JP3223992U - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィット性及びムレ防止性に優れる吸収性物品を提供する。【解決手段】吸収体4は、中間部の横方向Yの中央部に、前後部に比して厚みが大きく且つ肌対向面側に隆起した中高部43を有すると共に、中高部の後方に、縦方向Xに延びる後方スリットR1が複数分散配置された後方スリット領域RSを有する。後方部における吸収性本体の非肌対向面に、吸収性本体を着衣に固定するズレ止め部8が、後方スリット領域RSを通って縦方向Xに延びるように配されている。平面視において、ズレ止め部は、少なくとも後方スリット領域において縦方向の最前方に位置する最前方後方スリットR1aと重なっていない。【選択図】図4

Description

本考案は、生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。
生理用ナプキン等の吸収性物品として、着用時に着用者の肌と対向する肌対向面とは反対側の非肌対向面、即ち着用時にショーツ等の着衣と対向する着衣対向面にズレ止め部が設けられ、該ズレ止め部を介して着衣に固定されるようになされているものが知られている。例えば特許文献1には、吸収体を備えた吸収性本体の非肌対向面に、ズレ止め部の配置領域を縦方向に2カ所離間配置し、各配置領域において、縦方向に延びる一対のズレ止め部を横方向に離間配置することが記載されている。また特許文献2には、吸収性物品を横方向に三等分したときに、その中央領域にはズレ止め部を設けずに、中央領域の両側に位置するサイド領域に縦方向に延びるズレ止め部を設けることが記載されている。また特許文献3には、吸収体の縦方向に沿う両側部に分断部を設けることによって該吸収体が縦方向に伸長可能になされた吸収性物品において、ズレ止め部が該分断部を跨がないように配することが記載されている。尚、縦方向は吸収性物品の着用者の前後方向に対応する方向、横方向は該縦方向に直交する方向である。
また、生理用ナプキン等の吸収性物品には、経血等の排泄物の漏れを抑制するため、着用者の身体形状に沿うように変形し、着用者の肌にフィット性良く密着することが望まれている。斯かる要望に応え得る技術として、吸収性物品の構成部材の中でも特に剛性の高い吸収体に、スリットや開口を形成する技術が知られている。本出願人は、先に、吸収体の排泄部対向部における中間部に、縦スリットが分散して形成された中間スリット領域と、吸収体の後方部に、横方向に延びる後方スリットが縦方向に間欠的に配されて形成された後方スリット領域とを有する吸収性物品を提案した(特許文献4)。特許文献4に記載の吸収性物品によれば、深い折れ皺やヨレが発生し難く、フィット性が向上し、着用感が向上する。
特開2016−67821号公報 特開2013−375号公報 特開2009−153734号公報 特開2015−23999号公報
吸収性物品には、着用時に着用者の肌に密着して隙間を生じ難く、該隙間からの液漏れを効果的に防止し得ることが望まれている。特に、厚みの薄い薄型の吸収性物品は、着用者の就寝時などにおいて、臀部に対するフィット性が不十分である場合が多く、その改良が望まれている。また、吸収性物品においては、吸収体に吸収保持された経血等の排泄液に含まれる水分が、着用者の体温によって肌対向面側から蒸発して水蒸気として着用者の肌側に排出され、その結果、着用中の吸収性物品の内部空間、即ち着用者の肌と吸収性物品の肌対向面との間がムレた状態となり、それによって、かゆみ、カブレ等の肌トラブルが生じる場合がある。厚みの薄い薄型の吸収性物品であってもフィット性に優れ、しかもムレや肌トラブルを効果的に防止し得る吸収性物品は未だ提供されていない。
本考案の課題は、フィット性及びムレ防止性に優れる吸収性物品を提供することに関する。
本考案は、着用者の前後方向に相当する縦方向とこれに直交する横方向とを有し、液保持性の吸収体と該吸収体の肌対向面側に配置された表面シートとを具備する吸収性本体を備えた吸収性物品であって、前記吸収性物品は、着用時に着用者の排泄部と対向する部分を含む中間部と、該中間部より前方に位置する前方部と、該中間部より後方に位置する後方部とに区分され、前記吸収体は、前記中間部の横方向中央部に、その前後部に比して厚みが大きく且つ肌対向面側に隆起した中高部を有すると共に、該中高部の後方に、縦方向に延びる後方スリットが複数分散配置された後方スリット領域を有し、前記後方部における前記吸収性本体の非肌対向面に、該吸収性本体を着衣に固定するズレ止め部が、前記後方スリット領域を通って縦方向に延びるように配されており、平面視において、前記ズレ止め部は、少なくとも前記後方スリット領域において縦方向の最前方に位置する前記後方スリットとは重なっていない吸収性物品を提供するものである。
本考案によれば、フィット性に優れ、着用者の肌に密着して隙間を生じ難く、該隙間からの液漏れを効果的に防止し、且つムレ防止性にも優れ、かゆみ、カブレ等の肌トラブルを起こし難い吸収性物品が提供される。
図1は、本考案の吸収性物品の一実施形態である生理用ナプキンの肌対向面側(表面シート側)を模式的に示す平面図である。 図2は、図1のI−I線断面を模式的に示す横断面図である。 図3は、図1のII−II線断面を模式的に示す横断面図である。 図4は、図1に示す生理用ナプキンにおける吸収体の肌対向面側を、該生理用ナプキンの非肌対向面に配されたズレ止め部と共に模式的に示す平面図である。
以下、本考案の吸収性物品をその好ましい実施形態に基づき図面を参照して説明する。図1〜図3には、本考案の吸収性物品の一実施形態である生理用ナプキン1が示されている。ナプキン1は、図1に示すように、着用者の前後方向に対応し、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向Xと、これに直交する横方向Yとを有し、着用時に着用者の排泄部(膣口等)と対向する部分即ち排泄部対向部を含む中間部Mと、該中間部Mより前方に位置して着用者の腹側(前側)に配される前方部Fと、該中間部Mより後方に位置して着用者の背側(後側)に配される後方部Rとに区分される。前記排泄部対向部は中間部Mの横方向Yの中央部に位置する。
