JP3220965B2 - 集積回路 - Google Patents

集積回路

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JP3220965B2
JP3220965B2 JP20542494A JP20542494A JP3220965B2 JP 3220965 B2 JP3220965 B2 JP 3220965B2 JP 20542494 A JP20542494 A JP 20542494A JP 20542494 A JP20542494 A JP 20542494A JP 3220965 B2 JP3220965 B2 JP 3220965B2
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    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、集積回路に関し、より
特定的には、非放射性誘電体線路(Nonradiat
ive Dielectric Waveguide)
を利用し、マイクロ波帯またはミリ波帯で動作する集積
回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、一対の導体板の相互の間隔を
所定の間隔になるように平行に配設し、両導体板間に配
設される誘電体ストリップに沿ってLSM01モードま
たはLSE01モードの電磁波を伝搬させるようにした
非放射性誘電体線路がある。この誘電体ストリップは、
60GHz帯を伝搬させるように設計した時、例えばテ
フロン等の誘電体材料(比誘電率εr=2)で幅b(例
えば、2.5mm)、高さa(例えば、2.25mm)
に形成されている。誘電体ストリップを導体板ではさむ
と、高さaの2倍以上の波長の電磁波は、誘電体ストリ
ップのない部分においてはほぼ遮断される。一方、誘電
体ストリップの部分では、遮断効果が解除される。この
ため、LSM01モードやLSE01モードの電磁波
は、放射せずに低損失で誘電体ストリップに沿って伝播
する。したがって、非放射性誘電体線路は、マイクロ波
やミリ波の伝送線路に適している。
【0003】ところで、この非放射性誘電体線路は、そ
の一対の導体板間に複数の誘電体ストリップとともに磁
性体や半導体等を配設することにより、サーキュレー
タ、オシレータ等を形成できるためマイクロ波帯やミリ
波帯の集積回路に適している。
【0004】このような集積回路、例えばFM−CW方
式レーダの高周波部を形成する場合、従来は、評価用端
子が接続可能な一対の評価用の導体板間に誘電体ストリ
ップ、磁性体、半導体等を配設することにより、まず、
集積回路の一部機能を分担するサーキュレータ、オシレ
ータ等をそれぞれ作成していた。次いで、サーキュレー
タ、オシレータ等の特性を評価していた。次いで、集積
回路を形成する際にはサーキュレータ、オシレータ等を
構成する誘電体ストリップ、磁性体、半導体等を評価用
とは別の一対の集積回路用の導体板間にそれぞれの回路
構成に合わせて配設しなおすようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな方法で集積回路を形成した場合、集積回路の各部で
あるサーキュレータ、オシレータ等の特性の再現が困難
であり、また、集積回路の一部であるサーキュレータ、
オシレータ等単独で特性を評価することが不可能で、さ
らに単独で調整することもできなかったため回路として
動作させることが困難であった。この結果、集積回路の
量産性に欠けるという問題点があった。また、集積回路
が故障した際、一部部品、例えばサーキュレータやオシ
レータ等を交換する必要が生じた時に、一部部品の交換
を行った場合、他の部分に影響を与えるという問題があ
った。
【0006】本発明は、上述の技術的課題を解決し、部
分的かつ全体的な量産性を向上した集積回路を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
非放射性誘電体線路を利用し、マイクロ波帯またはミリ
波帯で動作する集積回路であって、前記集積回路は、当
該集積回路の一部機能をそれぞれ分担する複数の非放射
性誘電体線路部品、および各前記非放射性誘電体線路部
