JP3222940U - 吊り下げ具、および吊り下げ具が使用されている履物 - Google Patents

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Abstract

【課題】スリッパ等の履物をハンガー等に吊り下げて展示する場合において、履物を幅方向に多く並べることができる吊り下げ具を提供する。【解決手段】吊り下げ具1は、上下方向Aに延びる上方部分13と下方部分14からなる第1帯状部材と横方向Bに延びる第2帯状部材12とを有する。第1帯状部材の上方部分にはハンガーに対する係止部16が形成される。第1帯状部材は、一足の履物の前後方向を上下方向に向けた状態でハンガーへの着脱が可能に形成される。第1帯状部材の下方部分は、一足の履物の一部分を下方から支えることができるように上方に向かって折り曲げ可能な状態および折り曲げられた状態のいずれかの状態にある。第2帯状部材は、一足の履物のうちの少なくとも片方を横方向において一周して、端部どうしが重なり合う長さを有する。【選択図】図4

Description

この考案は、スリッパ等の履物を陳列するために使用するのに好適な吊り下げ具と、その吊り下げ具が使用してある履物とに関する。
スリッパやルームシューズ等の履物を商品として陳列しようとするときに、一足ずつを一組にして陳列することはよく知られている。
例えば、特許文献1に開示された履物用吊下具では、側面視がほぼL字状の本体にサンダル等の左右で一組となる履物が横並びの状態で載置される。本体は、その頂部に形成されたフックをハンガースタンド等におけるパイプに吊り下げることができる。
また、特許文献2に記載の靴用ハンガーは、フック部と狭持部材とを有する。このハンガーでは、横並びに置いた一足の靴の後革を狭持部材によって狭持し、狭持部材から上方に延びている狭持部材をロープ等に係止する。
特許部材3に開示されたディスプレイ用ハンガーは、引っ掛け部を有するハンガー本体部と、ハンガー本体部の下部両側から上方に向かって突設された一対のガイド部材とを有する。スリッパやサンダル等の一足の履物は、片方ずつの履き込み口に挿入したガイド部材によって支えられる。ハンガー本体部は、引っ掛け部をハンガー等の引っ掛け手段に引っ掛けて吊している。
また、スリッパの展示方法の一つとして、一足のスリッパの片方のヒール部をもう一方の履き込み口に挿入して一足のスリッパを一体化させて展示する方法はよく知られている。
特開2006−34847号公報 特開平8−224156号公報 特開2006−122421号公報
特許文献1−3に記載の従来技術は、一足の履物を横並びの状態にしてハンガー等から吊り下げるための装置、方法を開示するものであるから、履物を展示すべき場所の空間を利用することができても、履物はその横方向において多くを並べることができないという場合がある。
一方、一足の履物において、片方のヒール部をもう一方の履き込み口に挿入して一足の履物を一体化すれば、履物をその横方向において多く並べることができる。しかし、縦方向においてはそのように一体化してある履物を積み重ねなければならず、下積みになった履物は取り出しにくくなる。
そこで、この考案では、スリッパ等の履物をハンガー等に吊り下げて展示する場合においても、その履物を幅方向に多く並べることができるように改良された吊り下げ具の提供を課題にしている。
前記課題を解決するための本願に係る第1考案が対象とするのは、少なくとも一足の履物を吊り下げることができるように用意されたハンガーに対して着脱可能な係止部を有する前記一足の履物のための吊り下げ具である。
本願に係る第1考案が特徴とするところは、前記吊り下げ具は、上下方向に延びた第1帯状部材と、前記上下方向に交差する横方向へ延びた第2帯状部材とを有し、前記第1帯状部材は前記一足の履物の前後方向が前記上下方向に向いた状態で前記ハンガーへの着脱が可能に形成されていて、前記第1帯状部材の上方部分には前記係止部が形成され、前記第1帯状部材の下方部分は、前記一足の履物の一部分を前記上下方向の下方から支えることができるように折り曲げ可能な状態および折り曲げられた状態のいずれかの状態にあり、前記第2帯状部材は、前記一足の履物のうちの少なくとも片方を前記横方向において一周して、両端部どうしが重なり合うだけの長さを有していることにある。