ナプキン1は、図1に示すように、縦方向に長い形状の吸収性本体10と、吸収性本体10における中間部Mの縦方向Xに沿う両側部それぞれから横方向Yの外方に延出する一対のウイング部10W,10Wとを有している。本考案の吸収性物品における中間部Mは、ナプキン1のように吸収性物品がウイング部を有する場合には、該吸収性物品の縦方向(長手方向、図中のX方向)においてウイング部の縦方向Xにおける前方側の付け根と後方側の付け根とで区分される領域であり、ナプキン1を例にとれば、図2に示すように、一対のウイング部10W,10Wそれぞれの縦方向Xに沿う前方側の付け根どうしを結んで横方向Yに延びる仮想直線が中間部Mの前端、後方側の付け根どうしを結んで横方向Yに延びる仮想直線が中間部Mの後端である。また、ウイング部を有しない吸収性物品における中間部は、吸収性物品が個装形態に折り畳まれた際に生じる、該吸収性物品を横方向(幅方向、図中のY方向)に横断する2本の折り畳み線について、該吸収性物品の縦方向の前端から数えて第1折り畳み線と第2折り畳み線とに囲まれた領域を意味する。
ナプキン1は、液保持性の吸収体4及び該吸収体4の肌対向面側に配置された表面シート2を具備する。より具体的には、ナプキン1を構成する吸収性本体10は、肌対向面を形成する表面シート2、非肌対向面を形成する裏面シート3、及び両シート2,3間に介在された吸収体4を具備する。吸収性本体10は、縦方向Xにおいて着用者の腹側から順に、前方部F、中間部M及び後方部Rの3つの領域に区分される。縦方向Xは、ナプキン1及び吸収性本体10の長手方向に一致し、横方向Yは、ナプキン1及び吸収性本体10の長手方向に直交する幅方向に一致する。
本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収体4)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌に近い側であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側、即ち相対的に着用者の肌から遠い側に向けられる面である。尚、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、即ち当該吸収性物品の正しい着用位置が維持された状態を意味し、吸収性物品が該着用位置からずれた状態にある場合は含まない。
図2及び図3に示すように、表面シート2は、吸収体4の肌対向面の全域を被覆し、その縦方向Xに沿う両側縁は、吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁と略同位置に存している。一方、裏面シート3は、吸収体4の非肌対向面の全域を被覆し、さらに吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出して、後述する防漏カフ形成用シート5と共にサイドフラップ部10Sを形成している。裏面シート3と防漏カフ形成用シート5とは、吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁からの延出部において、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されている。また、表面シート2及び裏面シート3は、吸収体4の縦方向Xの両端からの延出部において、公知の接合手段によって互いに接合されている。表面シート2及び裏面シート3と吸収体4との間はそれぞれ接着剤によって接合されていても良い。表面シート2、裏面シート3としては、生理用ナプキン等の吸収性物品に従来使用されている各種のもの等を特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2としては、単層又は多層構造の不織布や、開孔フィルム等を用いることができる。裏面シート3としては、透湿性の樹脂フィルム等を用いることができる。
サイドフラップ部10Sは、図1に示すように、中間部Mにおいて横方向Yの外方に向かって大きく張り出しており、これにより吸収性本体10の縦方向Xに沿う左右両側に、一対のウイング部10W,10Wが延設されている。ウイング部10Wは、図1に示す如き平面視において、下底(上底に比して長い辺)が吸収性本体10側に位置する略台形形状を有しており、その非肌対向面には、該ウイング部10Wをショーツ等の着衣に固定するウイング部ズレ止め部(図示せず)が形成されている。ウイング部10Wは、ショーツ等の着衣のクロッチ部の非肌対向面即ち外面側に折り返されて用いられる。また、サイドフラップ部10Sは、後方部Rにおいても横方向Yの外方に向かって大きく張り出しており、これにより吸収性本体10の縦方向Xに沿う左右両側に、一対の後方フラップ部10H,10Hが延設されている。後方フラップ部10Hは、これを着衣に固定する際に折り返されず、その非肌対向面が広げられた状態即ち吸収性本体10の側方に延ばされた状態で、その非肌対向面に形成された後方ズレ止め部(図示せず)を介して、着衣の肌対向面即ち内面に固定される。前記ウイング部ズレ止め部及び前記後方ズレ止め部は、その使用前においてはフィルム、不織布、紙等からなる剥離シート(図示せず)によって被覆されている。
吸収性本体10の肌対向面即ち表面シート2の肌対向面における縦方向Xに沿う両側部には、平面視において吸収体4の縦方向Xに沿う左右両側部に重なるように、一対の防漏カフ形成用シート5,5が吸収性本体10の縦方向Xの略全長に亘って配されている。一対の防漏カフ形成用シート5,5は、それぞれ縦方向Xに延びる接合線51にて、接着剤等の公知の接合手段によって表面シート2に接合されており、接合線51より横方向Yの内方に位置する内側縁部が自由端部となっている。防漏カフ形成用シート5は、例えば、自由端部側を折り返し、その折り返し部分の内部に縦方向Xに延びる防漏カフ形成用弾性部材を配しても良い。このように防漏カフ形成用弾性部材を配すると、防漏カフ形成用弾性部材の収縮力により、折り返し部分が着用者の肌側に向かって起立する、防漏カフが形成されるようになる。このように防漏カフが形成されると、ナプキン1の肌対向面に排泄された経血等の排泄液の横漏れを防止することができる。
