JP3224127B2 - 画像データ変換処理装置 - Google Patents

画像データ変換処理装置

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JP3224127B2
JP3224127B2 JP23977596A JP23977596A JP3224127B2 JP 3224127 B2 JP3224127 B2 JP 3224127B2 JP 23977596 A JP23977596 A JP 23977596A JP 23977596 A JP23977596 A JP 23977596A JP 3224127 B2 JP3224127 B2 JP 3224127B2
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勉 遠藤
伸夫 林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の変換情報に
従って画像に関するデータの変換処理を行う画像データ
変換処理装置に関し、特に、所定の記憶手段に記憶され
た変換情報を更新しつつ符号化、復号化等の所定の変換
処理を行う適応型の画像データ変換処理装置に関する。
【0002】
【発明の背景】人間の視覚によって認識される画像情報
を、コンピュータ等の機械によって認識可能な状態にす
るために種々の画像変換処理が行われる。例えば、画像
情報を電話回線や無線電波等の伝送媒体を介して伝送す
る場合、伝送する画像の情報量を少なくするために、送
信側で伝送すべき画像データの圧縮を行い、受信側では
当該圧縮データを伸長するという技術が一般的に利用さ
れている。図9は、画像データの伝送の様子を概念的に
示す。画像情報源から供給された画像データは、送信側
の符号化装置10において符号化され、伝送媒体12に
よって伝送される。受信側に伝送された符号データは、
復号化装置14によって元の画像データに復号化され
る。
【0003】画像データを圧縮、伸長する方式として、
現在では種々の符号化及び復号化方式が提案されてい
る。例えば、変換パラメータを用いて入力信号の変換処
理を行うとともに、当該変換パラメータをその時の局所
的性質にマッチするように変更していく適応型の変換処
理方式がある。
【0004】
【従来技術】図10は、適応型の画像データ変換処理装
置の一例として、適応型算術符号化方式を採用した従来
の画像符号化装置を示す。ここで、算術符号化とは、符
号化の対象となるシンボル系列の出現確率に応じて確率
数直線を区間分割し、分割された区間内の位置を示す二
進小数値をその系列に対する符号とするものであり、符
号語を算術演算により逐次的に構成していく。このよう
な算術符号化方式は、特にファクシミリによる2値画像
の送受信等に適用される。
【0005】図10に示す画像符号化装置は、入力画像
データを2値シンボル列として入力するシンボル系列読
み取り部100と、シンボル系列読み取り部100にて
読み取られた2値シンボル列を記憶するシンボル系列記
憶部102と、シンボル系列記憶部102に記憶されて
いる2値シンボル列の圧縮を行うために、必要な情報と
して、圧縮しようとする符号化対象シンボルに最も相関
の深いシンボルパターン(以下、「テンプレート」と称
する)を2値シンボル列から選択する画像参照シンボル
選択部104とを備えている。また、図11に示す内容
のデータを記憶する状態番号/優勢シンボル記憶部10
6と、画像参照シンボル選択部104にて取り出された
参照シンボルの内容が示す値(以下、「コンテクスト」
あるいは「CX」と記述する)に基づき、符号化対象シ
ンボルが状態番号/優勢シンボル記憶部106に記憶さ
れている推測値(高い確率で出現するシンボル値,優勢
シンボル「MPS」)と等しいか否かの情報を出力する
予測変換処理部108とを更に備えている。
【0006】図10において、符号110は、各状態番
号に対して予め定められた劣勢シンボルLPSの確率領
域の大きさ(LSZ)及び状態番号STの遷移情報を記
憶した確率推定テーブルである。112は、予測変換処
理部108の出力と、状態番号/優勢シンボル記憶部1
06から読み出された状態番号STとMPS値と、確率
推定テーブル110から読み出されたLPSの出現確率
領域幅の値(LSZ)及び状態遷移情報を元に、符号化
対象シンボルに対して算術符号化処理を行う算術符号化
部である。
【0007】上記のような装置によて2値算術符号化処
理を行う場合には、まず、2値算術符号化装置全体の初
期化を行う。すなわち、状態番号/優勢シンボル記憶部
106に記憶されている状態番号(ST)および優勢シ
ンボルMPSの値を全てのコンテクストCXに対してゼ
ロにセットする。
【0008】次に、区間レジスタ(図示せず)によって
示される確率領域のMPS領域の幅を10000Hex
にセットし、符号レジスタ(図示せず)によって示され
る確率領域のMPS領域の幅Aの下界値を0にセット
し、符号出力のためのシフト数をカウントするカウンタ
(以下、「CT」と示す)を11にセットする。次に、
画像参照シンボル選択部104は、上述したテンプレー
トを用い、符号化対象シンボル及び符号化するためのコ
ンテクストをシンボル系列記憶部102に記憶された2
値シンボル列よりロードする。
【0009】次に、2値算術符号化処理を開始する。最
初に、予測変換処理部108において、符号化対象シン
ボルの値とコンテクストCXに対応した状態番号/優勢
シンボル記憶部106に記憶されたMPSの値(以後
「MPS(CX)」と示す)とを比較する。符号化対象
シンボルの値とMPS(CX)が等しければ符号化対象
シンボルは優勢シンボルMPSということになる。
【0010】符号化対象シンボルが優勢シンボルMPS
であった場合、2値算術符号化部112においては、コ
ンテクストCXの現在の状態をST(CX)、その状態
ST(CX)においてLPSに対して割り当てられる領
域幅をLSZ(ST(CX))と表現すると、優勢シン
ボルに対して割り当てられる領域幅はA−LSZ(ST
(CX))のように算出される(図12参照)。そし
て、現在までに符号化したシンボル列の出現確率に対応
した確率領域幅Aを、次の符号化対象シンボルに対して
期待される劣勢シンボルLPSと優勢シンボルMPSの
出現推定確率で分割し、優勢シンボルMPSの出現推定
確率が劣勢シンボルLPSの出現確率以上であれば、図
12における確率領域の優勢シンボルMPSの領域が符
号化対象シンボルに割り当てられる。
【0011】図12においては、符号化対象シンボルの
出現する確率領域の大きさを示す値はA’の値であるた
め、A−LSZを求めることによって符号化対象シンボ
ルとして優勢シンボルMPSが出現する場合に割り当て
られる確率領域幅を求めることができる。次に、優勢シ
ンボルMPSが出現する場合に割り当てられる確率領域
幅の値を図13におけるHalfで示される8000H
exと比較し、8000Hex以上であれば処理を終了
し、8000Hex未満であれば正規化処理を行う。
【0012】正規化処理を行う前処理として、符号化対
象シンボルとして優勢シンボルMPSが出現した場合に
割り当てる確率領域の幅を示すA−LSZの値と符号化
対象シンボルとして劣勢シンボルLPSが出現した場合
に割り当てる確率領域の幅LSZとを比較し、A−LS
Zの値がLSZの値より小さければ符号化効率の向上を
目的として、優勢シンボルMPSと劣勢シンボルLPS
に割り当てられる確率領域の意味を入れ換える処理(条
件付き交換処理)を行う(図13参照)。
【0013】次に、ST(CX)で示される値、すなわ
ちコンテクストCXに対応した状態番号STの次の遷移
状態(以下、「NMPS(ST(CX))」と表記す
る)を確率推定テーブル110より求め、現在のST
(CX)の値を更新する処理を行う。この時、符号化対
象シンボルが優勢シンボルMPSの場合に、次の状態に
おける「LPSに対して割り当てる確率領域幅」LSZ
は、現在の状態のLSZよりも必ず小さくなるように確
率推定テーブル110が設定されている。例えば、符号
化対象シンボルMPSのみが発生した場合、図14に示
すように、LPS領域幅が大きい場合には(1),
(2),(3)と3回符号化処理を行った時点で1回の
正規化が発生し、1ビットの符号が出力されている。一
方、図15に示すように、LPS領域幅が小さい場合に
は、符号化対象シンボルを6ビット符号化した時点で1
回正規化が起こり、1ビットの符号が出力される。すな
わち、前者(図14)の場合には圧縮率3分の1であ
り、後者(図15)の場合には圧縮率が6分の1とな
り、連続して優勢シンボルMPSが発生する場合にはL
PS領域幅が小さい方が圧縮率が良くなる。つまり、優
勢シンボルMPSが生じた場合は、LSZの値が小さい
ほど同じ入力データ量に対して正規化処理を行う回数が
少なく、また、1回の正規化処理によって出力される符
号も少なくなる。
【0014】次に、図13に戻って、正規化処理手順に
ついて説明する。正規化処理では、8000Hexより
小さくなった優勢シンボルMPSの確率領域を8000
Hexより大きくする処理を行う。すなわち、現在まで
に符号化されたシンボル列に対して割り当てられた確率
領域の幅を示す区間レジスタと、現在までに符号化され
たシンボル列に対して割り当てられた確率領域を代表す
る座標を示す符号レジスタの値を各々のレジスタ中にて
最上位ビット方向(MSB方向)へシフトすることによ
り、各領域と座標を2倍ずつ拡大する処理を行う。
【0015】8000Hexは、区間レジスタの採り得
る数直線上での最大領域幅の1/2の値であり、区間レ
ジスタの値が1/2より小さくなった場合に、少なくと
も現在までに符号化されたシンボル列に対して割り当て
られた確率領域を代表する座標を示す符号レジスタ中の
最上位の1ビットの値が数直線上で確定したことを示し
ている。正規化処理におけるシフト中に、符号レジスタ
の最上位ビットから順に符号が出力される。符号の出力
タイミングは、カウンタCTによりカウントされてお
り、出力符号が8ビット蓄積されると、CTがゼロにな
って、当該符号がバイト単位で出力される。
【0016】次に、符号化対象シンボルが劣勢シンボル
LPSであった場合の2値算術符号化処理手順について
説明する。符号化対象シンボルが優勢シンボルMPSで
あった場合の処理と異なる点は、確率推定テーブル11
0に予め定められたスイッチビットと呼ばれるビットを
検査する処理があることと、劣勢シンボルLPSが生じ