本願の第1考案に係る吊り下げ具は、以下の実施の態様を含む。
(1)前記第1帯状部材は、前記上下方向の上方から下方に向かって二股に分かれている上方部材と下方部材とのそれぞれを有し、前記下方部材は前記二股に分かれている頂部が前記二股に分かれている前記上方部材の内側へ進入可能に形成されている。
(2)前記下方部材は、前記一足の履物の片方において、前記履物を前記上下方向で一周して両端部どうしが重なり合うだけの長さを有している。
(3)前記第1帯状部材と前記第2帯状部材、および前記第1帯状部材における前記上方部材と前記下方部材とは、粘着性材料を介して互いに接合可能なものである。
(4)前記一足の履物がスリッパ、ルームシューズ、バレエ用シューズ、運動靴、スニーカーのいずれかである。
本願の第2考案は、吊り下げ具に取り付けられて前記ハンガーへの吊り下げが可能な状態にあることを特徴とする一足の履物に関する。
本願の第2考案に係る履物は、以下の実施の態様を含む。
(1)前記一足の履物がスリッパ、ルームシューズ、バレエ用シューズ、スニーカーおよびテニスシューズを含む運動靴のいずれかである。
本願に係る吊り下げ具は、上下方向に延びた第1帯状部材の上方部分に係止部材が形成されていることによって、履物を吊り下げるために用意されたハンガー等の支持具に吊り下げることができる。この吊り下げ具を甲部が開口している前開きタイプの履物に使用すると、第1帯状部材の下方部分は、それを甲部が作る足の挿入部に通して、その下方部分を上方に向かって折り返すと、前後方向を上下方向に向けてある一足の履物のうちの一方の履物を下方から支えることができる。横方向に延びている第2帯状部材は、第1帯状部材が支えている履物に巻き付けることによって、第1帯状部材を履物に固定することができる。一足の履物のうちのもう一方は、第1帯状部材の上方部分をその履物の履き込み口に挿入して、その履物をもう一方の履物に重ねることで一足の履物を重なりあった状態でハンガーに吊り下げることができる。このような状態にある吊り下げ具を横並びにすれば、履物を展示するスペースに比較的多くの履物を展示することができる。
(a)吊り下げ具の使用状態における正面図、(b)吊り下げ具の側面図。 吊り下げ具の分解組立図。 吊り下げ具の組み立て手順を示す図。 吊り下げ具に履物を取り付けるときの手順を示す図。 図1のV−V線断面図とその部分拡大図。
図面を参照して本願の実施態様を説明すると、以下のとおりである。
図1は、本願に係る吊り下げ具1の使用態様を示す図であって、(a)は正面図、(b)は側面図である。図1の(a),(b)では、吊り下げ具1を使用して、一足の履物の一例である一足のスリッパ5a,5bが壁面2から延びるハンガー3に吊り下げられている。一足のスリッパ5a,5bは、前開き型のものであって、一方のスリッパ5aのヒール部6がもう一方のスリッパ5bの甲部7の内側に挿入された状態で重なり合っている。図1(a)では、このように吊り下げられている二足のスリッパ5,5’が横並びになっている。
図2は、吊り下げ具1の分解組立図である。吊り下げ具1は、図1,2において上下方向Aへ延びる第1帯状部材11と、上下方向Aに直交して横方向Bへ延びる第2帯状部材12とを有する。
図2において、第1帯状部材11は、上方部分を形成する上方部材13と、下方部分を形成する下方部材14とで形成されている。上方部材13は、ハンガー3に着脱可能な係止部が係止部材16として形成されていて、その係止部材16が取り付けられている頂部17と、頂部17から上下方向Aの下方に向かって二股に分かれて延びる第1脚部18と第2脚部19とを有する。第1,第2脚部18,19それぞれの外面には粘着性の第1テープ片20が取り付けられている。下方部材14は、頂部21と頂部21から二股に分かれて垂下する第1垂下部22と第2垂下部23とを有する。
第2帯状部材12は、一様な幅Wで横方向Bへ延びていて、横方向Bにおけるほぼ中央には粘着性の第2テープ片26が取り付けられている。
