JP3221895B2 - 大口径地下壁体の構築方法および管埋設用掘削装置 - Google Patents

大口径地下壁体の構築方法および管埋設用掘削装置

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JP3221895B2
JP3221895B2 JP28897491A JP28897491A JP3221895B2 JP 3221895 B2 JP3221895 B2 JP 3221895B2 JP 28897491 A JP28897491 A JP 28897491A JP 28897491 A JP28897491 A JP 28897491A JP 3221895 B2 JP3221895 B2 JP 3221895B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は大口径地下壁体の構築方
法およびそれに用いる管埋設用掘削装置に係わり、詳し
くは、例えば海または河川等の水域中に構築され、多数
の杭体が水平方向に連設されることにより全体として閉
環筒状に形成された大口径地下壁体の構築方法および該
地下壁体を構築する際に用いて好適な管埋設用掘削装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水域中に例えば立坑あるいは橋脚
基礎等の構造物、それも大型のものを構築する工法とし
ては主として下記の如きものが実施されている。 1)巨大な圧気型ケーソンを設置する工法。 底部を開放した筒体の底面から土砂を排出しながら沈下
させ、所定の支持層に到達させるものである。特に圧気
型ケーソン工法では、筒体内に侵入する水を排除するた
め、ケーソン下部に圧縮空気作業室を設ける。最近で
は、現在施工中の鶴見航路橋あるいは東京港連絡橋等
が、当工法による橋脚を備えたものとなっている。
【0003】2)地中連続壁により構築する工法。 まず、橋脚または立坑を構築する場所に埋立にて作業基
地(人工島)を造成し、この基地において周知方法によ
り地中連続壁を構築し、その地中連続壁を立坑あるいは
橋脚基礎と成す。最近では、現在施工中の室蘭の白鳥大
橋が、当工法による橋脚を備えたものとなっている。
【0004】3)浮き型の作業台から巨大杭を打設する
工法。 まず、大型の浮き型の作業台(パージ)をドライドック
または海上にて製作し、そのパージを用いて海底地盤中
に巨大な杭を立設し、それを橋脚基礎とする。最近で
は、横浜港横断橋(通称、横浜ベイブリッジ)が、当工
法による橋脚を備えたものとなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
工法においてはそれぞれ下記の如き不都合な点がある。
すなわち、上記1)の圧気型ケーソンを設置する工法に
あっては、ケーソン底部の作業室の作業員が作業できる
最大圧気圧力が3.5Kg/cm2(水面下深さ35m)程度
であるため、設置深度が深くなると施工できない。地下
水位を低下させる工法を併用することによりその施工深
度を下げることも不可能ではないが、その場合でも最大
深さは45m程度が限度である。また、圧気作業は充分
な安全対策を必要とする上、作業がきつく、汚いといっ
たイメージがある。さらに、最初にケーソンを設置する
際、設置地盤の上部が軟弱層の場合(そうである場合が
多い)にはその地層を地盤改良する必要があり、施工費
がかかる。
【0006】上記2)の地中連続壁により構築する工法
にあっては、水域に構築する場合には、施工箇所を一度
埋め立てしなければならないため多大な工費、工期がか
かるといった欠点がある。しかも、連続壁は埋立部の外
周部よりもかなり内側に構築しなければならないため
に、構築すべき連続壁に対して大きな人工島を造成する
必要があり、そのため、航路の妨害や河川断面の欠損を
増大させるといった不具合を生ずるおそれもある。さら
に、特に水深が大きい場合、埋立土砂の外部防護のため
の外壁も膨大なものとなりそのための工費・工期も嵩む
ものとなる。また、その外壁の強度が問題となり、施工
自体が不可能となることも考えられる。
【0007】上記3)のパージより巨大杭を打設する工
法にあっては、第一に、杭体であるため橋脚基礎にはな
るが立坑には適用できないといった根本的な問題があ
る。また、杭がそれぞれ独立しているため、曲げモーメ
ントに対抗するために杭自体の剛性を高める必要があ
る。そのため極めて巨大な杭となり、工期・工費が嵩む
ものとなり、しかも水深が大きくなる程上記傾向が大き
くなって不利となるという欠点がある。さらに、パージ
の制作にも工費・工期を要するものとなる。
【0008】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、大水深条件下においても前記の如き大型(巨大)な
立坑あるいは基礎を確実かつ効率的に構築することので
きる大口径地下壁体の構築方法およびその構築の際に用
いる管埋設用掘削装置を提供することを目的とするもの
である。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【課題を解決するための手段】 請求項1に係る発明は、
立坑または構築物の基礎等を構成するために水域中に構
築され、多数の杭体が該杭体の径方向に連設されること
により全体として水平断面略円形状に閉環形成され、し
かも前記杭体は、下端が支持層まで達しているととも
に、上端から少なくとも水底面下の軟弱層を越える部分
までは外周部を鋼管または鋼矢板により構成された鋼管
杭部とされ、前記杭体は、隣接したものどうしが互いに
径方向に一部重合しており、前記杭体の前記鋼管杭部
は、連設された杭体のうち一つ置きに配設された杭体に
ついては断面円形の円形鋼管を備え、他の杭体について
は前記円形鋼管の間にぴったりと嵌まる断面皷形とされ
た異形鋼管を備えてなる大口径地下壁体の構築方法であ
って、 a)上端を水位上方に位置させた状態で下端が少
なくとも前記軟弱層よりも下方にまで至る長さを有した
前記円形鋼管および前記異形鋼管を、これら円形鋼管お
よび異形鋼管が交互に径方向に連続して水平断面ほぼ円
形の筒体を形成するように前記軟弱層の下方まで打設す
る工程、b)前記円形鋼管の内部を介して該円形鋼管の
下方の地盤を前記支持層まで掘削する工程、c)前記b
工程にて掘削した掘削孔の内部、および前記円形鋼管の
内部に中詰コンクリートを充填する工程、d)前記異形
鋼管の内部を介して該異形鋼管の下方の地盤を前記支持
層まで掘削する工程、e)前記d工程にて掘削した掘削
孔の内部、および前記異形鋼管の内部に中詰コンクリー
トを充填する工程、を備えることを特徴とするものであ
る。
【0014】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明の工程を一部変更したものであって、a)上端を水位
上方に位置させた状態で下端が少なくとも前記軟弱層よ
りも下方にまで至る長さを有した前記円形鋼管および前
記異形鋼管を、これら円形鋼管および異形鋼管が交互に
径方向に連続して水平断面ほぼ円形の筒体を形成するよ
うに前記軟弱層の下方まで打設する工程、b)前記円形
鋼管内に、該円形鋼管の内径よりも外径が小さくかつ最
終的に該円形鋼管下端から前記支持層に至るまでの全長
を有した小径鋼管を挿入するとともに、該小径鋼管を該
小径鋼管の内部を掘削しながらその下端が前記支持層に
至るまで地盤内に埋設する工程、c)前記小径鋼管およ
び前記円形鋼管の内部に中詰コンクリートを充填する工
程、d)前記異形鋼管の内部を介して該異形鋼管の下方
の地盤を前記支持層まで掘削する工程、e)前記d工程
にて掘削した掘削孔の内部および前記異形鋼管の内部に
中詰コンクリートを充填する工程、を備えることを特徴
とするものである。
【0015】請求項3に係る発明は、立坑または構築物
の基礎等を構成するために水域中に構築され、多数の杭
体が該杭体の径方向に連設されることにより全体として
水平断面略円形状に閉環形成され、しかも前記杭体は、
下端が支持層まで達しているとともに、上端から少なく
とも水底面下の軟弱層を越える部分までは外周部を鋼管
または鋼矢板により構成された鋼管杭部とされ、前記杭
体は、隣接したものどうしが互いに径方向に一部重合し
ており、前記杭体の前記鋼管杭部は、連設された杭体の
うち一つ置きに配設された杭体については断面円形の円
形鋼管を備え、他の杭体については隣接する前記円形鋼
管の間を両側から塞ぐことによりそれら円形鋼管間に断
面皷形の空間を形成する断面円弧状の鋼矢板を備えてな
る大口径地下壁体の構築方法であって、a)上端を水位
上方に位置させた状態で下端が少なくとも前記軟弱層よ
りも下方にまで至る長さを有した前記円形鋼管および前
記鋼矢板を、これら円形鋼管および鋼矢板が交互に連続
して水平断面ほぼ円形の筒体を形成するように前記軟弱
層の下方まで打設する工程、b)前記円形鋼管の内部を
介して該円形鋼管の下方の地盤を前記支持層まで掘削す
る工程、c)前記b工程にて掘削した掘削孔の内部、お
よび前記円形鋼管の内部に中詰コンクリートを充填する
工程、d)前記鋼矢板間の間隙を介して前記鋼矢板の下
方の地盤を前記支持層まで掘削する工程、e)前記d工
程にて掘削した掘削孔の内部、および前記鋼矢板間の間
隙に中詰コンクリートを充填する工程、を備えることを
特徴とするものである。
【0016】請求項4に係る発明は、請求項3に係る発