品相互を連接的に表面実装可能な基板を備え、前記非放
射性誘電体線路部品は、相互の間隔を所定の間隔になる
ように平行に配設され、当該部品固有の一対の導体部、
前記両導体部間に配設され、高周波の電磁波を所定モー
ドで伝搬させる当該部品固有の誘電体ストリップ、前記
両導体部の少なくとも一方に形成され、前記基板に当接
可能な平面状の実装面、および前記両導体部の端部に形
成され、前記誘電体ストリップの端部から入力または出
力する電磁波の進行方向に垂直で、かつ前記誘電体スト
リップの端部付近を含む垂直端面を有する。
【0008】
【作用】請求項1に係る発明においては、各非放射性誘
電体線路部品を当該部品固有の一対の導体部相互の間隔
を所定の間隔になるように平行に配設し、高周波の電磁
波を所定モードで伝搬させる当該部品固有の誘電体スト
リップを両導体部間に配設し、平面状の実装面を両導体
部の少なくとも一方に形成し、誘電体ストリップの端部
から入力または出力する電磁波の進行方向に垂直で、か
つ誘電体ストリップの端部付近を含む垂直端面を両導体
部の端部に形成し、基板に各非放射性誘電体線路部品を
連接的に実装できるようにしている。この結果、非放射
性誘電体線路部品を個別に作成でき、非放射性誘電体線
路部品の量産性が向上できる。また、測定治具を用いて
部品を制作されたままの状態で単独に特性を評価でき、
基板に各部品を評価状態のまま簡単に連接的に実装で
き、かつ個別的に取り外すことができるので、集積回路
の量産性が向上する。
【0009】なお、非放射性誘電体線路の伝送モード
(LSM01モード)は、電磁波の伝搬方向と平行な電
流成分を持たず、かつ電界成分もほとんど持たないの
で、部品間接続等において、導波管のようにフランジに
よる堅固な固定が不要であり、かつ誘電体ストリップの
端部の突き合わせ接続等が不要となる。したがって、垂
直端面の構造を簡単にでき、実装が簡単であり、集積回
路の量産性を向上することができる。
【0010】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図1は本発明の一実施例の集積回路の形成途中の
状態を示す斜視図であり、図2は集積回路の完成後の状
態を示す上面図である。このような集積回路は、例えば
ミリ波帯で動作するFM−CW方式レーダの高周波部で
ある。図1,図2において、集積回路の一部の機能をそ
れぞれ分担する非放射性誘電体線路部品としてのオシレ
ータ1、サーキュレータ2、カプラ3、無反射終端器4
およびミキサ5と、これら相互を連接的に表面実装可能
な基板7とを備える。基板7は、板状の絶縁体、導体
や、板状の絶縁体の表面にメタライズ処理を施したもの
等が用いられている。
【0011】図1,図2において、オシレータ1は、一
対の平板状の導体部10,11と、導体部10,11間
に収納される誘電体ストリップ12等と、電源端子16
と、変調端子17とを備える。導体部10,11は、ア
ルミ、銅等の導電性材料で形成されている。また、導体
部11には、導体部10,11の相互の間隔を一定の高
さaに保持するためのスペーサ11bが一体的に形成さ
れている。誘電体ストリップ12は、例えばテフロン等
の誘電体材料(比誘電率εr=2)で高さa(例えば、
2.25mm)、幅b(例えば、2.5mm)に形成さ
れている。また、導体部10,11の四隅には、ネジ穴
18aが形成されている。このネジ穴18aに十字穴付
きなべネジ18bをそれぞれ螺着することにより、誘電
体ストリップ12等を移動不能に導体部10,11と一
体化することができる。
【0012】導体部11の底面には、平面状の実装面1
9aが形成されている。また、導体部10,11の一端
部には、誘電体ストリップ12の端部12aから出力さ
れる高周波の電磁波の進行方向に垂直で、かつ端部12
a付近を含む垂直端面19bが形成されている。このオ
シレータ1は、発振した電磁波を端部12bからサーキ
ュレータ2に出力する。なお、基板7には、ネジ穴70
が形成されており、十字穴付きなべネジ18bでオシレ
ータ1を基板7に固定される。
【0013】サーキュレータ2は、一対の平板状の導体
部20,21と、導体部20,21間に収納される3つ
の誘電体ストリップ22(図示1つ)等を備える。導体
