JPH0742055B2 - エレベータの群管理制御方法 - Google Patents

エレベータの群管理制御方法

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JPH0742055B2
JPH0742055B2 JP2134902A JP13490290A JPH0742055B2 JP H0742055 B2 JPH0742055 B2 JP H0742055B2 JP 2134902 A JP2134902 A JP 2134902A JP 13490290 A JP13490290 A JP 13490290A JP H0742055 B2 JPH0742055 B2 JP H0742055B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、複数第のエレベータが並設されている場合
において、ニューラル・ネットを利用して乗場呼びを最
適なエレベータに割当てるのに有効なエレベータの群管
理制御方法の改良に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、群管理制御の主流をなすのは評価関数を使用した
割当てであったが、最近ではより高度な制御を行うた
め、ファジー理論を用いたエキスパートシステムによる
呼び割当て制御が提案されている。
これは種々の評価指標をファジー量としてとらえ、適切
な割当方法をIF−THEN形式で記述したルール群を用い
て、そのルール群に対する適合度から最適なかごを選択
し割当てる方法で、これによるとエキスパートの知識を
制御に組み込むことが容易となり、ビルの特徴に合わせ
たきめこまかな制御を実現することができる。
一方、ニューラル・ネット(ニューロコンピュータ)を
利用することにより、最適な割当てかごを決定する判断
システムを、実際の運転例により自動的に学習し生成す
ることのできる、従来とは全く異なる新しいエレベータ
の群管理制御装置が提案されており(例えば特開平1−
275381号「エレベータの群管理制御装置」)、これにつ
いて第4図〜第8図によりその概要を説明する。まずニ
ューラル・ネットについて簡単に説明する。
ニューラル・ネットとは、人間の脳を真似たネットワー
クで、脳のニューロン(神経細胞)に対応したユニット
が複数個,複雑に接続し合ったもので、各ユニットの動
作及びユニット間の接続形態をうまく決めることで、パ
ターン認識機能や知能処理機能を埋め込むことができ、
例えば、「日経エレクトロニクス」1987年8月10日号
(No.427)のP115〜P124などに紹介されている。
まずニューロンをモデル化したユニットの構造を第3図
に示す。ユニットUiは他のユニットからの入力Qjの総和
を一定の規則で変換し、Qiとするが、他のユニットとの
結合部にはそれぞれ可変の重みWijが付いている。この
重みは各ユニット間の結合の強さを表わすためのもの
で、この値を変えると接続を変えなくても実質的にネッ
トワークの構造が変わることになる。後述のネットワー
クの学習とはこの値を変えることであって、重みWij
正,ゼロ,負の値をとる。ゼロは結合のないことを表わ
す。
あるユニットが複数ユニットから入力を受けた場合、そ
の入力の総和をNETで表わすとすると、ユニットUiの入
力の総和は である。
各ユニットはこの入力の総和NETを関数fに適用し、次
式に示すように出力Qiに変換する。
Qi=f(NETi) =f(ΣWijQj) この関数fは各ユニットごとに違ってよいが、一般には
第5図(a)に示したしきい値関数又は第5図(b)に
示したsigmoid関数を使う。
このsigmoid関数は、微分可能な疑似線形関数で、 で表せる。値域は0〜1で、入力値が大きくなるにつれ
1に、小さくなるにつれ0に近づく。入力が0のときは
0.5となる。しきい値θ(バイアス)を加えて、 とする場合もある。
第6図は、ネットワークの構造の一例を示す図で、ユニ
ット間の結合部の重みは図示を省略している。
ニューラル・ネットは、ネットワークの構造からパター
ン連想型と自己連想型に分類されるが、ここではパター
ン連想型を用いて説明する。パターン連想型とは、入力
パターンをある出力パターンに変換するネットワーク