明の工程を一部変更したものであって、a)上端を水位
上方に位置させた状態で下端が少なくとも前記軟弱層よ
りも下方にまで至る長さを有した前記円形鋼管および前
記鋼矢板を、これら円形鋼管および鋼矢板が交互に連続
して水平断面ほぼ円形の筒体を形成するように前記軟弱
層の下方まで打設する工程、b)前記円形鋼管内に、該
円形鋼管の内径よりも外径が小さくかつ最終的に該円形
鋼管下端から前記支持層に至るまでの全長を有した小径
鋼管を挿入するとともに、該小径鋼管を該小径鋼管の内
部を掘削しながらその下端が前記支持層に至るまで地盤
内に埋設する工程、c)前記小径鋼管および前記円形鋼
管の内部に中詰コンクリートを充填する工程、d)前記
鋼矢板間の間隙を介して前記鋼矢板の下方の地盤を前記
支持層まで掘削する工程、e)前記d工程にて掘削した
掘削孔の内部、および前記鋼矢板間の間隙に中詰コンク
リートを充填する工程、を備えることを特徴とするもの
である。
【0017】請求項5に係る発明は、杭用鋼管等の埋設
管を地山内に埋設するための管埋設用掘削装置であっ
て、全体として埋設すべき管の内部に挿入可能な大きさ
に構成されたフレームと、該フレームの掘削方向前方側
に該フレームに支持された掘削部を有して成り、前記フ
レームには、前記管の内壁面の先端部近傍で同先端から
同一寸法の位置に該内壁面の周方向に沿って所定間隔を
置いて複数設けられた係止部に反力を取って該フレーム
を掘削方向前方に押し出す押込みジャッキと、前記係止
部に反力を取って該フレームを前記管の軸周りに回転さ
せる回転ジャッキと、が設けられていることを特徴とす
るものである。
【0018】請求項6に係る発明は、請求項5記載の
埋設用掘削装置において、前記フレームは、前記管の略
半径方向に延びて該管の内面に当接し、互いに突っ張り
合うことにより該装置を支持する少なくとも3基の補助
ジャッキを備えて成るものである。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【作用】 請求項1に係る発明が構築対象としている大口
径地下壁体では、多数の杭体をほぼ円形に連設すること
により構成したので、大水深条件下においても巨大な構
成のものを確実に構築することができる。また、各杭体
における少なくとも軟弱層以上の部分を鋼管杭部とした
から、構築場所を埋立ることなく杭体の構築を直接行え
る。また杭体は隣接したものどうしが互いに径方向に一
部重合しているから高い剛性を確保できるものとなり、
杭体の鋼管杭部は断面円形の円形鋼管とそれら円形鋼管
の間にぴったりと嵌まる断面皷形とされた異形鋼管を備
えてなるものであるから、円形鋼管と異形鋼管とを隙間
なく組み合せるのが容易となる。そして、請求項1 に係
る大口径地下壁体の構築方法では、特に杭体の掘削位置
および掘削進路が正確に定まり、それにより閉環筒状態
を確実に形成することができる。
【0024】請求項2に係る大口径地下壁体の構築方法
では、上部鋼管杭部が円形鋼管によって構成された杭体
に付いては円形鋼管より下部の支持層に至る部分も鋼管
杭構造のものとなる。そのため、特に掘削深度が大深度
である場合でも掘削孔の崩壊等のおそれがなく杭体を確
実に打設することができる。
【0025】請求項3に係る発明が構築対象としている
大口径地下壁体では、多数の杭体をほぼ円形に連設する
ことにより構成したので、大水深条件下においても巨大
な構成のものを確実に構築することができる。また、各
杭体における少なくとも軟弱層以上の部分を鋼管杭部と
したから、構築場所を埋立ることなく杭体の構築を直接
行える。また杭体は隣接したものどうしが互いに径方向
に一部重合しているから高い剛性を確保できるものとな
り、杭体の鋼管杭部は断面円形の円形鋼管とそれら円形
鋼管の間を両側から塞ぐ断面円弧状の鋼矢板を備えてな
るものであるから、鋼管にかかる材料費を削減すること
ができる。 そして、請求項3に係る大口径地下壁体の構
築方法では、鋼管下方の支持層までの掘削における掘削
位置および掘削進路が正確に定まるものとなる。
【0026】請求項4に係る大口径地下壁体の構築方法
では、上部鋼管杭部として円形鋼管を有した杭体の円形
鋼管より下方の部分も鋼管杭構造となる。そのため、掘
削深度が大深度である場合でも掘削孔の崩壊等のおそれ
がない。
【0027】請求項5に係る管埋設用掘削装置では、管
を設置すべく管先端部の地盤を掘削する際、押込みジャ
ッキを作動させて管内面に形成した係止部に反力を取る
ことにより掘削装置自身を前方に掘進させることができ
る。また、回転ジャッキを作動させれば、該管埋設用掘
削装置を係止部から離脱させることができる。
【0028】請求項6に係る管埋設用掘削装置では、補
助ジャッキにより該掘削装置を管内にセットする際に仮
固定することができ、ジャッキのセット等を容易とす
る。また、掘削時の反力支持に用いることもできる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。図1は本発明の構築方法が本発明の管
埋設用掘削装置を適用して構築する大口径地下壁体1の
一例を示す立断面図である。この大口径地下壁体1は、
例えば立坑、あるいは橋脚、建造物のための基礎を構成
し、その主体となるものである。図中符号2は海水、3
は海底面、4は海底面3下の地盤である。また、符号4
aは地盤4の上部の軟弱層、4bはその軟弱層4aの下
方に位置した中間層(粘土,砂層等)、4cは中間層4
bのさらに下方に位置した支持層(土丹,岩盤等)であ
る。また、図2ないし図4はそれぞれ図1におけるH−
H線,I−I線,J−J線に沿った矢視図を示してい
る。なお、図1は、これら図2ないし図4におけるK−
K線に沿った矢視断面を示したものとなっている。
【0030】前記大口径地下壁体1は、多数の杭体5,
5,…が水平方向(自身の径方向)に連設されることに
より全体として水平断面略円形に形成されたものであ
る。前記杭体5について説明すると、これら杭体5は、
少なくとも前記軟弱層4aよりも下方に達した上部鋼管
杭部5aと、該上部鋼管杭部5aから下方に延出され、
その下端が前記支持層4cにまで至る下部延出部5bと
から成る。
【0031】前記上部鋼管杭部5aは、鋼管6とこの鋼
管6の内部に充填されたコンクリート(中詰コンクリー
ト)7とから成る。本実施例において前記鋼管6は、図
2に示すように、断面円形を呈す円形鋼管6Aと、この
円形鋼管6Aとは異なる断面形状を呈す異形鋼管6Bと
が用いられている。前記円形鋼管6Aは、連設された前
記杭体5,5,…のうち一つ置きのものに対して用いら
れ、前記異形鋼管6Bはそれら円形鋼管6Aの間に設け
られている。ここで、前記異形鋼管6Bを介して一つ置
きに配置された円形鋼管6Aは、隣り合うこれら円形鋼
管6Aどうしの離間距離が自身の外径よりも小さく設定
されている。従って、前記異形鋼管6Bは、図2に示す
如く両側の円形鋼管6Aとの隣接部が内側に入り込んだ
皷(つづみ)形状を呈したものとなっている。これによ
り、円形鋼管6Aにより構成された上部鋼管杭部5aと
異形鋼管6Bにより構成された上部鋼管杭部5aとは互
いにいわゆるラップ(重合)した形態となり、これら上
部鋼管杭部5a,5a,…により構成された筒体8は極
めて高い剛性を有する。
【0032】さらに、前記円形鋼管6Aおよび異形鋼管
6Bは、図2に示すように互いの接点部に沿って上下方
向に延在したジョイント9,9,…を備えている。これ
らジョイント9は、隣接する鋼管6(6A,6B)どう
しをつないで筒体8の剛性を高めるとともに、各鋼管6
間の止水性を確保する。従って、これらジョイント9と
しては、充分な強度と止水性を発揮するものであればよ
く、例えば、通常の鋼管杭のジョイントのように、設置
後にジョイント部に硬化充填剤を充填すること等により
その性能が発揮されるものであってもよい。また、その
強度と止水性において、該ジョイント9のみによっては
充分な性能が得られないことが予想される場合には、隣
り合う鋼管6どうしの間隙にモルタル,セメントペース
ト,薬液等の硬化充填剤を注入するようにしてもよい。
その際、その硬化充填剤を注入するための配管を鋼管6
の設置時に予め配設しておくことも可能である。
【0033】杭体5の前記下部延出部5bは、前記上部
鋼管杭部5aの下端からこの上部鋼管杭部5aに連続し
て延びている。すなわち、これら下部延出部5bは、前
記上部鋼管杭部5aを構成した前記コンクリート7が下
方に延出した形態のものである。これら下部延出部5b
は、図1および図4に示す如く上部鋼管杭部5aよりは
若干小径のものとなっているが、前記上部鋼管杭部5a
と同様、隣接する杭体5においてこれら下部延出部5b
は互いに径方向にラップ(重合)した構造となってい
る。また、図4に示すように、いくつかの杭体5(この
場合、一つ置きのもの)は、該下部延出部5bにおいて
もその外周に鋼管、すなわち前記鋼管6よりは小径とな
る小径鋼管10を備えている。これら小径鋼管10は、
前記上部鋼管杭部5aが前記円形鋼管6Aにより構成さ
れた杭体5のみが備えたものとなっている。これら小径
鋼管10を備えない下部延出部5bはコンクリート7の
みから成り、前記異形鋼管6B同様、隣接する杭体5の
下部延出部5bが両側から内部に入り込み、皷形状を呈
している。また、前記小径鋼管10は、図1に示すよう
に、その上端は前記上部鋼管杭部5aの円形鋼管6Aの
下端部に所定長入り込んでラップしている。
【0034】次に、上記構成となる大口径地下壁体1の
