JP3223053U - 射出成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゲート跡における不具合が生じ難い射出成形体を提供する。【解決手段】液晶ポリエステルとガラス繊維とを含む液晶ポリエステル組成物の射出成形体1Xであって、射出成形体1Xは、一面10aにゲート跡を有する成形体10と、スプルー21を含むスプルー部と、からなり、スプルー21は、先端に向けて直径が漸減する円錐台状を呈し、スプルー部におけるスプルー21の先端は、ゲート跡の形状と相補的な形状を有し、スプルー21の中心軸に対する、スプルー21の先端部の側面の角度は、40°以上65°以下である。【選択図】図2

Description

本考案は、射出成形体に関する。
近年、電子機器の小型化や軽量化に伴い、電子機器に用いられる部品の小型化や軽量化が求められている。このような電子機器の小型部品としては、熱可塑性樹脂の射出成形により製造された部品が知られている。
射出成形に用いられる熱可塑性樹脂の中でも、液晶ポリエステルは、流動性、耐熱性および寸法精度が高いことが知られている。このような液晶ポリエステルの性質は、小型の電子機器の部品を成形する上で好適である。そのため、液晶ポリエステルは、上述の樹脂製の部品の形成材料として多く用いられている。さらに、液晶ポリエステルは、種々の充填材を配合した組成物としても使用されている。液晶ポリエステルに、充填材としてガラス繊維を配合した組成物は、上述の樹脂製の部品の形成材料として多く用いられている。
射出成形の際、射出成形機から金型に向かって射出された溶融樹脂は、金型内のスプルー、ランナーと称される流路を流動し、ゲートと呼ばれる注入口を介して成形金型内のキャビティに注入される。その後、金型において溶融樹脂が冷却され固化することにより、キャビティ内に成形される目的物の成形体と、金型のスプルーおよびランナーにおいて固化する成形体と、が一体となった射出成形体が得られる。金型内の射出成形体では、成形体とスプルー部とが、ゲートの位置でつながっている。本明細書においては、「金型のスプルーおよびランナーにおいて固化する成形体」を「スプルー部」と称する。
射出成形で用いられる金型として、種々のゲート構造を有する構成が知られている。例えば、ピンゲートと呼ばれるゲート構造を有する金型は、成形体を取り出すために成形後の金型を開く操作において、成形体とスプルー部とを分離させることができる。そのため、ピンゲートを有する金型で成形する射出成形体は、成形後に成形体とスプルー部とを分離する作業が不要となる(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−74301号公報
しかし、ピンゲートを有する金型で射出成形を行う場合、スプルー部と成形体との分離の際に、スプルー部が成形体の一部を引き抜いてしまうことにより、成形体が破損する不具合が生じることがあった。
また、逆に成形体がスプルー部の一部を引き抜いてしまうことにより、成形体のゲート部に突起が形成されることがあった。このゲート部の突起は、他の成形体を傷付けたり、成形体が寸法規格から外れたり、成形体の実装時に設置面から成形体が浮き上がるといった不具合の原因となっていた。このような突起は、手作業で切り取ることは可能である。しかし、突起の切り取り作業は、成形体の生産性を著しく低下させる。
また、これまでの検討により、射出成形に液晶ポリエステルを用いると、上述のようなゲート位置で発生する不具合が特に発生しやすいことが分かった。さらに、液晶ポリエステルとガラス繊維とを含む液晶ポリエステル組成物を用いた場合、上述のようなゲート位置で発生する不具合が特に発生しやすく、改善が求められていた。
本考案はこのような事情に鑑みてなされたものであって、ゲート跡における不具合が生じ難い射出成形体を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本考案の一態様は、以下の射出成形体を提供する。
[1]液晶ポリエステルとガラス繊維とを含む液晶ポリエステル組成物の射出成形体であって、前記射出成形体は、一面にゲート跡を有する成形体と、スプルーを含むスプルー部と、からなり、前記スプルーは、先端に向けて直径が漸減する円錐台状を呈し、前記スプルー部における前記スプルーの先端は、前記ゲート跡の形状と相補的な形状を有し、前記スプルーの中心軸に対する、前記スプルーの先端部の側面の角度は、40°以上65°以下である射出成形体。
[2]前記角度は、45°以上60°以下である[1]に記載の射出成形体。
[3]前記一面の法線方向から見た視野における前記ゲート跡の面積は、0.03mm以上1mm以下である[1]に記載の射出成形体。
[4]前記ゲート跡が設けられた部分の前記成形体の厚さは、0.1mm以上10mm以下である[1]に記載の射出成形体。
[5]前記ゲート跡は、前記一面において前記成形体の厚さ方向に窪んだ凹部内に設けられ、
