JP3223538B2 - 焼結チタン合金およびその製造方法 - Google Patents

焼結チタン合金およびその製造方法

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JP3223538B2
JP3223538B2 JP25043691A JP25043691A JP3223538B2 JP 3223538 B2 JP3223538 B2 JP 3223538B2 JP 25043691 A JP25043691 A JP 25043691A JP 25043691 A JP25043691 A JP 25043691A JP 3223538 B2 JP3223538 B2 JP 3223538B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度で安価な焼結チ
タン合金およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、
α相とβ相と分散粒子の三相組織からなり強度特性に優
れた焼結チタン合金およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】チタン合金は、超強力鋼や高力アルミ合
金より高い比強度比靭性を有するが、素材価格が高い、
溶解・鋳造が困難、難加工性に起因する歩留まりの悪さ
などの理由により、これまで量産部品に適用することは
困難とされてきた。
【0003】しかし、粉末冶金法によれば、 Near Net
Shapeの部品製造が可能であり、中でも、純チタン粉末
と強化成分粉末とを混合し、成形・焼結する素粉末混合
法は、原料粉末が安価である、材料歩留まりが高
い、製造プロセスが簡便であるなどの利点を有し、大
幅なコストダウンが期待できる。しかしながら、従来の
素粉末混合法では、得られた焼結チタン合金の機械的性
質、特に疲労強度が鋳造材なみに低い点が問題であっ
た。そのため、ナット類、ファスナー、フィルターなど
の小物類や、疲労強度がさほど問題とされないドームハ
ウジング、ジャイロジンバルなどのミサイル用部品には
多量に使用されているが、疲労強度が必要とされる重要
部品には適用できないという問題を有していた。
【0004】そこで、これら問題を解決するため、最近
では不純物を極力除いた高純度チタン粉末を原料とし、
しかも焼結後HIP処理と熱処理とを施すことにより疲
労強度を改善しようとする試みが盛んに行われている。
【0005】例えば、構成金属元素粉末を混合・成形・
真空焼結した焼結チタン合金を、さらに真空焼結温度以
下のβ温度域から室温以下の温度に焼入れし、その後、
800℃以上β変態温度までのα+β2相域で、加圧下
で加熱して残留空隙を除去する「素粉末混合法によるチ
タン合金の製造方法」(特公平1-29864号公報)が提案
されている。この方法では、HIP処理と熱処理とをう
まく組み合わせて焼結チタン合金の強化処理を行うこと
により、素粉末混合法でありながら合金粉末法と類似し
た微細均質組織を実現することができ、優れた疲労特性
を実現することができた。
【0006】すなわち、合金粉末法と素粉末混合法とで
は、同じようにHIP処理して作製したα+β合金であ
ってもその組織はかなり異なっている。なぜなら、HI
P処理前の組織状態が両者で異なるからである。前者の
合金粉末法の場合は、粉末製造時に急冷された合金粉末
をそのままβ転移点以下の温度で固化するために、HI
P処理中にマルテンサイトが焼き戻されて微細なα+β
組織となる。一方、後者の素粉末混合法の場合は、焼結
後の冷却過程でβ/α変態によって粗大な針状α相が形
成されるが、これをβ転移点以下の温度でHIP処理し
ても組織はほとんど変化しない。
【0007】そこで、特公平1-29864号では、焼結後β
焼入れを行って組織を一旦均一なマルテンサイトとして
からHIP処理を施している。ここで、残留空孔が重要
な役割を演じることになる。すなわち、β域での溶体化
を行う際に,焼結体中に5vol%程度残留している空孔が
β相の粒成長を完全に抑制するため、これを急冷して得
られるマルテンサイト組織は微細化する。したがって、
その後のα+β二相域でのHIP処理により、合金粉末
と同様な、微細かつアスペクト比の小さいα相が形成さ
れることになる。この特公平1-29864号では、極低塩素
チタン粉末を原料として、上記改良処理を施し残留空孔
を完全に除去することにより、合金粉末法となんら遜色
のない疲労特性を有するチタン合金を製造することがで
きる。
【0008】また、高密度焼結チタン合金を製造するに
際して、a.合金形成粒子を高いエネルギーを付与できる
粉砕機を用いて平均粒径0.5ないし20ミクロンの大
きさに粉砕し、b.平均粒径40ないし177ミクロンの
チタン基金属粒子と該粉砕した合金形成粒子とを混合
し、チタン基金属粒子の重量配合比が70ないし95
%、残部が前記合金形成粒子を含有する粉末混合物を形
成し、c.該混合物を圧粉体に成形し、液相が形成する温
度未満で焼結する「高密度粉末焼結チタン合金の製造方
法」(特公平2-50172号公報)が提案されている。この
方法により、粉砕時に加えられた機械的エネルギが粉末
中に歪みエネルギとして蓄積されて焼結を促進し、粉末
成形+焼結工程のみで相対密度が99%以上と高密度に
なり、通常の方法に比べて機械的性質は著しく向上する
としている。
【0009】また、粒度325メッシュ以下の粉末を2
5重量%以上含むTiまたはTi合金粉末と、粒度32
5メッシュ以下の合金化用添加粉末とを所定量で混合し
た粉末を、機械的粉砕手段で処理し、圧粉成形・焼結す
る「高密度Ti焼結合金の製造方法」(特開昭63−1307
32号公報)が提案されている。この方法では、チタン粉
末と母合金粉末とを混合したものを、高エネルギーボル
ミル等の装置を用いて強加工を加えてチタン粉末と母合
金とを共に微粉化し、その後、これらの微粉末をメカニ
カルに結合して増粒する。このようにして製造した粉末
を成形・焼結することにより緻密な焼結体が得られると
している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
公平1-29864号では、焼結チタン合金でもHIP処理と
熱処理とを併用することにより、機械的な性質を改善す
ることが可能であるものの、このような方法では、原
料として高価な極低塩素粉末を用いる必要がある、焼
結後に、HIP処理と熱処理とを必要とする、など大幅
なコストアップが避けられず、自動車部品などの安価な