構築方法の一実施例について図5ないし図30を参照し
て説明する。 1.上部鋼管杭部5aを構成する鋼管6の設置 まず、図5に示すように各杭体5,5,…の前記上部鋼
管杭部5aを構成する前記鋼管6,6,…を設置する。
各鋼管6は、図6に示すようにその下端が少なくとも前
記軟弱層4aよりも下の層(この場合中間層4b)にま
で達するようにする。また、各鋼管6の上端部は、通常
の波や潮位変動がある場合でも常に水位上方に位置する
ようにする(図6)。これら鋼管6はバイブロハンマー
等を用いて設置することが可能である。
【0035】これら鋼管6の設置は、円形鋼管6Aと異
形鋼管6Bとを順次行うことを標準とするが、円形鋼管
6Aのみを先行設置し、後から異形鋼管6Bをそれら円
形鋼管6Aの間に設置するようにしてもよい。また、同
時に複数箇所から施工を開始してもよい。何れの場合
も、隣接する各鋼管6どうし間の間隙は極力小さくする
ことが望ましい。必要に応じ、各鋼管6間の前記ジョイ
ント9には硬化充填剤を注入する。
【0036】2.小径鋼管10の設置 2-1 概略 上記の如く鋼管6,6,…が設置されたら、図7に示す
ようにそれら鋼管6のうち前記円形鋼管6Aのみに対し
て前記小径鋼管10の部分長を有する分管10aを挿入
する。図示例のものでは、該分管10aは円形鋼管6A
と略同じ長さのものとしている。1本目の分管10aを
円形鋼管6A内に挿入したら、図8の如く、その分管1
0aの上端に次の分管10aの下端を溶接またはボルト
結合等により接続する。
【0037】次に、図8に示すように前記分管10aの
内部に掘削機30を挿入し、1本目の分管10aの下端
部より地盤4(中間層4b)を掘削しながら分管10a
を地盤4内に沈めて行く。下方への掘削を進めていくと
ともに分管10aを同図8に示した如く順次継ぎ足して
いく。この場合の掘削および分管10aの設置は、設置
深度が浅い場合にはバケットによる掘削方法(オールケ
ーシング工法)によっても可能であるが、掘削深度が大
きい場合には分管10aの内部に泥水11を入れ、常に
地山の地下水圧よりも高い圧力を掘削面に与えた状態で
掘削を行う。この場合の掘削機30としては、例えばリ
バース杭工法に用いる掘削機等を用いて行うことができ
るが、特に大深度である場合には、本発明者等がこの度
発明した管埋設用掘削装置30Aを用いることが望まし
い。
【0038】2-2 管埋設用掘削装置30Aの説明 以下に、前記管埋設用掘削装置30Aについて、図10
ないし図16を参照して説明する。図10は一実施例に
よる管埋設用掘削装置30Aを下部延出部用鋼管10の
前記分管10aと共に示す立断面図、図11は図10に
おけるL−L線に沿う矢視図である。
【0039】この管埋設用掘削装置30Aは、該装置3
0Aの骨格を成すフレーム31の下部に掘削部32が構
成されて成る。前記フレーム31はこの場合、図11に
も示すとおり、その断面が前記小径鋼管10の内径より
も小径の円形を呈するものとなっている。このフレーム
31についてさらに説明すれば、このフレーム31は、
同軸的に配置された上リング33,中リング34,下リ
ング35と、これら各リング33,34,35をそれぞ
れつなぐ複数本のつなぎ材36,36,…およびつなぎ
材37,37,…を主体に構成されている。
【0040】このフレーム31の前記上リング33の中
心部にはサポート鋼管40の下端が接続されている。こ
のサポート鋼管40の上端は水面上にまで延び、水面上
に設置された上部支持機構70(後述)によって支持さ
れている。また、図11に示すようにこの上リング33
からは半径方向に4本の水平材41,41,…が水平方
向に十字状に延びている。これら水平材41は、それぞ
れの先端が前記小径鋼管10の内面に近接する程度の長
さを有している。
【0041】一方、前記小径鋼管10の前記分管10a
の下端近傍内面には、その周方向に沿って等間隔で係止
ブロック(係止部)42,42,…が4箇所に突設され
ている。図10に示すようにこれら各係止ブロック42
の一側面には、前記フレーム31が前記小径鋼管10の
軸周りに回転したときに前記水平材41に当接してその
回転を規制するための板状のストッパ部材43が下方に
向けて突設されている。また、各水平材41の先端部上
面には、押込みジャッキ44がその伸縮ロッド44aを
上方に向けて垂直に設けられている。
【0042】さらに、前記上リング33の上面には、図
11に示すように4本の回転ジャッキ45が、その軸方
向が上リング33の接線方向と一致する如く、かつその
伸縮ロッド45aを上リング33の外方に向け、4箇所
に等間隔で設けられている。ここで、前記係止ブロック
42は図11に示すとおりその突出端近傍に、突出方向
に対して若干斜め方向にずれた方向を向いた受圧面42
aを形成している。そして、前記回転ジャッキ45は、
前記各水平材41が前記係止ブロック42にそれぞれ対
応している状態にあってその伸縮ロッド45aを伸張す
ると該伸縮ロッド45a先端が前記受圧面42aを押圧
する構成となっている。
【0043】前記フレーム31の前記中リング34の中
心部には、前記掘削部32の主体を成す掘削アーム48
が首振り自在に取り付けられている。この掘削アーム4
8は外筒49と、この外筒49の内部に外筒49と同軸
的に設けられた内筒50とを有して構成されている。前
記内筒50は下端部に掘削ヘッド51を有し、かつ自身
の軸周りに回動自在に構成されている。一方、前記外筒
49は図10に示す如く中リング34との取付け部にお
いて球形膨出部52を形成している。中リング34中心
部には、この球形膨出部52をその球面に沿って摺動自
在に支持するベアリング部53が構成されている。上記
構成により、前記掘削アーム48は前記球形膨出部52
を中心に首振り自在なものとなっている。
【0044】上記掘削アーム48の駆動機構は下記の如
き構成である。前記外筒49の上端には図12および図
13に示す如く円形鍔状に張り出した外筒頂部プレート
49aが設けられている。一方、前記内筒50の上端は
前記外筒頂部プレート49aよりも若干上方に突出して
おり、外筒頂部プレート49aと同様に外方に鍔状に張
り出している。ただし、その張り出しは外筒頂部プレー
ト49aほど大きくはなくその外周部にはギヤ53が形
成されている。さらに、前記外筒頂部プレート49aに
は油圧モーター54,54が設けられており、それら油
圧モーターによって駆動されるピニオン55,55(図
13)が前記ギヤ53と噛合している。ここで、前記油
圧モーター54およびピニオン55は1組のみであって
もよい。上記構成に基づき、前記油圧モーター54の駆
動により、前記ピニオン55を介して内筒50が自身の
軸周りに回動し、それによって掘削ヘッド51が回転す
るようになっている。
【0045】また、図12および図14は掘削アーム4
8の揺動(首振り)機構および移動機構を示している。
これらの図に示すように、前記掘削アーム48の外筒4
9には、対向して配置された2本の油圧シリンダー5
6,57の伸縮ロッド56a,57aがそれぞれ接合さ
れている。すなわち、これら2本の油圧シリンダー5
6,57のうち一方の伸縮ロッド56a(57a)を伸
張させ、他方の伸縮ロッド57a(56a)を退縮させ
ることにより、掘削アーム48は前記球形膨出部52を
中心として一方向(左右)に揺動する。
【0046】前記油圧シリンダー56,57は、図14
に示す如く、前記フレーム31の下リング35上に設け
られた四角枠型の前後移動架台58に取付けられてい
る。前記下リング35内には図14に示すように2本の
レール枕材59,59が並行して設けられており、これ
らレール枕材59,59の上面にそれぞれレール60,
60が敷設してある。前記前後移動架台58の下面には
前記レール60,60に係合してその上を転動する車輪
61(図12)が左右2個ずつ設けられている。この構
成により前後移動架台58は前記レール60に沿って前
後方向に移動可能である。なお、ここで、レール60の
延在方向は前記油圧シリンダー56,57に対して直角
である。また、前記前後移動架台58は、該架台58と
下リング35との間に両側2本ずつ架設された油圧シリ
ンダー62,62,…(図14)によって移動される。
【0047】また、本実施例による管埋設用掘削装置3
0Aは、図10に示す如くフレーム31の中リング34
に、該中リング34から半径方向外方に突出する伸縮ア
ーム63aを有した補助ジャッキ63を4本備えてい
る。これら各補助ジャッキ63はこの場合、90°間隔
で(平面視状態で前記各水平材41に対応した位置に)
設置されている。
【0048】また、前記掘削アーム48の近傍には図1
0に示す如く土砂輸送ライン64が設けられている。こ
の土砂輸送パイプ64は掘削アーム48によって掘削土
砂を泥水と共に水上部まで引き上げるためのものであ
る。
【0049】図15は、前記管埋設用掘削装置30Aを
支持し、かつ挿入すべき小径鋼管10を押し込むため、
小径鋼管10の上端部に設置された上部支持機構70を
示している。この上部支持機構70において符号71は
押込み力伝達材で、小径鋼管10の上端に載置状態とさ
れている。この押込み力伝達材71の外方端部には例え
ばPC鋼材等からなる引張部材72,72,…の上端部
が定着されている。これら引張部材72の下端は、この
場合、既に設置された前記鋼管6の上部に固定されてい
る。また、これら各引張部材72には該引張部材を緊張
