
例えば午前、午後、夜間など、1日を複数の時間帯に分
割した各時間帯に割り当てて、割り当てられた専用の交
通状態カテゴリー判別部を用いて各時間帯の交通状態カ
テゴリーを判別するように構成したので、より正確に交
通状態を判別することが可能になる効果がある。
【0129】 また、請求項13に記載の発明によれば、
交通状態カテゴリー判別部内に複数のニューラルネット
ワークを用意して、それぞれを、1日を複数の時間帯に
分割した各時間帯に割り当て、割り当てられた専用のニ
ューラルネットワークを用いて各時間帯の交通状態カテ
ゴリーを判別するように構成したので、より正確に交通
状態を判別することが可能になる効果がある。
【0130】 また、請求項14に記載の発明によれば、
整数演算型ニューラルネットワーク演算部を設けて、整
数演算のみでニューラルネットワークの計算を行うよう
に構成したので、整数演算しか行えない計算機を利用し
た交通状態判別装置でも、通常浮動小数点演算が不可欠
なニューラルネットワークを利用することが可能となる
効果がある。
【0131】 また、請求項15に記載の発明によれば、
シグモイド関数演算部を設け、ニューラルネットワーク
の演算のうちの自然対数の底の累乗の計算が必要なシグ
モイド関数を、級数展開による近似を使って整数演算す
るように構成したので、簡単な整数演算だけでニューラ
ルネットワークを作成することが可能となり、メモリ容
量が少なくてすむ効果がある。
【0132】 また、請求項16に記載の発明によれば、
学習パラメータ自動調整部を設けて学習用のパラメータ
を学習中に自動的に変更するように構成したので、整数
演算型ニューラルネットワークの学習能力を向上させる
とともに、その学習速度を高速化することが可能になる
効果がある。
【0133】 また、請求項17に記載の発明によれば、
シグモイド関数演算部に、ニューラルネットワークの演
算のうちの必要なシグモイド関数の入出力関係をあらか
じめ計算しておき、その計算結果のデータに基づいてシ
グモイド関数の近似値を求めるように構成したので、シ
グモイド関数の近似値を実数演算を行うことなく求める
ことが可能となり、演算時間を短縮することができる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1による交通状態判別装置
の構成を示すブロック図である。
【図2】 交通状態カテゴリーについての基本的な機能
を説明した説明図である。
【図3】 ビルの利用状況の変化に合わせて交通状態カ
テゴリーを変化させる必要性について説明した説明図で
ある。
【図4】 この発明の交通状態判別装置の具体的構成を
示すブロック図である。
【図5】 上記実施例におけるニューラルネットワーク
を示すブロック図である。
【図6】 上記実施例におけるカテゴリー検出部の構成
を示すブロック図である。
【図7】 この発明の実施例による交通状態判別装置
におけるカテゴリー検出部の構成を示すブロック図であ
る。
【図8】 この発明の実施例による交通状態判別装置
の学習を説明した説明図である。
【図9】 上記実施例における交通状態判別装置の構成
を示すブロック図である。
【図10】 上記実施例における学習の過程を示すフロ
ーチャートである。
【図11】 この発明の実施例による交通状態判別装
置の構成を示すブロック図である。
【図12】 この発明の実施例による交通状態判別装
置の構成を示すブロック図である。
【図13】 上記実施例における各交通状態カテゴリー
判別部のタイムスケジュールを示すタイミング図であ
る。
【図14】 この発明の実施例による交通状態判別装
置における交通状態カテゴリー判別部の構成を示すブロ
ック図である。
【図15】 この発明の実施例による交通状態判別装
置におけるニューラルネットワークの構成を示すブロッ
ク図である。
【図16】 この発明の実施例による交通状態判別装
置における整数演算型ニューラルネットワーク演算部の
構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 交通状態判別装置、21 〜2n 1〜n号機制御装
置、3 ホール制御装置、4 群管理装置、11 交通
量検出部、12,121 〜12n 交通状態カテゴリー
判別部、13 運転パターン選択部、14ニューラルネ
ットワーク評価部、15 ニューラルネットワーク学習
部、16 交通量予測部、121,1211 〜121n
ニューラルネットワーク、122 カテゴリー検出
部、151ニューラルネットワーク学習管理部、152
交通量データベース、153交通状態カテゴリー教師
データ自動生成部、154 教師データ自動生成部自己
調整部、155 ニューラルネットワーク保存部、12
10 整数演算型ニューラルネットワーク演算部、12
11 ニューラルネットワーク演算部、1212シグモ
イド関数演算部、1213 学習パラメータ自動調整
部、1221 カテゴリー検出フィルター、1222
第1カテゴリー検出補助部、1223 第2カテゴリー
検出補助部、1224 カテゴリー検出補正部、121
21 シグモイド関数データベース、12122 検索
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−107381(JP,A) 特開 平6−171846(JP,A) 特開 平6−263346(JP,A) 特開 平7−309546(JP,A) 特開 平8−217343(JP,A) 特公 昭62−39480(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66B 1/00 - 3/02 G08G 1/00 - 1/16 G08G 9/00 - 9/02

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 利用者の交通量の検出、ならびに検出さ
    れた交通量の交通量データへの加工を行う交通量検出部
    と、前記交通量検出部で検出加工された交通量データか
    あらかじめ与えられた運転パターンに対応する交通状
    態カテゴリーに対する適合度を出力するニューラルネッ