た場合は必ず正規化処理を行う必要があるということ及
び、正規化処理に伴うST(CX)の値の更新が、優勢
シンボルMPSが生じた場合にはLSZ(ST(C
X))が小さくなる方向へ更新されていくのに対し、劣
勢シンボルLPSが生じた場合にはLSZ(ST(C
X))が大きくなる方向へ更新されることである。
【0017】スイッチビットは、劣勢シンボルLPSが
出現した場合に、状態番号/優勢シンボル記憶部106
に記憶された優勢シンボルMPSと劣勢シンボルLPS
の値を入れ換える処理を行う必要性を判定するものであ
る。優勢シンボルMPSと劣勢シンボルLPSを入れ換
える処理は、符号化効率を高めるために用いられる。す
なわち、符号化装置の初期化処理で状態番号/優勢シン
ボル記憶部106に記憶された優勢シンボルMPSの値
は初期値としてゼロにクリアされており、あるコンテク
ストに対する優勢シンボルMPSの値として1が適当で
あった場合、また、2値シンボル列において、ある部位
では優勢シンボルMPSの値として1が適当であり、ま
たある部位では0の値が適当であるというように、MP
S値が変化する場合、優勢シンボルMPSの値と劣勢シ
ンボルLPSの値とを2値シンボル列の特性の変化に適
応して入れ替えることによって、符号化効率が向上す
る。劣勢シンボルLPSが生じた場合に必ず正規化処理
を行うのは、劣勢シンボルLPSの値すなわちLSZ
(ST(CX))の値は常に8000Hexより小さい
値に設定されており、劣勢シンボルLPSが出現した場
合には区間レジスタの値が必ず8000Hexよりも小
さくなるためである。
【0018】優勢シンボルMPSにより正規化が行われ
た場合には、LSZ(ST(CX))が小さくなる方向
へ状態が更新されていくのに対し、劣勢シンボルLPS
により正規化が行われた場合にはLSZ(ST(C
X))が大きくなる方向へ状態が更新される理由は以下
の通りである。すなわち、図16及び図17に示すよう
に、劣勢シンボルLPSに割り当てられる領域幅が小さ
い場合には、正規化処理におけるレジスタのシフト処
理、すなわち1回の正規化処理において出力される符号
量(シフト動作の回数)が多い。他方、劣勢シンボルL
PSの領域幅に割り当てられる領域幅が大きい場合に
は、劣勢シンボルLPSの出現による正規化処理におけ
るレジスタのシフト動作の回数が少なくなる。あるコン
テクストにおいては、劣勢シンボルLPSと判定されて
いたシンボルが出現した場合には、今までの推定確率の
ままでLPS領域幅を割り当てていると、次に劣勢シン
ボルLPSが出現した場合に符号化効率が低下する。そ
こで、さらに劣勢シンボルLPSが出現しても、多くの
符号を出力しないように、LSZ(ST(CX))が大
きくなる方向へ状態遷移を行う。符号化対象のシンボル
列の特性に途中で変化が生じたような場合、例えば文字
を記述したファクシミリ画像の中に写真画像が含まれて
いたような場合には、劣勢シンボルLPSが頻繁に発生
し、特性の変化に追従するよう状態遷移を追う必要があ
る。こうして、劣勢シンボルLPSに割り当てる確率領
域を、状態遷移により適宜選択することにより、圧縮率
を向上させている。
【0019】図18は、上記先行技術における2値算術
符号化装置によって符号化された2値シンボル列を復号
する2値算術復号化装置の構成を示す。図18におい
て、確率推定テーブル130は、コンテクストの各状態
において劣勢シンボルLPSに対してどの程度の確率領
域を割り当てるのが最適か、正規化が発生した場合の状
態遷移先としてはどの状態番号STが適当かを統計的に
求めて作成されたテーブルであり、図10に示す符号化
装置の確率推定テーブル120と同一である。状態番号
/優勢シンボル記憶部132は、符号化装置における状
態番号/優勢シンボル記憶部106と同様なフォーマッ
トおよびデータを持つ記憶装置である。シンボル系列記
憶部133は、逆予測変換処理部136から出力される
復号された2値シンボル列を記憶するようになってい
る。
【0020】画像参照シンボル選択部134は、シンボ
ル系列記憶部133に記憶されている復号された2値シ
ンボル列から、符号化装置と同様のテンプレートに従っ
て参照シンボルを選択する。逆予測変換処理部136
は、状態番号/優勢シンボル記憶部132から読み出さ
れたMPS値と算術復号化部138より得られた復号対
象シンボルが、優勢シンボルMPSか劣勢シンボルLP
Sかという情報から符号化前の2値シンボル列を出力す
る。算術復号化部138は、符号データと、状態番号/
優勢シンボル記憶部132から読み出した状態番号とM
PS値と、確率推定テーブル130から読み出した劣勢
シンボルLPSの出現確率領域幅の値および状態遷移情
報を元に、復号対象シンボルがそのコンテクストにおい
て優勢シンボルMPSであったか劣勢シンボルLPSで
あったのかを出力すると共に、状態遷移を実行して状態
番号/優勢シンボル記憶部132の更新を行う。
【0021】次に、上記2値算術復号化装置における2
値算術復号化の処理手順について説明する。まず、2値
算術復号化装置全体の初期化を行うために、状態番号/
優勢シンボル記憶部132に記憶されている各コンテク
ストに対する遷移状態及び優勢シンボルMPSの値をす
べてのコンテクストに対してゼロにセットする。次に、
確率領域のMPS領域の下界値(確率領域の代表座標)
を示す符号レジスタ(図示せず)の値をゼロにセット
し、符号をバイト単位で符号レジスタにセットする。そ
の後、符号レジスタを最上位ビット方向(MSB方向)
へ8ビットシフトする動作を3度繰り返しすことによっ
て、符号レジスタの初期化を終了する。続いて、優勢シ
ンボルMPSの確率領域を示す区間レジスタ(図示せ
ず)に10000Hex(最大確率領域幅)をセット
し、復号化装置の初期化処理を完了する。
【0022】次に、画像参照シンボル選択部134にお
いて、符号化装置と同様のテンプレートを用いて参照シ
ンボルを選択して、復号化するためのコンテクストを生
成する。次に、算術復号化部138において2値算術復
号化処理を行う際には、画像参照シンボル選択部134
より出力された各コンテクストに基づき、そのコンテク
ストに対応した状態番号STを状態番号/優勢シンボル
記憶部132から読み出す。次に、読み出した状態番号
STに対応する確率領域の幅LSZを確率推定テーブル
130から読み出し、その確率領域の幅LSZを算術復
号化部138へ供給する。算術復号化部138では、確
率推定テーブル130より供給されたLSZの値を区間
レジスタより減算する。
【0023】次に、上記減算処理後の区間レジスタの値
と符号レジスタのMSB側16ビット(CHIGH)の
内容とを比較する。区間レジスタには、現在までに復号
されたシンボルによって分割されてきた領域幅が、既に
復号されたシンボル分拡大されている。すなわち、区間
レジスタにはシフトされた回数分拡大された値が入って
いる。符号レジスタのMSB側16ビット(CHIG
H)には、符号化するシンボル列に対して割り当てられ
た確率領域を代表する座標情報(下界の座標)のうち、
まだ入力されない符号分を除いた座標の近似値(下界座
標はすべての符号が復号器に入力された段階で完結す
る)から、既に復号されたシンボルに割り当てられた領
域の下界座標を減算した値が区間レジスタと同じ拡大を
与えられて保持されている。その区間レジスタを、次に
復号するシンボルに対する推定領域幅で分割し、CHI
GHレジスタがその分割された領域の境界よりも優勢シ
ンボルMPS側に属しているか、劣勢シンボルLPS側
に属しているかによって、復号を行う。すなわち、A−
LSZ(ST(CX))とCHIGHの大小比較によっ
て復号化処理を行う。
【0024】復号化対象シンボルが優勢シンボルMPS
であった場合、区間レジスタの幅が8000Hex以上
であれば逆予測変換処理部136へ処理を継続し、80
00Hexより小さい場合には優勢シンボルMPSの条
件付き交換処理を行った後、正規化処理を行い、逆予測
変換処理部136へ処理を継続する。一方、復号化対象
シンボルが劣勢シンボルLPSであった場合、符号化処
理の場合と同様に必ず正規化処理を行い、逆予測変換処
理部136へ処理を継続する。
【0025】2値算術復号化装置における正規化処理手
順は、図13に示した2値算術符号化処理時における正
規化処理手順とまったく同一である。符号化/復号化処
理時に関わらず、正規化処理では、区間レジスタおよび
符号レジスタの値をレジスタ中にて最上位ビット方向
(MSB方向)へシフトし、8000Hexより小さく
なった区間レジスタ内容を8000Hexより大きく
し、符号レジスタ中の符号が不足したら次の符号を符号
レジスタに読み込んで復号を継続する。
【0026】次に、逆予測変換処理部136の動作につ
いて説明する。画像参照シンボル選択部134の出力で
あるコンテクストを用いて、算術復号化部138はコン
テクストに対応したMPS値を状態番号/優勢シンボル
記憶部132から取り出して、逆予測変換処理部136
に供給する。逆予測変換処理部136では、2値算術復
号化部138より出力された「復号シンボルが優勢シン
ボルMPSか劣勢シンボルLPSか」を示すMPS/L
PS情報と、状態番号/優勢シンボル記憶部132から
供給されたMPS値とを比較することにより、符号化す
る前のシンボルを求めて出力する。以上のように、情報
源の性質に追随して状態番号/優勢シンボル記憶部10
6,132を書き換えていくことにより、高い符号化効
率による算術符号化・復号化装置の実現が可能となる。
【0027】しかしながら、上記のような従来の装置に
おいては、図19に示すように、1シンボル毎に、状態
番号/優勢シンボル記憶部(106,132)の検索
と、確率推定テーブル(110,130)の検索、
(逆)予測変換処理、領域計算、区間レジスタ更新、座
標計算、符号レジスタ更新と、状態番号/優勢シンボル
記憶部(106,132)の更新とを行っている。すな
わち、1つの符号化(復号化)対象シンボルに対して、
サイクル1における状態番号/優勢シンボル記憶部(1
06,132)の読み出し、サイクル2における確率推
定テーブル(110,130)の検索と状態番号/予測
値の更新演算、サイクル3における状態番号/優勢シン
ボル記憶部(106,132)への書き込みを終了した
後で、次の符号化(復号化)対象シンボルの処理(サイ
クル4,5,6)に移っている。このため、処理速度の
向上に限界があった。
【0028】そこで、算術符号化・復号化を高速に行う