するためのジャッキ(この場合PCジャッキ)73が設
けられている。
【0050】前記押込み力伝達材71の上部には、前記
管埋設用掘削装置30Aに至る前記サポート鋼管40を
把持しかつ押し込むためのサポート鋼管支持機構74が
設けられている。このサポート鋼管支持機構74は、左
右からサポート鋼管40を挟む一対の把持板75a,7
5bおよび把持板76a,76bを上下二段に有してい
る。対を成す一方(上方)の把持板75a,75b間に
は2本の押えジャッキ77,77が設けられている。す
なわち、これら押えジャッキ77,77(図16)の操
作により対を成す把持板75a,75bがサポート鋼管
40の把持・解除を行う。同じく対を成す他方(下方)
の把持板76a,76b間にも2本の押えジャッキ7
8,78が設けられている。また、前記上方の把持板7
5a,75bと下方の把持板76a,76bとの間には
図15および図16に示す如く4本の上下ジャッキ7
9,79,…が設けられている。すなわち、これら上下
ジャッキ79を一斉に操作することにより、上方の把持
板75a,75bを平行に上下移動させることができ
る。
【0051】なお、図15中において符号65で示すも
のは、泥水注入用ラインである。この泥水注入用ライン
65および前記土砂輸送ライン64は、例えば海上に設
置あるいは停留された船舶に設けられた土砂分離プラン
ト(図示せず)に接続されている。
【0052】2-3 管埋設用掘削装置30Aの取付け 前記管埋設用掘削装置30Aの前記分管10aへの取付
けは下記の如く行う。この場合、前記分管10aの内面
先端部近傍には、先に説明したように係止ブロック42
が設けられている。前記掘削装置30Aを前記上部支持
機構70により前記サポート鋼管40を介して前記分管
10a内に吊り降ろす。この際、該掘削装置30Aの備
える各ジャッキ、すなわち前記押込みジャッキ44、回
転ジャッキ、および補助ジャッキ63は全て退縮させた
状態としておく。
【0053】管埋設用掘削装置30Aを小径鋼管10内
下方に降ろすには前記サポート鋼管支持機構74を用い
る。つまり、まず前記下方の把持板76a,76bのみ
でサポート鋼管40を把持する。そのためには前記2本
の押えジャッキ78,78を退縮させればよい。上方の
把持板75a,75bは前記押えジャッキ77,77を
伸張させることにより開放しておき、その状態で前記4
本の上下ジャッキ79を一斉に伸張させ、これにより上
方の把持板75a,75bを上方に移動させる。次い
で、今度は、上方の把持板75a,75bによってサポ
ート鋼管40を把持するとともに下方の把持板76a,
76bによる把持を解き、上方の把持板75a,75b
のみでサポート鋼管40を把持した状態とする。この状
態で上下ジャッキ79を一斉に退縮させればそのストロ
ーク分だけサポート鋼管40が下方に送られ、管埋設用
掘削装置30Aを下方に移動させることができる。以降
は、上記動作を繰り返すことにより管埋設用掘削装置3
0Aを順次下方に送り込んでいく。サポート鋼管40
は、前記サポート鋼管支持機構74の上方で順次継ぎ足
していく。管埋設用掘削装置30Aを引き上げるには、
上記と逆の操作によればよい。
【0054】前記管埋設用掘削装置30Aは、その上リ
ング33に設けられた前記4本の水平材41が前記係止
ブロック42に当たらないようそれら係止ブロック42
よりも若干下方まで吊り降ろす。次いで、管埋設用掘削
装置30Aをサポート鋼管40の軸周り方向に回転させ
ると各水平材41が係止ブロック42のストッパ部材4
3に当接して、各水平材41の先端部が各係止ブロック
42の下方に位置した状態となる。この状態となったな
らば前記各補助ジャッキ63の伸縮アーム63aを伸張
して分管10aの内面に押し当てることにより該掘削装
置30Aを支持する。そして、各押込みジャッキ44を
各係止ブロック42に当接するまで伸張させる。この状
態で、管埋設用掘削装置30Aの分管10a内へのセッ
トが完了する。この状態においては、図10に示すよう
に掘削アーム48先端部の掘削ビット51が分管10a
の下端よりも下方に突出するようになっている。なお、
この管埋設用掘削装置30Aの分管10a内へのセット
は、分管10aを前記円形鋼管6A内に挿入する以前に
その分管10a内に予めセットしておいてもよい。
【0055】2-4 地盤掘削およびそれに伴う小径鋼管
10の挿入 上記状態において前記掘削アーム48を作動させること
により前記分管10aの下端部の地山を掘削する。掘削
アーム48は、前記油圧モーター54,54を作動させ
ることにより内筒50を介して掘削ビット51を回転さ
せる。それとともに、外筒49に取付けられた前記油圧
シリンダー56,57のそれぞれの伸縮ロッド56a,
57aを交互に伸縮を繰り返すことによって該掘削アー
ム48を球形膨出部52を中心として左右に振り動か
す。さらに、前記前後移動架台58(図14)を前記油
圧シリンダー62,62,…の伸縮を繰り返すことによ
り前記レール60上を前後に移動させる。これにより、
掘削アーム48の掘削ビット51は小径鋼管10(分管
10a)の全断面を掘削することができる。掘削土砂は
前記土砂輸送ライン64を通して泥水11と共に海上に
設置した土砂分離プラントに送り、そこで土砂分離した
後泥水11は前記泥水注入用ライン65(図15)を通
して掘削孔(小径鋼管10)内に還流させる。
【0056】上記の掘削操作に伴い小径鋼管10を図9
に示す如く地盤4内に押し込んでいく。小径鋼管10を
押し込むには、前記PCジャッキ73(図15)により
前記引張部材72,72,…を緊張し、それにより前記
押込力伝達材71を下方に押圧する。これにより、小径
鋼管10は下方に圧入される。この時、前記サポート鋼
管支持機構74によってサポート鋼管40を把持してお
けば、管埋設用掘削装置30Aも小径鋼管10と共に下
方に押し付けられることになる。通常は、このように、
小径鋼管10および管埋設用掘削装置30Aを同時に押
し込むこと、すなわち地盤掘削と小径鋼管10の圧入と
を同時に行うことができる。
【0057】一方、掘削する地盤4が特に硬いような場
合には、管埋設用掘削装置30Aのみを下方に押し付け
ることが可能である。その場合には、フレーム31の上
リング33に設けられた4本の水平材41の先端部にそ
れぞれ設けられた前記押込みジャッキ44(図10)を
一斉に伸張させる。これにより、押込みジャッキ44は
前記係止ブロック42に反力を取って下方に推進するこ
とができる。また、上記手段とは別の手段として前記サ
ポート鋼管支持機構74を用い、サポート鋼管40を押
し込むことによっても管埋設用掘削装置30Aを下方に
押し込むことが可能である。さらに、上記双方の手段を
共に用いればより強力な押込み力が得られる。なお、こ
のように管埋設用掘削装置30Aのみを押し下げる場合
には前記補助ジャッキ63,63,…を全て退縮させて
分管10aに対する固定を解く必要がある。
【0058】以上のようにして、図17〜図19に示す
如く小径鋼管10の下端部の地盤4を掘削しながら小径
鋼管10を支持層4c内部まで挿入していく。上記した
ように、小径鋼管10は分管10a,10a,…を順次
継ぎ足していくことにより所定長さとする。図19にお
いて符号12で示すものはスペーサー鋼管で、最後の分
管10aを押し込むのに使用する。このスペーサー鋼管
12は後で撤去するため、小径鋼管10との接続部12
aは例えばソケット式に差し込む程度としておき、溶
接、ボルト止め等による一体化はしない。
【0059】3.コンクリート7の充填 上記の如く、円形鋼管6Aの下部に小径鋼管10が予定
深度まで設置されたならば、掘削底面の床ざらいを行
い、掘削底面に溜まった土砂を撤去する。その後、管埋
設用掘削装置30Aを引き上げ、前記スペーサー鋼管1
2を撤去する(図20)。
【0060】管埋設用掘削装置30Aを引き上げるため
には、まずフレーム31の水平材41を係止ブロック4
2に対する係合状態から解除する。それには、まず図2
2に示すように前記各回転ジャッキ45の伸縮ロッド4
5aを一斉に伸張する。これにより各伸縮ロッド45a
が前記各係止ブロック42の前記受圧面42aを押圧
し、図23に示す如くその反力でフレーム31すなわち
該掘削装置30Aが回転し、水平材41が係止ブロック
42から離れる。この後、サポート鋼管40を介して上
方に引き上げればよい。
【0061】その後、前記小径鋼管10内にトレミー管
(図示せず)を設置して、図21に示す如く小径鋼管1
0内および円形鋼管6A内にコンクリート7を打設す
る。図24は上記までの施工が完了した上部鋼管杭部5
aの断面の一部を、また、図25は同じく下部延出部5
bの断面の一部を示している。なお、図示は省略してあ
るが、必要に応じ円形鋼管6Aおよび小径鋼管10の内
部には鉄筋を設けてもよい。
【0062】4.小径鋼管10,10間の地盤の掘削 以上までの施工が完了したら次に、前記異形鋼管6Bの
下部、すなわち、設置された前記各小径鋼管10,1
0,…の間の地盤4を掘削する。図27および図28は
それぞれその施工状況を示す平面断面図および縦断面図
である。この図27および図28において符号90はこ
の掘削を実施するための第2の掘削装置である。この第
2の掘削装置90について簡単に説明する。
【0063】前記第2の掘削装置90は、前記管埋設用
掘削装置30A同様、サポート鋼管40′を介して前記
上部支持機構70から懸吊支持される。符号91はこの