量産品には適用できないという問題を有していた。
【0011】また、特公平2-50172号では、一般に用い
られるAl3 Vのような母合金には塑性変形能がほとん
どないため、粉砕処理中に焼結を促進させるほどの歪み
エネルギを粉末内部に蓄積させることはできない。従っ
て、この方法で達成される高密度化は、母合金の粉砕工
程で母合金粉末の平均粒径が減少し、単に表面エネルギ
が増大したためである。しかしながら、このような微粉
化による焼結促進は公知の事実であり、また、この方法
で得られる疲労強度は、通常の方法に比べれば高いもの
の、成形圧力を増大させてもせいぜい40kg/mm2 に満
たない程度でしかないという問題を有している。
【0012】また、特開昭63−130732号では、母合金粉
末と共にチタン粉末をも微粉化するものであるが、延性
の高いチタン粉末を微粉化するためには、極めて高いエ
ネルギを投入し、チタン粉末を強変形させることが必要
となる。このように強変形を受けたチタン粉末は著しく
加工硬化するため粉末の圧縮性が低下し、成形体密度を
上げるためには、通常の方法よりもはるかに高い成形圧
力を必要とする。また、微粉化後さらに強加工を継続す
ると再び増粒するが、このような増粒粉末は一般に形状
が単純であり、極めて成形性に劣ることが知られてい
る。さらに、チタン粉末は活性なため、これを微粉化す
る工程で多量の酸素を取り込むことは避けられず、焼結
後の機械的性質、特に延性を著しく低下させるという問
題を有している。
【0013】さらに、これら従来技術では、いずれも溶
製鍛造用に開発された公知の合金組成物を対象としてお
り、素粉末混合法の製造方法の特徴を活かした合金組成
物については何ら開示されていない。
【0014】そこで、本発明者らは、上述の如き従来技
術の問題点を解決すべく鋭意研究し、各種の系統的実験
を重ねた結果、本発明を成すに至ったものである。
【0015】(発明の目的)本発明の目的は、高強度で
安価な焼結チタン合金およびその製造方法を提供するに
ある。
【0016】本発明者らは、上述の従来技術の問題に対
して、以下のことに着眼した。すなわち、素粉末混合法
焼結チタン合金で、HIP処理や熱処理を行わずに高強
度化するための必須条件として、焼結のままで残留空
孔が微細であること、及び焼結後徐冷の状態で組織が
微細化していること、さらに、このような焼結体を得る
ためには、合金組成と製造プロセスの最適な組み合わせ
が不可欠である点に着目した。
【0017】そこで、上記の条件を満足させるために、
前記従来技術のように通常の溶製鍛造用に開発された合
金組成をそのまま用いるのではなく、素粉末混合法に適
した合金組成の原料粉末を用いること、また、製造プロ
セス的には、原料チタン粉末の形状を制御して粉末の充
填密度を所定の値に向上させることにより残留空孔の微
細化を図ること、さらに従来法では特性を悪化させる成
分として厄介者扱いされてきたチタンに含まれる不純物
や介在物を、逆に特性改善・向上剤として積極的に利用
するなど、従来とは異なった新しい視点に立ったアプロ
ーチから問題を解決することに着眼し、本発明を成すに
至った。
【0018】
【課題を解決するための手段】(第1発明) 第1発明の焼結チタン合金は、mass%で、アルミニウム
(Al)4〜8%と、バナジウム(V)2〜6%と、酸
素(O)0.15〜0.8%と、少なくとも硼素(B)
0.2〜5%、モリブデン(Mo),タングステン
(W),タンタル(Ta),ジルコニウム(Zr),ニ
オブ(Nb),ハフニウム(Hf)の一種以上0.5〜
3%、Ia属,IIa属, IIIa属元素の一種以上0.0
5〜2%、ハロゲン属元素の一種以上0.05〜0.5
%から選択された所定量の元素を一種以上を含み、残部
がチタニウム(Ti)と不可避物質からなり、α相とβ
相と少なくともTiB,酸化物,ハロゲン化物の一種以
上の粒子との三相組織を有してなることを特徴とする。
【0019】(第2発明) 第2発明の焼結チタン合金の製造方法は、チタン粉末と
強化用母合金粉末とを混合、成形すると共に該成形体を
無加圧で焼成することによりα+β型焼結チタン合金を
製造する方法であって、前記成形前に、前記チタン粉末
を加圧すると共にこすり合わせ、原料粉末の充填密度を
2.0g/cm 〜3.0g/cm とするとともに該チタ
ン粉末の再結晶時及び/又はαからβへの変態時の均一
核生成サイトを増加させたことを特徴とする。
【0020】
【作用】第1発明の焼結チタン合金および第2発明の焼
結チタン合金の製造方法が、優れた効果を発揮するメカ
ニズムについては、未だ必ずしも明らかではないが、次
のように考えられる。
【0021】(第1発明の作用)本焼結チタン合金にお
いて、Alの含有量は、4〜8mass%である。このAl
は、チタン合金の強化元素として最も一般的な元素であ
って、固溶強化とα相安定化の役割を有している。該含
有量が4%未満では強化作用が不十分であり、8%を超
えると延性を極端に低下させる。
【0022】Vの含有量は、2〜6mass%である。この
Vも、チタン合金の強化元素として一般的であって、固
溶強化とβ相安定化の作用を有する元素である。該含有
量が2%未満では強化作用、β安定化作用が不十分であ
り、6%を超えるとβ安定化作用が強すぎる。
【0023】Oの含有量は、0.15〜0.8mass%で
ある。このOは、チタン合金の延性を低下させる元素と
して、通常はその上限値が0.15%程度に厳しく限定
されているが、素粉末混合法焼結チタン合金の場合は、
その理由は明らかではないが、延性低下作用が小さく、
強化用合金成分として有効な元素である。該含有量が、
0.15%未満では強化作用が小さすぎ、0.8%を超
えると焼結チタン合金の場合でも延性が極端に低下す
る。
【0024】Bの含有量は、0.2〜5mass%である。
このBは、チタン合金中にほとんど固溶せず、したがっ
て焼結体中のBの大部分はTiBの形でマトリックス中
に微細に分散する(ただし,炭素が僅かでも共存する場
合はTiBの一部がTiB2 に置き換わることもあ
る)。微細TiB粒子は、焼結過程ではβ結晶粒の成長
を抑制し、焼結後の冷却過程ではα相の均一核生成を促
進する。これらの複合効果により、焼結体組織中のα相
は等軸化し、また、粒界α相は消失する。該含有量が、
0.2%未満ではTiBの析出量が少なすぎ、5%を超
えるとTiBの析出量が多すぎて十分な延性が得られな
い。
【0025】Mo、W、Ta、Zr、Nb、Hfの含有
量は、その一種以上が、0.5〜3mass%である。これ
ら元素は、いずれもチタン合金中での拡散が極めて遅