装置に関する技術が特開平5−67978号公報におい
て提案されている。この公報に開示されている1つの発
明(以下、「発明(1)」と称する)は、各コンテクス
トに対応した状態番号と優勢シンボルを記憶する書き換
え可能なメモリと、コンテクストが1ないし複数個の特
定コンテクストであることを検出する検出器と、この特
定のコンテクストに於ける状態番号と優勢シンボルを記
憶する1ないし複数個のレジスタと、検出器の出力に基
づき、メモリとレジスタ出力を選択する選択器とを備え
ている。そして、コンテクストが特定の状態にある場合
には、状態番号・優勢シンボルの読み出し及び更新にメ
モリを使用せず、アクセススピードの速いレジスタを選
択し、それ以外の状態ではメモリを選択して用いること
で、符号化・復号化速度の向上を図っている。
【0029】また、上記公報に開示されている他の発明
(以下、「発明(2)」と称する)は、各コンテクスト
に対応した状態番号と優勢シンボルを記憶する書き換え
可能なメモリと、連続する複数個の符号化対象シンボル
に対するコンテクストが全て特定のコンテクストであり
且つ全ての符号化対象シンボルが予測一致することを検
出する検出器と、上記メモリに記憶された優勢シンボル
を基に当該符号化対象シンボルの予測誤差を計算する予
測変換器と、符号化対象シンボルが予測一致しているか
否かを検査しその結果に応じて該コンテクストに於ける
上記メモリの状態番号及び優勢シンボルを書き換える制
御回路と、上記メモリに記憶された状態番号を基に、予
測変換器にて計算された予測誤差信号を符号化する算術
符号器とを設けている。これにより、特定のコンテクス
トが連続する場合には、複数個のシンボルに対する算術
演算を一括して行うことで符号化・復号化速度の向上を
図っている。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、テキス
ト画像、誤差拡散画像、多値画像における下位ビットプ
レーン/上位ビットプレーンなど、画像の性質は千差万
別である。このため、特開平5−67978に開示され
た発明(1)によると、出現頻度の高い特定のコンテク
ストを推定することが困難となるという不都合がある。
すなわち、符号化の対象となる画像の種類によっては、
符号化・復号化速度の大きな向上を図ることができな
い。
【0031】また、従来の発明(2)では、特定のコン
テクストが連続する場合に、複数個のシンボルに対する
算術演算を一括して行うことで符号化・復号化速度の向
上を図っているが、従来の発明(1)と同様に、検出す
る出現頻度の高い連続する特定のコンテクストを推定す
ることが困難である。また、たとえ最も出現頻度の高い
連続するコンテクストを推定できたとしても、メモリの
書き換えが頻繁に行われるような場合には、各コンテク
ストの状態遷移が頻繁に行う必要があり、各コンテクス
トに対応した状態番号と優勢シンボルを記憶するメモリ
の書き換え回数が多くなる。すなわち、符号化の対象と
なる画像の種類によっては、符号化・復号化速度の大き
な向上を図ることができない。
【0032】本発明は、以上のような状況に鑑みてなさ
れたものであり、変換されるべき画像の種類に関わら
ず、変換処理速度の向上を図り得る画像データ変換処理
装置を提供することを第1の目的とする。
【0033】また、画像の種類に関わらず、符号化処理
速度の向上を図り得る符号化装置を提供することを第2
の目的とする。
【0034】また、画像の種類に関わらず、復号化処理
速度の向上を図り得る符号化装置を提供することを第3
の目的とする。
【0035】更に、画像の種類に関わらず、符号化及び
復号化処理の速度向上を図り得る符号化・復号化装置を
提供することを第4の目的とする。
【0036】
【課題を解決するための手段及びその作用】上記のよう
な課題を解決するために、本発明の画像データ変換処理
装置においては、変換処理に用いられる変換情報を記憶
し、当該変換情報の読み出し及び書き込みを同時に実行
可能な記憶手段(200)と、記憶手段(200)から
読み出された変換情報を用いて入力データの変換処理を
行うとともに、当該変換情報を必要に応じて更新する手
段(202)と、記憶手段(200)からの変換情報の
読み出し、及び更新された変換情報の記憶手段(20
0)への書き込みを制御する制御手段(204)とを備
えている。
【0037】上記のような構成の本発明に係る画像デー
タ変換処理装置においては、画像に関する入力データが
入力されると、当該入力データに対応する変換情報を記
憶手段(200)から読み出す。次に、記憶手段(20
0)から読み出された変換情報を用いて入力データに対
して所定の変換処理を施すとともに、当該変換情報を必
要に応じて更新する。そして、更新された変換情報を再
び記憶手段(200)に書き込む。ここで、変換情報を
記憶する記憶装置(200)が、読み出し及び書き込み
を同時に実行可能に構成され、制御手段(204)によ
って、記憶手段(200)からの変換情報の読み出し及
び更新された変換情報の書き込みを制御しているため、
先に入力された画像データの記憶手段(200)への書
き込みを待つことなく、次のデータの読み出しを並行し
て行うことが可能となる。その結果、テキスト画像、誤
差拡散画像、多値画像における下位ビットプレーン/上
位ビットプレーンなど、種々の画像に対して変換処理の
速度の向上を図ることができる。
【0038】本発明の画像データ変換処理装置の第1の
態様である符号化装置は、符号化処理に用いられる所定
の符号化情報を記憶し、当該符号化情報の読み出し及び
書き込みを同時に実行可能な記憶手段(216)と、こ
の記憶手段から読み出された符号化情報を用いて入力画
像データを符号化するとともに、当該符号化情報を必要
に応じて更新する手段(220)とを備えている。そし
て、制御手段(218,248他)により、記憶手段
(216)からの符号化情報の読み出し、及び更新され
た符号化情報の記憶手段(216)への書き込みを制御
する。
【0039】上記のような符号化装置においては、画像
データが入力されると、当該画像データに対応する符号
化情報を記憶手段(216)から読み出す。次に、記憶
手段(216)から読み出された符号化情報を用いて入
力画像データを符号化するとともに、当該符号化情報を
必要に応じて更新する。そして、更新された符号化情報
を再び記憶手段(216)に書き込む。ここで、符号化
情報を記憶する記憶装置(216)が、読み出し及び書
き込みを同時に実行可能に構成され、制御手段(21
8,248他)によって、記憶手段(216,316)
からの符号化情報の読み出し及び更新された符号化情報
の書き込みを制御しているため、先に入力された画像デ
ータの記憶手段(216)への書き込みを待つことな
く、次の画像データの読み出しを並行して行うことが可
能となる。その結果、テキスト画像、誤差拡散画像、多
値画像における下位ビットプレーン/上位ビットプレー
ンなど、種々の画像に対して符号化速度の向上を図るこ
とができる。また、従来のように出現頻度の高い特定の
コンテクストを推定するような設定をする必要が無くな
る。
【0040】上記のような符号化装置において、好まし
くは、入力画像データを複数保持する入力データ保持手
段(212)と、入力データ保持手段(212)に保持
された複数の入力画像データを比較する比較手段(21
4)とを更に備える。そして、制御手段(218,24
8他)は、比較手段(214)による比較の結果に基づ
いて、記憶手段(216)からの符号化情報の読み出し
及び当該記憶手段(216)への符号化情報の書き込み
を制御する。
【0041】上記のような構成において、例えば、最新
の入力画像データが、データ保持手段(212)に保持
されている先に入力された画像データと同じ場合には、
先に入力された画像データについての符号化情報が既に
記憶手段(216)から読み出されている。そこで、制
御手段(218、248他)の制御により、当該最新の
画像データについては記憶手段(216)から符号化情
報を読み出さず、既に読み出された符号化情報を用いて
符号化処理を行う。すなわち、先に入力された画像デー
タの記憶手段(216)への書き込みを待つことなく、
最新の入力画像データに対する符号化情報を得ることが
できる。更に、比較手段(214)の比較結果を用いる
ことにより、同一の符号化情報に対する記憶手段(21
6)の読み出しと書き込みの同時動作を回避できる。ま
た、全ての画像データに対して記憶手段(216)の読
み出し/書込み動作を行うのではなく、必要に応じて読
み出し/書込み動作を行うため、消費電力の低減を図れ
るという派生的な効果も期待できる。
【0042】なお、記憶手段(216)としては、少な
くとも2系統からのアクセスが可能なマルチポートメモ
リを採用することができる。
【0043】本発明の画像変換処理装置の第2の態様に
かかる復号化装置は、上記第1の態様の符号化装置によ
って符号化された符号データを元の画像データに復号化
するものであり、復号化処理に用いられる所定の復号化
情報を記憶し、当該復号化情報の読み出し及び書き込み
を同時に実行可能な記憶手段(316)と、この記憶手
段(316)から読み出された復号化情報を用いて符号
データを復号化するとともに、当該復号化情報を必要に
応じて更新する手段(320)とを備える。そして、制
御手段(318,348他)によって、記憶手段(31
6)からの復号化情報の読み出し、及び更新された復号
化情報の記憶手段(316)への書き込みを制御する。
【0044】上記のような復号化装置において、好まし
くは、復号化された画像データを複数保持するデータ保
持手段(312)と、このデータ保持手段(312)に
保持された複数の画像データを比較する比較手段(31
4)とを更に備える。そして、制御手段(318,34
8他)は、比較手段(314)による比較の結果に基づ
いて、記憶手段(316)からの復号化情報の読み出し
及び当該記憶手段(316)への復号化情報の書き込み
を制御する。
【0045】本発明の第3の態様にかかる符号化・復号
化装置は、第1の態様に係る符号化装置と第2の態様に
係る復号化装置を合わせたものである。なお、本発明の
第2の態様に係る復号化装置及び第3の態様に係る符号
化・復号化装置についても、第1の態様に係る符号化装
置と同様の作用効果が得られる。すなわち、テキスト画
像、誤差拡散画像、多値画像における下位ビットプレー
ン/上位ビットプレーンなど、種々の画像に対して符号
