JP3222914B2 - クランプ構造体 - Google Patents

クランプ構造体

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ハンス・エーテイケル・アクチエンゲゼルシヤフト・マシイネン−ウント・アパラーテフアブリーク
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内側クランプ面が段差
や不連続部を備えていないクランプ構造体、特にホース
クランプに関する。
【0002】
【従来の技術】米国特許第2,614,304号明細書
および同第3,802,498号明細書に開示されたよ
うな、塑性変形可能な一つ以上のいわゆる“オエティー
カー”の耳を備えた、管状部材によって作られたホース
クランプは、30年間以上にわたって大いに使用され
た。“オエティーカー”の耳の収縮の後でその下に生じ
る隙間を架橋するために、本出願人の米国特許第3,3
03,669号明細書に開示されたインサートリングあ
るいは本出願人の米国特許第3,789,463号明細
書に開示されたインサート部材が使用された。このよう
なインサート部材は、本出願人の米国特許第4,31
5,348号明細書の図12に開示されているようなオ
ーバーラップする帯端部分で機械的に相互連結された開
放型クランプと共に使用された。このインサートリング
またはインサート部材は大いに成功を収めたが、製作お
よび組立のコストが高いという欠点およびクランプ帯と
のオーバーラップ領域に付加的な段差が生じるという欠
点があった。この段差は、これまで使用されたゴムやゴ
ム状材料から作られた比較的に柔らかいホース材料の場
合には、あまり重要ではなかった。しかしながら、硬度
が大きい比較的に薄いプラスチックのホース材料の出現
によって、内側リングまたは内側部材のために比較的に
薄い帯材料を使用すると、小さな段差は漏れの源とな
る。
【0003】本出願人の米国特許第3,286,314
号明細書は、開放帯端部が特殊なリベット継手によって
互いに連結されているクランプにおいて、内側帯端部を
延長させることによって、いわゆる“オエティーカー”
の耳の下方の隙間に架橋することを提案した。この内側
帯端部は外側帯部分の段差部の前で終わっている。しか
しながら、内側帯部分の端部に未だ、不連続部が存在し
ている。ドイツ連邦共和国実用新案登録(DE−GM)
第7541277.0号明細書は、オーバーラップする
帯端部をリベットまたは溶接連結する開放クランプのた
めの、内側帯部分の舌片状延長部を提案した。この舌片
状延長部は溶接継手の領域から形成され、溶接継手と反
対側の耳の脚のところから外側帯部分のプレス加工の溝
に直接係合する。他の欠点に加えて、前記ドイツ連邦共
和国実用新案登録は、耳の下の隙間が狭い舌片状延長部
だけによって架橋され、温度およびまたは圧力変化によ
る耳の下の隙間内への外向きの変更が制限されるという
重要な欠点がある。
【0004】クランプの全周にわたって隙間、割れ目ま
たは段差のない完全に満足できる内側クランプ面を提供
するために、本出願人の米国特許第4,299,012
号明細書および同第4,315,348号明細書に開示
されたクランプ構造体が提案された。この場合、オーバ
ーラップする内側の帯部分の端部が、舌片状延長部を備
えている。この舌片延長部は外側帯部分に設けられた舌
片受入れ手段に係合し、段差部から形成されている。舌
片受入れ手段はプレスされた中央の溝の形をしていても
よい。この溝は第1段差状部分のところから始まって、
耳状構造体または他の締付け手段から離れる方向に位置
する第2段差状部分で終わっている。第1段差状部分は
側方の帯部分を溝の半径方向高さ位置にもたらす。他の
実施例では、舌片受入れ手段は開口によって形成されて
いる。この開口は段差状部分の範囲から始まって、耳状
構造体または他の締付け手段から周方向に離れる方向に
或る距離だけ延びている。最後に述べた二つの特許発明
を使用するクランプ構造体は商業的に非常に成功を収め
た。しかしながら、管状無端部材から作られたクランプ
構造体の場合には、耳の下に設けられたインサート部材