前記凹部の深さは、0.01mm以上1mm以下である[1]に記載の射出成形体。
[6]前記一面の法線方向から見た視野おける前記ゲート跡の形状は、円形である[1]に記載の射出成形体。
[7]前記成形体の質量は、1mg以上5g以下である[1]に記載の射出成形体。
[8]前記成形体がコネクタである[1]から[7]のいずれか1項に記載の射出成形体。
[9]液晶ポリエステルとガラス繊維とを含む液晶ポリエステル組成物の射出成形体であって、前記射出成形体は、成形体と、スプルーを含むスプルー部と、からなり、前記スプルーは、先端に向けて直径が漸減する円錐台状を呈し、前記スプルー部は、前記スプルーの先端で前記成形体と接続しており、前記スプルーの中心軸に対する、前記スプルーの先端部の側面の角度は、40°以上65°以下である射出成形体。
本考案によれば、ゲート跡における不具合が生じ難い射出成形体を提供することができる。
金型100における射出成形体1Xを示す概略断面図である。 射出成形体1Xのスプルー21の先端周辺を示す一部拡大図である。 射出成形体1Xを成形後、金型100を開く際の様子を示す説明図である。 射出成形体1Xを成形後、金型100を開く際の様子を示す説明図である。 成形体10のゲート跡13近傍を示す説明図である。 射出成形体1Xを成形後、金型100を開く際の様子を示す説明図である。 射出成形体1Xを成形後、金型100を開く際の様子を示す説明図である。 成形体10の概略斜視図である。 図8の線分IX−IXにおける矢視断面図である。
以下、図1〜図9を参照しながら、本実施形態に係る射出成形体について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
図1,2は、射出成形体1Xを示す説明図であり、射出成形に用いる金型100における射出成形体1Xを示す概略断面図である。
本実施形態の射出成形体1Xは、液晶ポリエステル組成物を形成材料とする射出成形体であり、成形体10と、スプルー部20とを有する。
また、後述するように、射出成形体1Xは、金型100から取り出す際に成形体10とスプルー部20とに分離する。成形体10とスプルー部20とからなる一組の成形体は、射出成形体1Xとは別に「射出成形体1」と称することとする。
成形体10は、射出成形により成形する目的物である。成形体10としては、例えばコネクタのような小型の電気・電子部品を挙げることができる。本実施形態の成形体10は、例えば質量1mg以上5g以下の小型の成形体が好ましい。成形体10には、リードフレームが含まれていてもよい。
スプルー部20は、スプルー21と、ランナー22と、スプルー23とが一体的に成形された成形体である。
射出成形体1Xは、金型100を用いて成形される。金型100は、第1プレート101と、第2プレート102と、第3プレート103とを有する。
不図示の射出成形機で調整された溶融樹脂は、金型100に射出注入され、第1プレート101のスプルー101a、第2プレート102のランナー102aおよび第2プレート102のスプルー102bを流動する。さらに溶融樹脂は、ゲート102cを介して、第2プレート102と第3プレート103との間に形成されたキャビティ103aに注入される。また、金型100は、ゲート102cとしてピンゲートを採用している。
これにより、キャビティ103aでは成形体10が成形される。また、スプルー101a内ではスプルー23、ランナー102a内ではランナー22、スプルー102b内ではスプルー21がそれぞれ成形され、スプルー部20が得られる。
成形体10とスプルー部20とは、ゲート102cを介して接続されている。
図2は、射出成形体1Xのスプルー21の先端周辺を示す一部拡大図である。図に示すように、スプルー部20は、スプルー21の先端211xで成形体10の一面10aに接続している。スプルー21の中心軸Jは、成形体10の一面10aに直交している。
なお、本明細書において、射出成形体1Xにおける「スプルー21の先端211x」とは、図2における一面10aと連続する仮想面10xで、成形体10とスプルー21とを切り離したと仮定した場合の、スプルー21の成形体10側の端部を意味する。
仮想面10xにおける先端211xの面積は、0.03mm以上1mm以下であると好ましい。すなわち、ゲート102cの開口面積は、0.03mm以上1mm以下であると好ましい。ゲート102cの形状としては、円形、正方形など、ゲートの形状として通常知られた種々の形状を採用することができる。本実施形態においては、ゲート102cの形状が円形であることとする。
スプルー21の形状は、中心軸Jを回転中心軸とする円錐台状である。詳しくは、スプルー21は、先端211xに向けて直径が漸減する円錐台状である。
射出成形体1Xにおいて、スプルー21の中心軸Jに対する、スプルー21の先端部211における側面211aの角度θ1は、40°以上65°以下である。また、角度θ1は、45°以上60°以下であることが好ましい。
