JP3039271B2 - 鋳造方法及びその装置 - Google Patents

鋳造方法及びその装置

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JP3039271B2
JP3039271B2 JP6120279A JP12027994A JP3039271B2 JP 3039271 B2 JP3039271 B2 JP 3039271B2 JP 6120279 A JP6120279 A JP 6120279A JP 12027994 A JP12027994 A JP 12027994A JP 3039271 B2 JP3039271 B2 JP 3039271B2
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裕二 岡田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中子が挿入されている
キャビティ内に溶湯を高圧で圧入して製品を鋳造する鋳
造方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】これに関する従来の技術が、特開昭61
−293646号公報に記載されている。この鋳造方法
は、ゴム等の可撓性物質によって成形された中子を使用
して鋳造を行う方法である。この方法によると中子が可
撓性を有しているために、アンダーカット部を備える製
品であっても、鋳造後に、その製品から前記中子の全体
を簡単に引く抜くことが可能になる。このため、従来の
砂中子のように、中子を除去する際に砂の一部が製品の
アンダーカット部に残るようなことがない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の鋳造方
法によると、前記中子はゴム等の可撓性物質によって製
造されているため、キャビティ内に高圧の溶湯が圧入さ
れることにより、溶湯が衝突する部位等が変形するとい
う問題がある。このため、ゴム等の中子を使用する場合
には、中子が変形しない圧力にまで鋳造圧力を低下させ
る必要がある。しかしながら、鋳造圧力を低くすると、
製品の形状不良等が発生し易くなるという問題が生じ
る。本発明の技術的課題は、溶湯が凝固するまでは、そ
の溶湯の高圧により変形しないだけの大きな強度を有
し、かつ、溶湯が凝固した後はその溶湯の熱により可塑
化する樹脂製の中子を製作し、その中子を使用して鋳造
を行うことにより、高精度の高圧鋳造を可能にして製品
の形状不良等の問題を解決するとともに、アンダーカッ
ト部を備える製品でも中子の引き抜きを容易に行えるよ
うにするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段、作用、効果】
〔課題を解決するための請求項1に係る手段〕上記した
課題は、以下の特徴を有する鋳造方法によって解決され
る。即ち、請求項1に係る鋳造方法は、中子が挿入され
ているキャビティ内に溶湯を高圧で圧入して製品を鋳造
する鋳造方法において、溶湯がキャビティ内に圧入され
てから前記中子に接する部位が凝固するまでの時間をT
1とし、そのT1よりも長い時間をT2としたときに、
前記溶湯にT1時間だけ接している間はその溶湯の高圧
に抗してその変形量が前記製品に求められる形状精度を
満足する強度を維持し、かつ、前記T1時間以上でT2
時間以下の間は溶湯の熱により塑性変形が可能であると
同時に、一端を引き抜くことにより他端も引き抜くこと
ができる相互結合力を有する樹脂を選択する工程と、前
記工程で選択した前記樹脂で、前記中子を製造する工程
と、溶湯の圧入後、前記T1時間以上T2時間以下のタ
イミングで前記中子を引き抜く工程とを有している。な
お、前記中子の変形には、中子のひび割れ等も含むもの
とする。 〔請求項1に記載された発明の作用〕本発明によると、
中子は、溶湯がキャビティ内に圧入されてからその中子
に接する部位が凝固するまでの間、即ち、T1時間の
間、所定の強度を維持しており、前記中子に対して圧入
された溶湯の高圧力が加わっても中子は製品に求められ
る形状精度を超えて変形することはない。また、前記中
子に接する部位の溶湯が凝固した後(T1時間経過
後)、T2時間が経過するまでの間、その中子は、溶湯
の熱により平均的な強度が低下して塑性変形が可能にな
り、かつ、一端を引き抜くことにより他端も引き抜くこ
とができる相互結合力を有している。このため、T1時
間経過後T2時間までの間における所定のタイミングで
前記中子に対して引き抜き力を付与することより、中子