を必要とする。このようなインサート部材は最後に述べ
た二つの特許に記載されているように、舌片受入れ手段
に係合する舌片延長部を備えていてもよい。
【0005】英国特許第1,064,048号明細書
は、締付け時に管の絞りおよび収縮によって生じる中断
を回避するために、可撓性管を取り囲むための連続円形
体を備えたクランプを開示している。そのために、この
特許は一実施例において、ほぼ同じ直径の重ねた2個の
巻体からなる主ループのために、ダブルリング構造を提
案した。この巻体は単一長さのワイヤかららせん巻体と
して作られている。主ループは締付けループと共に、直
径方向反対側の端部に設けたループを備えている。本特
許の他の実施例では、主ループのためのダブルリング構
造が2個の別個の同様な部材によって作られている。こ
の部材はそれぞれ、他方の上へ一方を重ねた主ループを
含んでいる。この主ループは、締付けループが互いに反
対に配置されるように一緒に溶接される。コストがかか
るということは別として、この特許のクランプは取付け
に関して欠点があり、更に、ワイヤ状材料からなる二つ
のループがほぼ平らな内側クランプ面を提供しないとい
う欠点がある。更に、この特許に開示されたクランプの
他の一連の欠点は、二つの締付けループが一つの同じ工
具によって同時に閉じないという欠点がある。
【0006】ヨーロッパ特許第0296918号明細書
は開放型クランプを開示している。このクランプでは、
オーバーラップする帯部分が、いわゆる“オエティーカ
ー”の耳によって保証されるような温度と圧力の変化に
関する補償を行うために弾性的な撓みを不可能にするフ
ックおよび固着構造によって機械的に連結される。この
特許に開示されたクランプに対して或る程度の弾性補償
能力を付与するために、本特許は引張りばね要素の使用
を提案している。この引張りばね要素は帯の中央に設け
た縦方向の切り込みの両側に配置され、周方向において
互いに離して設けられている。このヨーロッパ特許に記
載された構造は、引張りばね要素が帯の縦方向切り込み
の両側で周方向に離して設けられていることにより、引
張りばね要素による波形の変形にかからわず、柔らかい
チューブの全周にわたって締付け連続性が維持される。
しかしながら、この特許は塑性変形可能な“オエティー
カー”の耳を備えたクランプ特有の問題に対処していな
い。このクランプの場合には、温度およびまたは圧力の
変化の弾性的な補償をする耳の下方の隙間を、間隙、不
連続部または段差部を避けるように、架橋しなければな
らない。同時に、耳の下方の隙間はその中へホースが押
し込まれないような抵抗を生じなければならない。この
ような抵抗は、耳の下の隙間を架橋する全幅の帯によっ
てしか得られない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、製作に付加的なコストをあまりかけずに、上述の欠
点や短所を簡単な方法で除去することができ、かつ簡単
および効率的に取付けることができる、塑性変形可能な
いわゆる“オエティーカー”の耳を備えたクランプ構造
体を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この根底をなす課題は、
本発明によれば、クランプ帯がクランプ構造体の円周の
一部にわたって延び中央に位置する切り込みと、周方向
において離して設けられかつ縦方向の切り込みの両側に
位置する少なくとも一対の塑性変形可能な耳とを備え、
耳が好ましくは一つの工具を用いて同時に収縮できるよ
うな間隔をおいて設けられていることによって解決され
る。これは、管状部材で作られたクランプ構造体の取付
けを容易にし、その際、耳の下の隙間に架橋するインサ
ート部材を必要とせず、内側クランプ面に沿って隙間、
不連続部または段差部を持たないクランプの全周にわた
ってクランプのきわめて良好な保持能力を生じる。
【0009】周の一部に設けられた二つの切り込みの両
側に位置しかつ周方向において180度互いに離して設
けられた2対の耳状構造体が使用されると、内側クラン
プ面に沿って隙間、不連続部または段差部を持たずかつ