上記角度は、別表現をすることもできる。すなわち、射出成形体1Xにおいて、側面211aと成形体10の一面10aとの間の角度θ2は、25°以上50°以下である。また、角度θ2は、30°以上45°以下であることが好ましい。
(液晶ポリエステル)
上述のような射出成形体1Xは、液晶ポリエステルとガラス繊維とを含む液晶ポリエステル組成物を形成材料としている。
液晶ポリエステル組成物に含まれる液晶ポリエステルは、溶融状態で液晶性を示す液晶ポリエステルであり、450℃以下の温度で溶融する性質を有することが好ましい。なお、液晶ポリエステルは、液晶ポリエステルアミドであってもよいし、液晶ポリエステルエーテルであってもよいし、液晶ポリエステルカーボネートであってもよいし、液晶ポリエステルイミドであってもよい。液晶ポリエステルは、原料モノマーとして芳香族化合物のみを用いてなる全芳香族液晶ポリエステルであることが好ましい。
液晶ポリエステルの典型的な例としては、
(i)芳香族ヒドロキシカルボン酸と芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミンおよび芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを重合(重縮合)させて得られる重合体、
(ii)複数種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合させて得られる重合体、
(iii)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミンおよび芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを重合させて得られる重合体、
および
(iv)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルと芳香族ヒドロキシカルボン酸とを重合させて得られる重合体
が挙げられる。
ここで、液晶ポリエステルの原料モノマーである芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミンおよび芳香族ジアミンは、それぞれ独立に、その一部または全部に代えて、その重合可能な誘導体が用いられてもよい。
芳香族ヒドロキシカルボン酸および芳香族ジカルボン酸のようなカルボキシ基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、
(a)カルボキシ基をアルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基に変換して得られるエステル、
(b)カルボキシ基をハロホルミル基に変換して得られる酸ハロゲン化物、
および
(c)カルボキシ基をアシルオキシカルボニル基に変換して得られる酸無水物
が挙げられる。
芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジオールおよび芳香族ヒドロキシアミンのようなヒドロキシ基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、ヒドロキシ基をアシル化してアシルオキシル基に変換して得られるアシル化物が挙げられる。
芳香族ヒドロキシアミンおよび芳香族ジアミンのようなアミノ基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、アミノ基をアシル化してアシルアミノ基に変換して得られるアシル化物が挙げられる。
液晶ポリエステルは、下記式(1)で表される繰返し単位を有することが好ましく、繰返し単位(1)と、下記式(2)で表される繰返し単位と、下記式(3)で表される繰返し単位とを有することがより好ましい。
以下、下記式(1)で表される繰返し単位を「繰返し単位(1)」ということがある。
また、下記式(2)で表される繰返し単位を「繰返し単位(2)」ということがある。
また、下記式(3)で表される繰返し単位を「繰返し単位(3)」ということがある。
(1)−O−Ar−CO−
(2)−CO−Ar−CO−
(3)−X−Ar−Y−
(Arは、フェニレン基、ナフチレン基またはビフェニリレン基を表す。
ArおよびArは、それぞれ独立に、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基または下記式(4)で表される基を表す。
XおよびYは、それぞれ独立に、酸素原子またはイミノ基(−NH−)を表す。
Ar、ArまたはArで表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar−Z−Ar
(ArおよびArは、それぞれ独立に、フェニレン基またはナフチレン基を表す。
Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基またはアルキリデン基を表す。)
