JP3222563U - 手摺用落下防止具 - Google Patents

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Abstract

【課題】手摺の布団干しとしての機能を損なうことなく、手摺をよじ登ることでの人間の落下を防止する手摺用落下防止具を提供する。【解決手段】手摺用落下防止具10は、防止具本体13の上部に、外周面の室外側部分に指掛け部17付きのグリップ部16を設けた。子供が手摺壁12を登ろうとグリップ部を握ると、指掛け部の内側に設けた突起状痛感部材18に指先が当たる。この当たった時の痛みから子供は手摺壁を登らない。また、ベランダ11に布団を干す際は、グリップ部に布団を掛けられる。グリップ部の上面は円弧状に膨れ、突起状痛感部材はグリップ部の内方へ湾曲しているため、布団は傷まない。【選択図】図1

Description

この考案は、手摺用落下防止具、詳しくは子供などが手摺を乗り越えて落下するのを防止するための手摺用落下防止具に関する。
例えば、マンションの上階に住む子供(人間)がベランダの手摺に登り、下を覗き込んだ際に頭の重みでベランダの外に転落するなどの事故が発生している。
これを解消する従来技術として、例えば、特許文献1の"手摺の補助ガード装置"などが知られている。この従来装置は、手摺の上部に設けた笠木に、上方へ突出する補助ガードを取り付けることにより、手摺の高さを高くして子供がベランダをよじ登り難くしたものである。
実開昭56−45033号公報
しかしながら、特許文献1の"手摺の補助ガード装置"は、このように笠木に補助ガードを取り付け、手摺の高さを増しただけのものであった。そのため、子供は、例えば、エアコンの室外機などを踏み台に利用すれば、手摺から補助ガードへとよじ登ることも可能であった。
また、一般的にベランダは、布団を干す際に物干しとして利用されている。そのため、補助ガードが剛性の低い薄板製のものの場合には、布団を干すことができなかった。
そこで、考案者は鋭意研究の結果、手摺の高さを高くして手摺からの人間の落下を防ぐのではなく、人間が手摺の上端部を握ってよじ登る際に、握った指に適度な痛みを与えるようにすれば、人間はその痛みから手摺を登らないようになることを知見し、この考案を完成させた。
すなわち、この考案は、手摺の布団干しとしての機能を損なうことなく、手摺をよじ登ることでの人間の落下を防止することができる手摺用落下防止具を提供することを目的としている。
請求項1に記載の考案は、手摺の上面に取り付けられて、該手摺からの人間の落下を防止する手摺用落下防止具において、前記手摺の長さ方向へ長い防止具本体と、該防止具本体の上部に設けられて、上面が円弧状に膨出したグリップ部とを有し、該グリップ部の外周面の外側部分には、内方へ湾曲した指掛け部が設けられ、該指掛け部の内面には、指先に痛みを感じさせる突起状痛感部材が取り付けられた手摺用落下防止具である。
手摺が設けられる箇所は限定されない。例えば、ベランダ、バルコニー、階段などを採用することができる。手摺は屋内配置のものでも、屋外配置のものでもよい。
手摺の構造は任意である。例えば、縦桟と横桟とを有した柵状のものでも、コンクリートからなる壁状のもの(手摺壁)でもよい。または、下部が手摺壁で上部が柵状のものでもよい。
手摺用落下防止具が取り付けられる手摺の上面は任意である。例えば、笠木の上面でも、トップレール(ハンドレール)の上面でもよい。その他、コンクリート製の手摺壁の上面でもよい。
手摺の上面への手摺用落下防止具の取り付け構造は限定されない。例えば、ボルトナット、ビスなどの連結部材を利用したものを採用することができる。さらには、手摺と手摺用落下防止具とが金属製の場合には、手摺に手摺用落下防止具を溶接してもよい。
また、手摺の上面と手摺用落下防止具の下面(取り付け面)とのあいだに隙間が現出する場合には、この隙間を埋めるスペーサ(アダプタ)を介在してもよい。
ここでいう人間は、老若男女の何れでもよい。特に、子供(5〜6歳児)や老人などが挙げられる。
防止具本体およびグリップ部の素材はそれぞれ限定されない。例えば、各種の金属(アルミニウム合金、ステンレス、鉄など)、各種のプラスチック(ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル樹脂など)といったものを採用することができる。