インサート部材等を必要としない、完全につりあいのと
れたクランプ構造体が得られる。
【0010】本発明は特に、管状部材からなるクランプ
構造体に適用可能であるが、オーバーラップする端部を
機械的に連結する開放型クランプ構造体についてもすぐ
れた利点がある。耳の下方の隙間をカバーするために、
機械的な連結部と、本出願人の前記米国特許第4,29
9,012号明細書および同第4,315,348号明
細書に開示された舌片状延長部と舌片状受入れ手段によ
る段差のない形を得るための手段とが、通常は、塑性変
形可能な耳を含む半周内においてクランプ構造体内に配
置されている。これは取付けられたクランプの不つりあ
いを一層悪くする。
【0011】しかし、本発明の他の特徴によれば、機械
的な連結部と、対をなした塑性変形可能な耳と反対側の
段差のない内部形状とするための手段とを設けることに
よってつり合わせられた開放型クランプ構造体を提供す
ることができる。これにより、クランプ構造体は他の手
段を必要とせずに、自動的につり合わせられるかあるい
は、必要であれば、一つ以上の開口を使用することによ
ってつり合わせることができる。この開口はブランクの
製作時に容易に打ち抜き加工される。
【0012】多くの利点が本発明によって得られる。管
状部材によって作られた無端のクランプの場合にあ、塑
性変形可能な耳の下方の隙間がもはや問題を生じない。
更に、このような無端のクランプは、耳の下方の隙間を
架橋するためのインサート部材等を必要としないで完全
につり合うように、製作可能である。
【0013】開放クランプ構造体が一つ以上の塑性変形
可能な耳を備えている場合には、本発明は、塑性変形可
能な耳の下方の隙間を架橋するための付加的なインサー
ト部材等を必要としないでつり合ったクランプ構造体を
提供するために、オーバーラップする帯端部の位置に広
い自由範囲を保証する。
【0014】本発明の一実施形では、ペンチ構造の締付
け工具が設けられている。この工具は相対的に固定され
たジョー状部材を備えている。このジョー状部材は帯の
全幅にわたって延び、かつ周方向において対の耳の間の
間隔に少なくともほぼ一致する有効厚さを有する。ペン
チ状工具は更に、相対的に移動可能な二つのジョー状部
材を備えている。この可動のジョー状部材は、固定され
たジョー状部材の方へ互いに反対方向に枢着運動可能で
ある。二つの他のジョー状部材の各々の幅は好ましく
は、固定ジョー状部材の幅よりも狭くなっており、固定
ジョー状部材を通る中央平面の両側に配置されている。
【0015】対をなした塑性変形可能な耳を同時に閉鎖
するための工具の他の実施例では、工具が枢着連結され
た2個のペンチ状部品からなっている。この部品は互い
に機械的に枢着連結され、その対応するジョー状部材は
同じ方向に同じ量だけ動く。
【0016】
【実施例】本発明の上記および他の目的、特徴および効
果は、本発明による幾つかの実施例を示す添付図面に関
連づけられた次の記載から一層明らかになるであろう。
【0017】図において同じ部品には同じ参照符号が付
けてある。特に図1と図2において、番号10はクラン
プ構造体全体を示している。このクランプ構造体はクラ
ンプ帯11と、全体を15a,15bで示した一対の耳
状の折り曲げ部を含んでいる。この折り曲げ部はそれぞ
れ、ブリッジ部分17によって相互連結された、ほぼ外
方へ延びる二つの脚部分16を備えている。ブリッジ部
分17は好ましくは補強手段18を備えている。この補
強手段は縦方向に延びる溝の形をしていてもよい。この
溝は上から見たときカヌーに似た形をし、本出願人の米
国特許第3,475,793号明細書に開示された種類
のものである。しかしながら、補強手段18は好ましく
は、本出願人の米国特許出願連続番号第06/922,
408号明細書(1986年10月23日出願、発明の
名称:クランプ用変形可能な耳)に開示された種類のも
のである。この明細書の内容は参照によってここに組み
入れられる。対応する英国特許は既に、英国特許第2,
160,577号明細書として既に発行されている。上
記の米国特許出願では、補強手段はほぼ平鍋状の浅い窪
みによって形成されている。この窪みは上から見たとき