Ar、ArまたはArで表される基に含まれる水素原子を置換可能なハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
Ar、ArまたはArで表される基に含まれる水素原子を置換可能なアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基およびn−デシル基が挙げられる。アルキル基の炭素数は、通常1〜10である。
Ar、ArまたはArで表される基に含まれる水素原子を置換可能なアリール基の例としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基および2−ナフチル基が挙げられる。アリール基の炭素数は、通常6〜20である。
Ar、ArまたはArで表される基に含まれる水素原子がハロゲン原子、アルキル基またはアリール基で置換されている場合、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基の数は、Ar、ArまたはArで表される前記基毎に、それぞれ独立に、通常2個以下であり、好ましくは1個以下である。
Zで表されるアルキリデン基の例としては、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、n−ブチリデン基および2−エチルヘキシリデン基が挙げられる。アルキリデン基の炭素数は通常1〜10である。
繰返し単位(1)は、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し単位である。
繰返し単位(1)としては、Arがp−フェニレン基である繰返し単位であれば、本実施形態の射出成形体1が高い効果を奏する。Arがp−フェニレン基である繰返し単位は、p−ヒドロキシ安息香酸に由来する繰返し単位である。
また、繰返し単位(1)としては、Arが2,6−ナフチレン基である繰返し単位が好ましい。Arが2,6−ナフチレン基である繰返し単位は、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸に由来する繰返し単位である。
なお、本明細書において「由来」とは、原料モノマーが重合するために、重合に寄与する官能基の化学構造が変化し、その他の構造変化を生じないことを意味する。
繰返し単位(2)は、芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し単位である。繰返し単位(2)としては、Arがp−フェニレン基である繰返し単位、Arがm−フェニレン基である繰返し単位、Arが2,6−ナフチレン基である繰返し単位、およびArがジフェニルエ−テル−4,4’−ジイル基である繰返し単位が好ましい。
Arがp−フェニレン基である繰返し単位は、テレフタル酸に由来する繰返し単位である。
Arがm−フェニレン基である繰返し単位は、イソフタル酸に由来する繰返し単位である。
Arが2,6−ナフチレン基である繰返し単位は、2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰返し単位である。
Arがジフェニルエ−テル−4,4’−ジイル基である繰返し単位は、ジフェニルエ−テル−4,4’−ジカルボン酸に由来する繰返し単位である。
繰返し単位(3)は、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシルアミンまたは芳香族ジアミンに由来する繰返し単位である。繰返し単位(3)としては、Arがp−フェニレン基である繰返し単位、およびArが4,4’−ビフェニリレン基である繰返し単位が好ましい。
Arがp−フェニレン基である繰返し単位は、ヒドロキノン、p−アミノフェノールまたはp−フェニレンジアミンに由来する繰返し単位である。
Arが4,4’−ビフェニリレン基である繰返し単位は、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニルまたは4,4’−ジアミノビフェニルに由来する繰返し単位である。
繰返し単位(1)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、通常30モル%以上、好ましくは30〜80モル%、より好ましくは40〜70モル%、さらに好ましくは45〜65モル%である。
なお、本明細書において、「全繰返し単位の合計量」とは、液晶ポリエステルを構成する各繰返し単位の質量を各繰返し単位の式量で割ることにより、各繰返し単位の物質量相当量(モル)を求め、得られた物質量相当量を合計した値を指す。
繰返し単位(2)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、通常35モル%以下、好ましくは10〜35モル%、より好ましくは15〜30モル%、さらに好ましくは17.5〜27.5モル%である。