部20,21は、アルミ、銅等の導電性材料で形成され
ている。導体部20,21間の三隅には、その相互の間
隔を一定の高さaに保持するためのスペーサ26が設け
られる。また、導体部20,21の三隅には、スペーサ
26を連通するネジ穴(図示せず)が形成されている。
このネジ穴に十字穴付きなべネジ27をそれぞれ螺着す
ることにより、誘電体ストリップ22等を移動不能に導
体部20,21と一体化することができる。また、基板
7に固定することができる。
【0014】導体部21の底面には、平面状の実装面2
9aが形成されている。また、導体部20,21の3つ
の端部には、各誘電体ストリップ22のそれぞれの端部
22aに入力または出力される高周波の電磁波の進行方
向に垂直で、かつ端部22a付近を含む垂直端面29b
がそれぞれ形成されている。
【0015】カプラ3は、一対の平板状の導体部30,
31と、導体部30,31間に収納される3つの誘電体
ストリップ32,33,34等を備える。導体部30,
31は、アルミ、銅等の導電性材料で形成されている。
導体部30には,その相互の間隔を一定の高さaに保持
するためのスペーサ30a設けられる。また、導体部3
0,31の四隅には、ネジ穴(図示せず)が形成されて
いる。このネジ穴に十字穴付きなべネジ37をそれぞれ
螺着することにより、誘電体ストリップ32,33,3
4等を移動不能に導体部30,31と一体化することが
できる。また、基板7に固定することができる。
【0016】導体部30の底面には、平面状の実装面3
9aが形成されている。また、導体部30,31の両端
部には、各誘電体ストリップ32,34のそれぞれの端
部32aに入力または出力される高周波の電磁波の進行
方向に垂直で、かつ端部32a付近を含む垂直端面39
bがそれぞれ形成されている。
【0017】なお、無反射終端器4およびミキサ5は、
オシレータ1、サーキュレータ2、カプラ3と同様に、
一対の平板状の導体部と、誘電体ストリップ等とを備
え、実装面と、垂直端面(いずれも図示せず)とを有
し、基板7に固定することができる。
【0018】図3は、図1のオシレータ1を測定する治
具の全体構成を示す図である。なお、図3(a)はオシ
レータ1の実装前の斜め上から見た図であり、図3
(b)はオシレータ1を実装した状態の斜めから見た図
であり、図3(c)は図3(b)の線A−A’で切断し
た断面図である。
【0019】治具6は、大略的に、実装部60と、変換
部61とを備えている。実装部60は、アルミ、銅等の
導電性を有する平板状の下板601の一部によって形成
されている。実装部60において、下板601には、オ
シレータ1を確実に位置合わせするための一対の側壁6
01aが形成されている。また、下板601には、オシ
レータ1の実装面19aと当接した状態で、オシレータ
1を所定の位置に固定するためのネジ穴601bがネジ
穴18aと対応する位置に形成されている。
【0020】変換部61は、オシレータ1と種類の異な
る他の線路(例えば、導波管)とを接続するため、大略
的に、相互に一体的な押さえ部610と、ホーン611
と、導波管612とを備える。押さえ部610におい
て、下板601の残部と、アルミ、銅等の導電性を有す
る押さえ板610aとでを誘電体ストリップ12と対応
する誘電体ストリップ62の一部をはさみ、押さえネジ
610bを締め付けることにより、誘電体ストリップ6
2を固定するようにしている。ホーン部611は、その
端部に設けられたフランジ611aをネジ611bで締
め付けることにより押さえ部610と固定される。導波
管部612の端部には、フランジ612aが形成され
る。
【0021】オシレータ1の垂直端面19bに対応し
て、変換部61の端部、すなわち、押さえ部610の端
部には、誘電体ストリップ62の電磁波の伝搬方向と垂
直で、誘電体ストリップ62の端部62a付近を含む垂
直端面61aが形成されている。また、誘電体ストリッ
プ62の他の端部62bには、他の線路の特性インピー
ダンスと誘電体ストリップ62の特性インピーダンスと
のマッチングを取るため、幅方向に先細るテーパが形成
されている。
【0022】図4は、図1のオシレータ1と図3の治具
6の誘電体ストリップ12,62の端部12a,62a
