JP2530886B2 - 熱可塑性樹脂成形品の成形方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂成形品の成形方法

Info

Publication number
JP2530886B2
JP2530886B2 JP63149826A JP14982688A JP2530886B2 JP 2530886 B2 JP2530886 B2 JP 2530886B2 JP 63149826 A JP63149826 A JP 63149826A JP 14982688 A JP14982688 A JP 14982688A JP 2530886 B2 JP2530886 B2 JP 2530886B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core
thermoplastic resin
alloy
temperature
molded product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63149826A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01316230A (ja
Inventor
允 稲葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP63149826A priority Critical patent/JP2530886B2/ja
Publication of JPH01316230A publication Critical patent/JPH01316230A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2530886B2 publication Critical patent/JP2530886B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、熱可塑性樹脂成形品の成形方法に係り、特
に、アンダーカットの曲面及び/又は空洞を有する熱可
塑性樹脂成形品の形成方法に関する。
[従来の技術] (背景技術) アンダーカットの曲面及び/又は空洞を有する熱可塑
性樹脂成形品の成形は、一般的には次のように行なわれ
る。
得ようとする成形品のアンダーカットの曲面及び/
又は空洞に対応する形状のコア1(第1図(a))を型
内に配設する。
コア1と型2で形成される空間(キャビティー)に
樹脂3を注入する(第1図(b))。
型をばらす。
コアを溶融することによりコアを成形品から回収す
る。なお、この溶融は、例えば水媒等の熱媒4中に浸漬
(第1図(c))することにより行なわれる。
以上の工程により最終的な樹脂成形品5が得られる
(第1図(d))。
ここで、上記コアには次の条件が要求される。
すなわち、 コアの融点が成形温度より低いこと、 コアの融点が熱媒の温度より低いこと、 熱可塑性樹脂の注入時において、樹脂表面の賦形前
にコアが溶融しないこと、 である。
は、もしコアの融点が成形温度より高いと、コアの溶
融・回収時に、樹脂成形品の溶融が生じてしまうからで
ある。
は、もしコアの融点が熱媒の温度より高いと、コアを
熱媒中に入れてもコアは溶融せず、コアの溶融・回収が
不可能となってしまうためである。
さらに、かかる条件を満たすものであっても、比較的
低めの融点を設定した場合には、樹脂の注入時に、樹脂
の熱のためにコアが軟化し、その結果、コアが変形し、
ひいては樹脂成形品の形状が設計寸法外のものとなって
しまうおそれがある。
一方、比較的高めの融点を設定した場合には合金の回
収工程において、成形品からの分離が悪くなり、長時間
の熱媒中への浸漬、機械的振動の付与、熱媒の強制噴流
等の手段を必要としてしまうという問題点がある。
(直近の従来技術) 上記問題点を解決しようとする技術として、熱可塑性
樹脂の注入時にコアを−20℃〜−40℃に冷却しておく技
術が知られている(特開昭58−63406号公報)。
この技術は、コアを冷却しておくことにより、コアが
融点に達する前に、注入された樹脂を賦形させ、コアの
軟化、変形を防止しようとするものである。
[発明が解決しようとする課題] しかし、この技術においては、コアの冷却を行なって
いるため、冷却手段のための工程が必要となり、また、
冷却から注入までの間を短期間にせざるを得ず、その結
果、工程上の制限を受け、かつ、コストアップになって
しまう。
また、コアが冷却されている状態で樹脂の注入を行な
うため、冷却温度分の伸縮代を考慮しなければならない
が、縮代の正確な把握は困難である。
結局、コアの溶融・回収を容易に行なうことができ、
かつ、冷却等の複雑な手段を用いることなく樹脂注入時
におけるコアの軟化・変形の生じない成形方法は従来存
在せず、従って、かかる方法の出現が待望されていた。
そこで、本発明の目的は、成形品からのコアの除去を
容易に行なうことができ、かつ、冷却等の複雑な手段を
用いることなく樹脂注入時におけるコアの軟化・変形の
生じない熱可塑性樹脂成形品の成形方法を提供すること
を目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記課題は、低融点の合金よりなるコアを型内に配設
する工程と、該型内に熱可塑性樹脂を注入する工程と、
該コアを熱媒により溶融して該熱可塑性樹脂からコアを
回収する工程とを有するアンダーカットの曲面及び/又
は空洞を有する熱可塑性樹脂成形品の成形方法におい
て、該合金として、固相線と液相線との温度がほぼ同一
となるような組成を有し、かつ、該液相線の温度が熱媒
の温度以下である合金を使用することを特徴とする熱可
塑性樹脂成形品の成形方法を要旨とする本発明によって
解決される。