吸収体4について説明すると、吸収体4は高吸収性ポリマー及び親水性繊維を含有する。高吸収性ポリマーとしては、一般に粒子状のものが用いられるが、繊維状のものでも良い。粒子状の高吸収性ポリマーを用いる場合、その形状は球状、塊状、俵状又は不定形のいずれでも良い。高吸収性ポリマーとしては、一般に、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合物又は共重合物を用いることができる。また、親水性繊維としては、本来的に親水性の繊維でも良く、あるいは疎水性繊維を親水化処理した繊維でも良いが、前者の繊維が特に好ましい。本来的に親水性の繊維としては、天然系の繊維、セルロース系の再生繊維又は半合成繊維が好ましい例として挙げられ、好ましいものとして、パルプ、レーヨンを例示できる。パルプには、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプなどの木材パルプの他に、木綿パルプ、藁パルプなどの非木材パルプなどがあるが、特に制限されない。また、セルロース繊維の分子内及び/又は分子間を架橋させた架橋セルロース繊維、木材パルプをマーセル化処理して得られるような嵩高性のセルロース繊維を用いても良い。
ナプキン1における吸収体4は、図1〜図3に示すように、着用時に着用者の排泄部に対向配置される中央吸収性シート41と、平面視において中央吸収性シート41と重なる部分及び中央吸収性シート41の周縁から外方に延出する部分を有する本体吸収性シート42とを含んで構成されており、複数枚のシートの積層構造体である。両吸収性シート41,42は何れも、親水性繊維及び高吸収性ポリマーを含有する。
本考案において「吸収性シート」とは、高吸収性ポリマー、親水性繊維等の吸収性材料を含むシート状の吸収構造体を意味し、吸収性材料を積繊してなる積繊体とは区別される。一般に、吸収性シートは、吸収性材料の積繊体に比して厚みが薄く低剛性であるため、吸収性シートを備えた吸収性物品は、厚みが薄い薄型であり、柔軟で着用感に優れ、またコンパクトに折り畳めてハンドリング性にも優れる。斯かる吸収性シートの特長をより有効に活用し、液拡散性、液保持性を十分に備え装着感の良好な吸収性物品を得る観点から、吸収性シートの1枚あたりの無荷重下における厚みは、好ましくは0.1mm以上、さらに好ましくは0.3mm以上、そして、好ましくは2mm以下、さらに好ましくは1.5mm以下である。吸収性シートとしては例えば、特許第2963647号公報、特許第2955223号公報に記載のものを利用することができる。吸収性シートとして好ましいものを例示すると、湿潤状態の高吸収性ポリマーに生じる粘着力や別に添加した接着剤や接着性繊維等のバインダーを介して、構成繊維間や構成繊維と高吸収性ポリマーとの間を結合させてシート状としたものが挙げられる。
中央吸収性シート41は、図1に示すように、中間部M、あるいは中間部M並びに前方部F及び後方部Rそれぞれの中間部M寄りの部分において、ナプキン1又は吸収性本体10の横方向Yの中央部に配されている。また中央吸収性シート41は、図2に示すように、該シート41を折り畳んでなる多層構造をなしている。この中央吸収性シート41の折り畳み多層構造は、1枚の平面視略矩形形状の該シート41が、該シート41を横方向Yに略三等分する位置を通って縦方向Xに延びる2本の折り曲げ線にて同一面側(肌対向面側)に折り曲げられて、いわゆる巻き三つ折り状態に形成されたものであり、該シート41の3層構造を有している。
また、本体吸収性シート42も、図2及び図3に示すように、該シート42を折り畳んでなる多層構造をなしている。この本体吸収性シート42の折り畳み多層構造は、1枚の平面視略矩形形状の該シート42が、縦方向Xに延びる2本の折り曲げ線にて同一面側(非肌対向面側)に折り曲げられ、且つ該シート41の縦方向Xに沿う両端縁どうしが横方向Yの中央部で重ね合わされて形成されたものであり、その両端縁の重ね合わせ部は該シート42の3層構造、該重ね合わせ部以外の部分は該シート42の2層構造を有している。本体吸収性シート42の折り畳み多層構造は、吸収体4の外形を形成している。
このように、ナプキン1における吸収体4は、1枚の本体吸収性シート42の折り畳み構造の内部に、1枚の中央吸収性シート41の折り畳み構造が内包された構成を有しているところ、中間部Mの横方向Yの中央部は、この中央吸収性シート41の折り畳み構造が配されていることによって、その前後部に比して厚みが大きく且つ肌対向面側に隆起した中高部43となっている。ナプキン1では、中高部43はその横方向Yの外方よりも厚みが大きく且つ肌対向面側に隆起している。言い換えれば、ナプキン1では、中高部43はその周辺部よりも厚みが大きく且つ肌対向面側に隆起している。一方、吸収体4における中高部43以外の部位は、中央吸収性シート41の折り畳み構造が無く、本体吸収性シート42の折り畳み構造を含んで構成されており、中高部43に比して厚みの小さい標準吸収部44となっている。
中高部43は、図1に示すように、平面視において長方形形状をなし、その長手方向を縦方向Xに一致させて、中間部Mの横方向Yの中央部に配されている。但し、中高部43の平面視形状は任意に選択可能であり、長方形形状に限定されない。中高部43の縦方向Xの長さは、好ましくは55mm以上、さらに好ましくは75mm以上、そして、好ましくは150mm以下、さらに好ましくは120mm以下である。また中高部43の横方向Yの長さは、好ましくは20mm以上、さらに好ましくは25mm以上、そして、好ましくは55mm以下、さらに好ましくは50mm以下である。