で、第6図のように各ユニットを入力層,中間層,出力
層に階層化している。各ユニットは入力層から出力層に
向けて接続されるが、各層内のユニット同士は接続しな
い。また、入力ユニットと出力ユニットは独立してい
る。
このようなニューラル・ネットにおいて、入力層の各ユ
ニットに入力データを与えるとこの信号は各ユニットで
変換され、中間層に伝わり、最後に出力層から出てくる
が、望ましい出力を得るためには各ユニット間の結合の
強弱すなわち重みを適正な値に設定する必要がある、こ
の重みの設定は、ネットワークを次のように学習させる
ことによって行う。
まず最初は、すべての重みをランダムに設定しておき、
入力層の各ユニットに学習用の入力データ(予め望まし
い出力の分かっているデータ)を与える。そしてこのと
き出力層の各ユニットから出てきた出力値と望ましい出
力値を比べ、その差(誤差)を減らすように各重みの値
を修正する。そしてこれを多数の学習データを用いて誤
差が収束するまで繰り返す。この誤差の値から各重みの
値を修正する学習アルゴリズムについては後述する。
こうして学習を終了すると、ニューラル・ネット内に知
識処理機能が自動的に埋め込まれたことになり、学習用
のデータだけでなく未知の入力データに対しても常に望
ましい出力が得られるようになる。
なお、このニューラル・ネットは各ユニットを増幅器や
抵抗を用いて構成しLSI化することも可能であるが、ソ
フトウェアで仮想的なニューラル・ネットを構成してす
べて演算で処理することもでき、マイクロコンピュータ
で実現することが可能である。
第7図は、このニューラル・ネットをエレベータの割当
て制御に利用した場合の全体の構成の一実施例を示す図
で、ここでは説明の便宜上、制御対象エレベータが1号
機と2号機の2台のみとするが、勿論何台の場合でも同
様に構成することができる。
第7図において、1は各階に設けられた乗場呼び釦(1
つの階床のみを図示し、他は省略している)、2は乗場
呼び信号、3Aは1号機の運行を管理する運行制御装置、
同様に3Bは2号機の運行を管理する運行制御装置、4は
各かごの状態(かご位置,方向,停止,走行,戸開閉状
態,かご呼び,荷重等)を表わすかご情報信号、5は群
管理装置として割当ての機能を果たすためのマイクロコ
ンピュータで、入出力インターフェイス6を介して読込
んだ乗場呼び信号2やかご情報信号4の各データ6aを基
に、ニューラル・ネットへの入力となる各入力パターン
要素7aを演算する入力パターン演算手段7と、ニューラ
ル・ネット8と、ニューラル・ネット8の出力8aからど
の号機が最適であるかを判定する割当て判定手段9とを
備え、その割当て結果を入出力インターフェイス6を介
し、割当て信号10として出力する。各運行制御装置3A及
3Bは、この割当て信号10によって割当てられた乗場呼び
と、自号機に登録されたかご呼びに順次応答するように
かごの運行を制御する。
第8図は、ニューラル・ネットへ入力される各入力パタ
ーン要素の一例を示す図で、a1〜d1はそれぞれ1号機の
状況を表わす入力パターン要素、a2〜d2はそれぞれ2号
機の状況を表わす入力パターン要素であり、a1(a2
は、新規乗場の発生した階と1(2)号機の現在階との
階床差、b1(b2)は1(2)号機が現在階と新規乗場呼
びの発生階との間に受け持っている呼びの数、c1(c2
は新規乗場呼びの発生階以遠に1(2)号機に割当てら
れている乗場呼びの数、d1(d2)は1(2)号機の現在
の乗車人数を表わしている。なお、これらの各入力パタ
ーン要素は、すべて第7図に示した入力パターン演算手
段によって演算される。第8図のニューラル・ネット8
は、図示を省略しているが、各入力パターン要素a1〜d1
及びa2〜d2のそれぞれに対応するユニットからなる入力
層と、適当な数のユニットからなる中間層(1層に限ら
ない)と、出力A1及びA2に対応するユニットからなる出
力層で構成される。ここでA1は1号機の割当適性を表わ
す出力信号、A2は2号機の割当適性を表わす出力信号
で、このA1とA2が第7図の割当て判定手段9に入力さ
れ、割当て信号10が出力される。
以上の構成において、実際に割当てを行うにはまずニュ
ーラル・ネットの特性を、各ユニット間の重みを設定す
ることによって決定する必要がある。この重みの設定
は、一般的な設定方法として知られているバックプロパ