図3は、吊り下げ具1の組み立ての手順を示す図である。図3において、第2帯状部材12は、第2テープ片26を使用して、下方部材14の第2垂下部23における外面の所要部位に取り付けられる。下方部材14における第1垂下部22と第2垂下部23との間には、一足のスリッパ5のうちの一方であるスリッパ5a(図1(a)参照)のヒール部6が矢印27で示すように、上下方向Aの下方から挿入されて、頂部21の下面に達する(後記図4参照)。一方のスリッパ5aがこのように挿入されると、第1垂下部22は下端部分28が図示の如く上方に向かって折曲され、下端部分28に取り付けられている粘着性の第3テープ片29を使用して、第2垂下部23に対して固定される(後記図5参照)。
図4は、図3に示された手順に続く組み立て方の手順を示す図であるが、吊り下げ具1に一方のスリッパ5aともう一方のスリッパ5bとを取り付ける手順をも示している。図3において、折曲された第1垂下部22の下端部分28が第2垂下部23に対して固定されると、第2帯状部材12の両端部分31,32がスリッパ5aに巻き付けられるように折曲されて重なり合う両端部分31,32どうしが粘着性の第4テープ片34によって固定される。第2帯状部材12は、このように一足の履物5のうちの少なくとも一方のスリッパ5aを横方向Bにおいて一周して、両端部分31,32が互いに重なり合うだけの長さを有している。
次いで、仮想線で示されている上方部材13の第1脚部18と第2脚部19のそれぞれが一方のスリッパ5aのヒール部6を挟んで下方部材14の第1垂下部22と第2垂下部23とのそれぞれに重なるとともに、ヒール部6に巻き付けられている第2帯状部材12とも重なるようにセットされ、粘着性の第1テープ片20によって第2帯状部材12に対して固定される(後記図5を併せて参照)。
さらに図4において、もう一方のスリッパ5bは、図示の如くヒール部6を上下方向Aの下方に向けて、すなわち矢印36で示す方向へ動かして、甲部7と底部8とで作る履き込み口40へ吊り下げ具1の上方部材13とスリッパ5aのヒール部6とを進入させる。
そのようにして吊り下げ具1に取り付けられるスリッパ5aと5b、すなわち一足のスリッパ5は、図1(a),(b)に示す状態のものとなる。図1(a),(b)の上下方向Aでは、一方のスリッパ5aが第1帯状部材11における係止部材16を介してハンガー3に吊り下げられ、もう一方のスリッパ5bは、その甲部7が一方のスリッパ5aの甲部7に上方から当接して一方のスリッパ5aによって下から支えられる。第1帯状部材11は、上下方向Aにおいて一列をなすように並び(図4参照)、上方部材13がもう一方のスリッパ5bにおいて甲部7が作る前側の開口38から延出して係止部材16のハンガー3に対する係止が可能になる。第1帯状部材11のうちの下方部材14は、横方向Bにおいてスリッパ5aを一周している第2帯状部材12に対して第2テープ片26によって固定された状態にあるから、スリッパ5aから外れることがない。また、第1帯状部材11のうちの上方部材13は、粘着性の第1テープ片20を介して第2帯状部材12に対して固定されているから、スリッパ5aから外れることがない。
図5は、図1のV−V線断面図と、その断面図の部分拡大図であって、一方のスリッパ5aに対する第1,第2帯状部材11,12の取り付け状態を示している。ただし、図5において、もう一方のスリッパ5bは、仮想線で示されている。第1帯状部材11の下方部材14は、一方のスリッパ5aの底部9と中敷き部37とに接しながら、上下方向Aにおいてスリッパ5aを一周し、第1垂下部22の下端部分28が上方に向かって折り返されて第2垂下部23に重なるとともに、第3テープ片29によって第2垂下部23に対して固定されている。第2帯状部材12は、第1,第2垂下部22,23に重なった状態で、ヒール部6またはその近傍において、一方のスリッパ5aに巻き付けられていて、重なり合う両端部分31,32は、互いに動くことがないように第4テープ片34(図4参照)によって留められている。第1帯状部材11の上方部材13は、第1,第2脚部18,19の下端部分が第2帯状部材12に重なるとともに第1テープ片20によって第2帯状部材12に対して固定されている。