吸収体4における中高部43の厚みは、好ましくは0.7mm以上、さらに好ましくは1mm以上、そして、好ましくは5mm以下、さらに好ましくは4mm以下である。中高部43の厚みを斯かる範囲とすることで、中高部43が形成されている中間部Mにおける良好な装着感と高い吸収性能を両立することが容易となる。また、ナプキン1のように吸収性物品がウイング部を備えている場合には、装着時に中間部Mでの吸収体4のヨレを抑制しやすくなる。また、吸収体4における標準吸収部44の厚みは、好ましくは0.3mm以上、さらに好ましくは0.5mm以上、そして、好ましくは3mm以下、さらに好ましくは2.5mm以下である。標準吸収部44の厚みを斯かる範囲とすることで、高い吸収性能と着用者の動きへの追従性をより一層高めることが可能となる。吸収体及び吸収性シートの厚みは下記方法により測定される。
<吸収性シート及び吸収体の厚みの測定方法>
測定対象物である吸収性シート又は吸収体を水平な場所にシワや折れ曲がりがないように静置し、5cN/cmの荷重下での厚みを測定する。本考案における厚みの測定には、厚み計PEACOCK DIAL UPRIGHT GAUGES R5-C(OZAKI MFG.CO.LTD.製)を用いた。このとき、厚み計の先端部と測定対象物における測定部分との間に、平面視円形状又は正方形状のプレート(厚さ5mm程度のアクリル板)を配置して、荷重が5cN/cmとなるようにプレートの大きさを調整する。
ナプキン1の後方部Rの肌対向面には、表面シート2及び吸収体4が着用者の肌とは反対側即ち裏面シート3側に一体的に凹陥した溝として、図1に示す如き平面視において、ナプキン1の縦方向Xの後端に向けて凸の凸状をなす外溝6と、該外溝6に囲まれた領域に位置し、ナプキン1の縦方向Xの後端に向けて凸の凸状をなす内溝7とが形成されている。溝6,7は平面視において線状をなしている。ここでいう「線状」とは、溝即ち凹陥部の形状が平面視において直線に限られず、曲線を含んでいることを意味する。線状の溝6,7は、連続線でも破線等のような不連続線でも良い。溝6,7によって、吸収体4の平面方向特に横方向Yの液の拡散が抑制される、吸収体4のヨレが防止される、などの効果が奏され得る。溝6,7は、熱を伴うか又は伴わない圧搾加工、あるいは超音波エンボス等のエンボス加工により常法に従って形成することができる。溝6,7においては、表面シート2及び吸収体4が熱融着等により一体化しており、溝6,7の底部はそれらの周辺部に比して高密度である。
外溝6は、図1に示す如き平面視において、中高部43及び内溝7を包囲する閉じた環状をなし、ナプキン1あるいは吸収体4を横方向Yに二分して縦方向Xに延びる縦中心線CLを基準として左右対称に形成されている。外溝6は、後方部Rのみならず、前方部Fから中間部Mを通って後方部Rにわたって連続している。内溝7は、中高部43より縦方向Xの後方に位置し、縦中心線CLを基準として左右対称に形成され、縦方向Xの後端70に凸の頂部を有し、縦方向Xの前端側即ち中高部43側は開放されている。
図1及び図4に示すように、吸収体4は、中高部43の後方に、縦方向Xに延びる後方スリットR1が複数分散配置された後方スリット領域RSを、縦方向中心線CLを挟んで横方向Yに離間して左右一対有している。後方スリットR1は、吸収体4に形成された切れ目であり、後方スリットR1の形成位置においては吸収体4の形成材料が切断され又は形成材料が他の部位よりも相互に離れて分離されている。ナプキン1においては、後方スリットR1は平面視直線状をなしているが、後方スリットR1の平面視形状はこれに限定されず波線等でも良い。また後方スリットR1は、縦方向Xに延びていれば良く、図示の如く縦中心線CLに対して平行でなくても良く、縦中心線CLとのなす角度が45度未満であれば良い。後方スリット領域RSは、後方スリットR1が存在する領域であり、その領域の範囲は、図4に示すように、縦方向Xの最も前方に位置する後方スリットR1の前方端から最も後方に位置する後方スリットR1の後端までを縦方向長さとし、横方向Yの最も内側に位置する後方スリットR1の内側縁から最も外側に位置する後方スリットR1外側縁までを横方向長さとする平面視四角形の範囲である。
左右一対の後方スリット領域RS,RSそれぞれには、後方スリットR1が1本以上あれば良い。後方スリット領域RSに存する後方スリットR1の数は特に制限されないが、好ましくは2本以上、さらに好ましくは3本以上、そして、好ましくは18本以下、さらに好ましくは14本以下である。後方スリット領域RSが後方スリットR1を複数有している場合、その複数の後方スリットR1は互いに、平面視形状及び縦中心線CLに対する傾斜角度の何れか一方又は両方が同じでも良く、異なっていても良い。また、後方スリット領域RSが後方スリットR1を複数有している場合、その複数の後方スリットR1が縦方向Xに一列に並ぶパターンよりも、図4に示す如き、横方向Yの位置が異なる2本以上の後方スリットR1が存するパターンが好ましい。
ナプキン1では、図4に示すように、後方スリット領域RSにおける複数の後方スリットR1は、平面視形状及び縦中心線CLに対する傾斜角度が互いに同じであり、各後方スリットR1は縦中心線CLに平行に直線で延びている。後方スリット領域RSには6本の後方スリットR1が存しており、その6本の後方スリットR1は縦方向X及び横方向Yの両方向に分散した状態で配され、より具体的には千鳥状に配されている。この後方スリット領域RSにおける後方スリットR1の千鳥状配置は、具体的には、複数(2本)の後方スリットR1が縦方向Xに間欠配置されたスリット列が形成され、且つ該スリット列を横方向Yに投影したときに、該スリット列を構成する後方スリットR1の投影像の間に、該スリット列と横方向Yにおいて隣接する他の後方スリットR1の投影像が配置されるものである。