    トワークと該ニューラルネットワークの出力値から前記
    交通状態カテゴリーを唯一に決定する交通状態カテゴリ
    ー検出部から構成される交通状態カテゴリー判別部と、
    前記交通状態カテゴリー判別部によって判別された交通
    状態カテゴリーに基づいて運転パターンの選択を行う運
    転パターン選択部とを備えた交通状態判別装置。
  2. 【請求項2】 前記カテゴリー検出部が、あらかじめ定
    められた条件に従って唯一の交通状態カテゴリーを検出
    するための第1カテゴリー検出補助部を備えていること
    を特徴とする請求項に記載の交通状態判別装置。
  3. 【請求項3】 前記カテゴリー検出部が、前回以前に検
    出された交通状態カテゴリーを考慮して、唯一の交通状
    態カテゴリーを検出するための第2カテゴリー検出補助
    部を備えていることを特徴とする請求項に記載の交通
    状態判別装置。
  4. 【請求項4】 前記カテゴリー検出部が、前回以前に検
    出された交通状態カテゴリーを考慮して、唯一の交通状
    態カテゴリーの検出を行うカテゴリー検出補正部を備え
    ていることを特徴とする請求項に記載の交通状態判別
    装置。
  5. 【請求項5】 前記第1カテゴリー検出補助部もしくは
    カテゴリー検出補正部を用いなければ唯一の交通状態カ
    テゴリーを検出することができないデータの割合に基づ
    いて前記ニューラルネットワークを評価し、当該ニュー
    ラルネットワークの学習を行うかどうかを決定する評価
    値を生成するニューラルネットワーク評価部を備えたこ
    とを特徴とする請求項またはのいずれかに記載の交
    通状態判別装置。
  6. 【請求項6】 前記ニューラルネットワークに交通量デ
    ータと交通状態カテゴリーの関係を、前記ニューラルネ
    ットワーク評価部の評価値を向上させるように学習させ
    て、それぞれの交通特性に適合したニューラルネットワ
    ークを作成するニューラルネットワーク学習部を備えた
    ことを特徴とする請求項に記載の交通状態判別装置。
  7. 【請求項7】 前記ニューラルネットワーク学習部が、
    前記ニューラルネットワークの学習に用いる教師データ
    を自動的に作成する交通状態カテゴリー教師データ自動
    生成部を備えていることを特徴とする請求項に記載の
    交通状態判別装置。
  8. 【請求項8】 前記ニューラルネットワーク学習部が、
    前記交通状態カテゴリー教師データ自動生成部における
    教師データの生成方法を自動的に調整する教師データ自
    動生成部自己調整部を備えていることを特徴とする請求
    に記載の交通状態判別装置。
  9. 【請求項9】 前記ニューラルネットワーク学習部が、
    前記ニューラルネットワークの学習に使った教師データ
    を蓄えておくニューラルネットワーク保存部を備えてい
    ることを特徴とする請求項に記載の交通状態判別装
    置。
  10. 【請求項10】 前記ニューラルネットワーク学習部
    が、新たな教師データで学習したニューラルネットワー
    クの評価値が、それまで使用していたニューラルネット
    ワークの評価値より改善されていなかった場合に、前記
    ニューラルネットワーク保存部にある教師データを用い
    てニューラルネットワークの再作成を行うものであるこ
    とを特徴とする請求項に記載の交通状態判別装置。
  11. 【請求項11】 前記交通量検出部で検出加工された交
    通量データから、将来の交通量データを予測する交通量
    予測部を備え、前記交通状態カテゴリー判別部が、前記
    交通量予測部の予測した交通量データから将来の交通状
    態カテゴリーを判別するものであることを特徴とする請
    求項1に記載の交通状態判別装置。
  12. 【請求項12】 1日を複数の時間帯に分け、それぞれ
    の時間帯毎に専用の前記交通状態カテゴリー判別部を備
    えたことを特徴とする請求項1に記載の交通状態判別装
    置。
  13. 【請求項13】 前記交通状態カテゴリー判別部が、1
    日を複数の時間帯に分けてそれぞれの時間帯毎に用意さ
    れたニューラルネットワークを用いて、交通状態カテゴ
    リーの判別を行うものであることを特徴とする請求項1
    に記載の交通状態判別装置。
  14. 【請求項14】 前記交通状態カテゴリー判別部のニュ
    ーラルネットワークが、整数演算のみでニューラルネッ
    トワークの計算を行う整数演算型ニューラルネットワー
    ク演算部を備えていることを特徴とする請求項に記載
    の交通状態判別装置。
  15. 【請求項15】 前記整数演算型ニューラルネットワー
    ク演算部が、シグモイド関数を級数展開して近似するこ
    とにより、整数演算で近似値を求めるシグモイド関数演
    算部と、前記シグモイド関数以外のニューラルネットワ
    ークの演算を行うニューラルネットワーク演算部を備え
    ていることを特徴とする請求項14に記載の交通状態判
    別装置。
  16. 【請求項16】 前記整数演算型ニューラルネットワー
    ク演算部が、学習中に学習用のパラメータを自動的に変
    更する学習パラメータ自動調整部を備えていることを特
    徴とする請求項14に記載の交通状態判別装置。
  17. 【請求項17】 前記整数演算型ニューラルネットワー
    ク演算部が、あらかじめ計算されたシグモイド関数の入
    出力の関係を示すデータを保持しており、そのデータよ
    り前記シグモイド関数の近似値を求めるシグモイド関数
    演算部と、前記シグモイド関数以外のニューラルネット
    ワークの演算を行うニューラルネットワーク演算部を備
    えていることを特徴とする請求項14に記載の交通状態
    判別装置。
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