繰返し単位(3)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、通常35モル%以下、好ましくは10〜35モル%、より好ましくは15〜30モル%、さらに好ましくは17.5〜27.5モル%である。
繰返し単位(1)の含有量が多いほど、溶融流動性や耐熱性や強度・剛性が向上し易いが、あまり多いと、溶融温度や溶融粘度が高くなり易く、成形に必要な温度が高くなり易い。
繰返し単位(2)の含有量と繰返し単位(3)の含有量との割合は、[繰返し単位(2)の含有量]/[繰返し単位(3)の含有量](モル/モル)で表して、通常0.9/1〜1/0.9、好ましくは0.95/1〜1/0.95、より好ましくは0.98/1〜1/0.98である。
なお、液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)〜(3)を、それぞれ独立に、2種以上有してもよい。また、液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)〜(3)以外の繰返し単位を有してもよいが、その含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、通常10モル%以下、好ましくは5モル%以下である。
液晶ポリエステルは、繰返し単位(3)として、XおよびYがそれぞれ酸素原子である繰返し単位を有すること、すなわち、芳香族ジオールに由来する繰返し単位を有することが好ましく、XおよびYがそれぞれ酸素原子である繰返し単位のみを有するとより好ましい。
液晶ポリエステルが芳香族ジオールに由来する繰返し単位を有すると、液晶ポリエステルの溶融粘度が低くなり易いため好ましい。
液晶ポリエステルは、流動開始温度が、通常270℃以上、好ましくは270〜400℃、より好ましくは280〜380℃である。流動開始温度が高いほど、耐熱性や強度・剛性が向上し易いが、あまり高いと、溶融温度や溶融粘度が高くなり易く、成形に必要な温度が高くなり易い。
なお、流動開始温度は、フロー温度または流動温度とも呼ばれる。液晶ポリエステルの流動開始温度は、毛細管レオメーターを用いて、9.8MPa(100kg/cm)の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリエステルを溶融させ、内径1mmおよび長さ10mmのノズルから押し出すときに、4800Pa・s(48000ポイズ)の粘度を示す温度である。液晶ポリエステルの流動開始温度は、液晶ポリエステルの分子量の目安となる(小出直之編、「液晶ポリマー−合成・成形・応用−」、株式会社シーエムシー、1987年6月5日、p.95参照)。
(ガラス繊維)
また、射出成形体1Xの形成材料である液晶ポリエステル組成物は、ガラス繊維を含む。ガラス繊維は、必要に応じてシラン系カップリング剤、またはチタン系カップリング剤などのカップリング剤で処理されたものでもよい。
本明細書において「ガラス繊維」とは、「繊維径が1μm以上50μm以下、アスペクト比が2以上1000以下のガラス」をいう。
本明細書において「ガラス繊維の繊維径」とは、特に断りのない限り、JIS R3420:2013「7.6 単繊維直径」に記載の方法のうち、「A法」で測定された値を意味する。
本明細書において、「ガラス繊維の繊維長さ」とは、射出成形体1Xから取り出したガラス繊維について、倍率100倍で観察できる1000個のガラス繊維について、それぞれ繊維長を求め、得られた測定値を用いて算出される数平均値を意味する。ガラス繊維の拡大観察には、ビデオマイクロスコープVHX1000((株)キーエンス製)を用いる。
射出成形体1Xに含まれるガラス繊維は、空気雰囲気下マッフル炉にて600℃で8時間加熱して樹脂を除去することで取出すことができる。
本明細書において「アスペクト比」とは、繊維長さ(長軸の長さ)/繊維径(短軸の長さ)の比のことをいう。
ガラス繊維の含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、通常0〜100質量部である。
(他の成分)
射出成形体1Xの形成材料である液晶ポリエステル組成物は、充填材、添加剤、液晶ポリエステル以外の樹脂などの他の成分を1種以上含んでもよい。
充填材は、繊維状充填材であってもよいし、板状充填材であってもよいし、繊維状および板状以外で、球状その他の粒状充填材であってもよい。また、充填材は、無機充填材であってもよいし、有機充填材であってもよい。
繊維状無機充填材の例としては、パン系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維などの炭素繊維;シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維などのセラミック繊維;およびステンレス繊維などの金属繊維が挙げられる。また、チタン酸カリウムウイスカー、チタン酸バリウムウイスカー、ウォラストナイトウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、窒化ケイ素ウイスカー、炭化ケイ素ウイスカーなどのウイスカーも挙げられる。