化速度の向上を図ることができる。また、従来のように
出現頻度の高い特定のコンテクストを推定するような設
定をする必要が無い。
【0046】本発明の第4の態様にかかる符号化装置
は、適応型算術方式の符号化装置であり、情報源のシン
ボル系列の予め定められた位置の複数の参照シンボルを
用い、符号化対象シンボルに対するコンテクストを生成
する手段(210)と、読み出し及び書き込みを同時に
行い得る構成を有し、コンテクスト毎に、所定の算術パ
ラメータに関する状態データ(ST)及び符号化対象シ
ンボルが採り得る予測値(MPS)とを記憶する記憶手
段(216)と、順次入力される複数の符号化対象シン
ボルに対応する複数のコンテクストを一時的に保持する
保持手段(212)と、保持手段(212)に保持され
ている複数のコンテクストを比較する第1の比較手段
(214)と、記憶手段(216)から読み出された符
号化対象シンボルの予測値(MPS)と実際の符号化対
象シンボルの値とを比較する第2の比較手段(222)
と、記憶手段(216)から読み出された情報(ST,
MPS)及び第2の比較手段(222)による比較の結
果に基づき、符号化対象シンボルの符号化と、当該符号
化対象シンボルに対するコンテクストの状態データ(S
T)及び予測値(MPS)の更新とを行う算術符号化手
段(220)と、第1の比較手段(214)の比較の結
果に基づいて、記憶手段(216)に記憶された状態デ
ータ(ST)及び予測値(MPS)の読み出しと、算術
符号化手段(220)によって更新された状態データ
(ST)及び予測値(MPS)の書き込みとの制御を行
うメモリアクセス制御手段(218,248他)を備え
ている。
【0047】上記のように構成された本発明の第4の態
様に係る算術符号化装置においても、先に説明した本発
明の第1の態様に係る符号化装置と同様の作用効果を得
ることができ、従来技術に比べて大幅な処理速度の向上
を図ることができる。例えば、200dpiのA4版デ
ィザ画像の圧縮率(=原画像データ量/符号データ量)
が「2」と仮定すると、状態データ(ST)/推測値
(MPS)の更新回数、すなわち、記憶手段(216)
への書込み回数は、全符号化対象シンボル数の数分の1
程度となり、従来技術では無視できない時間になる。こ
れに対し、本発明においては、あるコンテクストの状態
データ(ST)/推測値(MPS)の読み出しと、別の
コンテクストの状態データ(ST)/推測値(MPS)
の書込みとを同時に行えるため、状態データ(ST)/
推測値(MPS)の更新回数を処理時間に考慮する必要
がなくなる。
【0048】また、上記のような算術符号化装置におい
ては、記憶手段(216)に記憶されている各コンテク
スト毎の状態データ(ST)に対応した確率領域幅(L
SZ)と、当該状態データ(ST)の更新後の値を示す
状態遷移先情報(NMPS,NLPS)を記憶する第1
の情報テーブル(224a)を使用することができる。
この場合、算術符号化手段(220)は、第1の情報テ
ーブル(224a)から読み出された確率領域幅(LS
Z)と、第2の比較手段(222)による比較の結果に
基づいて、符号化対象シンボルの符号化と、当該符号化
対象シンボルに対するコンテクストの状態データ(S
T)及び予測値(MPS)の更新とを行う。
【0049】また、上記算術符号化装置において、例え
ば、記憶手段(216)から読み出された状態データ
(ST)及び予測値(MPS)を保持する第1のレジス
タ(228)と、算術符号化手段(220)によって更
新された状態データ(ST)及び予測値(MPS)を保
持する第2のレジスタ(230)と、第2のレジスタ
(230)の出力を保持する第3のレジスタ(232)
と、第1の比較手段(214)の比較結果に基づいて、
第1、第2又は第3のレジスタ(230,232)の出
力を選択する第1の選択器(238)とを備える。そし
て、第1の選択器(238)の出力を第1の情報テーブ
ル(224a)のアドレスとすることができる。
【0050】この場合、順次入力される符号化対象シン
ボルのコンテクストに対応した読み出しアドレス値によ
る状態データ(ST)と予測値(MPS)の読み出し
と、別の符号化対象シンボルのコンテクストに対応した
書込みアドレス値による状態データ(ST)と予測値
(MPS)の書込みと、さらに別の符号化対象シンボル
のコンテクストに対する情報テーブル(224a)の検
索及び状態データ(ST)の更新演算とを、並行して同
時に実行することができる。
【0051】更に望ましくは、n番目に入力されたコン
テクスト(CXn)の状態データを第1の情報テーブル
(224a)のアドレスとした場合に、n−1番目のコ
ンテクスト(CXn-1)の状態データ(STn-1)を保持
する第4のレジスタ(234)と、コンテクスト(CX
n-1)の確率領域幅(LSZ)と状態遷移先情報(NM
PS,NLPS)を保持する第5のレジスタ(236)
と、第1の情報テーブルと同一の情報を含み、第5のレ
ジスタ(236)が保持している状態遷移先情報(NM
PS,NLPS)をアドレスとする第2の情報テーブル
(224b,224c)とを備える。そして、算術符号
化手段(220)は、第1の比較手段(214)による
比較の結果、n番目とn−1番目のコンテクスト(CX
nとCXn-1)とが同一の場合に、第2の情報テーブル
(224b,224c)の情報を用いてn番目のコンテ
クスト(CXn)の処理を行う。以上のような構成によ
り、別々の符号化対象シンボルのコンテクストが同一の
場合にも、情報テーブル(224a,224b,224
c)の読み出しと状態データ(ST)の更新演算とを並
行して同時に行える。その結果、適応型の算術符号化処
理の速度が飛躍的に向上する。
【0052】また、第2の情報テーブルを互いに等しい
内容の情報を記憶した複数の情報テーブル(224b,
224c)で構成し、第1及び第2の比較手段(21
4,222)の比較結果に基づいて、第2の情報テーブ
ル内の複数の情報テーブル(224b,224c)と第
1の情報テーブル(224a)との中で何れのテーブル
をn番目のコンテクスト(CXn)の処理に利用するか
を選択制御するようにすれば、更に符号化処理速度が向
上する。すなわち、n−1番目のコンテクスト(CX
n-1)とn番目のコンテクスト(CXn)とが等しい場合
には、以下のような手法によって第2の情報テーブル
(224b,224c)を使い分けることができる。ま
ず、第2の情報テーブルの一方(224c)のアドレス
として、符号化対象シンボルが推測値(MPS)に等し
い場合における当該コンテクスト(CXn-1)の状態番
号(STn-1)の遷移先の状態番号(NMPS)を採用
し、対応する符号化パラメータを予め読み出しておく。
また、第2の情報テーブルの他方(224b)のアドレ
スとして、符号化対象シンボルが推測値(MPS)に等
しくない場合における当該コンテクスト(CXn-1)の
状態番号(STn-1)の遷移先の状態番号(NLPS)
を採用し、対応する符号化パラメータを予め読み出して
おく。
【0053】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明するに
先立ち、本発明の基本概念(適応型画像データ変換処理
装置)を図1を参照して説明する。図1に示す適応型の
画像データ変換処理装置は、画像に関する入力データの
変換処理に用いられる変換パラメータを記憶した記憶部
200と、記憶部200より読み出された変換パラメー
タを用いて入力データに対して所定の変換処理を施す変
換処理ユニット202と、記憶手段200に対する変換
パラメータの読み出し及び書き込みを制御する制御部2
04とを備えている。記憶部200は、例えば、デュア
ルポートRAMのように、2系統からアクセス可能な構
造を有し、変換パラメータの読み出し及び書き込みを同
時に実行できるようになっている。
【0054】上記のような構成の変換処理装置におい
て、入力データが読み込まれると、当該入力データに対
応した変換パラメータが記憶部200から読み出され
る。この時、入力データを記憶部200のアドレス信号
としても良い。変換処理ユニット202は、記憶部20
0から読み出された変換パラメータに基づき、入力デー
タに対して符号化や復号化等の所定の変換処理を施す。
変換処理ユニット202では、上記のような変換処理と
同時に、記憶部200から読み出された変換パラメータ
を更新し、再び記憶部200に書き込む。以後、記憶部
200からの変換パラメータの読み出し、入力画像デー
タの変換処理及び当該パラメータの更新処理を逐次入力
される画像データに対して実行する。制御部204は、
順次入力される画像データの状態に基づき、記憶部20
0からの変換パラメータの読み出し及び、変換処理ユニ
ット202によって更新された変換パラメータの記憶手
段200への書き込みを制御する。
【0055】
【実施例】次に、本発明について実施例を用いて更に詳
細に説明する。本発明の第1実施例は、2値画像を適応
型算術符号化方式によって符号化する符号化装置に本発
明の技術的思想を適用したものであり、その構成を図2
に示す。本実施例の符号化装置は、入力シンボルデータ
を2値シンボル列として入力するシンボル系列読み取り
部206と、シンボル系列読み取り部206の出力に接
続されたシンボル系列記憶部208と、シンボル系列記
憶部208の出力に接続された画像参照シンボル選択部
210と、画像参照シンボル選択部210の出力に接続
されたコンテクストバッファ212と、コンテクストバ
ッファ212の出力に接続された検出器214と、読み
出し及び書き込み用のアドレス端子RAD,WADがコ
ンテクストバッファ212の出力に接続されたデュアル
ポートメモリ216(状態番号/優勢シンボル記憶部)
と、検出器214の出力とデュアルポートメモリの制御
端子R,Wとに接続されたリード/ライト制御部218
と、検出器214の出力に接続されると共に、デュアル
ポートメモリ216の読み出し及び書き込み端子RD
T,WDTに接続された算術符号化部220と、シンボ
ル系列記憶部208の出力と算術符号化部220に接続
された予測変換処理部222と、算術符号化部220に
それぞれ接続された3つの確率推定テーブル224a,
224b,224cとを備えている。
【0056】上記のような構成の符号化装置において、
シンボル系列記憶部208は、2値シンボル列読み取り
部206にて読み取った2値シンボル列を記憶する。画
像参照シンボル選択部210は、シンボル系列記憶部2
