JP3220790U - パイプのジョイント部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】紙等のシートを材料として低コストで製造でき、パイプを容易に継ぎ合わせて、やぐら什器等の立体構造物を迅速に組み立てられるジョイント部材を提供する。
【解決手段】羽板1a,1bが相互のスリット5,6の差し込みにより組み合わされて交差し、羽板1a,1bの交差部が軸線となり、羽板1a,1bには、主板部2と差込部3とが軸線方向にそれぞれ連設され、主板部2には、軸線上の部分を対称軸として貫通し、軸線方向の位置が揃ったパイプ挿通穴4がそれぞれ形成されたものとする。これにより、差込部3が端面の開口から差し込まれて主板部2の側部端縁に周壁の端面が当接したパイプP1と、羽板1a,1bのパイプ挿通穴4に挿通されたパイプP2とが交差状態で継ぎ合わされるようにする。
【選択図】図6
【解決手段】羽板1a,1bが相互のスリット5,6の差し込みにより組み合わされて交差し、羽板1a,1bの交差部が軸線となり、羽板1a,1bには、主板部2と差込部3とが軸線方向にそれぞれ連設され、主板部2には、軸線上の部分を対称軸として貫通し、軸線方向の位置が揃ったパイプ挿通穴4がそれぞれ形成されたものとする。これにより、差込部3が端面の開口から差し込まれて主板部2の側部端縁に周壁の端面が当接したパイプP1と、羽板1a,1bのパイプ挿通穴4に挿通されたパイプP2とが交差状態で継ぎ合わされるようにする。
【選択図】図6
Description
この考案は、パイプを継ぎ合わせて立体構造物を組み立てるためのジョイント部材に関するものである。
ショッピングモールやホームセンター等の店頭における家庭用品の売場では、季節商品の販売促進のため、紙管等のパイプを縦横に継ぎ合わせて組み立てた飾り付け用のやぐら什器を設置し、その下方に関連商品を集めて陳列することがある。
このようなやぐら什器の組み立てに際し、パイプの継ぎ合わせに使用するジョイント部材として、パイプの端部に差し込まれる差込部と、パイプの端部を抱持する短筒状の抱持部とが一体成型されたプラスチック製のものを使用することが想定される。
ところが、このようなジョイント部材は、プラスチックを成形するために金型の製作が必要となり、製造コストがかかるため、高価となるほか、不正に廃棄されると、環境汚染の原因となる恐れがある。
一方、下記特許文献1には、パイプのジョイント部材として、図11に示すように、箱体51から成り、その異なる方向の対向面間に貫通穴52,53を形成し、貫通穴52,53にそれぞれ挿通したパイプP11,P12を交差状態で継ぎ合わせるものが記載されている。このような形状のジョイント部材は、段ボール等の紙製とすることもできる。
しかしながら、特許文献1に記載されたようなジョイント部材の箱体51を、展開状態の紙製ブランクから組み立てるものとした場合、材料として大きな面積の紙を必要とし、貼り着けの手間もかかるほか、パイプを継ぎ合わせる方向に応じて、貫通穴52,53の位置が異なるブランクを製作する必要があり、コストが高くなるという問題がある。
また、箱体51の対向面間が空洞となるため、貫通穴52,53にそれぞれパイプを挿通する際、パイプが箱体51の内部で振れて、パイプの挿通作業が難しくなり、立体構造物の組み立てに時間を要するという問題もある。
そこで、この考案は、紙等のシートを材料として低コストで製造でき、パイプを容易に継ぎ合わせて、やぐら什器等の立体構造物を迅速に組み立てられるジョイント部材を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、この考案は、羽板が相互のスリットの差し込みにより組み合わされて交差し、前記羽板の交差部が軸線となり、
前記羽板には、主板部と差込部とが軸線方向にそれぞれ連設され、
前記羽板の主板部には、前記軸線上の部分を対称軸として貫通し、軸線方向の位置が揃ったパイプ挿通穴がそれぞれ形成され、
前記差込部が端面の開口から差し込まれて前記主板部の側部端縁に周壁の端面が当接したパイプと、前記羽板のパイプ挿通穴に挿通されたパイプとが交差状態で継ぎ合わされるものとしたのである。
前記羽板には、主板部と差込部とが軸線方向にそれぞれ連設され、
前記羽板の主板部には、前記軸線上の部分を対称軸として貫通し、軸線方向の位置が揃ったパイプ挿通穴がそれぞれ形成され、
前記差込部が端面の開口から差し込まれて前記主板部の側部端縁に周壁の端面が当接したパイプと、前記羽板のパイプ挿通穴に挿通されたパイプとが交差状態で継ぎ合わされるものとしたのである。
また、前記パイプ挿通穴は、前記軸線方向に複数個並んで形成されているものとし、軸線方向に並んだパイプ挿通穴に、それぞれ異なる方向に軸線を向けてパイプを挿通することにより、差込部を挿し込んだパイプと併せて、互いに交差する多方向に軸線を向けてパイプを継ぎ合わせることができるようにしたのである。