付近の構造の例を示す図である。なお、図4(a)〜
(c)においては、誘電体ストリップ12,62の端部
12a,62a同士を突き合わせる状態の例をそれぞれ
示している。図4(a)にあっては、誘電体ストリップ
12,62の端部12a,62aを電磁波の進行方向に
垂直かつ垂直端面19b,61bと面一に形成し、端部
12a,62a同士を突き合わせるようにしている。
【0023】一方、図4(b)にあっては、端部12
a,62b同士が突き合わせ可能にくさび状にそれぞれ
形成している。このため、端部12aは、垂直端面19
bからわずかに突出している。図4(c)にあっては、
端部12a,62b同士が突き合わせ可能に丸状にそれ
ぞれ形成している。このため、この(c)においても端
部12aは、垂直端面19bからわずかに突出してい
る。図4(b),(c)に示したように、誘電体ストリ
ップ12,62の端部12a,62a同士が突き合わせ
可能であれば、端部12a,62aは、必ずしも電磁波
の進行方向に垂直に形成されていなくともよい。また、
端部12a,62aを電磁波の進行方向に垂直に形成し
た場合にあっても、端部12a,62aを垂直端面19
b,61aからわずかにそれぞれ突出させ、端部12
a,62a同士を突き合わせるようにしてもよい。
【0024】次いで、動作を説明する。オシレータ1の
電源端子16に直流電力を供給すると、高周波の電磁波
が発振し、誘電体ストリップ12に入力される。ところ
で、導体部10,11間の間隔をaとし、伝送すべきミ
リ波の電磁波の波長をλとすると、間隔aがa<λ/2
であれば、誘電体ストリップ12のない部分において
は、導体部10,11に平行な電磁波の伝搬が遮断され
る。一方、誘電体ストリップ12が挿入された部分にお
いては、遮断状態が解消され、誘電体ストリップ12に
沿って電磁波を伝搬し、端部12aからこの電磁波を出
力する。変換部61の押さえ部610においても同様で
ある。なお、非放射性誘電体線路の伝送モードは、LS
EモードとLSMモードに大別される。最低次数モード
のLSE01モードとLSM01モードのうち、低損失
性の点から、通常LSM01モードが使用される。
【0025】本願発明者は、治具6とスペクトラムアナ
ライザとを使用して、このオシレータ1を評価した。図
5は、図3のオシレータ1の特性を示す図である。図5
から、60GHzを中心とする良好な特性の発振信号が
誘電体ストリップ12の端部12aから出力されている
ことがわかる。
【0026】ここで、導波管を伝搬する電磁波と、非放
射性誘電体線路を伝搬する電磁波との違いを考察する。
図6は導波管を伝搬するTE10モードの電磁波を示す
図であり、図7は非放射性誘電体線路を伝搬するLSM
01モードの電磁波を示す図である。なお、図6(a)
は電界成分E,磁界成分Hを、図6(b)は表面電流I
をそれぞれ示している。また、図7(a)は電界成分
E,磁界成分Hを、図7(b)は表面電流Iを、図7
(c)は線B−B’で切断した状態をそれぞれ示してい
る。
【0027】導波管においては、図6(b)に示すよう
に表面電流Iは、電磁波の伝搬方向と同方向の成分を有
している。このため、導波管同士を接続するためには、
隙間をなくし、両導波管に表面電流Iを流すため、フラ
ンジによる堅固な固定が必要である。
【0028】一方、非放射性誘電体線路においては、図
7(b)に示すように、LSM01モードの表面電流I
は、電磁波の伝搬方向と垂直な成分を持つだけである。
このため、導体部10,11が電磁波の伝搬方向に垂直
にそれぞれ切断され、各導体部10,11間にギャップ
が存在しても電磁波の伝送に影響しないことが考えられ
る。
【0029】これを確かめるため、本願発明者は、導体
部10,11と誘電体ストリップ12とを電磁波の伝送
方向に垂直に切断した場合の特性を評価した。図8は、
導体部10,11および誘電体ストリップ12間のギャ
ップdが「0」の場合の特性を示す図である。すなわ
ち、図4(a)において垂直端面19bおよび端部12
aと、対応する垂直端面19bおよび端部12aとをそ
れぞれ突き合わせた場合の特性を示す図である。図9
は、導体部10,11および誘電体ストリップ12間の
ギャップdが0.1mm存在する場合の特性を示す図で