く、β転移温度を低下させ、さらに、β/α界面の易動
度を低下させる、等の理由で、冷却後の粒内α相を著し
く微細化させる効果がある。これらのうち1種以上の含
有量の合計が、0.5%未満では上記効果が不十分であ
り、3%を超えると焼結過程で成分の均質化が不十分と
なり、また、β転移温度が低下し過ぎる。
【0026】Ia属,IIa属, IIIa属元素の含有量
は、その一種以上が、0.05〜2mass%である。これ
ら元素は、一般に酸素やハロゲン属元素との結合力がT
iよりも強いため、チタン合金中に酸素やハロゲン属元
素と共存して、その大部分が酸化物やハロゲン化物とし
て存在している。この酸化物粒子やハロゲン化物粒子
は、焼結過程ではβ結晶粒の成長を抑制し、焼結後の冷
却過程ではα相の均一核生成を促進する。これらの複合
効果により、焼結体組織中のα相は等軸化し、また、粒
界α相は消失する。これらの元素のうち一種以上の含有
量の合計が、0.05%未満では酸化物やハロゲン化物
の析出量が少なすぎ、2%を超えると酸化物粒子やハロ
ゲン化物粒子が粗大化し、また、その分散も不均一にな
る。
【0027】ハロゲン属元素の含有量は、その一種以上
が、0.05〜0.5mass%である。これら元素は、チ
タン合金の中でIa属,IIa属, IIIa属元素と結合し
て微細なハロゲン化物を形成している。このハロゲン化
物は、NaCl,MgCl2 ,CaCl2 ,YCl3
KCl,BaCl2 などである。これら元素のうち、一
種以上の含有量の合計が、0.05%未満ではハロゲン
化物の析出量が不十分であり、0.5%を超えるとハロ
ゲン化物粒子が粗大化し、また、その分散も不均一にな
るとともに、延性が低下する。
【0028】前記元素を含有する焼結チタン合金は、α
相とβ相と少なくとも硼化物,酸化物,ハロゲン化物の
一種以上の粒子との三相組織を有してなる。このよう
に、三相組織とすることにより、疲労強度を低下させる
要素要因の一つである粗大針状のα相ならびに粒界α相
がなくなり、均一な等軸α+β組織となっている。以上
により、高強度な焼結チタン合金となっているものと考
えられる。
【0029】(第2発明の作用) 第2発明の焼結チタン合金の製造方法は、無加圧焼成に
よりα+β型焼結チタン合金を製造するに際して、チタ
ン粉末と強化用母合金粉末とからなる混合粉末を成形す
る前に、前記チタン粉末を加圧すると共にこすり合わせ
る加工を施し原料粉末の充填密度を2.0g/cm
3.0g/cm とする。
【0030】このように、チタン粉末に加圧を行うとと
もにこすり合わせることにより、変形を与えると粉末粒
子の突起部が潰され表面が平滑化する。これにより、粉
末の流動性が向上して原料粉末の粒子間における空隙が
微細化し、充填密度が向上する。この粉末を成形、焼結
すると残留空孔は著しく孤立微細化する。
【0031】また、前記加工処理により、チタン粉末に
適度な歪エネルギが蓄積され、焼結時及び/又はαから
βへの変態時の均一核生成サイトが増加するため、初期
β結晶粒径分布が均一化し、β領域における結晶粒成長
速度(定常粒成長速度)が著しく低下するとともに異常
粒成長(二次再結晶)が抑制される。その結果、長時間
の焼結過程においてもβ結晶粒径は粗大化しにくい。な
お、チタン粉末に対する加工度が大きすぎると、下部組
織(転位の集合体)が形成され、初期β結晶粒径分布が
不均一化し易くなる。このような合金をβ領域で加熱す
ると、定常粒成長速度が増大するとともに異常粒成長も
起こり易くなり、結果的にβ結晶粒は著しく粗大化して
しまい、高強度の焼結体が得られない。
【0032】また、一般に塩素含有量の多いチタン粉末
を使用した焼結チタン合金には、焼結後、たとえHIP
処理を施しても粗大な空孔が残留し、疲労強度が向上は
望めないことが知られている。このため、従来は塩素含
有量を下げることが、焼結チタン合金の機械的性質向上
のための必須条件と考えられてきた。しかし、高塩素チ
タン粉末を使用した場合に粗大空孔が形成されるのは、
塩素そのものではなく、NaCl,MgCl2 等の粗大
な介在物粒子が存在するためである。従って、安価な高
塩素チタン粉末であっても、本発明のように上記の加工
処理を施すことにより、粗大介在物が破砕・微粉化され
た状態でチタン粉末と均一に混合される。これより、高
塩素チタン粉末使用材では避けられないと考えられてい
た粗大残留空孔は、除去することができる。
【0033】また、焼結後の冷却時に、α相はβ相の粒
界から核生成するが、その成長はβ相粒界によって止め
られる。従って、焼結時のβ粒成長を抑制すれば、従来
のような粗大な針状結晶となることを抑制することがで
きる。
【0034】このように、チタン粉末を加圧すると共に
こすり合わせる加工を施すことにより、原料粉末の充填
密度を所定値とするとともに該チタン粉末の再結晶時及
び/又はαからβへの変態時の均一核生成サイトを増加
させることができ、その結果、残留空孔が孤立微細化
し、かつ組織も微細化した高密度で疲労強度の向上した
焼結チタン合金が得られるものと考えられる。
【0035】
【発明の効果】
(第1発明の効果)本第1発明の焼結チタン合金は、高
強度な焼結チタン合金である。
【0036】(第2発明の効果)本第2発明の焼結チタ
ン合金の製造方法により、不純物を多く含む安価なチタ
ン粉末を原料として用いても、コストアップを招くHI
P処理や熱処理を一切を行わずに、焼結のみで、高価な
溶製鍛造材なみに高強度化したチタン合金を得ることが
できる。このため、焼結合金本来のコストメリットが十
分発揮でき、コスト最優先の自動車用部品等の量産品に
も適用することが可能となる。
【0037】
【実施例】以下に、第1発明および第2発明をさらに具
体的にした具体例について説明する。
【0038】先ず、本具体例の焼結チタン合金につい
て、以下に説明する。
【0039】第1具体例の焼結チタン合金は、mass%で
アルミニウム(Al)4〜8%と、バナジウム(V)2
〜6%と、硼素(B)0.2〜5%と、酸素(O)0.
15〜0.5%とを含み、残部がチタンと不可避物質か
らなり、α相とβ相と硼化物粒子との三相組織を有して
なることを特徴とする。
【0040】この第1具体例の焼結チタン合金は、チタ
ン硼化物粒子の存在によりα相が等軸化しており、高強
度で安価な焼結チタン合金である。なお、さらに、アス
ペクト比が2以下の場合には、さらに高強度の焼結チタ
ン合金とすることができる。
【0041】第2具体例の焼結チタン合金は、mass%で
アルミニウム(Al)4〜8%と、バナジウム(V)2
〜6%と、硼素(B)0.2〜5%と、酸素(O)0.