後方スリットR1は、図3に示すように、吸収体4を構成する吸収性シートの積層体を貫通していることが好ましい。また後方スリットR1は、図3に示すように、吸収体4の上下に配される表面シート2及び裏面シート3には形成されておらず、さらに、表面シート2と吸収体4との間に配されることのある不織布からなる中間シートにも形成されていないことが好ましい。
ナプキン1においては、後方スリット領域RSは、図1及び図4に示すように、縦中心線CLを挟んで両側に一対配されている。即ち、吸収体4における一対の後方スリット領域RS,RSに挟まれた部分(後方部Rの横方向Yの中央部)は、スリット(切れ目)が形成されていない。そのため、吸収体4における一対の後方スリット領域RS,RSに挟まれた部分は、後方スリット領域RSに比して高い剛性を有しており、その結果、後方部R(特に縦方向Xにおいて後方スリット領域RSと同位置にある領域及びその近傍)の可撓軸が、横方向Yの中央部より横方向Yの外側に形成される。そのため、ナプキン1の着用時に、着用者の大腿部により、吸収体4を横方向Yに圧縮する力が加えられた場合、一対の後方スリット領域RS,RSに挟まれた横方向Yの中央部が、着用者の肌側に向かって面を持って隆起し、着用者の臀裂に平面的に且つ安定的に沿うようになる。またこのように、着用者の肌側に隆起変形して着用者の臀裂に沿うようになった部分の横方向Yの両側には後方スリット領域RSが配され、その後方スリット領域RSにおける後方スリットR1にて吸収体4が分断されているため、排泄液の面方向への拡散、特に横方向Yへの拡散が抑制され、これにより液流れや漏れが効果的に防止されるようになる。
このように、後方スリット領域RSが縦中心線CLを挟んで両側に一対配されている(後方部Rの横方向Yの中央部にスリットが形成されていない)ことにより、ナプキン1は、着用者の肌に密着して隙間を生じ難く、該隙間からの液漏れを効果的に防止し得るものとなる。このような、後方スリット領域RSの配置の工夫による作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、一対の後方スリット領域RS,RSの一方と他方との横方向Yにおける間隔が最も狭い部分の間隔d1(図4参照)は、好ましくは8mm以上、さらに好ましくは15mm以上、そして、好ましくは40mm以下、さらに好ましくは30mm以下である。
後方スリット領域RSは、中高部43の後方に位置している。ここでいう「中高部43の後方」には、図1及び図4に示す如く、中高部43と後方スリット領域RSとが縦方向Xに所定距離(図4中符号d2で示す距離)離間した配置形態のみならず、中高部43の縦方向Xの後端部(中高部43の後端43R及びその近傍)と、後方スリット領域RSの縦方向Xの前端部とが重なる配置形態が含まれる。ここでいう、「後方スリット領域RSの縦方向Xの前端部」は、後方スリット領域RSにおいて縦方向Xの最前方に位置する後方スリットR1(以下、「最前方後方スリットR1a」ともいう)の縦方向Xの前端部を意味する。後者の、中高部43と後方スリット領域RSの縦方向Xの前端部とが重なる配置形態において、中高部43と後方スリット領域RS(最前方後方スリットR1a)との重複部分の縦方向Xの長さは、好ましくは10mm以下、さらに好ましくは5mm以下である。
後方スリットR1の各部の寸法等は下記のように設定することが好ましい。
後方スリットR1の縦方向Xの長さl1(図4参照)は、好ましくは10mm以上、さらに好ましくは15mm、そして、好ましくは35mm以下、さらに好ましくは25mm以下である。
後方スリットC1の横方向Yの長さ即ち幅は、好ましくは0.1mm以上、さらに好ましくは0.2mm以上、そして、好ましくは1mm以下、さらに好ましくは0.8mm以下である。
後方スリット領域RSにおいて、複数の後方スリットR1が縦方向Xに一列に配されてなる、縦スリット列内における後方スリットR1,R1の縦方向Xの間隔d3(図4参照)は、好ましくは10mm以上、さらに好ましくは15mm以上、そして、好ましくは35mm以下、さらに好ましくは25mm以下である。
後方スリット領域RSにおいて、複数の後方スリットR1が横方向Yに一列に配されてなる、横スリット列内における後方スリットR1,R1の縦方向Xの間隔d4(図4参照)は、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは10mm以上、そして、好ましくは25mm以下、さらに好ましくは20mm以下である。
ナプキン1においては、図1、図2及び図4に示すように、吸収体4は中間部Mに、縦方向Xに延びる中央スリットM1が複数分散配置された中央スリット領域MSを有している。中央スリット領域MSは中高部43に存している。中高部43に中央スリット領域MSが存していることにより、ナプキン1の着用時に、着用者の大腿部により、吸収体4を横方向Yに圧縮する力が加えられても、吸収体4が、中央スリット領域MSの多様な部位で細かく変形するため、吸収体4やナプキン1に、深さの深い折れ皺が生じにくい。そのため、深い折れ皺に起因する不都合、例えば、着用者が違和感を覚える、折れ皺に沿って液が流れて漏れにつながる等が効果的に防止され得る。従ってナプキン1によれば、中央スリット領域MS及び後方スリット領域RSの双方による作用効果により、着用時に着用者の肌に密着して隙間を生じ難く、該隙間からの液漏れが効果的に防止される。
中央スリットM1は、吸収体4に形成された切れ目であり、中央スリットM1の形成位置においては吸収体4の形成材料が切断され又は形成材料が他の部位よりも相互に離れて分離されている。ナプキン1においては、中央スリットM1は平面視直線状をなしているが、中央スリットM1の平面視形状はこれに限定されず波線等でも良い。また中央スリットM1は、縦方向Xに延びていれば良く、図示の如く縦中心線CLに対して平行でなくても良く、縦中心線CLとのなす角度が45度未満であれば良く、30度未満であることが好ましく、特に10度未満であることが好ましく、0度であることが最も好ましい。