ある。すなわち、図4(a)において垂直端面19bお
よび端部12aと、対応する垂直端面19bと端部12
aとを間を0.1mm離した場合の特性を示す図であ
る。図8,図9から、導体部10,11および誘電体ス
トリップ12間やオシレータ1と治具6との間にギャッ
プdが存在しても、反射損失、挿入損失がわずかに増加
するだけであることが確かめられた。
【0030】このため、オシレータ1と治具6との間の
接続において、導波管のようにフランジによる堅固な固
定が不要であり、かつ端部12a,62aの突き合わせ
接続等が不要となる。したがって、実装部60に実装面
19aと当接した状態で、オシレータ1を固定した状態
で実装すると、誘電体ストリップ12,62間をLSM
01モードの電磁波がミスマッチングなくかつ低ロスで
伝搬する。したがつて、オシレータ1の特性をばらつき
なく評価できる。また、実装が簡単である。
【0031】なお、端部12a,62aを垂直端面19
b,61bからわずかにそれぞれ突出させ、端部12
a,62a同士を突き合わせた場合の特性を評価するた
め、本願発明者は、導体部10,11と誘電体ストリッ
プ12とを電磁波の伝送方向に垂直に切断した場合と、
突出させた場合の特性を評価した。
【0032】図10は、導体部10,11および誘電体
ストリップ12間のギャップdが「0」の場合の特性を
示す図である。すなわち、図4(a)において垂直端面
19bおよび端部12aと、対応する垂直端面19bお
よび端部12aとをそれぞれ突き合わせた場合の特性を
示す図である。図11は、導体部10,11間だけにギ
ャップdが0.1mm存在する場合の特性を示す図であ
る。すなわち、端部12aを垂直端面19bから0.0
5mmずつ突出させ、端部12a同士を突き合わせ、垂
直端面19bと対応する垂直端面19bとの間を0.1
mm離した場合の特性を示す図である。図12は、導体
部10,11間だけにギャップdが0.2mm存在する
場合の特性を示す図である。すなわち、端部12aを垂
直端面19bから0.1mmずつ突出させた場合の特性
を示す図である。
【0033】図10,図11,図12から、導体部1
0,11間にギャップdが存在しても、端部12aが突
き合わさっている限り、反射損失、挿入損失の劣化がほ
とんど生じないことが確かめられた。この関係は、オシ
レータ1と治具6との間でも同様に適用できる。端部1
2a,62aを垂直端面19b,61bからわずかにそ
れぞれ突出させ、端部12a,62a同士を突き合わせ
た場合でも反射損失、挿入損失の劣化がほとんど生じな
い。
【0034】図13は、図1のサーキュレータ2の特性
を評価する治具の全体構成を示す斜視図である。なお、
治具6と対応する部分には同一の番号を付し、説明を省
略する。治具6Cは、サーキュレータ2が3つの端部2
2a、すなわち、3つのポートを有するため、図1の治
具6を3個組み合わせ、3つの垂直端面61aと実装部
60とでサーキュレータ2を位置決めできるように構成
されている。なお、十字穴付きなべネジ27を1本でも
取り外すと誘電体ストリップ22等の位置ずれが生じる
おそれがある。このため、蓋67でサーキュレータ2を
押さえつけ、十字穴付きなべネジ68を締め付けること
により、サーキュレータ2を固定するようにしている。
このようにして、サーキュレータ2の特性を評価する。
【0035】なお、サーキュレータ2は、1つの誘電体
ストリップ22の端部22aを高周波の電磁波の入力ポ
ートとした場合、電磁波を一方向に旋回させ、もう一方
の誘電体ストリップ22の端部22aにのみ電磁波を伝
搬させる。本願発明者は、治具6Cとネットワークアナ
ライザとを使用して、1つの端部22aを無反射終端さ
せた状態、サーキュレータ2をアイソレータとして動作
させてサーキュレータ2を評価した。
【0036】図14は、図13のサーキュレータ2の特
性を示す図である。なお、図14(a)はアイソレーシ
ョンおよび挿入損失を示し、図14(b)は反射損失を
示している。したがって、図13から、サーキュレータ
2は、良好なアイソレーション、挿入損失、反射損失の
特性を有していることがわかる。
【0037】このため、サーキュレータ2と治具6Cと
の間の接続において、導波管のようにフランジによる堅