を製品から容易に引き抜くことができるようになる。 〔請求項1に記載された発明の効果〕本発明によると、
中子は、その中子に接する溶湯が凝固するまでは、その
溶湯の高圧に耐えるだけの大きな強度を有しているため
に、従来のように、鋳造圧力を下げる必要がなくなり、
製品の形状不良等が発生し難くなる。また、鋳造中に製
品から中子を引き抜けるために、後工程で前記中子を再
加熱して引き抜くような手間も掛からない。
【0005】〔課題を解決するための請求項2に係る手
段〕上記した課題は、以下の特徴を有する鋳造装置によ
って解決される。即ち、請求項2に係る鋳造装置は、中
子が挿入されているキャビティ内に溶湯を高圧で圧入し
て製品を鋳造する鋳造装置において、樹脂製の中子と、
前記中子をキャビティ内の予め決められた位置に位置決
めする中子位置決め機構と、溶湯の圧入後、前記中子を
引き抜く中子引き抜き機構とを有し、前記中子は、溶湯
がキャビティ内に圧入されてから前記中子に接する部位
が凝固するまでの時間をT1とし、そのT1よりも長い
時間をT2としたときに、前記溶湯にT1時間だけ接し
ている間はその溶湯の高圧に抗してその変形量が前記製
品に求められる形状精度を満足する強度を維持し、か
つ、前記T1時間以上でT2時間以下の間は溶湯の熱に
より塑性変形が可能であると同時に、一端を引き抜くこ
とにより他端も引き抜くことができる相互結合力を有す
る樹脂で製造されており、前記中子引き抜き機構は、前
記T1時間以上T2時間以下のタイミングで作動するこ
とを特徴とする。 〔請求項2に記載された発明の作用〕本発明に係る鋳造
装置により、請求項1に記載された鋳造方法を実施する
ことができる。 〔請求項2に記載された発明の効果〕本発明により、請
求項1に記載された発明と同様な効果を得ることができ
る。
【0006】〔課題を解決するための請求項3に係る手
段〕上記した課題は、以下の特徴を有する鋳造装置によ
って解決される。即ち、請求項3に係る鋳造装置は、請
求項2に記載された鋳造装置において、前記中子引き抜
き機構は、型開き力により、前記中子を引き抜くことを
特徴とする。 〔請求項3に記載された発明の作用〕本発明によると、
中子引き抜き機構は、型開き力により中子を引き抜くた
めに、中子の引き抜きのための特別な動力源が必要なく
なる。 〔請求項3に記載された発明の効果〕本発明によると、
中子の引き抜きのための特別な動力源が必要なくなるた
めに、設備が簡略化されて設備コストが低減する。
【0007】〔課題を解決するための請求項4に係る手
段〕上記した課題は、以下の特徴を有する鋳造装置によ
って解決される。即ち、請求項4に係る鋳造装置は、請
求項2あるいは請求項3に記載された鋳造装置におい
て、前記中子位置決め機構は、前記中子の巾木部に形成
された第一凹部あるいは凸部と、前記中子引き抜き機構
に設けられた第二凸部あるいは凹部とから構成されてお
り、前記第一凹部あるいは凸部に対して第二凸部あるい
は凹部が中子の引き抜き方向に対して交差する方向から
嵌合するとともに、嵌合した状態で相対回転が不能な構
造であることを特徴とする。 〔請求項4に記載された発明の作用〕本発明によると、
前記前記第一凹部あるいは凸部に対して第二凸部あるい
は凹部が中子の引き抜き方向に対して交差する方向から
嵌合するために、前記中子は中子引き抜き機構に対して
引き抜き方向において定位置に位置決めされる。また、
両者が嵌合した状態で相対回転が不能な構造であるため
に、中子が中子引き抜き機構に対して上下にずれること
はない。したがって、前記中子引き抜き機構が中子を引
き抜く前の状態であれば、前記中子はキャビティ内の所
定位置に位置決めされる。ここで、中子の巾木部は鋳型
に接触してその鋳型により冷却されるため、溶湯からの
熱を直接受けることがなく高い強度のままで保持され
る。このため、鋳造中に、前記巾木部に形成された第一
凹部あるいは凸部の形状が変化することはない。したが
って、前記第一凹部あるいは凸部に中子引き抜き機構の
第二凸部あるいは凹部を嵌合させることにより、前記中
子を位置決めしても、鋳造中に、前記中子が位置ずれを
起こすことはない。 〔請求項4に記載された発明の効果〕本発明によると、
中子位置決めは、中子の巾木部に形成された第一凹部あ
るいは凸部と、中子引き抜き機構の第二凸部あるいは凹
部とが嵌合することにより行われるために、機構が簡単
でありメンテナンス性も良く設備コストが低減される。
【0008】
【実施例】
〔第1実施例〕以下、図1〜図3に基づいて本発明の第
1実施例に係る鋳造方法及びその装置の説明を行う。こ