15〜0.5%と、モリブデン(Mo),タングステン
(W),タンタル(Ta),ジルコニウム(Zr),ニ
オブ(Nb),ハフニウム(Hf)の一種以上0.5〜
3%とを含み、残部がチタンと不可避物質からなり、α
相とβ相と硼化物粒子との三相組織を有してなることを
特徴とする。
【0042】この第2具体例の焼結チタン合金は、チタ
ン硼化物粒子の存在によりα相が等軸化し、また、M
o,W,Ta,Zr,Nb,Hfの一種以上の物質の存
在により粒内α相が著しく微細化しており、より高強度
で安価な焼結チタン合金である。
【0043】第3具体例の焼結チタン合金は、mass%で
アルミニウム(Al)4〜8%と、バナジウム(V)2
〜6%と、酸素(O)0.25〜0.8%と、ナトリウ
ム(Na),カリウム(K)などのIa属,マグネシウ
ム(Mg),カルシウム(Ca),ストロンチウム(S
r)などのIIa属,スカンジウム(Sc),イットリウ
ム(Y),セリウム(Ce)などの IIIa属元素の群か
ら選択された元素の一種以上0.05〜2%とを含み、
残部がチタンと不可避物質からなり、α相とβ相と酸化
物粒子との三相組織を有してなることを特徴とする。
【0044】Ia属,IIa属, IIIa属元素は酸素との
結合力がTiよりも強いため、その大部分が酸化物とし
て存在している。この酸化物粒子により、β相の結晶粒
成長を抑制し、また、β→α変態時の均一核生成サイト
なるため、粒内α相を等軸化させ、また粒界α相を生成
させない。従って、より高強度で安価な焼結チタン合金
である。
【0045】第4具体例の焼結チタン合金は、mass%で
アルミニウム(Al)4〜8%と、バナジウム(V)2
〜6%と、硼素(B)0.2〜5%と、酸素(O)0.
25〜0.8%と、モリブデン(Mo),タングステン
(W),タンタル(Ta),ジルコニウム(Zr),ニ
オブ(Nb),ハフニウム(Hf)の一種以上0.5〜
3%と、Ia属,IIa属, IIIa属元素の一種以上0.
05〜2%とを含み、残部がチタンと不可避物質からな
り、α相と,β相と,硼化物粒子および酸化物粒子との
三相組織を有してなることを特徴とする。
【0046】この第4具体例の焼結チタン合金では、微
細なチタン硼素物粒子と酸化物粒子の存在により、β相
の結晶粒成長が抑制され、また、これらの粒子はβ→α
変態時の均一核生成サイトなるため、粒内α相を等軸化
させ、また、粒界α相を生成させない。従って、より高
強度で安価な焼結チタン合金である。
【0047】第5具体例の焼結チタン合金は、mass%で
アルミニウム(Al)4〜8%と、バナジウム(V)2
〜6%と、酸素(O)0.15〜0.5%と、Ia属,
IIa属, IIIa属元素の一種以上0.05〜2%と、ハ
ロゲン属元素の一種以上0.05〜0.5%とを含み、
残部がチタンと不可避物質からなり、α相とβ相とハロ
ゲン化物粒子との三相組織を有してなることを特徴とす
る。
【0048】この第5具体例の焼結チタン合金は、より
高強度で安価な焼結チタン合金である。
【0049】第6具体例の焼結チタン合金は、mass%で
アルミニウム(Al)4〜8%と、バナジウム(V)2
〜6%と、酸素(O)0.15〜0.5%と、モリブデ
ン(Mo),タングステン(W),タンタル(Ta),
ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb),ハフニウム
(Hf)の一種以上0.5〜3%と、Ia属,IIa属,
IIIa属元素の一種以上0.05〜2%と、ハロゲン属
元素の一種以上0.05〜0.5%とを含み、残部がチ
タンと不可避物質からなり、α相とβ相とハロゲン化物
粒子との三相組織を有してなることを特徴とする。
【0050】この第6具体例の焼結チタン合金は、より
高強度で安価な焼結チタン合金である。
【0051】ここで、この焼結チタン合金の組織状態の
具体的一例を、図1〜図3を用いて説明する。
【0052】図1は、上記第1具体例、第3具体例、第
5具体例に示した焼結チタン合金の組織を模式的に示し
た図である。これらの合金は、等軸化したα相とβ相、
および少なくともチタンの硼化物,酸化物,ハロゲン化
物の一種以上の微細粒子とから構成されている。
【0053】図2は、上記第2具体例、第4具体例、第
6具体例に示した焼結チタン合金の組織をを模式的に示
した図である。これらの合金は、上記第1具体例、第3
具体例、第5具体例に示した焼結チタン合金に、さらに
Mo,W,Ta,Zr,Nb,Hfの一種以上の物質が
存在しているので、該第1具体例、第3具体例、第5具
体例よりもα相がさらに微細化されている。
【0054】図は、従来法によるα+β型チタン合金
の組織を模式的に示したものである。該合金は、旧β粒
界に沿った粒界α相と粒内の粗大な針状α相とβ相とか
ら構成されている。
【0055】本第2発明の焼結チタン合金の製造方法の
好適な具体例について説明する。
【0056】本焼結チタン合金の好適な製造方法は、実
質的に、mass%で、アルミニウム(Al)4〜8%と、
バナジウム(V)2〜6%と、酸素(O)0.15〜
0.5%と、少なくとも硼素(B)0.2〜5%、モリ
ブデン(Mo),タングステン(W),タンタル(T
a),ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb),ハフニ
ウム(Hf)の一種以上0.5〜3%、Ia属,IIa
属, IIIa属元素の一種以上0.05〜2%、ハロゲン
属元素の一種以上0.05〜0.5%から選択された所
定量の元素を一種以上を含み、残部がチタニウム(T
i)と不可避物質となるように、チタン粉末と強化用粉
末とからなる原料粉末を準備する工程(原料粉末準備工
程)と、前記原料粉末のうちチタン粉末を加圧すると共
にこすり合わせ、原料粉末の充填密度を所定値とすると
ともに該チタン粉末の再結晶時及び/又はαからβへの
変態時の均一核生成サイトを増加させるための工程(加
工工程)と、前記原料粉末を混合する工程(原料粉末混
合工程)と、前記混合粉末を成形する工程(成形工程)
と、前記成形体を無加圧で焼成する工程(焼結工程)
と、からなる焼結チタン合金の製造方法である。
【0057】ここで、チタン粉末と強化用粉末とは、焼
結チタン合金の原料となる粉末である。チタン粉末は、
一般に純チタン粉末と呼ばれるものであり、どのような
種類のものでもよい。例えば、(a)ナトリウム還元法
スポンジチタンの副産物であるスポンジファイン、
(b)マグネシウム還元法スポンジチタンを水素化→粉
砕→脱水素して製造される水素化・脱水素チタン粉末、
(c)マグネシウム還元法スポンジチタンを一旦溶解し
て不純物を除去した後、水素化→粉砕→脱水素して製造
される極低塩素チタン粉末の3種類が代表的なものであ
る。
【0058】一般に、強化用母合金粉末は、プラズマ溶
解あるいはアーク溶解などによって作製されたインゴッ
トを粉砕して製造する。したがって、容易に粉砕しうる
組成のものがよい。例えば、代表的なα+β合金を作製
する際に使用される合金としては、Al−V、Al−V
−Fe、Al−Sn−Zr−Mo、Al−V−Sn、A
l−Fe等からなる基本合金組成が知られている。本具
体例では、原料粉末が実質的にmass%で、アルミニウム
(Al)4〜8と、バナジウム(V)2〜6と、酸素
(O)0.15〜0.5と、少なくとも硼素(B)0.