繊維状有機充填材の例としては、ポリエステル繊維およびアラミド繊維が挙げられる。
板状無機充填材の例としては、タルク、マイカ、グラファイト、ウォラストナイト、ガラスフレーク、硫酸バリウムおよび炭酸カルシウムが挙げられる。マイカは、白雲母であってもよいし、金雲母であってもよいし、フッ素金雲母であってもよいし、四ケイ素雲母であってもよい。
粒状無機充填材の例としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ガラスビーズ、ガラスバルーン、窒化ホウ素、炭化ケイ素および炭酸カルシウムが挙げられる。
充填材の含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、通常0〜100質量部である。
添加剤の例としては、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、界面活性剤、難燃剤および着色剤が挙げられる。添加剤の含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、通常0〜5質量部である。
液晶ポリエステル以外の樹脂の例としては、ポリプロピレン、ポリアミド、液晶ポリエステル以外のポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミドなどの液晶ポリエステル以外の熱可塑性樹脂;およびフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。液晶ポリエステル以外の樹脂の含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、通常0〜20質量部である。
図3、4は、射出成形体1Xを成形後、金型100を開く際の様子を示す説明図である。本実施形態において、金型100を「開く」とは、金型100を第1プレート101、第2プレート102、第3プレート103のそれぞれに分離させることを意味する。
金型100を開く際には、まず図3に示すように、金型100から第3プレート103を分離させ、次いで図4に示すように、第1プレート101と第2プレート102とを分離させる。金型100で成形される射出成形体1Xは、金型100を開く際、第2プレート102と第3プレート103とを分離させる力により、ピンゲートであるゲート102cの位置で成形体10とスプルー部20とに分離する。
本実施形態の射出成形体1は、成形体10とスプルー部20とからなる一組の成形体である。成形体10には、スプルー部20と接続されていた痕跡として、ゲート跡13が形成される。
図5は、成形体10のゲート跡13近傍を示す説明図であり、成形体10の一面10aの法線方向から見た図である。
図に示すように、成形体10のゲート跡13は、円形のゲート102cに対応して円形状を呈する。
一面10aの法線方向から見た視野におけるゲート跡13の面積は、0.03mm以上1mm以下であると好ましい。上記ゲート跡13の面積は、ゲート102cの開口面積と一致する。
図6に示すように、成形体10は、成形体10とスプルー部20との分離の際に、スプルー部20により成形体10の一部が引き抜かれることがある。この場合、成形体10には、ゲート跡13の位置に凹部18が形成される。また、スプルー部20が有するスプルー21の先端には、凹部18に嵌合して補うような形状を有する凸部28が形成される。
また、図7に示すように、成形体10は、スプルー部20の一部を引き抜いてしまうことがある。この場合、成形体10には、ゲート跡13の位置に凸部19が形成される。また、スプルー部20が有するスプルー21の先端には、凸部19に嵌合して補うような形状を有する凹部29が形成される。
このように、射出成形体1Xから分離して得られる成形体10およびスプルー部20には、ゲート跡13の位置およびスプルー21の先端211xに、相互に嵌合して補うような形状が形成される。本明細書においては、このような相互に嵌合して補うような形状のことを、「相補的な形状」と称している。
図8,9は、成形体10を示す説明図である。図8は、成形体10の概略斜視図である。図9は、図8の線分IX−IXにおける矢視断面図である。
図8,9に示す成形体10のゲート跡13には、凸部19が形成されている。凸部19は、成形体10とスプルー部20とが分離する際に、スプルー部20の一部が成形体10に残存することにより形成される。このような凸部19は、他の成形体を傷付けたり、成形体が寸法規格から外れてしまう原因となったり、成形体の実装時に設置面から成形体が浮き上がる原因となったりしていた。