こで、図1(A)は、本実施例に係る鋳造装置10の要
部概略図であり、図1(B)は、図1(A)のB部詳細
図である。本鋳造装置10は、製品を鋳造するためのダ
イカストマシンであり、固定型(図示されていない)と
可動型12から構成される金型11を備えている。前記
金型11は、図示されていない射出部から圧入された溶
湯を凝固させて製品を成形する部分であり、型締めされ
た状態でその内部にはキャビティ14と、そのキャビテ
ィ14に溶湯を導くための湯道15とが形成される。前
記可動型12は、図1(A)において紙面に対し直角方
向に移動できる構造であり、その可動型12の側面には
後記する樹脂製の中子16を位置決めするとともに、そ
の中子16を予め決められたタイミングで製品から引き
抜くための中子引き抜き機構18が設けられている。
【0009】中子引き抜き機構18は、油圧シリンダ1
8yと、その油圧シリンダ18yを可動型12に対して
水平に固定するための架台18kとから構成されてお
り、前記油圧シリンダ18yのピストンロッド18pの
先端に鉤部18eが設けられている。ここで、前記鉤部
18eは角棒をL型に曲げて成形したものであり、その
鉤部18eの曲がり部が、図1(B)に示されるよう
に、前記中子16の巾木部16hに形成された角穴16
eに嵌合されるようになっている。これによって、前記
中子16の巾木部16hと油圧シリンダ18yとが連結
されるとともに、その中子16が引き抜き方向、幅方向
及び高さ方向に位置決めされる。なお、前記油圧シリン
ダ18yのストロークは、ピストンロッド18pを延出
した状態で中子16をキャビティ14内の所定位置に位
置決めし、また、ピストンロッド18pを収納した状態
で中子16をキャビティ14の外まで引き抜くことがで
きる長さに設定されている。即ち、前記角穴16eが本
発明の中子の巾木部に形成された第一凹部に相当し、前
記鉤部18eが本発明の中子引き抜き機構に設けられた
第二凸部に相当する。
【0010】前記中子16は、熱可塑性の合成樹脂を射
出成形することにより成形されている。ここで、前記合
成樹脂としては、ポリカーボネート、ポリプロピレン、
ポリエチンあるいはこれらの重合体等、ガラス転移点が
高く(160 ℃) 、また、衝撃強さ、延性ともに高い樹脂
が好適に使用される。図2は、鋳造中における溶湯(ア
ルミニウム合金溶湯 凝固温度 550 ℃)の一般的な温
度変化の様子(以下、溶湯特性Aという)と、ポリカー
ボネートにより成形された前記中子16の一般的な温度
変化の様子(以下、中子特性G1という)とを、縦軸に
温度、横軸に時間を取って表したものである。なお、溶
湯特性Aおよび中子特性G1は、製品の形状や中子16
の配置、サイズ等によって傾きが変動する。
【0011】図2の時間軸におけるt0 は、溶湯の圧入
開始タイミングを表しており、taはキャビティ14に
溶湯の充填が完了したタイミングを表している。なお、
t0〜ta の間では、溶湯の温度はほとんど低下せず約7
00 ℃に保持されている。前記キャビティ14に充填さ
れた溶湯は、金型11や中子16に冷却されて温度が低
下し、溶湯の充填が完了したタイミング (ta)から時間
tb (t0 からT1時間経過)で中子16に接する部分
が凝固温度 550℃にまで到達し、その部分の溶湯が凝固
する。前記溶湯は金型11内でさらに冷却され、全体が
凝固して製品が成形された後に型開きされて金型11か
ら取り出される。
【0012】一方、中子16は、溶湯からの熱を受けて
温度が上昇する。ここで、前記中子16の材料であるポ
リカーボネートは熱伝導率が小さいため、溶湯が接触す
る表面の温度が溶湯の温度にほぼ等しくなっても、内部
の温度は表面に近い側から徐々に上昇する。そして、温
度が215 ℃〜225 ℃に到達した部位から順番に可塑化す
る。なお、図2に示す中子16の温度は平均温度を表し
ている。前記中子16の温度が常温から160 ℃までの間
(高剛性領域)では、ポリカーボネートはほとんど可塑
化しておらず中子16は高い強度を維持している。この
ため、前記中子16に対して約80MPa の鋳造圧力が加わ
っても、中子16はその変形量が製品に求められる形状
精度を満足するように保持され、ダイカスト用中子とし
ての本来の機能を発揮する。一般的に、製品の厚みや中
子16のサイズ等は、前記中子16が高剛性領域にある
間にキャビティ14内の溶湯が凝固するように設定され
る。ここで、図2中のtc は、キャビティ14内の溶湯
が凝固してからもなお中子16が高剛性領域にある時間
である。また、製品の形状等によっては、前記中子16