08に記憶されている2値シンボル列より符号化対象シ
ンボルに対して予め定めてある位置の複数の参照シンボ
ルを選択してコンテクスト(CX)を生成する。コンテ
クストバッファ212は、画像参照シンボル選択部21
0から順次出力されるコンテクストデータを保持し、連
続する4つのコンテクストデータをバッファリングす
る。図3に示すように、コンテクストバッファ212
は、4段のレジスタ212a,212b,212c,2
12dによって構成されている。1段目のレジスタ21
2aには、最新のコンテクストCXが保持され、出力C
X1を2段目のレジスタ212bにシフトする。レジス
タ212b,212c,212dは、それぞれ最新のコ
ンテクストCXの1つ前、2つ前、3つ前のコンテクス
トCX2,CX3,CX4を保持する。
【0057】検出器214は、画像参照シンボル選択部
210から順次出力されるコンテクストデータ(C
X)、及びコンテクストバッファ212に保持されてい
るコンテクストデータ(CX1、CX2、CX3、CX
4)がそれぞれ同一値であるか否かを判定する。ここ
で、検出器214によるコンテクストCX1とCX2の
判定結果を出力EQ12とし、コンテクストCX1とC
X3の判定結果を出力EQ13とし、コンテクストCX
1とCX4の判定結果を出力EQ14とし、コンテクス
トCX2とCX3の判定結果を出力EQ23とし、コン
テクストCX2とCX4の判定結果を出力EQ24と
し、EQ14を記憶するレジスタ(図示せず)の出力を
出力d1_EQ14とする。各判定結果EQ12,EQ
13,EQ14,EQ23,EQ24は、同一値であれ
ば1を、同一値でなければ0を示す。
【0058】デュアルポートメモリ216(状態番号/
優勢シンボル記憶部)は、全ての組み合わせのコンテク
ストの状態番号(ST)とMPS(優勢シンボル)値を
記憶する。そして、コンテクストバッファ212で保持
されているコンテクストデータの中の最新のコンテクス
トCX1(図3参照)を読み出しアドレスとし、最も過
去に入力されたコンテクストCX4(図3参照)を書込
みアドレスとする。なお、読み出しアドレスRADに対
するデータの読み出しと、書込みアドレスWADに対す
るデータ書込みが同時実行可能な構成となっている。デ
ュアルポートメモリ216の記憶データは、図11に示
す通りであり、STは後に詳述する確率推定テーブル2
24aの読み出しアドレスとなる状態番号を示す。
【0059】リード/ライト制御部218は、検出器2
14の判定結果(EQ12等)に基づき、デュアルポー
トメモリ216の読み出し及び書込みの制御を行う。デ
ュアルポートメモリ216からのデータの読み出しに際
し、読み出しアドレスRAD(=CX1)が、コンテク
ストバッファ212に保持されている他のコンテクスト
データCX2,CX3,CX4の何れとも等しくない
時、すなわち、EQ12=EQ13=EQ14=0の場
合には、読み出し動作を行うためにデュアルポートメモ
リ216の読み出し信号Rをアクティブにする。一方、
読み出しアドレスRAD(=CX1)が、他のコンテク
ストデータCX2,CX3,CX4の何れか1つとでも
等しい場合には、デュアルポートメモリ216の読み出
し信号Rを非アクティブにする。また、デュアルポート
メモリ216へのデータの書込みに際し、書込みアドレ
スWAD(=CX4)が、コンテクストバッファ212
に保持されている他のコンテクストデータCX1,CX
2,CX3の何れとも等しくない時、すなわち、EQ1
4=EQ24=EQ34=0の場合には、書込み動作を
行うためにデュアルポートメモリ216の書込み信号W
をアクティブにする。一方、書込みアドレスWAD(=
CX4)が、他のコンテクストデータCX1,CX2,
CX3の何れか1つとでも等しい場合には、デュアルポ
ートメモリ216の書込み信号Wを非アクティブにす
る。
【0060】予測変換処理部222は、符号化対象シン
ボルがそのコンテクスト内の出現確率が高いと予想され
るシンボル(優勢シンボル:MPS)と一致するか否か
を示すデータ(予測誤差:一致すれば0、不一致ならば
1)を出力する。
【0061】確率推定テーブル224aは、コンテクス
トCXの状態を示す状態番号(ST)に対応して予め定
められたLPS(劣勢シンボル)の確率領域の大きさ
(LSZ)と、状態遷移情報(NMPS,NLPS,Sw
itch)とを記憶している。ここで、LPSはコンテクス
ト内の出現確率が低いと予想されるシンボル(劣勢シン
ボル)を示し、NMPSは符号化対象シンボルがMPS
(優勢シンボル)であった場合に次に適用される状態番
号を示し、NLPSは符号化対象シンボルがLPS(劣
勢シンボル)であった場合に次に適用される状態番号を
示し、Switch はMPS(優勢シンボル)とLPS(劣
勢シンボル)の交換指令を示すものとする。確率推定テ
ーブル224b,224cは、算術符号化部220から
の出力である状態遷移情報(NMPS,NLPS)をア
ドレスとするものであり、確率推定テーブル224aと
同じ内容を記憶している。
【0062】算術符号化部220は、符号化対象シンボ
ルの符号出力と、各コンテクストに対する状態番号ST
とMPS値の更新演算とを行うものであり、図4にその
詳細を示す。本実施例の算術符号化部220は、5つの
レジスタ228,230,232,234,236と、
4つの選択器(マルチプレクサ)238,240,24
2,244と、符号出力及び状態番号更新演算部246
と、書き込みデータ選択回路248と、排他的論理和回
路250とを備えている。
【0063】このような算術符号化部220において、
レジスタ228の入力端子にはデュアルポートメモリ2
16の読み出しポートRDTが接続され、当該レジスタ
228の出力端子には選択器238の入力端子が接続さ
れている。選択器238の他の入力端子には、レジスタ
232の出力端子と、レジスタ230の出力端子と、レ
ジスタ234の出力端子とがそれぞれ接続されている。
また、選択器238の出力端子には、確率推定テーブル
224aのアドレス端子と、選択器242の入力端子と
が接続されている。選択器242のもう一方の入力端子
には、選択器240の出力端子が接続され、当該選択器
242の出力端子にはレジスタ234の入力端子がそれ
ぞれ接続されている。レジスタ234の出力端子には、
選択器238の入力端子の他に、選択器240の入力端
子と、予測変換処理部222と、排他的論理和回路25
0の一方の入力端子とが接続されている。
【0064】ここで、選択器240の1つの入力端子に
は、レジスタ234の出力信号(MPS,ST)の両方
がそのまま入力されるが、他の1つの入力端子には、レ
ジスタ234の出力(MPS,ST)の内のMPSと、
レジスタ236の出力信号(NMPS,NLPS,LS
Z,Switch)の内のNMPSとの合成信号(MPS,N
MPS)が供給される。また、選択器240の残りの1
つの入力端子には、排他的論理和回路250の出力信号
(MPS’)と、レジスタ236の出力信号(NMP
S,NLPS,LSZ,Switch)の内のNLPSとの合
成信号(MPS’,NLPS)が供給される。また、選
択器240の制御端子には、書き込みデータ選択回路2
48の出力が接続されている。
【0065】選択器244の3つの入力端子には、確率
推定テーブル224a,224b,224cの出力がそ
れぞれ接続され、当該選択器244の出力端子にはレジ
スタ236の入力が接続されている。
【0066】レジスタ236の出力端子には、確率推定
テーブル224b,224cと、上述した選択器240
と、符号出力及び状態番号更新演算部246と、排他的
論理和回路250とが接続されている。ここで、確率推
定テーブル224bには、レジスタ236の出力信号
(NMPS,NLPS,LSZ,Switch)の内のNLP
Sが、確率推定テーブル224cにはNMPSが、排他
的論理和回路250にはSwitch が、符号出力及び状態
番号更新演算部246にはLSZが供給される。
【0067】次に、本実施例の算術符号化部220の各
構成要素の作用(機能)について更に詳細に説明する。
レジスタ228はデュアルポートメモリ216から読み
出されたデータを保持し、レジスタ230はデュアルポ
ートメモリ216に書き込まれるデータ、すなわち、コ
ンテクストバッファ212に保持されたコンテクストC
X4に対応した更新後の状態番号ST(CX4)とMP
S(CX4)値を保持する。また、コンテクストバッフ
ァ212に保持されているコンテクストCX3の状態番
号ST(CX3)とMPS(CX3)値は、レジスタ2
34に保持される。レジスタ236は、レジスタ234
が保持する状態番号STに対応した確率推定テーブル2
24a,224b又は224cの内容(LPSの確率領
域の大きさLSZ及び状態遷移情報NMPS,NLP
S,Switch)を保持する。レジスタ236から出力され
るNLPS値は、確率推定テーブル224bのアドレス
として入力され、NMPS値は確率推定テーブル224
cのアドレスとして入力される。なお、図3、図4中に
示したレジスタは全て同一のシステムクロックで動作す
る。
【0068】選択器238は、検出器214の出力に基
づき、レジスタ228,230,232,234の出力
を当該選択器238の出力として選択する。例えば、検
出器214の出力に基づいて生成されるデュアルポート
メモリ216の読み出し信号Rがアクティブになった次
のシステムクロックサイクルでは、レジスタ228の出
力、すなわちデュアルポートメモリ216から読み出さ
れたデータを選択する。他方、EQ23=1の時、すな
わち、コンテクストデータCX2とCX3が同じ場合に
は、レジスタ234の出力を選択する。また、EQ23
=0且つEQ24=1の時、すなわち、コンテクストデ
ータCX2とCX3が異なり、CX2とCX4が等しい
場合には、レジスタ230の出力を選択する。また、E
Q23=0且つEQ24=0且つdl_EQ14=1の
時、すなわち、コンテクストデータCX2とCX3が異
なり、CX2とCX4も異なり、EQ14を記憶するレ
ジスタの出力が1の場合には、レジスタ232の出力を
選択する。そして、選択器238の出力の状態番号部S
T0は、確率推定テーブル224aのアドレス入力とな
る。
【0069】符号出力及び状態番号更新演算部246で
は、レジスタ236からのLPSの確率領域幅LSZと
予測変換処理部222からの予測誤差値から、算術符号
化演算を行い符号出力を行うとともに、状態番号の更新
演算を行う。排他的論理和回路250は、レジスタ23