ほぼ長方形であり、この長方形の辺はブリッジ部分17
の寸法の少なくとも半分以上にわたって延びている。浅
い補強窪みの底は、図1と図2に示すように、比較的に
平らであるかまたは比較的に大きな曲率半径で凹形に湾
曲している。本発明では、クランプ帯11に切り込み1
4が設けられている。この切り込みはクランプ帯の中央
の縦方向平面内に位置し、周方向において予め定められ
た距離にわたって延びている。耳状折り曲げ部15a,
15bは切り込み14の両側に配置され、角度αによっ
て示した相互の周方向距離だけ間隔をおいて設けられて
いる。この角度は一方の耳状折り曲げ部のブリッジ部分
17の中心線と他方の耳状折り曲げ部のブリッジ部分1
7の中心線がなす角度である。耳状折り曲げ部15a,
15bは、クランプ帯11の長手方向に対して横方向に
おいて、切り込み14に関して同じ側にあるクランプ帯
の対応する部分の幅と同じ幅を有する。すなわち、切り
込み14が中央の長手方向平面内に正確に位置している
ときには、折り曲げ部はクランプ幅全体の幅の2分の1
の幅を有する。角度αを一定に維持する、公知構造の後
述の好ましい実施例の適当な工具によって、耳状折り曲
げ部15a,15bを収縮するとき、耳状折り曲げ部1
5a,15bのこの特別な配置によって生じるクランプ
構造体10の内側クランプ面11′は、間隙、割れ目ま
たは段部を形成しない。耳状折り曲げ部の収縮時に間隙
が耳状折り曲げ部の下方に存在しても、間隙は作用的に
微々たるものである。なぜなら、このような間隙の領域
内に、切り込みに関してこの耳状折り曲げ部と反対の側
の半分のクランプ帯の2分の1が中断していないからで
ある。従って、本発明は、間隙が漏れの源にならない、
塑性変形可能な耳を備えたクランプ状構造体を実現する
ことができる。
【0018】図1が無端のクランプ構造体、すなわち管
状部材によって形成されたクランプ構造体を含む場合、
塑性変形可能な“オエティーカー(Oetiker)”タイプの
耳状折り曲げ部の利点、すなわち温度およびまたは圧力
およびまたはホース材料の変更時の自動的な補償作用は
完全に維持され、同時に、間隙、割れ目または段部を持
たない内側クランプ面は、インサート部材のような他の
手段や部品を必要としないで、有効である。
【0019】耳状折り曲げ部15a,15bは、角度α
を保つよう同時に詰めることができるような周方向の相
互間隔をおいて設けられている。図4は、角度(図1,
3参照)が一定に保たれるよう、耳状折り曲げ部15
a,15bを一緒に塑性変形するための空気圧式ペンチ
状工具の一実施例を略示している。図4においてペンチ
状工具は全体を参照番号30によって示してある。ペン
チ状工具は部分的に破断して示したハウジング40を備
えている。ハウジングの工具係合端部は、凸形の部分4
1a,41bを備えている。この部分は、多少尖った先
端部分43a,43bを経て凹形の部分42a,42b
に接続している。この凹形部分は凸形部分41a,41
bよりも曲率半径が小さくなっている。相対的に固定さ
れた中央部材31が公知の手段によってハウジング40
に固定連結されている。この中央部材は図の面に対して
垂直方向の幅がクランプ帯の幅とほぼ同じである。相対
的に固定された中央部材31は凹形の端面32と、凹形
の二つの側面33,34を備えている。この側面は端面
32と共に、多少鋭い折り曲げ係合面35,36を形成
する。この係合面は図4において互いに向き合っている
耳状折り曲げ部15a,15bの脚部分16に係合す
る。図4のペンチ状工具30は、ボルト54a,54b
の回りに枢着された2個のジョー状部材45a,45b
を含んでいる。ボルトはハウジング40を両側から保持
し、その間に、ジョー状部材45a,45bを枢着運動
するよう収容するためのスペースを形成している。ジョ
ー状部材45a,45bの形はハウジング部分41a,
42a,43a,41b,42b,43bの形にほぼ一
致している。すなわち、ジョー状部材は、凸形の面46
a,46bと、凹形の面47a,47bと、この両面の
間に形成された耳状折り曲げ部係合先端部分48a,4