が高剛性領域にある間に溶湯が凝固しない場合も考えら
れるが(図中、点線G2 参照)、この場合には、前記
中子16の表面に断熱材の層を設けることにより、その
中子16の内部の温度上昇を抑え、中子特性をG2から
G1に近づけることも可能である。
【0013】前記中子16の温度が160 ℃から約200 ℃
までの間(中剛性領域)では、その中子16の表面側は
可塑化しているが芯の部分には高い剛性を有する部位が
存在している。したがって、前記中子16の平均的な強
度は低下し、製品からの引き抜きは可能であるが、引っ
張り力が加えられても必要以上に延びたり切れることは
ない。したがって、この中剛性領域において前記中子1
6の巾木部16hに対して中子引き抜き機構18からの
引き抜き力を働かせれば、前記中子16を製品から効率
的に抜き取ることができる。さらに、前記中子16の温
度が210 ℃を超える領域(低剛性領域)では、中子16
は芯に近い部分まで可塑化するため、前記中子16の平
均的な強度は急激に低下する。このため、低剛性領域に
達した中子16に引き抜き力が加えられると、中子16
がその力に耐えられず千切れたり延びすぎたりして引き
抜きが困難になる。即ち、前記中子16が中剛性領域か
ら低剛性領域に変わる際の時間が本発明のT2時間に相
当する。
【0014】次に、図3(A)〜図3(E)に基づい
て、本実施例に係る鋳造方法の説明を行う。先ず、型開
きが行われた状態で、図(A)に示されるように、中子
16の巾木部16hが中子引き抜き機構18の油圧シリ
ンダ18yの鉤部18eに嵌合されて、前記中子16は
キャビティ14の所定位置に位置決めされる。この状態
で型締めが行われると、次に、図(B)に示されるよう
に、前記金型11の内部に溶湯が圧入される。そして、
溶湯が凝固したタイミング(溶湯の圧入開始からT1時
間、溶湯温度が550 ℃ )で、型開きした後、前記油圧シ
リンダ18yが作動して中子16の巾木部16hには引
き抜き力が作用する。ここで、前記中子16は、前述の
ように、溶湯が凝固した状態では高剛性領域にあるため
に可塑化しておらず、中子16は高い強度を有してい
る。このため、前記中子16に中子引き抜き機構18の
引き抜き力が加わっても、前記中子16はそのままの状
態に保持される。しかしながら、中子引き抜き機構18
からの力は中子16の巾木部16hに対して継続して働
いているため、製品Xの熱により前記中子16の温度が
上昇して中剛性領域に達するとその時点で中子16は、
図(C)に示されるように、速やかに引き抜かれる。
【0015】このようにして、前記中子16が引き抜か
れ、さらに、前記金型11に溶湯が圧入されたタイミン
グ(図2中 t0 ) から所定時間が経過すると、型開き
が行われて、図(D)に示されるように、製品Xが取り
出されるとともに、図(E)に示されるように、引き抜
かれた中子16が油圧シリンダ18yの鉤部18eから
取り外される。このように、本実施例によると、中子1
6は、ダイカスト法で一般的に使用される約80MPa の鋳
造圧力が加わったとしてもその変形量が許容値以下であ
るポリカーボネートで成形されているために、従来のよ
うに、鋳造圧力を低くする必要もなくなり、製品Xの形
状不良等が生じることはない。
【0016】また、溶湯が凝固して製品Xが成形された
タイミングで、中子16の巾木部16hには中子引き抜
き機構18からの引き抜き力が作用するために、前記中
子16が製品Xの熱により平均的に強度が低下して引き
抜き可能な状態に達すると、速やかにその中子16は引
き抜きかれる。このため、引き抜きタイミングが遅れて
中子16が液化あるいは軟化して引き抜きが不能となる
こともない。さらに、前記中子16が溶湯の熱によって
加熱され、その中子16の強度が平均的に低下した状態
で中子16の引き抜きが行われるために、後工程で中子
16の引き抜きのために、その中子16を再加熱をする
必要もなくなる。このため、再加熱に起因した製品Xの
ブリスタ不良や熱歪み等を防止するとともに、省エネル
ギーを図ることができる。さらに、前記中子16の巾木
部16hは金型11に接してその金型11により冷却さ
れているため、溶湯により直接加熱されることがなく、
高い強度のままで保持される。このため、中子16の巾
木部16hと中子引き抜き機構18との連結が不良にな
ることがない。また、前記油圧シリンダ18yのピスト
ンロッド18pの鉤部18eと、前記中子16の巾木部
16hに形成された角穴16eとが嵌合されることによ
って、中子16が水平方向、高さ方向に位置決めされる