6から出力される Switch 情報が1の時、レジスタ23
4から出力されるMPS値を反転する。また、選択器2
40では、レジスタ234から出力されるMPS値とS
T値の信号(MPS,ST)と、レジスタ234から出
力される信号(MPS,ST)の内のMPS値とレジス
タ236から出力されるNMPS値を合わせた信号(M
PS,NMPS)と、排他的論理和回路250から出力
されるMPS’値とレジスタ236から出力されるNL
PS値を合わせた信号(MPS’,NLPS)とから当
該選択器240の出力信号を選択する。そして、選択器
240において選択されたデータはレジスタ230に保
持される。
【0070】書き込みデータ選択回路248では、予測
変換処理部222からの予測誤差値と符号出力および状
態番号更新演算部246の演算結果に基づき、選択器2
40の選択信号(sel_wdt)を生成する。例え
ば、予測誤差が0でA−LSZ<0x8000ならば
(MPS,NMPS)を、予測誤差が0でA−LSZ>
=0x8000ならば(MPS、ST)を、予測誤差1
ならば(MPS’,NLPS)をそれぞれ選択する。な
お、具体的な算術処理は、従来技術の項で示した方式と
同じ方式のものを適用でき、当該演算処理の詳細な説明
はここでは省略する。
【0071】選択器242においては、選択器238の
出力(MPS0,ST0)と、選択器240の出力との
一方を選択し、該選択された出力はレジスタ234に保
持される。ここで、選択器242の選択動作を制御する
選択信号は、検出器214の出力信号EQ23に基づい
て生成される。例えば、EQ23=0の時、すなわち、
コンテクストバッファ212に保持されているコンテク
ストデータCX2とCX3が等しくない場合、コンテク
ストデータCX2に対応する更新済みの最新の状態番号
はレジスタ228,230,232のいずれかに保持さ
れ、実際のレジスタの選択は選択器238で行われてい
るため、選択器242は選択器238の出力を選択す
る。一方、EQ23=1の時、すなわち、コンテクスト
データCX2とCX3が等しい場合、コンテクストデー
タCX2と同一値のコンテクストデータCX3に対する
状態番号STはレジスタ234に保持されており、該状
態番号STに対応する状態遷移先番号とMPS値(コン
テクストデータCX2に対する状態番号、MPS値)が
ST,NLPS,NMPSの何れになるか選択器240
にて選択中である。そこで、選択器240の出力を選択
し、コンテクストデータCX3に対する状態番号の更新
と同時に、その更新値をコンテクストデータCX2に対
する状態番号としてレジスタ234に保持する。
【0072】選択器244においては、確率推定テーブ
ル224aの出力と、確率推定テーブル224bの出力
と、確率推定テーブル224cの出力との中から1つが
選択され、選択されたデータはレジスタ236に保持さ
れる。選択器244の選択動作を制御する選択信号は、
検出器214の出力EQ23と書込みデータ選択回路2
48の出力(sel_wdt)に基づいて生成される。
例えば、EQ23=0の時、すなわち、コンテクストバ
ッファ212に保持されているコンテクストデータCX
2とCX3が等しくない場合には、コンテクストデータ
CX2に対応する更新済みの最新の状態番号はレジスタ
228,230,232の何れかに保持されており、実
際のレジスタの選択は選択器238で行われ、選択器2
38の出力は確率推定テーブル224aのアドレス入力
となっているため、選択器244は確率推定テーブル2
24aの出力を選択する。
【0073】一方、EQ23=1の時、すなわち、コン
テクストバッファ212に保持されているコンテクスト
データCX2とCX3が等しい場合には、コンテクスト
データCX2と同一値のコンテクストデータCX3に対
する状態番号STは、レジスタ234に保持されてお
り、該状態番号STに対応する状態遷移先番号(コンテ
クストCX2に対する状態番号)がST,NLPS,N
MPSの何れになるか選択器240にて選択中である。
そこで、コンテクストデータCX3の状態遷移先番号の
選択処理に並行して、コンテクストデータCX2の状態
番号に対応したLPSの確率領域の大きさLSZ及び状
態遷移情報を求める。
【0074】すなわち、コンテクストデータCX2の状
態番号はST、NLPS、NMPSの何れかになるの
で、レジスタ234から出力されるSTが確率推定テー
ブル224aのアドレス入力となるように選択器238
にてレジスタ234の出力を選択する。そして、レジス
タ236から出力されるNLPSとNMPSをそれぞれ
確率推定テーブル224bと確率推定テーブル224c
のアドレス入力とし、確率推定テーブル224a、確率
推定テーブル224b、確率推定テーブル224cから
の読み出しデータをsel_wdt信号に基づいて選択
器244にて選択する。最終的に、選択器240におい
て(MPS,ST)が選択されると、選択器244では
確率推定テーブル224aの出力を選択し、選択器24
0において(MPS’,NLPS)が選択されると、選
択器244では確率推定テーブル224bの出力を選択
し、選択器240において(MPS,NMPS)が選択
されると、選択器244では確率推定テーブル224c
の出力を選択する。
【0075】次に、上記実施例の動作例を、図5に示す
タイミングチャートに沿って説明する。図5において、
CX1〜CX4はコンテクストバッファ212に保持さ
れているコンテクストデータであり、CX1はデュアル
ポートメモリ216の読み出しアドレス、CX4はデュ
アルポートメモリ216の書込みアドレスとして入力さ
れる。また、読み出し信号Rと書込み信号Wは、共にH
IGHの状態がアクティブを示す信号である。
【0076】最初に、コンテクスト#4に対する処理を
考える。Cycle 1 では、コンテクスト#4はデュアルポ
ートメモリ216の読み出しアドレス(CX1)になっ
ており、コンテクストバッファ212に先に入力された
コンテクスト#3〜#1の何れとも異なる(#4≠#
3,#4≠#2,#4≠#1)。すなわち、検出器21
4の出力において、EQ12=EQ13=EQ14=0
となり、リード/ライト制御部218の読み出し信号R
がアクティブになる。その結果、デュアルポートメモリ
216から対応するデータ、すなわち、コンテクスト#
4の状態番号ST,MPS値が読み出され、Cycle 2 で
レジスタ228に保持される。Cycle 2 においては、E
Q23=EQ24=dl_EQ14=0(#4≠#3、
#4≠#2、#4≠#1)なので、選択器238はレジ
スタ228の出力を選択し、コンテクスト#4を確率推
定テーブル224aのアドレス入力とする。選択器24
2も、EQ23=0(#4≠#3)であるため、選択器
238の出力、すなわち、レジスタ228の出力を選択
する。選択器244もEQ23=0(#4≠#3)であ
るため、確率推定テーブル224aの出力を選択する。
【0077】次に、Cycle 3 において、選択器242の
出力はコンテクスト#4の状態番号としてレジスタ23
4に保持される。選択器244の出力は、コンテクスト
#4の状態遷移情報およびLPSの確率領域幅LSZと
してレジスタ236に保持される。そして、符号出力及
び状態番号更新演算部246は、これらレジスタ23
4,236が保持するデータに基づき、所定の演算処理
を行うとともに、選択器240に対してコンテクスト#
4の状態番号STの更新選択を指示する。
【0078】Cycle 4 では、選択器240の出力がコン
テクスト#4の新しい状態番号/MPS値としてレジス
タ230に保持される。この時、デュアルポートメモリ
216の書込みアドレス(CX4)としてコンテクスト
#4が入力されるが、EQ34=1、すなわち、コンテ
クスト#4と同一値のコンテクスト#5が次の Cycle5
で書込みアドレスとして入力されるため、Cylce 4 では
デュアルポートメモリ216へのデータ書込みは行わな
い。
【0079】次に、コンテクスト#5に対する処理を考
える。コンテクスト#5は、Cycle2 でデュアルポート
メモリ216の読み出しアドレス(CX1)になってい
るが、コンテクストバッファ212に先に入力されてい
るコンテクスト#4と同一値である(#5=#4)。す
なわち、検出器214の出力において、EQ12=1と
なるため、リード/ライト制御部218の読み出し信号
Rが非アクティブになり、データの読み出しは行われな
い。
【0080】Cycle 3 では、EQ23=1となっている
ため、選択器238はコンテクスト#4の状態番号を保
持しているレジスタ234の出力を選択し、選択器24
2はコンテクスト#5の状態番号となるコンテクスト#
4の状態遷移先を選択している選択器240の出力を選
択する。選択器244は、確率推定テーブル224aの
出力か、確率推定テーブル224bの出力か、確率推定
テーブル224cの出力を選択する。何れの出力を選択
するかは、前述したようにコンテクスト#4の状態遷移
先の決定にリンクする。Cycle 3 では、コンテクスト#
4の状態遷移先が決定されるため、同時にコンテクスト
#4と同一値のコンテクスト#5に対する状態番号と状
態遷移情報、およびLPSの確率領域幅LSZも決定す
る。
【0081】Cycle 4 では、Cycle 3 で決定されたコン
テクスト#5に対する状態番号(選択器242の出力)
はレジスタ234に、状態遷移情報、およびLPSの確
率領域幅LSZ(選択器244の出力)はレジスタ23
6に保持される。これらのレジスタ234,236が保
持するデータに基づき、符号出力及び状態番号更新演算
部246は演算処理を行い、選択器240にコンテクス
ト#5の状態番号の更新選択を指示する。
【0082】Cycle 5 では、選択器240の出力がコン
テクスト#5の新しい状態番号/MPS値としてレジス
タ230に保持される。このとき、デュアルポートメモ
リ216の書込みアドレス(CX4)としてコンテクス
ト#5が入力されているが、EQ24=1、つまりコン
テクスト#5と同一値のコンテクスト#7が2サイクル
後の Cycle 7 で書込みアドレス(CX4)として入力
されるため、Cycle 5ではデュアルポートメモリ216
へのデータ書込みは行わない。
【0083】次に、コンテクスト#6に対する処理を考
える。Cycle 3 では、コンテクスト#6はデュアルポー
トメモリ216の読み出しアドレス(CX1)になって
いるが、コンテクストバッファ212に先に入力されて