中央スリット領域MSには中央スリットR1が1本以上あれば良い。中央スリット領域MSに存する中央スリットM1の数は特に制限されないが、好ましくは10本以上、さらに好ましくは20本以上、そして、好ましくは40本以下、さらに好ましくは30本以下である。中央スリット領域MSが中央スリットM1を複数有している場合、その複数の中央スリットM1は互いに、平面視形状及び縦中心線CLに対する傾斜角度の何れか一方又は両方が同じでも良く、異なっていても良い。また、中央スリット領域MSが中央スリットM1を複数有している場合、その複数の中央スリットM1が縦方向Xに一列に並ぶパターンよりも、図4に示す如き、横方向Yの位置が異なる2本以上の中央スリットM1が存するパターンが好ましい。
中央スリットM1の各部の寸法等は下記のように設定することが好ましい。
中央スリットM1の縦方向Xの長さl2(図4参照)は、好ましくは10mm以上、さらに好ましくは15mm以上、そして、好ましくは35mm以下、さらに好ましくは25mm以下である。
中央スリットM1の横方向Yの長さ即ち幅は、好ましくは0.1mm以上、さらに好ましくは0.2mm以上、そして、好ましくは1mm以下、さらに好ましくは0.8mm以下である。
中央スリット領域MSにおいて、複数の中央スリットM1が縦方向Xに一列に配されてなる、縦スリット列内における中央スリットM1,M1の縦方向Xの間隔d5(図4参照)は、好ましくは10mm以上、さらに好ましくは15mm以上、そして、好ましくは35mm以下、さらに好ましくは25mm以下である。
中央スリット領域MSにおいて、複数の中央スリットM1が横方向Yに一列に配されてなる、横スリット列内における中央スリットM1,M1の縦方向Xの間隔d6(図4参照)は、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは10mm以上、そして、好ましくは25mm以下、さらに好ましくは20mm以下である。
また、一対の後方スリット領域RS,RSの一方と他方との横方向Yにおける間隔が最も狭い部分の間隔d1(図4参照)は、中央スリット領域MSにおいて横方向Yに隣り合う2本の前方スリットM1,M1どうしの横方向Yにおける間隔d6(図4参照)に比して広く、且つ中高部43を横方向Yに5等分した場合の横方向中央の1領域の横方向長さに比して広いことが好ましい。斯かる構成により、ナプキン1の着用時において、この間隔d1を持つ部分(後方部Rの横方向Yの中央部)が着用者の臀裂により一層安定的に沿うようになり、フィット性、延いては漏れ防止性がより一層向上し得る。間隔d1と間隔d6との比率は、前者/後者として、好ましくは1.1以上、さらに好ましくは1.3以上、そして、好ましくは3以下、さらに好ましくは2.5以下である。また、間隔d1と中高部43の横方向中央の1領域の横方向長さとの比率は、前者/後者として、好ましくは1.5以上、さらに好ましくは2以上、そして、好ましくは6以下、さらに好ましくは5以下である。
ナプキン1では、図4に示すように、中央スリット領域MSにおける複数の中央スリットM1は、平面視形状及び縦中心線CLに対する傾斜角度が互いに同じであり、各中央スリットM1は縦中心線CLに平行に直線で延びている。中央スリット領域MSにおける複数の中央スリットM1は縦方向X及び横方向Yの両方向に分散した状態で配され、より具体的には千鳥状に配されている。この中央スリットM1の千鳥状配置は、前述した後方スリットR1の千鳥状配置と同じである。
中央スリットM1は、図2に示すように、吸収体4を構成する吸収性シートの積層体を貫通していることが好ましい。また中央スリットM1は、図2に示すように、吸収体4の上下に配される表面シート2及び裏面シート3には形成されておらず、さらに、表面シート2と吸収体4との間に配されることのある不織布からなる中間シートにも形成されていないことが好ましい。
ナプキン1においては、図1及び図4に示すように、中央スリット領域MSにおける複数の中央スリットM1の一部、より具体的には、中央スリット領域MSにおいて縦方向Xの最後方に位置する中央スリットM1(以下、「最後方中央スリットM1a」ともいう)が、中高部43の後端43Rを縦方向Xに跨いでいる。斯かる構成により、ナプキン1の着用時において、中高部43が着用者の身体に沿うように変形しやすくなり、ナプキン1のフィット性、漏れ防止性がより一層向上し得る。
最後方中央スリットM1aの縦方向Xの後端と最前方後方スリットR1aの縦方向Xの前端との間隔d7(図4参照)、即ち中央スリット領域MSと後方スリット領域RSとの間隔d7は、後方スリットR1(最前方後方スリットR1a)の縦方向長さl1(図4参照)及び中央スリットM1の縦方向長さl2(図4参照)の少なくとも一方よりも短いことが好ましい。間隔d7は、好ましくは20mm以下、さらに好ましくは15mm以下、特に好ましくは0mmである。即ち、最後方中央スリットM1a(中央スリット領域MS)と最前方後方スリットR1a(後方スリット領域RS)とが間隔を置かずに連続している形態が最も好ましい。ナプキン1においては、図1及び図4に示すように、最後方中央スリットM1aの後端と最前方後方スリットR1aの前端とは、ナプキン1を横方向Yから視た場合に重なっておらず、間隔d7は0mmではない。間隔d7をこのように一定距離以下、好ましくはゼロにすることで、着用中にナプキン1に対して横方向Yの両外方から力が加わった場合に、一対の後方スリット領域RS,RSそれぞれにおける最前方後方スリットR1aを起点として、吸収体4における、一方の後方スリット領域RSの最前方後方スリットR1aと他方の後方スリット領域RSの最前方後方スリットR1aとの間に位置する部分が、着用者の肌側に曲面状に一層隆起しやすくなり、フィット性の一層の向上が期待できる。