固な固定が不要であり、かつ端部22a,62aの突き
合わせ接続等が不要となる。したがって、実装部60に
実装面29aと当接した状態で、サーキュレータ2を固
定した状態で実装すると、誘電体ストリップ22,62
間をLSM01モードの電磁波がミスマッチングなくか
つ低ロスで伝搬する。したがつて、サーキュレータ2の
特性を精度よく評価できる。また、実装が簡単である。
【0038】なお、カプラ3の特性を評価する場合に
は、図3に示した治具を4つ組み合わせて構成するよう
にすればよい。また、無反射終端器4、ミキサ5等の1
ポートの非放射性誘電体線路部品については、図3に示
した治具6で特性を評価するようにすればよい。よい評
価がえられれば、オシレータ1〜ミキサ5は、順次基板
7上に連接的に表面実装される。
【0039】ところで、図1,図2に示すように、集積
回路は、基板7上にオシレータ1〜ミキサ5が相互に連
接的に表面実装されている。したがって、治具6,6C
との間との関係と同様に、実装による特性ずれが生じる
ことなく、オシレータ1〜ミキサ5は、評価通りの特性
を発揮することができる。このため、生産性および信頼
性の高い集積回路を構成することができる。
【0040】なお、図1では、ネジ止めでオシレータ1
〜ミキサ5を基板7に表面実装するようにしたが、半田
付けや、導電ペーストで表面実装するようにしてもよ
い。また、図2に示すように基板7にアンテナ8をとり
つけると、レーダヘッドができあがる。
【0041】また、非放射性誘電体線路部品相互間の位
置合わせを、次のようにしてもよい。 (1) 基板7に溝を設け、この溝に対して非放射性誘
電体線路部品を装着してそれぞれ位置合わせする。 (2) 図15(a)〜(c)にそれぞれ示すように、
非放射性誘電体線路部品の上部に設けた位置決め用凹部
δに位置決め部材εをはめ込んで、位置合わせをする。 (3) 図15(d)に示すように、基板7にたてたガ
イドピンζに非放射性誘電体線路部品の穴ηをはめ、ま
たはこの逆にして、位置合わせをする。 (4) 図15(e)に示すように、一方の非放射性誘
電体線路部品の垂直端面にたてたガイドピンθに他方の
非放射性誘電体線路部品の垂直端面の穴ιにはめ込ん
で、位置合わせをする。
【0042】(1)〜(3)では、図16(a)に示す
ように、基板7に対する非放射性誘電体線路の垂直移動
だけで、実装が可能である。一方、(4)では、図16
(b)に示すように、基板7に対する非放射性誘電体線
路の水平移動も必要である。したがって、(4)より
(1)〜(3)の方が、実装性に優れている。
【0043】図17は、本発明の他の実施例の集積回路
の一部構成を示す図である。なお、図1の実施例と対応
する部分には同一の番号を付し、説明を省略する。図1
7の集積回路に用いられる各非放射性誘電体線路部品9
1,92,93は、それぞれの各誘電体ストリップ91
0,920,921,930およびその左右側方に充填
される充填部材912,922,932を含む直方体状
の誘電体ブロックと、誘電体ブロックの上下に形成され
る導体部913,914,923,924,933,9
34とを備える。誘電体ストリップ910,920,9
21,930の各端部910a,920a,921a,
930aは、誘電体ブロックの側面に垂直に形成され
る。なお、非放射性誘電体線路部品91の能動素子ブロ
ック915は、導体部913,914間に収納されてい
る。
【0044】誘電体ストリップ910,920,92
1,930は、高誘電率のセラミックで形成されてい
る。充填部材912,922,932は、低誘電率のセ
ラミックで形成されている。導体部913,914,9
23,924,933,934は、誘電体ブロックの上
下表面をメタライズ処理することにより形成されてい
る。
【0045】このような非放射性誘電体線路部品91,
92,93を、治具で特性を評価した後、基板7上に連
接的に表面実装することにより、集積回路が形成され
る。なお、基板7が絶縁体の場合には、ネジで固定さ
れ。基板7が導体や絶縁体表面をメタライズしたもので
ある場合には、ネジのほか半田や導電ペーストで固定さ
れてもよい。
【0046】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、非放射性