2〜5、モリブデン(Mo),タングステン(W),タ
ンタル(Ta),ジルコニウム(Zr),ニオブ(N
b),ハフニウム(Hf)の一種以上0.5〜3、Ia
属,IIa属,IIIa属元素の一種以上0.05〜2、ハ
ロゲン属元素の一種以上0.05〜0.5から選択され
た所定量の元素を一種以上を含み、残部がチタニウム
(Ti)と不可避物質となるように、所定の物質を添加
したり予め合金として用意するなど、適宜の方法や形態
で強化用粉末となるように準備する。例えば、所定の組
成の合金を作製したり、必要な物質を、硼化物粉末、酸
化物粉末、ハロゲン化物粉末、あるいは純金属粉末の形
態で添加するなどの方法がある。
【0059】ここで、前記原料物質の好適な組成および
数値範囲の限定理由について、以下に説明する。
【0060】Alの添加量は、4〜8mass%である。こ
のAlは、チタン合金の強化元素として最も一般的な元
素であって、固溶強化とα相安定化の役割を有してい
る。該添加量が4%未満では強化作用が不十分であり、
8%を超えると延性を極端に低下させる。
【0061】Vの添加量は、2〜6mass%である。この
Vも、チタン合金の強化元素として一般的であって、固
溶強化とβ相安定化の作用を有する元素である。該添加
量が2%未満では強化作用、β安定化作用が不十分であ
り、6%を超えるとβ安定化作用が強すぎる。
【0062】Oの添加量は、0.15〜0.8mass%で
ある。このOは、チタン合金の延性を低下させる元素と
して、通常はその上限値が0.15%程度に厳しく限定
されているが、素粉末混合法焼結チタン合金の場合は、
その理由は明らかではないが、延性低下作用が小さく、
強化用合金成分として有効な元素である。該添加量が、
0.15%未満では強化作用が小さすぎ、0.8%を超
えると焼結チタン合金の場合でも延性が極端に低下す
る。
【0063】Bの添加量は、0.2〜5mass%である。
このBは、チタン合金中にほとんど固溶せず、したがっ
て焼結体中のBの大部分はTiBの形でマトリックス中
に微細に分散する(ただし,炭素が僅かでも共存する場
合はTiBの一部がTiB2 に置き換わることもあ
る)。微細TiB粒子は、焼結過程ではβ結晶粒の成長
を抑制し、焼結後の冷却過程ではα相の核生成を促進す
る。これらの複合効果により、焼結体組織中のα相は等
軸化し、また、粒界α相は消失する。該添加量が、0.
2%未満ではTiBの析出量が少なすぎ、5%を超える
とTiBの析出量が多すぎて十分な延性が得られない。
【0064】Mo、W、Ta、Zr、Nb、Hfの添加
量は、その一種以上が、0.5〜3mass%である。これ
ら元素は、いずれもチタン合金中での拡散が極めて遅
く、β転移温度を低下させ、さらに、β/α界面の易動
度を低下させる、等の理由で、冷却後の粒内α相を著し
く微細化させる効果がある。これらのうち1種以上の添
加量の合計が、0.5%未満では上記効果が不十分であ
り、3%を超えると焼結過程で成分の均質化が不十分と
なり、また、β転移温度が低下し過ぎる。
【0065】ナトリウム(Na),カリウム(K)など
のIa属,マグネシウム(Mg),カルシウム(C
a),ストロンチウム(Sr)などのIIa属,スカンジ
ウム(Sc),イットリウム(Y),セリウム(Ce)
などの IIIa属元素の添加量は、その一種以上が、0.
05〜2mass%である。これら元素は、一般に酸素およ
びハロゲン属元素との結合力がTiよりも強いため、チ
タン合金中に酸素あるいはハロゲン属元素と共存する
と、その大部分が酸化物あるいはハロゲン化物となる。
この酸化物粒子は、焼結過程ではβ結晶粒の成長を抑制
し、焼結後の冷却過程ではα相の核生成を促進する。こ
れらの複合効果により、焼結体組織中のα相は等軸化
し、また、粒界α相は消失する。これらの元素のうち一
種以上の添加量の合計が、0.05%未満では酸化物あ
るいはハロゲン化物の析出量が少なすぎ、2%を超える
と酸化物粒子あるいはハロゲン化物粒子が粗大化し、ま
た、その分散も不均一になる。
【0066】ハロゲン属元素の添加量は、その一種以上
が、0.05〜0.5mass%である。これら元素は、チ
タン合金の中でIa属,IIa属, IIIa属元素と結合し
て微細なハロゲン化物を形成する役割を有する。このハ
ロゲン化物粒子は、焼結過程ではβ結晶粒の成長を抑制
し、焼結後の冷却過程ではα相の核生成を促進する。こ
れらの複合効果により、焼結体組織中のα相は等軸化
し、また、粒界α相は消失する。これら元素のうち、一
種以上の添加量の合計が、0.05%未満ではハロゲン
化物の析出量が不十分であり、0.5%を超えるとハロ
ゲン化物粒子が粗大化し、また、その分散も不均一にな
るとともに、延性が低下する。
【0067】なお、好適な原料粉末として、実施的に前
記焼結チタン合金の第1具体例〜第6具体例の組成とな
るようにチタン粉末と強化用母合金粉末とからなる原料
粉末を準備することにより、より優れた効果を奏するこ
とができる。
【0068】焼結チタン合金の疲労強度を決定するの
は、残留空孔の量(密度)、残留空孔の大きさ、合金そ
のものの強度、合金の切り欠き感受性(疲労亀裂の発生
しやすさ)等がある。残留空孔の量は成形体密度と焼結
性とによって、また、残留空孔の大きさは原料粉末の粒
度と粉末の充填性と焼結性とによって、それぞれ決定さ
れる。チタン粉末の粒径が大きすぎると、疲労強度を低
下させる粗大空孔が生成しやすく、一方、強化用母合金
粉末の平均粒径が大きい場合は、焼結性が低下するため
十分な焼結体密度が得られない。従って、チタン粉末の
最大粒径は150μm 以下、強化用母合金粉末の平均粒
径は10μm 以下が、それぞれこの好ましい。
【0069】次に、加工工程において、チタン粉末にあ
る程度の加圧を行うと共にチタン粉末をこすり合わせ、
チタン粉末の充填率(充填密度)を所定値とする。この