ゲーションによる学習を利用する。この学習は次のよう
にして行う。
まず最初は、各ユニット間の重みは適当な値に無作為に
設定しておく。一方、実際の運転例等から学習用サンプ
ルを多数作成する。この学習用サンプルは、例えば新規
乗場呼びとその時の1号機及び2号機の状態を組合せを
一つ想定し、この状態では何号機に割当てるのが最適か
を専門家の判断により或いはシミュレーション等を用い
て判断し、もし1号機が最適であればそのときの各入力
パターン要素に対して1号機に対応する出力A1の出力目
標を1に、2号機に対応する出力A2の出力目標を0とし
て作成したものである。そしてまず最初の学習用サンプ
ルにより、1号機と2号機の状態から新規乗場呼び発生
時の各入力パターン要素a1〜d1及びa2〜d2を演算し、ニ
ューラル・ネットの入力層の各ユニットに入力する。こ
の入力データは入力層から出力層へ向けて順次処理さ
れ、各ユニットは第5図に示した入出力特性であるの
で、その結果出力A1及びA2は必ず0〜1の値となるが前
述のように最初は重みが無作為に認定されているので、
この出力A1及びA2の値は出力目標とは違った値となる。
そこでこの出力目標と実際の出力との差を誤差とし、こ
の誤差を用いて重みの修正を、出力層から入力層に向け
て行っていく。この重みの修正の計算は周知であるので
ここでは説明を省略する。
こうして各ユニット間の重みの修正を終了すると、次に
2番目の学習用サンプルにより、各入力パターン要素を
演算して入力し、そのときの出力目標と実際の出力との
誤差から再度各ユニット間の重みを修正する。こうして
多数の学習用サンプルを用いて上記と同様の手順を繰返
すと、上記誤差が十分小さくなり、やがて収束する。学
習を完了すると各重みはそれぞれ固有の値に収束してい
るので、それを固定化すると実際の運転に用いるニュー
ラル・ネットの各ユニット間の重みがそれぞれ設定され
たことになる。
以後はこれを実際の割当てに用いる。すなわち新規乗場
呼びが発生すると、その時点における1号機と2号機の
状況から各入力パターン要素a1〜d1及びa2〜d2が入力パ
ターン演算手段7で演算され、ニューラル・ネット8へ
入力される。ニューラル・ネット8では、各入力パター
ン要素が入力層から出力層へ向けて順次処理され、その
出力A1及びA2が割当て判定手段9に入力される。そして
割当て判定手段9はこの出力A1とA2を比較し、その値が
1に近い方の号機に割当信号10を出力するのであるが、
このときニューラル・ネット8の各重みは学習用サンプ
ルを用いて学習し、収束した値にそれぞれ設定されてい
るので、学習用サンプルの場合と同じ判断基準で割当て
が行われることになる。
このように、ニューラル・ネットを用いると、学習用の
サンプルを多数作成し学習を繰返すだけで、各種の交通
状況に対応して最適な割当てかごを決定する判断システ
ムを自動的に作成することができ、きわめて高度な割当
て制御を行うことが可能となる。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで上記のニューラル・ネットを利用した割当方式
は、すべての号機に関するデータを入力パターンとして
1つのニューラル・ネットに入力し、その出力パターン
から割当結果を得るようにすると共に、各号機の状態と
割当てとの関係には対称性があることに着目し、このた
め各ユニットの接続構成及び重みの設定を各号機に対し
て対称的となるようにし、学習の効率化を図っている。
例えば3台のエレベータの群管理において、ある状態の
ときに1号機への割当てが最適であるとすると、同様の
状態が1号機と2号機を入れ替えた場合、或いは1号機
と3号機を入れ替えた場合にも存在し、これを利用して
学習の効率UPを図ることができる。
このため、上記の割当方式で利用できるニューラル・ネ
ットとしては、多層のバックプロパゲーションタイプの
ものに限られ、他のタイプのニューラル・ネットに適用
することは困難であった。
また、上記の割当方式ではすべての号機に関するデータ
を同時に1つのニューラル・ネットに入力する構成であ
るため、群管理のエレベータの台数が増えるとそれに合
わせてユニットの数を増やす必要があり、ニューラル・
ネットの接続構成を標準化することが困難であるという
