JP3223694B2 - 樹脂製品の補修方法 - Google Patents

樹脂製品の補修方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂製品の補修方法に関
するものであり、更に詳しくは自動車のバンパ等強度が
必要な部位に用いられる樹脂製品の補修方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】現在国内においては、損傷を原因とする
自動車の樹脂製品の部品交換が頻繁に行われている。し
かしながら近年リサイクル問題として特に大型の樹脂製
ンパーの処理が社会問題化している。このような背景
から樹脂製品の補修修理への要望が社会的に高まり、そ
の方法が求められている。
【0003】樹脂製品の補修方法として、例えば特開平
3−258639に開示されるように、補修箇所を溶融
させて補修する方法がとられている。すなわち、サンダ
ー等を用いて樹脂製品の補修箇所の表面を十分に研磨し
て清浄した後、加熱したセラミック電気コテを補修箇所
に当てて補修箇所の樹脂を溶融し、亀裂等の損傷部位を
融合させる。この時、必要に応じて樹脂製品と同質の樹
脂からなる補修材を補修箇所に接触させて溶融し融合さ
せる。その後補修箇所を冷却して固化させ、グラインダ
ー等を用いて補修箇所を研磨し塗装仕上げをして補修を
行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら部分的に
樹脂製品を溶融させると、樹脂製品の溶融された部位と
溶融されていない部位との間に界面ができてしまい、こ
の界面が存在した状態で溶融された部位が冷却され固化
してしまうため、補修箇所と樹脂製品本体との結合力を
弱くしてしまう。このため溶融による補修方法で樹脂製
品の補修を行うと、十分な強度を得ることができず、例
えば自動車用バンパー等の所定の強度を必要とする部材
にはこの補修方法の適用が困難であった。
【0005】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、樹脂の構造を押し広げることにより、樹脂製品
の補修を従来よりも強度をもたせた状態で行うことを課
題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の手段は、樹脂製品の補修箇所に膨潤剤を付着
させる工程と、膨潤した補修箇所の表面を加工する工程
とを有することを特徴とするものである。
【0007】
【作用】樹脂製品の補修箇所に所定温度環境下で膨潤剤
を接触させ保持する工程により、樹脂製品の補修箇所の
表面から樹脂製品の内部に向かって膨潤剤が浸透し、樹
脂の構造の間に入り込んで押し広げる。このため樹脂の
分子間の距離は分子間の結合を損なうことなく膨潤剤が
接触する前よりも大きくなり、補修箇所は樹脂製品の膨
潤作用により膨張する。次いで膨潤した補修箇所の表面
を加工することにより、膨張した補修箇所を樹脂製品の
形状に合わせて仕上げるため、樹脂製品の強度が保たれ
た状態で補修箇所を補修することが可能となる。
【0008】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。図1は損傷を
起こしたゴム変性ポリプロピレン樹脂製品Aを本実施例
の補修方法で補修する工程を示すものである。ゴム変性
ポリプロピレン樹脂製品Aは、主としてポリプロピレン
樹脂1とエチレンプロピレンゴム2とから成る。図1−
aは補修箇所である損傷部3をもった樹脂製品Aにパラ
フィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、芳香族系炭化
水素を主成分とし、炭素数12〜20を主体とした潤滑
油基油からなる膨潤剤Bを治具4を用いて接触させる工
程を示す。図1−bは膨潤剤Bを損傷部3に接触させた
後図示しない加熱手段により80℃に加熱し、膨潤剤B
を損傷部3の表面から浸透させる工程を示し、損傷部3
の凹み部位が樹脂製品Aの元の面よりも膨張した状態を
表している。
【0009】この時のゴム変性ポリプロピレン樹脂製品
Aに対する膨潤剤Bの浸透状態は、図2及び図3に示さ
れる。図2はゴム変性ポリプロピレン樹脂Aを構成する
ポリプロピレン樹脂1の浸透状態図、図3は同じくゴム
変性ポリプロピレン樹脂Aを構成するエチレンプロピレ
ンゴム2の浸透状態図を示している。図左側は膨潤剤B
を接触させる前の状態を示し、図右側は膨潤剤Bを接触
させ保持した後の状態を示す。図2に示されるように、
ポリプロピレン樹脂1は結晶部1aと非結晶部1bを有
し、また図3に示されるようにエチレンプロピレンゴム
2は非結晶部2bのみを有している。
【0010】ポリプロピレン樹脂1とエチレンプロピレ
ンゴム2が膨潤する際、膨潤剤Bはそれぞれの非結晶部
である1bと2bに浸透し固化して油分6となって、樹
脂製品Aの構造を押し広げることで膨潤が行われ、結晶
部1aでは膨潤作用はほとんど行われない。このため膨
潤作用で飽和膨潤度に達したときにポリプロピレン樹脂
1の膨潤する体積は元の体積の約5%に過ぎず、一方エ