さらに、前記パイプ挿通穴は、前記軸線に対して直交する方向を長軸方向とする楕円となっているものとし、羽板がパイプの軸線方向に対して傾斜した状態でも、断面形状が円形の丸パイプを挿通して、しっかりと保持できるようにしたのである。
また、前記羽板は、互いの前記スリットと、前記軸線近傍の切込により形成された突起部とを、前記突起部の近傍の撓み及び復元に伴い噛み合わせて抜け止めされているものとし、羽板同士が組み合わされた状態で確実に係止され、羽板同士が軸線方向にずれないようにしたのである。
この考案に係るパイプのジョイント部材は、羽板の組み合わせにより構成されているので、環境負荷の小さい紙製のシートを材料として製造でき、使用するシートの面積は小さく、貼付加工も不要となり、大量に低コストで製造でき、同一形状のものを様々なパイプの接合箇所に適用できるので、製造・管理の合理化を図ることができる。
また、組み合わされる羽板のパイプ挿通穴は、軸線を共有して開口しているので、それぞれの羽板のパイプ挿通穴の位置を意識することなく、パイプを2枚の羽板のパイプ挿通穴に容易に挿通することができる。
そして、羽板の差込部を挿し込んだパイプと、主板部のパイプ挿通穴に挿通したパイプとを容易に継ぎ合わせることができ、やぐら什器等、様々な立体構造物を迅速に組み立てることができる。
さらに、差込部の幅及びパイプ挿通穴の内径を変えるだけで、様々な太さのパイプに対応することができ、交差した羽板の外縁を様々な形状とすることにより、什器等のデザイン性を3次元的に高める演出が可能となる。
以下、この考案の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1乃至図7は、第1実施形態を示している。図1に示すように、この考案に係るパイプのジョイント部材は、2枚の羽板1a,1bから構成され、これらの羽板1a,1bが相互の差し込みにより組み合わされて十字状に交差し、羽板1a,1bの交差部が軸線となるものである。
羽板1a,1bは、強度を確保するため、それぞれ板紙を3枚貼り合わせた合紙から成り、図2に示すように、幅が広い長方形状の主板部2と、主板部2より幅が狭くテーパー状に先細りとなった差込部3とが軸線方向(図の方向では上下方向)に連設され、主板部2が差込部3よりも両側へ張り出した形状とされている。
羽板1a,1bの主板部2には、パイプ挿通穴4がそれぞれ軸線方向に位置が揃うように2個並んで形成されている。羽板1a,1bの各2個のパイプ挿通穴4は、軸線上の部分を対称軸とし、軸線に対して直交する方向を長軸方向とする楕円となっている。
2枚の羽板1a,1bのうち、一方の羽板1aには、軸線に沿って断続的にスリット5が形成され、差込部3側の端部(図の方向では下端部)に位置するスリット5の入口には、突起部5aが設けられている。
羽板1aの2個のパイプ挿通穴4の間の部分は、差込部3寄りの一部を除いてスリット5のない繋部とされ、軸線に臨む主板部2の端縁(図の方向では上端縁)とパイプ挿通穴4の間の部分は、中間部がスリット5のない繋部とされている。
他方の羽板1bには、軸線に沿って断続的にスリット6が形成され、スリット6の入口となる主板部2側の端縁(図の方向では上端縁)からパイプ挿通穴4までの部分が階段状に切り込まれて、互い違いに突き出す突起部6a,6bが中間部にスリット6を挟んで設けられている。
羽板1bの2個のパイプ挿通穴4の間の部分は、差込部3寄りの部分がスリット6のない繋部とされ、差込部3側の端部(図の方向では下端部)のスリット6とパイプ挿通穴4の間の部分は、スリット6のない繋部とされている。
また、羽板1a,1bのスリット5,6の幅は、3枚合紙である羽板1a,1bの厚さより僅かに大きく設定されている。
上記のような2枚の羽板1a,1bからジョイント部材を組み立てるには、図3に示すように、一方の羽板1aの差込部3における突起部5aの近傍を、スリット5の入口側が開くように撓ませると共に、他方の羽板1bの主板部2における突起部6a,6bの近傍を、スリット6の入口側が開くように撓ませる。
そして、羽板1a,1bを接近させて、スリット5,6を相互に差し込み、突起部5aの近傍の撓みを復元させると共に、突起部6a,6bの近傍の撓みを復元させる。これにより、羽板1a,1b同士が噛み合って、組み合わされた状態で確実に係止され、軸線方向にずれることがない。
このように組み立てたジョイント部材を使用して、例えば、やぐら什器のような立体構造物を組み立てるには、図4に示すように、羽板1a,1bの差込部3を支柱となるパイプP1の端面の開口に差し込み、主板部2の張出部分の端縁をパイプP1の周壁の端面に当接させ、ジョイント部材がパイプP1に沈み込まないようにする。
次に、図5に示すように、羽板1a,1bのそれぞれ2個のパイプ挿通穴4のうち、一方(図では下方)のパイプ挿通穴4に、梁となるパイプP2を、羽板1a,1bに対してそれぞれ45°の角度をなすように順次挿通する。
続いて、図6に示すように、羽板1a,1bのそれぞれ2個のパイプ挿通穴4のうち、他方(図では上方)のパイプ挿通穴4に、パイプP2と直交する梁となるパイプP3を、羽板1a,1bに対してそれぞれ45°の角度をなすように順次挿通する。