問題点もある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、
前述の対称性をニューラル・ネットの構造ではなく、ア
ルゴリズムによって考慮するようにし、汎用のニューラ
ル・ネットが利用できるようにしたものである。
すなわち、本発明はニューラル・ネットとして、複数台
のエレベータのうち任意の2台の号機を1組としてその
状況を表わす入力データベクトルを入力し、その2台の
うちどちらの号機の割当適性が高いかを出力として表わ
すことのできるニューラル・ネットを備えておき、新規
に乗場呼びが発生すると、複数台のエレベータのうち任
意の2台の号機を1組とするすべての組合せについてそ
れぞれ入力データベクトルを作成し、次にこの各入力デ
ータベクトルを前記ニューラル・ネットに順次入力し、
そして各入力データベクトルに対する出力を各号機毎に
得点として集計し、その結果、得点の最も大きな号機に
前記乗場呼びを割当てるようにしたことを特徴とするも
のである。
〔実施例」 以下、本発明の一実施例を第1図〜第3図により説明す
る。
本発明に用いるニューラル・ネットは、入力パターンを
ある出力パターンに変換するパターン連想型のネットで
あれば何でもよく、例えばバックプロパゲーションタイ
プの他によく知られているものとしては、LVQ−2(Lea
rning Vector Quantization−2),ART(Adaptive Reso
nance Theory),RBF(Radial Basis Function),BAM(B
idirectional Associative Memory),CPN(Counter Pro
pagation Network)などが挙げられるが、勿論これらに
限定されるわけではない。ここではLVQ−2のネットワ
ークを用いた場合について説明する。
まず本発明の全体構成であるが、これは前述の第7図と
同様である。すなわち第7図において、入力パターン演
算手段7は、ニューラル・ネットへの入力となる入力パ
ターン要素の各データを演算しそれを一度にニューラル
・ネットに入力するが、本発明では各号機の入力パター
ン要素の各データをそれぞれ各号機の状況データとし、
そのうち任意の2台の号機の状況データの組合せからな
る入力データベクトルをすべての号機の組合せについて
作成し、これを順次ニューラル・ネットに入力する。例
えば任意の号機の入力パターン要素からなる状況データ
ベクトルを前半ベクトル、任意の他の号機の入力パター
ン要素からなる状況ベクトルを後半ベクトルとして一組
の入力データベクトルとすると、エレベータがn台の場
合は、n×(n−1)通りの入力データベクトルが作成
されることになり、これらが順次ニューラル・ネットに
入力される。
また、第7図において、割当て判定手段9はニューラル
・ネット8の出力からどの号機が最適であるかを判定す
るが、本発明ではニューラル・ネットの出力を各号機毎
に集計し、その結果、得点の最も大きい号機を最適であ
ると判定する。その他は第7図の構成と全く同じであ
る。
次に本発明に用いるニューラル・ネットの一例を第1図
に示す。前述の如く、ここではLVQ−2タイプのニュー
ラル・ネットを一例として示している。
第1図において、11は前半ベクトル11aと後半ベクトル1
1bとからなる入力データベクトル、12はニューラル・ネ
ット、13aはニューラル・ネットの第1出力、13bは同じ
く第2出力、14aはニューラル・ネットの第1教師信
号、14bは同じく第2教師信号、15aは上記第1出力に接
続されたニューロン、15bは上記第2出力に接続された
ニューロン、16a及び16bはそれぞれニューロン15a及び1
6aのシナプス結合、17a及び17bはそれぞれニューロン15
a及び15bの出力である。このようにニューラル・ネット
は、個々のニューロンが同時に同じ入力を受け取れるよ
うに、外部入力によってすべてのニューロンが並列に接
続されており、その出力は一部のニューロンが第1出力
に、残りのニューロンが第2出力にそれぞれ共通に接続
された構成となっている。このLVQ−2タイプのニュー
ラル・ネットの動作原理については既に周知であるので
詳細な説明は省略するが、各ニューロンはあるベクトル
空間内の各参照ベクトルに対応しており、未知の入力デ
