JP3222038U - 建物の壁構造及び建物用壁材 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成により、壁面を星空のように光らせる演出を行うことができる建物の壁構造を提供する。
【解決手段】建物内に中二階空間20を区画する壁構造は、中二階空間を区画し、厚さ方向に貫通する複数の第1の貫通孔23を有する第1の壁材21と、第1の壁材と間隔をおいて対向配置されて中二階空間と隣り合う一階空間10を区画し、厚さ方向に貫通するとともに複数の第1の貫通孔の各々と同一軸線上に位置する複数の第2の貫通孔24を有する第2の壁材22とを有している。また、壁構造は、複数の第1の貫通孔の各々及び複数の第2の貫通孔の各々に挿通された導光棒25を有している。
【選択図】図3

Description

本考案は、建物内に空間を区画する壁構造及び壁材に関する。
従来、壁面を光らせる演出方法としては、投影装置を用いて壁面に映像を映し出す方法や、照明装置で壁に光を照射する方法が知られている。
また、特許文献1においては、透明な板版をなし、裏面に凹状のレリーフが形成されたレリーフ板と、レリーフ板の端面に接触して設けられた照明光源と、照明光源の外面を覆うとともに照明光源をレリーフ板に一体的に固定する枠部材とを備えた装飾用壁材が提案されている。
特開2016−37806号公報
ところが、上述したように壁面に映像を映し出す方法や、壁に光を照射する方法の場合には、投影装置や照明装置などの装置を当該部屋内に配置する必要があるため、スペースの限られた部屋に対して適用することが難しいという問題がある。
また、特許文献1に記載の技術の場合には、透明なレリーフ板や照明光源、枠部材といった構成が必要となるため、壁材自体の構成が複雑になるという問題がある。
本考案の目的は、簡単な構成により、壁面を星空のように光らせる演出を行うことのできる建物の壁構造及び建物用壁材を提供することである。
上記目的を達成するための建物の壁構造は、建物内に空間を区画するものにおいて、当該空間を区画する壁材であって、厚さ方向に貫通する複数の第1の貫通孔を有する第1の壁材と、前記第1の壁材と間隔をおいて対向配置され、厚さ方向に貫通するとともに複数の前記第1の貫通孔の各々と同一軸線上に位置する複数の第2の貫通孔を有する第2の壁材と、複数の前記第1の貫通孔の各々及び複数の前記第2の貫通孔の各々に挿通された導光棒と、を有し、前記導光棒の直径は、1〜10mmであり、前記導光棒の外周面は、前記第1の貫通孔の内周面及び前記第2の貫通孔の内周面に対向している。
また、上記目的を達成するための建物用壁材は、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔が設けられた壁本体と、複数の前記貫通孔の各々に挿入された導光棒と、を有し、前記導光棒の直径は、1〜10mmであり、前記導光棒の外周面は、前記貫通孔の内周面に対向している。
同構成によれば、当該空間の外の光が複数の導光棒の一端から流入するとともに他端から当該空間内へ放射される。このため、当該空間を薄暗くしておけば、複数の導光棒における当該空間に臨む他端が光り輝くこととなる。
本考案によれば、簡単な構成により、壁面を星空のように光らせる演出を行うことができる。
建物の壁構造の第1実施形態について、当該壁構造が適用された中二階部屋と一階空間とを示す正面図。 図1の2−2線に沿った断面図。 図2のA部を拡大して示す断面図。 建築用壁材の第2実施形態について、壁材を示す斜視図。 変形例における壁材を示す斜視図。
<第1実施形態>
以下、図1〜図3を参照して、建物の壁構造を、一般住宅用建物の中二階空間を区画する壁構造として具体化した一実施形態について説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の一般住宅用建物においては、一階床板11、一階床板11の上方に設けられた天井板12、及び上下方向に沿って延在する側壁板17,18によって、一階空間10が区画されている。
一階床板11と天井板12との間には中二階床板13が設けられており、中二階床板13、天井板12、及び上下方向に沿って延在する側壁板16によって、平面視四角形状の中二階空間20が区画されている。なお、以降において、中二階空間20を基準とした内側及び外側を単に内側及び外側と称することがある。
図2に示すように、中二階空間20を取り囲むように複数の柱14が間隔をおいて設けられている。また、柱14同士の間には、間柱15が設けられている。
側壁板16は、複数の第1の壁材21によって構成されている。各第1の壁材21は、柱14及び間柱15の内側に位置しており、柱14及び間柱15に対して釘や木ねじ(図示略)を介して固定されている。