チレンプロピレンゴム2は元の体積の約55%膨潤す
る。ここでゴム変性ポリプロピレン樹脂製品Aの強度は
主としてポリプロピレン樹脂1が受け持っており、エチ
レンプロピレンゴム2はほとんど強度を受け持っていな
い。また一般に膨潤した場合多少強度は落ちることにな
るが、本実施例のようなゴム変性ポリプロピレン樹脂か
らなる樹脂製品Aを膨潤させた場合、主に膨潤するのは
エチレンプロピレンゴム2であり、ポリプロピレン樹脂
1はほとんど膨潤しない。従って強度を受け持ってない
エチレンプロピレンゴム2が実質的に膨潤させるため、
樹脂製品の強度を損なうことなく補修を行うことができ
る。
【0011】損傷部3が十分に膨潤された後、損傷部3
に浸透していない膨潤剤Bを損傷部3から離間させる。
次いで図1−cに示すように、サンダ5を用いて損傷部
3の表面を表面加工し、損傷部3の凹凸を削ることによ
りその強度と外観品質を損なうことなく樹脂製品Aが元
の形状となるように補修される。
【0012】図4はゴム変性ポリプロピレン樹脂が膨潤
する際の時間と膨潤度の関係を示し、Pは潤滑油基油の
温度が80℃、Qは100℃、Rは120℃の場合の立
ち上がりを示している。図4からわかるように、膨潤は
温度の上昇とともに膨潤の速度が速くなる。例えば、ゴ
ム変性ポリプロピレン樹脂の場合80℃で飽和膨潤度に
達するには約96時間を要するが、120℃では約24
時間で飽和膨潤度となる。これにより膨潤剤の接触保持
温度と時間を調節することで適度な膨潤度を得ることが
できる。
【0013】また図5はゴム変性ポリプロピレン樹脂を
40℃で前述の潤滑油基油である膨潤液にて膨潤させた
ときと、同じ温度で潤滑油基油と同じ成分であって炭素
数5〜12を主成分とした燃料油からなる膨潤剤にて膨
潤させたときの時間と膨潤度の関係を示し、それぞれα
とβとで表す。図5からわかるように、膨潤の速度は同
じ温度の下では潤滑油基油よりも燃料油の方が大きい。
これは燃料油からなる膨潤剤の方が潤滑油基油からなる
膨潤剤よりも炭素数が小さい、すなわち分子量が少ない
ため樹脂またはゴムに浸透しやすいからである。しかし
ながら潤滑油基油からなる膨潤剤の方が燃料油からなる
膨潤剤に比べて燃焼しにくいので、膨潤させるために加
熱する際、燃焼しにくいという効果がある。
【0014】尚本実施例は、ポリプロピレン樹脂1とエ
チレンプロピレンゴム2とからなるゴム変性ポリプロピ
レン樹脂製品Aを用いたものであるがこれに限定される
ものではなく、膨潤の起きる樹脂のみの構成の製品につ
いても補修することが可能である。また膨潤させた場合
多少強度は低くなるものの、従来技術で述べたような溶
融させて補修した場合と比べ、樹脂の強度、特に衝撃強
度ははるかに高い。更に本実施例で用いた膨潤剤は潤滑
油基油であるがこれに限定されるものではなく、合成炭
化水素系の油分、動植物油についても同等の効果を得る
ことが可能である。
【0015】
【発明の効果】上述のように本発明の樹脂製品の補修方
法によれば、膨潤剤を樹脂製品の補修箇所に付着させ
る。これにより膨潤剤が樹脂の分子間結合を損なうこと
なく構造を押し広げるので、樹脂製品の強度を損なうこ
となく補修を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の補修工程を示す概略図である。
【図2】ゴム変性ポリプロピレン樹脂製品を構成するポ
リプロピレン樹脂1の浸透状態図を示す。
【図3】ゴム変性ポリプロピレン樹脂製品を構成するエ
チレンプロピレンゴム2の浸透状態図を示す。
【図4】本発明の補修方法に係り、ゴム変性ポリプロピ
レンが潤滑油基油により膨潤される際、温度による膨潤
度と時間の関係を比較したグラフである。
【図5】本発明の補修方法に係り、ゴム変性ポリプロピ
レンを潤滑油基油で膨潤する場合と燃料油で膨潤する場
合の40℃における膨潤度と時間の関係を比較したグラ
フである。
【符号の簡単な説明】
1 ポリプロピレン樹脂 1a ポリプロピレン樹脂の結晶部 1b ポリプロピレン樹脂の非結晶部 2 エチレンプロピレンゴム 2b エチレンプロピレンゴムの非結晶部位 3 損傷部 4 治具 5 サンダ 6 油分 A ゴム変性ポリプロピレン樹脂製品 B 膨潤液
【符号の説明】
1 ポリプロピレン樹脂 1a ポリプロピレン樹脂の結晶部 1b ポリプロピレン樹脂の非結晶部 2 エチレンプロピレンゴム 2b エチレンプロピレンゴムの非結晶部位 3 損傷部 4 治具 5 サンダ 6 油分 A ゴム変性ポリプロピレン樹脂製品 B 膨潤剤

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂製品の補修箇所に膨潤剤を付着させる
    工程と、膨潤した補修箇所の表面を加工する工程とを有
    することを特徴とする樹脂製品の補修方法。
JP04962294A 1994-03-22 1994-03-22 樹脂製品の補修方法 Expired - Fee Related JP3223694B2 (ja)

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