誘電体線路部品を個別に作成でき、非放射性誘電体線路
部品の量産性が向上できる。また、測定治具を用いて部
品を制作されたままの状態で単独に特性を評価でき、基
板に各部品を評価状態のまま簡単に連接的に実装でき、
かつ個別的に取り外すことができるので、集積回路の量
産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の集積回路の形成途中の状態
を示す斜視図である。
【図2】図1の集積回路の完成後の状態を示す上面図で
ある。
【図3】図1のオシレータ1と治具の一例との全体構成
を示す図である。
【図4】図1のオシレータ1の誘電体ストリップ12の
端部12a付近の構造の例を導体部11を取り外した状
態で示す図である。
【図5】図1のオシレータ1の特性を示す図である。
【図6】導波管を伝搬するTE10モードの電磁波を示
す図である。
【図7】非放射性誘電体線路を伝搬するLSM01モー
ドの電磁波を示す図である。
【図8】導体部および誘電体ストリップ間のギャップd
が「0」の場合の特性を示す図である。
【図9】導体部および誘電体ストリップ間のギャップd
が0.1mm存在する場合の特性を示す図である。
【図10】導体部および誘電体ストリップ間のギャップ
dが「0」の場合の特性を示す図である。
【図11】導体部間だけにギャップdが0.1mm存在
する場合の特性を示す図である。
【図12】導体部間だけにギャップdが0.2mm存在
する場合の特性を示す図である。
【図13】図1のサーキュレータ2と治具の一例との全
体構成を示す斜視図である。
【図14】図1のサーキュレータ2の特性を示す図であ
る。
【図15】非放射性誘電体線路部品間の位置合わせ例を
示す図である。
【図16】非放射性誘電体線路部品の装着動作を示す図
である。
【図17】本発明の他の実施例の集積回路の一部構成を
示す図である。
【符号の説明】
1…オシレータ 2…サーキュレータ 3…カプラ 4…無反射終端器 5…ミキサ 7…基板 10,11,20,21,30,31,913,91
4,923,924,933,934…導体部 12,22,32,33,34,910,920,92
1,930…誘電体ストリップ 12a,22a,32a,910a,920a,921
a,930a…端部 19a,29a…実装面 19b,29b…垂直端面 91,92,93…非放射性誘電体線路部品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01P 5/08 H01P 5/08 G (56)参考文献 特開 平6−45808(JP,A) 特開 昭57−166701(JP,A) 特開 平6−45809(JP,A) 特開 昭63−185101(JP,A) 特開 昭58−215804(JP,A) 米国特許5115245(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 3/16 G01S 7/03 G01S 13/34 H01P 1/04 H01P 1/38 H01P 5/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非放射性誘電体線路を利用し、マイクロ
    波帯またはミリ波帯で動作する集積回路であって、 前記集積回路は、 当該集積回路の一部機能をそれぞれ分担する複数の非放
    射性誘電体線路部品、および各前記非放射性誘電体線路
    部品相互を連接的に表面実装可能な基板を備え、 前記非放射性誘電体線路部品は、 相互の間隔を所定の間隔になるように平行に配設され、
    当該部品固有の一対の導体部、 前記両導体部間に配設され、高周波の電磁波を所定モー
    ドで伝搬させる当該部品固有の誘電体ストリップ、 前記両導体部の少なくとも一方に形成され、前記基板に
    当接可能な平面状の実装面、および前記両導体部の端部
    に形成され、前記誘電体ストリップの端部から入力また
    は出力する電磁波の進行方向に垂直で、かつ前記誘電体
    ストリップの端部付近を含む垂直端面を有する、集積回
    路。
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