図2〜図4に示すように、後方部Rにおける吸収性本体10の非肌対向面(裏面シート3の非肌対向面)には、吸収性本体10を着衣に固定するズレ止め部8が配されている。ナプキン1においては、ズレ止め部8は図4に示すように、後方部Rのみならず、前方部F及び中間部Mにも配されており、且つ平面視において前方部Fから後方部Rにわたって縦方向Xに連続する直線状をなしている。またナプキン1においては、この平面視直線状のズレ止め部8が、吸収性本体10の非肌対向面における、平面視において吸収体4と重なる位置に4本配され、その4本の直線状のズレ止め部8は横方向Yに間欠配置されている。4本のズレ止め部8は、縦中心線CLを基準として左右対称に配されている。
ズレ止め部8の素材としては、この種の吸収性物品において通常用いられているものを特に制限なく用いることができ、粘着剤が好ましいが、フック材を用いることもできる。フック材は、ベースシートの表面に多数の係合突起が設けられてなる。粘着剤からなるズレ止め部8は、ナプキン1をショーツ等の着衣に粘着固定させ、フック材からなるズレ止め部8は、該フック材を構成する多数の係合突起が着衣に係合することで、ナプキン1を着衣に係合固定させる。ズレ止め部8を形成する粘着剤としては、例えば、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)系、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)系、スチレン-ブチレン-スチレン(SBS)系、スチレン−エチレン-プロピレン-スチレン系(SEPS)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)等の各種ホットメルト粘着剤を用いることができる。
ナプキン1の主たる特徴の1つとして、ズレ止め部8の配置が前述した後方スリットR1との関係を考慮して設定されている点が挙げられる。即ちナプキン1においては、図4に示す如き平面視において、ズレ止め部8は少なくとも、後方スリット領域RSにおいて縦方向Xの最前方に位置する後方スリットR1、即ち最前方後方スリットR1aとは重なっていない。
前述した通り、後方スリットR1は、特にナプキン1における、身体形状の変形が大きい排泄部に対応する部分(前記排泄部対向部)から後方部Rにわたる領域の着用者の肌に対するフィット性の向上に作用するところ、特に、最前方後方スリットR1aとズレ止め部8とがナプキン1の平面視において重なると、ナプキン1の着用時において後方スリット領域RSが身体に沿って変形しにくくなるため、ナプキン1のフィット性が低下し、身体とナプキン1との間に隙間が形成され、その隙間に沿って液が流れて漏れにつながる等の不都合が起こり得る。これに対し、ナプキン1においては図4に示すように、最前方後方スリットR1aの形成位置にズレ止め部8が存していないため、斯かる不都合が起こり難く、後方スリットR1の採用等による高いフィット性が維持されると共に、着用中に後方スリットR1が横方向Yに開きやすいため、その拡開した後方スリットR1が通気孔として機能する結果、着用中のナプキン1の内部空間のムレが効果的に防止される。
またナプキン1においては、ズレ止め部8は、図4に示す如き平面視において、少なくとも最前方後方スリットR1aと重なっていないことに加えてさらに、一対の後方スリット領域RS,RSの間、即ち間隔d1を持つ部分(後方部Rの横方向Yの中央部)に存していない。前述した通り、一対の後方スリット領域RS,RSに挟まれた横方向Yの中央部は、ナプキン1の着用時において着用者の肌側に向かって隆起変形する部位であるところ、このような変形部位が、ナプキン1をショーツ等の着衣に固定するズレ止め部8と重なっていると、該変形部位がズレ止め部8を介して着衣側に引っ張られてしまう結果、望ましい隆起変形が阻害されるおそれがある。そこでナプキン1においては、このような不都合を回避し、吸収体4における一対の後方スリット領域RS,RSの間に位置する部分の、着用者の肌側への隆起変形を一層促進させる観点から、平面視において該部分とズレ止め部8とが重ならないようにしている。
またナプキン1においては、ズレ止め部8は図4に示すように、横方向Yの最外方に位置する後方スリットR1より横方向Yの外方に存している。換言すれば、ナプキン1における一対の後方スリット領域RS,RSは、それぞれ、横方向Yの最外方に位置する一対のズレ止め部8,8によって挟まれている。斯かる構成により、ナプキン1の横方向Yの両端部がズレ止め部8を介してショーツ等の着衣にしっかりと固定されるようになるため、前述した後方スリットR1による、一対の後方スリット領域RS,RSの間に位置する部分の着用者の肌側への隆起変形が起こりやすくなり、フィット性の一層の向上が期待できる。また、斯かる構成によりナプキン1は、横方向Yの両端部にてズレ止め部8を介してショーツ等の着衣に固定されるようになるため、着用中におけるナプキン1全体のズレやヨレが効果的に抑制され、その結果として、フィット性が向上し得る。
またナプキン1においては、ズレ止め部8は図4に示す如き平面視において、後方スリットR1のみならず、中央スリットM1における、後方スリット領域RS,RS間の間隔d1を持つ部分(後方部Rの横方向Yの中央部)の縦方向延長領域とも重なっていない。前方スリットM1の当該領域とズレ止め部8とがナプキン1の平面視において重なると、ナプキン1の着用時において中央スリット領域MSやその近傍に皺が入りやすくなる結果、前述した中央スリット領域MSによる作用効果が低下するおそれがある。ナプキン1においては、この点を考慮して図4に示すように、前方スリットB1の当該領域にズレ止め部8が存しないようにしており、またその結果として、着用中に中央スリットM1が横方向Yに開きやすくなるため、中央スリットM1は、後方スリットR1と同様に通気孔として機能し、着用中のナプキン1の内部空間のムレが効果的に防止される。尚、中央スリットM1の全てがズレ止部8と重なっていないことが、同様の効果を一層発現し易くなるので好ましい。
ズレ止め部8の各部の寸法等は下記のように設定することが好ましい。