第2の掘削装置90のフレームで、該フレーム91に、
先端に掘削ビット92を有した掘削アーム93の基端部
が取り付けられている。該掘削アーム93は図示しない
駆動機構により駆動され、図27に示すように前記小径
鋼管10,10間の地盤4をフレーム91を中心とした
円形断面に掘削可能である。また、前記フレーム91に
は、図27に示すように、水平方向に延在し両端にそれ
ぞれ車輪94を備えたジャッキ95,95が、フレーム
91の中心点を挟んだ両側に所定間隔を隔てて並行して
設けられている。また、同じくフレーム91からは、前
記ジャッキ95と直交する方向に、また、共に先端を外
方に向けられた2本のジャッキ96,96が設けられて
いる。これらジャッキ96,96の先端部にはそれぞれ
押圧板97が取り付けられている。符号98は土砂輸送
ラインである。
【0064】前記第2の掘削装置90により前記各小径
鋼管10,10間の地盤4を掘削していく。この第2の
掘削装置90は前記異形鋼管6Bの内部に挿入し、その
底部から掘削していく。この掘削も内部に泥水11を満
たして行う。この第2の掘削装置90によって掘削する
部分の両側には既に前記小径鋼管10,10が存在して
いる。従って、図27に示すように、前記4個の車輪9
4がそれら両側の小径鋼管10,10の外壁に当接する
ようにする。また、掘削中は、前記ジャッキ96,96
を伸張させて前記押圧板97,97を掘削壁面に押し当
て、該第2の掘削装置90を支持する。この第2の掘削
装置90の下方への押込みは、サポート鋼管40′を上
部支持機構70のサポート鋼管支持機構74によって行
う。あるいは、該第2の掘削装置90の自重を大きくし
てそれにより掘進するようにしてもよい。
【0065】なお、上記の掘削において小径鋼管10の
外壁部分の土砂をきれいに落とす必要がある。通常は、
掘削ビット92の斫り作用あるいは振動等により削り落
とされると考えられるが、充分でないときには前記第2
の掘削装置90に、それら小径鋼管10に当接するスク
レパーやブラシなどを取り付けてもよい。
【0066】5.コンクリート充填 上記の如く、各小径鋼管10,10,…の間の地盤が予
定深度まで設置されたならば、掘削底面の床ざらいを行
い、掘削底面に溜まった土砂を撤去する。その後、その
掘削孔13内にトレミー管を設置してその掘削孔13内
および異形鋼管6B内にコンクリート7を打設する。図
26は前記掘削孔13内へのコンクリート7の充填が完
了した下部延出部5bの断面(図1のJ−J断面)の一
部を示している。また、必要に応じ円形鋼管6Aおよび
小径鋼管10の内部には鉄筋を設けてもよい。以上で、
図1ないし図4に示した如き大口径地下壁体1の構築が
完了する。
【0067】その後は、図29の如くこの大口径地下壁
体1の内部の地盤4を所定深度まで掘削し、その内部
に、例えば地中連続壁により上記の如き壁体を構築した
場合と同様に所要の補強構造を構築することなどにより
該大口径地下壁体1を例えば橋脚基礎として機能させる
ことができる。なお、この大口径地下壁体1を立坑とし
て用いる場合には、この図29の如く該大口径地下壁体
1の内部を単に掘削すればよい。この大口径地下壁体1
の内部の掘削は、該地下壁体を地中連続壁により構築し
た場合と同様に周知の掘削手段によって行えばよい。
【0068】図30は前記大口径地下壁体1を例えば橋
脚基礎として機能させる場合の該地下壁体1の内部構造
の一例を示したものである。この例のものでは、前記大
口径地下壁体1の内部の地盤4を所定の深度まで掘削し
た後、その掘削面15からさらに増し杭16,16,…
を地盤4内に打設し、それら増し杭16の上部に頂版コ
ンクリート17を設けた構成となっている。なお、ここ
で、前記増し杭16は前記杭体5の下部延出部5bを構
成した前記小径鋼管10と同様の増し杭用鋼管18とこ
の増し杭用鋼管18の内部に充填されたコンクリート7
とから構成されている。かかる構成とした場合、前記頂
版コンクリート17と地下壁体1とは、前記杭体5を構
成する前記鋼管6に接続用金物を溶接等により取り付け
ることによって簡単に一体化できる。また、この図30
においては頂版コンクリート17が地下壁体1の上部の
方に位置したものとなっているが、該頂版コンクリート
17を図示例のものよりも深い位置に構築してもよい。
【0069】このように上記の大口径地下壁体1は、多
数の杭体5,5,…が連設されて筒状に閉環形成された
ものである。このように、地下壁体1を杭体5により構
成するようにしたので、大水深条件下においても極めて
大型のものとすることができ、例えば前記鋼管6を直径
数メートルのものとした場合には、この大口径地下壁体
1は100mオーダーの直径を有したものとすることが
できる。特に、大口径地下壁体1を構成する各杭体5は
隣接するものどうしを円形鋼管6Aと異形鋼管6Bとに
より互いに構造的にオーバーラップするものとしたので
極めて剛性の高い安定した構造を実現できる。また、各
杭体5は、少なくとも水中部分と水底面下の軟弱層4a
までの部分を上部鋼管杭部5aとし、この上部鋼管杭部
5aの下方の下部延出部5bを支持層4cにまで至るも
のとした。このように、少なくとも水中部分を鋼管杭構
造とすることにより杭体5の水中への打設を容易かつ確
実に行うことができる。
【0070】また、前記大口径地下壁体1は、地中連続
壁工法の如く施工箇所を埋立てて人工島を造成すること
なく構築することができる。そのため、短工期・低工費
を実現するのは勿論、海峡や河川を余分に占有すること
がなく、航路の妨害等を極力防止することができる。さ
らに、ケーソン工法の如く掘削部に作業員が入るような
ことがないから、高い安全性を有することは言うまでも
ない。
【0071】また、上記構築方法によれば、各杭体5の
上部鋼管杭部5aを先行施工することにより閉環体であ
る筒体8を予め構築するようにしたので、以降、各杭体
5の下部延出部5bをこの筒体8の剛性を利用して容易
に施工することが可能である。しかも、上記実施例にお
いては、上部鋼管杭部5aとして円形鋼管6Aを有する
杭体5についてはその下部延出部5bについても小径鋼
管10を有する構造のものとした。これにより、円形鋼
管6Aを有した上部鋼管杭部5aの下部延出部5bを正
規位置に容易に構築することができる。また、各杭体5
の下部延出部5bを構成するための地盤4の掘削は掘削
孔13内に泥水11を満たしながら行うものとしたの
で、泥水11により常に地盤4の地下水圧よりも高い圧
力を掘削面に与えることができ、地盤4を弛めたり崩壊
させるおそれがない。
【0072】また、前記管埋設用掘削装置30Aは、前
記小径鋼管10を設置すべく該小径鋼管10の下端部の
地盤4を掘削する際、押込みジャッキ44を作動させる
ことにより掘削装置30A自身を確実に下方に掘進させ
ることができる。従って、地盤4が硬い場合でも確実か
つ効率的な掘削を実現する。
【0073】次に、図31および図32は本発明に係る
大口径地下壁体1の構築方法の第二実施例を示すもので
ある。ここで、図31は図32のN−N線に沿った、ま
た図32は図31のM−M線に沿った矢視図である。本
実施例は図31に示すように、上記大口径地下壁体1に
おいて円形鋼管6Aを有した杭体5,5,…のうち何本
かの杭体5′について、その杭体5′の全長について予
め先行構築するものである。本実施例においては、等間
隔位置にある6本の杭体5′,5′,…について先行構
築するものとしている。また、これら6本の杭体5′
は、上端から軟弱層4a下方までの部分は円形鋼管6を
有し、その下方の支持層4cに至るまでの部分は小径鋼
管10を有したものとなっている。
【0074】前記6本の杭体5′は、まず、所定位置に
各杭体5′の円形鋼管6A,6A,…を立設した後、先
の図7〜図9および図17〜図21に示したものと同じ
要領で小径鋼管10を各円形鋼管6Aの下方に支持層4
cまで埋設し、その後それら各延径鋼管10および円形
鋼管6Aの内部にコンクリート7を充填して構築する。
【0075】以上のように所定の杭体5′,5′,…が
先行構築されたならば、図33に示すように、それら先
行構築された杭体5′の円形鋼管6Aの間に、各杭体
5′を円形につなぐように残りの円形鋼管6A,6A,
…および異形鋼管6B,6B,…を連設する。
【0076】その後は、それら後から設置した各円形鋼
管6Aの下方に小径鋼管10を掘削しながら埋設し、そ
の後それら小径鋼管10および円形鋼管6Aの内部にコ
ンクリートを充填する。以降は、上記実施例において先
に図26ないし図28を用いて説明したものと同要領に
て異形鋼管6Bを有した杭体5を完成させ、それによっ
て大口径地下壁体1を完成させればよい。
【0077】大口径地下壁体1の構築を上記方法による
ときには、先行構築した6本の杭体5′は支持層4cま
で達したものであるので、図33に示したようにこれら
杭体5′の間に残りの杭体のための円形鋼管6Aおよび
異形鋼管6Bを設置して筒体8を構成したときに、これ
ら杭体5′,5′,…がその筒体8のアンカーとして作
用するものとなる。したがって、この大口径地下壁体1
を構築する場所の水流等による外力が大きく、先の実施
例の如く筒体8を完成させてから下部の施工をしたので
は上部の筒体8が損傷あるいは破壊の恐れがあるような
場合に適用して有効である。
【0078】なお、上記実施例において、先行構築する
杭体5′の構成は円形鋼管6Aと小径鋼管10とを有し
て成るものとしたが、該杭体5′の全長にわたり同一形