8bを備えている。ジョー状部材45a,45bを閉鎖
するために、略示した作動機構は、ピストンロッド53
によってシリンダ51内のピストン52に連結された円
錐台状のくさび部材50を含んでいる。このピストン−
シリンダ−ユニットは液体で作動するものでもよいが、
空気圧作動のものが好ましい。シリンダ51の上側に圧
力媒体を入れると、ジョー状部材45a,45bの先端
部分48a,48bが、耳状折り曲げ部15a,15b
の反対側の脚部分に係合し、この脚部分を図3に示す形
に塑性変形する。ジョー状部材45a,45bはクラン
プ帯の全幅にわたって形成する必要はなく、クランプ帯
のほぼ半分の幅でよい。ジョー状部材は中央固定部材3
1の両側に配置されている。シリンダの上側に圧力媒体
が込められないときに、ジョー状部材45a,45bを
普通の開放位置に保持するために、ばね55が設けられ
ている。このばねは中央部材31に形成された凹部39
と、ジョー状部材45a,45bに形成された凹部49
a,49bに係合する。図4に示したペンチ状工具は、
図1に示した種類の1対の耳状折り曲げ部を図3の閉鎖
状態へ、同時に塑性変形することができる。工具は更
に、耳状折り曲げ具を塑性変形するときに、角度αを一
定に保持する工具によって耳状折り曲げ部を同時に閉鎖
することが原因で、クランプ帯自体に力や応力が生じな
いという利点がある。従って、クランプ帯は曲がった
り、変形したりしない。
【0020】図5と図6は、角度αを一定に保ちながら
耳状折り曲げ部15a,15bを閉鎖するためのペンチ
状工具の変形実施例を略示している。図5と図6は、耳
状折り曲げ部の周方向間隔の幾分大きな範囲を提供する
ペンチ状工具を示している。このペンチ状工具は端部が
それぞれジョー状部材131b,145bとなっている
作動ハンドル部分131,145を含んでいる。それに
よって、二つのハンドル部分145,131は枢着軸1
47bによって互いに枢着連結されている。容易に判る
ように、略示した弱い圧縮ばね148によって通常は互
いに離れているハンドル部分131,145は、このよ
うなペンチ状工具にとって普通であるように、互いに押
すと、ジョー状部材131b,145bを閉鎖する。第
2の対の同様にペンチのジョー状部材131a,145
aが設けられている。このジョー状部材は枢着軸147
bから或る距離をおいて設けられた枢着軸147aの回
りに枢着連結されている。更に、対応するジョー状部材
が一致して動くように、ジョー状部材131a,131
bは、連結リンク150bによって互いに枢着連結さ
れ、ジョー状部材145b,145aは連結リンク15
0aによって枢着連結されている。ジョー状部材145
b,131bは耳状折り曲げ部15bを塑性変形できる
ように構成および配置され一方、ジョー状部材131
a,145aは耳状折り曲げ部15aを閉鎖するために
切り込み14の反対側に位置している。折り曲げ部用係
合先端部131a′,145a′,131b′,145
b′の幅と、図面に対して垂直な平面内でのその配置
は、干渉を避けるように選択されている。
【0021】図5と図6に示した工具は、耳状折り曲げ
部15a,15bの同時の塑性変形と共に、不変の角度
αを保証する。図7は管状部材によって作られた無端の
クランプ構造体を示している。このクランプ構造体は向
かい合わせて設けられた一対の耳状折り曲げ部15a,
15bを備えている。この耳状折り曲げ部はクランプ帯
に180度だけ離して配置されている。図7から判るよ
うに、2対の耳状折り曲げ部15aは、互いに180度
だけ互いに離して、切り込み14の同じ側においてクラ
ンプ帯11に設けられている。一方、耳状折り曲げ部1
5bは互いに180度だけ離して切り込み14の外側に
設けられている。この特別な配置は、隙間、割れ目また
は段部を持たないクランプ面を備えた完全つりあい式ク
ランプ構造体の自動的な実現を可能にする。
【0022】図8と図9は、オーバーラップする部分が
機械的に連結された開放クランプ構造体への本発明の適
用を示している。耳状折り曲げ部15a,15bは中央
の長手方向切り込み14の両側に設けられ、好ましくは