このようにして、図7に示すように、上部の4隅となる部分でパイプP1,P2,P3を継ぎ合わせると、やぐら什器のような立体構造物が組み立てられる。
この組み立てに際しては、パイプP2,P3をパイプ挿通穴4から抜け止めするため、パイプP2,P3の端部に、パイプ挿通穴4の開口径よりも張り出す抜止部材7を取り付けておくとよい。
上記のようなジョイント部材は、羽板1a,1bの組み合わせにより構成されているので、環境負荷の小さい板紙を材料として製造でき、使用する板紙の面積は小さく、貼付加工も不要となり、大量に低コストで製造でき、同一形状のものを様々なパイプの接合箇所に適用できるので、製造・管理の合理化を図ることができる。
また、組み合わされる羽板1a,1bのパイプ挿通穴4は、軸線を共有して開口しているので、それぞれの羽板1a,1bのパイプ挿通穴4の位置を意識することなく、各方向のパイプP2,P3を2枚の羽板1a,1bのパイプ挿通穴4に容易に挿通できる。
そして、差込部3を挿し込んだパイプP1と、主板部2のパイプ挿通穴4に挿通したパイプP2,P3とを容易に継ぎ合わせることができ、上記のようなやぐら什器のほか、鳥居形の什器等、様々な立体構造物を迅速に組み立てることができる。
さらに、差込部3の幅及びパイプ挿通穴4の内径を変えるだけで、様々な太さのパイプに対応することができる。
また、図8に示すように、羽板1a,1bの外縁を、例えば、ハート形状にするなど様々な形状として、図9に示すように、羽板1a,1bを組み合わせて十字状に交差させたとき、特徴のある形状とすることができ、パイプP1,P2,P3を継ぎ合わせて組み立てる什器等のデザイン性を3次元的に高める演出が可能となる。
なお、上記実施形態では、パイプ挿通穴4の周囲が閉じたものを例示したが、図10に示すように、パイプ挿通穴4は、羽板1a,1bの主板部2の端部で周囲が開放された形状としてもよい。
また、断面形状が円形の丸パイプを挿通するため、パイプ挿通穴4が楕円形となったものを例示したが、パイプ挿通穴4は、断面形状が四角形の角パイプを挿通する場合には、長方形や正方形にするなど、パイプの断面形状に応じた形状にするとよい。
また、羽板1a,1bに、それぞれ2個のパイプ挿通穴4を有するものを例示したが、パイプ挿通穴4は、継ぎ合わせるパイプの本数に応じて、羽板1a,1bにそれぞれ1個のみ形成し、又は3個以上軸線方向に並べて形成してもよい。
また、羽板1a,1bの差込部3は、その両側方が切り欠かれたものを例示したが、羽板1a,1bの端縁から入れた2本のスリット間の部分を差込部3としてもよい。
さらに、2枚の羽板1a,1bを十字状に交差させたものを例示したが、3枚以上の羽板を直角より小さい角度で交差させたものとしてもよい。
そのほか、羽板1a,1bが板紙を貼り合わせた3枚合紙から成るものを例示したが、羽板1a,1bは、段ボールや生分解性プラスチック板等、他の各種シートから成るものとしてもよい。
1a,1b 羽板
2 主板部
3 差込部
4 パイプ挿通穴
5,6 スリット
5a,6a,6b 突起部
7 抜止部材
P1,P2,P3 パイプ
2 主板部
3 差込部
4 パイプ挿通穴
5,6 スリット
5a,6a,6b 突起部
7 抜止部材
P1,P2,P3 パイプ
Claims (4)
- 羽板(1a,1b)が相互のスリット(5,6)の差し込みにより組み合わされて交差し、前記羽板(1a,1b)の交差部が軸線となり、
前記羽板(1a,1b)には、主板部(2)と差込部(3)とが軸線方向にそれぞれ連設され、
前記羽板(1a,1b)の主板部(2)には、前記軸線上の部分を対称軸として貫通し、軸線方向の位置が揃ったパイプ挿通穴(4)がそれぞれ形成され、
前記差込部(3)が端面の開口から差し込まれて前記主板部(2)の側部端縁に周壁の端面が当接したパイプ(P1)と、前記羽板(1a,1b)のパイプ挿通穴(4)に挿通されたパイプ(P2,P3)とが交差状態で継ぎ合わされるパイプのジョイント部材。 - 前記パイプ挿通穴(4)は、前記軸線方向に複数個並んで形成されていることを特徴とする請求項1に記載のパイプのジョイント部材。
- 前記パイプ挿通穴(4)は、前記軸線に対して直交する方向を長軸方向とする楕円となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパイプのジョイント部材。
- 前記羽板(1a,1b)は、互いの前記スリット(5,6)と、前記軸線近傍の切込により形成された突起部(5a,6a,6b)とを、前記突起部(5a,6a,6b)の近傍の撓み及び復元に伴い噛み合わせて抜け止めされていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のパイプのジョイント部材。
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