の鋼管、すなわち円形鋼管6Aで構成したものとしても
よい。この場合の円形鋼管6Aの支持層4cまでの埋設
は、例えば前記管埋設用掘削装置30Aを用いて確実か
つ効率的に行うことができる。この場合、円形鋼管6A
の先端部近傍に、その管埋設用掘削装置30を係止させ
るための前記係止プロック42,42,…を形成してお
けばよい。また、先行構築する杭体5′の本数は上記例
に限らないことは言うまでもない。
【0079】次に、図34は大口径地下壁体の他の例を
示すもので、その大口径地下壁体の上部の水平断面図で
ある。この図において先の大口径地下壁体1と同じ構成
要素には同一符号を付してある。
【0080】本例に係る大口径地下壁体1′は、各杭体
5の上部の鋼管杭部5aが、杭体5の一つ置きのものに
ついては円形鋼管6Aを有して構成されている点は先の
に係る大口径地下壁体1(図2)と同様であるが、そ
れら円形鋼管6Aを有して構成された杭体5の間に構築
された杭体5の鋼管杭部5aが鋼矢板19,19を有し
て構成されている点で上記の大口径地下壁体1とは異な
っている。
【0081】前記鋼矢板19は断面円弧状のもので、両
側端には前記円形鋼管6Aの備える各ジョイント9と連
結できるジョイント9,9を備えている。
【0082】上記大口径地下壁体1′の構築は、前記異
形鋼管6Bに替えて前記鋼矢板19を設置する以外は前
記大口径地下壁体1の構築方法と同じである。鋼矢板1
9は、その鋼矢板19を取り付けるべき両側の円形鋼管
6A,6Aを設置した後に、それら両円形鋼管6A,6
A間に前記ジョイント9を介して組み込めばよい。
【0083】図35および図36は前記鋼矢板19の別
の構成例である。この鋼矢板19′は、断面円弧状の矢
板本体20の背面に横リブ21a,21a,…および縦
リブ21b,21b,…を有した構成となっている。こ
こで、前記横リブ21aはその内縁部を矢板本体20の
外面に溶接されているとともに、両端部はジョイント
9,9にそれぞれ溶接されこれらジョイント9と一体化
されている。また、前記縦リブ21bは内縁部を同じく
矢板本体20の外面に、また両端を前記横リブ21aに
溶接されている。
【0084】上記鋼矢板19′は高い剛性を有し、図3
4に示す筒体8を構成する鋼矢板として上記鋼矢板1
9′を用いることにより筒体8の剛性を大きく高めるこ
とができる。
【0085】次に、図37は大口径地下壁体のさらに他
の構成例を示した縦断面図ある。既に説明した実施例の
ものと同じ構成要素には同一符号を付してその説明を省
略する。本例は、上部鋼管杭部5aに円形鋼管6Aを有
する杭体5の下部延出部5bを小径鋼管10を用いずに
構築したものである。
【0086】この杭体5を構築するには、円形鋼管6A
を設置した後、その円形鋼管6Aの内部に例えば前記第
2の掘削装置90を挿入して中間層4bおよび支持層4
cを掘削し、その後その掘削孔14および円形鋼管6A
内にコンクリート7を充填すればよい。ただし、下部延
出部5bの構築は、円形鋼管6Aの設置後それに連続し
て直ちに実施(その場合は、該杭体が先行構築されるも
のとなる)してもよいし、あるいは筒体8を完成させた
後に実施してもよい。
【0087】図38は、本発明に係る管埋設用掘削装置
の第二実施例を示している。この管埋設用掘削装置30
Bは、先の管埋設用掘削装置30Aと同様、フレーム3
1の下部に掘削部32を備えて成るものであるが、フレ
ーム31および掘削部32の構成が前記管埋設用掘削装
置30Aとは異なっている。
【0088】この管埋設用掘削装置30Bのフレーム3
1′は、概略的には、前記管埋設用掘削装置30Aの前
記フレーム31における前記上リング33のみを有した
形態となっている。また、このフレーム31′に構成さ
れた各駆動装置等も前記管埋設用掘削装置30Aの前記
上リング33に構成されたものと同様となっている。な
お、前記管埋設用掘削装置30Aと同じ構成要素には同
一符号を付してある。また、このフレーム31′もサポ
ート鋼管40を介して上方から懸吊支持されたものとな
っている。
【0089】前記フレーム31′の下部には、駆動部8
0を介して掘削ビット81が設けられている。この掘削
ビット81は図39に示すように水平方向に十字形に配
設された4本のシャフト82に設けられており、それら
4本のシャフト82が鉛直軸回りおよびそれら各シャフ
ト82自身の軸回りに回転する構成となっている。ま
た、これら4本のシャフト82は、通常は図39に示す
ように小径鋼管10の内径より僅かに短く設定されたも
のとなっているが、そのうち対向位置にある2本のシャ
フト82′,82′は図39に示す如く伸縮ロッド8
4,84により伸縮自在となっており、伸張したときに
はその先端部82a,82aが小径鋼管10の外径より
も外方に突出できる構成となっている。
【0090】また、この掘削装置30Bにおける土砂輸
送ライン64は、図38に示すように、前記サポート鋼
管40の内部を通して配設され、掘削部32の上方で複
数の管路に分岐され、前記シャフト82に沿った位置に
複数開口したものとなっている。そして、それら開口部
は中心部からの距離を各々変化させ、掘削面の全域から
土砂を取り込むようになっている。符号83はスイベル
ジョイントである。
【0091】また、この管埋設用掘削装置30Bも前記
管埋設用掘削層30A同様4本の補助ジャッキ63を備
えた構成となっており、この場合、これら補助ジャッキ
63は前記駆動部80の外周部に設けられている。
【0092】前記管埋設用掘削装置30Bの使用要領は
上述した掘削装置30Aとほぼ同じである。この管埋設
用掘削装置30Bによれば、いわゆるシールド掘進機の
カッターと同様に掘削面を一様に掘削するため、上記掘
削装置30Aよりもさらに掘削にかかる時間を大幅に短
縮することができる。シャフト82の回転による反力
は、水平材41を介して前記係止ブロック42のストッ
パ部材43により、および前記補助ジャッキ64を作動
させて鋼管内面に押圧させることにより支持することが
できる。
【0093】また、シャフト82′,82′の先端部8
2a,82aを突出させることにより小径鋼管10の下
方を小径鋼管10の外径よりも大きく予掘りすることが
できる。これにより、鋼管の周辺摩擦力を大幅に低減で
き、小径鋼管10の沈設を容易にできる。その際、先端
部82a,82aを伸張させた状態ではシャフト8
2′,82′に掘削ビット81が存在しない部分が生ず
るが、その部分については固定された他方のシャフト8
2,82の掘削ビット81が掘削するため掘り残しはな
い。
【0094】図40および図41は、先に述べた管埋設
用掘削装置30A別の構成を示したものである。先の管
埋設用掘削装置30Aと同一構成要素には同一符号を付
してある。この例では、管埋設用掘削装置30A′をワ
イヤーロープ85により上方より懸吊支持するようにし
てある。すなわち、この管埋設用掘削装置30A′は、
フレーム31の上リング33の上部に複数の滑車86,
86,…が設けられており、これら滑車86に前記ワイ
ヤーロープ85,85,…が掛け渡されている。各ワイ
ヤーロープ85は、この場合図示は省略するが、前記上
部支持機構70(図15)の如き支持体に設けられた巻
き上げ装置に卷回されており、その巻き上げ装置を操作
することによってこの管埋設用掘削装置30A′の吊り
降ろし、吊り上げを行うようになっている。また、この
場合、該掘削装置30A′の下方への推進は、専ら前記
押込みジャッキ44,44,…による押し込み、および
該掘削装置30A自身の重量によるものとなる。前記管
埋設用掘削装置30Aはこのようにワイヤーロープによ
り懸吊支持するようにしてもよい。
【0095】図42および図43は、前記管埋設用掘削
装置30Bの別の構成を示したものである。先の管埋設
用掘削装置30Bと同一構成要素には同一符号を付して
ある。この場合も、管埋設用掘削装置30Bをワイヤー
ロープ85により懸吊するようにしたもので、該掘削装
置30B′のフレーム31の上部に、ワイヤーロープ8
5を掛け渡すための滑車86が複数取り付けられてい
る。このように、前記管埋設用掘削装置30Bをワイヤ
ーロープにより懸吊支持するようにしてもよい。
【0096】なお、上記各実施例においては大口径地下
壁体1(1′)を特に橋脚基礎あるいは立坑の主体を成
すものとして説明したが、この大口径地下壁体はこれら
を構成するものに限定されるものではない。たとえば、
通常の建築物の基礎として、あるいは、この大口径地下
壁体を主体とした基礎を広範囲に多数設置し、その上部
に人工地盤を構成するようなことも無論可能である。
【0097】また、上記各実施例では、この大口径地下
壁体1(1′)を全体として円筒状すなわち断面円形の
ものとして説明したが、杭体5,5,…の配置を変えさ
えすればその他の断面(例えば矩形、その他の多角形
等)とすることも無論可能である。
【0098】さらに、この大口径地下壁体1(1′)に
より構造物の基礎等を構成する場合、図44に概略的に
示すようにこの大口径地下壁体を例えば同心的に二重
に、あるいは三重以上に構成してもよい。あるいはま
た、図45に概略的に示すように、この大口径地下壁体
1(1′)の内部に、該大口径地下壁体1(1′)を構
成する杭体5と同じ構成の杭体5,5,…により壁体1
00を前記地下壁体1(1′)と一体となるように構築
してもよい。上記の如き構成とした場合は、何れも、目
的とする最終構造物(基礎等)をより剛性の高いものと