構造であるために、中子16を位置決めするための機構
が簡単であり、メンテナンス性も良く、設備コストが低
減される。
【0017】〔第2実施例〕次に、図4〜図6に基づい
て本発明の第2実施例に係る鋳造方法及びその装置の説
明を行う。ここで、図4は、本実施例に係る鋳造装置2
0の要部概略図であり、図5は、図4の V 部詳細図、
図6は、図4の VI 部詳細図である。本実施例に係る鋳
造装置20は、中子26の巾木部26hを固定型21の
巾木支持部21sに固定できるようにし、型開き時に、
可動型22に固定された製品Xからその中子26hを抜
き取れるようにしたものである。前記可動型22はタイ
バー23に倣って図中左右方向に移動できるようになっ
ており、型締めにより固定型21に係合された状態で、
型内にはキャビティ24と、そのキャビティ24に溶湯
を導くための湯道(図示されていない)が形成される。
【0018】また、前記可動型22の上壁部と下壁部に
は、それぞれ縦貫通孔22hが形成されており、図5に
示されるように、それらの縦貫通孔22hに製品固定ピ
ン22pが摺動可能な状態で挿入されている。前記製品
固定ピン22pは、油圧シリンダ22yによって軸方向
に移動される構造であり、鋳造中はそれらの製品固定ピ
ン22pの先端が前記キャビティ24の内部に突出する
ようになっている。これによって、鋳造後に型開きが行
われても、製品Xは可動型22に固定された状態のまま
に保持される。前記固定型21には、図6に示されるよ
うに、前記巾木支持部21sを上下から挟むように深孔
21hが形成されており、この深孔21hに中子固定ピ
ン21pが摺動可能な状態で挿入されている。なお、前
記中子固定ピン21pは、油圧シリンダ21yによって
軸方向に移動できるようになっている。
【0019】前記中子26は、第1実施例の場合と同様
にポリカーボネート等の熱可塑性の合成樹脂から成形さ
れており、その巾木部26hが前述のように固定型21
の巾木支持部21sに係合できるようになっている。ま
た、前記巾木部26hには、縦方向に貫通孔26xが形
成されており、その巾木部26hが固定型21の巾木支
持部21sに係合した状態で、巾木部26hの貫通孔2
6xは固定型の深孔21hに接続されるようになってい
る。この構造により、中子26の巾木部26hが固定型
21の巾木支持部21sに係合された状態で、図6に示
されるように、前記中子固定ピン21pが深孔21h及
び貫通孔26xに通されることにより、中子26は固定
型21に堅固に固定される。
【0020】次に、図7(A)〜図7(F)に基づい
て、本実施例に係る鋳造方法の説明を行う。先ず、型開
きが行われた状態で、図(A)に示されるように、前記
中子26の巾木部26hが固定型21の巾木支持部21
sに係合されて、中子固定ピン21pが深孔21h及び
貫通孔26xに通される。これによって、前記中子26
は固定型21の所定位置に位置決めされる。また、可動
型22の製品固定ピン22pが油圧シリンダ22yによ
り動かされ、その先端が前記キャビティ24の内部に突
出する。この状態で図(B)に示されるように、型締め
が行われると、次に、図(C)に示されるように、型内
に溶湯が圧入される。
【0021】そして、前記型内の溶湯が凝固すると型開
きが行われる(図2中 T1〜T2の区間)。ここで、
前記可動型22に装着された製品固定ピン22pの先端
はキャビティ24の内部に突出して溶湯に鋳ぐるまれる
ため、製品Xは型開き後も可動型22に固定された状態
のままでその可動型22とともに移動する。一方、前記
中子26は型開き時には中剛性領域(図2参照)にある
ために平均的な強度が低下して引き抜きが可能な状態に
あり、さらに、その中子26の巾木部26hは固定型2
1の巾木支持部21sに固定されている。このため、製
品Xが可動型22とともに移動すると、図(D)に示さ
れるように、前記中子26は前記製品Xから抜き取られ
て、固定型21に残存する。
【0022】このようにして、中子26が製品Xから抜
き取られると、図(E)に示されるように、製品固定ピ
ン22pの先端が製品Xから抜かれて可動型22の縦貫
通孔22hに収納されるとともに、中子固定ピン21p
が中子26の貫通孔26xから抜かれて、図(F)に示
されるように、製品X及び中子26が可動型22及び固
定型21から取り外される。このように、本実施例に係
る鋳造方法によると、型開き力によって中子26の引き
抜きが行われるために、中子26の引き抜きのための特
別な動力源が必要なくなり、設備が簡略化されて設備コ
ストが低減する。ここで、本実施例では、製品固定ピン