ズレ止め部8の縦方向Xの長さは、ナプキン1(吸収性本体5)の縦方向Xの全長に対して、好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上、そして、好ましくは90%以下、さらに好ましくは80%以下である。
ズレ止め部8の横方向Yの長さ即ち幅は、好ましくは0.8mm以上、さらに好ましくは1.5mm以上、そして、好ましくは6.5mm以下、さらに好ましくは5.0mm以下である。
ズレ止め部8,8の横方向Yの間隔d8(図4参照)は、好ましくは0.8mm以上、さらに好ましくは1.5mm以上、そして、好ましくは15mm以下、さらに好ましくは7mm以下である。
ズレ止め部8の数は特に制限されないが、ナプキン1をショーツ等の着衣に対して安定的に固定する観点から、少なくとも一対即ち2本あることが好ましい。ズレ止め部8の数が一対の場合、その一対のズレ止め部8,8は前述したように、横方向Yの最外方に位置する後方スリットR1より横方向Yの外方に存していることが好ましい。
以上、本考案について説明したが、本考案は前述した実施形態に制限されず、本考案の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、前記実施形態においては、ズレ止め部8は前方部Fから後方部Rにわたって縦方向Xに連続していたが、縦方向Xに連続せずに分断されていても良く、例えば、中間部M(中央スリット領域MS)を通るズレ止め部8と後方部R(後方スリット領域RS)を通るズレ止め部8とが不連続でも良い。またズレ止め部8は、後方部Rに配されていれば良く、前方部Fや中間部Mには配されていなくても良い。
また前記実施形態においては、吸収体が吸収性シートのみから構成されていたが、吸収性材料を積繊してなる積繊体のみから構成されていても良く、両者を含んで構成されていても良い。但し、吸収体が吸収性シートのみから構成されているような、いわゆる薄型の従来の吸収性物品は、臀部に対するフィット性が不十分である場合が多いところ、本考案によれば前述した通り、臀部に対するフィット性が向上することから、本考案は特に、吸収体が吸収性シートのみから構成されている吸収性物品に好適である。また、吸収体における吸収性シートの多層構造は、前記実施形態のように、1枚の吸収性シートが折り重ねられて形成された構成でも良く、あるいは複数枚の吸収性シートを折り畳まずに積層した構成でも良く、あるいは両構成を複合した構成でも良い。
本考案は、経血の吸収に用いられる物品全般に適用することができる。そのような物品の例としては、前記実施形態の如き生理用ナプキンの他に、パンティライナ及びタンポン等が挙げられるが、それらに限られない。
1 生理用ナプキン(吸収性物品)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
41 中央吸収性シート
42 本体吸収性シート
43 中高部
44 標準吸収部
5 防漏カフ形成用シート
6 外溝
7 内溝
8 ズレ止め部
10 吸収性本体
F 前方部
M 中間部
R 後方部
M1 中央スリット
M1a 最後方中央スリット
MS 中央スリット領域
R1 後方スリット
R1a 最前方後方スリット
RS 後方スリット領域
CL 縦中心線
X 縦方向
Y 横方向

Claims (5)

  1. 着用者の前後方向に相当する縦方向とこれに直交する横方向とを有し、液保持性の吸収体と該吸収体の肌対向面側に配置された表面シートとを具備する吸収性本体を備えた吸収性物品であって、
    前記吸収性物品は、着用時に着用者の排泄部と対向する部分を含む中間部と、該中間部より前方に位置する前方部と、該中間部より後方に位置する後方部とに区分され、
    前記吸収体は、前記中間部の横方向中央部に、その前後部に比して厚みが大きく且つ肌対向面側に隆起した中高部を有すると共に、該中高部の後方に、縦方向に延びる後方スリットが複数分散配置された後方スリット領域を有し、
    前記後方部における前記吸収性本体の非肌対向面に、該吸収性本体を着衣に固定するズレ止め部が、前記後方スリット領域を通って縦方向に延びるように配されており、
    平面視において、前記ズレ止め部は、少なくとも前記後方スリット領域において縦方向の最前方に位置する前記後方スリットとは重なっていない吸収性物品。
  2. 前記ズレ止め部は、横方向の最外方に位置する前記後方スリットより横方向外方に存している請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記後方スリット領域は、前記吸収体を横方向に二分して縦方向に延びる縦中心線を挟んで両側に一対配されており、
    平面視において、前記ズレ止め部は前記一対の後方スリット領域の間に存していない請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記吸収体は、前記中間部に、縦方向に延びる中央スリットが複数分散配置された中央スリット領域を有し、前記ズレ止め部が、該中央スリット領域を通って縦方向に延びるように配されており、
    平面視において、前記ズレ止め部は前記中央スリットと重なっていない請求項1〜3の何れか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記吸収体は、前記中間部に、縦方向に延びる中央スリットが複数分散配置された中央スリット領域を有し、前記ズレ止め部が、該中央スリット領域を通って縦方向に延びるように配されており、
    前記一対の後方スリット領域の一方と他方との横方向における間隔が最も狭い部分の間隔は、前記中央スリット領域において横方向に隣り合う2本の前記中央スリットどうしの横方向における間隔に比して広く、且つ前記中高部を横方向に5等分した場合の横方向中央の1領域の横方向長さに比して広い請求項3に記載の吸収性物品。
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