工程により、チタン粉末個々の粒子の突起部が潰されて
表面が平滑化する。そのため粉末の流動性が向上し、所
望の充填密度とすることができる。
【0070】粉末の充填密度は、粉末の粒度分布と粒子
形状とによって左右される。すなわち、粗大粒子の空隙
を満たすのに最適な粒度を有する中小粒子が適量存在す
るような粒度分布が望ましいが、たとえ粒度分布が最適
であっても、粉末の流動性が悪いと粉末の充填率は向上
しない。スポンジファインの場合、粉末の形状はポーラ
スかつ不定形であって流動性は著しく悪いため、充填密
度は1.5g/cm3 程度である。また、水素化・脱水素チ
タン粉末の場合は、粉砕粉末のため角張った形状をして
おり、スポンジファインと比べると若干優れてはいる
が、通常のアトマイズ粉末などと比較すると流動性は著
しく劣っており、せいぜい2.0g/cm3 程度である。こ
のような状態のままで原料粉末を形成しても、粒子間の
摩擦力のため粒子はほとんど移動できず、そのまま変形
を受けるので成形体中には粗大空孔が形成されやすい。
さらにこの成形体を焼成した場合、焼結体中にも粗大空
孔は受け継がれ、疲労破壊の起点となりやすい。成形圧
力を上げて密度を向上させても焼結体中の残留空孔を微
細化させることは困難である。これらの粉末の流動性を
向上させるためには、本加工工程により粉末の形状を変
化させ、前記所定値の充填密度を有するようにする必要
がある。
【0071】本工程において、現在市販されているチタ
ン粉末に対して15%以上、より望ましくは、チタン粉
末としてスポンジファインを用いる場合は30%以上、
水素化・脱水素チタン粉末または極低塩素チタン粉末を
用いる場合は20%以上、充填密度を向上させるよう
に、チタン粉末に変形を与えることが好適である。
【0072】この充填密度は、2.0g/cm3 〜3.0g/
cm3 であることが好適である。充填密度がこの数値範囲
内の場合、適度な流動性およびタップ密度を有するもの
とすることができる。該充填密度が2.0g/cm3 未満の
場合は、粗大空孔を完全には消失させることができない
ため、焼結体の疲労破壊強度を十分に向上することがで
きず、3.0g/cm3 を越える場合には粉末の成形性が著
しく低下するため共に好ましくない。
【0073】なお、チタン粉末としてスポンジファイン
を用いる場合は、粉末の充填密度が2.0g/cm3 〜2.5
g/cm3 が、水素化・脱水素チタン粉末または極低塩素
チタン粉末を用いる場合は、粉末の充填密度が2.3〜
3.0g/cm3 となるように、加工を与えることが好まし
い。これにより、疲労破壊の起点となりうる直径50μ
m以上の粗大空孔を消失させることができ、最大でも2
0μm程度の独立空孔とすることができる。これより、
機械的性質、特に、延性と疲労強度が大幅に向上する。
【0074】しかも、充填率を前記数値範囲とすること
により、成形圧力を下げて多量の空孔を残留させた場合
でも、個々の空孔は粗大化しにくくすることができる。
なお、前記加工処理は、チタン粉末のみに与えた方が粉
末の汚染を避けることができるので好ましいが、場合に
よっては、チタン粉末と強化用母合金粉末とを混合した
混合物に行っても、高強度で安価な焼結チタン合金を得
ることができる。
【0075】前記加工を与える方法としては次のような
方法がある。すなわち、この工程は粉末表面の突起部を
平滑にする、あるいはスポンジファインのような凝集粉
末を壊砕する程度の軽度な加工であり、例えば、鋼球を
含むボールミルやアトライター中に原料粉末を投入し
て、ごく短時間(1〜20min.)攪拌する方法などによ
り行う。このような処理により、チタン粉末はこすり合
うとともに、その突起部が加圧され平坦化する。なお、
繰り返し述べるように、チタン粉末粒子を粉砕微細化さ
せたり、著しい加工硬化を生じさせるような強加工を与
えることは、圧縮性が低下し、また酸素量も増加するた
め避けなければならない。
【0076】原料粉末混合工程における前記原料粉末の
混合は、ボールミル、V型混合機等の装置を用いる等、
どのような混合方法でもよい。
【0077】成形工程において、前記加工を施した原料
粉末を成形する方法としては、金型プレス成形、CIP
(冷間静水圧プレス)成形などの方法がある。
【0078】焼結工程において、前記成形体を焼成す
る。焼成温度および焼成時間は、焼結体の緻密化、合金
組成の均質化、炉の耐久性、経済性等を考慮すると、1
000〜1350℃、1〜20時間の範囲が望ましい。
また、焼成雰囲気としては、チタン合金は雰囲気ガス
(酸素,窒素,その他還元性ガス)と反応しやすいた
め、10-3 torr 以上の真空中あるいはアルゴン、ヘリ
ウム等の不活性ガス中とするのがよい。
【0079】一般にα+β型チタン合金の組織は、焼結
後徐冷した状態では、旧β粒界に沿った網目状の粒界α
相と旧β粒内の粗大針状α相とで構成されている。しか
し、本具体例の方法のように、微量成分(硼素、酸素、
Ia属,IIa属, IIIa属元素、ハロゲン属元素)を適
宜組み合わせて添加すると、硼化物,酸化物,あるいは
ハロゲン化物粒子がマトリックス中に微細に析出し、こ
れらが焼結過程でのβ結晶粒の粗大化を抑制するととも
に、冷却の際のβ→α変態時にα相の核生成を容易なら
しめる。その結果、冷却後の組織は、α相が等軸化する
と共に粒界α相は消失する。
【0080】また、特定の遷移金属元素(Mo、W、T
a、Zr、Nb、Hf)は,チタン合金中での拡散が極
めて遅く、β転移温度を低下させ、さらに、β/α界面
の易動度を低下させる、などより、冷却後の粒内α相を
著しく微細化させる効果がある。
【0081】また、合金元素のうち酸素は、延性を低下
させる元素として、従来ではなるべく低く押さえるよう
に努力が払われてきた。しかし、素粉末混合法による焼
結チタン合金においては、その理由は明らかではない
が、溶製鍛造材などで通常考えられている許容量(0.