防止具本体およびグリップ部は、それぞれ中空体でも中実体でもよい。
防止具本体およびグリップ部の長さはそれぞれ任意である。例えば、手摺の長さと同一でもそれより短くてもよい。
防止具本体とグリップ部との長さは、互いに同一でも異なってもよい。
防止具本体の形状は、手摺の長さ方向へ長い部材であれば任意である。
グリップ部の形状は、上面が円弧状に膨らんだ湾曲形状であれば任意である。
ここでいう「グリップ部の外周面の外側部分」とは、手摺用落下防止具を手摺の上面に取り付けた状態において、グリップ部の外周面のうち、手摺の外側(手摺がベランダの場合には屋外側)に配される部分を意味する。
"指掛け部"とは、グリップ部を握った手の指先を内側に巻き込んだ状態で掛止可能な形状を有したものである。例えば、グリップ部が板材の場合には、グリップ部の外周面の外側部分に形成された内巻き部分などが挙げられる。また、グリップ部が中実体(棒材など)の場合には、グリップ部の外周面の外側部分に形成された凹み部分でもよい。
また、ここでいう"内方"とは、手摺用落下防止具(グリップ部)の内方を意味する。
ここでいう"突起状痛感部材"とは、当接した指先に対して、怪我をさせることなく痛みのみを感じさせるための突起付きの部材である。具体的には、先端をカットしたり丸めたりして、先端の鋭利性を低下させた鋸刃や横並びの針山などを採用することができる。
また、請求項2に記載の考案は、前記防止具本体の下部の内側部分には、別の前記指掛け部と別の前記突起状痛感部材とを有する別の前記グリップ部が設けられた請求項1に記載の手摺用落下防止具である。
ここでいう「防止具本体の下部の内側部分」とは、手摺用落下防止具を手摺の上面に取り付けた状態において、防止具本体の下部のうち、手摺の内側(手摺がベランダの場合には屋内側)に配される部分を意味する。
"別のグリップ部"とは、請求項1に記載されたグリップ部と同様のグリップ部である。すなわち、上面が円弧状に膨出して、外周面の外側部分に別の指掛け部が設けられるとともに、この別の指掛け部の内面に別の突起状痛感部材が取り付けられたものである。
2つのグリップ部は、完全に同一でなくてもよい。例えば、各指掛け部の形状や各突起状痛感部材の形状などが異なってもよい。
さらに、請求項3に記載の考案は、前記突起状痛感部材は、鋸刃状のものである請求項1または請求項2に記載の手摺用落下防止具である。
鋸刃の形成ピッチや刃角などは任意である。
請求項1に記載の考案によれば、例えば、子供や老人などの人間が、手摺用落下防止具付きの手摺を登ろうとする際には、防止具本体の上部に設けられたグリップ部を握る。詳しくは、上面が円弧状に膨出したグリップ部の外周面に掌をあてがい、グリップ部の外周面の外側部分に形成された指掛け部に指を掛ける。この時、指掛け部の内面に突起状痛感部材が取り付けられているため、人間が手摺を登ろうとグリップ部を強く握れば、指先が突起状痛感部材の突起部分に押し当てられ、痛みを感じる。その結果、手摺を登ろうとした人は、その痛みから学習して手摺を登らないようになる。
また、例えば、マンションなどのベランダでは、一般的に手摺を物干し代わりに利用し、布団を干している。その際には、防止具本体の上部に配されたグリップ部に、二つ折りした布団の折り曲げ部分が当接する。
しかしながら、グリップ部は、上面が円弧状に膨出した湾曲形状を有している。しかも、グリップ部の外周面の外側部分に配された突起状痛感部材付きの指掛け部は、グリップ部の内方へ湾曲形成されている。その結果、手摺用落下防止具に布団を掛けても、布団が傷付くおそれはほとんどない。よって、手摺の布団干しとしての機能も損なわない。
特に、請求項2に記載の考案によれば、防止具本体の下部の内側部分に別のグリップ部を設けたため、例えば、子供や老人などの人間が、手摺用落下防止具付きの手摺を登ろうとする際には、まず、下段配置された別のグリップ部を握る。その時、この人は、別の指掛け部に配された別の突起状痛感部材によって痛みを感じる。
仮に、この人がその痛みに耐えて、さらに手摺を登ろうとしても、上段配置されたもう1つのグリップ部を握ることで、さらに突起状痛感部材による痛みを感じることとなる。
このように、2本のグリップ部を上下2段配置したため、子供や老人などの人間が手摺をよじ登ることで起きる手摺からの落下事故の抑止効果が高まる。