ータベクトルが入力されると、それに最も近い参照ベク
トルすなわちそれに対応するニューロンが選択され、そ
のニューロンの出力だけが「1」となるようになってい
る。そしてこの各参照ベクトルの配置すなわち各ニュー
ロンのシナプス結合の値は学習よって決定することがで
きる。例えば複数台のかごの状況と新規乗場呼びの組合
せを一つ想定し、この状況において何号機に割当てるの
が最適かを専門家の判断により或いはシミュレーション
等を用いて予め判断しておく。そして最適な割当号機の
状況データベクトル(入力パターン要素の各データ)を
前半ベクトル11a、その他の任意の号機の状況ベクトル
を後半ベクトル11bとした入力データベクトル11の各デ
ータを入力し、一方、第1教師信号14aを「1」、第2
教師信号14bを「0」として学習を行う。或いはその逆
に、割当号機の状況ベクトルを後半ベクトル、その他の
任意の号機の状況ベクトルを前半ベクトル、第1教師信
号を「0」、第2教師信号を「1」とした学習サンプル
についても学習を行う。こうして多数の学習サンプルに
ついて学習を行うと、未知の入力ベクトルであっても、
前半ベクトルに対応する号機の方が割当適性が大きけれ
ば、第1出力13aに「1」が出力され、その逆に後半ベ
クトルに対応する号機の方が割当適性が大きければ、第
2出力13bに「1」が出力されるようになる。
第2図はこの学習の処理手順の一例を示すフローチャー
トである。
まず乗場呼びの発生を1つ想定し、そのときの各かごや
システム全体の状況から最適な割当号機を判断し、各号
機毎に状況データベクトルを生成する。すなわち、割当
号機の状況データベクトルを選択データベクトルSと
し、その他の各号機の状況データベクトルを非選択デー
タベクトルRi(iはかごの号機番号,i=1・・・n)と
して生成する(手順21〜24)。
次にi=1とし、上記の選択データベクトルSを前半ベ
クトル、非選択データベクトルRiを後半ベクトルとした
入力データベクトルIを設定し、一方、第1教師信号を
「1」、第2教師信号を「0」とした教師データDを設
定し、一つの学習ステップを実行する(手順25〜28)。
更に同じ状況データベクトルの組合せで前半ベクトルと
後半ベクトルとを入れ替えたものを入力データベクトル
とし、第1教師室号を「0」、第2教師信号を「1」と
して同様に学習を実行する(手順29〜31)。以上の学習
動作を割当号機と他の号機のすべての組合せについて実
行すると、この学習サンプルに対する学習を終了する
(手順32〜34)。なお、LVQ−2ネットの場合は1つの
学習サンプルに対する学習動作を複数回繰り返す必要が
ある。
こうして多数の学習サンプルにより学習を繰り返し、学
習を完了するとこれを用いて次のように割当てを行う。
第3図は、本発明による割当ての処理手順を示したフロ
ーチャートである。
第3図において、新たに乗場呼びが発生すると、その時
点における各号機(ここではn台とする)の入力パター
ン要素の各データを、各号機毎の状況データX1〜Xnとし
て作成する(手順41,42)。次に号機番号のインデック
スiとj及びi号機の合計得点Tiの初期化を行う(手順
43〜45)。
次に、i号機の状況データXiを前半ベクトル、j号機の
状況デートXjを後半ベクトルとして入力データベクトル
を設定する(手順46)。そしてこの入力データベクトル
を第1図のニューラル・ネットに入力し、その結果、第
1出力が1であれば前半ベクトルに対応するi号機の方
が後半ベクトルに対応するj号機より割当適性が大きい
ので、i号機の合計得点Tiに1を加算する(手順47)。
そして上記の手順をi号機とj号機のすべての組合せに
ついて繰り返し(手順48〜50)、その結果、合計得点T
が最大のかごに乗場呼びを割当てる(手順51)。
このように、本発明ではエレベータの台数が何台であろ
うとも、常に2台のエレベータのみを比較し、その比較
の結果を各号機毎に累積していくというアルゴリズムを
用いることにより最適な号機を決定するようにしてい
る。
〔発明の効果〕
本発明によれば、入力パターンをある出力パターンに変
換するパターン連想型のネットワークであれば、その構
造に何ら制限を受けないので、学習性能やハードウェア
によ実現性等の観点から、優れたニューラル・ネットを
自由に選択し利用することができる。