いるコンテクスト#3と同一値である(#6=#3、#
6≠#5、#6≠#4)。すなわち、検出器214の出
力において、EQ14=1となるため、リード/ライト
制御部218の読み出し信号Rが非アクティブになり、
デュアルポートメモリ216からのデータの読み出しは
行われない。
【0084】Cycle 4 では、dl_EQ14=1、EQ
24=0となっているため、コンテクスト#6の状態番
号であるコンテクスト#3の更新の状態番号(なぜな
ら、#6=#3)を保持しているレジスタ232の出力
が選択器238によって選択され、確率推定テーブル2
24aのアドレス入力となる。EQ23=0(#6≠#
5)であるため、選択器242は選択器238の出力、
すなわちレジスタ232の出力を選択する。また、EQ
23=0(#6≠#5)であるため、選択器244は確
率推定テーブル224aの出力を選択する。
【0085】Cycle 5 において、選択器242の出力は
コンテクスト#6の状態番号としてレジスタ234に保
持される。選択器244の出力は、コンテクスト#6の
状態遷移情報およびLPSの確率領域幅LSZとしてレ
ジスタ236に保持される。これらのレジスタ234,
236が保持するデータに基づき、符号出力及び状態番
号更新演算部246は演算処理を行い、選択器240に
コンテクスト#6の状態番号の更新選択を指示する。
【0086】Cycle 6 では、選択器240の出力がコン
テクスト#6の新しい状態番号/MPS値としてレジス
タ230に保持される。このとき、デュアルポートメモ
リ216の書込みアドレス(CX4)としてコンテクス
ト#6が入力されるが、EQ24=1、すなわち、コン
テクスト#6と同一値のコンテクスト#8が2サイクル
後の Cycle 8 で書込みアドレス(CX4)として入力
されるため、Cycle 6ではデュアルポートメモリ216
へのデータ書込みは行われない。
【0087】次に、コンテクスト#7に対する処理を考
える。Cycle 4 では、コンテクスト#7はデュアルポー
トメモリ216の読み出しアドレス(CX1)になって
いるが、コンテクストバッファ212に先に入力されて
いるコンテクスト#5と同一値である(#7=#5,#
7≠#6,#7≠#4)。すなわち、検出器214の出
力において,EQ13=1となるため、リード/ライト
制御部218の読み出し信号Rが非アクティブになり、
デュアルポートメモリ216からのデータの読み出しは
行われない。
【0088】Cycle 5 では、EQ24=1、EQ23=
0となっているため、コンテクスト#7の状態番号であ
るコンテクスト#5の更新後の状態番号(なぜなら、#
7=#5)を保持しているレジスタ230の出力が選択
器238によって選択され、確率推定テーブル224a
のアドレス入力となる。EQ23=0(#7≠#6)で
あるため、選択器242は選択器238の出力、すなわ
ちレジスタ230の出力を選択する。EQ23=0(#
7≠#6)であるため、選択器244は確率推定テーブ
ル224aの出力を選択する。
【0089】Cycle 6 においては、選択器242の出力
がコンテクスト#7の状態番号としてレジスタ234に
保持される。選択器236の出力は、コンテクスト#7
の状態遷移情報およびLPSの確率領域幅LSZとして
レジスタ236に保持される。これらのレジスタ23
4,236が保持するデータに基づき、符号出力及び状
態番号更新演算部246は演算処理を行い、選択器24
0にコンテクスト#7の状態番号の更新選択を指示す
る。
【0090】Cycle 7 では、選択器240の出力がコン
テクスト#7の新しい状態番号/MPS値としてレジス
タ230に保持される。このとき、デュアルポートメモ
リ216の書込みアドレス(CX4)としてコンテクス
ト#7が入力されるが、EQ24=1、すなわち、コン
テクスト#7と同一値のコンテクスト#9が2サイクル
後の Cycle 8 で書込みアドレス(CX4)として入力
されるため、Cycle 6ではデュアルポートメモリ216
へのデータの書込みは行われない。
【0091】デュアルポートメモリ216へのデータの
書込みは Cycle 1 で見られるように、書込みアドレス
となっているコンテクストCX4が、コンテクストバッ
ファ212に記憶されている他のコンテクストのいずれ
とも異なる時(EQ14=EQ24=EQ34=0)に
行われる。
【0092】以上に述べたような動作を繰り返しながら
符号化対象シンボルに対応するコンテクストの状態番号
STとMPS値を更新しながら符号出力を行う。図5に
示したタイミングチャートを簡略化すると図6のように
なる。図6より分かるように、本実施例においては、別
々の符号化対象シンボルのコンテクストに対して、デュ
アルポートメモリ216(状態番号/優勢シンボル記憶
部)の読み出しと、確率推定テーブルの検索、状態番号
/MPS値の更新演算と、デュアルポートメモリ216
(状態番号/優勢シンボル記憶部)への書込みの処理と
を並行して同時に行うことができる。
【0093】図7は、本発明の第2実施例にかかる復号
化装置の構成を示す。この復号化装置は、図2に示した
符号化装置に対応するものであり、当該符号化装置によ
って符号化された符号データを元の画像データに復号す
る装置である。本実施例の復号化装置は、シンボル系列
記憶部308と、画像参照シンボル選択部310と、コ
ンテクストバッファ312と、検出器314と、デュア
ルポートメモリ(状態番号/優勢シンボル記憶部)31
6と、リード/ライト制御部318と、算術復号化部3
20と、逆予測変換処理部322と、3つの確率推定テ
ーブル324a,324b,324cとを備えている。
この復号化装置は、図2の符号化装置と殆ど同じ構成で
あり、重複した説明を避けるため、上記実施例の符号化
装置と同一の構成要素についての詳細な説明は省略す
る。
【0094】確率推定テーブル324a,324b,3
24cは、コンテクストの各状態においてLPSに対し
てどの程度の確率領域を割り当てるのが最適か、正規化
が発生した場合の状態遷移先としてはどの状態番号が適
当かを統計的に求めて作成されたテーブルであり、符号
化装置の確率推定テーブル224a,224b,224
cと同一である。また、デュアルポートメモリ316
は、符号化装置におけるデュアルポートメモリ216と
同様なフォーマットおよびデータを持つ記憶装置であ
る。
【0095】算術復号化部320には、入力符号データ
と、デュアルポートメモリ316から読み出された状態
番号/MPS値と、確率推定テーブル(324a,32
4b又は324c)から読み出されたLPSの出現確率
領域幅LSZ/状態遷移情報が供給される。そして、こ
れらの情報に基づき、復号化対象シンボルがそのコンテ
クストにおいてMPSであったかLPSであったかの情
報と、該コンテクストのMPS値を逆予測変換処理部3
22に出力すると共に、該コンテクストの状態番号/M
PS値の更新を行う。
【0096】逆予測変換処理部322は、算術復号化部
320からの出力信号に基づき、復号化シンボルを出力
する。逆予測変換処理部322から出力された復号化シ
ンボルは、シンボル系列記憶部308に記憶される。
【0097】図8は、算術復号化部320の構成を示
す。本実施例の算術復号化部320は、5つのレジスタ
328,330,332,334,336と、4つの選
択器(マルチプレクサ)338,340,342,34
4と、符号入力及び状態番号更新演算部346と、書き
込みデータ選択回路348と、排他的論理和回路350
とを備えている。この算術復号化部320は、図4の算
術符号化部220と殆ど同じ構成であり、重複した説明
を避けるため、上記実施例の算術符号化部220と同一
の構成要素についての説明は省略する。図4に示した算
術符号化部220と異なるのは、符号入力及び状態番号
更新演算部346と書込みデータ選択回路348であ
る。
【0098】書込みデータ選択回路348は、符号入力
及び状態番号更新演算部346による演算結果に基づい
て、選択器340の選択動作の制御用の選択信号を生成
する。各復号化対象シンボルのコンテクストに対する状
態番号とMPS値の更新動作は、符号化装置の場合の符
号化対象シンボルに対する状態番号とMPS値の更新動
作と同様である。なお、以上のように示した復号化装置
の算術処理動作は、従来技術の項で示した方式と同じ方
式のものを適用でき、ここでは、算術復号化の演算処理
の詳細については省略する。
【0099】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に示された本発明の技術的思想とし
ての要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
すなわち、本発明は算術方式の符号化や復号化装置に限
定されるものではなく、画像データに対して所定の変換
処理を行う種々の装置に適用可能である。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
画像データの種類に関わらず、画像データの変換処理の
速度の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の画像変換処理装置の基本概念
を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施例にかかる適応型算
術符号化装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、図2に示す第1実施例の要部(コンテ
クストバッファ)の構成を示す概略ブロック図である。
【図4】図4は、第1実施例の要部(算術符号化部)の
詳細な構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、第1実施例における詳細な動作を示す
タイミングチャートである。
【図6】図6は、第1実施例の全体的な概略動作を示す
タイムチャートである。
【図7】図7は、本発明の第2実施例にかかる適応型算
術復号化装置の構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、第2実施例の要部(算術復号化部)の
詳細な構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、本発明の背景技術を示す概略ブロック
図である。
【図10】図10は、従来の適応型算術符号化装置の構