することができる。
【0099】また、本発明に係る管埋設用掘削装置にお
いて、上記各実施例ではそれを鋼管(前記小径鋼管10
等)に適用する例のみについて示したが、この管埋設用
掘削装置は、例えばヒューム管、大口径PCパイル等の
遠心コンクリート管などの埋設にも好適に適用できる。
さらに、上記各実施例では、管を鉛直下方に埋設する場
合にのみについて説明したが、それ以外の方向、例えば
水平方向、斜め方向に管を埋設するような場合も用いる
ことができる。
【0100】また、前記管埋設用掘削装置30(30
A,30A′,30B,30B′)において、押込みジ
ャッキ44、回転ジャッキ45、補助ジャッキ63を4
基ずつ備えた構成としたが、これら押込みジャッキ4
4、回転ジャッキ45、補助ジャッキ63の数は上記実
施例のものに限定されない。
【0101】また、本発明において「水域」とは、海、
河川のほか湖沼などをも含むものである。
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
【発明の効果】 請求項1 に係る大口径地下壁体の構築方
法によれば、軟弱層の下方まで鋼管を打設した後、その
下方の支持層までをその設置した鋼管の内部を介して掘
削するようにしたので掘削位置および掘削進路が正確に
定まり、それにより筒状に閉環された大口径地下壁体を
確実に構築することができる。
【0107】請求項2に係る大口径地下壁体の構築方法
によれば、上部鋼管杭部として円形鋼管を有した杭体に
付いては円形鋼管より下部の支持層に至る部分も鋼管杭
構造のものとなる。従って、特に掘削深度が大深度であ
る場合でも掘削孔の崩壊等のおそれがなく杭体を確実に
打設することができる。また特に、このように鋼管(小
径鋼管)を埋設しながらの掘削を行うことにより、請求
項5に記載した発明に係る管埋設用掘削装置の使用を可
能とする作用もある。
【0108】請求項3に係る大口径地下壁体の構築方法
よれば、鋼管下方の支持層までの掘削における掘削位
置および掘削進路が正確に定まり、筒状に閉環された地
下壁体を確実に構築することができる。
【0109】請求項4に係る大口径地下壁体の構築方法
よれば、上部鋼管杭部として円形鋼管を有した杭体の
円形鋼管より下方の部分も鋼管杭構造のものとなる。よ
って、掘削深度が大深度である場合でも掘削孔の崩壊等
のおそれがなく杭体を確実に打設することができる。ま
た、請求項5に記載した発明に係る管埋設用掘削装置の
使用を可能とする。
【0110】請求項5に係る管埋設用掘削装置によれ
ば、管を設置すべく管先端部の地盤を掘削する際、押込
みジャッキを作動させ管内面に形成した係止部に反力を
取って掘削装置自身を確実に掘削方向前方に掘進させる
ことができる。従って、大深度でかつ地盤が硬い場合で
も確実かつ効率的な掘削を行うことができる。また、回
転ジャッキにより、該管埋設用掘削装置を前記係止部か
ら確実に離脱させることができる。
【0111】請求項6に係る管埋設用掘削装置によれ
ば、該装置のセット時の仮固定、および掘削時の固定等
に補助ジャッキを用いて作業の能率化および確実化が図
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構築方法および管埋設用掘削装置が構
築対象としている立坑または橋脚基礎の例を地盤等と共
に示す縦断面図である。
【図2】図1のH−H線に沿う矢視図である。
【図3】図1のI−I線に沿う矢視図である。
【図4】図1のJ−J線に沿う矢視図である。
【図5】本発明に係る立坑または橋脚基礎の構築方法の
一実施例を説明するもので、鋼管により組まれた筒体を
示す平面図である。
【図6】図5における筒体の縦断面図である。
【図7】一実施例による立坑または橋脚基礎の構築方法
を説明するもので、小径鋼管の設置工程を示す縦断面図
である。
【図8】小径鋼管の設置工程を図7に続いて示す縦断面
図である。
【図9】小径鋼管の設置工程を図8に続いて示す縦断面
図である。
【図10】本発明に係る管埋設用掘削装置の一実施例を
鋼管と共に示す縦断面図である。
【図11】図10におけるL−L線に沿う矢視図であ
る。
【図12】同実施例による管埋設用掘削装置の一部を拡
大して示す部分縦断面図である。
【図13】同実施例による管埋設用掘削装置の部分平面
図である。
【図14】同実施例による管埋設用掘削装置の部分平面
図である。
【図15】同実施例による管埋設用掘削装置のための上
部支持機構を鋼管の一部と共に示す正面図である。
【図16】上部支持機構の一部を示す平面図である。
【図17】小径鋼管の設置工程を図9に続いて示す縦断
面図である。
【図18】小径鋼管の設置工程を図17に続いて示す縦
断面図である。
【図19】小径鋼管の設置工程を図18に続いて示す縦
断面図である。
【図20】小径鋼管の設置工程を図19に続いて示す縦
断面図である。
【図21】小径鋼管の設置工程を図20に続いて示す縦
断面図である。
【図22】一実施例による管埋設用掘削装置の作用を説
明するもので、管埋設用掘削装置を鋼管と共に示す一部
平面断面図である。
【図23】同実施例による管埋設用掘削装置の作用を説
明するもので、管埋設用掘削装置を鋼管と共に示す一部
平面断面図である。
【図24】一実施例による大口径地下壁体の構築方法に
より構築途中にある大口径地下壁体の一部平面断面図で
ある。
【図25】図24における大口径地下壁体の下方部分を
示す一部平面断面図である。
【図26】大口径地下壁体の下方部分を図25に続いて
示す一部平面断面図である。
【図27】一実施例による大口径地下壁体の構築方法を
掘削装置(第2の掘削装置)と共に示す平面断面図であ
る。
【図28】図27の縦断面図である。
【図29】大口径地下壁体の完成後、大口径地下壁体の
内部地盤の掘削の様子を示す縦断面図である。
【図30】本発明の構築方法および管埋設用掘削装置が
構築対象としている大口径地下壁体を主体として構築さ
れた橋脚基礎の他の構成例を示す縦断面図である。
【図31】本発明に係る大口径地下壁体の構築方法の他
の実施例を示す平面断面図で、図32におけるN−N線
に沿う矢視図である。
【図32】図31のM−M線に沿う矢視図である。
【図33】他の実施例による大口径地下壁体の構築方法
を図31に続いて示す平面断面図である。
【図34】本発明の構築方法および管埋設用掘削装置が
構築対象としている大口径地下壁体のさらに他の構成例
を示す平面断面図である。
【図35】同大口径地下壁における鋼矢板の他の構成例
を鋼管の一部と共に示す水平断面図である。
【図36】図35における鋼矢板の背面図である。
【図37】本発明の構築方法および管埋設用掘削装置が
構築対象としている大口径地下壁体のさらに他の構成例
を示す縦断面図である。
【図38】本発明に係る管埋設用掘削装置の第二実施例
を鋼管の一部と共に示す縦断面図である。
【図39】図38の下面図である。
【図40】第一実施例による管埋設用掘削装置の他の構
成例を鋼管と共に示す平面図である。
【図41】図40の縦断面図である。
【図42】第二実施例による管埋設用掘削装置の他の構
成例を鋼管と共に示す平面図である。
【図43】図42の縦断面図である。
【図44】本発明の構築方法および管埋設用掘削装置が
構築対象としている大口径地下壁体のさらに他の構成例
を概略で示した平面断面図である。
【図45】本発明の構築方法および管埋設用掘削装置が
構築対象としている大口径地下壁体のさらに他の構成例
を概略で示した平面断面図である。
【符号の説明】
1,1′ 大口径地下壁体 2 海水 4 地盤 4a 軟弱層 4b 中間層 4c 支持層 5,5′ 杭体 5a 上部鋼管杭部(鋼管杭部) 5b 下部延出部 6 鋼管 6A 円形鋼管 6B 異形鋼管 7 コンクリート(中詰コンクリート) 8 筒体 10 小径鋼管 13,14 掘削孔 19,19′ 鋼矢板 30A,30A′,30B,30B′ 管埋設用掘削装
置 31 フレーム 32 掘削部 42 係止ブロック(係止部材) 44 押込みジャッキ 45 回転ジャッキ 63 補助ジャッキ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石崎 秀武 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 長谷川 誠 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 尾上 篤生 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 堀田 洋之 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 中川 健一 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 近藤 司 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 吉村 隆 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 新宅 正道 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 久保 裕之 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 審査官 深田 高義 (56)参考文献 特開 昭62−185921(JP,A) 特開 平1−142110(JP,A) 特開 平1−131791(JP,A) 特開 昭62−189296(JP,A) 特開 昭53−20613(JP,A) 実開 昭61−45442(JP,U) 実開 昭59−129940(JP,U) 実開 平2−129490(JP,U) 特公 昭50−38890(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 1/03 E02D 5/18 101 E02D 7/00 E02D 27/14