[作用] 以下に本発明の作用を本発明をなすに際し得た知見等
とともに説明する。
本発明者は上記課題を解決するためにコアの回収時に
おける合金の溶融挙動と、樹脂注入時におけるコアの表
面挙動とを深く考察した。
その結果以下の知見を得た。
まず、コアの回収時における合金の溶融挙動を第2図
(a)に示す合金状態図に基づいて説明する。なお、コ
アの合金組成としてYなる組成を有している場合につい
て説明する。
熱媒中にコアを入れるとコアの温度は上昇していき、
固相線(Sl)に達する。さらに温度が上昇すると、ミク
ロ的には、一部の金属成分が溶融し始め固液併存状態
(L+S)になる。しかし、マクロ的にみるとコアは溶
融しておらず、従って、コアの回収は行なわれない。さ
らに温度が上昇すると液相線(Ll)を通過しコアは溶融
し完全な液体(L)となり金属は回収される。
従って、コアの回収の容易性は、固相温度ではなく液
相温度に関係し、液相線はできるだけ低くすることが必
要であることがわかった。
一方、樹脂の注入時におけるコアの変形であるが、樹
脂が注入されるとその熱がコアに伝達し、コアの温度が
上昇し、一部の金属成分が溶融して固液併存状態に移行
する。コアの軟化・変形はこの状態で生じる。従って、
コアの軟化・変形は、液相温度ではなく固相温度に関係
し、固相温度はできるだけを高くすることが必要である
ことがわかった。
結局、コアの回収を容易にし、かつ、コアの軟化・変
形を防止するためには、液相線をできるだけ低くし、か
つ、固相線をできるだけ高くすればよいことがわかっ
た。その両者の条件を満たすべく本発明では、固相線
と、液相線の温度がほぼ同一となるような組成を有する
合金を使用することとしたものである。
かかる合金としては、例えば、共晶系合金における共
晶組成を有する合金(第2図(b)E)、あるいは、極
小点を有する全率固溶体系合金における該極小点の組成
を有する合金(第2図(a)E)があげられる。
固相線と液相線は一致することが最も望ましい。その
差としては10℃以内が好ましく、3℃以内がより好まし
い。
[実施例] (第1実施例) コアの材料として次の組成の合金を使用した。
ビスマス 51〜53%(wt%以下同じ) 鉛 27〜32% スズ 15〜18% インジウム 1〜4% この組成の合金の固相線及び液相線は88℃であった。
上記組成のコアを金型内に配設し、熱可塑性樹脂を金
型内に注入した。
熱可塑性樹脂としてはポリアミド66を使用した。注入
温度(成形温度)は280℃とした。
注入後、離型を行ない、次いで熱媒として98℃に加熱
した水媒を用い、コアの溶融を行なった。
コアは極めて短時間にて溶融し、合金の回収をきわめ
て容易に行なうことができた。
以上の工程により成形して得られた成形品を調査した
ところ次の結果が得られた。
表面状態 良好 寸法精度 良好 上記結果は、熱可塑性樹脂の注入工程においてコアの
溶融は生じておらず、また。コアの回収工程において成
形品の表面の溶融も生じていないことを示している。
(第2実施例) 次に第1表に示す組成の合金A,B,Cにつき第1実施例
と同様の工程にて成形品を得た。
本例においても、良好な表面粗度、寸法精度が得られ
た。
(比較例) コアの合金として次の合金を使用した。
ビスマス 46.1% 鉛 34.2% スズ 19.7% 液相線 123℃ 固相線 96℃ 他の点は第1実施例と同様の工程を経て樹脂成形品を
形成した。その表面粗度、寸法精度を調べたところ、表
面荒れが認められ、また、寸法精度も悪かった。
[発明の効果] 本発明によれば以下の諸々の効果が得られる。
コアの回収を短時間で、容易に行なうことができ
る。
コアの冷却を行なう必要がなくコストダウンが可能
となる。
寸法精度の良好な成形品を形成することができる。
表面の平滑な成形品を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は樹脂成形品の成形工程を示す工程図である。 第2図(a)は全率固溶体系合金の状態図であり、第2
図(b)は共晶系合金の状態図である。 1……コア、2……金型、3……樹脂成形品、4……熱
媒(水媒)、5……コア除去後の最終的な樹脂成形品。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低融点の合金よりなるコアを型内に配設す
    る工程と、該型内に熱可塑性樹脂を注入する工程と、該
    コアを熱媒により溶融して該熱可塑性樹脂からコアを回
    収する工程とを有するアンダーカットの曲面及び/又は
    空洞を有する熱可塑性樹脂成形品の成形方法において、
    該合金として、固相線と液相線との温度がほぼ同一とな
    るような組成を有し、かつ、該液相線の温度が熱媒の温
    度以下である合金を使用することを特徴とする熱可塑性
    樹脂成形品の成形方法。
JP63149826A 1988-06-16 1988-06-16 熱可塑性樹脂成形品の成形方法 Expired - Fee Related JP2530886B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63149826A JP2530886B2 (ja) 1988-06-16 1988-06-16 熱可塑性樹脂成形品の成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63149826A JP2530886B2 (ja) 1988-06-16 1988-06-16 熱可塑性樹脂成形品の成形方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01316230A JPH01316230A (ja) 1989-12-21
JP2530886B2 true JP2530886B2 (ja) 1996-09-04