これに対し、本実施形態の射出成形体1においては、図2に示すように、スプルー部20の先端部211における側面211aの角度θ1は、40°以上65°以下である。
この角度θ1が、40°よりも小さい角度であると、射出成形体1Xを成形体10とスプルー部20とに分離させにくく、成形体10を破損させるおそれがある。また、射出成形体1Xを成形体10とスプルー部20とに分離させた際に、形成される凸部19が高くなり、他の成形体に干渉しやすくなる。
一方、角度θ1が65°を超える角度であると、第2プレート102のゲート102c近傍が摩耗または破損しやすく、異物が成形体10に混入するおそれが生じる。
これらに対し、本実施形態の射出成形体1のように角度θ1が40°以上65°以下であると、成形体10とスプルー部20とを分離させやすく、凸部19が形成されたとしても、低い凸部19となり易い。また、成形体10とスプルー部20とを分離させる際に第2プレート102が破損しにくく、異物の混入を抑制することができる。
図8,9に示すように、本実施形態の成形体10は、成形体10を形作る壁の厚さ方向に窪んだ凹部15にゲート跡13が設けられていてもよい。凹部15を有する成形体10において、ゲート跡13が設けられる一面10aは、凹部15の底面である面15xを有する。
このような成形体10においては、ゲート跡13は、面15xに設けられていると好ましい。また、凹部15の深さDは、0.01mm以上1mm以下であることが好ましい。
上述のようにゲート跡13に凸部19が形成されたとしても、ゲート跡13が凹部15の内部に設けられている場合には、凸部19が他の成形体などに干渉しにくくなり、上述の不具合を抑制しやすい。
また、上述したように、成形体10とスプルー部20とが分離する際に、成形体10の一部がスプルー部20に引き抜かれた場合、ゲート跡13に凹部が形成されることがある。
このような場合であっても、ゲート跡13が設けられた部分の成形体10の厚さTが0.1mm以上10mm以下であると、成形体10のゲート跡13の位置に貫通孔が形成されにくく好ましい。
本実施形態の射出成形体1は、以上のような構成となっている。
以上のような構成の射出成形体によれば、ゲート跡13における不具合が生じ難い射出成形体を提供することができる。
以上、添付図面を参照しながら本考案に係る好適な実施の形態例について説明したが、本考案は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせなどは一例であって、本考案の主旨から逸脱しない範囲において設計要求などに基づき種々変更可能である。
1,1X…射出成形体、10…成形体、10a…一面、13…ゲート跡、15,18,29…凹部、15x…面、20…スプルー部、21,23,101a,102b…スプルー、102c…ゲート、211…先端部、211a…側面、211x…先端、D…深さ、J…中心軸、T…厚さ、θ1,θ2…角度

Claims (9)

  1. 液晶ポリエステルとガラス繊維とを含む液晶ポリエステル組成物の射出成形体であって、
    前記射出成形体は、一面にゲート跡を有する成形体と、
    スプルーを含むスプルー部と、からなり、
    前記スプルーは、先端に向けて直径が漸減する円錐台状を呈し、
    前記スプルー部における前記スプルーの先端は、前記ゲート跡の形状と相補的な形状を有し、
    前記スプルーの中心軸に対する、前記スプルーの先端部の側面の角度は、40°以上65°以下である射出成形体。
  2. 前記角度は、45°以上60°以下である請求項1に記載の射出成形体。
  3. 前記一面の法線方向から見た視野における前記ゲート跡の面積は、0.03mm以上1mm以下である請求項1に記載の射出成形体。
  4. 前記ゲート跡が設けられた部分の前記成形体の厚さは、0.1mm以上10mm以下である請求項1に記載の射出成形体。
  5. 前記ゲート跡は、前記一面において前記成形体の厚さ方向に窪んだ凹部内に設けられ、
    前記凹部の深さは、0.01mm以上1mm以下である請求項1に記載の射出成形体。
  6. 前記一面の法線方向から見た視野おける前記ゲート跡の形状は、円形である請求項1に記載の射出成形体。
  7. 前記成形体の質量は、1mg以上5g以下である請求項1に記載の射出成形体。
  8. 前記成形体がコネクタである請求項1から7のいずれか1項に記載の射出成形体。
  9. 液晶ポリエステルとガラス繊維とを含む液晶ポリエステル組成物の射出成形体であって、
    前記射出成形体は、成形体と、
    スプルーを含むスプルー部と、からなり、
    前記スプルーは、先端に向けて直径が漸減する円錐台状を呈し、
    前記スプルー部は、前記スプルーの先端で前記成形体と接続しており、
    前記スプルーの中心軸に対する、前記スプルーの先端部の側面の角度は、40°以上65°以下である射出成形体。
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