15%程度)以上含有させても、延性を低下させずに強
化しうる重要な合金元素である。
【0082】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0083】第1実施例 −100メッシュの高塩素純チタン粉末(スポンジファ
イン;Ti:99.6%,O:0.1%,Cl:0.1%,N
a:0.08%)を、鋼球と共にアトライタ中に装入し、
10分間加工処理を行った後、これに平均粒径7μmの
Al−40%V粉末を、チタン粉末:Al−40%V粉
末=9:1の割合(重量比)で混合した。このとき、加
工処理後のTi粉末の充填密度は、2.30g/cm3
あり、43%向上した。
【0084】次いで、混合物をCIPにて圧力4ton/cm
2 で成形し、得られた成形体を10-5 torr の真空中に
て、1300℃で4時間焼結して、本実施例にかかる焼
結チタン合金を得た(試料番号:1)。なお、図4に上
記加工処理を行った後のチタン粉末の粒子構造を示すS
EM(走査型電子顕微鏡)写真(倍率500倍)を、ま
た、図5に製造した焼結体の金属組織を示す光学顕微鏡
写真(倍率200倍)を、それぞれ示す。図4より明ら
かの如く、本実施例のチタン粉末は、加工により粉末に
適度な変形を受けて凸凹が小さくなっていることが分か
る。また、図5により明らかのごとく、本実施例により
得られた焼結チタン合金は、残留空孔が微細化してお
り、またα相が等軸化していることが分かる。
【0085】第2実施例 −100メッシュの低塩素純チタン粉末(水素化・脱水
素チタン粉末;Ti:99.8%,O:0.2%,Cl:0.
01%)と0.2%のY2 3 粉末とを、鋼球とともにア
トライタ中に装入し、10分間加工処理を行った。な
お、チタン粉末は、平均粒径が60μmのもの(試料番
号:2)と80μmのもの(試料番号:3)の二種類を
用いた。また、このときの、加工処理後のTi粉末の充
填密度は、2.7g/cm3 であり、24%向上した。そ
の後、平均粒径7μmのAl−40%V粉末を、チタン
粉末:Al −40%V粉末=9:1の割合(重量比)で
混合した。次いで、第1実施例と同様な成形・焼結法に
より、本実施例にかかる焼結チタン合金を作製した(試
料番号:2および3)。
【0086】第3実施例 第2実施例と同様な低塩素純チタン粉末(平均粒径が6
0μm)と0.2%のYCl3 粉末とを、第1実施例と同
様の加工処理により処理し、これに10%のAl−40
%V粉末とを混合した。その後、該混合物を実施例1と
同様にして成形、焼成して、本実施例にかかる焼結チタ
ン合金を作製した(試料番号:4)。
【0087】第4実施例 第2実施例と同様な低塩素純チタン粉末(平均粒径が8
0μm)を、第1実施例と同様の方法により加工処理
し、これに0.2%のYCl3 粉末と10%のAl−40
%V粉末とを混合した。その後、該混合物を実施例1と
同様にして成形、焼成して、本実施例にかかる焼結チタ
ン合金を作製した(試料番号:5)。
【0088】第5実施例 第1実施例と同様な高塩素純チタン粉末を、第1実施例
と同様の方法により処理し、これに0.5%のTiB2
末と、1%のMo粉末と、10%のAl −40%V粉末
とを混合した。その後、該混合物を第1実施例と同様に
して成形、焼成して、本実施例にかかる焼結チタン合金
を作製した(試料番号:6)。なお、図6に製造した焼
結体の金属組織を示す光学顕微鏡写真(倍率200倍)
を示す。図6より明らかの如く、本実施例により得られ
た焼結チタン合金は、第1実施例の焼結チタン合金より
もさらに残留空孔が微細化しており、また組織も著しく
微細化していることが分かる。
【0089】第6実施例 第2実施例と同様な低塩素純チタン粉末を、第1実施例
と同様の方法により処理し、これに0.2%のYCl3
末と、1%のW粉末と、10%のAl −40%V粉末と
を混合した。その後、該混合物を第1実施例と同様にし
て成形、焼成して、本実施例にかかる焼結チタン合金を
作製した(試料番号:7)。
【0090】第7実施例 第2実施例よりも酸素量の高い、−100メッシュの低
塩素純チタン粉末(水素化・脱水素チタン粉末;Ti:
99.8%,O:0.3%,Cl、0.01%)を、第1実施
例と同様の方法により処理し、これに10%のAl−4
0%V−2%Ca粉末を混合した。その後、該混合物を
第1実施例と同様にして成形、焼成して、本実施例にか
かる焼結チタン合金を作製した(試料番号:8)。
【0091】第8実施例 第7実施例と同様な高酸素・低塩素純チタン粉末を、第
1実施例と同様の方法により処理し、これに1%のMo
粉末と、10%のAl−40%V−2%Ca粉末を混合
した。その後、混合物を第1実施例と同様にして成形、
焼成して、本実施例にかかる焼結チタン合金を作製した
(試料番号:9)。
【0092】第1比較例 前記第1実施例と同様な高塩素純チタン粉末と平均粒径
40μmのAl−40%V粉末を混合した。該混合物を
加工処理を行うことなく、第1実施例と同様にして成
形、焼成を行い、比較用焼結体(試料番号:C1)を製
造した。なお、図7に、上記チタン粉末の粒子構造を示
すSEM写真(倍率500倍)を、また、図8に、製造
した焼結体の金属組織を示す光学顕微鏡写真(倍率20
0倍)を、それぞれ示す。図7より明らかのごとく、チ
タン粉末の凸凹が激しく、また、粒子間の空隙も多いこ
とが分かる。また、図8より明らかのごとく、比較用焼
結体の残留空孔は粗大で、その量も多く、また、α相は
粗大な針状晶となっていることが分かる。
【0093】第2比較例 前記第1実施例と同様な高塩素純チタン粉末と平均粒径
7μmのAl−40%V粉末を混合した。該混合物を加
工処理を行うことなく、第1実施例と同様にして成形、
焼成を行い、比較用焼結体(試料番号:C2)を製造し
た。
【0094】第3比較例 前記第2実施例と同様な低塩素純チタン粉末と平均粒径
40μmのAl−40%V粉末を混合した。該混合物を
加工処理を行うことなく、第1実施例と同様にして成
形、焼成を行い、比較用焼結体(試料番号:C3)を製
造した。
【0095】第4比較例 前記第2実施例と同様な低塩素純チタン粉末と平均粒径
7μmのAl −40%V粉末を混合した。該混合物を加
工処理を行うことなく、第1実施例と同様にして成形、
焼成を行い、比較用焼結体(試料番号:C4)を製造し
た。
【0096】第5比較例 前記第1実施例と同様な高塩素純チタン粉末と平均粒径
7μmのAl−40%V粉末とを鋼球とともにアトライ
ター中に装入し、60分間加工処理を行った。その後、
該混合物を、第1実施例と同様に成形・焼成して比較用
焼結体(試料番号:C5)を製造した。なお、図9に、