このような状態にある吊り下げ具1は、一方のスリッパ5aから簡単に外れることがない。また、第1帯状部材11の上方部材13は、もう一方のスリッパ5bの甲部7が作る足の挿入部40(図4参照)を貫通しているから、図1におけるように吊り下げてある一足のスリッパ5において、もう一方のスリッパ5bが吊り下げ具1から外れるということもない。しかし、スリッパ5を試しに履いてみたいときには、吊り下げ具1をハンガー3から外して、吊り下げ具1と一体の一方のスリッパ5aをもう一方のスリッパ5bから抜き取るようにして外せば、そのもう一方のスリッパ5bを履いてみることができる。また、一足のスリッパ5は、一方のスリッパ5aともう一方のスリッパ5bとが図1(b)に示されるように互いに重なり合う状態で展示されるから、一方のスリッパ5aともう一方のスリッパ5bとを横並びにして一足のスリッパ5を展示する場合に比べると、横方向において多くのスペースを必要とすることがなく、展示場において多くのスリッパを横方向に並べて展示することができる。
本願において、図示例の粘着性の第1〜第4テープ片には、片面粘着テープや両面粘着テープを適宜の長さに切って使用することができる。また、第1〜第4テープ片は、必要に応じてホチキス等の機械的接合手段に替えることもできる。さらにはまた、第1〜第4テープ片に替えて、粘着剤や接着剤を一例とする接合材料を使用することもできる。
本願においてはまた、第1,第2帯状部材11,12の素材として、プラスチック製のシートやフィルム、紙などを使用することができる。第1帯状部材11のうちの下方部材14と第2帯状部材12とは、それらを一体のものとしてフィルムや紙から切り取ることもできる。第1帯状部材11の下方部分を形成している下方部材14における下端部分28は、図示例の如く上方に向かって折曲可能であるが、下方部材14は、下端部分28が上方に向かって予め折曲された状態で吊り下げ具1の使用者に供給されてもよいものである。
本願が対象とする履物は、図示例の如き一足のスリッパに限られるわけではない。ルームシューズやバレエ用シューズ、運動靴、スニーカー等であって、前開きタイプである履物においても本願を実施することができる。
本願に係る吊り下げ具は、一足のスリッパを一例とする一足の履物を互いに重ねて吊り下げることができるから、履物の横方向において、一度に多くの履物を展示することができる。
1 吊り下げ具
3 ハンガー
5 一足のスリッパ(履物)
11 第1帯状部材
12 第2帯状部材
16 係止部材
A 上下方向
B 横方向

Claims (7)

  1. 少なくとも一足の履物を吊り下げることができるように用意されたハンガーに対して着脱可能な係止部を有する前記一足の履物のための吊り下げ具であって、
    前記吊り下げ具は、上下方向に延びた第1帯状部材と、前記上下方向に交差する横方向へ延びた第2帯状部材とを有し、
    前記第1帯状部材は前記一足の履物の前後方向が前記上下方向に向いた状態で前記ハンガーへの着脱が可能に形成されていて、前記第1帯状部材の上方部分には前記係止部が形成され、前記第1帯状部材の下方部分は、前記一足の履物の一部分を前記上下方向の下方から支えることができるように折り曲げ可能な状態および折り曲げられた状態のいずれかの状態にあり、
    前記第2帯状部材は、前記一足の履物のうちの少なくとも片方を前記横方向において一周して、両端部どうしが重なり合うだけの長さを有していることを特徴とする前記吊り下げ具。
  2. 前記第1帯状部材は、前記上下方向の上方から下方に向かって二股に分かれている上方部材と下方部材とのそれぞれを有し、前記下方部材は前記二股に分かれている頂部が前記二股に分かれている前記上方部材の内側へ進入可能に形成されている請求項1記載の吊り下げ具。
  3. 前記下方部材は、前記一足の履物の片方において、前記履物を前記上下方向で一周して両端部どうしが重なり合うだけの長さを有している請求項2記載の吊り下げ具。
  4. 前記第1帯状部材と前記第2帯状部材、および前記第1帯状部材における前記上方部材と前記下方部材とは、粘着性材料を介して互いに接合可能なものである請求項2または3に記載の吊り下げ具。
  5. 前記一足の履物がスリッパ、ルームシューズ、バレエ用シューズ、運動靴、スニーカーのいずれかである請求項1−4のいずれかに記載の吊り下げ具。
  6. 請求項1−5のいずれか一項に記載の吊り下げ具に取り付けられて前記ハンガーへの吊り下げが可能な状態にあることを特徴とする一足の履物。
  7. 前記一足の履物がスリッパ、ルームシューズ、バレエ用シューズ、スニーカーおよびテニスシューズを含む運動靴のいずれかである請求項6記載の一足の履物。
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