機械的な連結部をオーバーラップ帯端部の反対側に設け
ている。それによって、つりあいクランプ構造体が他の
手段なしに実現可能である。
【0023】機械的な連結部は、本出願人の米国特許第
4,299,012号明細書および同第4,622,7
20号明細書に示してあるような、案内フックまたは組
み合わせ式案内および支持フックを備えた一つ以上の支
持フックを備えている。フックは内側帯部分から外方へ
延び、外側のオーバーラップ帯部分の対応する開口に係
合する。図示実施例では、冷間変形された一つの支持フ
ック61と、組み合わせ式案内および支持フック62
が、外側帯部分11bに形成された対応する開口63,
64に係合する。この両フックは、本出願人の米国特許
第4,622,720号明細書に記載されているよう
に、内側の帯端部分11aのプレス加工によって形成さ
れている。内側と外側の帯端部分11a,11bがオー
バーラップする機械的な連結部の領域内での、内側クラ
ンプ帯表面の段のない輪郭を保証するために、舌片状延
長部65が内側帯部分の自由端に設けられている。この
延長部は図9においてプレス加工した中央の溝66とし
て示した舌受入れ手段に係合する。溝は段状部分67の
領域から形成され、この段状部分は側方帯部分68を溝
形の窪み66の半径方向高さ位置にもたらす。従って、
溝形の窪み66は第1の段状部分67から、機械的連結
部から離れる方向に第2段状部分69まで延びる。しか
しながら、舌片受入れ手段66,67,68,69の溝
形窪み66の代わりに、舌片受入れ手段は、本出願人の
米国特許第4,299,012号明細書および同第4,
315,348号明細書に開示されているように、第1
段状部分67の領域から形成され機械的連結部の領域か
ら離れるように所定距離にわたって周方向に延びる開口
として構成してもよい。大きな締付け力を得るために、
2対のペンチ状工具を用いて、2対の耳状折り曲げ部1
5a,15bを同時に塑性変形し、クランプ構造体の両
側で同時に適用させることが好ましい。
【0024】例えば本出願人の米国特許第4,299,
012号の図7または図19に示したクランプ構造体と
比べて、図8と図9に示した開放クランプ構造体が有利
な点は、帯幅全体の内側帯部分によって耳状折り曲げ部
の下方の隙間を架橋するために、機械的な連結部を耳状
折り曲げ部の領域内に設ける必要がないことにある。。
前記内側帯部分は端部が舌片状延長部として形成され、
この延長部は舌片受入れ手段に係合している。しかし、
その代わりに、機械的な連結部と、段差のない内側クラ
ンプ面を設けるための手段を、本発明による一対以上の
耳状折り曲げ部からなる耳状構造体と反対側に配置して
もよい。それによって、他の手段なしに、つりあいクラ
ンプ構造体が得られる。換言すると、耳状折り曲げ部の
領域内の余分のクランプ帯材料は、段差のない形とする
ための手段と機械的連結部を備えたオーバーラップ帯端
部分によって補償可能である。もし必要であれば、勿
論、完全つりあいを達成するために、クランプ帯の所定
の領域内に、クランプ帯の付加的な小さな切除部を一つ
以上設けることができる。
【0025】本発明による幾つかの実施例を図示および
説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではなく、当業者は公知のように多くの変形や変更を行
うことができる。例えば機械的な連結は公知の手段、例
えば本出願人の米国特許第3,218,314号明細書
に開示されているようなリベット付ジョイントによって
行うことができる。クランプ帯は平らであってもよい
し、ホースの損傷の危険を最少とするために、エッジが
側方へ曲がっていてもよい。更に、プレス加工された舌
片受入れ溝の領域内でクランプ帯が硬くなりすぎないよ
うにするために、舌片受入れ溝は側方帯部分の各々の側
の一つまたは数個の切り込みによって、側方帯部分から
分離してもよい。
【0026】このように、本発明は当業者にとって知ら
れているような多くの変更や変形を行うことができる。
従って、本発明は図示し説明したことに限定されるもの
ではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ制限され