上記加工処理を行った後の混合粉末の粒子構造を示すS
EM写真(倍率500倍)を、また、図10に、製造し
た比較用焼結体の金属組織を示す光学顕微鏡写真(倍率
200倍)を、それぞれ示す。図9より明らかのごと
く、本比較例の粉末は、上記加工処理が長すぎるため、
著しく強加工を受け、粉末全体が扁平化し、粉末の充填
密度は1.50g/cm3 と、原料粉末なみに低下してい
る。さらに、図10より明らかのように、本比較例によ
り得られた比較用焼結チタン合金は、残留空孔が粗大化
し、密度も98.0%に低下しているのみならず、本比
較例は過剰に粉末の強加工処理を行うことにより、本発
明の優れた特性が失われている。
【0097】焼結体の特性評価試験 上記第1実施例〜第7実施例、および第1比較例〜第5
比較例により得られた焼結体の充填密度、組織、引張り
強さ、疲労強度等の諸特性を測定した。その結果を、図
11に示す。図11より明らかなように、本実施例の焼
結体は、比較例のものに比べて、密度、引張り強さ、伸
び、および疲労強度等の特性に優れていることが分か
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一具体例における、焼結チタン合金の
組織を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の一具体例における、他の焼結チタン合
金の組織を模式的に示す説明図である。
【図3】従来法により得られたα+β型焼結チタン合金
の組織を模式的に示す説明図である。
【図4】本発明の第1実施例における加工処理を行った
後のチタン粉末の粒子構造を示すSEM写真図(倍率:
500倍)である。
【図5】本発明の第1実施例において得られた焼結チタ
ン合金の金属組織を示す光学顕微鏡写真図(倍率:20
0倍)である。
【図6】本発明の第5実施例において得られた焼結チタ
ン合金の金属組織を示す光学顕微鏡写真図(倍率:20
0倍)である。
【図7】第1比較例におけるチタン粉末の粒子構造を示
すSEM写真図(倍率:500倍)である。
【図8】第1比較例において製造した比較用焼結体の金
属組織を示す光学顕微鏡写真図(倍率:200倍)であ
る。
【図9】第5比較例における加工処理後の混合粉末の粒
子構造を示すSEM写真図(倍率:500倍)である。
【図10】第5比較例において製造した比較用焼結体の
金属組織を示す光学顕微鏡写真図(倍率:200倍)で
ある。
【図11】本発明の第1実施例〜第8実施例、および第
1比較例〜第5比較例において得られた焼結体の性能評
価試験結果を示す図である。
【符号の説明】
1 ・・・ α相 2 ・・・ β相 3 ・・・ 硼化物粒子または酸化物粒子またはハロゲ
ン化物粒子 4 ・・・ 粒界α相 5 ・・・ 粒内α相
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22F 1/18 C22F 1/18 H (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 1/00 - 49/14 C22F 1/00 - 3/02 B22F 1/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 mass%で、アルミニウム(Al)4〜8
    %と、バナジウム(V)2〜6%と、酸素(O)0.1
    5〜0.8%と、 少なくとも硼素(B)0.2〜5%、モリブデン(M
    o),タングステン(W),タンタル(Ta),ジルコ
    ニウム(Zr),ニオブ(Nb),ハフニウム(Hf)
    の一種以上0.5〜3%、Ia属,IIa属, IIIa属元
    素の一種以上0.05〜2%、ハロゲン属元素の一種以
    上0.05〜0.5%から選択された所定量の元素を一
    種以上を含み、残部がチタニウム(Ti)と不可避物質
    からなり、 α相とβ相と少なくともTiB,酸化物,ハロゲン化物
    の一種以上の粒子との三相組織を有してなり、残留空孔
    が50μm未満であることを特徴とする焼結チタン合
    金。
  2. 【請求項2】 前記残留空孔が20μm未満であること
    を特徴とする請求項1記載の焼結チタン合金。
  3. 【請求項3】 mass%で、アルミニウム(Al)4〜8
    %と、バナジウム(V)2〜6%と、酸素(O)0.1
    5〜0.8%と、 少なくとも硼素(B)0.2〜5%、モリブデン(M
    o),タングステン(W),タンタル(Ta),ジルコ
    ニウム(Zr),ニオブ(Nb),ハフニウム(Hf)
    の一種以上0.5〜3%、Ia属,IIa属, IIIa属元
    素の一種以上0.05〜2%、ハロゲン属元素の一種以
    上0.05〜0.5%から選択された所定量の元素を一
    種以上を含み、残部がチタニウム(Ti)と不可避物質
    からなり、 α相とβ相と少なくともTiB,酸化物,ハロゲン化物
    の一種以上の粒子との三相組織を有してなり、疲労強度
    が39kg/mm 2 以上であることを特徴とする焼結チタン合
    金。
  4. 【請求項4】 チタン粉末と強化用母合金粉末とを混
    合、成形すると共に該成形体を無加圧で焼成することに
    よりα+β型焼結チタン合金を製造する方法であって、 前記成形前に、前記チタン粉末を加圧すると共にこすり
    合わせ、原料粉末の充填密度を2.0g/cm3 〜3.0
    g/cm3とするとともに該チタン粉末の再結晶時及び/
    又はαからβへの変態時の均一核生成サイトを増加させ
    たことを特徴とする焼結チタン合金の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記チタン粉末がスポンジファインであ
    り、前記成形前に該チタン粉末を加圧すると共に擦り合
    わせ、原料粉末の充填密度を2.0g/cm3〜2.5g
    /cm3とすることを特徴とする請求項2記載の焼結チタ
    ン合金の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記チタン粉末が水素化・脱水素チタン
    粉末または極低塩素チタン粉末であり、前記成形前に該
    チタン粉末を加圧すると共に擦り合わせ、原料粉末の充
    填密度を2.3g/cm3〜3.0g/cm3とすることを特
    徴とする請求項2記載の焼結チタン合金の製造方法。
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