柱14及び間柱15の外側には、複数の第2の壁材22が第1の壁材21と間隔をおいて対向配置されている。各第2の壁材22は、柱14及び間柱15に対して釘や木ねじ(図示略)を介して固定されている。各第2の壁材22によって、一階空間10を区画する側壁板17が構成されている。
第1の壁材21及び第2の壁材22は、合板や、表面に化粧板あるいは壁紙の貼り付けられた石膏ボードなどの周知の材料によって形成されている。
側壁板16,17のうちの一つの面の下部には、中二階空間20と一階空間10とを連通する1つの出入口26が設けられている。ここで、出入口26の開口面積が側壁板16,17に対して十分に小さくされているため、中二階空間20は薄暗い空間となっている。
一階床板11と出入口26との間には、梯子30が掛け渡されている。
図3に拡大して示すように、第1の壁材21には、厚さ方向に貫通するとともに円孔状をなす複数の第1の貫通孔23が設けられている。また、第2の壁材22には、厚さ方向に貫通するとともに円孔状をなす複数の第2の貫通孔24が設けられている。複数の第1の貫通孔23の各々と、複数の第2の貫通孔24の各々とは同一軸線上に位置している。
なお、図3では、同図の右方の導光棒25が各貫通孔23,24に組み付けられた状態を示す一方、同図の左方の導光棒25については、組み付け途中の状態を示している。
互いに同一軸線上に位置する第1の貫通孔23と第2の貫通孔24とには、アクリル樹脂からなるとともに丸棒状をなす共通の導光棒25が挿入されている。なお、各貫通孔23,24の内周面と導光棒25の外周面との間に接着剤を設けるようにしてもよい。
導光棒25の一端25aは、第2の壁材22における一階空間10を臨む面(同図の下面)と面一とされている。
導光棒25の他端25bは、第1の壁材21における中二階空間20を臨む面(同図の上面)と面一とされている。
導光棒25の直径は各貫通孔23,24の内径よりも僅かに小さくされている。導光棒25の直径としては、1〜10mmであることが好ましく、2〜5mmであることが更に好ましい。本実施形態では、導光棒25の直径が3mmとされている。
図1に示すように、本実施形態では、中二階空間20の内部から視たときの複数の貫通孔23の配置が例えば北斗七星やオリオン座などの星座の配置とされている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
一階空間10の自然光や蛍光灯などの光が複数の導光棒25の一端25aから流入するとともに他端25bから中二階空間20内へ放射される。中二階空間20は薄暗い空間であることから、複数の導光棒25における中二階空間20に臨む他端25bが星空のように光り輝くこととなる。
以上説明した本実施形態に係る建物の壁構造によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)中二階空間20を区画する第1の壁材21の第1の貫通孔23と、一階空間10を区画する第2の壁材22の第2の貫通孔24とには、導光棒25が挿通されている。
こうした構成によれば、上記作用を奏することから、簡単な構成により、中二階空間20の壁面を星空のように光らせる演出を行うことができる。
(2)中二階空間20の内部から視たときの複数の貫通孔23の配置が星座の配置とされているため、複数の導光棒25の他端25bが星空のように光り輝くこととなる。すなわち、中二階空間20の壁面がプラネタリウムとして機能するようになる。したがって、中二階空間20における癒しの効果を高めることができる。
(3)導光棒25の直径が3mmとされている。
導光棒25の直径が10mmよりも大きいと、導光棒25を通じて中二階空間20内へ放射される光量が多くなることで、壁面を星空のように繊細に光らせることが難しくなる。その結果、壁面をプラネタリウムとして機能させる効果が発揮されにくくなる。
一方、導光棒25の直径が1mmよりも小さいと、導光棒25を通じて中二階空間20内へ放射される光量が少なくなることで、壁面を光り輝かせる効果が発揮されにくくなる。また、導光棒25の剛性を確保することが難しくなり、貫通孔23,24に挿入する作業が難しくなる。
この点、上記構成によれば、導光棒25の直径が3mmとされているため、中二階空間20の壁面を繊細且つ十分に光り輝かせる効果を発揮させることができるとともに、導光棒25の挿入作業を容易に行うことができる。
<第2実施形態>
以下、図4を参照して、第2実施形態について説明する。