成を示すブロック図である。
【図11】図11は、図10に示す従来の適応型算術符
号化装置の状態番号/優勢シンボル記憶部の記憶データ
の内容を示す説明図である。
【図12】図12は、算術符号化装置(復号化装置)に
おける確率領域減算処理の概念を示す説明図である。
【図13】図13は、算術符号化装置(復号化装置)に
おける条件付き交換処理及び正規化処理の概念を示す説
明図である。
【図14】図14は、算術符号化装置(復号化装置)に
おいて、MPS(優勢シンボル)が連続して発生した場
合におけるLPS(劣勢シンボル)の領域幅LSZが比
較的大きい場合の減算処理及び正規化処理の概念を示す
説明図である。
【図15】図15は、算術符号化装置(復号化装置)に
おいて、MPS(優勢シンボル)が連続して発生した場
合におけるLPS(劣勢シンボル)の領域幅LSZが比
較的小さい場合の減算処理及び正規化処理の概念を示す
説明図である。
【図16】図16は、算術符号化装置(復号化装置)に
おいて、LPS(劣勢シンボル)が連続して発生した場
合におけるLPS(劣勢シンボル)の領域幅LSZが比
較的大きい場合の減算処理及び正規化処理の概念を示す
説明図である。
【図17】図17は、算術符号化装置(復号化装置)に
おいて、LPS(劣勢シンボル)が連続して発生した場
合におけるLPS(劣勢シンボル)の領域幅LSZが比
較的小さい場合の減算処理及び正規化処理の概念を示す
説明図である。
【図18】図18は、従来の適応型算術復号化装置の構
成を示すブロック図である。
【図19】図19は、図9及び図18に示す従来の適応
型算術符号化装置(復号化装置)の動作を示すタイミン
グチャートである。
【符号の説明】
200・・・記憶部 202・・・変換処理ユニット 204・・・制御部 210,310・・・画像参照シンボル選択部 212,312・・・コンテクストバッファ 214,314・・・検出器 216,316・・・デュアルポートメモリ 218,318・・・リード/ライト制御部 220・・・算術符号化部 222・・・予測変換処理部 224a,224b,224c,324a,324b,
324c・・・確率推定テーブル 228,230,232,234,236,328,3
30,332,3343,336・・・レジスタ 238,240,242,244,338,340,3
42,344・・・選択器 248,348・・・書き込みデータ選択回路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−311045(JP,A) 特開 平8−317226(JP,A) 特開 平7−15349(JP,A) 特開 平5−67978(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/41 - 1/419 H03M 7/40

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像データの符号化処理に用いられる所定
    の符号化情報を記憶し、当該符号化情報の読み出し及び
    書き込みを同時に実行可能な記憶手段と; 前記記憶手段から読み出された符号化情報を用いて入力
    画像データを符号化するとともに、当該符号化情報を必
    要に応じて更新する手段と; 前記記憶手段からの前記符号化情報の読み出し、及び更
    新された前記符号化情報の前記記憶手段への書き込みを
    制御する制御手段と; 前記入力画像データを複数保持する入力データ保持手段
    と; 前記入力データ保持手段に保持された複数の入力画像デ
    ータを比較する比較手段とを備え、 前記制御手段は、前記比較手段による比較の結果、最新
    の入力画像データが既に入力されている他の画像データ
    と同じ場合には、前記記憶手段から当該最新の入力画像
    データの符号化情報の読み出しを行わず、既に読み出さ
    れ、必要に応じて更新された符号化情報を用いて算術符
    号化を行うことを特徴とする符号化装置。
  2. 【請求項2】前記記憶手段は、少なくとも2系統からア
    クセス可能なマルチポートメモリであることを特徴とす
    る請求項1に記載の符号化装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の符号化装置によって符号
    化された符号データを元の画像データに復号化する復号
    化装置において、 復号化処理に用いられる所定の復号化情報を記憶し、当
    該復号化情報の読み出し及び書き込みを同時に実行可能
    な記憶手段と; 前記記憶手段から読み出された復号化情報を用いて前記
    符号データを復号化するとともに、当該復号化情報を必
    要に応じて更新する手段と; 前記記憶手段からの前記復号化情報の読み出し、及び更
    新された前記復号化情報の前記記憶手段への書き込みを
    制御する制御手段と; 前記復号化された画像データを複数保持するデータ保持
    手段と; 前記データ保持手段に保持された複数の画像データを比
    較する比較手段とを備え、 前記制御手段は、前記比較手段による比較の結果、最新
    の画像データが既に入力されている他の画像データと同
    じ場合には、前記記憶手段から当該最新の画像データの
    復号化情報の読み出しを行わず、既に読み出され、必要
    に応じて更新された復号化情報を用いて算術復号化を行
    うことを特徴とする復号化装置。
  4. 【請求項4】前記記憶手段は、少なくとも2系統からア
    クセス可能なマルチポートメモリであることを特徴とす
    る請求項3に記載の復号化装置。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の符号化装置と請求項3に
    記載の復号化装置を備えたことを特徴とする符号化・復
    号化装置。
  6. 【請求項6】情報源のシンボル系列の予め定められた位
    置の複数の参照シンボルを用い、符号化対象シンボルに
    対するコンテクストを生成する手段と; 読み出し及び書き込みを同時に行い得る構成を有し、前
    記コンテクスト毎に、所定の算術パラメータに関する状
    態データ及び前記符号化対象シンボルの予測値とを記憶
    する記憶手段と; 順次入力される複数の符号化対象シンボルに対応する複
    数のコンテクストを一時的に保持する保持手段と; 前記保持手段に保持されている複数のコンテクストを比
    較する第1の比較手段と; 前記記憶手段から読み出された前記符号化対象シンボル
    の予測値と実際の符号化対象シンボルの値とを比較する
    第2の比較手段と; 前記記憶手段から読み出された状態データ及び前記第2
    の比較手段による比較の結果に基づき、前記符号化対象
    シンボルの符号化と、当該符号化対象シンボルに対する
    コンテクストの状態データ及び予測値の更新とを行う算
    術符号化手段と; 前記第1の比較手段の比較の結果に基づいて、前記記憶
    手段に記憶された前記状態データ及び予測値の読み出し
    と、前記算術符号化手段によって更新された前記状態デ
    ータ及び予測値の書き込みとの制御を行うメモリアクセ
    ス制御手段とを備え、 前記メモリアクセス制御手段は、前記第1の比較手段の
    比較の結果、最新の入力画像データが既に入力されてい
    る他の画像データと同じ場合には、前記記憶手段から当
    該最新の入力画像データに対する前記状態データ及び予
    測値の読み出しを行わず、既に読み出され、必要に応じ
    て更新された状態データ及び予測値を用いて符号化処理
    を行うことを特徴とする符号化装置。
  7. 【請求項7】前記記憶手段に記憶されている各コンテク
    スト毎の状態データに対応した確率領域幅と、当該状態
    データの更新後の値を示す状態遷移先情報とを記憶する
    第1の情報テーブルを更に備え、 前記算術符号化手段は、前記第1の情報テーブルから読
    み出された確率領域幅及び状態遷移先情報と、前記第2
    の比較手段による比較の結果とに基づいて、前記符号化
    対象シンボルの符号化と、当該符号化対象シンボルに対
    するコンテクストの状態データ及び予測値の更新とを行
    うことを特徴とする請求項6に記載の符号化装置。
  8. 【請求項8】前記記憶手段から読み出された状態データ
    及び予測値を保持する第1のレジスタと; 前記算術符号化手段によって更新された状態データ及び
    予測値を保持する第2のレジスタと; 前記第2のレジスタの出力を保持する第3のレジスタ
    と; 前記第1の比較手段の比較結果に基づいて、前記第1,
    第2又は第3のレジスタの出力を選択する第1の選択器
    とを備え、 前記第1の選択器の出力を前記第1の情報テーブルのア
    ドレスとすることを特徴とすることを特徴とする請求項
    7に記載の符号化装置。
  9. 【請求項9】n番目に入力されたコンテクストに対応す
    る状態データを前記第1の情報テーブルのアドレスとし
    た場合に、n−1番目に入力されたコンテクストの状態
    データを保持する第4のレジスタと; 前記n−1番目のコンテクストの確率領域幅と遷移情報
    を保持する第5のレジスタと; 前記第1の情報テーブルと同一の構成を有し、前記第5
    のレジスタが保持している遷移情報をアドレスとする第
    2の情報テーブルとを更に備え、 前記算術符号化手段は、前記第1の比較手段による比較
    の結果、前記n番目とn−1番目のコンテクストとが同
    一の場合に、前記第2の情報テーブルの情報を用いて前
    記n番目のコンテクストの処理を行うことを特徴とする
    請求項7又は8に記載の符号化装置。
  10. 【請求項10】前記第2の情報テーブルは、互いに等し
    い内容の情報を記憶した複数の情報テーブルから成り、 前記制御手段は、前記第1及び第2の比較手段の比較結
    果に基づいて、前記第2の情報テーブル内の複数の情報
    テーブルと前記第1の情報テーブルとの中で何れのテー
    ブルを前記n番目のコンテクストの処理に利用するかを
    選択制御することを特徴とする請求項9に記載の符号化
    装置。
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