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 立坑または構築物の基礎等を構成するた
    めに水域中に構築され、多数の杭体が該杭体の径方向に
    連設されることにより全体として水平断面略円形状に閉
    環形成され、しかも前記杭体は、下端が支持層まで達し
    ているとともに、上端から少なくとも水底面下の軟弱層
    を越える部分までは外周部を鋼管または鋼矢板により構
    成された鋼管杭部とされ、前記杭体は、隣接したものど
    うしが互いに径方向に一部重合しており、前記杭体の前
    記鋼管杭部は、連設された杭体のうち一つ置きに配設さ
    れた杭体については断面円形の円形鋼管を備え、他の杭
    体については前記円形鋼管の間にぴったりと嵌まる断面
    皷形とされた異形鋼管を備えてなる大口径地下壁体の構
    築方法であって、下記のa〜eの工程を備えることを特
    徴とする大口径地下壁体の構築方法。 a.上端を水位上方に位置させた状態で下端が少なくと
    も前記軟弱層よりも下方にまで至る長さを有した前記円
    形鋼管および前記異形鋼管を、これら円形鋼管および異
    形鋼管が交互に径方向に連続して水平断面ほぼ円形の筒
    体を形成するように前記軟弱層の下方まで打設する工
    程。 b.前記円形鋼管の内部を介して該円形鋼管の下方の地
    盤を前記支持層まで掘削する工程。 c.前記b工程にて掘削した掘削孔の内部、および前記
    円形鋼管の内部に中詰コンクリートを充填する工程。 d.前記異形鋼管の内部を介して該異形鋼管の下方の地
    盤を前記支持層まで掘削する工程。 e.前記d工程にて掘削した掘削孔の内部、および前記
    異形鋼管の内部に中詰コンクリートを充填する工程。
  2. 【請求項2】 立坑または構築物の基礎等を構成するた
    めに水域中に構築され、多数の杭体が該杭体の径方向に
    連設されることにより全体として水平断面略円形状に閉
    環形成され、しかも前記杭体は、下端が支持層まで達し
    ているとともに、上端から少なくとも水底面下の軟弱層
    を越える部分までは外周部を鋼管または鋼矢板により構
    成された鋼管杭部とされ、前記杭体は、隣接したものど
    うしが互いに径方向に一部重合しており、前記杭体の前
    記鋼管杭部は、連設された杭体 のうち一つ置きに配設さ
    れた杭体については断面円形の円形鋼管を備え、他の杭
    体については前記円形鋼管の間にぴったりと嵌まる断面
    皷形とされた異形鋼管を備えてなる大口径地下壁体の構
    築方法であって、下記のa〜eの工程を備えることを特
    徴とする大口径地下壁体の構築方法。 a.上端を水位上方に位置させた状態で下端が少なくと
    も前記軟弱層よりも下方にまで至る長さを有した前記円
    形鋼管および前記異形鋼管を、これら円形鋼管および異
    形鋼管が交互に径方向に連続して水平断面ほぼ円形の筒
    体を形成するように前記軟弱層の下方まで打設する工
    程。 b.前記円形鋼管内に、該円形鋼管の内径よりも外径が
    小さくかつ最終的に該円形鋼管下端から前記支持層に至
    るまでの全長を有した小径鋼管を挿入するとともに、該
    小径鋼管を該小径鋼管の内部を掘削しながらその下端が
    前記支持層に至るまで地盤内に埋設する工程。 c.前記小径鋼管および前記円形鋼管の内部に中詰コン
    クリートを充填する工程。 d.前記異形鋼管の内部を介して該異形鋼管の下方の地
    盤を前記支持層まで掘削する工程。 e.前記d工程にて掘削した掘削孔の内部および前記異
    形鋼管の内部に中詰コンクリートを充填する工程。
  3. 【請求項3】 立坑または構築物の基礎等を構成するた
    めに水域中に構築され、多数の杭体が該杭体の径方向に
    連設されることにより全体として水平断面略円形状に閉
    環形成され、しかも前記杭体は、下端が支持層まで達し
    ているとともに、上端から少なくとも水底面下の軟弱層
    を越える部分までは外周部を鋼管または鋼矢板により構
    成された鋼管杭部とされ、前記杭体は、隣接したものど
    うしが互いに径方向に一部重合しており、前記杭体の前
    記鋼管杭部は、連設された杭体のうち一つ置きに配設さ
    れた杭体については断面円形の円形鋼管を備え、他の杭
    体については隣接する前記円形鋼管の間を両側から塞ぐ
    ことによりそれら円形鋼管間に断面皷形の空間を形成す
    る断面円弧状の鋼矢板を備えてなる大口径地下壁体の構
    築方法であって、下記のa〜eの工程を備えることを特
    徴とする大口径地下壁体の構築方法。 a.上端を水位上方に位置させた状態で下端が少なくと
    も前記軟弱層よりも下方にまで至る長さを有した前記円
    形鋼管および前記鋼矢板を、これら円形鋼管および鋼矢
    板が交互に連続して水平断面ほぼ円形の筒体を形成する
    ように前記軟弱層の下方まで打設する工程。 b.前記円形鋼管の内部を介して該円形鋼管の下方の地
    盤を前記支持層まで掘削する工程。 c.前記b工程にて掘削した掘削孔の内部、および前記
    円形鋼管の内部に中詰コンクリートを充填する工程。 d.前記鋼矢板間の間隙を介して前記鋼矢板の下方の地
    盤を前記支持層まで掘削する工程。 e.前記d工程にて掘削した掘削孔の内部、および前記
    鋼矢板間の間隙に中詰コンクリートを充填する工程。
  4. 【請求項4】 立坑または構築物の基礎等を構成するた
    めに水域中に構築され、多数の杭体が該杭体の径方向に
    連設されることにより全体として水平断面略円形状に閉
    環形成され、しかも前記杭体は、下端が支持層まで達し
    ているとともに、上端から少なくとも水底面下の軟弱層
    を越える部分までは外周部を鋼管または鋼矢板により構
    成された鋼管杭部とされ、前記杭体は、隣接したものど
    うしが互いに径方向に一部重合しており、前記杭体の前
    記鋼管杭部は、連設された杭体のうち一つ置きに配設さ
    れた杭体については断面円形の円形鋼管を備え、他の杭
    体については隣接する前記円形鋼管の間を両側から塞ぐ
    ことによりそれら円形鋼管間に断面皷形の空間を形成す
    る断面円弧状の鋼矢板を備えてなる大口径地下壁体の構
    築方法であって、下記のa〜eの工程を備えることを特
    徴とする大口径地下壁体の構築方法。 a.上端を水位上方に位置させた状態で下端が少なくと
    も前記軟弱層よりも下方にまで至る長さを有した前記円
    形鋼管および前記鋼矢板を、これら円形鋼管および鋼矢
    板が交互に連続して水平断面ほぼ円形の筒体を形成する
    ように前記軟弱層の下方まで打設する工程。 b.前記円形鋼管内に、該円形鋼管の内径よりも外径が
    小さくかつ最終的に該円形鋼管下端から前記支持層に至
    るまでの全長を有した小径鋼管を挿入するとと もに、該
    小径鋼管を該小径鋼管の内部を掘削しながらその下端が
    前記支持層に至るまで地盤内に埋設する工程。 c.前記小径鋼管および前記円形鋼管の内部に中詰コン
    クリートを充填する工程。 d.前記鋼矢板間の間隙を介して前記鋼矢板の下方の地
    盤を前記支持層まで掘削する工程。 e.前記d工程にて掘削した掘削孔の内部、および前記
    鋼矢板間の間隙に中詰コンクリートを充填する工程。
  5. 【請求項5】 杭用鋼管等の埋設管を地山内に埋設する
    ための管埋設用掘削装置であって、全体として埋設すべ
    き管の内部に挿入可能な大きさに構成されたフレーム
    と、該フレームの掘削方向前方側に該フレームに支持さ
    れた掘削部を有して成り、前記フレームには、前記管の
    内壁面の先端部近傍で同先端から同一寸法の位置に該内
    壁面の周方向に沿って所定間隔を置いて複数設けられた
    係止部に反力を取って該フレームを掘削方向前方に押し
    出す押込みジャッキと、前記係止部に反力を取って該フ
    レームを前記管の軸周りに回転させる回転ジャッキと、
    が設けられていることを特徴とする管埋設用掘削装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の管埋設用掘削装置におい
    て、前記フレームは、前記管の略半径方向に延びて該管
    の内面に当接し、互いに突っ張り合うことにより該装置
    を支持する少なくとも3基の補助ジャッキを備えている
    ことを特徴とする管埋設用掘削装置。
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