また、グリップ部だけでなく、別のグリップ部も円弧状に膨出した湾曲形状を有しているとともに、内面に別の突起状痛感部材が付いた別の指掛け部も、別のグリップ部の内方へ湾曲形成されている。その結果、手摺を物干し代わりに利用する際において、手摺用落下防止具に掛けた布団を、上下配置された2つのグリップ部によって傷付けるおそれはほとんどない。
また、請求項3に記載の考案によれば、突起状痛感部材として鋸刃状のものを採用したため、突起状痛感部材の入手や、指掛け部の内面への突起状痛感部材の取り付けなどが容易となる。
この考案の実施例1に係る手摺用落下防止具の使用状態を示す斜視図である。 この考案の実施例1に係る手摺用落下防止具の使用状態を示す縦断面図である。 (a)は、この考案の実施例1に係る手摺用落下防止具の別の使用形態を示す断面図である。(b)は、この考案の実施例1に係る手摺用落下防止具のまた別の使用状態を示す断面図である。
以下、この考案の実施例を具体的に説明する。ここでは、ベランダのコンクリート製の手摺壁の上面に取り付けられる手摺用落下防止具を例とする。
図1および図2に示すように、この考案の実施例1に係る手摺用落下防止具10は、マンションのベランダ11に配されたコンクリート製の手摺壁(手摺)12の上面に取り付けられて、手摺壁12からの子供(特に5〜6歳の子供、人間)の落下を防止するためのものである。手摺用落下防止具10は長尺物で、手摺壁12の全長にわたって取り付けられている。
以下、手摺用落下防止具10について、詳細に説明する。
手摺用落下防止具10は、手摺壁12の長さ方向へ長い防止具本体13を有している。
この防止具本体13は、アルミニウム合金製の長尺な板材を、端面視して略数字の"2"の字状に湾曲形成したものである。
この防止具本体13は平坦な底板14を有しており、底板14の屋外側の端には、屋内方向へ内折れした平坦な立ち上げ板15が一体形成されている。また、底板14の幅方向の中間部には、底板14の全長にわたって所定ピッチで、手摺用落下防止具10を手摺壁12の上面にボルト連結するための複数のボルト孔14aがそれぞれ2列形成されている。
立ち上げ板15の上端には、上面が円弧状に膨出した下向きの半割円筒状の上段側グリップ部(グリップ部)16の基端が、一体的に連結されている。この上段側グリップ部16の先端部が、このグリップ部16の外周面の屋外側部分に配されて、(手摺用落下防止具10の)内方へ湾曲した上段側指掛け部(指掛け部)17を構成している。
また、上段側指掛け部17の内面には、上段側指掛け部17の全長にわたって、子供の指先に痛みを感じさせるアルミニウム合金からなる鋸刃状の上段側突起状痛感部材(突起状痛感部材)18が固定されている。上段側突起状痛感部材18の各刃先は、それぞれカットされている。そのため、子供が上段側指掛け部17を強く握っても、指先に怪我をすることはない。
さらに、底板14の屋内側の端には、防止具本体13の内方へ略C字状に湾曲した下段側グリップ部(別のグリップ部)19の基端が、一体的に連結されている。
下段側グリップ部19の先端部が、このグリップ部19の外周面の屋外側部分に配されて、(手摺用落下防止具10の)内方へ湾曲した下段側指掛け部(別の指掛け部)20を構成している。
この下段側指掛け部20の内面には、下段側指掛け部20の全長にわたって、指先に痛みを感じさせるアルミニウム合金からなる鋸刃状の下段側突起状痛感部材(別の突起状痛感部材)21が固定されている。この下段側突起状痛感部材21の各刃先の先端も、それぞれカットされている。
ここで、図2を参照して、手摺用落下防止具10の手摺壁12の上面への取り付け方法を具体的に説明する。
手摺用落下防止具10の取り付け時には、まず、手摺壁12の上面の幅方向の中間部に、この手摺壁12の全長にわたって所定ピッチ(ボルト孔14aと同一ピッチ)で、複数の埋め込み穴12aをそれぞれ2列形成する。その後、各埋め込み穴12aに加熱溶融した鉛をそれぞれ流し込み、冷却後に、これらにねじ切りを行うことにより、各ナット孔22aを有した複数の埋め込みナット22をそれぞれ形成する。
次に、対応するボルト孔14aとナット孔22aとを重ね合わせて、手摺壁12の上面に手摺用落下防止具10を載置する。その後、各連通状態のボルト孔14aとナット孔22aとに複数のボルト23をそれぞれねじ込む。これにより、手摺用落下防止具10が手摺壁12の上面に取り付けられる。