22pにより製品Xを可動型22に固定しているが加圧
ピンや入子での代用も可能である。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る鋳造装置の要部概略
図である。
【図2】鋳造中における溶湯の温度変化特性と、中子の
温度変化特性とを表したグラフである。
【図3】本発明の第1実施例に係る鋳造方法を表す工程
図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る鋳造装置の要部概略
図である。
【図5】図4の V 部詳細図である。
【図6】図4の VI 部詳細図である。
【図7】本発明の第2実施例に係る鋳造方法を表す工程
図である。
【符号の説明】
X 製品 14 キャビティ 16 中子 16h 巾木部 16e 角穴(第一凹部、中子位置決め機構) 18 中子引き抜き機構 18y 油圧シリンダ 18p ピストンロッド 18e 鉤部(第二凸部、中子位置決め機構) 21p 中子固定ピン 22p 製品固定ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨高 周一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−293646(JP,A) 特開 平6−328195(JP,A) 特開 平4−189523(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 17/22,18/02 B22C 9/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中子が挿入されているキャビティ内に溶
    湯を高圧で圧入して製品を鋳造する鋳造方法において、 溶湯がキャビティ内に圧入されてから前記中子に接する
    部位が凝固するまでの時間をT1とし、そのT1よりも
    長い時間をT2としたときに、前記溶湯にT1時間だけ
    接している間はその溶湯の高圧に抗してその変形量が前
    記製品に求められる形状精度を満足する強度を維持し、
    かつ、前記T1時間以上でT2時間以下の間は溶湯の熱
    により塑性変形が可能であると同時に、一端を引き抜く
    ことにより他端も引き抜くことができる相互結合力を有
    する樹脂を選択する工程と、 前記工程で選択した前記樹脂で、前記中子を製造する工
    程と、 溶湯の圧入後、前記T1時間以上T2時間以下のタイミ
    ングで前記中子を引き抜く工程と、を有することを特徴
    とする鋳造方法。
  2. 【請求項2】 中子が挿入されているキャビティ内に溶
    湯を高圧で圧入して製品を鋳造する鋳造装置において、 樹脂製の中子と、 前記中子をキャビティ内の予め決められた位置に位置決
    めする中子位置決め機構と、 溶湯の圧入後、前記中子を引き抜く中子引き抜き機構と
    を有し、 前記中子は、溶湯がキャビティ内に圧入されてから前記
    中子に接する部位が凝固するまでの時間をT1とし、そ
    のT1よりも長い時間をT2としたときに、前記溶湯に
    T1時間だけ接している間はその溶湯の高圧に抗してそ
    の変形量が前記製品に求められる形状精度を満足する強
    度を維持し、かつ、前記T1時間以上でT2時間以下の
    間は溶湯の熱により塑性変形が可能であると同時に、一
    端を引き抜くことにより他端も引き抜くことができる相
    互結合力を有する樹脂で製造されており、 前記中子引き抜き機構は、前記T1時間以上T2時間以
    下のタイミングで作動することを特徴とする鋳造装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された鋳造装置におい
    て、 前記中子引き抜き機構は、型開き力により前記中子を引
    き抜くこと特徴とする鋳造装置。
  4. 【請求項4】 請求項2あるいは請求項3に記載された
    鋳造装置において、 前記中子位置決め機構は、前記中子の巾木部に形成され
    た第一凹部あるいは凸部と、前記中子引き抜き機構に設
    けられた第二凸部あるいは凹部とから構成されており、 前記第一凹部あるいは凸部に対して第二凸部あるいは凹
    部が中子の引き抜き方向に対して交差する方向から嵌合
    するとともに、嵌合した状態で相対回転が不能な構造で
    あることを特徴とする鋳造装置。
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