図4に示すように、本実施形態の壁材50は、2つの空間を隔てる側壁板を構成するものであり、合板52と、合板52の両面に接着剤により貼り付けられた石膏ボード53とを有し、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔54が設けられた壁本体51を有している。石膏ボード53の表面には必要に応じて化粧シートが接着されている。複数の貫通孔54の配置態様は、第1実施形態にて例示した貫通孔23,24の配置態様と同様である。
複数の貫通孔54の各々には、第1実施形態と同様な導光棒55が挿入されている。導光棒55の両端は、壁本体51の両面とそれぞれ面一とされている。
以上説明した本実施形態に係る建物用壁材によれば、第1実施形態の効果(1)〜(3)と同様な効果が得られるようになる。
<変形例>
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・図1に示すように、天井板12を構成する壁材に対して本考案を適用することもできる。また、中二階床板13を構成する壁材に対して本考案を適用することもできる。天井板12を構成する壁材に対して本考案を適用する場合、自然光などからの採光が難しくなるため、天井裏のスペースに照明光源40を設けることが好ましい。
・導光棒25は棒状のものであれば丸棒状、すなわち円柱状のものに限定されず、図5に示すように、三角柱状の導光棒551や、四角柱状の導光棒552、六角柱状の導光棒553などであってもよい。またこれらの場合、導光棒551〜553の外周面と貫通孔541〜543の内周面との間の隙間が小さくなるように、貫通孔541〜543の形状を導光棒551〜553の形状に合わせることが好ましい。
・本考案に係る建物用壁材は、第2実施形態において例示した壁材50に限定されない。例えば、合板52に代えて、中密度繊維板(MDF)や単板積層材(LVL)などを採用することもできる。また、石膏ボード53に代えて、例えばポリエステルなどの合成樹脂からなる化粧シートを採用することもできる。また、石膏ボード53に代えて、合成樹脂からなる芯材プレートの両面に金属からなる面材シートが貼り付けられた複合板を採用することもできる。なお、芯材プレートの材質としては、ポリエチレンや発泡ポリエチレンなどが好ましい。また、面材シートの材質としては、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、ガルバリウム鋼などが好ましい。
10…一階空間、11…一階床板、12…天井板、13…中二階床板、14…柱、15…間柱、16,17,18…側壁板、20…中二階空間、21…第1の壁材、22…第2の壁材、23,24…貫通孔、25…導光棒、25a…一端、25b…他端、26…出入口、30…梯子、40…照明光源、50…壁材、51…壁本体、52…合板、53…石膏ボード、54,541,542,543…貫通孔、55,551,552,553…導光棒。

Claims (6)

  1. 建物内に空間を区画する壁構造において、
    当該空間を区画する壁材であって、厚さ方向に貫通する複数の第1の貫通孔を有する第1の壁材と、
    前記第1の壁材と間隔をおいて対向配置され、厚さ方向に貫通するとともに複数の前記第1の貫通孔の各々と同一軸線上に位置する複数の第2の貫通孔を有する第2の壁材と、
    複数の前記第1の貫通孔の各々及び複数の前記第2の貫通孔の各々に挿通された導光棒と、を有し、
    前記導光棒の直径は、1〜10mmであり、
    前記導光棒の外周面は、前記第1の貫通孔の内周面及び前記第2の貫通孔の内周面に対向している、
    建物の壁構造。
  2. 前記導光棒の一端は前記第2の壁材の外部に臨む壁面と面一である一方、前記導光棒の他端は前記第1の壁材の外部に臨む壁面と面一である、
    請求項1に記載の建物の壁構造。
  3. 複数の前記第1の貫通孔及び複数の前記第2の貫通孔の配置が、星座の配置とされている、
    請求項1または請求項2に記載の建物の壁構造。
  4. 厚さ方向に貫通する複数の貫通孔が設けられた壁本体と、
    複数の前記貫通孔の各々に挿入された導光棒と、を有し、
    前記導光棒の直径は、1〜10mmであり、
    前記導光棒の外周面は、前記貫通孔の内周面に対向している、
    建物用壁材。
  5. 前記導光棒の一端は前記壁本体の外部に臨む一方の壁面と面一である一方、前記導光棒の他端は前記壁本体の外部に臨む他方の壁面と面一である、
    請求項4に記載の建物用壁材。
  6. 複数の前記貫通孔の配置が、星座の配置とされている、
    請求項4または請求項5に記載の建物用壁材。
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