る。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明による、塑性
変形可能ないわゆる“オエティーカー”の耳を備えたク
ランプ構造体は、漏れの原因となる間隙、不連続部また
は段差部が内側クランプ面全体に形成されないという利
点がある。更に、付加的な製作コストをあまり必要とせ
ず、簡単および効率的に取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による、非収縮状態の一対の耳状折り曲
げ部を備えたクランプ構造体の部分図である。
【図2】図1のクランプ構造体の部分平面図である。
【図3】収縮状態の耳状折り曲げ部を備えたクランプ構
造体を示す、図1と同様な軸方向部分図である。
【図4】本発明によるクランプ構造体と共に使用される
ペンチ状工具を示す部分破断概略図である。
【図5】本発明によるクランプ構造体の耳状折り曲げ部
を収縮するためのペンチ状工具の変形実施例の概略図で
ある。
【図6】図5のペンチ状工具の側面図である。
【図7】つりあいクランプ構造体を形成するために反対
側に設けられた2個の耳状折り曲げ部を備えた、本発明
によるクランプ構造体の変形実施例を示す図1と同様な
図である。
【図8】本発明による一対の耳状折り曲げ部を備えた開
放クランプ構造体を軸方向から見た図である。
【図9】図8の開放クランプ構造体の斜視図である。
【符号の説明】
10 クランプ構造体 11 クランプ帯 14 切り込み 15a,15b 耳状折り曲げ部 30 ペンチ状工具 31 中央部材 45a,45b ジョー状部材
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−21292(JP,A) 西独国特許出願公開1500795(DE, A1) 欧州特許出願公開344132(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16L 33/00 - 33/14

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランプ帯手段と、塑性変形可能な耳状
    手段を具備し、この耳状手段がそれを収縮するときに固
    着される物の周りにクランプ構造体を締付けるために操
    作可能であるクランプ構造体において、クランプ帯手段
    が少なくともほぼ中央に配置された切り込みを備え、こ
    の切り込みがクランプ帯手段の円周の一部にわたって延
    び、塑性変形可能な耳状手段が塑性変形可能な少なくと
    も1対の耳状折り曲げ手段を含み、この耳状折り曲げ手
    段が切り込みの両側に配置され、かつ周方向において互
    いに所定の間隔をおいて配置され、耳状折り曲げ手段が
    クランプ帯手段の周方向に対して横方向において、切り
    込みの同じ側に設けられたクランプ帯手段の部分の幅と
    ほぼ同じ幅を有することを特徴とするクランプ構造体。
  2. 【請求項2】 各々の対の耳状折り曲げ手段が、ほぼ同
    時に収縮操作できるよう間隔をおいて設けられているこ
    とを特徴とする請求項1のクランプ構造体。
  3. 【請求項3】 2対の耳状折り曲げ手段がクランプ帯手
    段に設けられ、耳状折り曲げ手段が互いにほぼ反対側に
    設けられ、それによってクランプ構造体が自動的につり
    あわされ、かつ他の手段なしに、間隙、割れ目または段
    差部を持たない内側クランプ面を形成していることを特
    徴とする請求項1のクランプ構造体。
  4. 【請求項4】 2対の対応する耳状折り曲げ手段が、各
    切り込みの対応する側に設けられ、切り込みの同じ側で
    互いに180度だけずらして配置されていることを特徴
    とする請求項1から3までのいずれか一つのクランプ構
    造体。
  5. 【請求項5】 クランプ構造体が管状部材によって作ら
    れ、無端の内側クランプ面がその全体に沿って、間隙、
    割れ目または段差を備えていないことを特徴とする請求