また本発明では上記のアルゴリズムを用いることによ
り、エレベータの台数を拘わらず、ニューラル・ネット
の構造は、エレベータ2台分の状況データが入力でき、
どちらかを選択できる出力を備えていればよいので、現
場の仕様に依存せず容易にニューラル・ネットの標準化
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るニューラル・ネットの一例を示す
図、第2図は本発明に係る学習の処理手順を示すフロー
チャート、第3図は本発明に係る割当ての処理手順を示
すフローチャート、第4図はニューロンをモデル化した
ユニットの構造を示す図、第5図(a)(b)はユニッ
トの入出力特性の一例を示す図、、第6図は一般的なニ
ューラル・ネットの構造を示す図、第7図はニューラル
・ネットを割当て制御に利用した場合の全体の構成の一
実施例を示す図、第8図はニューラル・ネットと入力パ
ターン要素との関係を示す図である。 1……乗場呼び釦 3A,3B……各号機の運行制御装置 5……マイクロコンピュータ 7……入力パターン演算手段 8,12……ニューラル・ネット 9……割当て判定手段 10……割当て信号 11……入力データベクトル 13a……第1出力 13b……第2出力 14a……第1教師信号 14b……第2教師信号 15a,15b……ニューロン 16a,16b……シナプス結合

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の階床に対し複数台のエレベータを就
    役させ、新規に発生した乗場呼びに対して、そのときの
    群の状況を表わす種々のパラメータをニューラル・ネッ
    トに入力し、その出力結果を用いて最適なかごを選択
    し、上記乗場呼びに割当てるようにしたエレベータの群
    管理制御方法において、 前記複数台のエレベータのうち任意の2台の号機を1組
    としてその状況を表わす入力データベクトルを入力し、
    その2台のうちどちらの号機の割当適性が高いかを出力
    として表わすことのできるニューラル・ネットを備えて
    おき、新規に乗場呼びが発生すると、複数台のエレベー
    タのうち任意の2台の号機を1組とするすべての組合せ
    についてそれぞれ入力データベクトルを作成し、次にこ
    の各入力データベクトルを前記ニューラル・ネットに順
    次入力し、そして各入力データベクトルに対する出力を
    各号機毎に得点として集計し、その結果、得点の最も大
    きな号機に前記乗場呼びを割当てるようにしたことを特
    徴とするエレベータの群管理制御方法。
  2. 【請求項2】複数の階床に対し複数台のエレベータを就
    役させ、新規に発生した乗場呼びに対して、そのときの
    群の状況を表わす種々のパラメータをニューラル・ネッ
    トに入力し、その出力結果を用いて最適なかごを選択
    し、上記乗場呼びに割当てるようにしたエレベータの群
    管理制御方法において、 前記複数台のエレベータのうち任意の2台の号機の各状
    況データベクトルを、それぞれ前半ベクトル及び後半ベ
    クトルとした組合せからなる入力データベクトルを入力
    し、第1出力と第2出力の2つの出力のうち、前半ベク
    トルに対応する号機の方が後半ベクトルに対応する号機
    より割当適性が大きいとき、第1出力の方が大きな値と
    なるニューラル・ネットを備えておき、新規に乗場呼び
    が発生するとその時点における各号機の状況データベク
    トル作成し、次にこの状況データベクトルのうち任意の
    2つの組合せからなる入力データベクトルを前ニューラ
    ル・ネットに入力し、その結果、第1出力の方が第2出
    力より大きければ、そのときの前半ベクトルうに対応す
    る号機の得点としてカウントし、これをすべての組合せ
    からなる入力データベクトルについて順次繰り返し、す
    べての入力データベクトルについて終了したとき、得点
    の最も大きな号機に前記乗場呼びを割当てるようにした
    ことを特徴とするエレベータの群管理制御方法。
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