次に、図1および図2を参照して、実施例1の手摺用落下防止具10の使用形態について説明する。
図1に示すように、何らかの理由で子供が手摺用落下防止具10付きの手摺壁12を登ろうとする際には、まず、防止具本体13の下部に設けられた下段側グリップ部19を握る。詳しくは、上面が円弧状に膨出した下段側グリップ部19の外周面に掌をあてがい、下段側グリップ部19の外周面の室外側部分に形成された下段側指掛け部20に指を掛ける。
この時、下段側指掛け部20の内面に下段側突起状痛感部材21が取り付けられているため、子供が手摺壁12を登ろうと下段側グリップ部19を強く握った際には、指先が下段側突起状痛感部材21の突起部分に押し当てられて痛みを感じる。その結果、子供はその痛みから学習し、手摺壁12を登らないようになる。
仮に、その子供がこの痛みに耐え、さらに手摺壁12を登ろうとした場合には、子供は下段側グリップ部19より上方に配置された上段側グリップ部16を握ることとなる。その時にも、上段側指掛け部17の上段側突起状痛感部材18による痛みを感じることとなる。
このように、ここでは2本のグリップ部16,19を上下2段配置したため、子供が手摺壁12をよじ登ることで起きる、手摺壁12からの落下事故の抑止効果がさらに高まる。
また、マンションなどのベランダ11では、一般的に手摺壁12を物干し代わりに利用して、布団24を干すことが行われている。その際、防止具本体13の上部に配された上段側グリップ部16に、二つ折りした布団24の折り曲げ部分が当接する。
しかしながら、この上段側グリップ部16は円弧状に膨出した湾曲形状を有しており、また上段側グリップ部16の外周面の外側部分に配された上段側突起状痛感部材18付きの上段側指掛け部17は、上段側グリップ部16の内方へ湾曲形成されている。
同じように、下段側グリップ部19も円弧状に膨出した湾曲形状を有しており、また下段側グリップ部19の外周面の屋外側部分に配された下段側突起状痛感部材21付きの下段側指掛け部20も、下段側グリップ部19の内方へ湾曲形成されている。その結果、手摺壁12を物干し代わりに利用して布団24を干す際に、手摺用落下防止具10に掛けた布団24を、上下配置された2つのグリップ部16,19によって傷付けるおそれはほとんどない。よって、手摺壁12の布団干しとしての機能も損なわない。
また、ここでは、上、下段側突起状痛感部材18,21として鋸刃状のものをそれぞれ採用したため、上、下段側突起状痛感部材18,21の入手や、対応する指掛け部17,20の内面への各突起状痛感部材18,21の取り付けなどが容易となる。
なお、上面に丸みがある手摺壁12Aの場合には、防止具本体13の底板14Aもその曲率に合わせたものとする(図3(a))。また、手摺用落下防止具10の下面とのあいだに隙間が現出する場合には、この隙間を埋めるスペーサ25を介在してもよい(図3(b))。
この考案の手摺用落下防止具は、子供や認知症の老人などが手摺を乗り越えて落下するのを防止するものとして有用な技術である。
10 手摺用落下防止具、
12,12A 手摺壁(手摺)、
13 防止具本体、
16 上段側グリップ部(グリップ部)、
17 上段側指掛け部(指掛け部)、
18 上段側突起状痛感部材(突起状痛感部材)、
19 下段側グリップ部(別のグリップ部)、
20 下段側指掛け部(別の指掛け部)、
21 下段側突起状痛感部材(別の突起状痛感部材)。

Claims (3)

  1. 手摺の上面に取り付けられて、該手摺からの人間の落下を防止する手摺用落下防止具において、
    前記手摺の長さ方向へ長い防止具本体と、
    該防止具本体の上部に設けられて、上面が円弧状に膨出したグリップ部とを有し、
    該グリップ部の外周面の外側部分には、内方へ湾曲した指掛け部が設けられ、
    該指掛け部の内面には、指先に痛みを感じさせる突起状痛感部材が取り付けられた手摺用落下防止具。
  2. 前記防止具本体の下部の内側部分には、別の前記指掛け部と別の前記突起状痛感部材とを有する別の前記グリップ部が設けられた請求項1に記載の手摺用落下防止具。
  3. 前記突起状痛感部材は、鋸刃状のものである請求項1または請求項2に記載の手摺用落下防止具。
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