    項1から4までのいずれか一つのクランプ構造体。
  6. 【請求項6】 オーバーラップ端部が連結手段によって
    機械的に連結されている、請求項1〜4のいずれか一つ
    による開放型クランプ構造体において、機械的な連結手
    段が、一対の耳状折り曲げ手段とほぼ反対側においてオ
    ーバーラップ帯部分内に配置されていることを特徴とす
    るクランプ構造体。
  7. 【請求項7】 機械的な連結手段が、組立状態でつりあ
    いクランプ構造体を形成するよう構成されかつクランプ
    帯手段内に配置されていることを特徴とする請求項6の
    クランプ構造体。
  8. 【請求項8】 内側クランプ面に段差をほぼ形成しない
    ようにする手段がオーバーラップ帯部分の領域に設けら
    れ、この手段が内側帯部分の自由端に舌片状延長部を含
    み、この舌片状延長部が外側帯部分の舌片受入れ手段に
    係合させるために操作可能であり、舌片受入れ手段が外
    側帯部分の外向きの段状部分の領域から形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜4,6,7のいずれか一つ
    のクランプ構造体。
  9. 【請求項9】 各耳状折り曲げ手段が周方向に間隔をお
    いて設けられた二つの脚部分を有し、この脚部分が外方
    へ延び、かつブリッジ部分によって互いに連結され、ブ
    リッジ部分が補強手段を備え、この補強手段が比較的に
    浅くてほぼ平鍋状の窪みによって形成され、この窪みが
    上から見たときにほぼ長方形の形をし、長方形の辺がブ
    リッジ部分の対応する寸法の半分以上にわたって延びて
    いることを特徴とする請求項1から8までのいずれか一
    つのクランプ構造体。
  10. 【請求項10】 請求項1から9までのいずれか一つの
    クランプ構造体のクランプ帯の周方向切り込みの両側に
    配置された一対の耳状折り曲げ手段をほぼ同時に塑性変
    形するための、ペンチ状手段を含む工具において、ペン
    チ状手段が比較的に動かない中央の部材を備え、この中
    央部材がクランプ帯の幅全体にわたって延び、クランプ
    構造体の周方向における中央部材の寸法が各々の対の2
    個の耳状折り曲げ手段の間の間隔によって決められ、ペ
    ンチ状手段が中央部材の両側に枢着配置された2個のジ
    ョー状部材を備え、各ジョー状部材がクランプ帯の幅の
    少なくとも半分にほぼ相当する幅を備え、かつ各々の切
    り込みの両側に配置され、更に各対の各々の耳状折り曲
    げ手段を塑性変形するようジョー状部材を反対方向に同
    時に枢着運動させることにより、ジョー状部材を同時に
    閉鎖するための手段を備えていることを特徴とする工
    具。
  11. 【請求項11】 中央部材の露出した底面が、固着され
    る物上での予備組立位置で、クランプ構造体の曲率にほ
    ぼ一致する湾曲した形をしていることを特徴とする請求
    項10の閉鎖工具。
  12. 【請求項12】 請求項1から9までのいずれか一つの
    クランプ構造体の各対の耳状折り曲げ手段を塑性変形す
    るための、ペンチ状手段を含む工具において、ペンチの
    ジョー状部材が2対設けられ、各対のジョー状部材を枢
    着連結するための手段と、2対のジョー状部材の枢着連
    結部を互いに連結する手段と、一致した枢着運動のため
    に各対のジョー状部材を連結する連結手段と、両対のジ
    ョー状部材が一致して閉じるように1対のジョー状部材
    を作動させるための手段とを備え、各対のジョー状部材
    が周方向において各対の耳状折り曲げ手段の間隔と同じ
    間隔をおいて設けられ、かつ各対のジョー状部材が各対
    の耳状折り曲げ手段に係合できるように切り込みの両側
    に配置されていることを特徴とする工具。
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