Family

ID=15483531

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63149826A Expired - Fee Related JP2530886B2 (ja) 1988-06-16 1988-06-16 熱可塑性樹脂成形品の成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2530886B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6872187B2 (ja) * 2016-12-06 2021-05-19 国立大学法人九州大学 空洞包含樹脂成形体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01316230A (ja) 1989-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5957191A (en) Casting method and apparatus using a resin core
US4464324A (en) Apparatus and method for injection moulding of plastic parts of irregular shape, hollow or undercut form
US1554697A (en) Manufacture of hollow articles
JP2530886B2 (ja) 熱可塑性樹脂成形品の成形方法
JPS54156080A (en) Manufacture of pipe connection member in tubular module
CN109228084A (zh) 一种高溶剂含量的热固性酚醛树脂拉伸试样的制备方法
JPH0679813B2 (ja) ポリアミド樹脂成形品の成形方法
KR100204409B1 (ko) 개선된 수지코아 제거단계를 갖는 주조방법
JPH09248653A (ja) 樹脂中子を用いた鋳造方法
JP3041975B2 (ja) 熱可塑性プラスチック射出成形における金型内ゲートカット方法
JPH081279A (ja) 中 子
JPS6194708A (ja) プラスチツク成型に用いられる金属芯
JP3396258B2 (ja) 金属製中子の除去方法
JPH0292261A (ja) 立体成形品の製造方法
KR100226405B1 (ko) 저융점 금속중자 및 이를 이용한 금속주조법
JP2579997B2 (ja) 樹脂成形品の製造方法
JP3067830B2 (ja) 固体ガス発生剤の製造方法
JP3039271B2 (ja) 鋳造方法及びその装置
JPH10249486A (ja) 中子及び中子を使用した中空鋳造品の製造方法
JPS62167992A (ja) 継手
JPH0211333B2 (ja)
JP2866725B2 (ja) オイルストレーナの製造方法
JPS62256605A (ja) セラミツク成形品の製造法
JPS595045A (ja) 樹脂成形品の製造方法
JPH04345817A (ja) 合成樹脂製品用の可融性中子及びその融出方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees